JP6195437B2 - キャップ付き筆記具 - Google Patents
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また、他の従来技術としては、例えば特許文献2に記載のもののように、軸筒(外側バレル12)と、該軸筒の前端側に突出可能に没入された筆記部(ペン先16)と、前記軸筒の前端開口を塞ぐキャップ(20)と、該キャップを一端側に有するとともに他端側が前記軸筒に枢支されたアーム(18)と、該アーム(18)の回転運動を筆記部(ペン先16)の直線運動に変換するギヤ歯(32)及びスリーブギヤ歯(28)とを備え、キャップ(20)の開放動作に伴うアーム(18)の回動に連動して、筆記部(ペン先16)を軸筒前端から突出させ、同アーム(18)の逆方向の回動に連動して筆記部(ペン先16)を軸筒前端に没入させるようにした「ペン先が引き込み自在式の筆記具」が知られている。
これら従来の筆記具によれば、軸筒からキャップを完全に分離しないで用いるため、キャップの紛失を防ぐことができる。
また、後者の従来技術では、筆記部が前後方向へ移動する構造であるため、筆記の際に、筆圧の変化によって筆記部が前後へがたつくおそれがある。その上、アームの回動に連動して筆記部を出没させるようにしているため、その機構が複雑であった。
この構成によれば、キャップ部を筆記部軸方向に沿って進退させて筆記部に被せたり同筆記部から離隔したりすることができる上、キャップ部を筆記部から離隔した状態では、アーム部を回転させることにより、キャップ部及びアーム部が筆記の邪魔にならないようにすることができる。
また、キャップ部を筆記部軸方向へ進退させて着脱する構造であるため、キャップ部を筆記部周方向へ連続するように形成して、該キャップ部による密閉性を向上することが可能である。また、筆記部を軸筒に相対し進退させるような従来機構が不要である。
よって、キャップ部の紛失を防ぐことができる上、筆記性能の低下を阻むことができ、且つ簡素な構造とすることができる。
この構成によれば、アーム部を進退可能に枢支する構造によってキャップ部を進退させることができ、その進退構造を、具体的な簡素構造とすることができる。
この構成によれば、キャップ部を回動させた状態で更に後退させることができ、ひいては、筆記部から外されたキャップ部が筆記時に邪魔になるようなことを、より効果的に防ぐことができる。
この構成によれば、キャップ部が筆記部に被さったり離隔したりする際には、アーム部を第一の案内溝に導かせて進退させることができ、キャップ部が筆記部から離隔し回動した際には、同アームを第二の案内溝に導かせて進退させることができる。
この構成によれば、キャップ部が筆記部に被さったり離隔したりする際には、軸筒側のガイド凸部を、アーム部の長尺状の被ガイド凹部に嵌め合せて、キャップ及びアーム部の進退動作を安定させることができる。
また、アーム部を所定量回動させる際には、ガイド凸部が前記被ガイド凹部の長手方向の後端部に位置するため、キャップ及びアーム部の回動を安定させることができる。
この構成によれば、キャップ及びアームを前進させて回動し後退させるという、一連の動作を安定的にスムーズに行うことができる。
この構成によれば、アーム部の進退のための面積範囲を比較的広く確保することができ、ひいては、アーム部の進退動作を安定的にスムーズに行うことができる。
この構成によれば、複数のキャップ付き筆記具を省スペースに接続することができ、ひいては、当該キャップ付き筆記具の収納性や搬送性等を向上することが可能になる。
キャップ付き筆記具1は、図1〜図4に示すように、軸筒10と、該軸筒10に不動に設けられた筆記部20と、軸筒10内で筆記部20へインクを供給するインク含浸体30と、筆記部20に被せられたキャップ部40と、該キャップ部40を前端側に接続するとともにその後端側が軸筒10に支持されたアーム部50とを具備している。
