JP6191999B2 - 連続相中に分散相が分散した組成物の製造方法およびその装置 - Google Patents

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Description

本発明は連続相中に分散相が分散した組成物の製造方法およびその装置に関する。
連続相中に分散相が分散した組成物として、連続相液体に分散相液体が分散したエマルションや、連続相液体に分散相気体が分散したマイクロバブル組成物が知られている。従来、エマルションは、連続相となるべき液体に分散相となるべき液体および界面活性剤などの乳化剤を添加して混合液とし、この混合液を機械的に撹拌して分散相を微細化することにより製造されてきた。
より効率良くエマルションを製造する技術として、例えば特許文献1〜3には油溶性液体および水溶性液体を多孔質膜に透過させる方法が開示されている。具体的に特許文献1は、小さな平均粒子径を有するエマルションを得るために、孔径の小さな多孔質膜を使用して、膜透過速度を遅くしてエマルションを製造することを開示する(段落0021)。実施例1として、平均孔径が2.7μmの多孔質膜を使用し、350cc/3140mm minの膜透過速度でエマルションを製造した例が開示されている。当該膜透過速度は、6m/mhと換算できる。
特許文献2には、平均孔径が5μmの多孔質膜を使用し、43.3ml/25cm secの膜透過速度で分散相含量が12.5質量%のエマルションを製造した例が開示されている(例12)。当該膜透過速度は、60m/mhと換算できる。
特許文献3には、平均孔径が5.3μm、有効面積3140mmの多孔質膜を使用し、油溶性液体および水溶性液体を、2 l/minの膜透過速度で通過させて分散相含量が40体積%のエマルションを製造した例が開示されている(実施例3)。当該膜透過速度は38m/mhと換算できる。
非特許文献1には、平均孔径が7.6〜20.3μmの多孔質膜を使用し、80〜240m/mhの膜透過速度で分散相濃度が1〜20体積%のエマルションを製造した例が開示されている(非特許文献1図8)。
特開平6−39259号公報 特開2003−1080号公報 特開2006−346565号公報
Journal of Membrane Science, 284, (2006), p373-383
特許文献2の方法は、平均孔径が5μmの多孔質膜を使用し、当該膜透過速度60m/mhでエマルションを製造する方法であるが、分散相含量が12.5質量%と低い。非特許文献1の方法は、平均孔径が7.6〜20.3μmの多孔質膜を使用し、80〜240m/mhの膜透過速度でエマルションを製造する方法であるが、分散相含量が1〜20体積%と低い。一方、特許文献3の方法は、平均孔径が5.3μmの多孔質膜を使用し、分散相含量が40質量%であるエマルションを製造する方法であるが、膜透過速度が38m/mhと低い。すなわち、従来の方法において比較的高い膜透過速度を達成するには、分散相含量を低くし、逆に比較的高い分散相含量を達成するには、膜透過速度を低くする必要があった。このように従来技術では、膜透過速度と分散相含量はトレードオフの関係にあると考えられてきた。このことは、小さな平均粒子径を有するエマルションを得るために、孔径の小さな多孔質膜を使用して膜透過速度を遅くしてエマルションを製造するとの特許文献1の記載からも明らかである。
エマルションのように連続相に分散相が分散している組成物に関して、分散粒子径の小さい組成物を高い生産性で製造することが望まれていたところ、従来の方法ではこの要望に応えることは困難であった。
上記事情を鑑み、本発明は、連続相に分散相が小さな粒径で分散している組成物を高い生産性で製造する方法を提供することを課題とする。
発明者らは、平均孔径がある値以上の多孔質膜を用い、かつ膜透過速度をある値以上にすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、上記課題は以下の本発明により解決される。
[1]連続相液体および分散相流体を、50m/mh以上の膜透過速度において同時に、平均孔径が5μm以上の多孔質膜に透過させる透過工程を含む、連続相中に20体積%超の分散相が分散した組成物の製造方法。
[2]連続相中に分散相が微分散した組成物であって、
分散相の濃度が、組成物全体の20体積%を超え95体積%以下であり、
式(1)で定義されるスパンが0.4〜0.6である、
スパン=(d90−d10)/d50 ・・・(1)
10:分散相粒子の積算分布10%における粒子径
90:分散相粒子の積算分布90%における粒子径
50:分散相粒子の積算分布50%における粒子径
前記組成物。
[3]円周面の一部または全部が多孔質膜で構成される円筒体であって、両端の断面に連続相中に分散相が微分散した組成物の排出口を有する円筒体、
前記円筒体の円周面の外側に設けられた、連続相液体および分散相流体を貯留するための貯留部、ならびに
前記貯留部から連続相液体および分散相流体を、円筒体内に同時に供給する供給手段、
を具備する、前記組成物の製造装置。
本発明により、連続相に分散相が小さな粒径で分散している組成物を高い生産性で製造できる。
本発明の製造装置の概要を示す図 本発明の製造方法の一態様を示す図 本発明の製造方法の一態様を示す図 本発明の製造方法の一態様を示す図 本発明の製造方法の一態様を示す図 膜透過速度と液滴径との関係を示す図 連続相液体と分散相液体の粘度と液滴径との関係を示す図 連続相液体と分散相液体の粘度と液滴径との関係を示す図
1.組成物の製造方法
