JP6197470B2 - 糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法 - Google Patents

糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法に関する。
近年、石油や石炭といった化石燃料に代わるエネルギー源として、木材、紙、藁等、セルロースを含むバイオマスから製造したエタノール(バイオエタノールまたはバイオマスエタノールと称することもある。)が注目されている。このようなバイオエタノールの原料となる、セルロースを含むバイオマスとしては、木材、おがくず、樹皮等の木質系バイオマス、ススキ等の草本系バイオマス、バガス、藁、籾殻、野菜の茎葉などの農業系バイオマス等が挙げられる。
セルロースを含むバイオマス(以下、単にバイオマスと称することもある。)からバイオエタノールを製造する技術として、硫酸、塩酸、フッ酸、硝酸等の液体の酸でバイオマスを加水分解する技術が開示されている。
また、スルホン基が導入された無定形炭素(例えば、特許文献1)やスルホン化活性炭(例えば、特許文献2)、活性炭(例えば、特許文献3)、といった触媒(以下、単に固体酸触媒と称する。)でバイオマスを加水分解する技術が開示されている。
さらに、酵素(例えば、セルラーゼ)を用いてバイオマスを加水分解する技術が開示されている。
特許第4582546号公報 特許第5013531号公報 特許第4604194号公報
しかしながら、バイオマスの加水分解に液体の酸を用いる場合、加水分解後に酸の中和処理が必要となるため、中和処理に要するコストが生じてしまう。また、液体の酸を用いる場合、加水分解反応の制御が難しく、過分解物が生じるおそれがある。
特許文献1、2に記載された、スルホン基が導入された無定形炭素や、スルホン化活性炭といった固体酸触媒は、製造時に、環境負荷が高い硫酸を用いたスルホン化処理が必要となる。
特許文献3に記載された活性炭は、製造時に、700℃以上といった高温に原料を曝す等の賦活処理が必要となり、製造コストが高い。また、活性炭は比表面積がきわめて大きいため、バイオマスの加水分解により生成された単糖が活性炭に吸着してしまい、生成された単糖の回収効率が低減するおそれがある。
また、酵素を用いる場合、加水分解に要する時間が数十時間といった長時間となってしまう。さらに、酵素は高価であることに加えて、繰り返して用いることが困難であることから、加水分解に要するコストが高くなってしまう。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、低環境負荷かつ低コストで、セルロースを含むバイオマスを加水分解できる糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の糖液製造方法は、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法であって、セルロースを含むバイオマスを、150℃以上350℃以下の温度範囲のうち予め定められた温度で、スルホン化させずに炭化処理さることで生成される炭化物と、多糖とを接触させることで、多糖を加水分解させ、単糖を含む糖液を製造する工程を含むことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のバイオマス由来物製造方法は、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を出発物質としてバイオマス由来物を製造するバイオマス由来物製造方法であって、セルロースを含むバイオマスを、150℃以上350℃以下の温度範囲のうち予め定められた温度で、スルホン化させずに炭化処理さることで生成される炭化物と、多糖とを接触させることで、多糖を加水分解させ、単糖を含む糖液を製造する工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、低環境負荷かつ低コストでセルロースを含むバイオマスを加水分解できる。
第1の実施形態にかかるバイオマス由来物製造システムを説明するための図である。 バイオマス由来物製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態にかかるバイオマス由来物製造システムを説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を加水分解する際に、触媒として炭化物を用いる。以下、まず、炭化物の製造方法について説明し、続いて、炭化物を用いたバイオマス由来物製造システム、および、バイオマス由来物製造方法について説明する。
(炭化物の製造方法)
