JP6198301B2 - 転写用基材シートの製造方法及びその転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)支持体上に転写層が積層された基材から所望の図柄部を有する転写用基材シートを熱融着させ、前記図柄部から前記支持体を剥離する転写方法において用いる転写用基材シートを製造する方法において、前記基材の前記転写層側から前記基材にレーザー光を照射して、前記転写層の前記図柄部以外の部分の全てを前記レーザー光の照射で分解させ、前記レーザー光の照射の際に発生する分解物を除去することを特徴とする転写用基材シートの製造方法が提供され、
(2)前記転写層は、前記支持体上に順に積層された図柄形成層と接着層とを有していることを特徴とする(1)記載の転写用基材シートの製造方法が提供され、
(3)前記転写層は、前記支持体上に順に積層された接着層、隠蔽層及び図柄形成層を有していることを特徴とする(1)記載の転写用基材シートの製造方法が提供され、
(4)転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法であって、(2)記載の製造方法によって前記転写用基材シートを製造し、前記転写用基材シートを前記接着層が被転写材に接触するように載置後、前記接着層により前記図柄形成層と前記接着層とを有した前記図柄部を前記被転写材に熱融着させ、前記図柄部から前記支持体を剥離することを特徴とする転写成形物の製造方法が提供され、
(5)転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法であって、(3)記載の製造方法によって前記転写用基材シートを製造し、前記転写用基材シートの前記図柄形成層面にアプリケーションフィルムを貼付して、前記支持体から前記図柄形成層と前記隠蔽層と前記接着層とを有した前記図柄部を前記アプリケーションフィルムに移し取り、前記アプリケーションフィルム上の前記図柄部の前記接着層が被転写材に接触するように載置後、前記接着層により前記図柄部を前記被転写材に熱融着させ、前記図柄部から前記アプリケーションフィルムを剥離することを特徴とする転写成形物の製造方法が提供される。
本発明の転写用基材シートの製造方法は、支持体上に所望の図柄部を形成する際に、レーザー加工手段を用いて図柄部以外の部分を分解・除去することを特徴とする。さらに詳しくは、支持体上に所望の図柄部を有する転写用基材シートの製造方法において、図柄部以外の部分をレーザー光の照射によって分解させ、レーザー光の照射の際に発生する分解物を除去することを特徴とするものである。以下に、本発明の転写用基材シートの製造方法に係る好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の転写用基材シートの製造方法に係る好ましい実施形態を示す、レーザー加工装置の概略図の一例を示している。図1に示すように、レーザー加工装置は、レーザー光1を照射する加工ノズル2と、基材3を載置するステージ6と、レーザー光の照射の際に発生する分解物4を除去する吸引ノズル5とを備えている。
本発明に用いられる基材は、支持体上に所望の図柄部を形成する転写層が積層された構成であり、衣料、布帛等の被転写材に表現するデザインやパターン形状によって層構成は適宜選択される。
本発明に用いられる支持体は、所望の図柄部を布帛等へ転写するまでの間、図柄部を保持する役割を有する。そして、支持体は布帛等へ所望の図柄部を転写した後、図柄部から剥離される。このように支持体表面は、図柄部を布帛等へ転写した後に支持体が図柄部から剥離できる程度の剥離性が要求されるものである。
本発明に用いられる転写層は、支持体上に所望の図柄部を形成する層であり、少なくとも、所望の図柄を表現、又は形成するための図柄形成層と、転写後に図柄部と布、布帛等の被転写材とを接着するための接着層と、を有していることが好ましい。そして、図柄形成層と接着層との間には、目的に応じて他の層を配置しても良く、例えば、バリア層、隠蔽層等が挙げられる。
本発明に用いられる図柄形成層は、布帛等に所望の図柄を表現、又は形成する層であり、図柄形成層表面に印刷を施して図柄が表現されていても良い。図柄形成層表面に印刷を施す方法としては、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。このような図柄形成層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、柔軟性を有し、印刷した際、インクの吸い込みが良く、滲みやハジキの無い合成樹脂を選択するのが好ましく、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリスチレン系エラストマー、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー、熱可塑性ポリ塩化ビニル系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱可塑性ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。また、これらの樹脂及び熱可塑性エラストマーへ染料や顔料などを添加して任意の色に着色することで図柄を表現しても良い。図柄形成層の厚みは、10μm〜500μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましい。
本発明に用いられる隠蔽層は、布帛等の色が透けて図柄形成層の色合いに影響を与えるのを防止する機能を有する。隠蔽層は合成樹脂に白色等の顔料を配合して隠蔽性を付与したものであり、合成樹脂としては特に限定されるものではなく、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。また、白色の顔料としては亜鉛華、酸化チタン、硫化亜鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコニウム等が挙げられる。上記の中で本発明において特に推奨される組み合わせは、ポリウレタン樹脂、特に熱可塑性ポリウレタン樹脂と酸化チタンである。また、隠蔽層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