本発明の製造方法は、連続相液体および分散相流体を、50m/mh以上の膜透過速度において同時に、平均孔径が5μm以上の多孔質膜に透過させる透過工程を含む。以下、詳しく説明する。本発明において「〜」は両端の値を含む。
(1)透過
透過とは、連続相液体および分散相流体を膜の一方の面から他方の面へ通過させることである。本発明においては、連続相液体および分散相流体を、50m/mh以上の膜透過速度において同時に多孔質膜に透過させる。同時にとは両方の液体を同じ時機に膜に供給して透過させることであり、意識的に一方を先に透過させ、他方を遅らせて透過させる態様を含まない。
同時に透過させる態様としては、連続相液体および分散相流体を予備乳化させてから多孔質膜に透過させる態様と、予備乳化させない態様とに大別できる。予備乳化とは平均粒子径1mm以下の分散相が連続相中に分散していることをいう。予備乳化しない場合は、連続相液体および分散相流体物をそれぞれのタンクから膜へ供給する際に、それぞれの流路を途中で合流させて混合物として多孔質膜へ供給することが好ましい。本発明においては予備乳化を必要としなくても所期の効果が奏されるが、この理由は以下のように考えられる。予備乳化せずに連続相液体と分散相流体とを膜に供給すると、直径1mm超の分散相粒子が多孔質膜表面に供給される。本発明では特定の速度でこれらの流体を膜に供給するので、連続相液体の十分に大きな流速により前記分散相粒子は細孔径に依存するラプラス圧以上の力を受ける。この結果、細孔中に分散相流体が浸入し、後述する機構により微粒化される。
本発明では、膜透過速度が50m/mh以上であることが必要である。膜透過速度は、単位面積当たり単位時間内に透過する混合流体の量として定義される。膜透過速度の好ましい下限としては60m/mh以上、200m/mh超、400m/mh超、800m/mh超、1600m/mh超が挙げられる。また、膜透過速度の好ましい上限としては、2000m/mh以下、1600m/mh以下、800m/mh以下、400m/mh以下が挙げられる。
透過工程は1回以上実施できるが、本発明においては膜透過速度が高いため、1回のみの実施でも、単分散の組成物を得ることができる。
(2)多孔質膜
多孔質膜とは多数の微小な貫通孔を有する膜をいう。このような膜として、ガラス製、セラミック製、ニッケル製等の公知の多孔質膜を使用してよい。本発明においてはガラス製の多孔質膜が好ましく、シラス多孔質ガラス製の多孔質膜(Shiras porous glass、以下「SPG膜」ともいう)がより好ましい。本発明で用いる多孔質膜の平均孔径は5μm以上である。平均孔径を5μm以上とすることで、多孔質膜を破損することなく高速で連続相液体および分散相流体を透過させることができる。本発明ではこれらの流体を高速で透過させるので平均孔径を5μm以上としても、分散相の平均粒子径がこれよりも小さい組成物を製造できる。多孔質膜の平均孔径は水銀圧入法(自動ポロシメータ使用)により測定できる。
多孔質膜の形状は特に限定されず、円盤、平板、または円筒体であってよい。しかしながら、高い膜透過速度に耐えうる円筒体が好ましい。円筒体とは内部が空洞の円筒状の部材をいう。本発明において円筒体は、円周面の一部または全部が多孔質膜で構成されることが好ましい。円周面の一部または全部が多孔質膜で構成されるとは、円周面の一部分が多孔質膜で構成されており、他の部分はこれ以外の材料で構成されていてもよいことを意味する。多孔質膜以外の材料で円筒体を構成することで、組成物の製造に有効に使用できる膜面積(以下「有効膜面積」ともいう)を調整できる。
本発明は、高速度で連続相液体および分散相流体(以下まとめて「原料液体」ともいう)を多孔質膜に透過させるので生産性が高いが、組成物が装置内に滞留すると内部での圧力が高まり装置を破損する恐れや、あるいは組成物に過度の圧力がかかることで分散相粒子が再結合したりするなどして粒径の制御が困難となる恐れがある。このため、製造時に組成物が装置内に滞留することを避けることが好ましい。
組成物の滞留を抑制するには、原料液体の膜透過速度に見合うように排出能力を高めることが重要である。本発明においては、原料液体による圧力が多孔質膜に均一にかかるようにするため、多孔質膜部分を含む円筒体の円周面から原料液体を膜内に導入し、円筒体の両端から組成物を排出することが好ましいが、この際、円筒体の有効膜面積および内径を最適化して高い排出能力を達成することがさらに好ましい。具体的に、有効膜面積を構成する貯留部に面する多孔質膜部分の軸方向の長さ(以下「有効膜長さ」という)をLとし、円筒体の両端の内径すなわち排出口の内径をdとするとき、L/dと、膜透過速度Fとが以下の関係を満たすことが好ましい。
1)50m/mh≦F≦200m/mhのとき、2≦L/d≦45
2)200m/mh<F≦400m/mhのとき、2≦L/d≦23
3)400m/mh<F≦800m/mhのとき、1≦L/d≦12
4)800m/mh<F≦1600m/mhのとき、1≦L/d≦6
5)1600m/mh<F≦2000m/mhのとき、1≦L/d≦4.4
L/dの上限値は、排出口での平均線速度により決定される。発明者らの検討によれば、当該平均線速度が5m/sec以下であれば、前記不具合は生じないと考えられる。平均線速度を5m/sec以下とする場合のL/dと膜透過速度Fとの関係について、1)の膜透過速度が200m/mhであるときを例にして説明する。
この場合、膜内部への導入量は200(m/mh)×dπL(mm)である。一方、両端の合計断面積は2×(d/2)π(mm)である。平均線速度は、膜内部への導入量を両端の合計断面積で除することで求められる。よって、平均線速度は、
