以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係るガスタービンの概略構成図である。
ガスタービン100は、図1に示すように、圧縮機101と燃焼器102とタービン103とにより構成されている。また、ガスタービン100は、圧縮機101、燃焼器102およびタービン103の中心部に、ロータ104が貫通して配置されている。圧縮機101、燃焼器102およびタービン103は、ロータ104の軸心Rに沿い、空気の流れの前側から後側に向かって順に並設されている。なお、以下の説明において、タービン軸方向とは軸心Rに平行な方向をいい、タービン周方向とは軸心Rを中心とした周り方向をいう。
圧縮機101は、空気を圧縮して圧縮空気とするものである。圧縮機101は、空気を取り込む空気取入口111を有した圧縮機ケーシング112内に圧縮機静翼113および圧縮機動翼114が設けられている。圧縮機静翼113は、圧縮機ケーシング112側に取り付けられてタービン周方向に複数並設されている。また、圧縮機動翼114は、ロータ104側に取り付けられてタービン周方向に複数並設されている。これら圧縮機静翼113と圧縮機動翼114とは、タービン軸方向に沿って交互に設けられている。
燃焼器102は、圧縮機101で圧縮された圧縮空気に対して燃料(液体燃料:主に油燃焼)を供給することで、高温・高圧の燃焼ガスを生成するものである。燃焼器102は、燃焼筒として、圧縮空気と燃料を混合して燃焼させる内筒121と、内筒121から燃焼ガスをタービン103に導く尾筒122と、内筒121の外周を覆い、圧縮機101からの圧縮空気を内筒121に導く空気通路125をなす外筒123とを有している。この燃焼器102は、燃焼器ケーシング124に対しタービン周方向に複数(例えば16個)並設されている。なお、燃料は、液体燃料に限らず気体燃料であってもよい。
タービン103は、燃焼器102で燃焼された燃焼ガスにより回転動力を生じるものである。タービン103は、タービンケーシング131内にタービン静翼132およびタービン動翼133が設けられている。タービン静翼132は、タービンケーシング131側に取り付けられてタービン周方向に複数並設されている。また、タービン動翼133は、ロータ104側に取り付けられてタービン周方向に複数並設されている。これらタービン静翼132とタービン動翼133とは、タービン軸方向に沿って交互に設けられている。また、タービンケーシング131の後側には、タービン103に連続する排気ディフューザ134aを有した排気室134が設けられている。
ロータ104は、圧縮機101側の端部が軸受部141により支持され、排気室134側の端部が軸受部142により支持されて、軸心Rを中心として回転自在に設けられている。そして、ロータ104は、圧縮機101側の端部に発電機(図示せず)の駆動軸が連結されている。
このようなガスタービン100は、圧縮機101の空気取入口111から取り込まれた空気が、複数の圧縮機静翼113と圧縮機動翼114とを通過して圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となる。この圧縮空気に対し、燃焼器102において燃料が混合されて燃焼されることで高温・高圧の燃焼ガスが生成される。そして、この燃焼ガスがタービン103のタービン静翼132とタービン動翼133とを通過することでロータ104が回転駆動され、このロータ104に連結された発電機に回転動力を付与することで発電を行う。そして、ロータ104を回転駆動した後の排気ガスは、排気室134の排気ディフューザ134aで静圧に変換されてから大気に放出される。
[実施形態1]
図2は、本実施形態に係る燃焼器の構成図であり、図3は、図2におけるA矢視概略図であり、図4は、本実施形態に係る燃焼器における燃焼率を比較するグラフである。
燃焼器102は、図2に示すように、燃料を供給するパイロットノズル1およびメインノズル2が設けられている。パイロットノズル1は、内筒121の中心となる中心軸C上に1本設けられている。パイロットノズル1は、燃焼器102の外側に設けられた燃料ポート1Aに、パイロット燃料ライン1Bが接続されている。パイロット燃料ライン1Bは、燃料供給装置3に接続されている。燃料供給装置3は、パイロット燃料ライン1Bに燃料を供給するもので、図には明示しないが、燃料を圧送するポンプや、燃料の供給を開始または停止する弁や、燃料の流量を調整する流量調整機構などを有している。すなわち、燃料供給装置3により、パイロット燃料ライン1B、燃料ポート1Aを介してパイロットノズル1に燃料が供給されてパイロットノズル1から燃料が噴射される。パイロットノズル1は、その先端部の周囲に、筒状で先端側が広角して形成されたパイロットコーン1Cが設けられている。さらに、パイロットノズル1は、その外周面とパイロットコーン1Cの内周面との間に旋回翼1Dが設けられている。
メインノズル2は、パイロットノズル1の周りを囲むように周方向に複数(本実施形態では8本:図3参照)設けられている。各メインノズル2は、燃焼器102の外側に設けられた燃料ポート2Aを介し、図3に示すメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに対応した各燃料配管2Bであるメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhが接続されている。各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhは、燃料供給装置3に接続されている。燃料供給装置3は、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに燃料を供給する。すなわち、燃料供給装置3により、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhを介して各メインノズル2に燃料が供給されて各メインノズル2から燃料が噴射される。メインノズル2は、その先端部の周囲に、バーナ筒2Cが設けられている。さらに、メインノズル2は、その外周面とバーナ筒2Cの内周面との間に旋回翼2Dが設けられている。
