JP2009150389A - ガスタービンの燃焼器における燃料供給システムの制御されたパージ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスタービン燃焼器における燃料供給システムの制御されたパージ方法を提供する。
【解決手段】燃焼器は、1つ又はそれ以上のバーナを備え、該各バーナが、バーナ内部での気体燃料の内転のために少なくとも1つのパイロットインジェクタ36及び1つ又はそれ以上のメインインジェクタ38を備え、タービンが拡散火炎機能モードであるときに気体燃料のストリームによって1つ又はそれ以上のメインインジェクタ38及び関連マニホールド34の少なくとも一部をパージする。
【選択図】図3

Description

開示される例示的な実施形態は、概してガスタービンの燃焼器における燃料供給システムの制御されたパージ方法に関する。
通常、外部からの吸入空気が加圧される多段圧縮機と、加圧空気に加えられた気体燃料の燃焼を行う燃焼器と、燃焼器から流入したガスを膨張させるタービン又はエキスパンダとからなるガスタービンを使用することは、電気エネルギーの生成において公知である。この際、タービンは、機械的エネルギーを生成可能であり、該エネルギーは、作業機械を駆動するため、又は例えば1つ又はそれ以上の交流発電機などの発電機に給電するのに利用することができる。
現在ガスタービンで使用されている燃焼器は、2つのタイプの機能に基づいて区別することができる。第1のタイプは、いわゆる「拡散火炎」であり、ここでは、航空用途において依然として使用されているターボ機械の古典的手法に従って空気と気体燃料がバーナ内に別個に入れられる。第2のタイプは、いわゆる「予混合火炎」と呼ばれ、又は頭字語DLN(乾式低NOx)又はLPP(希薄予混合予蒸発)で表示され、ここでは、空気と燃料が事前に混合され、バーナ内でより均一な混合比が得られ、結果として汚染原因物質が相当に低減されたクリーンな燃焼を得ることができる。
上記モードの両方に基づいて運転可能な1つ又はそれ以上のバーナを装備した燃焼器があるが、燃焼器内部のバーナ自体の配列は、いわゆる管状、環状、又は管環状タイプの公知の構成に基づいて得ることができる。
ガスタービンは、特に複数のバーナを有する燃焼器を装備している場合、通常は換気又はパージシステムが存在することを必要とし、この「パージ」とは、バーナの関連ラインが使用されていないときに気体燃料の供給ダクトの定期的な清浄動作のことを言う。パージはまた、スラグの存在を排除するため、及び燃焼器間のいわゆる「クロストーク」現象(干渉)を回避して、結果として生じる損傷及び/又は爆発性空気/ガス混合物の生成を伴う、燃料ガスの燃焼器から外側チューブ及び供給ラインに向かう高温ガスの逆流を防止するために全てのガスタービンにおいて必要とされる。
パージは一般に、機械のメイン圧縮機又は特定の圧縮機によって供給され、冷却されて且つバルブを備えた好適なパイプを通して送る必要がある加圧空気と、制御機器と、パージシステムを正しく機能させて危険な結果をもたらす可能性があるパージ空気及び気体燃料間の偶発的な混合を防止することを可能にする他の必要な構成部品とを用いて行われる。空気を用いたパージ段階はまた、燃焼及びプラントに対して高い過渡事象を回避するために漸次的にシステムを作動させ、且つ燃料ガス供給から完全に分離して初めて作動させる必要があるので、比較的長い作動及び停止時間を必要とする。
更に、空気を伴うパージシステムは、バーナ供給ラインを燃料ガスで予め充填しておくことを必要とするので、不活性バーナの再点火及び付加的な運転時間を有する負荷過渡事象が予想される。
従って、例示的な実施形態の目的は、ガスタービンの燃焼器をパージするための方法を提供することであり、パージシステムの複雑性を大幅に低減することができ、その結果、ランニングコストを低減し、運転上の作動/停止時間を短縮し、システムの信頼性を著しく増大させることができる。
本例示的な実施形態の更なる目的は、ガスタービンの燃焼器をパージするための方法を提供することであり、拡散燃焼モードと予混合燃焼モードとの間及びその反対の移行時間を制限することができる。
本例示的な実施形態の別の目的は、ガスタービン燃焼器の燃料供給ラインをパージするための方法を提供することであり、本方法は特に効果的且つ安全であり、タービン自体に対するあらゆるタイプの起こり得る損傷を回避することができる。
本例示的な実施形態によるこれら及び他の目的は、ガスタービン燃焼器をパージする方法、より具体的には、本明細書で開示される燃料内転ライン、気体燃料の供給インジェクタ、及びガスタービン燃焼器内部のバーナをパージする方法を提供することによって達成される。
本発明によるガスタービン燃焼器をパージする方法の特徴及び利点は、添付の概略図を参照しながら、以下の例示的且つ非限定的な説明から明白に理解されるであろう。
