JP2009004951A - 画像処理装置、方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像全体および細部のメリハリをより適切に再現するダイナミックレンジ調整処理を実現する。
【解決手段】ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17が、入力画像中の各画素に対するダイナミックレンジの調整量を表す調整画像データの生成の際に、ダイナミックレンジ調整条件に基づいて入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるのか、拡大される向きに画素値が調整されるのかを画素毎に判定し、その判定結果に基づいて、ダイナミックレンジが圧縮される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が高い画像を入力として調整画像データの生成を行い、ダイナミックレンジが拡大される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が低い画像に基づいて調整画像データの生成を行う。加算部18は、入力画像データと調整画像データの相対応する画素毎に加算を行い、出力画像を生成する。
【選択図】図3
【解決手段】ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17が、入力画像中の各画素に対するダイナミックレンジの調整量を表す調整画像データの生成の際に、ダイナミックレンジ調整条件に基づいて入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるのか、拡大される向きに画素値が調整されるのかを画素毎に判定し、その判定結果に基づいて、ダイナミックレンジが圧縮される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が高い画像を入力として調整画像データの生成を行い、ダイナミックレンジが拡大される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が低い画像に基づいて調整画像データの生成を行う。加算部18は、入力画像データと調整画像データの相対応する画素毎に加算を行い、出力画像を生成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、画像のダイナミックレンジの調整を行う画像処理に関するものである。
デジタル画像を出力する出力媒体の濃度再現域が入力画像データの濃度範囲よりも狭いために、その出力媒体では再生できない濃度領域が存在する場合や、画像の主要部を適正に再現するために濃度(明るさ)やコントラストを補正した結果、出力媒体の濃度再現域からはみ出す濃度領域が生じてしまう場合等に、画像の階調を適正に仕上げるための画像処理として、ダイナミックレンジを圧縮する技術が知られている。具体的には、広いダイナミックレンジをもつ入力画像の階調を圧縮しつつ、好ましくハイライト、シャドーを再現するために、入力画像から低周波成分を抽出し、抽出された低周波成分に対して階調の圧縮を行い、圧縮後の低周波成分を入力画像に加算することに実現される。これにより、細部(高周波成分)のメリハリ感を損なわない階調圧縮が可能になる(例えば、特許文献1,2,3)。
特開平9−130609号公報
特開平10−111928号公報
特開平11−191871号公報
上記の従来技術において、ダイナミックレンジを圧縮する際の圧縮率は、ユーザによってマニュアル設定されたり(例えば特許文献2)、画像のヒストグラムや最大値、最小値、平均値等の画像特徴量の解析結果や、画像に付帯する撮影情報に基づいて自動的に設定されたりする(例えば特許文献3)。
このとき、圧縮率が負の値に設定され、ダイナミックレンジが拡大されることもあり得る。図10はその一例である。図10(a)の階調曲線に示したように、入力画像のシャドー部がより暗く出力されるように設定した場合、すなわち、図10(b)に示したように、入力画像のシャドー部の濃度補正量のみをプラスの値に設定した場合には、全体として、ダイナミックレンジの圧縮率は負の値となる。
また、全体としてはダイナミックレンジが圧縮されるように設定されているが、部分的には、ダイナミックレンジが拡大される向きに濃度補正が行われることもあり得る。図8、9はその一例である。図8では、図8(a)に示したように、入力画像中のハイライト部・シャドー部を圧縮することによって全体としてはダイナミックレンジが圧縮されるが、中間コントラストは拡大されるように階調曲線が設定されている。したがって、図8(b)に示したように、中間濃度値よりも明るい濃度領域において、ハイライト部では濃度補正量がプラス、すなわち暗くなるように設定されており、ダイナミックレンジが圧縮される設定となっているが、中間濃度値に近い領域では、濃度補正量がマイナス、すなわち、明るくなるように設定されており、この領域ではダイナミックレンジが拡大されるように設定されていることになる。同様に、中間濃度値よりも暗い濃度領域において、シャドー部では濃度補正量がマイナス、すなわち明るくなるように設定されており、ダイナミックレンジが圧縮される設定となっているが、中間濃度値に近い領域では、濃度補正量がプラス、すなわち、暗くなるように設定されており、この領域ではダイナミックレンジが拡大されるように設定されていることになる。さらに、図9は、入力画像に対する濃度補正処理により画像全体を明るくした結果、ハイライト部が出力媒体における濃度再現域からはみ出てしまったため、ハイライト部を圧縮する(暗くする)とともに、明るくなりすぎたシャドー部を締める(拡大する・明るくする)場合を表している。図9(a)の直線L1から直線L2への変換が画像全体を明るくする濃度補正を表しており、これに対して、出力濃度が負の値(出力媒体の濃度再現域外)となったハイライト部を、出力濃度が正の値となるように補正し、明るくなりすぎたシャドー部の出力濃度がより大きくなるように補正したものが曲線L3である。ここで、直線L2から曲線L3への補正の際の補正量を表したものが、図9(b)であり、ハイライト部では濃度補正量がプラス、すなわち暗くなるように設定されており、ダイナミックレンジが圧縮される設定となっているが、シャドー部では、濃度補正量がプラス、すなわち、暗くなるように設定されており、この領域ではダイナミックレンジが拡大されるように設定されていることになる。
ここで、ダイナミックレンジを圧縮する方向の処理では、上記特許文献に記載の先行技術のように、入力画像中の低周波成分に対してダイナミックレンジ圧縮処理を行うことによって、高周波成分のダイナミックレンジを維持し、画像のメリハリを保つことが好ましいが、ダイナミックレンジを拡大する方向の処理では、画像全体のコントラストの増加に伴って細部のメリハリも強くなった方が好ましいため、上記特許文献に記載の先行技術のように、入力画像中の低周波成分のみに対してダイナミックレンジを拡大する処理を行ってしまうと、細部(高周波成分)のメリハリは相対的に弱められたことになり、好ましい画像が得られない可能性がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、画像全体および細部のメリハリをより適切に再現するダイナミックレンジ調整処理を実現する画像処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の第1の画像処理装置は、入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成する成分画像データ生成手段と、該入力画像のダイナミックレンジを調整するための画素値の調整量を画素値毎に決定しうるダイナミックレンジ調整条件を取得する調整条件取得手段と、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより高い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより低い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得することによって、前記入力画像のダイナミックレンジを調整するための調整画像データを生成する調整画像データ生成手段と、前記入力画像と前記調整画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る加算手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の第1の画像処理方法は、入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、該入力画像のダイナミックレンジを調整するための画素値の調整量を画素値毎に決定しうるダイナミックレンジ調整条件を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより高い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより低い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得することによって、前記入力画像のダイナミックレンジを調整するための調整画像データを生成し、前記入力画像と前記調整画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得ることを特徴とする。