この燃焼器102は、図2に示すように、高温・高圧の圧縮空気の空気流が空気通路125に流れ込み、この圧縮空気が内筒121内に流れ込む。内筒121内では、圧縮空気がメインノズル2から噴射された燃料と混合され、バーナ筒2Cおよび旋回翼2Dにて予混合気の旋回流となって尾筒122内に流れ込む。また、燃料混合気は、パイロットノズル1から噴射された燃料と混合され、図示しない種火により着火されて燃焼し、燃焼ガスとなって尾筒122内に噴出する。このとき、燃焼ガスの一部が尾筒122内に火炎を伴って周囲に拡散するように噴出することで、各メインノズル2のバーナ筒2Cからの予混合気に着火されて燃焼する。すなわち、パイロットノズル1から噴射した燃料による拡散火炎により、各メインノズル2のバーナ筒2Cからの予混合気の燃焼を安定させるための保炎を行う。そして、燃焼ガスにおいて、各メインノズル2のバーナ筒2Cからの予混合気と、火炎との境を火炎面Fという。
このような燃焼器102を予混合燃焼方式の燃焼器という。予混合燃焼方式の燃焼器102は、燃料と圧縮空気とを予め混合してから燃焼させることから、燃料濃度を均一化でき、低NOx化に効果がある。
本実施形態の燃焼器102は、図2に示すように、水供給手段4を有している。水供給手段4は、各燃料配管2Bであるメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されて、各メインノズル2への燃料に水を供給するものである。水供給手段4は、水供給部4A、水供給ライン4B、および供給量可変部4Cを有している。
水供給部4Aは、図には明示しないが、水を貯留するタンクや、水を圧送するポンプなどを有し、水を供給する。
水供給ライン4Bは、水供給部4Aと、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhとの間に接続されている。具体的に、水供給ライン4Bは、メイン燃料ライン2Baに接続された水供給配管4Ba、メイン燃料ライン2Bbに接続された水供給配管4Bb、メイン燃料ライン2Bcに接続された水供給配管4Bc、メイン燃料ライン2Bdに接続された水供給配管4Bd、メイン燃料ライン2Beに接続された水供給配管4Be、メイン燃料ライン2Bfに接続された水供給配管4Bf、メイン燃料ライン2Bgに接続された水供給配管4Bg、メイン燃料ライン2Bhに接続された水供給配管4Bhを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Ba,4Bc,4Be,4Bgとに接続された第一分岐配管4Biを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Bb,4Bd,4Bf,4Bhとに接続された第二分岐配管4Bjを含む。
すなわち、水供給ライン4Bは、水供給部4Aから第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとに分岐されている。そして、第一分岐配管4Biは、水供給配管4Ba,4Bc,4Be,4Bgを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bc,2Be,2Bgに接続されている。また、第二分岐配管4Bjは、水供給配管4Bb,4Bd,4Bf,4Bhを介してメイン燃料ライン2Bb,2Bd,2Bf,2Bhに接続されている。従って、水供給部4Aから供給される水は、第一分岐配管4Bi側において、水供給配管4Ba,4Bc,4Be,4Bgを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bc,2Be,2Bgの燃料に添加され、燃料と共に図3に示すメインノズル2a,2c,2e,2gに供給される。また、水供給部4Aから供給される水は、第二分岐配管4Bj側において、水供給配管4Bb,4Bd,4Bf,4Bhを介してメイン燃料ライン2Bb,2Bd,2Bf,2Bhの燃料に添加され、燃料と共に図3に示すメインノズル2b,2d,2f,2hに供給される。
供給量可変部4Cは、水供給部4Aから供給される水の供給量を変えるものである。本実施形態において、供給量可変部4Cは、第一分岐配管4Biに設けられた第一流量調整弁4C1と、第二分岐配管4Bjに設けられた第二流量調整弁4C2と、を有する。これら、第一流量調整弁4C1と第二流量調整弁4C2とは、水の供給量が異なるように設定されている。すなわち、供給量可変部4Cは、図3に示すメインノズル2a,2c,2e,2gへの水の供給量と、メインノズル2b,2d,2f,2hへの水の供給量と、を異ならせる。本実施形態においては、図3に示すように、複数のメインノズル2が周方向にメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hの順で配置されて、交互に水の供給量を異ならせる。
