JP5018331B2 - スパウト付パウチの密封性検査方法 - Google Patents

スパウト付パウチの密封性検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5018331B2
JP5018331B2 JP2007212168A JP2007212168A JP5018331B2 JP 5018331 B2 JP5018331 B2 JP 5018331B2 JP 2007212168 A JP2007212168 A JP 2007212168A JP 2007212168 A JP2007212168 A JP 2007212168A JP 5018331 B2 JP5018331 B2 JP 5018331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
spout
pouch
liquid content
cap
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007212168A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009047484A (ja
Inventor
誠 澤田
善昭 品川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2007212168A priority Critical patent/JP5018331B2/ja
Publication of JP2009047484A publication Critical patent/JP2009047484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5018331B2 publication Critical patent/JP5018331B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

本発明は、低酸性飲料などの液状内容物を充填したスパウト付パウチをレトルト殺菌す
ることが必須のものとして組み込んでいる工程において、加熱殺菌水あるいは加熱後の冷
却水が、スパウト付パウチ内に吸い込まれる現象の有無を未然に確認出来るスパウト付パ
ウチの密封性検査方法に関する。
PETボトルのようなプラスチック容器に液状内容物を充填し消費者に提供するには、
PETボトルへの液状内容物の充填前か充填後に殺菌することが必要である。
従来、PETボトルの素材であるポリエチレンテレフタレート(PET)は、強度や成
形性の点で容器の素材としては優れているが、耐熱性に劣るという特性があり、PETボ
トルに液状内容物を充填してから、PETボトルごと100℃以上の温度で加熱殺菌する
ことは出来なかった。
また、PETボトルへ液状内容物を充填するには、PETの耐熱性を考慮した温度での
充填方法しか採用出来ないため、主として、85℃ないし93℃程度の温度で充填した後
、パストライザーから77℃程度の殺菌水を3分程度吹きつけるという、いわゆるホット
パックという充填方法が採用されている。しかしながら、この方法では、殺菌対象がカビ
あるいは酵母のように、100℃以下の温度でも充分に殺菌出来るものにしか適用するこ
とができず、近年、ボトル飲料として多用されているお茶、ミルク、コーヒーのように1
00℃以上での殺菌が必要なpH4.6以上の低酸性飲料の場合は、適用出来ないという
不都合がある。
ところで、これらPETボトルへの内容物の充填においては、いずれの場合も、冷却水
による冷却工程が必須であり、この工程においては、PETボトル内が減圧になるため、
PETボトルとキャップとによる密封が適切になされないと、その密封部分から僅かなが
ら冷却水が侵入するという不具合があることが指摘されている。
そこで、その対策として、本出願人は、2種の化合物の呈色反応(発色反応または消色
反応)を利用して容器の密封性を検査することによって、具体的に冷却水がPETボトル
内に浸入したか否かを確認して、キャップの巻き締め条件等を適切なものにするための手
段を特許文献1、2に提案している。
呈色反応には、反応によって着色していた液状内容物が消色するものと、無色の液状内
容物が発色するものがある。
特許文献1に示されたものは、反応して呈色する化合物の一方を含有する液状内容物を
充填して密封した合成樹脂製透明容器を熱殺菌し、反応して呈色する他方の化合物を含有
する冷却水で冷却した後に、液状内容物が発色または消色の有無を検査することにより、
冷却工程での冷却水の吸い込みを検知するものである。この検知方法において、呈色反応
化合物の組み合わせとしては、発色反応の場合は、無色が黄色ないし赤色に変化するオル