炭化物は、表面に酸性官能基を有しており、炭化物と多糖とを接触させると、炭化物の酸性官能基により、多糖が単糖に加水分解される。ここで、酸性官能基は、溶媒のpHを低下させることができる官能基であり、例えば、カルボキシル基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、ラクトン基(−COO−を有する環状の炭化水素基)である。
炭化物は、セルロースを含むバイオマス(例えば、ヤシ殻、おが粉等)を原料とし、バイオマスを炭化処理することで製造される。炭化物の原料となる、セルロースを含むバイオマスは安価に入手可能であるため、炭化物を安価に製造することができる。
上記炭化処理はバイオマスを加熱する処理であり、窒素雰囲気下、または、窒素と酸素を含む気体(例えば、空気)の雰囲気下で行われるとよく、窒素と酸素を含む気体の雰囲気下で行われるとさらによい。これは、炭化処理する際に、酸素が存在することで炭化物表面の酸性官能基の生成が促進されると考えられるためである。
また、炭化処理を遂行する際の温度は、150℃〜500℃であり、好ましくは150℃〜350℃である。炭化処理を遂行する際の温度が500℃より高いと炭化物が有する酸性官能基の分解が急速に進み、触媒の活性(加水分解の効率)が低下してしまう。また、炭化処理を遂行する際の温度が150℃未満であると原料の炭化が進まず、炭化物を得ることができない。また、炭化物における酸性官能基量は300℃付近が最も高いと考えられるため、350℃以下とすることがより好ましい。
このように、セルロースを含むバイオマスを、150℃〜500℃のうち予め定められた温度に曝すといった簡易な処理で、多糖の加水分解反応を促進する触媒を製造することができる。したがって、液体の酸を用いて加水分解する従来の技術と比較して、加水分解後の中和処理が不要となり、コストの上昇を抑えることができる。また、液体の酸を用いる場合と比較して、加水分解反応の制御が容易であるため、過分解物の生成量を低減することが可能となる。
また、スルホン基が導入された無定形炭素や、スルホン化活性炭といった従来の固体酸触媒と比較して、製造時に、硫酸等の環境負荷の高い物質の使用が不要であるため、低環境負荷で触媒(炭化物)を製造することが可能となる。
また、活性炭と比較して、製造時に賦活処理をする必要がないため、コストの上昇を抑えることができる。さらに、本実施形態にかかる炭化物は、活性炭と比較して、比表面積が小さいため、バイオマスの加水分解により生成された単糖の吸着量を低減することができ、単糖の回収効率を向上することが可能となる。さらに、本実施形態にかかる炭化物は、活性炭と比較して数倍程度の酸性官能基が含まれると考えられる。したがって、活性炭に比べて少ない量の炭化物で加水分解を行うことが可能となると考えられる。また、活性炭と同量の炭化物を用いて加水分解した場合、加水分解に要する時間を、活性炭において要する時間の数分の1程度まで短縮することが可能となると考えられる。
また、上述したように、本実施形態にかかる炭化物は、セルロースを含むバイオマスといった安価な原料を用い、かつ、150℃〜500℃のうち予め定められた温度に曝すといった簡易な処理を施すだけで製造することができるため、酵素を用いて加水分解する従来の技術と比較して、触媒に要するコストを大幅に削減することができる。さらに、酸性官能基を有する構成により、酵素を用いる場合と比較して、加水分解に要する時間を短縮することが可能となる。
次に、バイオマスの加水分解反応における触媒として炭化物を使用したバイオマス由来物製造システムを説明する。
(バイオマス由来物製造システム100)
図1は、第1の実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム100を説明するための図である。図1に示すように、バイオマス由来物製造システム100は、糖液製造装置110と、エタノール製造装置120と、排水処理装置130とを含んで構成される。なお、ここでは、バイオマス由来物として、エタノールを製造する構成を例に挙げて説明する。
バイオマス由来物製造システム100において、糖液製造装置110は、木質系バイオマス等の、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を出発物質として、バイオマス由来の多糖に糖化処理を施すことにより単糖類(グルコース、キシロース)に分解し、糖液GSを製造する。ここで、バイオマス由来の多糖は、セルロース、ヘミセルロース、セルロース由来の懸濁態多糖、セルロース由来の水溶性オリゴ糖、ヘミセルロース由来の懸濁態多糖、ヘミセルロース由来の水溶性オリゴ糖の群から選択される1または複数の多糖を含む。エタノール製造装置120は、かかる糖液GSに発酵処理、蒸留処理を施すことにより、高純度のエタノールPEを製造する。また、排水処理装置130は、エタノール製造装置120から排出される水を回収して、清浄化処理を施し、外部に排水する。以下、糖液製造装置110およびエタノール製造装置120の具体的構成について詳述する。
