JP6197906B1 - 容器の密封性検査方法 - Google Patents

容器の密封性検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6197906B1
JP6197906B1 JP2016065003A JP2016065003A JP6197906B1 JP 6197906 B1 JP6197906 B1 JP 6197906B1 JP 2016065003 A JP2016065003 A JP 2016065003A JP 2016065003 A JP2016065003 A JP 2016065003A JP 6197906 B1 JP6197906 B1 JP 6197906B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
container
organic compound
soluble organic
filled
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016065003A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017181134A (ja
Inventor
渡辺 学夫
学夫 渡辺
充久 新宮
充久 新宮
康一 赤路
康一 赤路
雅久 津野田
雅久 津野田
栄伸 隅谷
栄伸 隅谷
伽耶子 大木
伽耶子 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Group Holdings Ltd filed Critical Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority to JP2016065003A priority Critical patent/JP6197906B1/ja
Priority to PCT/JP2017/009878 priority patent/WO2017169680A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6197906B1 publication Critical patent/JP6197906B1/ja
Publication of JP2017181134A publication Critical patent/JP2017181134A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • G01M3/02Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum
    • G01M3/04Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M3/00Investigating fluid-tightness of structures
    • G01M3/02Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum
    • G01M3/04Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point
    • G01M3/20Investigating fluid-tightness of structures by using fluid or vacuum by detecting the presence of fluid at the leakage point using special tracer materials, e.g. dye, fluorescent material, radioactive material

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Abstract

【課題】液体を充填・密封する容器について、僅かな密封不良(マイクロリーク)でも高精度で検出可能な密封性検査方法を提供する。【解決手段】液体を充填・密封する容器の密封性検査方法において、前記容器内に純水を密封・充填し;前記純水が充填・密封された容器を、水溶性有機化合物の水溶液中に保持することにより該容器内への水溶性有機化合物の侵入処理を行い;この後、該容器内に充填された純水を取り出し、液体クロマトグラフ・質量分析計により、該純水中に混入した前記水溶性有機化合物の量を定量することにより、前記容器の密封性を検査する。【選択図】なし

Description

本発明は、液体を充填・密封する容器の密封性検査方法に関する。
可撓性樹脂から成るボトル及びカップ等の容器は、容易に成形され且つ量産することが可能であるばかりか、軽量であることなどから、各種飲料等の液体が充填された飲料詰め容器として広く使用されている。
