JP6192463B2 - 熱処理方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、筒状の冷却ジャケットの中に昇温したワークを配置し、冷却水を噴射供給してワークを冷却する構成が開示されている。特許文献1の冷却ジャケットは、冷却水の噴射量を調整することができる構成を有しており、ワークの肉厚が厚い部位(熱容量が大きい部位)に対しては冷却水の噴射量を多くし、肉厚が薄い部位(熱容量が小さい部位)に対しては冷却水の噴射量を少なくすることができる。
すなわち、特許文献1の冷却ジャケットは、冷却水の噴射量を部位ごとに調整することができる構成を有しており、肉厚差を有するワークの周面を均一に冷却することができるように配慮されている。
実際に、特許文献1に開示されている冷却ジャケットは、回転するワークの外面を冷却することができ、高周波焼入れそのものは問題なく実施することができる。
ここで、傾斜した放出列から放出された冷却液が、先に噴射された冷却液によってワーク表面に形成された液膜に邪魔されずにワーク表面に到達する方向にワークを回転させると、ワークの冷却速度を向上させることができる。すなわち、ワークの表面に形成された液膜は、ワークを冷却して昇温しているが、液膜よりも低温の後続の冷却液が、昇温した液膜に阻害されることなくワーク表面に到達するので冷却効果が高い。そして、液膜よりも低温の冷却液が、液膜が形成される前のワーク表面の広い領域に到達し、ワークを効率よく冷却してワークの温度を効率的に低下させることができる。
逆に、放出列から放出された冷却液が、ワーク表面に形成された液膜上に到達する方向にワークを回転させると、ワークの冷却速度を低下させることができる。すなわち、放出列から放出された低温の冷却液が、ワーク表面上に形成された高温の液膜に到達するので、ワーク表面に対する冷却効果は低減する。
よって、ワークの回転方向を切り換えることによって、容易にワークの冷却速度(温度の低下速度)を変更することができる。
その結果、ワークを効率よく冷却してワークの温度を効率的に低下させたり、敢えて冷却効率を下げ、ワークに割れが生じるのを回避することができる。
図1に示す様に、高周波焼入装置1は、誘導加熱装置2、冷却装置3、移送装置8を有する。高周波焼入装置1は、円筒状又は円柱状のワーク15の外周面15aを高周波焼入する装置である。
各開口14は、長孔状に形成されている。図4に示す様に、各開口14は環状空間11に連通している。また、各開口14は、図3(b)に示す様に、鉛直線Vに対して角度θだけ傾斜している。各開口14の長さは同じであり、各開口14の上端14aから冷却ジャケット9の上面9aまでの距離は同じである。
開口14の上端14aと下端14bの鉛直方向の長さH(図3(b)、図4)は、ワーク15の焼入対称部位の高さ寸法h(図4)よりも長い。
図6(b)に示す様に、ワーク15に向けて噴射された冷却液25は、ワーク15の外周面15aに衝突し、主にワーク15の矢印Aで示す回転する向きの接線方向に飛沫25aとして飛散する。そして、冷却液25の一部がワーク15の外周面15aに付着する。
高周波焼入装置1では、領域SA、SB、SCの面積が極力小さくなり、領域Sa、Sb、Scが極力大きくなる様に、開口14の角度θ(傾斜角)、開口14の数又は間隔、及びワーク15の回転速度が設定されている。すなわち、冷却液到達部22a、22b、22cに到達した冷却液が、落下する時間が短くなるように開口14同士の間隔(開口14の数)、ワーク15の回転速度が設定されている。
焼入温度まで誘導加熱した2つのワーク15を、各々従来の冷却ジャケットと本発明の実施形態の高周波焼入装置の冷却ジャケットで冷却し、各ワーク15を破断して断面を観察した。
図9(a)は、従来の冷却ジャケットで冷却したワークの横断面図であり、図9(b)は、本発明の実施形態の高周波焼入装置1に設けた冷却ジャケット9で冷却したワークの横断面図である。すなわち、図9(a)、図9(b)は、焼入後のワーク15を破断した破断面を示している。