トトリジン塩酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウム水溶液、無色がピンク色に変化するpH9前後の水溶液とフェノールフタレイン水溶液、無色が橙色に変化するオルトフェナントリン塩酸水溶液と塩化第1鉄水溶液が挙げられており、消色反応の場合は、ピンク色が無色に変化するpH9前後のフェノールフタレイン溶液と低アルカリ性水溶液、黄色が無色に変化するpH6前後のp−ニトロフェノール水溶液と低酸性水溶液の組み合わせを利用している。いずれの場合も、前者が液状内容物中に含まれ、後者が冷却水に含まれるようになっている。
また、特許文献2に示されたものは、反応して呈色する化合物の一方を合成樹脂製容器
に入れ、次にこの容器に液状内容物を充填して前記化合物を溶解させ密封した後、この液
状内容物入り容器を、反応して呈色する他方の化合物を含有する冷却水で冷却し、液状内
容物の発色の有無を検知するものである。
特開2001−108562号公報 特開2003−114162号公報 特開2006−162483号公報
特許文献1、2に記載の検査方法は、いずれも、液状内容物を充填したPETボトルの加熱殺菌後の冷却工程で、キャップの密封部分から容器内への冷却水の吸い込みの有無を確認することによって、冷却水の吸い込みのないキャップの形状や巻き締め条件を試験的に定めるために利用されるものである。ところが、上記特許文献記載の方法は、いずれも、100℃以下の温度で液状内容物が充填されるホットパック充填において適用出来る方法であって、この方法は、pHが4.6未満の酸性飲料における、カビや酵母の殺菌が可能である程度の液状内容物のものにしか適用出来ず、100℃以上の加熱殺菌が必要なpHが4.6以上の茶、ミルク、コーヒーなどの殺菌には利用出来ない。
また、従来は、容器素材として、ポリエチレンテレフタレートを用いた所謂PETボト
ルの場合には、耐熱性が不十分であり、100℃以上の加熱には耐えられないという問題
があった。
pHが4.6以上の低酸性飲料の充填には、アセプ充填と呼ばれる無菌の環境で充填す
る方法が行われる。アセプ充填とは、予め薬剤でPETボトルを殺菌しておき、液状内容
物は140℃で30秒程度の温度でミルクコーヒーなどの耐熱性芽胞菌などを殺菌してから充填するという無菌充填の方法であり、PETボトルは薬剤により殺菌されているため、あらためて加熱する必要はないという特徴があるため、PETボトルを用いた低酸性飲料の充填方法として一般に行われている。
一方、最近になって成形加工法の改善により、100℃以上の温度にも耐えることがで
きるPET製ボトルが開発され、レトルト殺菌により液状内容物を充填した容器自体を加熱殺菌することが可能になった。
つまり、容器自体が100℃以上の耐熱性を有するということは、容器に液状内容物を
充填してから、加熱殺菌をするレトルト殺菌が可能であるということであり、上記アセプ
充填における、容器自体を予め薬剤殺菌する必要も、無菌の環境で充填する必要もなく、
加熱殺菌をするだけで、PETボトル詰め低酸性飲料の商品を提供出来るというメリット
があることになる。
ところが、反応によって呈色反応を示す化合物は、一般的に耐熱性が充分でなく、耐熱
性を有してしかも呈色反応を示す化合物は、検出感度が低いという難点がある。このような状況から、本出願人は、これら2種の化合物がいずれも耐熱性に優れている組み合わせた技術を、特許文献3としての提案している。
特許文献3の容器の密封性検査方法は、反応して呈色反応を示す化合物Aを含有しない
液状内容物を充填して密封した容器を加熱殺菌した後、該容器を、反応して呈色反応を示
す一方の化合物B、例えば、塩化マグネシウムを含有する冷却水を用いて冷却した後、該
液状内容物に、反応して呈色反応を示すもう一方の化合物A、例えば、エリオクロムブラ
ックTを添加して、液状内容物の発色の有無を確認することにより、容器内への冷却水の
吸い込みを検知するものである。この検査方法により、レトルト殺菌後の冷却工程で、キ
ャップの密封部分から冷却水を吸い込むことがないキャップの形状や巻き締め条件を、容
易に採択することが出来、密封釜の中でのレトルト充填における、キャップの密封部分か
らの冷却水の吸い込みも確認することが出来る。
一方、近年になってレトルト可能なスパウト付きパウチが市場に出回るようになってきている。このレトルト可能なスパウト付パウチは、コンタクトリング方式で容器口部にアルミシールを貼りつけて密封性を保ち、レトルト時の温水や冷却水の吸い込みを防ぐようにされている。ところが、このアルミシール方式は密封性という点では優れているが、シールの為の装置が必要であるばかりでなく、小片のアルミ箔を確実に容器口部にシールするための工程数が多くなり、さらに、シール剥離後に消費者が誤って誤飲食するなどの事故につながりかねないという問題がある。