200(m/mh)×dπL(mm)÷2×(d/2)π(mm
=400L/d(m/h)
=(1/9)L/d(m/sec)となる。
この値が5m/sec以下となるのであるから
(1/9)L/d(m/sec)≦5m/secとの関係が成立し、
L/d≦45となる。
一方、L/dの下限値は生産効率によって決定される。すなわち、1)および2)のように膜透過速度が400m/mh以下である比較的低速の場合は、L/dが2よりも小さくなると有効膜面積も小さくなるので生産効率が低下する。よって、L/dは2以上であることが好ましい。また3)〜5)のように膜透過速度が400m/mh超である比較的高速の場合は、L/dは1以上であれば十分な生産効率が確保できる。
円筒体の寸法は、上記範囲を満足すればよいが、入手容易性等を考慮すると、内径が5〜100mmであることが好ましい。
原料液体を透過させる手段としては、公知の物を使用できる。例えば脈流の発生が少ないポンプが好ましい。
(3)連続相液体
連続相液体とは連続相となるべき液体をいう。本発明では水系液体および油系液体等の公知の連続相液体を用いることができる。水系液体とは水を主成分とする液体である。油系液体とは有機化合物を主成分とする液体である。連続相液体と分散相流体の相溶性が高いと本発明の組成物が得られないため、連続相液体は用いる分散相流体との相溶性を考慮して選択される。
連続相液体は多孔質膜に供される際に液体であればよい。従って、例えば室温では固体であるが、加熱することにより液体となる物質も連続相液体として用いることができる。あるいは、室温で液体であるが、時間の経過とともに固体化する過冷却状態にある液体も使用することができる。作業性を考慮すると、本工程は室温(20〜30℃)で行われることが好ましいため、連続相液体は、室温で液体であることが好ましい。このような液体としては無機物質および有機物質があり、無機物質の例には水、有機物質の例には、各種食用油、石油系燃料油、炭素原子の数が約20以下の鎖状炭化水素、および炭素原子の数が約20以下の芳香族炭化水素等が含まれる。
連続相液体は界面活性剤、電解質、粘度調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、公知のものを用いてよいが、陰イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤は陽電荷を含まないため、ガラス製の多孔質膜を用いた場合にシラノール基に起因する陰イオンと静電的に引き合わず、界面活性剤としての活性が低下しないという利点を有する。陰イオン性界面活性剤の例には、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩等が含まれる。陰イオン性界面活性剤はイオン性であるため、例えば後述するようにポリマー微粒子を製造する場合、洗浄により容易に除去できるという利点がある。すなわちビーズを作った後洗い出し易い。非イオン性界面活性剤の例には、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが含まれる。界面活性剤の添加量は、通常使用される量としてよいが、連続相液体中、0.01〜5質量%が好ましく0.02〜2質量%がより好ましい。特に陰イオン性界面活性剤の添加量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましい。
電解質の例には、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムが含まれる。連続相液体に電解質を添加すると、多孔質膜表面において電気二重層の形成が促進され分散相流体による多孔質膜の濡れを防ぐことができる。その結果、界面活性剤の活性が向上し、次工程で生成される分散相粒子を小さくできる。電解質の添加量は、連続相液体中0.5〜5.0質量%が好ましい。
粘度調整剤としては、公知のものを用いてよいが、その好ましい例には、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ペクチンおよびゼラチン等の親水性高分子化合物が含まれる。
(4)分散相流体
分散相流体とは分散相になるべき流体であり、その例には、水系液体、油系液体および気体が含まれる。水系液体は連続相液体で述べたとおりである。分散相流体として水系液体を用いると、本発明の組成物としてW/O型のエマルションが得られる。ただし、多孔質膜中で分散相を連続相中に微分散させるには、多孔質膜が分散相流体で濡れるのを避ける必要がある。この理由から、水系液体を分散相とする場合には疎水性多孔質膜が好適であり、油系液体あるいは気体を分散相とする場合には親水性多孔質膜の使用が好ましい。また、分散相流体が液体の場合、前述の界面活性剤を含んでいてもよい。
油系液体とは既に述べたとおり有機化合物を主成分とする液体である。油系液体を用いると本発明の組成物としてO/W型のエマルションが得られる。油系液体としては食用油、脂肪酸エステルが好ましいが、用途によって油系液体は適宜選択できる。例えば、ラウリン酸メチル等の脂肪酸エステルを分散相とするエマルションは、化粧品添加物、食品添加物または塗料添加剤等として有用である。