このように、本実施形態の燃焼器102は、燃料を供給するメインノズル2(2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h)を複数配置した燃焼器102において、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに接続されて各々の燃料配管2Bに水を供給する水供給手段4を備え、水供給手段4は、供給する水の量を供給されるメインノズル2毎に可変とする。具体的に、本実施形態の燃焼器102は、上述したように、水供給手段4により、メインノズル2a,2c,2e,2gへの水の供給量と、メインノズル2b,2d,2f,2hへの水の供給量と、を異ならせる。
図4では、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102(図4(a))と、水の供給量が均一である比較例の燃焼器(図4(b))とにおいて燃焼率を比較している。図4(b)に示すように、比較例の燃焼器は、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから供給される燃料濃度が均一であって、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから噴射される燃料の燃焼状態が等しくなり、燃焼器の全周において燃焼器内の中心軸Cに平行する方向(中心軸方向という)の発熱率の分布が等しくなる。このため、燃焼器内に発熱率のピークが集中する領域が生じる。そして、この集中発熱により燃焼器の全周を加えた発熱率のピーク値(β)が高くなり燃焼振動が起こりやすくなる。
一方、図4(a)に示すように、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102では、水供給手段4により、メインノズル2a,2c,2e,2gへの水の供給量と、メインノズル2b,2d,2f,2hへの水の供給量と、を異ならせるため、メインノズル2a,2c,2e,2gから供給される燃料濃度と、メインノズル2b,2d,2f,2hから供給される燃料濃度とが異なるので、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散する。
具体的に、図4(a)では、破線で示すメインノズル2a,2c,2e,2gへの水の供給量を比較例よりも少なくし、一点鎖線で示すメインノズル2b,2d,2f,2hへの水の供給量を比較例よりも多くしている。水の供給量の絶対値は同様である。例えば、水を添加しない場合、燃焼エネルギーは、燃焼ガス自身の温度を上昇させる力となる。これに対して、燃料に水を供給すると、水に対しても燃焼エネルギーを与えなければならないため、燃焼速度が低下する。燃焼速度が低下すると、火炎の勢いが抑えられ、バーナ筒2Cからの予混合気と火炎との境の火炎面Fが中心軸方向の下流側(タービン103側)に移動する。従って、水の供給量を異ならせると、水の供給量の比較的少ないメインノズル2a,2c,2e,2gの火炎面Fが上流側(圧縮器101側)に移動し、水の供給量の比較的多いメインノズル2b,2d,2f,2hの火炎面Fが下流側に移動する。このため、燃焼器102の全周において発熱率のピークが中心軸方向で分散することになり、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値(α)が比較例よりも低くなる。この結果、燃焼振動が抑えられることになる。
このように本実施形態の燃焼器102によれば、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができる。
また、本実施形態のガスタービン100は、上述した燃焼器102を備える。
このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、タービン103に送る燃焼ガスの低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができ、燃焼器102から伝達される振動を抑制することができる。
なお、本実施形態において、各メインノズル2は、メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhが接続されており、それぞれのメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに、水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhが接続されているが、この限りではない。具体的に、本実施形態では、水供給手段4において、第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとで異なる量の水を供給しているため、図には明示しないが、燃料配管2Bを第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとに接続される2本とし、これら2本の燃料配管2Bから燃料ポート2Aを介して同量の水を供給すべき各メインノズル2に燃料および水を供給するようにしてもよい。
また、本実施形態では、水供給手段4は、全部のメインノズル2に接続されて各々の燃料配管に水を供給する構成としたが、一部のメインノズル2に接続されて各々の燃料配管に水を供給する構成であってもよい。
[実施形態2]
図5は、本実施形態に係る燃焼器の構成図であり、図6は、図5におけるA矢視概略図である。本実施形態の燃焼器102は、上述した実施形態1に示す燃焼器102に対し、水供給手段4の構成が異なる。従って、以下の説明において、実施形態1と同等分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の燃焼器102は、図5に示すように、水供給手段4を有している。水供給手段4は、各燃料配管2Bであるメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されて、各メインノズル2への燃料に水を供給するものである。水供給手段4は、水供給部4A、水供給ライン4B、および供給量可変部4Cを有している。