(糖液製造装置110)
図1に示すように、糖液製造装置110は、粉砕部210と、混合部220と、加水分解処理部230と、分離部240とを含んで構成される。
粉砕部210は、加水分解反応の前処理として、原料であるバイオマスを粉砕(例えば、乾式粉砕)し、粉砕されたバイオマスBBを生成する。粉砕にはボールミル等の乾式粉砕装置を用いるとよい。粉砕部210を備える構成により、バイオマスに含まれる固体(セルロース、リグニン等)を粉砕することができ、バイオマスの比表面積を大きくすることが可能となる。これにより、後段の加水分解処理部230において、セルロースと炭化物とが接触しやすくなるため、加水分解反応の効率を向上させることが可能となる。
なお、加水分解反応の前処理としては、150℃〜230℃程度の加圧熱水をバイオマスに接触(作用)させる熱水流通処理を行ってもよい。バイオマスに加圧熱水を接触させることでセルロースとヘミセルロース等とを分離し、セルロースと炭化物とを接触しやすくすることができる。ここで、バイオマスに作用させる加圧熱水は亜臨界状態の熱水であって、液体状態を維持するために加圧された熱水である。また、加水分解反応の前処理として、熱水流通処理と湿式粉砕処理とを合わせて行ってもよい。熱水流通処理を施したバイオマスを、水等の溶媒とともに湿式粉砕することで、セルロースと炭化物とをより接触しやすくすることができる。
混合部220は、粉砕部210において粉砕されたバイオマスBBと、加水分解反応の触媒である炭化物とを混合し、混合物MBを生成する。混合部220としては、例えば2軸混練機等を使用することができる。混合部220が、粉砕されたバイオマスBBと炭化物とを混合することで、セルロースと炭化物との接触確率を向上することができ、後段の加水分解処理部230において加水分解反応の効率を向上させることが可能となる。
加水分解処理部230は、混合部220において混合された、粉砕されたバイオマスBBと炭化物との混合物MBに水を添加して、予め定められた温度とする。ここで、加水分解処理部230は、炭化物によるセルロースの加水分解反応を均一に進行させるために、混合物MBと水とを攪拌するとよい。
また、加水分解処理部230が設定する予め定められた温度(加水分解反応を進行させる際の温度)は、100℃〜300℃のうち予め定められた温度であり、好ましくは180℃〜230℃のうち予め定められた温度である。100℃未満では加水分解反応が進まず、300℃より高い温度ではセルロースが過分解して、単糖の製造効率が低下するためである。
加水分解処理部230として、例えばオートクレーブを使用し、混合物MBと水とを上記温度に加熱し、また、予め定められた圧力に加圧する。その結果、炭化物が触媒として機能し、セルロースが、グルコースと、水溶性オリゴ糖と、懸濁態多糖とに加水分解される。つまり、加水分解処理部230は、グルコースおよび水溶性オリゴ糖を含む液体である糖液と、懸濁態多糖(炭化物によって分解可能な多糖)、不溶解物(炭化物によっても分解できない多糖、およびリグニン等)、および炭化物を含む固体との混合物である固液混合物SLを生成することとなる。
本実施形態において水溶性オリゴ糖は、グルコースが2量体(例えば、セロビオース)〜6量体重合した水溶性のセルロース加水分解物(多糖類)であり、懸濁態多糖は、グルコースが7量体以上重合したセルロース加水分解物や、グルコースが6量体重合したセロヘキサオースの結晶であり、加水分解処理部230において懸濁状態で存在する加水分解物(多糖類)である。
分離部240は、加水分解処理部230で生成された固液混合物SLを、液体と固体、すなわち、グルコースを主成分とする糖液GSと、固体残渣SRとに分離する。分離部240としては、例えば遠心分離機が用いられ、遠心ろ過を行うことで、糖液GSと、固体残渣SRとが分離される。分離部240によって分離された糖液GSは、後段のエタノール製造装置120に送出され、固体残渣SRは廃棄される。
以上説明したように、本実施形態にかかる糖液製造装置110によれば、加水分解反応の触媒として炭化物を用いることで、低環境負荷および低コストでバイオマスを加水分解することが可能となる。
(エタノール製造装置120)
エタノール製造装置120は、発酵部310と、蒸留部320とを含んで構成される。
発酵部310は、糖液製造装置110で生成された糖液GSに、酵母等のエタノール発酵微生物と、窒素、リン等の栄養源とを添加し、発酵処理に適切な温度、適切なpH等の条件下でエタノール発酵微生物を培養する。そうすると、糖液GS中のグルコースがアルコール発酵されてエタノールEが生成される。発酵部310によって生成されたエタノールEは、後段の蒸留部320へ送出される。