そこで、本発明者等は、容器口部の密封性を保持するために、アルミシールを採択することなしにパウチのキャップに容器口部と確実に密封し得るインナーリングによるキャッピングを行ない、その後で、レトルト時の温水や冷却水の吸い込みを確実に検知し得る方法を模索して本発明を完成するに至った。
そこで、本発明の目的は、液状内容物を充填したスパウト付パウチの口部にアルミシールが施されていない場合であっても、レトルト殺菌に付する際に、殺菌工程での熱水の浸入、冷却工程での冷却水の吸い込みを確認する検知方法を提供することにある。
本発明者らは、上記特許文献に記載された呈色反応を利用した検査方法を踏まえて、レトルト殺菌時の高温に付されても、スパウト付パウチとキャップとの密封部分からの冷却水の吸い込みを確認出来る方法を提供することに成功した。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、下記の要件からなることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、レトルト殺菌可能なスパウト付パウチに、化合物Bと反応して呈色反応を示す化合物Aを含有しない液状内容物を充填しキャップで密封して、反応して呈色反応を示すと共に100℃以上の温度で熱分解しない化合物Bを含む水溶液を保持するトレー、蓋及び側板から成る冶具に、前記キャップとスパウトとの密封部分を浸漬して、その状態で熱水または蒸気によってレトルト殺菌し、且つ冷却水にて前記スパウト付パウチを冷却して、次いで、前記液状内容物に前記化合物Aを添加し、前記液状内容物の発色の有無を検知することを特徴とするスパウト付パウチの密封性検査方法が提供される。
また、本発明によれば、前記スパウト付パウチが透明であり、冷却後のスパウト付パウ
チ内に直接上記化合物Aを添加する上記のスパウト付パウチの密封性検査方法が提供され
る。
また、本発明によれば、前記化合物Bが、金属イオンを遊離する化合物である上記のスパウト付パウチの密封性検査方法が提供される。
また、本発明によれば、前記化合物Aが、金属イオンとキレートを形成する化合物であ
る上記のスパウト付パウチの密封性検査方法が提供される。
また、本発明によれば、化合物Aを含有しない液状内容物をスパウト付パウチに充填す
るに際して、該液状内容物に金属イオンを有する化合物が混入した場合に、呈色反応する
化合物Aを添加する前段階において、前記金属イオンを有する化合物とマスキングする化合物を添加する上記のスパウト付パウチの密封性検査方法が提供される。
また、本発明によれば、前記マスキングする化合物がエチレンジアミン四酢酸(EDT
A)である上記のスパウト付パウチの密封性検査方法が提供される。
本発明のスパウト付パウチの密封性検査方法の最大の特徴は、スパウト付パウチの密封
空間における100℃以上という、高温でのレトルト殺菌におけるスパウト付パウチ内へ
の殺菌工程の熱水の吸い込み、冷却工程の冷却水の吸い込みを、呈色反応を利用して、しかも、容器内には検査のための化合物を含有することなく、確認可能にした点にある。
本発明においては、呈色反応を示す2種の化合物の少なくとも一方を耐熱性のものを採
択すれば高いレベルでの密封性の検査が可能になる。
また、スパウト付パウチとキャップとの密封部分に化合物Bを保持出来るような冶具を
付設しておけば、吸い込み現象をより確実に検出することが可能になる。
さらにこの方法は、レトルト設備を全く使用しないで済むことから、設備に錆びなどの
トラブルをもたらすことがなく、かつ、設備の洗浄も必要ない。
さらに、スパウト付パウチに充填する液状内容物に、予めマスキング剤を添加することにより、ラインの配管からの僅かな金属イオンの混入影響をなくし、より正確な吸い込み検査を行なうことができる。
以下に、本発明の具体的な構成を請求項にしたがって説明する。
<請求項記載の発明>
請求項に規定した発明は、スパウト付パウチを付設した冶具を用いて呈色反応を利用して冶具内に化合物Bを含有した状態で満たされている水溶液の吸い込みを検知するようにしたものである。
図1及び2を参照して本発明を説明する。
図1は、請求項に規定した発明の態様を実施するために、キャップにより密封した状態のスパウト付パウチを、化合物Bを含む水溶液保持する冶具に付設した状態の平面図であり、図2はその断面図である。この冶具1は、化合物Bを含む水溶液を充填した細長いトレー2に蓋3を着脱自在に被せることができ、トレー2の側板の挿入口5に、液状内容物を充填してキャップ6により密封したスパウト付パウチ7を差し込み封止出来る構造をしている。このトレー2に化合物Bを含む水溶液を満たし、キャップ6によるスパウト付パウチ7の密封部分を浸漬して、その状態で熱水または蒸気を熱媒体として100℃以上のレトルト殺菌を行い、冷却水を用いて冷却してから、冶具1を外してスパウト付パウチ7内の液状内容物に化合物Aを添加して、呈色反応が起こるか否かを確認するものである。このようにすることで、化合物Bを含む水溶液が少量で済み、且つ最も過酷な状況下での水溶液などの吸い込みを検知することができる。