この本体部11は、図示例によれば、厚み方向(換言すれば、前記一方向あるいは図8の上下方向)へ分割された一半部10aと他半部10bとを凹凸嵌合することで構成される(図1及び図3参照)。図3中の符号10b1は、前記他半部10bの一部分であり、前記一半部10a内のインク収容室11aの内側面に嵌り合う略筒状の嵌合部である。
なお、本体部11の他例としては、例えば、筆記部軸方向の前後に分割された複数の部材からなる態様等とすることも可能である。
第一のガイド凸部11dと第二のガイド凸部11eの各々は、筆記部軸方向に対し略直交する方向へ突出する円柱状の突起であり、後述するアーム部50に嵌り合ってアーム部50の移動を案内する。
接続部11fは、横断面が十字状の凸部である。被接続部11gは、接続部11fと略同形状の凹部であり、接続部11fに対し嵌脱可能に形成される。
なお、図示例では、接続部11f及び被接続部11gを十字状に形成することで、これらの接続強度を向上するようにしているが、他例としては、接続部11f及び被接続部11gを図示例以外の形状(例えば、円柱状や、多角形状等)とすることも可能である。
この筒状保持部12の内周面には、筆記部20の外周面に当接して該筆記部20を保持する複数の縦リブ12aが、周方向に間隔を置いて設けられる。この縦リブ12a間の空間は、インク含浸体30のインクの吐出に伴って外気をインク収容室11a内へ導入する通気路として作用する。
図示例の筒状保持部12は、本体部11の長手方向(図3によれば左上から右下にわたる斜め方向)に対し、所定角度傾斜して設けられる。前記所定角度は、当該キャップ付き筆記具1が把持されて筆記が行われた際(図7参照)に、筆記部20の直線状部分21が被筆記面Xに平行に当接するように、適宜に設定される。
この筆記部20の前端部は、図示例によれば、前方へ向かって厚みを徐々に狭くした楔状に形成され、その突端の傾斜する直線状部分21が被筆記面X(図7参照)に当接されるようにしている。このような形状の筆記部20は、チゼルタイプと呼称される場合がある。
前記直線状部分21は、軸筒径方向に対し傾斜し且つ扁平状の本体部11の厚み方向の両端面に平行する直線状に形成される。この構成によれば、軸筒10が厚み方向に挟まれて把持され筆記が行われた際(図7参照)に、最大限に太い線を筆記することが可能となる。
このキャップ部40は、後端側の内縁を軸筒10の筒状保持部12前端外周面に全周にわたって嵌め合せ、内部を気密に保持する。
このキャップ部40は、アーム部50の前端に一体的に接続され、図示例によれば、アーム部50と一体成形されるが、他例としては、アーム部50とは別体の部材をアーム部50に接続した態様とすることも可能である。
このアーム部50は、軸筒10を間に置くようにして一対に設けられる。そして、これら一対のアーム部50,50の前端側は、キャップ部40の後端側に接続され、同アーム部50,50の後端側は、軸筒10の厚み方向端面の第一の案内溝11b,第二の案内溝11c,第二のガイド凸部11e,第一のガイド凸部11d等に嵌り合う。
各アーム部50には、軸筒10の第一のガイド凸部11dに嵌り合う長尺状の第一の被ガイド凹部51と、軸筒10の第二のガイド凸部11eに嵌り合う第二の被ガイド凹部52とが設けられる。
この第一の被ガイド凹部51の長さは、キャップ部40が筆記部20に被さったり筆記部20から離隔したりすることが可能であって、且つ、キャップ部40が筆記部20から離隔し所定量回動した状態で、アーム部50が軸筒10側へ収納されたり軸筒10側から突出したりすることが可能となるように、適宜に設定されている。
また、この第一の被ガイド凹部51は、キャップ部40が筆記部20から離隔して回動する際には、該第一の被ガイド凹部51の後端部を第一のガイド凸部11dに当接させる。すなわち、第一のガイド凸部11dが、第一の被ガイド凹部51の長手方向の後端部に位置してアーム部50を回動させる際の回転軸になる(図5(b)〜図6(c)参照)。