水供給部4Aは、図には明示しないが、水を貯留するタンクや、水を圧送するポンプなどを有し、水を供給する。
水供給ライン4Bは、水供給部4Aと、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhとの間に接続されている。具体的に、水供給ライン4Bは、メイン燃料ライン2Baに接続された水供給配管4Ba、メイン燃料ライン2Bbに接続された水供給配管4Bb、メイン燃料ライン2Bcに接続された水供給配管4Bc、メイン燃料ライン2Bdに接続された水供給配管4Bd、メイン燃料ライン2Beに接続された水供給配管4Be、メイン燃料ライン2Bfに接続された水供給配管4Bf、メイン燃料ライン2Bgに接続された水供給配管4Bg、メイン燃料ライン2Bhに接続された水供給配管4Bhを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Ba,4Bb,4Bcとに接続された第一分岐配管4Biを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhとに接続された第二分岐配管4Bjを含む。
すなわち、水供給ライン4Bは、水供給部4Aから第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとに分岐されている。そして、第一分岐配管4Biは、水供給配管4Ba,4Bb,4Bcを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bcに接続されている。また、第二分岐配管4Bjは、水供給配管4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されている。従って、水供給部4Aから供給される水は、第一分岐配管4Bi側において、水供給配管4Ba,4Bb,4Bcを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bcの燃料に添加され、燃料と共に図6に示すメインノズル2a,2b,2cに供給される。また、水供給部4Aから供給される水は、第二分岐配管4Bj側において、水供給配管4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhの燃料に添加され、燃料と共に図6に示すメインノズル2d,2e,2f,2g,2hに供給される。
供給量可変部4Cは、水供給部4Aから供給される水の供給量を変えるものである。本実施形態において、供給量可変部4Cは、第一分岐配管4Biに設けられた第一流量調整弁4C1と、第二分岐配管4Bjに設けられた第二流量調整弁4C2と、を有する。これら、第一流量調整弁4C1と第二流量調整弁4C2とは、水の供給量が異なるように設定されている。すなわち、供給量可変部4Cは、図6に示すメインノズル2a,2b,2cへの水の供給量と、メインノズル2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量と、を異ならせる。本実施形態においては、図6に示すように、複数のメインノズル2が周方向にメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hの順で配置されて、数の異なるメインノズル2a,2b,2cとメインノズル2d,2e,2f,2g,2hとの2群に分けて各群への水の供給量を異ならせる。なお、2群に限らず、数が異なる複数群に分けてもよい。なお、数の異なる群は、連続して隣り合うメインノズルで構成しているが、そうでなくてもよい。
このように、本実施形態の燃焼器102は、燃料を供給するメインノズル2(2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h)を複数配置した燃焼器102において、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに接続されて各々の燃料配管2Bに水を供給する水供給手段4を備え、水供給手段4は、供給する水の量を供給されるメインノズル2毎に可変とする。具体的に、本実施形態の燃焼器102は、上述したように、水供給手段4により、メインノズル2a,2b,2cへの水の供給量と、メインノズル2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量と、を異ならせる。
図4では、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102(図4(a))と、水の供給量が均一である比較例の燃焼器(図4(b))とにおいて燃焼率を比較している。図4(b)に示すように、比較例の燃焼器は、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから供給される燃料濃度が均一であって、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから噴射される燃料の燃焼状態が等しくなり、燃焼器の全周において燃焼器内の中心軸Cに平行する方向(中心軸方向という)の発熱率の分布が等しくなる。このため、燃焼器内に発熱率のピークが集中する領域が生じる。そして、この集中発熱により燃焼器の全周を加えた発熱率のピーク値(β)が高くなり燃焼振動が起こりやすくなる。