また、油系液体が重合性モノマーを含むと、重合性モノマーを含む分散相粒子が低多分散度で微分散したエマルションが得られる。このエマルションは懸濁重合の原料とすることができる。重合性モノマーとは重合性官能基を有する化合物であるが、本発明においては、ラジカル発生剤の存在下、加熱することにより容易に重合を進行できるラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーが好ましい。その他、油系液体は、有機系染料、および有機系顔料、無機系染料、無機系顔料等の公知の着色剤を含んでいてもよい。この着色剤は、ナノメートルサイズの分散微粒子であることが好ましい。ラジカル発生剤としては、ADVN、過酸化ベンゾイルが好ましいが、用途によって適宜選択できる。
重合性モノマーを分散相として含む本発明のエマルションは低多分散度のポリマー粒子、すなわち単分散のポリマー微粒子を与える。このようなポリマー粒子は、液晶ディスプレーのスペーサー、液体クロマトグラフ分離カラム用充填剤、化粧品の原料、トナーの原料として有用である。中でも、重合性モノマーを分散相として含む本発明の組成物は、印刷の解像度を上げるために多分散度が非常に低いポリマー粒子が求められているトナーの分野に好適である。特に、本発明では多孔質膜の平均孔径よりも小さな平均粒子径を有する分散相が分散した組成物を得ることができるので、例えば顔料等により孔が閉塞しない程度に比較的孔径の大きい多孔質膜を使用しても、平均粒子径の小さなポリマー粒子が分散した組成物を得ることが可能である。よって、トナーとして特に有用な組成物を得ることができる。
分散相流体が気体の場合は、本発明の組成物として連続相中に微小な気泡が分散したマイクロバブル組成物が得られる。この場合、連続相は水系液体または油系液体であってよい。気体の例には、空気、酸素、窒素、希ガス、二酸化炭素およびオゾンが含まれる。気体として空気あるいは窒素を用いると含気食品の製造に有用なホイップ組成物が得られる。気体として二酸化炭素を用いると、炭酸飲料の製造に有用なマイクロバブル組成物が得られる。また、連続相としての水にオゾンを含む気体を微分散させることは、オゾン水の製造に好適であり、水の殺菌手段として好適である。さらに、この水を用いた洗浄、殺菌も重要な利用方法となる。
(5)比率
連続相液体と分散相流体の供給比率は、分散相含量が20体積%超となるように調整される。分散相含量は組成物全体に対する分散相の体積分率で定義される。分散相含量の下限は40体積%以上、50体積%以上、または60体積%以上が好ましい。分散相含量の上限は、95体積%以下または80体積%以下が好ましい。
(6)複合組成物の製造
本発明により得た一次組成物を分散相流体として用いると、当該一次組成物が、第二の連続相に分散した複合組成物を製造できる。具体的には、
前記透過工程において、第一連続相液体aおよび第一分散相流体bを、50m/mh以上の膜透過速度において同時に、平均孔径が5μm以上の多孔質膜に透過させて、20体積%超の分散相が分散した第一次組成物(b/a)を調製する工程、ならびに
第一次組成物(b/a)および第二連続相液体cを、50m/mh以上の膜透過速度において同時に、平均孔径が5μm以上の多孔質膜に透過させて、20体積%超の第一次組成物(b/a)を第二分散相として分散させる工程、
を含む方法により、b/a/c組成物を得ることができる。
(7)機序
本発明の効果が奏される機序は限定されないが、次のように考えられる。簡略にするため分散相流体が分散相液体であるとして説明する。
本発明で使用する多孔質膜は、細孔断面積の均一性が高い屈曲した細孔からなり、かつ当該細孔は分岐と合流を繰り返して三次元的に連通している。このような多孔質膜に連続相液体と分散相液体を同時に透過させると分散相液体の分割が起こる。この分割は均一性の高い微細な空間内で起こることから、液滴の大きさは細孔の大きさに対応し、多分散度が低い乳化物が得られる。この現象を膜中乳化という。膜中乳化において、液滴(液糸)のせん断は専ら微細流路の合流点で起こると考えられる。すなわち、細孔Aと細孔BがC点で合流するとき、連続相液体は細孔壁と親和性が高いために細孔壁を濡らしながら流れ、分散相液体は細孔壁と親和性が低いために細孔壁を濡らさずに、細孔表面を覆っている連続相となる液体に包まれた状態で流れる。このとき、細く伸びた分散相液体(「分散相液糸」ともいう)は連続相液体と界面活性剤を介して接触している。
そして、分散相液糸が細孔Aと細孔Bの両方から合流点Cに流入すると、分散相液糸Aと分散相液糸Bは表面を覆っている界面活性剤分子を排除して一本の連続する液糸とはならず、界面活性剤分子を表面に保持したまま、液糸Bによる液糸Aのせん断と、液糸Aによる液糸Bのせん断が交互に起こる。その結果、合流点Cの下流では液糸Aの断片と液糸Bの断片が交互に配列した分断液糸Dが形成される。この結果、粒子径が小さく、多分散度が低く、かつ分散相含量の高い前記組成物が得られると考えられる。
2.組成物
(1)分散相の粒子径
本発明の組成物は、連続相液体に水系液体、分散相流体に油系液体を用いた場合はO/Wエマルション、連続相液体に油系液体、分散相流体に水系液体を用いた場合はW/Oエマルション、連続相液体に油系液体または水系液体、分散相流体に気体を用いた場合はマイクロバブル組成物となる。
分散相粒子の粒子径はレーザー回折散乱法により求められ、粒子積算量が50%となる値の粒子径(d50)で定義される平均粒子径は1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。
以下の式(1)で定義されるスパン(多分散度)は、0.6以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。スパンは小さいほど好ましいが、下限値は0.4以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。本発明においてはスパンが0.3〜0.6であることを単分散であるという。