この第三案内部52cの前端側の両側面には、該第三案内部52cの幅を部分的に狭めるようにして、乗越え突起52c1,52c1が設けられる。この乗越え突起52c1は、第三案内部52cの前端から、ほぼ第二のガイド凸部11eの外径分だけ後方へ離れた位置に配置される。
両乗越え突起52c1,52c1の間隔は、第二のガイド凸部11eの外径よりも若干小さい寸法に設定される。
この構成によれば、アーム部50を第二の案内溝11cに沿って後退させると、第二のガイド凸部11eが、両乗越え突起52c1,52c1間を弾性的に広げ、これら乗越え突起52c1,52c1を乗越えて第三案内部52cの最前端部に位置する。したがって、アーム部50は、筆記時に手に触れる等しても容易に移動しないように保持される。
また、前記状態からアーム部50を強制的に前進させた場合には、第二のガイド凸部11eが、両乗越え突起52c1,52c1を逆方向へ乗り越えて、アーム部50は自在に進退するようになる。
なお、図示例によれば、第三案内部52c前端側の両方の側面に乗越え突起52c1を設けるようにしているが、他例としては、一方の側面のみに乗越え突起52c1を設けるようにしてもよい。
したがって、この状態では、万が一、筆記部20からインクの流出があったとしても、インクが外部へ流出するのを阻むことができる。
そして、前記直進により、キャップ部40が筆記部20から離隔するとともに、第一の被ガイド凹部51の後端部に第一のガイド凸部11dが当接し、且つ第一案内部52aの後端部に第二のガイド凸部11eが当接する(図5(b)参照)。
よって、複数のキャップ付き筆記具1を省スペースに接続することができ、ひいては、当該キャップ付き筆記具1の収納性や搬送性等を向上することができる。
次に、本実施の形態の他の具体例について説明する。なお、以下に示すキャップ付き筆記具において、上述したキャップ付き筆記具1と略同構造の箇所については、同一の符号を付けることで重複する詳細説明を省略する。
この本体部11’における前記一方向の両端部には、後述するアーム部51’,52’を支持するための支持軸11a’,11b’が設けられる。
このキャップ部40’は、後端側の内縁を軸筒10’の筒状保持部12’前端外周面に全周にわたって嵌め合せ、内部を気密に保持する。
このキャップ部40’は、アーム部51’,52’の前端に一体的に接続される。
図示例によれば、キャップ部40’は、複数の部材からなるが、他例としては、単一の部材からなる構成や、後述するアーム部51’,52’と一体の部材とした構成等することが可能である。
また、これらアーム部51’,52’間の後端側は、軸筒10’に対し、筆記部軸方向へ進退自在であって且つ回転自在に枢支される。
同様に、他方のアーム部52’は、一方のアーム部51’に対向する内壁部に、軸筒10の支持軸11b’を挿通し支持する支持孔52a’を有する。
この第一の付勢部材60は、アーム部51’,52’が軸筒10’に相対し進退する際には、前記他端側(図10によれば、第一の付勢部材60の左端部)をアーム部51’の内壁面に摺接させる。
したがって、この状態では、万が一、筆記部20からインクの流出があったとしても、インクが外部へ流出するのを阻むことができる。
そして、前記直進により、筆記部20がキャップ部40’から離隔するとともに、軸筒10’側の支持軸11a’,11b’が、それぞれ、アーム部51’,52’の支持孔51a’,52a’の後端内縁に当接する(図10(b)参照)。
そして、この回転後の位置で、軸筒10’は、第二の付勢部材70に引っ張られて、キャップ部40’及びアーム部51’,52’に対し近付き、支持軸11a’,11b’の外周面を、それぞれ支持孔51a’,52a’の後端内縁に当接させて静止する(図11(d)参照)。
11,11’:本体部 11b:第一の案内溝
11c:第二の案内溝 11d:第一のガイド凸部