一方、図4(a)に示すように、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102では、水供給手段4により、メインノズル2a,2b,2cへの水の供給量と、メインノズル2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量と、を異ならせるため、メインノズル2a,2b,2cから供給される燃料濃度と、メインノズル2d,2e,2f,2g,2hから供給される燃料濃度とが異なるので、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散する。
具体的に、図4(a)では、破線で示すメインノズル2a,2b,2cへの水の供給量を比較例よりも多くし、一点鎖線で示すメインノズル2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を比較例よりも少なくている。水の供給量の絶対値は同様である。例えば、水を添加しない場合、燃焼エネルギーは、燃焼ガス自身の温度を上昇させる力となる。これに対して、燃料に水を供給すると、水に対しても燃焼エネルギーを与えなければならないため、燃焼速度が低下する。燃焼速度が低下すると、火炎の勢いが抑えられ、バーナ筒2Cからの予混合気と火炎との境の火炎面Fが中心軸方向の下流側(タービン103側)に移動する。従って、水の供給量を異ならせると、水の供給量の比較的多いメインノズル2a,2b,2cの火炎面Fが下流側に移動し、水の供給量の比較的少ないメインノズル2d,2e,2f,2g,2hの火炎面Fが上流側(圧縮器101側)に移動する。このため、燃焼器102の全周において発熱率のピークが中心軸方向で分散することになり、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値(α)が比較例よりも低くなる。この結果、燃焼振動が抑えられることになる。
このように本実施形態の燃焼器102によれば、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の燃焼器102では、水供給手段4は、複数のメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hを数の異なる少なくとも2群(メインノズル2a,2b,2cとメインノズル2d,2e,2f,2g,2h)に分け、各群のメインノズルに異なる供給量の水を供給する。
例えば、上述した実施形態1では、偶数のメインノズル2が周方向にメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hの順で配置されて、交互に水の供給量を異ならせている。この場合、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布が等しくなる。このため、周方向において燃焼振動が発生する傾向となる。これに対し、本実施形態の燃焼器102によれば、数の異なる各群(メインノズル2a,2b,2cとメインノズル2d,2e,2f,2g,2h)のメインノズルに異なる供給量の水を供給することから、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布を分散させるため、周方向における燃焼振動の発生を抑制することもできる。
また、本実施形態のガスタービン100は、上述した燃焼器102を備える。
このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、タービン103に送る燃焼ガスの低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができ、燃焼器102から伝達される振動を抑制することができる。
しかも、このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、数の異なる各群(メインノズル2a,2b,2cとメインノズル2d,2e,2f,2g,2h)のメインノズルに異なる供給量の水を供給することから、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布を分散させるため、周方向における燃焼振動の発生を抑制することもでき、燃焼器102から伝達される振動を抑制することができる。
なお、本実施形態において、各メインノズル2は、メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhが接続されており、それぞれのメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに、水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhが接続されているが、この限りではない。具体的に、本実施形態では、水供給手段4において、第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとで異なる量の水を供給しているため、図には明示しないが、燃料配管2Bを第一分岐配管4Biと第二分岐配管4Bjとに接続される2本とし、これら2本の燃料配管2Bから燃料ポートを介して同量の水を供給すべき各メインノズル2に燃料および水を供給するようにしてもよい。
また、本実施形態では、水供給手段4は、全部のメインノズル2に接続されて各々の燃料配管に水を供給する構成としたが、一部のメインノズル2に接続されて各々の燃料配管に水を供給する構成であってもよい。
[実施形態3]