このような飲料詰め容器では、衛生上の観点から、飲料及び容器(蓋を含む)がいずれも殺菌されていることが必要であり、例えば、飲料等の液体を加熱殺菌して高温のまま容器に充填・密封する、或いは液体を容器に充填・密封してレトルト殺菌する、という充填・殺菌法が一般に採用されている。また、容器及びキャップを殺菌剤や熱水によって殺菌しておき、加熱殺菌及び冷却された飲料等の液体を充填・密封するという充填・密封の全ての工程を無菌環境下で行うアセプティック充填法も広く採用されている。
さらに、加熱を伴わない殺菌方法として、高圧処理を利用する方法も知られている(例えば特許文献1)。
この方法は、食品等の被処理液体が充填・密封されている可撓性容器を、高圧シリンダ内における圧媒を有していない空の処理室に前記容器を充填し、その後、前記容器を圧縮することで被処理液体を取り囲んでいる液体に等方圧を発生させて、被処理液体を高圧処理し、これにより殺菌或いは静菌(菌の不活性化)が行われるというものである。この方法では、食品等の被処理液体の加熱が不要であるため、被処理液体中の各種成分の加熱劣化が防止され、さらに異臭の発生もない。従って、このような高圧処理による殺菌方法は、非炭酸系の飲料、例えば各種の果汁や、トマトなどに代表される野菜のジュースなどの充填・密封に特に有用である。非炭酸系の飲料は、鮮度が要求されるため、加熱による鮮度低下を防止することが求められているからである。
このような背景から、本出願人は、非炭酸系飲料が充填された容器を高圧処理する容器詰め飲料の製造方法を提案した(特願2015−093019)。
ところで、飲料詰め容器としては、上述した種々の殺菌方法と同時に、容器の密封性を確保することが重要である。例えば、ヒートシールなどの融着によらず、蓋体を用いての物理的接触や嵌合などにより容器をシールする手段では、この密封状態を確認することが必要となる。特に、水を加圧媒体とする高圧処理を利用した殺菌方法では、液体(内溶液)が充填・密封されている容器を、圧力室内で水中に保持して加圧されるため、加圧媒体である水の浸入が著しく微量の場合、具体的には僅か1滴程度の水の侵入であっても(マイクロリーク)、加圧媒体である水を介して微生物が容器内に侵入してしまい、内容液の変敗などを生じてしまうことがある。このため、液体が充填・密封される容器の密封性を精度よく検査することが極めて重要となる。
容器の密封性を検査する方法としては、ジエチルパラフェニレンジアミン(DPD)が塩素による酸化によって発色することを利用して、比色によって塩素濃度を測定する方法(DPD法)が一般に採用されている。
DPD法での検出限界は、残留塩素濃度で0.1ppmであり、検出限界としては問題のないレベルにあるが、この反応の発色は極めて不安定であり、残留塩素が存在しない場合にも、数秒で発色してしまうという問題がある。即ち、残留塩素濃度による密封性の検査は、その精度が低い。また、残留塩素がある程度の濃度で存在するようなサンプルについての濃度測定には利用できるが、残留塩素を含んでいないか或いは残留塩素濃度が極めて低いサンプルについての濃度測定には利用できない。例えば、上述した水を加圧媒体とした高圧処理に適用し得るような密封性を有しているか否かを判断するための検査方法としては適当でない。
特開平5−23118号公報
従って、本発明の目的は、液体を充填・密封する容器について、僅かな密封不良(マイクロリーク)でも高精度で検出可能な容器の密封性検査方法を提供することにある。
本発明によれば、液体を充填・密封する容器の密封性検査方法において、
前記容器内に純水を密封・充填し、
前記純水が充填・密封された容器を、水溶性有機化合物の水溶液中に保持することにより該容器内への水溶性有機化合物の侵入処理を行い、
この後、該容器内に充填された純水を取り出し、液体クロマトグラフ・質量分析計により、該純水中に混入した前記水溶性有機化合物の量を定量する、容器の密封性検査方法が提供される。
本発明の検査方法においては、
(1)前記容器がボトルであり、該ボトルに前記純水を充填した後、該ボトルの口部にキャップを螺子装着することにより密封性を確保するものであること、
(2)前記容器は、前記純水を充填・密封した後、高圧処理が行われるものであること、
(3)前記純水が充填・密封された容器をパウチに挿入し、次いで、該パウチ内に前記水溶性有機化合物の水溶液を充填し、この後、該パウチの開口部をヒートシールし、この状態で高圧処理を行うことにより、前記水溶性有機化合物の侵入処理を行うこと、
(4)前記水溶性有機化合物が、20℃での水に対する溶解度(w/v%)が1g/100ml以上であること、
(5)前記水溶性有機化合物が、有機カルボン酸、アミノ酸またはポリフェノールであること、
(6)前記水溶性有機化合物がクエン酸であること、
(7)定量された純水中の前記水溶性有機化合物の量から、該純水中に侵入した水の量を算出すること、
が好適である。
本発明の容器の密封性検査方法では、純水を容器に充填・密封し、これを水溶性有機化合物の水溶液中に保持して水溶液有機化合物の容器内への侵入処理が行われ、容器内の純水中に移行した水溶性有機化合物の量が、液体クロマトグラフ・質量分析計により定量され、この量により容器の密封性が十分に確保できているか否かが検査される。