図9(a)に示す従来の冷却ジャケットで冷却したワークの横断面は、表面から比較的浅い領域のみマルテンサイト化(焼入れ)されて焼入部27が形成されている。
一方、図9(b)に示す本発明の実施形態の高周波焼入装置1の冷却ジャケット9で冷却したワークの横断面は、表面から比較的深い領域までマルテンサイト化(焼入れ)されて焼入部28が形成されている。
すなわち、図9(a)に示すワークは、急冷されて低下した温度幅が比較的小さく、ワークの表面付近のみ焼入れされたものと考えられる。
また、図9(b)に示すワークは、急冷されて低下した温度幅が比較的大きく、ワークの表面付近から比較的深い領域まで焼入れされたものと考えられる。
ワーク15は、直径が5cm、10cmの2種類を用意した。
図10は、直径5cmのワーク15を高周波焼入し、冷却時のワーク15の温度と経過時間の関係を示すグラフである。
グラフY1は、冷却ジャケット9の開口14の角度θ(傾斜角)、開口14の間隔Dを、それぞれ30度、(10π/12)cmに設定してワーク15を冷却した場合のグラフである。冷却ジャケット9は、内径(直径)が10cmのものを使用した。
一方、グラフY2は、従来の冷却ジャケットで誘導加熱されたワークを冷却した場合のグラフである。従来の冷却ジャケットは、冷却液が噴射される開口として、多数の丸孔がちどり状に配列されたものを使用した。ワーク15の回転速度は、本発明の実施形態及び従来技術のいずれの場合も30rpmとした。
各グラフにおいて、時刻t0においてワーク15の温度は、T0(焼入温度)を呈している。この状態でワーク15の冷却を開始する。
図10に示す様に、従来の冷却ジャケットでワーク15を冷却した場合は、時刻t0で冷却液の噴射が開始され、時刻t1に温度T1になるまでは、ワーク15の温度低下が急激に進んでいる。ところが、時刻t1を過ぎると、ワーク15の温度低下が緩やかになっている。すなわち、温度がT1になるまではワーク15の温度低下は急激であるが、T1からはなかなか低下しない。
一方、本発明の実施形態の高周波焼入装置1の冷却ジャケットでワーク15を冷却した場合は、時刻t1を過ぎ、時刻t2にワーク15の温度がT2になるまで温度低下が急激に進んでいる。そして、時刻t2を過ぎてからの温度低下は緩やかである。
ここで、従来の冷却ジャケットによるワーク15の温度低下を示すグラフY2において、ワーク15の温度がT2になるのは時刻tAである。すなわち、本発明の実施形態の高周波焼入装置の冷却ジャケットで冷却した場合の時刻t2から相当な時間(tA−t2)が経過しなければ、ワーク15の温度がT2まで低下しない。
また、直径が10cmのワーク15を焼入れした場合におけるワーク15の冷却の仕方を図11のグラフに示す。この場合においても、図10と同様の傾向が見られた。
ワークの直径(10cm)に合わせて、冷却ジャケット9は、内径(直径)が15cmのものを使用し、開口14の間隔を(15π/18)cmとした。
図11に示す様に、従来の冷却ジャケットでは、グラフY4で示す様に、時刻t3においてワーク15の温度がT3まで急激に下降した後、ワーク15の温度低下は緩やかになっている。また、本発明の実施形態の高周波焼入装置1の冷却ジャケット9で冷却した場合には、グラフY3で示す様に、時刻t3を過ぎ、時刻t4において温度T4に至るまでワーク15の温度低下が急激に進んでいる。時刻t4を過ぎると、ワーク15の温度低下は緩やかに進んでいる。
ここで、従来の冷却ジャケットによるワーク15の温度低下を示すグラフY4において、ワーク15の温度がT4になるのは時刻tBである。すなわち、本発明の実施形態の高周波焼入装置の冷却ジャケットで冷却した場合の時刻t4から相当な時間(tB−t4)が経過しなければ、ワーク15の温度がT4まで低下しない。