このスパウト付パウチ7は、そのスパウト8にキャップ6が螺合され密封されているが
、上記のような過酷な状況下での水溶液などの吸い込みを防ぐために、キャップ6には、
図3に示すように、天面10から垂下するインナーリング11があり、スパウト8の内周
面8aに周接し、さらに、スパウト8の上端面8b、外縁端部8c及び外周面8dにそれ
ぞれ周接するコンタクトリング12、アウターリング13及び13aがキャップ6の天面
10に設けられて、特異な形状であるスパウト付パウチ7の密封性を完全なものとしてい
る。なお、このキャップ6の下端には、不正開封を防止するためのたタンパーエビデント
部14が設けられている。また、スパウト付パウチ7の層構成を図4、5にて例示する。
図4の層構成は、外層15がセラミック蒸着PET、中間層16がナイロン、内層17がポリプロピレンであり、図5の層構成は、外層15aがPET、中間層16aがアルミ箔、内層17aがポリプロピレンであるが、これらに限定されるわけではなく、レトルト殺菌に耐えうる層構成であれば良い。
請求項に規定した発明によれば、スパウト付パウチ7とキャップ6との密封部分に確実に呈色反応する化合物Bを含む水溶液を存在させることができ、水溶液の吸い込み現象を確実検出することができる。また、呈色反応する化合物を含む液体は、レトルト殺菌には使用されないので、錆びなどの設備トラブルの危険性がなく、設備の洗浄の必要もない。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、液状内容物を入れるスパウト付パウチが透明であって、冷却後のスパウト付パウチ内に直接上記化合物Aを添加する態様を規定したものである。これによって、スパウト付パウチ内の呈色反応が外から確認することができ、わざわざ、液状内容物を取り出す煩わしさがない。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、耐熱性が求められる呈色反応する化合物Bが、金属イオンを遊離する化合物であることを規定するものである。
金属イオンとしては、マグネシウムイオン、鉄イオンなどが例示され、中でも塩化マグネシウムが好適に用いられる。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、上記化合物Bと反応して呈色反応する化合物Aが、キレート化合物であることを規定するものである。
キレート化合物としては、カルシウムイオンとキレートを形成する2−ヒドロキシ−1−(2,ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−3−ナフトエ酸(NN指示薬)、銅イオンとキレートを形成する1−(2−ピリジルアゾ−2−ナフトール(PAN)等が挙げられるが、なかでも、水の硬度測定に用いられるエリオクロムブラックTが好ましく用いられる。化合物Bとして塩化マグネシウムを用い、化合物AとしてエリオクロムブラックTを用いた場合には、無色の液状内容物は赤色に変色し、マグネシウムイオンが含まれていない場合は青色に変色するため、検知感度が高く、スパウト付パウチ内への冷却水の吸い込みの有無を的確に評価することができる。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、化合物Aを含有しない液状内容物をスパウト付パウチに充填するに際して、該液状内容物に金属イオンを遊離する化合物が混入した場合に、呈色反応する化合物を添加する前段階において、金属イオンを有する化合物とマスキングする化合物を添加することによって、スパウト付パウチ内の液状内容物が確実に中性の液状物であることを担保するものである。
本発明で用いるスパウト付パウチ内の液状内容物は、基本的にはイオン交換水のような
金属イオンを含まない液状物であれば事足りるものであるが、実際に工場のラインにおい
て液状物を供給する際には、ライン配管内の金属イオンが微量ながら混入するケースが考
えられる。その様な場合に、そのまま本発明を実施すると、熱水または冷却水の吸い込み
がないにもかかわらず、上記微量の混入した金属イオンが化合物Aと反応して呈色反応を
示すことになり、正確な検知が出来なくなる虞がある。
なお、スパウト付パウチ内への金属イオンの混入がどの程度であるかは測定によって容
易に判定することができるから、該混入した金属イオンと完全にマスキングするに足るマ
スキング剤を入れてやれば良い。マスキングする化合物の添加量は、液状内容物に充填時