かかる検査方法によれば、極めて僅かな密封不良も確認することができる。例えば、定量された純水中の前記水溶性有機化合物の量から、該純水中に侵入した水の量を算出することにより、内容液の変敗を生じるような侵入水の量を算出することができ、これにより、内容液の変敗を生じないような密封性が確保されているか否かを検査することができる。具体的には、液体クロマトグラフ・質量分析計の検出限界が0.1ppmであった場合、250mlの容器に、20w/v%の水溶性有機化合物の侵入水量を計算でき、その検出限界は0.125μlと計算できる。
また、僅かな密封不良を検出することができるため、例えば、螺子キャップを容器口部に装着して密封性を確保するような密封手段において、本発明の容器の密封性検査方法を適用することにより、螺子キャップの適正な巻き締め角度を判定することができ、これは、本発明の大きな利点である。
本発明の容器の密封性検査方法において、純水中に侵入した水溶性有機化合物(クエン酸)の量を定量するために使用される液体クロマトグラフ・質量分析計により得られた全イオンカレントクロマトグラムのチャートの例を示す図。
本発明の容器の密封性検査方法は、検査試料液として純水を使用し、検出液として水溶性有機化合物の水溶液を使用する。即ち、密封性を確認するための容器内に検査試料液である純水を充填し、密封した後、所定の侵入処理を行い、純水中に移行する水溶性有機化合物の量を定量することにより、密封性を検査するというものである。
検査試料液として使用する純水は、各種の塩類(イオン)や残留塩素及びその他の不純物を蒸留、イオン交換、逆浸透等により除去したものであり、例えば導電率が1〜10MΩ・cmのものが使用される。
また、検出液に使用される水溶性有機化合物としては、20℃での水に対する溶解度(w/v%)が1g/100ml以上のものが好適に使用される。水に対する溶解度が低いものは、後述する侵入処理によって容器内(純水)への移行量が少なく、検出液として不適当である。
このような溶解度を有する水溶性有機化合物として、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機カルボン酸類(好ましくは、液体クロマトグラフ・質量分析計の移動相として多用するギ酸、酢酸を除く)、グルタミン酸などのアミノ酸類、カテキンなどのポリフェノール類を挙げることができ、水に対する溶解度が最も高く且つ容易に入手できるという観点から、クエン酸が最も好適である。
また、検査対象の容器の形態や該容器に適用される密封手段は、特に限定されるものではなく、例えばヒートシールにより密封されるカップ状容器などにも本発明を適用することは可能であるが、本発明は、容器の口部に蓋体を物理的に接触させて密封を形成するボトルに好適に適用される。このような密封形式を採用する場合、特に密封性が問題となるため、本発明の利点を効果的に活かすためにも、このような密封形式が採用されるボトルの密封検査に本発明は好適である。
また、上記のような蓋体による密封形式の中でも、螺子係合の蓋体であるキャップをボトルの口部に装着する螺子タイプのものが、本発明の利点を最大限に活用することができる。即ち、キャップをボトル口部に打栓して嵌め込むタイプの密封形式では、密封性を検査することはできたとしても、この結果に応じて密封性を調整することはできないが、螺子タイプのものでは、先にも述べたように、キャップの巻き締め角度を調整し、例えば設定よりも大きな巻き締め角度で巻き締めることにより、密封性を調整することが可能となるからである。
本発明においては、上述した密封形式が採用される容器内に、検査試料液である純水を充填し、該容器を密封した後、この容器(以下、検査容器と呼ぶことがある)を検出液である水溶性有機化合物の水溶液中に保持して侵入処理を行う。
このとき、用いる水溶性有機化合物水溶液の濃度は、質量分析装置の検出感度を最大に活かす理由から、飽和濃度で行うことも良いが、クエン酸のような十分に溶解性の高い物質であれば、20w/v%以下の濃度でも良い。
侵入処理は、例えば、パウチ内に検査容器を入れ、さらに、上記の検出液をヘッドスペースが形成されないように充填した後、このパウチの開口部をヒートシールにより閉じ、この状態に、検査容器を一定時間保持することにより行われるが、この保持条件は、検査しようとする容器が採用される殺菌方式等に応じて同等の負荷がかかるように設定される。
例えば、高圧処理による殺菌が行われる容器では、高圧処理と同等の温度で且つ同等の圧力が同等時間加わるように保持する。また、内容液が熱間充填された後冷却される容器では、同等の温度に加熱し次いで冷却して検査容器内が減圧状態に維持されるようにして侵入処理が行われる。
尚、上記の侵入処理に用いるパウチは、異物の侵入が防止され、水溶性有機化合物の酸化劣化が生じない程度の適度な密封性を示すものであればよく、その材質は制限されない。例えば、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルムからなるものであってもよいし、エチレンビニルアルコール共重合体等のガスバリア性樹脂の中間層を備えた多層フィルムであってもよい。