スパン=(d90−d10)/d50 ・・・(1)
10:分散相粒子の積算分布10%における粒子径
90:分散相粒子の積算分布90%における粒子径
50:分散相粒子の積算分布50%における粒子径
(2)分散相含量
本発明の組成物は、分散相含量が20体積%超である。分散相含量は組成物に対する体積%で定義され、例えば連続相液体の比重と分散相流体の比重ならびに調製組成物の比重から算出することができる。分散相含量が20体積%超であると、分散相を高濃度で含む組成物となるので、マスターバッチ用組成物として好適である。分散相含量の好ましい下限および上限は、前述のとおりである。
(3)用途
本発明のO/WおよびW/Oエマルション組成物は、前述のとおり、食品添加物、塗料添加物、液晶ディスプレーのスペーサー、液体クロマトグラフ分離カラム用充填剤、化粧品の原料またはトナー用原料等として有用である。また、本発明のマイクロバブル組成物は、前述のとおり、ホイップ組成物、炭酸飲料、またはオゾン水の製造に有用である。
(4)複合組成物
前述のとおり、本発明の製造方法を複数回実施すると、(b/a)がc中に分散した複合組成物を得ることができる。この場合、最終分散相である(b/a)の平均粒子径およびスパンが前述の範囲にあることが好ましい。
3.装置
本発明の製造方法を実施するための好ましい装置は、
円周面の一部または全部が多孔質膜で構成され、両端の断面に連続相中に分散相が微分散した組成物の排出口を有する円筒体、
前記円筒体の円周面の外側に設けられた、連続相液体および分散相流体を貯留するための貯留部、ならびに
前記貯留部から連続相液体および分散相流体を、円筒体内に同時に供給する供給手段、
を具備する製造装置、である。
製造装置の好ましい態様を図1に示す。図1Aは当該装置の斜視図であり、図1Bは当該装置の断面図である。図1中、1は製造装置、10は円筒体、12は多孔質膜部、20は貯留部、22は導入口、30は排出口、40は外周部材、42は排出導入口、50はシールである。図1中、供給手段60の図示は省略してある。また、図1A中、多孔質膜部12およびシール50の図示は省略してある。
(1)円筒体10
円筒体10およびこれを構成する多孔質膜は既に述べたとおりである。多孔質膜部12は連続相液体および分散相流体(原料液体)を透過する部分である。これ以外の部分は、他の部材で構成されていてもよいし、多孔質膜の内壁面または外壁をコーティングして、原料液体が円筒体外へ漏れないようにしてもよい。また、外周部材40との接触部にはシール50を配置して、液漏れを防ぐことが好ましい。シール50としてオーリング等の公知のシール材を使用できる。外周部材40とは、円筒体の周りに配置される部材であり、その材質はステンレス等の金属、セラミック、またはプラスチックであることが好ましい。
図1において、シール50間の膜部分が多孔質膜部12であり、この間の長さが膜有効長さLである。
(2)貯留部20
貯留部とは原料液体を溜めておく空間である。図1に示すように、貯留部20は、多孔質膜部12の外周面に設けられることが好ましい。貯留部20の大きさは限定されないが、半径方向の高さ(以下「貯留部の厚み」ともいう)は、円筒体10の内径dの10〜50%であることが好ましい。
(3)導入部22
原料液体を導入するための導入部22は、図1のように外周部材40を開口することによって設けることが好ましい。設けられる導入部22の断面形状は、限定されないが円であることが好ましく、その断面積は所望の膜透過速度を達成できるように設定される。また、導入部22は、1以上設けられてもよく、円筒体の外周部分に放射状に設けることもできる。導入部の断面積の合計は、膜有効面積の0.2〜20%であることが好ましい。導入部22は、円筒体10の長手方向においていずれの位置に設けてもよいが、中央部に設けることが好ましい。
(4)排出口30
円筒体10の両端を排出口30とすることが好ましい。前述のとおり、本発明の装置は排出能力が高い必要がある。図1中、供給手段は省略してあるが、供給手段における、前述の膜透過速度Fを達成できる能力すなわち膜透過速度能力VとL/dには、前述のとおり次の関係が成立することが好ましい。
50m/mh≦V≦200m/mhのとき、2≦L/d≦45
200m/mh<V≦400m/mhのとき、2≦L/d≦23
400m/mh<V≦800m/mhのとき、1≦L/d≦12
800m/mh<V≦1600m/mhのとき、1≦L/d≦6
1600m/mh<V≦2000m/mhのとき、1≦L/d≦4.4
[実施例1]
<製造装置の準備>
SPGテクノ社製の親水性のSPG膜(外径10mm)からなる円筒体10を準備し、その周りに外径が50mmのステンレス製の外周部材40を図1に示すように、円筒体10の両端部近傍にシール50(オーリング)を介して配置した。本例では、前記円筒体10の両端部近傍に配されたシール50に挟まれ、かつ貯留部20と面して多孔質膜として機能する部分の長さ(有効膜長さL)は10mmとなる。
外周部材40の長手方向の中間部に、流体を導入するための、内径が5mmの導入口22を二箇所設けた。導入口22は円筒体10と外周部材40の間に設けられた貯留部20につながっている。貯留部20の半径方向の長さ(貯留部の厚さ)は2mmであった。
円筒体10の両端は排出口30であり、外周部材40には排出口30に接続されている排出導入口42を設けた。