特に図1を参照すると、本図は、入口ダクト12を通してその中に取り入れられた空気を加圧できる圧縮機10を含む、好ましくはダブルシャフト型の汎用ガスタービンを概略的に示している。次に加圧空気は燃焼器14に送られ、供給ダクト16から流入する気体燃料と混合される。燃焼により、ガス流の温度、速度、及び容積、更に結果として包含されるエネルギーが増大される。この燃焼ガス流は、ダクト18を通ってタービン20に向けられ、該タービンがガスエネルギーを仕事エネルギーに変換し、該仕事エネルギーは、例えばシャフト24によってタービン20自体に接続される発電機22などの作業機械を作動させるために利用することができる。タービン20はまた、シャフト26を介して圧縮機10を作動させるのに必要なエネルギーを供給し、吐出ガスは、出口ダクト28を通ってタービン20によって排出される。
図2は、例示的な実施形態に基づき、例示的な多管式燃焼器14を断面で概略的に示している。燃焼器14は、該燃焼器14の軸線中心に円周方向に配列された複数のバーナ30を備えている。
各バーナ30は、少なくとも第1のマニホールド32及び少なくとも第2の燃料内転マニホールド34と関連して配置され、バーナ30自体の内側の気体燃料内転のために少なくとも1つのパイロットインジェクタ36(図3)及び1つ又はそれ以上のメインインジェクタ38(図3)備える。パイロットインジェクタ36は、第1の内転マニホールド32と対応して位置決めされ、拡散モードで機能することができる燃焼器ノズルからなり、従って、タービンの点火段階で作動される。メインインジェクタ38は、通常第2の内転マニホールド34と対応させてパイロットインジェクタ32の周りに配置され、空気/燃料混合物を調整し、予混合火炎モードでタービンを正常に機能させることを可能にすることができる。
本例示的な実施形態によれば、タービンの各バーナ30のメインインジェクタ38及び関連燃料内転マニホールド34の少なくとも一部は使用されていないときだけすなわちタービンが拡散火炎機能モードのときに、空気流によってではなく、同じ燃料ガス又は場合によっては燃料ガスと制御された量の空気とからなる混合物の(好ましくは一定の)流れによって換気又はパージされる。このように、各バーナ30には加圧空気パージシステムを備える必要がないので、パイプ、バルブ、制御用機器及び他の特定構成部品を設置することが回避される。
気体燃料の圧力は、各バーナ30のパージ段階で使用されるときには、インジェクタ38を通る同じガスの逆流を防止し、パージ段階の間に燃料の供給ダクト16内部で凝縮物の形成を阻止するため、燃焼器14内部で測定される圧力よりも高くなるように調整される必要がある。
更に、拡散火炎運転モードにおいて、すなわちタービンの点火段階においても同様に、燃焼器14内部で圧力及び温度ダイナミックスを計測及び評価した後、予混合機能モードにおいて全ての燃料内転マニホールド34に燃料ガス又は空気/燃料ガス混合物の好ましくは一定流量を用いてパージ段階を拡張することが可能である。
加えて、パイロットインジェクタ36及び関連燃料内転マニホールド32ではまた、使用されていないとき、すなわちタービンが予混合火炎モード(正常機能)で運転しているときに燃料ガス又は空気/燃料ガス混合物の好ましくは一定流量を用いてパージ段階を含むことができる。このように、加圧空気を用いて燃焼器14の全てのバーナ30からパージシステムを完全に排除することができ、結果としてタービンに適用されるバルブ、ダクト、及び制御機器の数が低減される。
従って、本例示的な実施形態によるガスタービン燃焼器をパージするための方法は、上に示した目的を達成することが理解できる。詳細には、以下の利点を提供することが可能である。
・パージシステムのランニングコストの低減
・パージシステムの信頼性の向上
・パージの作動及び停止時間の排除
・燃焼ガスを用いたパージラインの予充填時間の排除
・不活性バーナの再点火による負荷過渡事象の排除
・パージ空気を作動させたときに、燃焼器チャンバ内の燃料ガスのスラストに起因する負荷過渡事象の排除
このように考案された本例示的な実施形態によるガスタービンの燃焼器をパージするための方法は、いずれの場合においても多くの修正及び変形を生じることができるが、全て同じ発明の概念に包含される。
従って、本発明の保護される範囲は請求項によって定義される。
本例示的な実施形態による燃焼器のパージ方法を適用することができるガスタービンの概略図。 図1のガスタービン燃焼器の一例の概略断面図。 燃焼器内部の気体燃料供給インジェクタの概略断面図。
符号の説明
10 圧縮機
12 入口ダクト
14 燃焼器
16 供給ダクト
18 ダクト
20 タービン
22 発電機
24 シャフト
26 関連シャフト
28 出口ダクト

Claims (9)