本発明の第1の画像処理プログラムは、コンピュータに上記第1の画像処理方法を実行させるものである。
ここで、ダイナミックレンジが圧縮される向きとは、所定の基準となる画素値よりも暗い画素値の範囲におけるより明るくする向き、所定の基準となる画素値よりも明るい画素値の範囲におけるより暗くする向きを表す。逆に、ダイナミックレンジが拡大される向きとは、所定の基準となる画素値よりも暗い画素値の範囲におけるより暗くする向き、所定の基準となる画素値よりも明るい画素値の範囲におけるより明るくする向きを表す。なお、所定の基準となる画素値の具体例としては、入力画像が仕様上取り得る最大画素値と最小画素値の平均値や、入力画像の実際の最大画素値と最小画素値の平均値、中間値、入力画像中の主要被写体の領域(例えば人物の肌色領域)の画素値等が挙げられる。
成分画像の1つは、入力画像中の低周波成分を表すものとすることが考えられる。この場合、ダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、この低周波成分を表す画像中の画素の画素値からダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量が取得され、ダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、もとの空間周波数成分をそのまま含む入力画像、または、上記の低周波成分とは異なる空間周波数成分を表す画像中の画素の画素値からダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量が取得される。
また、ダイナミックレンジ調整条件に基づいてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されることがない場合には、低周波成分を表す成分画像データの生成を行わないように制御するようにしてもよい。具体的には、ダイナミックレンジ調整条件中にダイナミックレンジが圧縮される向きに調整が行われるような条件が存在しない場合や、ダイナミックレンジ調整条件中にはダイナミックレンジが圧縮される向きに調整が行われるような条件が存在するが、調整画像データの生成の際の入力となる画像中に、ダイナミックレンジが圧縮される向きに調整が行われる画素が存在しなかった場合が考えられる。
調整画像データの生成の際には、入力画像および成分画像の明暗を表す画素値を用いてもよい。
本発明の第2の画像処理装置は、入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成する成分画像データ生成手段と、該入力画像のダイナミックレンジを調整するためのダイナミックレンジ調整条件を取得する調整条件取得手段と、前記入力画像中の各画素について、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて、前記入力画像のダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データを生成する仮調整画像データ生成手段と、前記成分画像データを用いて、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対しては、該向きに画素値が調整されない画素よりも多くの、該画素における高周波成分を補償する補償画像データを生成する補償画像データ生成手段と、前記仮調整画像と前記補償画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る加算手段とを設けたことを特徴とする。
本発明の第2の画像処理方法は、入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、該入力画像のダイナミックレンジを調整するためのダイナミックレンジ調整条件を取得し、前記入力画像中の各画素について、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて、前記入力画像のダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データを生成し、前記成分画像データを用いて、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対しては、該向きに画素値が調整されない画素よりも多くの、該画素における高周波成分を補償する補償画像データを生成し、前記仮調整画像と前記補償画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得ることを特徴とする。
本発明の第2の画像処理プログラムは、コンピュータに上記第2の画像処理方法を実行させるものである。
成分画像は、入力画像中の高周波成分を表すものとすることが考えられる。この場合、ダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、この高周波成分を表す画像中の画素の画素値からダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量が取得され、ダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、もとの空間周波数成分をそのまま含む入力画像中の画素の画素値からダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量が取得される。
また、ダイナミックレンジ調整条件に基づいてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されることがない場合には、成分画像データの生成を行わないように制御するようにしてもよい。具体的には、ダイナミックレンジ調整条件中にダイナミックレンジが圧縮される向きに調整が行われるような条件が存在しない場合や、ダイナミックレンジ調整条件中にはダイナミックレンジが圧縮される向きに調整が行われるような条件が存在するが、補償画像データの生成の際の入力となる画像中に、ダイナミックレンジが拡大される向きに調整が行われる画素が存在しなかった場合が考えられる。
補償画像データの生成の際には、入力画像および成分画像の明暗を表す画素値を用いてもよい。
上記第1および第2の態様において、ダイナミックレンジ調整条件は、例えば、入力画像の解析結果、入力画像に対する付帯情報、ユーザによって入力された情報、入力画像の色・濃度・コントラストのいずれかを補正するための画素値の調整量に基づいて決定されうる。
本発明の第1の画像処理装置・方法・プログラムによれば、入力画像中の各画素に対するダイナミックレンジの調整量を表す調整画像データの生成の際に、ダイナミックレンジ調整条件に基づいて入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるのか、拡大される向きに画素値が調整されるのかを画素毎に判定し、その判定結果に基づいて、ダイナミックレンジが圧縮される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が高い画像を入力として調整画像データの生成を行うので、高周波成分のダイナミックレンジが維持され、画像のメリハリを保つことができる。一方、ダイナミックレンジが拡大される向きへの調整の場合には低周波成分の割合が低い画像に基づいて調整画像データの生成を行うので、低周波成分のダイナミックレンジだけが拡大されることはなく、細部(高周波成分)のメリハリも強調される。したがって、出力される画像は、画像全体および細部の両方のメリハリがより適切に再現されたものとなる。
また、ダイナミックレンジ調整条件に基づいてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されることがない場合には、低周波画像データの生成を行わないようにすれば、低周波画像を加算することによるエッジの劣化の影響を回避することができるだけでなく、処理負荷の高い低周波画像の生成を行わないことによる全体の処理の高速化・負荷の軽減も図られる。
同様に、本発明の第2の画像処理装置・方法・プログラムによれば、補償画像データの生成の際に、ダイナミックレンジ調整条件に基づいて入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるのか、拡大される向きに画素値が調整されるのかを画素毎に判定し、その判定結果に基づいて、ダイナミックレンジが圧縮される向きへの調整の場合により多くの高周波成分が含まれるように補償画像データの生成を行うので、細部のメリハリが強調され、出力される画像は、画像全体および細部の両方のメリハリがより適切に再現されたものとなる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態となる画像処理装置を含むデジタル写真プリントシステムのハードウェア構成を模式的に表したものである。図に示したように、このシステムは、フィルムスキャナ51、フラットヘッドスキャナ52、メディアドライブ53、ネットワークアダプタ54、ディスプレイ55、キーボード56、マウス57、ハードディスク58、写真プリント出力機59が演算・制御装置50に接続された構成となっている。