このようにして製造装置1を準備した。
<組成物の製造>
連続相液体として水に1.0質量%の量の非イオン性界面活性剤Tween20(ナカライテスク社製)を溶解した水溶液、分散相液体として流動パラフィン(ナカライテスク社製)を準備した。図2に示すように供給手段60として1台のポンプ(日本精密科学株式会社製 NP−GXL 400)を用い、連続相液体タンク70および分散相液体タンク80からそれぞれ200ml/minの流量で各液体を吸引し、それらを合流させた後、プランジャーポンプの吸い込み側の逆止弁を介して一定の容量になるまでポンプに吸入した。その後、両方の液体を吐出側の逆止弁を介して配管中に吐出し、直ちに製造装置1の導入口22から、円筒体10の多孔質膜部12に供給した。まずは、平均孔径5μmの多孔質膜を用いて組成物を製造し、次に、多孔質膜を平均孔径が10、20μmの膜に代えて組成物を製造した。膜通透過速度は何れも80m/mhとした。
この結果を表1に示す。孔径5μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径4.2μm、単分散係数(スパン)0.48の水中油滴型エマルションを得た。孔径10μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径9.0μm、スパン0.47の水中油滴型エマルションを得た。孔径20μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径19.8μm、スパン0.52の水中油滴型エマルションを得た。エマルションの液滴径分布は島津製作所製粒度分布測定装置(SALD−200V)を使用して測定した。
分散相含量は、いずれも50体積%であった。
本実施例で使用したポンプは無脈流タイプのダブルプランジャーポンプである。プランジャーポンプは吸引および吐出工程において、送液に及ぼすせん断力は小さく、吐出液中の油滴の微細化等が生じた形跡は見当たらなかった。ポンプから排出された混合液の平均液滴径は43μm、スパンは0.52であった。このような粗い乳化は、プランジャーポンプの吸引口と吐出口に装着されている逆流防止弁を通過するときに起こることがわかった。従って、当該ポンプは予備乳化装置として優れていることが明らかとなった。
[実施例2]
実施例1と同じ、連続相液体および分散相液体を準備した。図3に示すように供給手段60として2台のポンプ(日本精密科学株式会社製 NP−GXL 400)を用い、連続相液体タンク70および分散相液体タンク80から、別々に液体を吸引した。連続相液体(水溶液)の送液量は300ml/min、分散相液体(流動パラフィン)の送液量は100ml/minとした。各液体を内径5mmのT字型継手を用いて合流させ、混合流を実施例1と同様にして、製造装置1の多孔質膜部12に供給した。実施例1と同様に、平均孔径が5、10、20μmの多孔質膜を用いて組成物を製造した。膜通過速度は何れも80m/mhとした。
この結果を表1に示す。孔径5μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径4.2μm、スパン0.51の水中油滴型エマルションを得た。孔径10μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径10.8μm、スパン0.53の水中油滴型エマルションを得た。孔径20μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径20μm、スパン0.50の水中油滴型エマルションを得た。分散相含量は、いずれも25体積%であった。
本実施例において、多孔質膜に供給される分散相液滴の直径は約5mmであることが、目視により確認された。以上のように、実施例2において実施例1と同等の乳化物が調製できたことから、膜中乳化には予備乳化は必須でないことが判明した。
[実施例3]
連続相液体として0.5質量%Tween20水溶液200ml、分散相液体として低粘性流動パラフィン(ナカライテスク社製)200mlを準備した。これらを、アズワン株式会社製のHOMOGENIZER AHG−1600を用いて5000rpmで30秒間撹拌して予備乳化を行った。この予備乳化物の平均液滴径は、43μmであった。図4に示すように、この予備乳化物を予備乳化物タンク90に入れ、供給手段60として加圧送液ポンプ(日本精密科学株式会社製 NP−GXL 400)を用いて、400ml/minで多孔質膜に供給した。実施例1と同じ多孔質膜を使用した。膜透過速度はいずれも80m/mhとした。
この結果を表1に示す。孔径5μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径4.2μm、スパン0.43の水中油滴型エマルションを得た。孔径10μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径9.0μm、スパン0.45の水中油滴型エマルションを得た。孔径20μmのSPG膜を使用したとき、平均液滴径19.6μm、スパン0.48の水中油滴型エマルションを得た。分散相含量は、いずれも50体積%であった。
以上、実施例1〜3の結果には有意な相違点は認められなかったことから、多孔質膜中乳化には予備乳化の必要がないことを確認した。
[実施例4]