金属イオンをマスキングするのに必要な添加量を予め測定により求める。なお、該化合物
を必要以上に添加すると、フリーのマスキングする化合物と吸い込んだ呈色反応を示す化
合物Bがキレートを形成し、フリーのマスキング化合物の分だけ吸い込みの検出感度が低
下する。
<請求項記載の発明>
請求項記載の発明は、前記金属イオンとマスキングしてキレートを形成する化合物がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)であることを規定したものである。
以下に、実施例によって本発明を説明する。
<実施例
実施例は、請求項に規定した発明を説明するためのものである。
充填量300mlの透明のスパウト付パウチに、液状内容物として硬度0.1未満のイオン交換水を85℃±2℃で280ml充填し、キャップを手で巻締めした。この際、巻締め条件として、キャップ天面接触時より、−10度、0度、+10度、+20度の4種類の巻締めを行った。
次に、キャップとスパウトとの密封部分を確実に5%(W/V)の塩化マグネシウム溶液で満たすために、冶具内に液状内容物を充填したスパウト付パウチを図1、2に示すようにセットし、トレー内を5%(W/V)の塩化マグネシウム溶液(化合物B)で満たしキャップとスパウトとの密封部分に空気が残らないようにした。その後、レトルト殺菌中にトレー内の塩化マグネシウム溶液が熱水や冷却水により希釈されないようにトレーに蓋を被せて密封し、熱水シャワー殺菌(115℃で30分、125℃で30分の2条件)した後、冷却水を用いて品温が30℃になる迄冷却した。
次いで、トレーから蓋を外し、キャップやスパウトに付着した塩化マグネシウム溶液を水道水で洗浄した。次に、キャップ開栓時に残留塩化マグネシウム溶液がスパウト付パウチ内に吸い込まれないように、パウチの底部をハサミで切り取り、マイクロピペットでpH10の緩衝液150μl(0.05%(v/v%))を添加した後、エリオクロムブラックT指示薬60μl(0.02%(v/v%))を添加してパウチ内を撹拌した。その結果得られた呈色反応の結果からスパウト付パウチの密封性を評価した。使用した塩化マグネシウムの濃度と充填量とから計算された検出限界値は、0.5μlである。
溶液が赤色に変色したものは水溶液の吸い込みがあったものであり、溶液が青色に変色したものは水溶液の吸い込みがなかったものである。
その結果を表に示す。
<実施例
実施例は、請求項5、6に規定した発明を説明するためのものである。
充填量300mlの透明のスパウト付パウチに、液状内容物として、充填ライン上のステンレス配管を通したイオン交換水を85℃±2℃で280ml充填し、キャップを手で巻締めした。
この際、巻締め条件として、キャップ天面接触時より−10度、0度、+10度、+20度の4種類の巻締めを行った。
また、充填ライン上から混入した金属イオンのマスキングに必要な0.01MのEDTA溶液の添加量を測定するために、同様に充填して30℃迄冷却したスパウト付パウチ5袋を準備した。これらのスパウト付パウチからキャップを外してpH10の緩衝液150μl(0.05%(v/v%))を添加した後、エリオクロムブラックT指示薬60μl(0.02%(v/v%))を添加して溶液を赤色に変化させた。次に、0.01MのEDTA溶液を滴下していき溶液が青色に変わる滴下量を測定し、最も多い滴下量300μlをマスキングするための0.01MのEDTAの滴下量とした。
その結果を表に示す。
次に、キャップとスパウトとの密封部分を確実に10%(W/V)の塩化マグネシウム溶液で満たすために、冶具内に液状内容物を充填したスパウト付パウチを図1、2に示すようにセットし、トレー内を10%(W/V)の塩化マグネシウム溶液で満たしキャップとスパウトとの密封部分に空気が残らないようにした。その後、レトルト殺菌中にトレー内の塩化マグネシウム溶液が熱水や冷却水により希釈されないようにトレーに蓋を被せて密封し、熱水シャワー殺菌(115℃で30分、125℃で30分の2条件)した後、冷却水を用いて品温が30℃になる迄冷却した。
次いで、トレーから蓋を外し、キャップやスパウトに付着した塩化マグネシウム溶液を水道水で洗浄した。次に、キャップ開栓時に残留塩化マグネシウム溶液がスパウト付パウチ内に吸い込まれないように、パウチの底部をハサミで切り取り、マイクロピペットでpH10の緩衝液150μl(0.05%(v/v%))を添加した後、充填ラインから混入した金属イオンをマスキングするために0.01MEDTA溶液300μlを添加、さらにエリオクロムブラックT指示薬60μl(0.02%(v/v%))を添加してパウチ内を撹拌した。その結果得られた呈色反応の結果からスパウト付パウチの密封性を評価した。使用した塩化マグネシウムの濃度と充填量とから計算された検出限界値は、0.5μlである。