上記の侵入処理の終了後は、パウチから検査容器を取り出し、この容器表面に検出液(水溶性有機化合物の水溶液)が残存しないように、水洗し、乾燥した後、該容器内に充填されている純水の一部を汚染がないようにピペット等で、液体クロマトグラフィー測定用の試験管瓶に取り出す。具体的には、容器の底部或いは胴部に半田ゴテ等により孔をあけ、ピペットで取り出せばよい。
このようにして検査容器から取り出された純水中の水溶性有機化合物の濃度を、それ自体公知の液体クロマトグラフ・質量分析計を用いて定量する。
かかる定量は、例えば、既知の濃度の水溶性有機化合物の水溶液を用いて検量線を作成しておき、この検量線に基づいて水溶性有機化合物の濃度を算出することにより行われる。
例えば、全イオンカレントクロマトグラムのチャートを示す図1を参照して、純水のチャートではピークが存在していないが、クエン酸濃度が1ppmの水溶液のチャート0.5min前後のところにクエン酸に由来するピークが存在している。このようにして、濃度既知のクエン酸水溶液を用いてピークの高さから検量線を作成しておく。
図1には、上記の純水及びクエン酸1ppmのチャートと共に、試料No.1〜3のチャートが示されている。即ち、このチャートから、試料No.1及び3は、クエン酸のピークが発現しておらず、液体クロマトグラフ・質量分析計の検出限界が1ppmであった場合においてはクエン酸濃度が検出限界以下であり、クエン酸が侵入しておらず、従って密封性が有効に保持されていることが判る。
また、試料No.2では、クエン酸のピークが発現しており、このピーク強度から、0.93ppmのクエン酸が容器内に侵入しており、密封性を調整することが必要であることがわかる。また、このクエン酸量から、後述する水溶性化合物の定量からの侵入水量算出方法により、容器内に侵入した水の量(侵入水量)も算出することができる。例えば、検出液として20w/v%濃度のクエン酸水溶液を使用し、容器の充填水量を250mlとした場合には、1.25μlの水が容器内に侵入していたと計算できる。
本発明によれば、このようにして、検査対象の容器の密封性を精度よく検査することができ、この検査結果に応じて、密封性の調整を行うこともできる。
特に本発明は、各種の果汁やジュースなどの非炭酸飲料が充填・密封される容器において、鮮度を損なわずに殺菌するために高圧処理が行われる容器の密封性の確認のために好適に適用される。
本発明の優れた利点を次の実験例で説明する。
液体クロマトグラフ・質量分析計による水溶性有機化合物の定量、水溶性有機化合物の定量から侵入水量を求めることの可否を確認するため、以下の分析、定量を行った。
<液体クロマトグラフ・質量分析計の分析条件>
(1)分析機器・分析条件
液体クロマトグラフ装置:アジレントテクノロジー社製 1260 Infinity Series
質量分析装置:アジレントテクノロジー社製 6430 Triple Quad LS/MS
カラム:SB−C18 ZORBAX(φ1.8μm,2.1×50mm)
移動相:0.1%ギ酸、流速0.4ml/min
フラグメンター電圧:75V
乾燥ガス:窒素ガス(350℃)
乾燥ガス流量:12l/min
ネブライザー圧:60psig
キャピラリー電圧:3500V
オーブン温度:40℃
注入量:5μl
イオン化法:ESI(選択イオンモニタリング法(m/z191.1))
測定:Negative検出モード
測定時間:1分間
(2)クエン酸検量線の作成
和光純薬工業社製クエン酸試薬(特級、純度>98%)を用いて10ppmの標準溶液を作成し、段階的に希釈を行い、0.1ppm,0.25ppm,0.5ppm,1.0ppmのクエン酸水溶液を作成した。その後、0.45μmメンブランフィルタでろ過後、測定に供した。測定から得られたクエン酸由来シグナル(m/z191.1)の積分値から、検量線を作成した。
(3)水溶性化合物の定量からの侵入水量算出方法
充填水量をXml、水溶性化合物の濃度をYw/v%、液体クロマトグラフ・質量分析計による水溶性化合物の検出量をZppmとした時、下記計算式により侵入水量(μl)を算出できる。
<計算式>
侵入水量(μl)=Z/10000Y*1000X
例えば、容器の充填水量が250mlであり、20w/v%クエン酸水溶液を用いて後述する方法で試験を行った場合、クエン酸の検出量が1ppmであった場合の侵入水量(μl)は、1/(10000*20)*1000*250=1.25となる。
<実験1>
満注容積268mlのPETボトルに3.3℃の純水を250ml充填し、38φポリエチレン樹脂製キャップをボトル口部にゼロ位置で嵌合し、所定角度365度巻締めて密封した各種サンプルボトルを作成した。
その後、各種サンプルボトルをナイロン/ポリエチレンの多層フィルムから成るパウチに挿入し、20w/v%濃度のクエン酸水溶液(検出液)を、ヘッドスペースを形成せずに充填してパウチの開口部をヒートシールし、これらのパウチを水温3.3℃、600MPa、2分の高圧加工処理を行った。