単分散エマルションが製造可能な最大の膜透過速度を明らかにするために、連続相液体として1.0質量%Tween20水溶液、分散相液体として低粘性流動パラフィンを準備した。実施例1と同様に図2に示す方法で組成物を製造した。ただし、多孔質膜として平均孔径10μmの親水性SPG膜を使用し、かつ、多孔質膜部12の全面を、一部が開孔された非透過性フィルムで覆い、膜の有効面積を調整した。具体的には、直径4mmの孔をあけた非透過性フィルム(PTFEシールテープ、ニチアス株式会社)で覆い、膜の有効面積を0.125cmとした。加圧送液ポンプ60の出力を調整して膜透過速度20から1910m/mhとした。本実施例で調製されたエマルションの分散相含量は50体積%であった。結果を表2に示す。
また、連続相液体として1.0質量%Tween20水溶液の代わりに、イオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク社製)の1.0質量%水溶液を用いて組成物を製造した。その結果を表3に示す。
図6は、膜透過速度の対数値に対して生成した平均液滴径をプロットしたグラフである。図より、多孔質膜中乳化により製造される平均液滴径は、膜透過速度の対数値に対して直線的に減少することが明らかとなった。すなわち、連続相液体として1.0質量%Tween20水溶液を、多孔質膜として平均孔径が10μmの膜を用いた場合、膜透過速度が20m/mhのとき平均液滴径は15μm(細孔径比1.5)、50m/mhのとき10.4μm(細孔径比1.04)、1430m/mhのとき5.6μm(細孔径比0.56)であった。細孔径比が0.5以下になると多分散となる傾向が見られた。また、イオン性の界面活性剤を使用すると平均液滴径が小さくなることも明らかとなった。
特許文献3(特開2006−346565号公報)には、平均孔径が5.3μmのSPG膜を使用し、連続相液体として0.5質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、分散相液体として灯油を使用して、反復膜透過法により膜中乳化を行った結果が開示されている(特許文献3実施例)。その結果として、1回膜透過後の液滴径は4.360μm、20回膜透過後は3.705μm、50回膜透過後は3.036μmと膜透過回数とともに平均液滴径が減少することが報告されている。これに対して、本発明では膜透過速度を上げることにより一回の膜透過によって、特許文献3を上回る液滴の微細化が可能であることが明らかである。
[実施例5]
連続相液体の粘度の影響を検討した。連続相液体として、0.5%Tween20水溶液にカルボキシメチルセルロース(CMC)(ナカライテスク社製)を添加して粘度を1、55、85mPa・sに調整したものを用いた。分散相液体は、低粘性流動パラフィン(17mPa・s)を使用した。粘度は、SEKONIC社製のVISCOMATE model VM−10Aを用いて、21℃にて測定した。連続相液体と分散相液体を、図3に示す方法で製造装置1に供した。本例では、分散相含量を25体積%とした。多孔質膜として、平均孔径20μmの親水性SPG膜(外径10mm×有効膜長さ10mm)を使用した。膜透過速度は80m/mhとした。本例では、膜透過回数を1回から4回まで反復して行い、平均液滴径に及ぼす連続相の粘度の影響を明らかにした。
結果を図7示す。連続相液体の粘度が1mPa・s(カルボキシセルロース無添加)の場合、1回膜透過したときの平均液滴径は24.6μmであった。4回の膜透過により平均液滴径は17.4μmまで減少した。連続相液体の粘度が55mPa・sでは、1回の膜透過により平均液滴径は12.4μm、4回膜透過後には8.0μmと多孔質膜の平均孔径20μmの半分以下となった。それ以上の連続相の粘度増加は生成する液滴径にほとんど影響を及ぼさなかった。なお、本例で得られたエマルションはすべて単分散であった。
以上のように、生成する液滴の細孔径比を小さくするためには、連続相となる液体の粘度を高くすることが効果的であることが明らかとなった。
[実施例6]
連続相液体および分散相液体の粘度の影響を検討した。連続相液体として、実施例5と同様に0.5質量%Tween20水溶液に粘度を調製するためにカルボキシメチルセルロース(CMC)を添加したもの(1、55、85mPa・s)を用いた。分散相液体として高粘性流動パラフィン(250mPa・s)(ナカライテスク社製)を使用した。連続相液体と分散相液体を、図3に示す方法で製造装置1に供給した。本例で調製されたエマルションの分散相含量は25体積%であった。多孔質膜は実施例5と同じものを使用した。膜透過速度は80m/mhとした。本例では、膜透過回数を1回から4回まで反復して行い、平均液滴径に及ぼす分散相の粘度の影響を明らかにした。
図8に結果を示す。分散相液体の粘度が250mPa・s、連続相液体の粘度が1mPa・sのとき、平均液滴径は22μmから17.5μmまで膜透過回数とともに減少した。連続相の粘度が55mPa・sのとき、生成する平均液滴径は17μmから11μmに大きく減少した。連続相粘度が1および55mPa・sのときは、すべて単分散エマルションが生成した。連続相粘度85mPa・sのときは、大幅な液滴径の減少が認められたが、本条件においてはスパンが1以上となり多分散化することが判明した。
図7と図8を比較すると、生成する液滴径は連続相の粘度に大きく影響を受けるが、分散相の粘度にはほとんど影響を受けないことが明らかとなった。
[実施例7]複合エマルションの生成