図10及び図11の結果から、従来の冷却ジャケットでは、ワーク15の表面(外周面15a)に液膜が形成されるまでの時間が短く、図10における時刻t1、及び図11における時刻t3までは、噴射供給された冷却液が直接ワーク15の外周面15aに到達していたが、時刻t1(図10)、及び時刻t3(図11)を経過した後は、ワーク15の外周面15aに形成された液膜の上から冷却液が噴射供給されていることがわかる。
同様に、本発明の実施形態の高周波焼入装置1の冷却ジャケットでワーク15を冷却した場合には、時刻t2(図10)、及び時刻t4(図11)に至るまで噴射された冷却液は、液膜が形成されていないワーク15の外周面15aに到達しており、時刻t2(図10)、及び時刻t4(図11)を過ぎると、液膜の上から冷却液が噴射供給されていることがわかる。
図10では、グラフY1、Y2は、時刻t0からt1に至るまでは同じ傾きを呈しているが、時刻t1以降で液膜上に冷却液を噴射するようになると、グラフY2はグラフY1から乖離し、傾斜が緩やかになっている。すなわち、ワーク15の温度低下が進みにくくなっている。
図11では、グラフY3、Y4は、時刻t0からt3に至るまでは同じ傾きを呈しているが、時刻t3以降で液膜上に冷却液を噴射するようになると、グラフY4はグラフY3から乖離し、傾斜が緩やかになっている。すなわち、ワーク15の温度低下が進みにくくなっている。
図10及び図11から、ワーク15に向けて噴射供給された冷却液が、ワーク15における液膜が形成されていない領域に到達し続ける時間が長いほどワーク15の温度低下が顕著であるのがわかる。
各開口14の間隔を、上記範囲よりも小さくした場合に冷却効果が低減する原因としては、図6(b)に示す比較的高温の飛沫25aが、各開口14から噴射された低温の冷却液25に合流し、温度が上昇した冷却液(冷却液25と飛沫25aの混合液)がワーク15の外周面15aに到達するからではないかと考えられる。
また、各開口14の間隔を、上記範囲よりも大きくした場合に冷却効果が低減する原因としては、開口14の数が少なくなるため、ワーク15の冷却が進みにくくなるためであると考えられる。
ワーク15の回転速度が上記範囲よりも速い場合には、図6(b)に示す飛沫25aが生じ易くなり、回転速度が上記範囲よりも遅い場合には、図5(c)に示す液膜高さX2が大きくなり、液膜で覆われる前に開口14から噴射された低温の冷却液がワーク15の外周面15aに到達して冷却することができる領域Sa、Sb、Scの面積が小さくなるためであると考えられる。
すなわち、高周波焼入装置1は、ワーク15の回転方向を切り換えるだけで、ワーク15の温度低下速度(冷却速度)を調整することができる。
2 誘導加熱装置
3 冷却装置
9 冷却ジャケット
13 冷却ジャケットの内周面
14 開口(放出列)
15 ワーク
15a ワークの外周面(ワーク表面)
19 モータ
21、24 放出列
Claims (4)
- ワークを誘導加熱する加熱工程と、加熱直後にワークに冷却液を噴射してワークを急冷する冷却工程を有する熱処理方法において、
前記冷却工程においては、ワークを立て姿勢に保持して回転し、その周囲から冷却液を放出するものであり、
ワークの回転方向の切り換えが可能であり、
前記冷却液は、回転するワークの周面に対して傾斜した放出列を形成して放出されることを特徴とする熱処理方法。 - 前記放出列から放出される冷却液が、ワークの周面上の軸芯と同方向にのびる直線の下側から上側へ順に到達する様にワークを回転させることを特徴とする請求項1に記載の熱処理方法。
- 冷却液は長孔から放出されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱処理方法。
- 冷却液は複数の開口から放出され、当該開口が傾斜状態で配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱処理方法。
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