  1. 入口ダクト(12)を通って取り入れられた空気を加圧できる少なくとも1つの圧縮機(10)と、前記加圧空気が供給ダクト(16)から流入する気体燃料と混合して点火させる少なくとも1つの燃焼器(14)と、前記燃焼チャンバ(14)から流入する燃焼ガスのエネルギーを1つ又はそれ以上の作業機械(22)を作動させるために利用できる仕事エネルギーに変換可能な少なくとも1つのタービン(20)と、を含むガスタービン燃焼器における燃料供給システムの制御されたパージの方法であって、
    前記少なくとも1つの燃焼器(14)が1つ又はそれ以上のバーナ(30)を備え、該各バーナが、前記バーナ(30)内部での気体燃料の内転のために少なくとも1つのパイロットインジェクタ(36)及び1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)を備え、
    前記方法が、前記タービンが拡散火炎機能モードであるときに前記気体燃料のストリームによって前記1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)及び関連マニホールド(34)の少なくとも一部をパージすることを特徴とする方法。
  2. 前記パージする間の前記気体燃料の圧力が前記燃焼器(14)内部で測定される圧力よりも高くなるように、前記1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)及び関連マニホールド(34)の少なくとも一部をパージするときに使用される前記気体燃料の圧力を調整し、前記1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)を通る前記気体燃料の逆流を防止し、且つ前記パージする間に前記供給ダクト(16)内部で凝縮物の形成を防止するようにすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記タービンが予混合火炎機能モードであるときに前記気体燃料の流れによって前記パイロットインジェクタ(36)及び関連マニホールド(32)をパージすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)及び関連マニホールド(34)の少なくとも一部を前記パージするときに使用される前記気体燃料の流れが一定流量である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)及び関連マニホールド(34)の少なくとも一部をパージするときに使用される前記気体燃料が、制御された量の空気と混合される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 入口ダクト(12)を通って取り入れられた空気を加圧できる少なくとも1つの圧縮機(10)と、前記加圧空気が供給ダクト(16)から流入する気体燃料と混合して点火させる少なくとも1つの燃焼器(14)と、前記燃焼チャンバ(14)から流入する燃焼ガスのエネルギーを1つ又はそれ以上の作業機械(22)を作動させるために仕事エネルギーに変換可能な少なくとも1つのタービン(20)と、を含むガスタービン燃焼器における燃料供給システムの制御されたパージの方法であって、
    前記少なくとも1つの燃焼器(14)が1つ又はそれ以上のバーナ(30)を備え、該各バーナが、前記バーナ(30)内部での気体燃料の内転のために少なくとも1つのパイロットインジェクタ(36)及び1つ又はそれ以上のメインインジェクタ(38)を備え、
    前記方法が、前記タービンが予混合火炎機能モードであるときに前記気体燃料のストリームによって前記パイロットインジェクタ(36)及び関連マニホールド(32)をパージする段階を含む、
    ことを特徴とする方法。
  7. 前記パージ段階の間の前記気体燃料の圧力が前記燃焼器(14)内部で測定される圧力よりも高くなるように、前記パイロットインジェクタ(36)及び関連マニホールド(32)のパージ段階において使用される前記気体燃料の圧力を調整し、前記パイロットインジェクタ(36)を通る前記気体燃料の逆流を防止し、且つ前記パージ段階の間に前記供給ダクト(16)内部で凝集物の形成を防止するようにする段階を更に含む、
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記パイロットインジェクタ(36)及び関連マニホールド(32)の前記パージ段階で使用される前記気体燃料の流れが一定流量である、
    ことを特徴とする請求項6のいずれかに記載の方法。
  9. 前記パイロットインジェクタ(36)及び関連マニホールド(32)の前記パージ段階で使用される前記気体燃料が、制御された量の空気と混合される、
    ことを特徴とする請求項6のいずれかに記載の方法。
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