W/O/W型の複合エマルションを製造した。図5に示すように、まず内水相となる第一分散相液体として脱イオン水、油相となる第一連続相液体として低粘性流動パラフィンに非イオン性界面活性剤Span80(ナカライテスク社製)を2質量%添加したものを準備した。これを膜透過速度90m/mhで製造装置1(多孔質膜として、平均孔径5ミクロンの疎水性SPG膜、外径10mm×有効膜長さ10mmを使用)に供して油中水滴型の一次乳化物を得た。この乳化物の内水相と油相の体積比は1:1であり、平均液滴径4.4μm、スパン0.47であった。
次に、外水相となる第二連続相液体として、1質量%Tween20水溶液を準備し、これを供給手段60(ポンプ(日本精密科学株式会社製 NP−GXL 400))で送液し、配管中で前記油中水滴型エマルションと合流させ、製造装置1’(多孔質膜として平均孔径20ミクロンの親水性SPG膜、外径10mm×有効膜長さ10mmを使用)に膜透過速度180m/mhで供給し、W/O/W型複合エマルションを得た。
当該エマルションの平均液滴径は10.4μm、スパンは0.5であった。以上のように、予備乳化を必要としない多孔質膜中乳化を導入することにより、50体積%の単分散W/O/Wエマルションを一連の連続した工程で製造することができた。本発明によると、一次乳化物と外水相となる液体を予備乳化する必要がないので、内水相液滴の破壊は起こらず、有効成分の内包率が非常に高い複合エマルションの製造が可能となる。
この複合エマルションについて、製造後数日間は油滴内に複数の内水相液滴が観察されたが、約10日間を経過するとこれら内水相液滴は合一して単一の水滴となった。すなわち、単一の液滴を内包する複合エマルションが形成できたことを明らかにした。
1 製造装置
1’ 製造装置
10 円筒体
12 多孔質膜部
20 貯留部
22 導入口
30 排出口
40 外周部材
42 排出導入口
50 シール
60 供給手段
70 連続相液体タンク
72 連続相液体タンク
80 分散相液体タンク
90 予備乳化物タンク
L 膜有効長さ

Claims (9)

  1. 円周面の一部または全部が平均孔径が5μm以上の多孔質膜で構成され、両端の断面に連続相中に分散相が微分散した組成物の排出口を有する円筒体、
    前記円筒体の円周面の外側に設けられた、連続相液体および分散相流体を貯留するための貯留部、ならびに
    前記貯留部から連続相液体および分散相流体を、円筒体内に同時に供給する供給手段、
    を具備する製造装置を用い、
    連続相液体および分散相流体を、50m/mh以上の膜透過速度において同時に、前記多孔質膜に透過させる透過工程を含む、連続相中に20体積%超の分散相が分散した組成物の製造方法。
  2. 前記組成物における分散相の平均粒子径が、多孔質膜の平均孔径より小さい、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記組成物における分散相の、式(1)で定義されるスパンが0.4〜0.6である、
    スパン=(d90−d10)/d50 ・・・(1)
    10:分散相粒子の積算分布10%における粒子径
    90:分散相粒子の積算分布90%における粒子径
    50:分散相粒子の積算分布50%における粒子径
    請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記透過工程を1回のみ実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記膜透過速度が60〜2000m/mhである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 多孔質膜部分の軸方向の長さを有効膜長さLとし、前記排出口の内径をdとするとき、L/dと前記膜透過速度Fが以下の関係を満たす、
    50m/mh≦F≦200m/mhのとき、2≦L/d≦45
    200m/mh<F≦400m/mhのとき、2≦L/d≦23
    400m/mh<F≦800m/mhのとき、1≦L/d≦12
    800m/mh<F≦1600m/mhのとき、1≦L/d≦6
    1600m/mh<F≦2000m/mhのとき、1≦L/d≦4.4
    請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 連続相に界面活性剤として陰イオン性界面活性剤を0.1〜5質量%含む請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 円周面の一部または全部が多孔質膜で構成される円筒体であって、両端の断面に連続相中に分散相が微分散した組成物の排出口を有する円筒体、
    前記円筒体の円周面の外側に設けられた、連続相液体および分散相流体を貯留するための貯留部、ならびに
    前記貯留部から連続相液体および分散相流体を、円筒体内に同時に供給する供給手段、
    を具備する、前記組成物の製造装置。
  9. 前記円筒体における、多孔質膜部分の軸方向の長さを有効膜長さLとし、前記排出口の内径をdとするとき、
    L/dと、前記供給手段の膜透過速度能力Vとが、以下の組合せから選択される、
    50m/mh≦V≦200m/mhのとき、2≦L/d≦45
    200m/mh<V≦400m/mhのとき、2≦L/d≦23
    400m/mh<V≦800m/mhのとき、1≦L/d≦12
    800m/mh<V≦1600m/mhのとき、1≦L/d≦6
    1600m/mh<V≦2000m/mhのとき、1≦L/d≦4.4
    請求項に記載の製造装置。
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