溶液が赤色に変色したものは水溶液の吸い込みがあったものであり、溶液が青色に変色したものは水溶液の吸い込みがなかったものである。検出限界値は、マスキングすることで若干落ちるが、評価結果はマスキングしない評価結果とほぼ同等の結果を得ることができた。
その結果を表に示す。
以上詳述したように、本発明の呈色反応を利用したスパウト付パウチへの殺菌工程中の
熱水、冷却工程中の冷却水の吸い込み検査方法は、呈色反応をする化合物のいずれか一方の化合物だけを耐熱性のものとするだけで感度の高い検査が出来るため、従来は不可能であった高温の密封環境下でもスパウト付パウチの密封性が容易に検査することができ、特にpHが4.6以上の低酸性飲料の密封性の検査が容易であることから、容器自体に柔軟性がある特異な構造をしているスパウト付パウチにおいて、広く利用が見込まれる。
本発明の請求項4の態様を示した冶具の平面図である。 図1の冶具の断面図である。 本発明に使用されるスパウト付パウチの密封部分の断面図である。 スパウト付パウチの層構成の一例を示す断面図である。 スパウト付パウチの層構成の他の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 冶具
2 トレー
3 蓋
4 側板
5 挿入口
6 キャップ
7 スパウト付パウチ
8 スパウト
8a 内周面
8b 上端面
8c 外縁端部
8d 外周面
10 天面
11 インナーリング
12 コンタクトリング
13,13a アウターリング
14 タンパーエビデント部
15,15a 外層
16,16a 中間層
17,17a 内層

Claims (6)

  1. レトルト殺菌可能なスパウト付パウチに、化合物Bと反応して呈色反応を示す化合物Aを含有しない液状内容物を充填しキャップで密封して、反応して呈色反応を示すと共に100℃以上の温度で熱分解しない化合物Bを含む水溶液を保持するトレー、蓋及び側板から成る冶具に、前記キャップとスパウトとの密封部分を浸漬して、その状態で熱水または蒸気によってレトルト殺菌し、且つ冷却水にて前記スパウト付パウチを冷却して、次いで、前記液状内容物に前記化合物Aを添加し、前記液状内容物の発色の有無を検知することを特徴とするスパウト付パウチの密封性検査方法。
  2. 前記スパウト付パウチが透明であり、冷却後のスパウト付パウチ内に直接前記化合物Aを添加する請求項記載のスパウト付パウチの密封性検査方法。
  3. 前記化合物Bが、金属イオンを遊離する化合物である請求項1または2記載のレトルトパウチの密封性検査方法。
  4. 前記化合物Aが、金属イオンとキキレートを形成する化合物である請求項1ないし3のいずれか1項記載のレパウチの密封性検査方法。
  5. 化合物Aを含有しない液状内容物をスパウト付パウチに充填するに際して、前記液状内容物に金属イオンを含有する化合物が混入した場合に、呈色反応する化合物Aを添加する前段階において、前記金属イオンを含有する化合物とマスキングする化合物を添加する請求項1ないし4のいずれか1項記載のレパウチの密封性検査方法。
  6. 前記マスキングする化合物がエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である請求項記載のレパウチの密封性検査方法。
JP2007212168A 2007-08-16 2007-08-16 スパウト付パウチの密封性検査方法 Expired - Fee Related JP5018331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007212168A JP5018331B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 スパウト付パウチの密封性検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007212168A JP5018331B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 スパウト付パウチの密封性検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009047484A JP2009047484A (ja) 2009-03-05