図7は、本実施形態に係る燃焼器の構成図であり、図8は、図7におけるA矢視概略図であり、図9は、本実施形態に係る燃焼器における燃焼率を比較するグラフである。本実施形態の燃焼器102は、上述した実施形態1に示す燃焼器102に対し、水供給手段4の構成が異なる。従って、以下の説明において、実施形態1と同等分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の燃焼器102は、図7に示すように、水供給手段4を有している。水供給手段4は、各燃料配管2Bであるメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されて、各メインノズル2への燃料に水を供給するものである。水供給手段4は、水供給部4A、水供給ライン4B、および供給量可変部4Cを有している。
水供給部4Aは、図には明示しないが、水を貯留するタンクや、水を圧送するポンプなどを有し、水を供給する。
水供給ライン4Bは、水供給部4Aと、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhとの間に接続されている。具体的に、水供給ライン4Bは、メイン燃料ライン2Baに接続された水供給配管4Ba、メイン燃料ライン2Bbに接続された水供給配管4Bb、メイン燃料ライン2Bcに接続された水供給配管4Bc、メイン燃料ライン2Bdに接続された水供給配管4Bd、メイン燃料ライン2Beに接続された水供給配管4Be、メイン燃料ライン2Bfに接続された水供給配管4Bf、メイン燃料ライン2Bgに接続された水供給配管4Bg、メイン燃料ライン2Bhに接続された水供給配管4Bhを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhとに接続された主配管4Bkを含む。
すなわち、水供給ライン4Bは、水供給部4Aから主配管4Bkを経て水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されている。従って、水供給部4Aから供給される水は、水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhの燃料に添加され、燃料と共に図8に示すメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに供給される。
供給量可変部4Cは、水供給部4Aから供給される水の供給量を変えるものである。本実施形態において、供給量可変部4Cは、水供給排管4Baに設けられた第一流量調整弁4Ca、水供給排管4Bbに設けられた第二流量調整弁4Cb、水供給排管4Bcに設けられた第三流量調整弁4Cc、水供給排管4Bdに設けられた第四流量調整弁4Cd、水供給排管4Beに設けられた第五流量調整弁4Ce、水供給排管4Bfに設けられた第六流量調整弁4Cf、水供給排管4Bgに設けられた第七流量調整弁4Cg、水供給排管4Bhに設けられた第八流量調整弁4Chを含む。各流量調整弁4Ca,4Cb,4Cc,4Cd,4Ce,4Cf,4Cg,4Chは、それぞれ水の供給量が異なるように設定されている。すなわち、供給量可変部4Cは、図8に示すメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量をそれぞれ異ならせる。本実施形態においては、図8に示すように、複数のメインノズル2が周方向にメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hの順で配置されているが、水の供給量は、メインノズル2の周方向の順で大きくしても、小さくしても、混在していてもよい。
このように、本実施形態の燃焼器102は、燃料を供給するメインノズル2(2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h)を複数配置した燃焼器102において、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに接続されて各々の燃料配管2Bに水を供給する水供給手段4を備え、水供給手段4は、供給する水の量を供給されるメインノズル2毎に可変とする。具体的に、本実施形態の燃焼器102は、上述したように、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量をそれぞれ異ならせる。
図9では、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102(図9(a))と、水の供給量が均一である比較例の燃焼器(図9(b))とにおいて燃焼率を比較している。図9(b)に示すように、比較例の燃焼器は、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから供給される燃料濃度が均一であって、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hから噴射される燃料の燃焼状態が等しくなり、燃焼器の全周において燃焼器内の中心軸Cに平行する方向(中心軸方向という)の発熱率の分布が等しくなる。このため、燃焼器内に発熱率のピークが集中する領域が生じる。そして、この集中発熱により燃焼器の全周を加えた発熱率のピーク値(β)が高くなり燃焼振動が起こりやすくなる。
一方、図9(a)に示すように、水供給手段4を備える本実施形態に係る燃焼器102では、水供給手段4により、メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量をそれぞれ異ならせるため、メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hのそれぞれから供給される燃料濃度が異なるので、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散する。