上記の高圧処理後、ボトルをパウチから取り出し、ボトル表面にクエン酸溶液が残存しないように水道水で洗浄、乾燥後、半田ごてで胴部に孔を空け、ピペットにてボトル内の純水を汚染が無いようにPSスクリュー管瓶に2ml採取した。
この採取した純水を、液体クロマトグラフ・質量分析計を用いて分析し、上述した予め分析して求めた検量線からクエン酸濃度を定量し、このクエン酸濃度から侵入水量を求めたところ、定量限界のクエン酸濃度0.1ppm以下、侵入水量0.125μl以下であった。
なお、1ppmのクエン酸標準溶液の測定データからS/N(信号/ノイズ)比を求め、その3倍を検出限界として算出した結果、上述した分析機器と分析方法を用いた試験法での検出限界は0.1ppm以下であった。即ち、充填水量が250mlであり、20w/v%濃度のクエン酸水溶液が使用された場合においては、計算により、侵入水量は0.125μl以下となる。ただし、上述した検出限界については、分析機器の検出感度に依存するため、高感度な装置を用いた場合の検出限界は上述の限りではなく、更に低い濃度を検出限界としても良い。
一方、上記キャップの所定角度を180度まで10度ずつ緩めて巻締めたサンプルを作成し、同様にクエン酸濃度を定量し、このクエン酸濃度から侵入水量を求めた結果、所定角度が250度でクエン酸濃度56ppm、侵入水量0.07ml、所定角度が200度でクエン酸濃度240ppm、侵入水量0.3mlとなることが判明した。
<実験2>
それぞれγ線で殺菌した満注容積268mlのPETボトルと38φポリエチレン樹脂製キャップとを用意した。
上記のPETボトルに、殺菌済み加糖ブイヨン培地250mlを無菌的に充填し、前記実験1の液体クロマトグラフ・質量分析計で求めた侵入水量の0.07mlとなるように、上記のキャップを、所定角度250度で巻締めて無菌的に密封したサンプルボトルを100本作成した。
これらのサンプルボトルを、Bacillus subtillis芽胞10cell/ml液が充填されたナイロン/ポリエチレンの多層フィルムから成るパウチに挿入して、ヘッドスペースを形成せずにヒートシールし、水温3.3℃、600Mpa、2分の高圧加工処理を行った。
この結果、サンプルボトル100本全て変敗が生じなかった。
<実験3>
実験2において、前記実験1の液体クロマトグラフ・質量分析計で求めた侵入水量の0.3mlになるように、キャップを所定角度200度で巻締めた以外は、同様にサンプルボトルを100本作成して高圧加工処理を行った。
この結果、サンプルボトル100本中、11本の変敗が観察された。
<実験4>
それぞれ、γ線で殺菌した満注容積268mlの耐熱PETボトルと38φポリエチレン樹脂製キャップとを用意した。
次いで、120℃で殺菌済みの加糖ブイヨン培地250mlを88℃で、上記の耐熱PETボトルに充填し、前記実験1の液体クロマトグラフ・質量分析計で求めた侵入水量の0.07mlになるように、上記のキャップを、所定角度250度で巻締めて密封したサンプルボトルを100本作成した。
これらのサンプルボトルを、Lactobacillus brevis 10cell/ml液を注入したバケツにそれぞれ入れて3.3℃に冷却した。
この結果、サンプルボトル100本全て変敗が生じなかった。
<実験5>
実験4において、前記実験1の液体クロマトグラフ・質量分析計で求めた侵入水量の0.3mlになるように、キャップを所定角度200度で巻締めた以外は、同様にサンプルボトルを100本作成して冷却を行った。
この結果、サンプルボトル100本中、20本の変敗が観察された。
尚、上記の実験において、侵入水量と変敗の関係については、J.Gilchurstらの金属缶内への水侵入量と変敗の関係を求める研究(Lactbacillusを用いたバイオテスト)での水侵入量が0.069mlで変敗がなく、0.265mlで膨張変敗が発生したとの報告を基準とした。
<考察>
上記実験1乃至5によれば、水溶性有機化合物を用いた液体クロマトグラフ・質量分析計によって水溶性有機化合物を定量し、この水溶性有機化合物濃度から侵入水量を求めることにより、ボトルとキャップの巻締めの所定角度と、水溶性有機化合物濃度、侵入水量の関連付けが極めて容易に行われる。その結果、ボトル詰め飲料の製造等のボトルとキャップの密封性の確認に適用することにより、その密封性の確認を高精度、迅速に行えることが判る。
また、上記実験2、3によれば、例えば、10℃以下の低温条件下で調製された非炭酸系飲料をボトルに充填・密封し、前記飲料が充填されたボトルを高圧加工処理するボトル詰め飲料の製造において、上述した実験1の関連付けを適用することにより、高圧加工処理時のマイクロリークと処理水の汚染等による飲料の変敗を防止するボトルとキャップの密封性の確認方法として、高精度、迅速に行えることが判る。
さらに、上記実験4、5によれば、例えば、熱間充填される飲料をボトルに充填するボトル詰め飲料の製造において、上述した実験1の関連付けを適用することにより、冷却後の負圧吸い込みによる飲料の変敗を防止するボトルとキャップの密封性の確認方法として、高精度、迅速に行えることが判る。