11e:第二のガイド凸部 11f:接続部
11g:被接続部 12:筒状保持部
20:筆記部 40,40’:キャップ部
50,51’,52’:アーム部 51:第一の被ガイド凹部
52:第二の被ガイド凹部 52a:第一案内部52a
52b:第二案内部 52c:第三案内部
Claims (6)
- 軸筒と、該軸筒から突出した筆記部と、該筆記部に被せられたキャップ部と、該キャップ部を前端側に接続したアーム部とを備え、
前記キャップ部は、前記軸筒に相対し筆記部軸方向に沿って後退することにより前記筆記部に被さり逆方向へ前進することにより前記筆記部から離隔するように設けられ、
前記アーム部は、前記軸筒に対し筆記部軸方向へ進退するように枢支され、この進退によって前記キャップ部を前記筆記部に被せたり前記筆記部から離隔したりし、
かつ、前記アーム部は、前記筆記部から離隔した状態の前記キャップ部を、筆記部軸方向に対する交差方向へ回動させるように前記軸筒に枢支されており、
前記キャップ部が前記筆記部から離隔して筆記部軸方向に対する交差方向へ所定量回動した状態で、前記キャップ部及び前記アーム部が後退するように、前記アーム部が前記軸筒に支持されていることを特徴とするキャップ付き筆記具。 - 前記軸筒には、前記キャップ部が前記筆記部に被さったり離隔したりする際に前記アーム部の進退を案内する第一の案内溝と、前記キャップ部が前記筆記部から離隔し所定量回動した状態で進退する際に前記アーム部の進退を案内する第二の案内溝とが設けられることを特徴とする請求項1記載のキャップ付き筆記具。
- 前記軸筒の側部にガイド凸部を設けるとともに、前記アーム部には前記ガイド凸部に嵌り合う長尺状の被ガイド凹部を設け、
前記アーム部が筆記部軸方向へ進退する際には、前記ガイド凸部が前記被ガイド凹部を該被ガイド凹部の長手方向へ案内し、前記アーム部が所定量回動する際には、前記ガイド凸部が前記被ガイド凹部の長手方向の後端部に位置して前記アーム部を回動させる回転軸になることを特徴とする請求項1又は2記載のキャップ付き筆記具。 - 前記ガイド凸部を第一のガイド凸部とするとともに、前記被ガイド凹部を第一の被ガイド凹部とし、
前記軸筒に第二のガイド凸部を設けるとともに、前記アーム部には第二のガイド凸部に嵌り合う第二の被ガイド凹部を設け、
第二の被ガイド凹部は、前記キャップ部が前記筆記部に被さったり前記キャップ部が前記筆記部から離隔したりする際に前記アーム部の進退を案内する第一案内部と、前記キャップ部が前記筆記部から離隔した状態で回動する際に前記アーム部の回動を案内する第二案内部と、前記キャップ部が前記筆記部から離隔し所定量回動した状態で進退する際に前記アーム部の進退を案内する第三案内部とを連通してなることを特徴とする請求項3記載のキャップ付き筆記具。 - 軸筒と、該軸筒から突出した筆記部と、該筆記部に被せられたキャップ部と、該キャップ部を前端側に接続したアーム部とを備え、
前記キャップ部は、前記軸筒に相対し筆記部軸方向に沿って後退することにより前記筆記部に被さり逆方向へ前進することにより前記筆記部から離隔するように設けられ、
前記アーム部は、前記筆記部から離隔した状態の前記キャップ部を、筆記部軸方向に対する交差方向へ回動させるように前記軸筒に枢支され、
前記軸筒は、筆記部軸方向に対し直交する一方向の寸法が、該一方向に直交し且つ筆記部軸方向に対しても直交する他方向の寸法よりも小さい扁平状に形成され、前記キャップ部及び前記アーム部は、前記他方向に沿って回動するように設けられていることを特徴とするキャップ付き筆記具。 - 前記軸筒は、前記一方向における一端側の面に接続部を有するとともに、同一方向における他端側の面には、前記接続部に着脱可能な被接続部を有することを特徴とする請求項5記載のキャップ付き筆記具。
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