演算・制御装置50は、CD−ROM等の記憶媒体からインストールされたプログラムの実行により、この装置内のCPUや主記憶装置、各種入出力インターフェースと連携して、画像の入力、補正、加工・編集、出力のフローを制御したり、画像の補正や加工・編集の処理を行ったりするものである。本発明による画像のダイナミックレンジを調整する画像処理はこの装置で行われる。
フィルムスキャナ51は、現像機(図示なし)によって現像済みのAPSネガフィルムや135ネガフィルムを光電的に読み取ってデジタル化し、これらのネガフィルムに記録されている写真画像をデジタル画像データとして取得するものである。
フラットヘッドスキャナ52は、Lサイズ写真プリント等のハードコピーに表された写真画像を光電的に読み取ってデジタル化し、デジタル画像データを取得するものである。
メディアドライブ53は、メモリカードやCD、DVD等の記録媒体に記録された写真画像を表すデジタル画像データを取得するものである。また、これらの記録媒体に、画像処理後の画像データを書き込むことも可能である。なお、このメモリカードには、例えば、デジタルカメラによる撮影で得られた画像のデジタル画像データが書き込まれている。また、CDやDVD等には、例えば、デジタルカメラによる撮影で得られた画像や、前回のプリント注文時にフィルムスキャナによって読み取られた画像の画像データが書き込まれている。
ネットワークアダプタ54は、公知のネットワークフォトサービスシステムにおける注文受付機(図示なし)からデジタル画像データを取得するものである。この画像データは、ユーザからの写真プリントの注文に基づく画像データであり、ユーザのパソコンからインターネット経由で送信してきたものである。または、ラボ店の店頭に設置された写真注文受付機から送信されてきたものであってもよい。
ディスプレイ55は、このシステムにおける画像の入力、補正、加工・編集、出力のための操作画面を表示するものであり、操作内容を選択するためのメニューや処理対象の画像等が表示される。また、キーボード56やマウス57は、処理内容を指示するものである。
ハードディスク58には、このシステムを制御するプログラムや各種パラメータが記憶されている他、フィルムスキャナ51、フラットヘッドスキャナ52、メディアドライブ53、ネットワークアダプタ54において取得された画像データや、画像処理後の画像データも一時的に記憶される。
写真プリント出力機59は、出力対象の画像を表す画像データに基づいて、レーザーによる印画紙への走査露光、現像、乾燥を行うとともに、プリント情報等の裏印字、印画紙のプリント単位での切断や注文単位でのソート等を行うものである。なお、写真プリントの方式は、レーザー露光熱現像転写方式等であってもよい。
このシステムで行われる処理の流れは以下のようになる。
まず、操作者は、ディスプレイ55に表示された画像データの入力元を選択する画面にしたがい、キーボード56やマウス57の操作によって、入力元の選択を行う。選択された入力元に応じて、フィルムスキャナ51、フラットヘッドスキャナ52、メディアドライブ53のいずれかから、画像データが読み込まれる。また、ネットワークフォトサービスシステムや店頭での写真受付注文機による注文の場合には、演算・制御装置50が、ネットワークアダプタ54経由で画像データを受信する。このようにして取得された画像データは、ハードディスク58に一時的に記憶される。
次に、演算・制御装置50で実行される画像処理プログラムにより、予めこのシステムに設定されているセットアップ条件に基づいて、本発明の画像のダイナミックレンジの調整処理の他、公知のホワイトバランスの調整や濃度補正、コントラスト補正、シャープネス補正、ノイズ軽減・除去等の処理が行われるとともに、必要に応じて、本発明の画像のダイナミックレンジ調整を含む、操作者による手動設定に基づく画像処理や、トリミングやテンプレート合成等の画像の加工・編集処理が行われ、処理済みの画像データが出力される。出力された画像データは演算・制御装置50のメモリに格納される。なお、ハードディスク59に一時的に記憶するようにしてもよい。
最後に、ディスプレイ55に表示された出力先を選択する画面にしたがい、操作者は、マウス57やキーボード56の操作によって、所望の出力先を選択し、演算・制御装置50は、選択された出力先に対して画像データを送信する。写真プリント出力を行う場合には、画像データは写真プリント出力機59に送信され、画像データによる画像が写真プリントとして出力される。CD等の記録メディアに出力を行う場合には、メディアドライブ53にセットされたCD等に画像データの書込みが行われる。
図2は、本発明の第1の実施形態となる画像のダイナミックレンジの調整を行う画像処理、および、その周辺の画像処理等を実現する画像処理装置の構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、この画像処理装置は、画像データP0の入力を受け付ける画像入力部1、画像データP0による画像に対する濃度補正を行い、画像データP1を出力する濃度補正部2、画像データP1による画像に対するダイナミックレンジの調整を行い、画像データP2を出力するダイナミックレンジ調整部3から構成され、上記各処理部1から3の機能は、CD−ROM等の記憶媒体から演算・制御装置50にインストールされたプログラムの実行によって実現される。なお、本実施形態では、画像データP0は、R,G,Bの信号値を有する画像データであるものとする。
濃度補正部2は、まず、予め設定されたセットアップ条件に基づき、入力画像データP0に対する濃度ヒストグラム解析等の結果を利用して、図5に例示した濃度補正テーブルを生成する。図5に示したように、濃度補正テーブルは、入力濃度と同じ濃度で出力することを表す直線を、明るくなる向きまたは暗くなる向きに平行移動させたものである。濃度補正部2は、入力画像データP0の各画素の画素値を上記の濃度補正テーブルを用いて変換し、濃度補正後の画素値による画像データP1を出力する。
図3は、ダイナミックレンジ調整部3の詳細な構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、ダイナミックレンジ調整部3は、画像解析部11、付帯情報解析部12、調整量入力受付部13、ダイナミックレンジ調整条件決定部14、明暗画像データ生成部15、低周波画像データ生成部16、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17、加算部18から構成される。
画像解析部11は、画像データP1の濃度ヒストグラムQ1を作成する。図6の曲線H2はその一例である。
付帯情報解析部12は、画像データP1に付帯するExifタグ等の付帯情報を解析し、ストロボ発光の有無や撮影倍率、撮影モード等のダイナミックレンジの調整条件の決定に利用可能な撮影条件の情報R1を取得する。
調整量入力受付部13は、ユーザによるダイナミックレンジの調整量の入力を受け付けるユーザインターフェースである。図7は、そのユーザインターフェースとしてディスプレイ55に表示されるダイナミックレンジ調整量設定画面の一例を示したものである。図に示したように、この画面では、画像全体、シャドー部、中間濃度部、ハイライト部の各々について、ダイナミックレンジの圧縮・拡大率をスライドレバーによって調整できるようになっており、ユーザが、キーボード56やマウス57の操作によりこれらのスライドレバーを移動させると、調整量入力受付部13は、スライドレバーの位置に基づいて、ダイナミックレンジ手動調整量S1を取得する。
ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、予め設定されたセットアップ条件に基づき、濃度ヒストグラムQ1、撮影条件情報R1、ダイナミックレンジ手動調整量S1、および、濃度補正部2で生成された濃度補正テーブルT1を用いて、各々の情報に基づくダイナミックレンジの調整条件を個別に決定し、決定された各調整条件を統合して、ダイナミックレンジ調整条件を表す参照テーブルLUTを決定する。
図6は、濃度ヒストグラムQ1に基づいてダイナミックレンジの調整条件を決定する場合の一例である。この例では、ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、図6の曲線H2で表される濃度ヒストグラムから、画像データP1の画素値の最小値Dminは、写真プリント出力機59によるプリント再現域のハイライト側の端点DHLより小さく、画像データP1の画素値の最大値Dmaxは、写真プリント出力機59によるプリント再現域のシャドー側の端点DSDより大きい旨を認識し、画像データP1の画素値範囲DminからDmaxまでが、プリント再現域DHLからDSDまでに収まるようにダイナミックレンジの調整量を決定する。また、画像データP1の中間濃度域のコントラストが低いことを認識し、中間濃度域のコントラストを拡大するようにダイナミックレンジの調整量を決定する。図6の曲線H1は、ダイナミックレンジ調整後の濃度ヒストグラムを表したものである。また、図8(a)は、この場合のダイナミックレンジの調整量を階調曲線で表したものであり、図8(b)は、入力濃度毎のダイナミックレンジの調整量を表す参照テーブルとして表したものである。これらの図に示したように、この例では、ハイライト部およびシャドー部を圧縮することによって入力画像P1全体のダイナミックレンジを圧縮するとともに、中間濃度域のコントラストを拡大するようにダイナミックレンジの調整条件が決定されている。
また、撮影条件情報R1に基づいてダイナミックレンジ調整量を決定する例としては、ストロボ発光ありで撮影倍率が所定の閾値よりも大きい場合が挙げられる。この場合、ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、近距離でストロボ撮影を行ったと認識し、画像全体の濃度が明るくなる向きへの補正が行われるとともに、シャドー部が圧縮されるように、ダイナミックレンジ調整条件が設定される(特許文献3参照)。
また、図7に示したように、シャドー部のみを拡大するようにダイナミックレンジ手動調整量S1が設定された場合には、ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、その手動調整量S1に基づき、図10(a)(b)に示したように、シャドー部を拡大するように参照テーブルを決定する。
ダイナミックレンジ調整条件決定部14が濃度補正部2から図9(a)の直線L2のように、濃度を明るくする補正を行う旨の濃度補正テーブルT1を取得した場合、この濃度補正により入力画像データP1のハイライト部が消失してしまうことになるので、これを防止するために、ハイライト部を圧縮するようにダイナミックレンジ調整量を設定するとともに、この濃度補正によりシャドー部が浮いて締まりがなくなるのを防止するために、シャドー部を拡大するようにダイナミックレンジ調整量を設定する。図9(a)の曲線L3は、この場合のダイナミックレンジの調整量を階調曲線で表したものであり、図9(b)は、入力濃度毎のダイナミックレンジの調整量を表す参照テーブルとして表したものである。
そして、ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、上記の各情報Q1,R1,S1,T1のうちの複数の情報に基づいて、個別にダイナミックレンジ調整条件を決定した場合には、各調整条件を統合して、ダイナミックレンジ調整条件を表す参照テーブルLUTを決定する。なお、本実施形態における参照テーブルLUTは、図8から図10の(b)に示した入力濃度毎のダイナミックレンジの調整量を表したものである。
明暗画像データ生成部15は、RGB色空間の画像データP1を入力として、明暗画像データP1Yを生成する。具体的には、明暗画像データP1Yの画素値をYとすると、次式(1)または(2)によって求めることができる。
Y=(R+G+B)/3 (1)
Y=0.3R+0.59G+0.11B (2)
なお、R,G,Bは画像データP1のR,G,Bの信号値である。また、上式(2)はRGB色空間からYIQ表色系への変換を表したものである。
Y=(R+G+B)/3 (1)
Y=0.3R+0.59G+0.11B (2)
なお、R,G,Bは画像データP1のR,G,Bの信号値である。また、上式(2)はRGB色空間からYIQ表色系への変換を表したものである。
低周波画像データ生成部16は、明暗画像データP1Yを入力として、公知のローパスフィルタ(特許文献1,3等参照)の処理により、低周波成分が抽出された低周波画像データP1YLを生成する。
ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、入力画像データP1による画像中の各画素のうち、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、その画素と相対応する低周波画像P1YL中の画素の画素値P1YL[i](i=1,2,・・・,I)から、参照テーブルLUTに基づく画素値の調整量f(P1YL[i])を取得し、入力画像データP1による画像中の各画素のうち、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮されない向きに画素値が調整される画素については、その画素と相対応する明暗画像P1Y中の画素値P1Y[i]から、参照テーブルLUTに基づく画素値の調整量f(P1Y[i])を取得することによって、入力画像P1のダイナミックレンジを調整するための調整画像データU1を生成する。
本実施形態では、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、低周波画像データP1YLによる画像中の各画素において、次の条件(a)(b)のいずれかを満たす場合に、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定する。
(a)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の左側の圧縮領域、図9(b)の圧縮領域参照)。
(b)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の右側の圧縮領域参照)。
なお、低周波画像データP1YLによる画像中の各画素において、次の条件(c)(d)のいずれかを満たす場合に、入力画像P1のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整されると判定するようにしてもよい。
(c)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の左側の拡大領域参照)。
(d)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の右側の拡大領域、図9(b)図10(b)の拡大領域参照)。
ここで、上記の所定の基準値としては、低周波画像P1YLの画素値が0から255までの値をとりうる場合であればその中間の128とすることができる。あるいは、低周波画像P1YLの濃度ヒストグラムに基づいて、低周波画像P1YL中の画素値の最大値と最小値の中間値や平均値としてもよいし、人物の画像であれば入力画像P1中の肌色領域の画素値等に対応する低周波画像P1YL中の画素値とすることができる。
(a)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の左側の圧縮領域、図9(b)の圧縮領域参照)。
(b)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の右側の圧縮領域参照)。
なお、低周波画像データP1YLによる画像中の各画素において、次の条件(c)(d)のいずれかを満たす場合に、入力画像P1のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整されると判定するようにしてもよい。
(c)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の左側の拡大領域参照)。
(d)低周波画像の画素値P1YL[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTから得られる画素値P1YL[i]に対するダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の右側の拡大領域、図9(b)図10(b)の拡大領域参照)。
ここで、上記の所定の基準値としては、低周波画像P1YLの画素値が0から255までの値をとりうる場合であればその中間の128とすることができる。あるいは、低周波画像P1YLの濃度ヒストグラムに基づいて、低周波画像P1YL中の画素値の最大値と最小値の中間値や平均値としてもよいし、人物の画像であれば入力画像P1中の肌色領域の画素値等に対応する低周波画像P1YL中の画素値とすることができる。
加算部18は、入力画像データP1と調整画像データU1を入力として、相対応する画素毎に画素値を加算することによって、入力画像P1のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データP2を得る。
次に、図4のフローチャートを用いつつ、本発明の第1の実施形態となる画像処理装置による画像のダイナミックレンジ調整処理の流れについて説明する。
まず、画像入力部1によって画像データP1が読み込まれ(#1)、画像データP1による画像がディスプレイ55に表示されるとともに、調整量入力受付部13が図7に示したダイナミックレンジ調整画面をディスプレイ55に表示させ、ユーザによるダイナミックレンジ手動調整量S1の入力を受け付ける。それと同時に、画像解析部11は画像データP1に基づいて濃度ヒストグラムQ1を生成し、付帯情報解析部12は画像データP1から撮影条件情報R1を取得する。さらに、ダイナミックレンジ調整条件決定部14は、濃度ヒストグラムQ1、撮影条件情報R1、ダイナミックレンジ手動調整量S1、および、濃度補正部2で生成された濃度補正テーブルT1に基づいて、参照テーブルLUTを決定する(#2)。一方、明暗画像データ生成部15が画像データP1を入力として明暗画像データP1Yを生成し(#3)、低周波画像データ生成部16が明暗画像データP1Yを入力として低周波画像データP1YLを生成する(#4)。なお、上記ステップ#2から#4の処理の順序が異なっていてもよく、各処理を並列に行ってもよい。
次に、各画像データの各画素を識別する添え字iが1に設定された後(#5)、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、低周波画像データP1YLの最初の画素の画素値P1YL[1]を取得し(#6)、取得された画素値P1YL[1]に基づいて参照テーブルLUTを参照してダイナミックレンジの調整量f(P1YL[1])を取得し(#7)、取得された調整量f(P1YL[1])と画素値P1YL[1]に基づき、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるかどうかの判定を行う(#8)。
ここで、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定された場合には(#8;YES)、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、調整画像データU1の最初の画素の画素値U1[1]の値にf(P1YL[1])を設定する(#9)。
一方、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定されなかった場合には(#8;NO)、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、低周波画像データP1YLの最初の画素に対応する明暗画像データP1Yの最初の画素の画素値P1Y[1]を取得し(#10)、取得された画素値P1Y[1]に基づいて参照テーブルLUTを参照してダイナミックレンジの調整量f(P1Y[1])を取得し(#11)、調整画像データU1の最初の画素の画素値U1[1]に、明暗画像データP1Yの最初の画素のダイナミックレンジの調整量f(P1Y[1])を設定する(#12)。
加算部18は、入力画像P1の最初の画素の画素値P1[1]に調整画像データU1の最初の画素の画素値U1[1]を加算することによって、出力画像P2の最初の画素の画素値P2[1]を求める(#13)。
以下、添え字iが1ずつ加算され(#14)、iの値が入力画像データP1の総画素数Iを超えるまで(#15)、上記ステップ#6から#13の処理を繰り返し行うことによって、出力画像P2のすべての画素の画素値P2[i](i=1,2,・・・,I)が決定される。
図11は、本発明の第1の実施形態となる画像処理装置による画像のダイナミックレンジ調整処理の効果を模式的に表したものであり、画像中の所定のライン上の各画素の画素値をプロットしたものである。ここでは、図8(b)に示した参照テーブルLUTを用いて、ハイライト部、シャドー部の圧縮と、中間コントラストの拡大を行う場合を例としている。
図11(a)(b)(c)の一点鎖線は、入力画像P1の画素値の分布であり、DHLからDSDまでのプリント再現域を超えて画素値が分布しているとともに、中間濃度域でのコントラストは小さくなっている。
図11(b)の実線は、特許文献1から3に記載の従来技術、すなわち、低周波画像データP1YLのみからダイナミックレンジ調整画像データU1を求めた場合の出力画像P2の画素値の分布を表している。図に示したように、ハイライト部、シャドー部では、ダイナミックレンジの圧縮により、画素値の分布はプリント再現域の範囲内に収まるとともに、高周波成分に対してはダイナミックレンジの圧縮が行われていないので、ハイライト部、シャドー部の細部のメリハリは保たれている。しかしながら、中間濃度域においては、低周波成分のコントラストは増加しているものの、高周波成分に対してダイナミックレンジの拡大が行われていないため、細部のコントラストは入力画像P1から変化せず、出力画像P2のハイライト部、シャドー部と比較すると、中間濃度域の細部のコントラストはむしろ相対的に低下している。
これに対して、図11(c)の実線は、本発明によるダイナミックレンジ調整処理によって得られた出力画像P2の画素値の分布を表している。本発明によるダイナミックレンジ調整処理では、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17が、図8(b)の参照テーブルLUTおよび低周波画像データP1YLに基づいて、画素毎にダイナミックレンジが圧縮される向きに調整されるかどうかを判定するので、図に示したように、ハイライト部、シャドー部では、低周波画像データP1YLを用いてダイナミックレンジ調整画像データU1が生成される。したがって、図11(b)と同様に、ハイライト部とシャドー部が圧縮されて、画素値の分布がプリント再現域の範囲内に収まりつつ、細部のメリハリは保たれている。一方、中間濃度域では、高周波成分を含む明暗画像データP1Yを用いてダイナミックレンジ調整画像データU1が生成されるので、低周波成分のコントラストが増加するとともに、高周波成分のコントラストも増加し、中間濃度域、ハイライト部、シャドー部のすべての濃度域において細部のメリハリのバランスが取れた、より好ましい出力画像P2が得られる。
上記の実施形態では、図4に示したように、低周波画像データ生成部16が、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17の処理(ステップ#6から#12)の前に、低周波画像データP1YLを無条件に生成するようにしているが(ステップ#4)、この低周波画像データP1YLを必要に応じて生成するようにしてもよい。図12は、この場合のフローチャートの変更部分を表したものである。図に示したように、ステップ#3において決定された参照テーブルLUTを解析して、ダイナミックレンジを圧縮する濃度域が存在するかどうかを判定し、存在する場合には、低周波画像データ生成部16に低周波画像データP1YLの生成を行わせ(#4)、ダイナミックレンジを圧縮する濃度域が存在しない場合には、低周波画像データP1YLの生成を行わせないように(#5)制御している。
このようにすることにより、低周波画像を加算することによるエッジの劣化の影響を回避することができるだけでなく、処理負荷の高い低周波画像の生成を行わないことによる全体の処理の高速化・負荷の軽減も図られる。
また、上記実施形態では、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17によるダイナミックレンジの圧縮/拡大の判定を低周波画像P1YLに基づいて行っているが、明暗画像P1Yを用いて行うようにしてもよい。図13は、この場合のダイナミックレンジ調整処理の流れを表すフローチャートである。図に示したように、ステップ#21から#25までは上記実施形態(図4)と同様に処理を行った後、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、明暗画像データP1Yの最初の画素の画素値P1Y[1]を取得し(#26)、取得された画素値P1Y[1]に基づいて参照テーブルLUTを参照してダイナミックレンジの調整量f(P1Y[1])を取得し(#27)、取得された調整量f(P1Y[1])と画素値P1Y[1]に基づき、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるかどうかの判定を行う(#28)。
ここで、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定された場合には(#28;YES)、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、さらに、明暗画像データP1Yの最初の画素に対応する低周波画像データP1YLの最初の画素の画素値P1YL[1]を取得し(#29)、取得された画素値P1YL[1]に基づいて参照テーブルLUTを参照してダイナミックレンジの調整量f(P1YL[1])を取得し(#30)、調整画像データU1の最初の画素の画素値U1[1]の値にf(P1YL[1])を設定する(#31)。
一方、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定されなかった場合には(#28;NO)、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、調整画像データU1の最初の画素の画素値U1[1]に、明暗画像データP1Yの最初の画素のダイナミックレンジの調整量f(P1Y[1])を設定する(#32)。
以下、上記実施形態(ステップ#13から#15)と同様にして出力画像P2のすべての画素の画素値P2[i](i=1,2,・・・,I)が決定される。
さらにこの場合、図14に示したように、図13のフローチャートのステップ#24の低周波画像データP1YLの生成処理をステップ#28以降に移動し、ステップ#28において、明暗画像データP1Yに基づくダイナミックレンジ調整量f(P1Y[i])が圧縮の向きへの調整であると判定された場合に、低周波画像データP1YLが既に生成済みであるかどうかを判定し、未生成の場合に低周波画像データP1YLを生成し、低周波画像データP1YLの画素値P1YL[i]を取得するようにしてもよい(#29)。なお、生成済みの場合には、その生成済みの低周波画像データP1YLを用いて画素値P1YL[i]を取得すればよい(#29)。
また、上記の実施形態における参照テーブルLUTをダイナミックレンジ拡大用と圧縮用の2つのテーブルに分割してダイナミックレンジ調整処理を行うことも考えられる。図15のLUT1とLUT2は、各々、図8(b)のLUTをダイナミックレンジ拡大用と圧縮用に分割したものである。図に示したように、ダイナミックレンジ拡大用LUT1では、ダイナミックレンジが拡大される濃度域以外では調整量が0となっており、ダイナミックレンジ圧縮用LUT2では、ダイナミックレンジが圧縮される濃度域以外では調整量が0となっている。この場合、図16に示したように、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17および加算部18は、図4のステップ#6から#13の代わりに、ステップ#46から#50の処理を行う。すなわち、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17は、明暗画像データP1Yの画素値P1Y[i]を取得し(#46)、参照テーブルLUT1に基づいてダイナミックレンジ調整量f1(P1Y[i])を取得して、これをダイナミックレンジ拡大用画像データU1Yの画素値U1Y[i]とするとともに(#47)、低周波画像データP1YLの画素値P1YL[i]を取得した後(#48)、参照テーブルLUT2に基づいてダイナミックレンジ調整量f(P1YL[i])を取得して、これをダイナミックレンジ圧縮用画像データU1YLの画素値U1YL[i]とする(#49)。そして、加算部18は、入力画像データP1の画素値P1[i]にダイナミックレンジ拡大用画像データU1Yの画素値U1Y[i]およびダイナミックレンジ圧縮用画像データU1YLの画素値U1YL[i]を加算することによって、出力画像データP2の画素値P2[i]を求める(#50)。このように、参照テーブルLUTをダイナミックレンジ拡大用と圧縮用の2つのテーブルに分割しても、ダイナミックレンジの拡大・圧縮によって、ダイナミックレンジ調整用画像データの生成に用いる画像データ(明暗画像データP1Yおよび低周波画像データP1YLを切り替えることが可能になる。
本発明の第2の実施形態となる画像処理装置は、第1の実施形態とは異なるダイナミックレンジの調整手法に対して、本発明を適用した例である。図17は、本発明の第2の実施形態となるダイナミックレンジ調整部3の詳細な構成を模式的に表したブロック図である。図に示したように、本実施形態におけるダイナミックレンジ調整部3は、画像解析部11、付帯情報解析部12、調整量入力受付部13、ダイナミックレンジ調整条件決定部14´、ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17´、明暗画像データ生成部15、高周波画像データ生成部19、補償画像データ生成部20、加算部18から構成される。
画像解析部11、付帯情報解析部12、調整量入力受付部13、明暗画像データ生成部15については、第1の実施形態と同様の処理を行う。
ダイナミックレンジ調整条件決定部14´は、図8から図10の(a)に示した入力濃度と出力濃度を対応づけた階調曲線を表す参照テーブルLUTaと、図8から図10の(b)に示した入力濃度毎のダイナミックレンジの調整量を表す参照テーブルLUTbの両方を決定する。具体的な決定方法については第1の実施形態と同様である。
ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17´は、入力画像P1の画素値P1[i]から、参照テーブルLUTaに基づいて、ダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データV1の画素値fa(P1[i])を取得することによって、仮調整画像データV1を生成する。
高周波画像データ生成部19は、明暗画像データP1Yを入力として、公知のハイパスフィルタの処理により、高周波成分が抽出された高周波画像データP1YHを生成する。
補償画像データ生成部20は、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対してのみ高周波成分が補償されるように補償画像データW1を生成する。
具体的には、補償画像データ生成部20は、まず、明暗画像の画素値P1Y[i]に基づいて参照テーブルLUTbを参照し、次の条件(a)´(b)´のいずれかを満たす場合に、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定する。
(a)´ 明暗画像の画素値P1Y[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTbから得られる画素値P1 Y[i]に対するダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の左側の圧縮領域、図9(b)の圧縮領域参照)。
(b)´ 明暗画像の画素値P1 Y[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTbから得られる画素値P1 Y[i]に対するダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の右側の圧縮領域参照)。
なお、補償画像データ生成部20は、明暗画像P1Yのダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整されるかどうかを判定するようにしてもよい。
(a)´ 明暗画像の画素値P1Y[i]が所定の基準値よりも小さく(明るく)、参照テーブルLUTbから得られる画素値P1 Y[i]に対するダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])が正の値(画素値を暗くする値)である(図8(b)の左側の圧縮領域、図9(b)の圧縮領域参照)。
(b)´ 明暗画像の画素値P1 Y[i]が所定の基準値よりも大きく(暗く)、参照テーブルLUTbから得られる画素値P1 Y[i]に対するダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])が負の値(画素値を明るくする値)である(図8(b)の右側の圧縮領域参照)。
なお、補償画像データ生成部20は、明暗画像P1Yのダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整されるかどうかを判定するようにしてもよい。
次に、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定された画素P1[i]については、ダイナミックレンジの圧縮の程度が大きいほど補償量が大きくなるように、高周波成分の補償量W1[i]を算出する。例えば、次式(3)に基づいて算出することができる。
W1[i]=k×fb(P1 Y[i])×P1YH[i] (3)
すなわち、入力画像P1に対する高周波画像P1YHの画素値P1YH[i]に対して、対応する明暗画像の画素値P1Y[i]におけるダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])の定数(k)倍を乗じたものを補償量W1[i]としている。
W1[i]=k×fb(P1 Y[i])×P1YH[i] (3)
すなわち、入力画像P1に対する高周波画像P1YHの画素値P1YH[i]に対して、対応する明暗画像の画素値P1Y[i]におけるダイナミックレンジ調整量fb(P1 Y[i])の定数(k)倍を乗じたものを補償量W1[i]としている。
なお、入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されないと判定された画素P1[i]については、補償量W1[i]=0とする。
加算部18は、ダイナミックレンジ仮調整画像データV1と補償画像データW1を入力として、相対応する画素毎に画素値を加算することによって、入力画像P1のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データP2を得る。
図16は、本発明の第2の実施形態となる画像処理装置による画像のダイナミックレンジ調整処理の流れを表すフローチャートである。
まず、画像入力部1によって画像データP1が読み込まれ(#61)、画像データP1による画像がディスプレイ55に表示されるとともに、調整量入力受付部13が図7に示したダイナミックレンジ調整画面をディスプレイ55に表示させ、ユーザによるダイナミックレンジ手動調整量S1の入力を受け付ける。それと同時に、画像解析部11は画像データP1に基づいて濃度ヒストグラムQ1を生成し、付帯情報解析部12は画像データP1から撮影条件情報R1を取得する。さらに、ダイナミックレンジ調整条件決定部14´は、濃度ヒストグラムQ1、撮影条件情報R1、ダイナミックレンジ手動調整量S1、および、濃度補正部2で生成された濃度補正テーブルT1に基づいて、参照テーブルLUTaおよびLUTbを決定する(#62)。ダイナミックレンジ調整画像データ生成部17´は、入力画像データP1を入力とし、決定された参照テーブルLUTaに基づいて、ダイナミックレンジ仮調整画像データV1を生成する(#63)。一方、明暗画像データ生成部15が画像データP1を入力として明暗画像データP1Yを生成し(#64)、高周波画像データ生成部19が明暗画像データP1Yを入力として高周波画像データP1YHを生成する(#65)。
次に、各画像データの各画素を識別する添え字iが1に設定された後(#66)、補償画像データ生成部20は、明暗画像データP1Yの最初の画素の画素値P1 Y[1]を取得し(#67)、取得された画素値P1 Y[1]に基づいて参照テーブルLUTbを参照してダイナミックレンジの調整量fb(P1 Y[1])を取得する(#68)。補償画像データ生成部20は、取得された調整量fb(P1 Y[1])と画素値P1 Y[1]に基づき、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるかどうかの判定を行う(#69)。
ここで、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定された場合には(#69;YES)、補償画像データ生成部20は、明暗画像データP1Yの最初の画素に対応する高周波画像データの画素の画素値P1YH[1]を読み込み(#70)、上式(3)に基づいて補償画像データW1の最初の画素の画素値W1[1]を計算する(#71)。
一方、その画素においてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されると判定されなかった場合には(#69;NO)、補償画像データ生成部20は、補償画像データW1の最初の画素の画素値W1[1]を0に設定する(#72)。
加算部18は、仮調整画像V1の最初の画素の画素値V1[1]に補償画像データW1の最初の画素の画素値W1[1]を加算することによって、出力画像P2の最初の画素の画素値P2[1]を求める(#73)。
以下、添え字iが1ずつ加算され(#74)、iの値が入力画像データP1の総画素数Iを超えるまで(#75)、上記ステップ#67から#73の処理を繰り返し行うことによって、出力画像P2のすべての画素の画素値P2[i](i=1,2,・・・,I)が決定される。
以上のように、本発明の第2の実施形態となるダイナミックレンジ調整処理を行う画像処理装置によれば、補償画像データ生成部20が、ダイナミックレンジ調整条件LUTに基づいて入力画像P1のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されるのか、拡大される向きに画素値が調整されるのかを画素毎に判定し、その判定結果に基づいて、ダイナミックレンジが圧縮される向きへの調整の場合にのみ高周波成分を補償する補償画像データW1を生成するので、細部のメリハリが強調され、出力される画像P2は、画像全体および細部の両方のメリハリがより適切に再現されたものとなる。
なお、上記第2の実施形態においても、図12と同様に、ステップ#65の高周波画像データP1YHの生成の前に参照テーブルLUTaまたはLUTbを解析し、ダイナミックレンジを圧縮する濃度域が存在する場合にのみ、高周波画像データP1YHの生成を行ってもよい。また、図14と同様に、ステップ#69で明暗画像データP1Yに基づくダイナミックレンジ調整量fb(P1Y[i])が圧縮の向きへの調整であると判定された場合に、高周波画像データP1YHが既に生成済みであるかどうかを判定し、未生成の場合に高周波画像データP1YHを生成し、高周波画像データP1YHの画素値P1YH[i]を取得するようにし、生成済みの場合には、その生成済みの高周波画像データP1YHを用いて画素値P1YH[i]を取得するようにしてもよい。
上記の説明の他、各実施形態におけるシステム構成、処理フロー、テーブル構成、ユーザインターフェース等に対して、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な改変を行ったものも、本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の各実施形態はあくまでも例示であり、上記のすべての説明が本発明の技術的範囲を限定的に解釈するために利用されるべきものではない。
1 画像入力部
2 濃度補正部
3 ダイナミックレンジ調整部
11 画像解析部
12 付帯情報解析部
13 調整量入力受付部
14、14´ ダイナミックレンジ調整条件決定部
15 明暗画像データ生成部
16 低周波画像データ生成部
17、17´ ダイナミックレンジ調整画像データ生成部
18 加算部
19 高周波画像データ生成部
20 補償画像データ生成部
50 演算・制御装置50
51 フィルムスキャナ
52 フラットヘッドスキャナ
53 ディアドライブ
54 ネットワークアダプタ
55 ディスプレイ
56 キーボード
57 マウス
58 ハードディスク
59 写真プリント出力機
2 濃度補正部
3 ダイナミックレンジ調整部
11 画像解析部
12 付帯情報解析部
13 調整量入力受付部
14、14´ ダイナミックレンジ調整条件決定部
15 明暗画像データ生成部
16 低周波画像データ生成部
17、17´ ダイナミックレンジ調整画像データ生成部
18 加算部
19 高周波画像データ生成部
20 補償画像データ生成部
50 演算・制御装置50
51 フィルムスキャナ
52 フラットヘッドスキャナ
53 ディアドライブ
54 ネットワークアダプタ
55 ディスプレイ
56 キーボード
57 マウス
58 ハードディスク
59 写真プリント出力機
Claims (13)
- 入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成する成分画像データ生成手段と、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するための画素値の調整量を画素値毎に決定しうるダイナミックレンジ調整条件を取得する調整条件取得手段と、
前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより高い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより低い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得することによって、前記入力画像のダイナミックレンジを調整するための調整画像データを生成する調整画像データ生成手段と、
前記入力画像と前記調整画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る加算手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記調整画像データ生成手段が、前記入力画像および前記成分画像の明暗を表す画素値を用いて、前記調整画像データを生成するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記成分画像データ生成手段が、前記入力画像中の低周波成分を表す成分画像の画像データを生成するものであることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
- 前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されることがない場合には、前記成分画像データ生成手段による前記成分画像データの生成を行わないように制御する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。
- 入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成する成分画像データ生成手段と、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するためのダイナミックレンジ調整条件を取得する調整条件取得手段と、
前記入力画像中の各画素について、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて、前記入力画像のダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データを生成する仮調整画像データ生成手段と、
前記成分画像データを用いて、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対しては、該向きに画素値が調整されない画素よりも多くの、該画素における高周波成分を補償する補償画像データを生成する補償画像データ生成手段と、
前記仮調整画像と前記補償画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る加算手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記補償画像データ生成手段が、前記入力画像および前記成分画像の明暗を表す画素値を用いて、前記補償画像データを生成するものであることを特徴とする請求項5記載の画像処理装置。
- 前記成分画像データ生成手段が、前記入力画像中の高周波成分を表す成分画像の画像データを生成するものであることを特徴とする請求項5または6記載の画像処理装置。
- 前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいてダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整されることがない場合には、前記成分画像データ生成手段による前記成分画像データの生成を行わないように制御する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7記載の画像処理装置。
- 前記調整条件取得手段が、前記入力画像の解析結果、前記入力画像に対する付帯情報、前記画像処理装置のユーザによって入力された情報、前記入力画像の色・濃度・コントラストのいずれかを補正するための画素値の調整量のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ダイナミックレンジ調整条件を決定するものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するための画素値の調整量を画素値毎に決定しうるダイナミックレンジ調整条件を取得し、
前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより高い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより低い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得することによって、前記入力画像のダイナミックレンジを調整するための調整画像データを生成し、
前記入力画像と前記調整画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得ることを特徴とする画像処理方法。 - 入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するためのダイナミックレンジ調整条件を取得し、
前記入力画像中の各画素について、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて、前記入力画像のダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データを生成し、
前記成分画像データを用いて、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対しては、該向きに画素値が調整されない画素よりも多くの、該画素における高周波成分を補償する補償画像データを生成し、
前記仮調整画像と前記補償画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得ることを特徴とする画像処理方法。 - コンピュータに、
入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するための画素値の調整量を画素値毎に決定しうるダイナミックレンジ調整条件を取得し、
前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより高い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得し、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが拡大される向きに画素値が調整される画素については、該画素と相対応する、前記入力画像と前記成分画像のうちの低周波成分の割合がより低い方の画像中の画素の画素値から、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づく画素値の調整量を取得することによって、前記入力画像のダイナミックレンジを調整するための調整画像データを生成し、
前記入力画像と前記調整画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る処理を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。 - コンピュータに、
入力画像データによって表される入力画像中の特定の空間周波数成分を表す1以上の成分画像の画像データを生成し、
該入力画像のダイナミックレンジを調整するためのダイナミックレンジ調整条件を取得し、
前記入力画像中の各画素について、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて、前記入力画像のダイナミックレンジが仮調整された仮調整画像データを生成し、
前記成分画像データを用いて、前記入力画像中の各画素のうち、前記ダイナミックレンジ調整条件に基づいて前記入力画像のダイナミックレンジが圧縮される向きに画素値が調整される画素に対しては、該向きに画素値が調整されない画素よりも多くの、該画素における高周波成分を補償する補償画像データを生成し、
前記仮調整画像と前記補償画像の相対応する画素毎に画素値を加算することによって、前記入力画像のダイナミックレンジが調整された出力画像の画像データを得る処理を実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007162280A JP2009004951A (ja) | 2007-06-20 | 2007-06-20 | 画像処理装置、方法、およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007162280A JP2009004951A (ja) | 2007-06-20 | 2007-06-20 | 画像処理装置、方法、およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009004951A true JP2009004951A (ja) | 2009-01-08 |
Family
ID=40320880
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007162280A Withdrawn JP2009004951A (ja) | 2007-06-20 | 2007-06-20 | 画像処理装置、方法、およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009004951A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011066736A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Canon Inc | 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム |
JP2013074586A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Kyocera Document Solutions Inc | 画像形成装置 |
JP2015035973A (ja) * | 2013-08-13 | 2015-02-23 | 株式会社Ihi | 糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法 |
CN115996668A (zh) * | 2022-11-23 | 2023-04-21 | 北京肿瘤医院(北京大学肿瘤医院) | 一种基于四维体表呼吸信号的非接触式四维成像方法和系统 |
-
2007
- 2007-06-20 JP JP2007162280A patent/JP2009004951A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013074586A (ja) * | 2011-09-29 | 2013-04-22 | Kyocera Document Solutions Inc | 画像形成装置 |
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