本発明に用いられるバリア層は、濃色に染色された布帛等へ図柄部を転写する際、布帛を染色している染料が熱圧プレス等により昇華して隠蔽層や図柄形成層にまで達し、図柄が本来有している色調を損じさせるのを防止する機能を有する。バリア層を構成する材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。上記の中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体がバリア性、取扱いの容易さから好ましい。バリア層の厚みは用いる材料の種類により異なるが、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いる場合、その厚みは5μm〜50μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
本発明に用いられる接着層は、転写用基材シートの取扱いやすさなどからホットメルト系接着剤が好ましい。ホットメルト系接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられ、150℃以下で溶融し、接着できるホットメルト系接着剤が好ましい。また、接着層の厚みは、1μm〜30μmが好ましく、5μm〜10μmがより好ましい。
本発明における図柄部は、支持体上に転写層が積層された基材からレーザー加工手段を用いて図柄以外の不要部となる転写層を分解・除去して形成されるものであり、布、布帛等の被転写材に転写され、被転写材に文字、記号、デザイン、パターン形状等の所望の図柄を表現する役割を有する。また、ここでいう所望の図柄とは、表現しようとする図柄に合わせてどのような形状であっても良いことを指し、例えば、印刷によって施された図柄のアウトラインに沿って図柄部が形成されることに限定されるものではない。
本発明の転写用基材シートは、衣料、布帛等に所望の図柄を転写成形するために用いるものであり、支持体上に所望の図柄部が形成された構成となっている。支持体上に形成された図柄部の構成は、衣料、布帛等に表現するデザインやパターン形状に応じて適宜選択される。以下に、本発明における好ましい転写用基材シートの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
次に、本発明の製造方法によって得られた転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法について説明する。本発明の第1の実施形態の転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法としては、まず、衣料、布帛等の被転写材の所定の位置に所望の図柄を形成するために転写用基材シートの位置合わせを行い、転写用基材シートを接着層が被転写材に接触するように載置後、熱プレスやアイロン等を用いて接着層を融解させて図柄部を被転写材へ熱融着させる。次いで、図柄部から支持体を剥離することにより、図柄部が被転写材へ転写された転写成形物を得ることができる。
目付け80g/cm2の紙上へ厚さ20μmのポリエチレンをコートした支持体へ、図柄形成層として紺色に着色したポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(厚さ100μm)と、接着層としてウレタン系ホットメルト接着剤とを共押出しすることにより、支持体上に図柄形成層、接着層が順に積層された基材を得た。
得られた基材から日本地図(地図の縮尺:四百万分の一)が表現された図柄部を有する転写用基材シート製造する為、レーザー加工装置(品名:LaserPro
C180、GCC社製)を用いてレーザー光を照射し、図柄部以外の接着層、図柄形成層を分解・除去し、支持体上に所望の図柄部を有する転写用基材シートを得た。
得られた基材から日本地図(地図の縮尺:四百万分の一)が表現された図柄部を有する転写用基材シート製造する為、カッティングプロッタ(品名:CAMM−1SERVO、ローランド社製)を用いて図柄のアウトラインに沿ってハーフカットした後、手作業で図柄部以外の部分を除去(カス取り)し、支持体上に所望の図柄部を有する転写用基材シートを得た。
2:加工ノズル
3:基材
4:分解物
5:吸引ノズル
6:ステージ
7:転写用基材シート
8:図柄部
9:支持体
10:図柄形成層
11:接着層
12:隠蔽層
Claims (5)
- 支持体上に転写層が積層された基材から所望の図柄部を有する転写用基材シートを熱融着させ、前記図柄部から前記支持体を剥離する転写方法において用いる転写用基材シートを製造する方法において、前記基材の前記転写層側から前記基材にレーザー光を照射して、前記転写層の前記図柄部以外の部分の全てを前記レーザー光の照射で分解させ、前記レーザー光の照射の際に発生する分解物を除去することを特徴とする転写用基材シートの製造方法。
- 前記転写層は、前記支持体上に順に積層された図柄形成層と接着層とを有していることを特徴とする請求項1記載の転写用基材シートの製造方法。
- 前記転写層は、前記支持体上に順に積層された接着層、隠蔽層及び図柄形成層を有していることを特徴とする請求項1記載の転写用基材シートの製造方法。
- 転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法であって、請求項2記載の製造方法によって前記転写用基材シートを製造し、前記転写用基材シートを前記接着層が被転写材に接触するように載置後、前記接着層により前記図柄形成層と前記接着層とを有した前記図柄部を前記被転写材に熱融着させ、前記図柄部から前記支持体を剥離することを特徴とする転写成形物の製造方法。
- 転写用基材シートを用いた転写成形物の製造方法であって、請求項3記載の製造方法によって前記転写用基材シートを製造し、前記転写用基材シートの前記図柄形成層面にアプリケーションフィルムを貼付して、前記支持体から前記図柄形成層と前記隠蔽層と前記接着層とを有した前記図柄部を前記アプリケーションフィルムに移し取り、前記アプリケーションフィルム上の前記図柄部の前記接着層が被転写材に接触するように載置後、前記接着層により前記図柄部を前記被転写材に熱融着させ、前記図柄部から前記アプリケーションフィルムを剥離することを特徴とする転写成形物の製造方法。
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