具体的に、図9(a)では、破線で示すメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量の絶対値を比較例と同じとし、それぞれの水の供給量を比較例に対して増減させて異ならせている。例えば、水を添加しない場合、燃焼エネルギーは、燃焼ガス自身の温度を上昇させる力となる。これに対して、燃料に水を供給すると、水に対しても燃焼エネルギーを与えなければならないため、燃焼速度が低下する。燃焼速度が低下すると、火炎の勢いが抑えられ、バーナ筒2Cからの予混合気と火炎との境の火炎面Fが中心軸方向の下流側(タービン103側)に移動する。従って、水の供給量を異ならせると、水の供給量の比較的多いメインノズル2の火炎面Fが下流側に移動し、水の供給量の比較的少ないメインノズル2の火炎面Fが上流側(圧縮器101側)に移動する。このため、燃焼器102の全周において発熱率のピークが中心軸方向で分散することになり、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値(θ)が比較例よりも低くなる。この結果、燃焼振動が抑えられることになる。
このように本実施形態の燃焼器102によれば、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができる。
また、本実施形態の燃焼器102では、水供給手段4は、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにそれぞれ異なる供給量の水を供給する。
例えば、上述した実施形態1では、偶数のメインノズル2が周方向にメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hの順で配置されて、交互に水の供給量を異ならせている。この場合、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布が等しくなる。このため、周方向において燃焼振動が発生する傾向となる。これに対し、本実施形態の燃焼器102によれば、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにそれぞれ異なる供給量の水を供給することから、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布を分散させるため、周方向における燃焼振動の発生を抑制することもできる。
しかも、本実施形態の燃焼器102によれば、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにそれぞれ異なる供給量の水を供給することで、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布を各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hごとに分散させることから、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値(θ)は、実施形態1のピーク値(α)よりも抑えられるため、軸方向における燃焼振動の発生を抑制する効果を顕著に得ることができる。
また、本実施形態のガスタービン100は、上述した燃焼器102を備える。
このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに水を供給することで、タービン103に送る燃焼ガスの低NOxを維持することができる。しかも、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに異なる供給量の水を供給することで、燃料濃度が異なるメインノズルから噴射される燃料の燃焼状態が異なり、燃焼器102の全周において燃焼器102内の中心軸方向で発熱率の分布が分散するため、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値を抑え、燃焼振動の発生を抑制することができ、燃焼器102から伝達される振動を抑制することができる。
しかも、このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにそれぞれ異なる供給量の水を供給することから、燃焼器102内の周方向の発熱率の分布を分散させるため、周方向における燃焼振動の発生を抑制することもでき、燃焼器102から伝達される振動を抑制することができる。さらに、このガスタービン100によれば、燃焼器102において、水供給手段4により、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hにそれぞれ異なる供給量の水を供給することから、燃焼器102の全周を加えた発熱率のピーク値(θ)は、実施形態1のピーク値(α)よりも抑えられるため、軸方向における燃焼振動の発生を抑制する効果を顕著に得ることができ、燃焼器102から伝達される振動を抑制する効果を顕著に得ることができる。
[実施形態4]
図10は、本実施形態に係る燃焼器の構成図である。本実施形態の燃焼器102は、上述した実施形態1に示す燃焼器102に対し、水供給手段4の構成が異なる。従って、以下の説明において、実施形態1と同等分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の燃焼器102は、図10に示すように、水供給手段4を有している。水供給手段4は、各燃料配管2Bであるメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されて、各メインノズル2への燃料に水を供給するものである。水供給手段4は、水供給部4A、水供給ライン4B、供給量可変部4Cおよび制御部4Dを有している。
水供給部4Aは、図には明示しないが、水を貯留するタンクや、水を圧送するポンプなどを有し、水を供給する。
水供給ライン4Bは、水供給部4Aと、各メイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhとの間に接続されている。具体的に、水供給ライン4Bは、メイン燃料ライン2Baに接続された水供給配管4Ba、メイン燃料ライン2Bbに接続された水供給配管4Bb、メイン燃料ライン2Bcに接続された水供給配管4Bc、メイン燃料ライン2Bdに接続された水供給配管4Bd、メイン燃料ライン2Beに接続された水供給配管4Be、メイン燃料ライン2Bfに接続された水供給配管4Bf、メイン燃料ライン2Bgに接続された水供給配管4Bg、メイン燃料ライン2Bhに接続された水供給配管4Bhを含む。また、水供給ライン4Bは、水供給部4Aと水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhとに接続された主配管4Bkを含む。
すなわち、水供給ライン4Bは、水供給部4Aから主配管4Bkを経て水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhに接続されている。従って、水供給部4Aから供給される水は、水供給配管4Ba,4Bb,4Bc,4Bd,4Be,4Bf,4Bg,4Bhを介してメイン燃料ライン2Ba,2Bb,2Bc,2Bd,2Be,2Bf,2Bg,2Bhの燃料に添加され、燃料と共に図10に示すメインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに供給される。
供給量可変部4Cは、水供給部4Aから供給される水の供給量を変えるものである。本実施形態において、供給量可変部4Cは、水供給排管4Baに設けられた第一流量調整弁4Ca、水供給排管4Bbに設けられた第二流量調整弁4Cb、水供給排管4Bcに設けられた第三流量調整弁4Cc、水供給排管4Bdに設けられた第四流量調整弁4Cd、水供給排管4Beに設けられた第五流量調整弁4Ce、水供給排管4Bfに設けられた第六流量調整弁4Cf、水供給排管4Bgに設けられた第七流量調整弁4Cg、水供給排管4Bhに設けられた第八流量調整弁4Chを含む。
制御部4Dは、CPU(Central Processing Unit)および記憶装置等を備えた演算装置であり、各流量調整弁4Ca,4Cb,4Cc,4Cd,4Ce,4Cf,4Cg,4Chを制御して水の供給量を設定する。また、制御部4Dは、必要に応じて記憶装置に記憶されている水供給情報を読み出す。水供給情報は、燃焼器運転状況と水の供給量とを関連付けて設定されたもので、予め記憶装置に記憶されている。また、制御部4Dは、燃焼器運転状況を取得する。燃焼器運転状況は、燃焼器102の運転状況であり、例えば、低負荷運転時や高負荷運転時のロータ104の回転速度から検出することができる。本実施形態では、制御部4Dは、燃料供給装置3に接続されており、各メインノズル2への燃料の供給量を可変する燃料供給装置3に入力される燃焼器102の運転状況を取得したり、燃焼器102の運転状況に応じて各メインノズル2への燃料の供給量を可変した燃料供給装置3の燃料供給量の信号を取得したりすることができる。すなわち、制御部4Dは、燃焼器運転状況に応じた水の供給量が設定された水供給情報を予め記憶されており、燃焼器運転状況と水供給情報とに基づき供給量可変部4Cである各流量調整弁4Ca,4Cb,4Cc,4Cd,4Ce,4Cf,4Cg,4Chを制御して水の供給量を設定する。
このように、本実施形態の燃焼器102では、燃料を供給するメインノズル2(2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h)を複数配置した燃焼器102において、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hに接続されて各々の燃料配管2Bに水を供給する水供給手段4を備え、水供給手段4は、供給する水の量を供給されるメインノズル2毎に可変とする。さらに、水供給手段4は、水の供給量を可変する供給量可変部4Cと、燃焼器運転状況に応じた水の供給量が設定された水供給情報を予め記憶され、燃焼器運転状況と水供給情報とに基づき供給量可変部4Cを制御する制御部4Dと、を備える。
この燃焼器102によれば、上述した実施形態1〜実施形態3における各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を燃焼器運転状況に応じて設定することができる。また、この燃焼器102によれば、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を燃焼器運転状況に応じて適したものに替えることができる。
また、本実施形態のガスタービン100は、上述した燃焼器102を備える。
このガスタービン100によれば、上述した実施形態1〜実施形態3における各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を燃焼器運転状況に応じて設定することができる。また、このガスタービン100によれば、各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を燃焼器運転状況に応じて適したものに替えることができる。この結果、燃焼器102の運転状況、延いては、ガスタービン100の運転状況に応じて適したものに各メインノズル2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2hへの水の供給量を設定することができる。