JP5018331B2 true JP5018331B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=40499848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007212168A Expired - Fee Related JP5018331B2 (ja) 2007-08-16 2007-08-16 スパウト付パウチの密封性検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5018331B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6362451B2 (ja) * 2014-07-03 2018-07-25 サントリーホールディングス株式会社 容器の密封性の検査方法及び補助装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321715A (ja) * 2002-04-09 2002-11-05 Dainippon Printing Co Ltd 無菌充填方法およびシステム
JP4961683B2 (ja) * 2004-06-22 2012-06-27 東洋紡績株式会社 流体分離装置および/または膜エレメントの保存液、流体分離装置および膜エレメントおよびその保存方法
JP4379323B2 (ja) * 2004-12-09 2009-12-09 東洋製罐株式会社 容器の密封性検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009047484A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Smolander et al. Leak indicators for modified-atmosphere packages
US6149952A (en) Method for determining deleterious bacterial growth in packaged food utilizing hydrophilic polymers
US5756049A (en) Water testing capsule using water soluble film membranes
JP2012526973A5 (ja)
US6723285B2 (en) Food freshness indicator
KR20130111196A (ko) 혈액분석장치에 사용되는 세정액을 수용한 용기
JP5018331B2 (ja) スパウト付パウチの密封性検査方法
EP2964542B1 (en) Container for aseptic content, use and method of production
JP4379323B2 (ja) 容器の密封性検査方法
EA006668B1 (ru) Способ проверки целостности укупорочного средства для операции горячего заполнения емкости
AU2007263708A1 (en) Indicating package
JP2003114162A (ja) 合成樹脂製透明容器の密封性検査方法
KR20140001604A (ko) 암모니아 변색 스티커
AU749179B2 (en) Device for capping vessels
CN201296448Y (zh) 容器
EP2458370B1 (en) Method and device for measuring the oxygen content in sparkling wine bottles
CN208199320U (zh) 一种具有快速检测新鲜程度功能的巴氏杀菌乳包装
US20110064610A1 (en) Method of testing a sterilization process and sterilization apparatus
JP6197906B1 (ja) 容器の密封性検査方法
WO1999036330A1 (en) Improvements related to containers
Taylour et al. Traceability of Cleaning Agents and Disinfectants
NO20210465A1 (ja)
KR20110089581A (ko) 저장용기
CN207129406U (zh) 袋装水盛水容器
KR20130003741A (ko) 위생 생수통

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100715

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120515

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120528

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees