JP6196830B2 - 変位計測装置及び変位計測方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光干渉を利用した変位計測装置及び変位計測方法に関する。
例えば特許文献1には、光干渉を利用した変位計測装置が開示されている。この変位計測装置は、光源側から順に、レーザ光源、コリメータレンズ、第1の回折格子、第2の回折格子及び光センサを備えている。光センサは、第1の回折格子で回折された回折光(例えば1次)と、第1の回折格子を直進した0次光が第2の回折光で回折されて発生する回折光(例えば1次)との干渉光を検出する。この変位計測装置は、光センサで検出される干渉光の明暗による光量の変化に基づき、第1及び第2の回折格子の距離の変化、つまり計測対象となる変位を計測する(例えば、特許文献1の明細書段落[0020]、[0023]、[0027]、図1〜3等参照)。
特許文献2に記載の光学式エンコーダーは、第1のスリット板と、これに対向する第2のスリット板と、この第2のスリット板と連動する検知器とを備える。第2のスリット板のスリットのピッチは、第1のスリット板のスリットのピッチより小さい。第1のスリット板に対する第2のスリット板の移動により、検知器が、第1及び第2のスリット板のそれぞれ両方のスリットを介して透過する光を検知し、この検知に応じたパルス信号を発生する(例えば、特許文献2の明細書段落[0011]及び図3参照)。
国際公開第2011/043354号パンフレット 特開平7−318372号公報
特許文献1に記載の変位計測装置は、上述したように、2つの回折格子の光軸に沿う方向における、これら回折格子の相対変位を計測する。このような変位計測装置の場合、回折格子間の距離が大きくなるほど、干渉光を構成する2つの光のそれぞれの光路差が大きくなる。光路差が大きくなると、光源が持つコヒーレンス性によって、干渉光の振幅が低下、つまり振幅が減衰する。すなわち、回折格子間の距離が大きくなるほど、検出レンジが狭くなるという問題がある。
本発明の目的は、検出レンジが狭くなることを抑えることができる変位計測装置及び変位計測方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る変位計測装置は、光源と、第1の回折格子と、第2の回折格子と、光センサと、演算処理手段とを具備する。
前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子は、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、相対移動可能であり、回折光をそれぞれ発生する。
前記光センサは、前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する。
前記演算処理手段は、前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の相対的な変位を算出する。
本発明に係る変位計測方法は、光源からの光線の進路に沿って配置された相対移動可能な第1の回折格子及び第2の回折格子に、前記光源からの光が入射することにより、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子から回折光をそれぞれ発生させることを含む。
前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光が、光センサにより検出される。
前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の相対的な変位が算出される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る変位計測装置の基本的な光学系の構成を模式的に示す図である。 図2は、回折格子対のx方向における相対的な変位量と、PDで得られる電圧信号との関係を示すグラフである。 図3は、演算回路の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、先行文献1に示す光学系において、回折格子間の距離が大きくなるほど干渉光の振幅が低下する例を示す。 図5A及びBは、回折格子間の距離を意図的に変えた場合に、PDで得られる信号の強度分布をそれぞれ示す。 図6A及びBは、第1の実施形態に係る変位計測装置に、回折格子対の光軸からずれた位置に別のPDを加え、そのPDで別の干渉光を検出した場合に、それら2つのPDで得られる信号の強度分布をそれぞれ示す。 図7A〜Dは、回折格子対の光軸上の干渉光を構成する光の光路差に応じて、PDで得られる信号のシミュレーションをそれぞれ示す。 図8は、第2の実施形態に係る演算回路の機能的構成を示すブロック図である。 図9は、回折格子対のx方向における相対的な変位量と、PDで得られる電圧信号との関係を示す。 図10は、本発明の第3の実施形態に係る変位計測装置の構成を示す模式的な斜視図である。 図11は、第3の実施形態に係る第2の回折格子の構成を示す。 図12は、第3の実施形態に係る演算回路の機能的構成を示すブロック図である。 図13は、PDのy1受光領域A及びy2受光領域で得られる信号を示す。 図14は、本発明の第4の実施形態に係る変位計測装置の回折格子対のうち、z方向で見た第2の回折格子を示す。 図15は、この変位計測装置においてz方向で見たPDの受光領域を示す。 図16は、4つの受光領域からそれぞれ得られる波形信号を示す。 図17は、この変位計測装置の演算回路の機能的構成を示すブロック図である。 図18は、本発明の第5の実施形態に係る変位計測装置の演算回路の機能的構成を示すブロック図である。 図19A〜Dは、干渉光に含まれる0次光の、それぞれ異なる強度ごとの、PDの各受光領域で得られる3つの波形信号のシミュレーションを示す。 図20は、例えば図1に示した光学系を保持する保持機構含む変位計測装置の一実施形態を示す。
上記した発明に係る変位計測装置は、回折格子対の光軸に沿う方向の変位を計測するのではなく、それとは直交する方向に回折格子対を相対的に変位させるので、原理的に干渉光の振幅の低下という問題は起こらない。したがって、検出レンジが狭くなる等の問題も解消できる。
また、干渉光を構成するそれら2つの回折光には光路差が生じないので、たとえ回折格子間の距離が変動したとしても、その干渉光の振幅に影響を及ぼさず、干渉光の適切な振幅を得ることができる。
前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子は、複数の格子線をそれぞれ有し、前記演算処理手段は、前記複数の格子線の配列方向に沿う前記変位を算出してもよい。光センサで得られる干渉光の光量は、複数の格子線の配列方向における相対的な第1及び第2の回折格子の変位に応じて変化する。したがって、演算処理手段は、その配列方向における変位を算出することができる。
前記光センサは、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子を前記光軸に沿って直進する0次光を受けることにより、前記第2の回折格子により発生する前記±n次回折光と、前記0次光との干渉光を検出してもよい。前記±n次回折光と、前記0次光との光路差が、
(2m+1)λ/4(mは0以上の整数)
を満たすように、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子間の距離が設定されていてもよい。これにより、光センサは、できるだけ光強度の低い干渉光を受けるので、0次光によるノイズを抑制することができる。
前記演算処理手段は、前記光センサで得られた、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の検出値を出力する検出値出力部を有してもよい。前記検出値出力部は、前記演算処理手段が前記格子線ピッチより小さい間隔で変位を出力するように設定された所定の検出レベルを有してもよい。これにより、演算処理手段が格子線ピッチより小さい間隔で変位を出力することができる。
前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子のうちいずれか一方は、分割されて構成される複数のシフト領域を有してもよい。前記複数のシフト領域は、前記複数の格子線の配列方向に、格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトされた格子線パターンをそれぞれ有してもよい。前記光センサは、前記複数のシフト領域から出射されたそれぞれの光を受ける複数の受光領域を有してもよい。これにより、受光領域でそれぞれ得られる信号の位相をシフトさせることができる。
前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる信号を、所定のタイミングで選択的に切り替え、選択した1つの信号を演算処理に用いてもよい。受光領域で得られる信号の波形形状によっては、変位量の変化に対する検出感度が低くなる信号領域がある。処理対象の信号を、所定のタイミングで選択的に切り替えることにより、低い検出感度の信号領域を処理対象とする必要がなくなり、計測精度が向上する。
前記演算処理手段は、検出値出力部と、切替部とを有してもよい。前記検出値出力部は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の検出値を出力してもよい。前記切替部は、前記波形信号のうち処理対象とされた第1の波形信号の振幅ピーク値より小さい所定の検出値を検出するタイミングで、処理対象を第2の波形信号に切り替えてもよい。
前記演算処理手段は、前記第1の波形信号と前記第2の波形信号との交点での検出値、または、前記交点での検出値と同じレベルの検出値を、前記所定の検出値として処理してもよい。
前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出してもよい。変位に応じて各波形信号から得られる交点は増えるので、演算処理手段は、交点をカウントすることにより変位を計測することができる。
あるいは、前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号と、それら波形信号の平均値との交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出してもよい。これにより、光センサが光軸上で進行する0次光を含む干渉光を検出する場合であっても、その0次光によるノイズを抑制することができる。
前記変位計測装置は、前記光源及び前記第1の回折格子を保持する第1のホルダと、前記第2の回折格子及び前記光センサユニットを保持する第2のホルダと、前記第1のホルダ及び前記第2のホルダを、前記光軸に直交する方向に沿って相対移動可能に接続する接続部とをさらに具備してもよい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態
(1)変位計測装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る変位計測装置の基本的な光学系の構成を模式的に示す図である。
変位計測装置100は、光源12、コリメータレンズ14、回折格子対20、光センサであるPD(Photo Detector)31、演算回路40を備える。
光源12は、LD(Laser Diode)、あるいはLED(Light Emitting Diode)であり、図示しないドライバにより駆動される。
コリメータレンズ14は、光源12から出射された光を平行光15にする。少なくともこれら光源12及びコリメータレンズ14により、平行光を発生する光学系が構成される。
回折格子対20には、光源12及びコリメータレンズ14からの光が入射され、回折光を出射する。回折格子対20は、例えば透過型の、第1の回折格子21及び第2の回折格子22によって構成される。第1の回折格子21及び第2の回折格子22は、光源12及びコリメータレンズ14からの光線の進路に沿って、ここでは光源12及びコリメータレンズ14の光軸に沿って対向して配置されており、後述するように所定方向に相対的に移動可能となっている。
第1の回折格子21は、入射した平行光15を、回折格子対20の光軸上で直進する0次光30aと、+n次回折光(nは1以上の自然数であり、以下同様である。)23aと、−n次回折光25aとに分けて進行させる。
第2の回折格子22は、第1の回折格子21から出射して第2の回折格子22に入射した0次光30aを、さらに光軸上で直進する0次光30bとして出射する。また、第2の回折格子22は、これに入射した+n次回折光23aの−n次回折光23bを発生し、また、これに入射した−n次回折光25aの+n次回折光25bを発生する。
なお説明の便宜上、図1中、一光線から発生する回折光であってその一光線より右側に折れる回折光の次数を正とする。また、その一光線より左側に折れる回折光の次数を負とする。
−n次回折光23b及び+n次回折光25bは互いに干渉し合い、これにより干渉光27が発生する。PD31は、この干渉光27を主に検出する位置に配置されている。具体的には、−n次回折光23b及び+n次回折光25bは、回折格子対20の光軸に沿う方向(図1ではz方向)に進行し、干渉光27はその光軸を含む位置で発生する。したがって、その干渉光27を検出するPD31は、回折格子20の光軸上に配置される。
なお、後述するように光軸上の光には0次光30も含まれており、この0次光30も含む干渉光を、説明の便宜上、干渉光28とする。
本実施形態では、典型的には、±n次回折光として±1次回折光が利用されるが、回折格子対20の光軸上で互いに干渉する光であれば、±2次以降の回折光が利用されてもよい。また、実際には、図1に示す以外にも多数の回折光が存在するが、説明を容易にするため、図示を省略している。
+n次回折光23a及び−n次回折光23bの両方の回折光を、以降では、必要に応じて第1の回折光23という。また、−n次回折光25a及び+n次回折光25bの両方の回折光を、以降では、必要に応じて第2の回折光25という。また、0次光30a及び30bの両方の0次光を、以降では0次光30という。
第1の回折格子21及び第2の回折格子22は、実質的に同じ形状及び同じサイズを有する。例えば、回折格子21(及び22)は、図1において、z方向に直交するy方向に沿った溝である複数の格子線21a(及び22a)を有する。第1の回折格子21の格子線21aのピッチPと、第2の回折格子21の格子線22aのピッチPとは実質的に同じに形成されている。格子線21a及び22aの例として、ピッチPが3.3μmであり、溝深さが473μmである。もちろん、これらの値に限られない。
本実施形態に係る変位計測装置100は、格子線21a及び22aの配列方向であるx方向における、回折格子対20の相対的な変位Δxを計測対象としている。計測可能範囲は、例えばサブマイクロメートル〜マイクロメートルオーダの変位である。
本明細書では、z方向に直交する2軸をx、y軸と定めている。上述したように、各回折格子の格子線21a及び22aに沿う方向をy方向とし、格子線21a及び22aの配列方向をx方向としている。
後述するように、少なくとも、第2の回折格子22とPD31とは一体的に保持され、第1の回折格子21に対して、x方向に一体的に移動可能とされている。
演算処理手段として主に機能する演算回路40は、PD31で得られる信号に基づいて、所定の演算処理を行うことで、変位Δxを算出する。演算回路40は、例えばMPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のハードウェアを主に備える。演算回路40は、MPUに加え、またはMPUに代えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)を備えていてもよいし、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備えていてもよい。また、演算回路40は、物理的に分離した複数のチップパッケージや素子等で構成されていてもよい。
(2)変位計測装置による変位の計測原理
図2は、回折格子対20のx方向における相対的な変位量(μm)と、PD31で得られる電圧信号との関係を示すグラフである。この例では、回折格子対20の格子線21a及び22aのピッチは、例えば3.3μm、光源12の光の中心波長は、850nmとされた。
このグラフからわかるように、PD31は、格子線21a及び22aのピッチPごとに周期性を持つ波形信号を出力する。すなわち、PD31は、ピッチPごとに、それら格子線の明暗のセットを1周期とする光量を得る。周期性を持つ波形信号とは、典型的には、sin波形の信号である。
図3は、演算回路40の機能的構成を示すブロック図である。演算回路40は、A/D変換器41、データ参照部42及びデータ記憶部43を主に有する。
A/D変換器41は、PD31から出力されたアナログ信号をデジタル値に変換して出力する検出値出力部として機能する。また、A/D変換器41は、例えば波形信号の周波数をカウントする等して、入力された信号の波の数をカウントし、このカウント値を出力する。
データ記憶部43は、回折格子対20の相対移動によってPD31で検出される波形信号の波数値(カウント値に対応)と、回折格子対20の相対的な変位量とを対応付けるルックアップ用のテーブルデータを記憶する。テーブルデータは、この変位計測装置100の製造時にメモリに記憶される。
データ参照部42は、A/D変換器41でカウントされた波数のカウント値に対応する変位量を、データ記憶部43から抽出し、これを出力する。すなわち、演算回路40は、各回折格子の格子線21a及び22aのピッチ単位で、変位量を計測することができる。
回折格子対20の相対位置が基準位置など初期位置にある時に、PD31で得られる信号値が0となり、また、回折格子対20の相対的な変位量が0となるように、回折格子対20及びPD31の形態、配置、演算回路40の回路及びそのプログラムなどが設計されている。
演算回路40は、回折格子対20の基準位置での変位量を0とするリセット機能を有していてもよい。これは、変位計測装置100の経時変化により、例えば回折格子対20の基準位置における演算回路40が出力する変位値が0とならなくなった場合の校正方法として有効である。この場合、演算回路40は、その校正時の情報を利用して、データ記憶部43のテーブルデータを更新する機能を有していてもよい。
以上のように、変位計測装置100は、回折格子対20の光軸に沿う方向の変位を計測するのではなく、それとは直交する方向に回折格子対20を相対的に変位する時の、その変位量を計測する。したがって、原理的に、回折格子21及び22間の距離が大きくなるほど干渉光の振幅が低下する(例えば図4参照:図4のグラフの横軸は、回折格子間の距離、つまりz方向の距離である。)、という問題は起こらない。したがって、検出レンジが狭くなる等の問題を解消できる。
また、本実施形態では、第1の回折光23及び第2の回折光25の行路長(光路長)は、実質的に同じであり、つまり光路差が発生しない。したがって、たとえ回折格子21及び22間の距離が変動したとしても、その干渉光の振幅に影響を及ぼさず、干渉光の適切な振幅を得ることができる。
(3)回折格子間の距離の変動による影響
本発明者らは、回折格子21及び22間の距離(z方向の距離)を意図的に変えた場合に、PD31で得られる信号の変化を実測した。図5Aは、回折格子21及び22間の距離が15μmの時、図5Bは、その距離が23μmの時に、PD31で得られる信号の強度分布を示す。すなわち、縦軸の値は光センサの出力値である光強度を示し、横軸は、図1に示すx方向での位置(mm)を示し、光軸が通る位置を0mmとしている。
一方、図6A及びBは、回折格子対20の光軸からずれた位置に配置された第2のPDで、別の干渉光を検出した場合に、その第2のPDで得られる信号の強度分布を示し(グラフ中右側の強度分布)、また、光軸上の光軸PDで得られる信号の強度分布を示す(グラフ中、中央の強度分布)。
別の干渉光とは、第1の回折格子による0次光が第2の回折格子に入射して第2の回折格子から発生する+1次回折光と、第1の回折格子による+1次回折光が第2の回折格子に入射して第2の回折格子から発生する0次光との干渉光である(上記特許文献1の図1を参照)。具体的には、概ね3〜5mmの位置で第2のPDの受光領域が配置される。
これらのグラフから分かるように、回折格子間の距離が変わると、光軸PDにより光軸上で得られる光の強度も変わる。これは、回折格子間の距離が変わると、干渉条件、ここでは光路差が変わるからである。
これに対し、図5A及びBから分かるように、回折格子21及び22間の距離を変えても、光強度は実質的に変わらない。つまり、上述のように、第1の回折光23及び第2の回折光25の光路差がないので、回折格子21及び22間の距離が変動しても、安定した強度を持つ干渉光を得ることができる。
(4)回折格子間の距離の設定
ところで、図1に示すように、PD31は、干渉光27の他、回折格子対20の光軸に沿って直進する0次光30も受光する。すなわち実際には、PD31は、第1の回折光23、第2の回折光25及び0次光30の、3つの光の干渉光28(図1参照)を受光する。しかしながら、この0次光30は、基本的には変位Δxの計測処理に不要であり、0次光が、PD31の出力信号にノイズとして現れる。
そこで、この変位計測装置100は、この0次光30によるノイズの発生を抑制するために、回折格子21及び22間の距離(z方向の距離)が所定の距離に設定されている。その距離は、この干渉光28を構成する0次光、第1の回折光23及び第2の回折光25の3つの光の光路差が、
(2m+1)λ/4(mは0以上の整数)
を満たすような距離である。上記したように、第1の回折光23及び第2の回折光25には光路差は実質的に発生しないので、実質的には、0次光と、第1の回折光23(または第2の回折光25)との光路差が上記式を満たせばよい。
すなわち、光路差が、0.25λ、0.75λ、1.25λ、・・・となるように、第1の回折格子21及び第2の回折格子22の配置が設定される。このような回折格子21及び22間の距離に設定されることにより、PD31は、できるだけ光強度の低い干渉光28を受けることになり、このことは、0次光によるノイズを抑制していることを意味する。
図7A〜Dは、その光路差が、0.25λ、0.5λ、0.75λ及びλである場合の、PD31で得られる信号のシミュレーションをそれぞれ示す。なお、これらのグラフ中、実線で示す波形は、回折格子対の相対的な変位に応じて、光軸からずれた位置に配置されたPD(上記第2のPD)で、別の干渉光を検出した場合の波形である。別の干渉光とは、上述したように、第1の回折格子による0次光が第2の回折格子に入射して第2の回折格子から発生する+1次回折光と、第1の回折格子による+1次回折光が第2の回折格子に入射して第2の回折格子から発生する0次光との干渉光である(上記特許文献1の図1を参照)。
図7A及びCからわかるように、上記3つの光の光路差が0.25λ、0.75λの場合、PD31は、適切な形状の周期性を持つ波形信号を得ることができる。一方、図7B及びDでは、当該光路差が0.5λ、λの場合、高い光強度を持つが0次光によるノイズを含む信号が得られる。
(5)カウント部によるカウント処理の他の形態
この第1の実施形態では、A/D変換器41は波形信号の波数をカウントしたが、上ピーク及び下ピークの検出を行うことにより、半波長ごとに1カウントを出力してもよい。これにより、変位計測装置は、格子線ピッチ(例えば3.3μm)の半分(例えば1.65μm)の分解能で変位を計測することができる。
2.第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態に係る変位計測装置について説明する。
これ以降の説明では、図1等に示した実施形態に係る変位計測装置100が含む部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。またこれ以降の各実施形態において、回折格子対による干渉光の発生原理は、上記第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態に係る変位計測装置の全体を構成するハードウェアとして、典型的には図1に示した変位計測装置100の構成が用いられる。
図8は、この第2の実施形態に係る演算回路の機能的構成を示すブロック図である。
図9は、回折格子対20のx方向における相対的な変位量(μm)と、PD31で得られる電圧信号との関係を示し、図2のグラフの横軸のスケールより小さいスケールを持つグラフである。図9のグラフの縦軸については、PD31の受光量である干渉光の明度(あるいは強度)が1で最大となるように、電圧の波形信号の全体振幅を1として正規化している。
本実施形態に係る演算回路140は、グラフの縦軸の全体振幅を所定の複数の電圧レベル(検出レベル)で分割し、それらの電圧レベルで波形信号を監視する。すなわち、A/D変換器41は、この演算回路40が格子線ピッチより小さい間隔で変位を出力するように設定された所定の電圧レベルを有する。
データ記憶部43は、そのように分割された電圧レベルごと及び上記波数のカウント値ごとに、それら電圧レベル及びカウント値を、変位量に対応付けて記憶しておく。信号の波形がリニアではなくsinカーブであるため、例えば記憶される変位量ごとの間隔が一定となるように、不等間隔の電圧値が選択されて記憶される。
また、本実施形態では、信号の1波長内には2つの同じ電圧値が出現するので、A/D変換器41は、周波数の2倍、つまり半波長の波を1つとしてカウントし、このカウント値を出力する。この場合、A/D変換器41は、波形信号の上ピーク及び下ピークの両方をカウントすることにより、半波長分を1つとして波数をカウントすることができる。また、A/D変換器41は、現在計測中の上記電圧レベル単位での電圧値を出力する。
データ参照部42は、A/D変換器41でカウントされたカウント値と、A/D変換器41から出力される電圧値とを取得する。データ参照部42は、取得したカウント値及び電圧値とに対応する変位量をデータ記憶部43から抽出し、これを出力する。これにより、演算回路140は、各回折格子の格子線21a及び22aのピッチよりも小さい単位、例えば100nm単位の精度で、変位量を計測することができる。
なお、データ記憶部43は電圧レベルを等間隔で記憶しておき、後述する第3の実施形態のように、演算回路140は、波形信号のリニア領域のみを用いるようにして、等間隔の変位量を出力してもよい。
3.第3の実施形態
(1)変位計測装置の構成
図10は、本発明の第3の実施形態に係る変位計測装置の構成を示す模式的な斜視図である。図11は、この第3の実施形態に係る第2の回折格子の構成を示す。
この変位計測装置200の第2の回折格子122の、光が透過する領域は、y方向で複数の領域、例えば2つの領域122A及び122Bに分割されて構成されている。これら2つの領域を、便宜的に「y1シフト領域」及び「y2シフト領域」とする。
図11に示すように、y1シフト領域122A及びy2シフト領域122Bの各格子線のピッチは、実質的に同一とされている。しかし、y1シフト領域122Aの格子線パターンは、y2シフト領域122Bの格子線パターンに対して、x方向に、格子線123のピッチの1/2より小さい所定の距離分シフトされている。例えば、各格子線パターンは、互いに1/4ピッチ分シフトされる位置に形成されている。
本実施形態に係る光センサであるPD33は、このような第2の回折格子122の複数の領域に対応するように、y方向で複数の領域、例えば2つの受光領域33A及び33Bに分割されて構成されている。これらの受光領域を便宜的に「y1受光領域」及び「y2受光領域」とする。すなわち、第2の回折格子122を出射した干渉光27(または28)(図1参照)のうち、y1シフト領域122Aを出射した光が、y1受光領域33Aに入射する。また、y2シフト領域122Bを出射した光が、y2受光領域33Bに入射する。
回折格子対120は、第1の実施形態と同様に、x軸方向に相対的に移動可能に構成されている。特に、第2の回折格子122は、PD33と一体的に移動可能に保持されている。
図12は、本実施形態に係る演算回路の機能的構成を示すブロック図である。演算回路240に入力される信号のチャネルとして、PD33のy1受光領域33Aで得られた信号が入力されるチャネルをチャネル1(ch.1)とし、y2受光領域33Bで得られた信号が入力されるチャネルをチャネル2(ch.2)とする。
演算回路240は、チャネル1及び2について、それぞれ、A/D変換器41、データ参照部42及びデータ記憶部43を有する。これらのブロックは、基本的には、上記第2の実施形態(図8参照)で説明した演算回路140の各ブロックと同じように機能する。
また、演算回路240は、各データ参照部42からの出力のON/OFFをそれぞれ切り替えるスイッチ44及び45を有し、また、このスイッチ44及び45の動作を制御する出力タイミング制御部46を有する。出力タイミング制御部46は、チャネル1及び2のそれぞれのカウント値及び電圧値を取得し、これらの値に基づいてスイッチ44及び45の動作を制御することにより、チャネル1及び2のうちいずれか一方の変位量を出力する。つまり、出力タイミング制御部46は、スイッチ44及び45を交互に選択的に切り替えることにより、出力する変位量(すなわち演算処理対象)を切り替える切替部として機能する。
(2)変位の計測方法
図13は、PD33で得られる信号、つまりy1受光領域33A及びy2受光領域33Bからそれぞれ得られる信号(第1の波形信号S1及び第2の波形信号S2)を示す。横軸は変位、縦軸は受光量を表す検出値(電圧値)である。y1シフト領域122A及びy2シフト領域122Bで格子線パターンが互いに、格子線ピッチの1/4ピッチ分シフトしていることにより、信号S1及びS2の位相も、このように1/4シフトする。
例えば回折格子対120の変位量が大きくなる方向に回折格子対122が相対移動する場合、出力タイミング制御部46は、図13に示すように、点A、B、C、D、E、・・・の順で、チャネル1と2の出力を相互に切り替える。例えば出力タイミング制御部46は、点BからCまでは、信号S2を用いて変位量を出力させ(チャネル2を用い)、点Cでのカウント値及び検出値を得るタイミングで、信号S1を用いて変位量を出力させる(チャネル1を用いる)。もちろん、回折格子対122がそれとは逆に相対移動する場合、切り替え順序は点I、H、G、・・・のように逆方向となる。
点C、F、I、・・・は、信号S1及びS2の交点である。点Aは、点Cと同じレベルの検出値であり、点Dは、点Fと同じ検出値であり、また、点Gは、点Iと同じ検出値である。点Bは、点Aと同じ変位量を示し、点Eは、点Dと同じ変位量を示し、また、点Hは、点Gと同じ変位量を示す。
このような処理方法を取る趣旨は、次のようなものである。信号S1及びS2は、実質的にsin波形であるため、信号の上ピークまたは下ピーク付近では、変位量と検出値との関係が非リニアになる。したがって、これらのピーク付近では、変位量に対しての検出感度が鈍くなり、計測精度が低下する可能性がある。そこで、出力タイミング制御部46は、信号S1(またはS2)のピークに達する前に(振幅ピーク値より小さい所定の検出値を検出するタイミングで)、信号S2(または信号S1)に切り替えて、切り替え後の信号を演算処理対象の信号とする。すなわち、信号S1及びS2の検出値のうち、検出感度の良好な領域であるリニア領域を用いることにより、計測精度を高めることができる。
なお、交点C、F、I、・・・のタイミングの判断方法として、例えば演算回路240は、信号S1とS2との差分を演算し、これが0になるタイミングを交点C、F、I、・・・のタイミングとしてもよい。
本実施形態では、格子線パターンのシフト量が1/4とされたが、1/3、1/5等、1/2より小さいシフト量であれば、どのようなシフト量でもよい。
点A及びC、あるいは点D及びF等は、信号S1及びS2の交点と同じ検出値であったが、交点以外の他の点が、切り替えのタイミングの点として設定されてもよい。
本実施形態では、1つの光センサが複数の受光領域を有していたが、物理的に分離した複数の光センサによって複数の受光領域が構成されてもよい。
4.第4の実施形態
図14は、本発明の第4の実施形態に係る変位計測装置の回折格子対のうち、z方向で見た第2の回折格子を示す。図15は、この変位計測装置においてz方向で見たPDの受光領域を示す。
本実施形態に係る変位計測装置の回折格子対の第2の回折格子222は、y方向に分割されて構成された複数のシフト領域、例えば4つのシフト領域222A、222B、222C及び222Dを有する。これら4つのシフト領域の各格子線223のピッチは実質的に同一とされる。
例えば、4つのシフト領域のうち3つのシフト領域222A、222B及び222Cの格子線パターンは、格子線ピッチの1/6ずつx方向に互いにシフトして配置されている。そして、もう1つのシフト領域222Dの格子線パターンは、3つのシフト領域222A、222B及び222Cのうち、シフト領域222A及び222Cの格子線パターンに対して、格子線ピッチの1/3分、x方向に互いにシフトして配置されている。説明の便宜上、以降では、シフト領域222Dを「基準シフト領域」という。
なお、第2の回折格子内222での、その3つのシフト領域222A、222B及び222Cと、基準シフト領域222Dの配置は限定されない。例えば、3つのシフト領域のうち2つのシフト領域と他の1つのシフト領域との間に、基準シフト領域222Dが配置されていてもよい。
図15に示すように、PD34の受光領域は、以上のように構成された第2の回折格子222の各シフト領域222A〜222Dに対応するように、複数の受光領域、例えば4つの受光領域34A〜34Dに、y方向に分割されて構成されている。検出対象である干渉光27(または28)(図1参照)のうち、シフト領域222A〜222Dを出射した光を、PD34の受光領域34A〜34Dがそれぞれ検出する。説明の便宜上、以降では、受光領域34Dを「基準受光領域」という。
図16は、これら4つの受光領域からそれぞれ得られる波形信号を示す。図16において、基準受光領域34Dで得られた波形信号S4の位相は、受光領域34A及び34Cで得られた波形信号S1及びS3の位相から、120°ずれている。3つの受光領域34A〜34Cで得られた波形信号S1〜S3の位相は、互いに60°ずつずれている。
図17は、この変位計測装置の演算回路の機能的構成を示すブロック図である。演算回路340は、カウント部341、データ参照部342及びデータ記憶部343を有する。
カウント部341には、波形信号S1〜S4がチャネル1〜4を介して入力される。カウント部341は、これらの波形信号S1〜S4の交点をカウントし、演算回路340は、そのカウント値に基づいて変位Δxを算出する。具体的には、カウント部341は、例えば信号S4とS1との交点aのタイミングを判定する場合、信号S4とS1との差分が0(または0に近い閾値以下)となるタイミングを監視する。このようにして、カウント部341は、各信号S1〜S4の交点a、b、c、・・・kをカウントする。
なお、カウント部341はA/D変換器を含み、デジタル処理を行ってもよいが、A/D変換器を含まず、アナログ処理でも交点のカウントを実現することができる。
データ記憶部343は、予めカウント値と変位量とを対応付けて記憶している。データ参照部342は、カウント部341から出力された交点のカウント値に対応する変位量をデータ記憶部343から抽出し、これを変位量Δxとして出力する。
図16に示すように、白で示した点lは、波形信号の交点ではないが、点kの次のタイミングで信号S1が0になるタイミングの点である。カウント部341はこの点lも例外的にカウントし、データ参照部342は、この点lに対応する変位量を出力することができる。これにより、演算回路340は、等間隔の変位量を出力することができる。
各信号S1〜S4の各波長分の変位は、格子線のピッチと同じであるので、演算回路340は、格子線のピッチより十分に小さい間隔で変位を出力することができる。すなわち、高精度な変位計測が可能となる。
本実施形態では、4つのシフト領域222A〜222D及び4つの受光領域34A〜34Dから4つの信号S1〜S4を得た。しかし、第2の回折格子が3つのシフト領域を有し、PDがそれらに対応する3つの受光領域を有していてもよい。この場合、3つのシフト領域の格子線パターンは、互いにx方向に、格子線ピッチの1/3シフトしている。そのPDは、それらの受光領域から互いに120°ずれた位相を有する3つの波形信号を出力することができる。そして、演算回路は、これら3つの波形信号を取得し、それらの交点をカウントし、このカウント値に基づいて変位量を算出することができる。
5.第5の実施形態
図18は、本発明の第5の実施形態に係る変位計測装置の演算回路の機能的構成を示すブロック図である。この第5の実施形態に係る変位計測装置は、図示しないが、上記のように3つのシフト領域を有する第2の回折格子を備え、また、それらシフト領域に対応する3つの受光領域を有するPDを備える。
演算回路440は、A/D変換器41、カウント部341、平均値算出部444、データ参照部442、データ記憶部443を備える。
3つのA/D変換器41は、チャネル1〜3を介して、PDの3つの受光領域から得られる波形信号を取得して、各波形信号のデジタル値を出力する。
平均値算出部444は、A/D変換器41から取得した各値、すなわち、3つの波形信号の平均値を算出する。カウント部441は、A/D変換器41から取得したそれぞれの波形信号を形成する値と、平均値との交点をカウントし、そのカウント値を出力する。データ記憶部443は、予めカウント値と変位量とを対応付けて記憶している。
図19A〜Dは、上記1.(4)で述べたたように、PDが0次光30を含む干渉光28を検出する場合において、干渉光28に含まれる0次光30のそれぞれ異なる強度ごとに、PDの各受光領域で得られる3つの波形信号のシミュレーションを示す。また、これらのグラフには、これら3つの波形信号の平均値も示されている。干渉光28に含まれる0次光30の強度の割合は、それぞれ0%、2%、4%及び6%である。
このシミュレーションから、0次光30の割合が増えるほど、また、x方向の変位全体範囲内で中央に近いほど、PDによる各波形信号の振幅が低下する傾向にあることがわかる。
データ参照部442は、カウント部441によってカウントされた各交点a、b、c、・・・(図19B〜D参照)に対応する変位量をデータ記憶部443から抽出し、これを出力する。
本実施形態では、干渉光28に0次光が含まれていたとしても、その0次光のノイズに追従するラインである平均値を求めることにより、その平均値の検出レベルで検出された各波形信号の値(交点の値)が、変位方向で正確な間隔で現れる。したがって、演算回路440は、これらの交点のカウント値に基づき、正確な変位を算出することができる。
上記1.(4)でも述べたように、干渉光28を構成する光の光路差が(2m+1)λ/4を満たすような回折格子間の距離が設定されることにより、0次光によるノイズを抑制できる。しかし、例えば回折格子間の距離をそのように設定した場合であっても、例えば0次光が数%残る場合には、本実施形態は特に有効である。
しかしながらもちろん、上記光路差に基づく回折格子間の距離の設定をしない場合であっても、本実施形態のように回路による処理のみによって、0次光によるノイズを抑制することも可能である。
本実施形態に係る変位計測装置は、3つの波形信号を形成したが、上述した実施形態のように、2つまたは4つ以上の波形信号を形成して、これらの波形信号と平均値との交点をカウントし、カウント値に基づき変位を出力してもよい。
6.変位計測装置を保持するホルダ
図20は、例えば図1に示した光学系を保持する保持機構を含む変位計測装置100(または200でもよい)の一実施形態を示す。
保持機構50は、ボックス状の、第1のホルダ51及び第2のホルダ52を有する。第1のホルダ51は、光源12、コリメータレンズ14及び第1の回折格子21を一体的に支持する。第2のホルダ52は、第2の回折格子22及びPD31を一体的に支持する。
第1のホルダ51の一端には、光源12が実装された実装基板53が取り付けられている。第2のホルダ52の他端には、第1の回折格子21が取り付けられている。第2のホルダ52の一端には、第2の回折格子22が取り付けられ、第2のホルダ52の他端には、PD31が実装された実装基板54が取り付けられている。
第1のホルダ51には、光源12から出射した光がコリメータレンズ14を介して第1の回折格子21に入射するための通路58が形成されている。第2のホルダ52には、第2の回折格子22から出射した干渉光27(図1参照)が主にPD31に入射するための通路59が形成されている。
保持機構50は、これら第1のホルダ51及び第2のホルダ52をx方向にスライド可能に支持する支持機構150を備える。支持機構150は、これらホルダ51及び52をx方向に相対移動可能に接続する接続部として機能する。
支持機構150は、x方向に延設されたスライドシャフト55を有する。例えば、第1のホルダ51及び第2のホルダ52の底部(図においてy方向の下部)には、図示しないx方向の貫通穴が形成されており、この貫通穴にスライドシャフト55が挿通されている。スライドシャフト55は、例えば1つのホルダに2本ずつ設けられる。
また、支持機構150は、第1のホルダ51及び第2のホルダ52を弾性的に接続する弾性部材57を有する。弾性部材57は、例えば、第1のホルダ51及び第2のホルダ52の側面同士を接続するように設けられ、例えば両側面に設けられている。弾性部材57は、主に樹脂や金属等により弾性変形が可能な構造や形状で構成されている。
この変位計測装置100の使用時には、計測対象物の図示しない第1の部位に第1のホルダ51が固定されるように、かつ、計測対象物の図示しない第2の部位に第2のホルダ52が固定されるように、この変位計測装置100が計測対象物に取り付けられる。これにより、計測対象物の第1及び第2の部位のx方向の変位を計測することができる。
7.その他の実施形態
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記各実施形態に係る演算回路は、基本的には、カウント値(及び電圧レベル)と変位量とを対応付けるルックアップテーブルを参照して変位を出力した。しかし、演算回路は所定の演算式を用いて変位を出力してもよい。例えば演算回路は、所定の単位変位量を記憶しておき、カウント値に単位変位量を乗じる方法、あるいは、カウント値を得るごとに、上記単位変位量を加算していく方法などがある。例えば、波形信号の1波長で1カウントする場合、上記単位変位量は格子線ピッチに相当し、波形信号の半波長で1カウントする場合、単位変位量は格子線ピッチの1/2に相当する。
図11及び14に示した各実施形態において、シフト領域は第2の回折格子に設けられていたが、第1の回折格子に設けられていてもよい。
図11または14に示した第2の回折格子122または222は、y方向に配列された複数のシフト領域を有していたが、x方向に配列された複数のシフト領域を有していてもよい。この場合、光センサも、x方向に配列された複数の受光領域を有する。またこの場合、各シフト領域の格子線パターンが、x方向に格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトするような、各格子線パターン及び各受光領域の相対的な配置がとられる。
以上説明した各形態の特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。例えば、図10〜12に示した構成を備える変位計測装置が、スイッチングを行うのではなく、第4または第5の実施形態に示す処理のように、交点のカウント値に基づき変位を算出してもよい。
12…光源
20、120、220…回折格子対
21…第1の回折格子
21a、22a、123、223…格子線
22、122、222、…第2の回折格子
23…第1の回折光
23a…+n次回折光
23b…−n次回折光
25…第2の回折光
25a…−n次回折光
25b…+n次回折光
27、28…干渉光
30(30a、30b)…0次光
31、33、34…PD
33A、33B、34A〜34D…受光領域
40、140、240、340、440…演算回路
42、342、442…データ参照部
43、343、443…データ記憶部
41…A/D変換器
44、45…スイッチ
46…出力タイミング制御部
100、200…変位計測装置
122A、122B、222A〜222D…シフト領域
50…保持機構
51…第1のホルダ
52…第2のホルダ
341、441…カウント部
444…平均値算出部

Claims (18)

  1. 光源と、
    前記光源からの光線の進路に沿って配置され、回折光を発生する第1の回折格子と、
    前記第1の回折格子の格子線ピッチと同じ格子線ピッチを有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、前記第1の回折格子に対して相対移動可能であり、回折光を発生する第2の回折格子と、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する光センサと、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の相対的な変位を算出する演算処理手段と
    を具備する変位計測装置。
  2. 請求項1に記載の変位計測装置であって、
    前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子は、複数の格子線をそれぞれ有し、
    前記演算処理手段は、前記複数の格子線の配列方向に沿う前記変位を算出する
    変位計測装置。
  3. 請求項2に記載の変位計測装置であって、
    前記光センサは、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子を前記光軸に沿って直進する0次光を受けることにより、前記第2の回折格子により発生する前記±n次回折光と、前記0次光との干渉光を検出し、
    前記±n次回折光と、前記0次光との光路差が、
    (2m+1)λ/4(mは0以上の整数)
    を満たすように、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子間の距離が設定されている
    変位計測装置。
  4. 請求項2に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記光センサで得られた、前記複数の格子線の格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の検出値を出力する検出値出力部を有し、
    前記検出値出力部は、前記演算処理手段が前記格子線ピッチより小さい間隔で変位を出力するように設定された所定の検出レベルを有する
    変位計測装置。
  5. 請求項2に記載の変位計測装置であって、
    前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子のうちいずれか一方は、分割されて構成される複数のシフト領域を有し、
    前記複数のシフト領域は、前記複数の格子線の配列方向に、格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトされた格子線パターンをそれぞれ有し、
    前記光センサは、前記複数のシフト領域から出射されたそれぞれの光を受ける複数の受光領域を有する
    変位計測装置。
  6. 請求項5に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる信号を、所定のタイミングで選択的に切り替え、選択した1つの信号を演算処理に用いる
    変位計測装置。
  7. 請求項6に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、
    前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の検出値を出力する検出値出力部と、
    前記波形信号のうち処理対象とされた第1の波形信号の振幅ピーク値より小さい所定の検出値を検出するタイミングで、処理対象を第2の波形信号に切り替える切替部とを有する
    変位計測装置。
  8. 請求項7に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記第1の波形信号と前記第2の波形信号との交点での検出値、または、前記交点での検出値と同じレベルの検出値を、前記所定の検出値として処理する
    変位計測装置。
  9. 請求項5に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出する
    変位計測装置。
  10. 請求項5に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号と、それら波形信号の平均値との交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出する
    変位計測装置。
  11. 請求項1から10のうちいずれか1項に記載の変位計測装置であって、
    前記光源及び前記第1の回折格子を保持する第1のホルダと、
    前記第2の回折格子及び前記光センサを保持する第2のホルダと、
    前記第1のホルダ及び前記第2のホルダを、前記光軸に直交する方向に沿って相対移動可能に接続する接続部とをさらに具備する
    変位計測装置。
  12. 光源と、
    複数の格子線をそれぞれ有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、相対移動可能であり、回折光をそれぞれ発生する第1の回折格子及び第2の回折格子と、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する光センサと、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の前記複数の格子線の配列方向に沿う相対的な変位を算出する演算処理手段とを具備し、
    前記光センサは、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子を前記光軸に沿って直進する0次光を受けることにより、前記第2の回折格子により発生する前記±n次回折光と、前記0次光との干渉光を検出し、
    前記±n次回折光と、前記0次光との光路差が、
    (2m+1)λ/4(mは0以上の整数)
    を満たすように、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子間の距離が設定されている
    変位計測装置。
  13. 光源と、
    複数の格子線をそれぞれ有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、相対移動可能であり、回折光をそれぞれ発生する第1の回折格子及び第2の回折格子と、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する光センサと、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の前記複数の格子線の配列方向に沿う相対的な変位を算出する演算処理手段とを具備し、
    前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子のうちいずれか一方は、分割されて構成される複数のシフト領域を有し、
    前記複数のシフト領域は、前記複数の格子線の配列方向に、格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトされた格子線パターンをそれぞれ有し、
    前記光センサは、前記複数のシフト領域から出射されたそれぞれの光を受ける複数の受光領域を有し、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる信号を、所定のタイミングで選択的に切り替え、選択した1つの信号を演算処理に用いる
    変位計測装置。
  14. 請求項13に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、
    前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の検出値を出力する検出値出力部と、
    前記波形信号のうち処理対象とされた第1の波形信号の振幅ピーク値より小さい所定の検出値を検出するタイミングで、処理対象を第2の波形信号に切り替える切替部とを有する
    変位計測装置。
  15. 請求項14に記載の変位計測装置であって、
    前記演算処理手段は、前記第1の波形信号と前記第2の波形信号との交点での検出値、または、前記交点での検出値と同じレベルの検出値を、前記所定の検出値として処理する
    変位計測装置。
  16. 光源と、
    複数の格子線をそれぞれ有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、相対移動可能であり、回折光をそれぞれ発生する第1の回折格子及び第2の回折格子と、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する光センサと、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の前記複数の格子線の配列方向に沿う相対的な変位を算出する演算処理手段とを具備し、
    前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子のうちいずれか一方は、分割されて構成される複数のシフト領域を有し、
    前記複数のシフト領域は、前記複数の格子線の配列方向に、格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトされた格子線パターンをそれぞれ有し、
    前記光センサは、前記複数のシフト領域から出射されたそれぞれの光を受ける複数の受光領域を有し、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号の交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出する
    変位計測装置。
  17. 光源と、
    複数の格子線をそれぞれ有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、相対移動可能であり、回折光をそれぞれ発生する第1の回折格子及び第2の回折格子と、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を検出する光センサと、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の前記複数の格子線の配列方向に沿う相対的な変位を算出する演算処理手段とを具備し、
    前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子のうちいずれか一方は、分割されて構成される複数のシフト領域を有し、
    前記複数のシフト領域は、前記複数の格子線の配列方向に、格子線ピッチの1/2より小さい所定距離分互いにシフトされた格子線パターンをそれぞれ有し、
    前記光センサは、前記複数のシフト領域から出射されたそれぞれの光を受ける複数の受光領域を有し、
    前記演算処理手段は、前記複数の受光領域でそれぞれ得られる、前記格子線ピッチに応じた周期性を持つ波形信号と、それら波形信号の平均値との交点をカウントするカウント部を有し、前記カウント部によるカウント値に基づき、前記変位を算出する
    変位計測装置。
  18. 光源からの光線の進路に沿って配置された第1の回折格子と、前記第1の回折格子の格子線ピッチと同じ格子線ピッチを有し、前記光源からの光線の進路に沿って配置され、前記第1の回折格子に対して相対移動可能である第2の回折格子とから回折光をそれぞれ発生させ、
    前記第1の回折格子による+n次回折光(nは1以上の自然数)が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する−n次回折光と、前記第1の回折格子による−n次回折光が前記第2の回折格子に入射して前記第2の回折格子から発生する+n次回折光との干渉光を、光センサにより検出し、
    前記光センサで得られた信号に基づき、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の光軸に直交する方向における、前記第1の回折格子及び前記第2の回折格子の相対的な変位を算出する
    変位計測方法。
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