蒸留部320は、発酵部310から送出されたエタノールEを蒸留し、濃縮することで、高純度のエタノールPEを生成する。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム100によれば、糖液製造装置110が、糖液GSを生成し、エタノール製造装置120が糖液GSを用いて高純度のエタノールPEを生成することができる。
(第1の実施形態におけるバイオマス由来物製造システム100の変形例)
第1の実施形態におけるバイオマス由来物製造システム100では、分離部240によって分離された固体残渣SRを廃棄することとしているが、かかる固体残渣SRを燃料として利用することもできる。この場合、分離部240において分離された固体残渣SRを燃焼させることで得られる熱エネルギーを、加水分解処理部230における混合物MBと水との加温に利用するとよい。
このように、廃棄物として処理されていた固体残渣SRを燃料として利用することで、廃棄物の量を低減することができ、廃棄物の処理にかかるコストを削減することが可能となる。また、加水分解処理部230における加温用の燃料(例えば、ボイラの燃料)を削減することができるため、バイオマス由来物製造システム100全体のランニングコストを低減することが可能となる。
(バイオマス由来物製造方法)
続いて、炭化物を用いたバイオマス由来物製造方法(糖液製造方法)について説明する。図2は、バイオマス由来物製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図2に示すように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造方法は、粉砕工程S410、混合工程S412、加水分解工程S414、分離工程S416、エタノール製造工程S418を含む。ここで、粉砕工程S410から分離工程S416までの処理が糖液製造方法に該当する。
(粉砕工程S410)
粉砕工程S410では、粉砕部210がバイオマスを粉砕し、粉砕されたバイオマスBBを生成する。
(混合工程S412)
混合工程S412では、混合部220が、粉砕工程S410で生成された粉砕されたバイオマスBBと炭化物とを混合し、混合物MBを生成する。
(加水分解工程S414)
加水分解工程S414は、セルロースを含むバイオマス由来の多糖と、炭化物とを接触させることで、多糖を加水分解させ、単糖を含む糖液GSを製造する工程である。本実施形態において、加水分解工程S414では、加水分解処理部230が、混合工程S412で混合された混合物MBに水を添加して、予め定められた温度とすることで、炭化物を触媒としたセルロースの加水分解反応を進行させる(糖化)。その結果、糖液GSを含む固液混合物SLが生成される。
(分離工程S416)
分離工程S416では、分離部240が、加水分解工程S414で生成された固液混合物SLを液体と固体、すなわち、グルコースを主成分とする糖液GSと固体残渣SRとに分離する。
(エタノール製造工程S418)
エタノール製造工程S418では、エタノール製造装置120が、分離工程S416で分離された糖液GSをアルコール発酵させて、蒸留し、高純度のエタノールPEを製造する。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造方法によれば、バイオマス由来の多糖から糖液GSを製造する際の加水分解工程S414において、低環境負荷および低コストでバイオマスを加水分解することが可能となる。
(第2の実施形態:バイオマス由来物製造システム500)
図3は、第2の実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム500を説明するための図である。図3に示すように、バイオマス由来物製造システム500は、糖液製造装置510と、エタノール製造装置120と、排水処理装置130とを含んで構成される。また、糖液製造装置510は、粉砕部210と、混合部220と、加水分解処理部230と、分離部240と、返送部520と、を含んで構成される。なお、上述した第1の実施形態における構成要素として既に述べたエタノール製造装置120、排水処理装置130、粉砕部210、混合部220、加水分解処理部230、分離部240は、実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する返送部520を主に説明する。
返送部520は、分離部240と混合部220とを接続する配管ライン520aと、返送機構520bとを含んで構成される。返送部520は、分離部240によって分離された固体である固体残渣SRを、配管ライン520aを介して返送機構520bにより混合部220に返送する。返送機構520bは、例えば、管の中に設けられたらせん型のスクリューを回転させることで固体残渣SRを押し出すスクリューフィーダで構成される。
分離部240で分離された固体残渣SRには、炭化物、炭化物によって分解可能であるが未分解である懸濁態多糖、および、炭化物によって分解できない多糖やリグニン等の不溶解物が含まれている。本実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム500は、返送部520を通じて固体残渣SRを混合部220に返送するため、固体残渣SRを加水分解処理部230において再度加水分解させることができる。したがって、固体残渣SRに含まれる懸濁態多糖を加水分解することができ、単糖の回収効率を上昇させることが可能となる。
また、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム500では、固体残渣SRに含まれる炭化物を再び加水分解処理部230における加水分解反応の触媒として使用することができる。つまり、炭化物を繰り返し使用することができる。したがって、低コストでバイオマスを加水分解することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、バイオマス由来物製造システム100、500は、糖液製造装置110、510が製造した糖液GSを用いて、バイオマス由来物として、高純度のエタノールPEを製造する構成について説明した。しかし、バイオマス由来物として、糖液製造装置110、510が製造した糖液GSを用いて、エタノール以外の物質、例えば、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、乳酸、レブリン酸、酢酸、メタン、ブタノールを製造してもよい。
また、上記実施形態において、糖液製造装置110、510が原料として用いるセルロースを含むバイオマスの例として木質系バイオマスを挙げて説明したが、原料は、セルロースが含まれていればよく、草本系バイオマス、農業系バイオマス、人工的に生成されたセルロースであってもよい。
また、上記実施形態において、バイオマスの前処理として、粉砕部210において粉砕する構成、熱水流通処理する構成、熱水流通処理および湿式粉砕する構成を例に挙げて説明したが、バイオマスの前処理に限定はなく、バイオマスに含まれるセルロースと、触媒(炭化物)とを接触しやすくすることができればよい。
また、上記実施形態において、糖液製造装置110、510が混合部220を備える構成について説明したが、混合部220は必須の構成ではない。混合部220を備えない場合、加水分解処理部230において、粉砕されたバイオマスBBに、炭化物および水を混合すればよい。
また、上記第1の実施形態の変形例において、固体残渣SRを燃焼させることで得られる熱エネルギーを加水分解処理部230で用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、加水分解処理部230に限らず、熱水流通処理等、他の処理や、構成要素において利用してもよい。
また、上記第2の実施形態において、返送部520は混合部220に固体残渣SRを返送する構成とした。しかしながら、固体残渣SRは、再び加水分解されればよく、加水分解処理部230の上流側、または、加水分解処理部230に返送されればよい。
なお、本明細書の糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。
本発明は、セルロースを含むバイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法に利用することができる。
S410 粉砕工程
S412 混合工程
S414 加水分解工程
S416 分離工程
S418 エタノール製造工程

Claims (2)

  1. セルロースを含むバイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法であって、
    セルロースを含むバイオマスを、150℃以上350℃以下の温度範囲のうち予め定められた温度で、スルホン化させずに炭化処理さることで生成される炭化物と、前記多糖とを接触させることで、該多糖を加水分解させ、単糖を含む糖液を製造する工程を含むことを特徴とする糖液製造方法。
  2. セルロースを含むバイオマス由来の多糖を出発物質としてバイオマス由来物を製造するバイオマス由来物製造方法であって、
    セルロースを含むバイオマスを、150℃以上350℃以下の温度範囲のうち予め定められた温度で、スルホン化させずに炭化処理さることで生成される炭化物と、前記多糖とを接触させることで、該多糖を加水分解させ、単糖を含む糖液を製造する工程を含むことを特徴とするバイオマス由来物製造方法。
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