Claims (8)

  1. 液体を充填・密封する容器の密封性検査方法において、
    前記容器内に純水を密封・充填し、
    前記純水が充填・密封された容器を、水溶性有機化合物の水溶液中に保持することにより該容器内への水溶性有機化合物の侵入処理を行い、
    この後、該容器内に充填された純水を取り出し、液体クロマトグラフ・質量分析計により、該純水中に混入した前記水溶性有機化合物の量を定量する、容器の密封性検査方法。
  2. 前記容器がボトルであり、該ボトルに前記純水を充填した後、該ボトルの口部にキャップを螺子装着することにより密封性を確保するものである請求項1に記載の容器の密封性検査方法。
  3. 前記容器は、前記純水を充填・密封した後、高圧処理が行われるものである請求項1または2に記載の容器の密封性検査方法。
  4. 前記純水が充填・密封された容器をパウチに挿入し、次いで、該パウチ内に前記水溶性有機化合物の水溶液を充填し、この後、該パウチの開口部をヒートシールし、この状態で高圧処理を行うことにより、前記水溶性有機化合物の侵入処理を行う請求項3に記載の容器の密封性検査方法。
  5. 前記水溶性有機化合物が、20℃での水に対する溶解度(w/v%)が1g/100ml以上である請求項1〜4の何れかに記載の容器の密封性検査方法。
  6. 前記水溶性有機化合物が、有機カルボン酸、アミノ酸またはポリフェノールである請求項5に記載の容器の密封性検査方法。
  7. 前記水溶性有機化合物がクエン酸である請求項6に記載の容器の密封性検査方法。
  8. 定量された純水中の前記水溶性有機化合物の量から、該純水中に侵入した水の量を算出する請求項1〜7の何れかに記載の容器の密封性検査方法。
JP2016065003A 2016-03-29 2016-03-29 容器の密封性検査方法 Expired - Fee Related JP6197906B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065003A JP6197906B1 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 容器の密封性検査方法
PCT/JP2017/009878 WO2017169680A1 (ja) 2016-03-29 2017-03-13 容器の密封性検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016065003A JP6197906B1 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 容器の密封性検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6197906B1 true JP6197906B1 (ja) 2017-09-20
JP2017181134A JP2017181134A (ja) 2017-10-05

Family

ID=59895697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016065003A Expired - Fee Related JP6197906B1 (ja) 2016-03-29 2016-03-29 容器の密封性検査方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6197906B1 (ja)
WO (1) WO2017169680A1 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4382679A (en) * 1980-10-06 1983-05-10 Cutter Laboratories, Inc. Dye leak detection method
JPH02138845A (ja) * 1987-09-08 1990-05-28 Erumetsukusu:Kk 密封容器等からの漏洩検査方法
US5320967A (en) * 1993-04-20 1994-06-14 Nalco Chemical Company Boiler system leak detection
JPH10288613A (ja) * 1997-04-14 1998-10-27 Kinousui Kenkyusho:Kk 汚染検出方法および漏れ検出方法
JP2000097799A (ja) * 1998-09-24 2000-04-07 Ishida Co Ltd 密封容器の密封性検査装置
JP2006329656A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Hitachi High-Technologies Corp 流路切替バルブの内部液漏れ検出装置。
JP2007121012A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Shimadzu System Solutions Co Ltd 密封包装体のピンホール検査装置
US20120037795A1 (en) * 2010-08-10 2012-02-16 Martin Lehmann Method and apparatuses for quality evaluation and leak testing

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017181134A (ja) 2017-10-05
WO2017169680A1 (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2004077006A1 (ja) プラスチック成形体のガスバリア性測定方法
EP2372344A1 (en) Method for analysing a gaseous component present in a hermetically sealed container
JP6197906B1 (ja) 容器の密封性検査方法
Fu et al. Changes on enological parameters of white wine packaged in bag‐in‐box during secondary shelf life
CN113484446A (zh) 一种洁净室用包装袋表面微污染的测试方法
Herszage et al. Analysis of volatile organic sulfur compounds in wine using headspace solid-phase microextraction gas chromatography with sulfur chemiluminescence detection
Kiyomichi et al. Investigation into mousy off-flavor in wine using gas chromatography-mass spectrometry with stir bar sorptive extraction
US20160069770A1 (en) Method and device for testing the tightness of large-volume containers
Dimkou et al. Impact of dissolved oxygen at bottling on sulfur dioxide and sensory properties of a Riesling wine
Kossinna et al. Helium leak testing of packages for oral drug products
US8316697B1 (en) Fixture to hermetically isolate a capped opening on a container for gas transmission testing
Kontoudakis et al. Impact of stopper type on oxygen ingress during wine bottling when using an inert gas cover
CN103464382A (zh) 西林瓶真空在线检测机
WO2011013456A1 (ja) 缶詰の製造方法
WO2011064740A3 (es) Producto y proceso de elaboración de un sustrato para la detección rápida de helicobacter pylori
JP2019515248A (ja) 母乳腐敗をin situで検出する方法
Aston et al. Detection of carbonyl sulphide in Cheddar cheese headspace
Dhuey Investigation of corrosion in canned tomatoes processed by retorting
JP3018090B2 (ja) 容器の密封性保持判別法
JP4379323B2 (ja) 容器の密封性検査方法
GB2409724A (en) NMR Leak Test
JP2005315670A (ja) 製袋シール検査装置
JP2011017663A (ja) 測定用容器、測定用キット及び測定装置
JP5018331B2 (ja) スパウト付パウチの密封性検査方法
Guazzo Parenteral product container closure integrity testing

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6197906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees