JP6191285B2 - 赤外線反射屈折光学系 - Google Patents

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本発明は、赤外線反射屈折光学系に関する。
赤外線用の屈折光学系には、温度変動に極端に弱いという欠点がある。その理由として、屈折率の温度依存係数dn/dTが、通常の光学ガラスでは10−6−1のオーダーであることに対し、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)といった赤外線用の屈折材では10−4−1のオーダーであることが挙げられる。このことにより、わずかな温度変動が生じた場合でも、光学系全体の屈折率を大幅に変動させてしまい、光学性能を劣化させてしまう。
そこで、こうした問題を解決するために、3種類の屈折材を用いた赤外線光学系(特許文献1参照)や、非球面と回折光学素子とを用いた赤外線光学系(特許文献2参照)などが提案されている。
特許第2509396号公報 特開2012−103461号公報
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2に記載の赤外線光学系では、両方とも開口整合を取る構成となっていないため、ノイズの多い光学系となってしまう。
本発明の第1の態様による赤外線反射屈折光学系は、物体側より順に、全体として正の屈折力を有し、第1中間像を形成するための屈折型の第1結像光学系と、第1中間像の形成位置の近傍に配置され、第1結像光学系からの光束を折り曲げるための第1光路折り曲げ鏡と、凹面反射鏡と少なくとも1つの負レンズとを有し、第1中間像からの光束に基づいて第1中間像とほぼ等倍の第2中間像を第1中間像の形成位置の近傍に形成するための第2結像光学系と、第2中間像の形成位置の近傍に配置され、第2結像光学系からの光束を折り曲げるための第2光路折り曲げ鏡と、第2中間像からの光束に基づいて、結像面に最終像を形成するための屈折型の第3結像光学系と、から構成され、第3結像光学系のとるリレー結像倍率の絶対値をβとしたとき、次式2.0<β<3.3を満足する。
本発明によれば、開口整合を取る構成を可能としながら、温度変動に強い赤外線反射屈折光学系を提供することができる。
第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系の斜視図である。 第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系のyz平面断面図である。 第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系のxz平面断面図である。 第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系の第3結像光学系の拡大図である。 第1実施例および第2実施例における1次元ラインセンサの受光面を示す図である。 環境温度が20℃の状態において、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系の集光性能を表す横収差図である。 環境温度が40℃の状態において、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系の集光性能を表す横収差図である。 第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系の斜視図である。 第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系のyz平面断面図である。 第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系のxz平面断面図である。 第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系の第3結像光学系の拡大図である。 環境温度が20℃の状態において、第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系の集光性能を表す横収差図である。 環境温度が40℃の状態において、第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系の集光性能を表す横収差図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための一実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態による赤外線反射屈折光学系1の斜視図である。図2は、赤外線反射屈折光学系1のyz平面断面図である。図3は、赤外線反射屈折光学系1のxz平面断面図である。ここで、z軸は、光軸AX1に平行な方向の座標軸とする。y軸は、光軸AX2に平行な方向の座標軸とする。なお、光軸AX2は、光軸AX1に対して垂直である。x軸は、y軸およびz軸に対して垂直な座標軸とする。また、z軸の正方向は、図2および図3における右方向とする。y軸の正方向は、図2における上方向とする。x軸の正方向は、図3における下方向とする。
本実施形態による赤外線反射屈折光学系1は、物体からの赤外線を集光し、結像面I上に物体の像を形成する光学系である。赤外線反射屈折光学系1は、物体側から順に、第1結像光学系G1と、第1光路折り曲げ鏡FM1と、第2結像光学系G2と、第2光路折り曲げ鏡FM2と、第3結像光学系G3と、を備える。第1結像光学系G1および第3結像光学系G3は、光軸AX1に沿って配置される。第2結像光学系G2は、光軸AX2に沿って配置される。
第1結像光学系G1は、屈折型の結像光学系であり、全体として正の屈折力を有し、物体からの光束(赤外線)に基づいて第1中間像を形成する。
第1光路折り曲げ鏡FM1は、第1中間像の形成位置の近傍に配置され、第1結像光学系G1からの光束を反射して、第2結像光学系G2の方向に折り曲げる。
第2結像光学系G2は、凹面反射鏡CMと負レンズL21とから構成される反射屈折型の結像光学系である。第2結像光学系G2は、第1中間像からの光束に基づいて、第1中間像とほぼ等倍の第2中間像を第1中間像の形成位置の近傍に形成する。
第2光路折り曲げ鏡FM2は、第2中間像の形成位置の近傍に配置され、第2結像光学系G2からの光束を反射して、第3結像光学系G3の方向に折り曲げる。
第3結像光学系G3は、屈折型の結像光学系であり、第2中間像からの光束に基づいて、結像面Iに最終像を形成する。結像面Iには、x軸方向に延設された1次元ラインセンサが設けられており、1次元画像を取得できるように構成されている。
赤外線反射屈折光学系1に入射された物体からの光束は、第1結像光学系G1を透過した後、第1光路折り曲げ鏡FM1により反射され、負レンズL21を透過し、凹面反射鏡CMで反射され、再び負レンズL21を透過した後、第2光路折り曲げ鏡FM2により反射され、第3結像光学系G3を透過して、結像面Iに結像する。
なお、第1光路折り曲げ鏡FM1および第2光路折り曲げ鏡FM2は、光軸AX1に対して45度の角度をなすように設定された平面の反射面をそれぞれ有する。また、第1光路折り曲げ鏡FM1と第2光路折り曲げ鏡FM2とは、1つの光学部材として一体的に構成されている。
開口絞りASは、第3結像光学系G3と結像面Iとの間に配置されている。したがって、開口絞りASは赤外線反射屈折光学系1の射出瞳と一致し、開口整合を取るように構成される。
赤外線反射屈折光学系1を備える赤外線撮像装置では、被検物体以外から放射される不要な赤外線の影響を取り除くため、赤外線反射屈折光学系1と結像面Iに設けられた1次元ラインセンサの間にコールドシールドが配置される。コールドシールドは、赤外線反射屈折光学系1によって集光された赤外線を通過させる開口部を有し、この開口部が赤外線反射屈折光学系1の開口絞りASとなる。コールドシールドは、1次元ラインセンサの周囲(側方や斜方)からの不要光を遮断すると共に、コールドシールドと1次元ラインセンサとが冷却されて、これら自体から放射する赤外線を極力除去するように構成される。コールドシールドが備える開口部(開口絞りAS)は、赤外線反射屈折光学系1の射出瞳と位置および大きさ(射出瞳の径)が一致するように設計され、このような状態は一般に「開口整合の取れた状態」と呼ばれている。
図4は、第3結像光学系G3の拡大図であり、第2中間像Im2から最終像Im3までの光路を示す。なお、図4では、第2光路折り曲げ鏡FM2を省略して記載し、光軸AX2と光軸AX1をまとめて光軸AXと記載している。図4に示すように、物体からの光束は、光軸AXからy軸負方向にずれた位置(第2光路折り曲げ鏡FM2による折り返し前の場合はz軸正方向)に第2中間像Im2を結像した後、第3結像光学系G3および開口絞りASを透過して、光軸AXからy軸正方向にずれた位置に最終像Im3を結像する。
赤外線反射屈折光学系1において開口整合を成立させながら、第3結像光学系G3において諸収差(特に非点収差やコマ収差などの軸外収差)をバランス良く補正するためには、第2中間像Im2からの光束において、開口絞りASの中心を通る主光線Prができるだけ光軸AXの近くを通ることが望ましい。主光線Prを光軸AXに近づけるには、第2中間像Im2の形成位置を光軸AXに近づける、すなわち第2中間像Im2を小さくして、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βを大きくすればよい。したがって、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βをできるだけ大きくすることが望ましい。
しかしながら、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βが大きくなり過ぎて、第2中間像Im2が小さくなり過ぎると、第2中間像Im2の形成位置が光軸AXに近づき過ぎる。この結果、第2光路折り曲げ鏡FM2で折り返すべき光束が光軸AXに近づきすぎてしまい、ケラレが生じてしまう。たとえば、図2では、物体からの光束が第2光路折り曲げ鏡FM2の手前で第2中間像を形成した後、第2光路折り曲げ鏡FM2に入射している。第2中間像が光軸AXに近づき過ぎると、第2中間像からの光束の一部が第2光路折り曲げ鏡FM2に入射できなくなり、第2中間像からの光束にケラレが生じてしまう。
以上の点を考慮すると、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βは、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
2.0<β<3.3・・・(1)
さらに理想的には、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βは、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
2.3<β<3.0・・・(2)
また、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1では、全ての屈折光学部材(すなわち、第1結像光学系G1を構成する全てのレンズ、第2結像光学系G2の負レンズL21、および第3結像光学系G3を構成する全てのレンズ)が、単一の屈折材で構成されている。これは、温度変動による結像位置のずれを抑えるためである。全ての屈折光学部材が単一の屈折材で構成された光学系では、温度変動による屈折材の屈折率の変化が全ての屈折光学部材で同一となるため、温度変動によって屈折材の屈折率が変化することは、使用波長が変化することに相当する。したがって、広帯域の波長で色消しを行うことで、温度変動によって屈折率が変化しても、結像位置を移動させないようにできる。
しかしながら、一般に、屈折光学系において色収差の補正を行うためには、屈折率の分散が異なる2種類以上の屈折材を組み合わせて設計を行う。そこで、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1では、第2結像光学系G2の凹面反射鏡CMと負レンズL21とを組み合わせて、色収差を補正するようにした。これにより、凹面反射鏡CMによって色収差を発生させずに正の屈折力を発生させるとともに、負レンズL21によって第1結像光学系G1および第3結像光学系G3で発生する色収差を打ち消すことで、屈折材の種類が1種類のみでありながら、広帯域の波長において色収差を良好に補正することができる。
このように、赤外線反射屈折光学系1では、全ての屈折光学部材を単一の屈折材で構成すると共に、広帯域の波長において色収差を良好に補正することで、温度変動による結像位置のずれを抑えることができるようになっている。
<第1実施例>
次に、本実施形態の第1実施例について説明する。図1は、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系1の斜視図である。図2は、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系1のyz平面断面図である。図3は、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系1のxz平面断面図である。第1実施例の第1結像光学系G1は、2枚のレンズL11〜L12から構成される。これら2枚のレンズL11〜L12のレンズ面は、全て球面である。第1実施例の第2結像光学系G2は、凹面反射鏡CMと負レンズL21とから構成される。凹面反射鏡CMの反射面は球面である。負レンズL21のレンズ面は、両面とも球面である。第3結像光学系G3は、4枚のレンズL31〜L34から構成される。これら4枚のレンズL31〜L34のレンズ面は、全て球面である。第1実施例においてこの他の構成は、本実施形態の説明で上述した通りである。
図4は、第1実施例に係る赤外線反射屈折光学系1の第3結像光学系G3の拡大図である。図4に示すように、第1実施例において、第2中間像Im2は、光軸AXからy軸負方向(実際は第2光路折り曲げ鏡FM2による折り返し前なのでz軸正方向)に1.85mmずれた位置に形成される。最終像Im3は、光軸AXからy軸正方向に4.3mmずれた位置に形成される。
以下の表1および表2に、第1実施例におけるレンズ系データを示す。表1は、環境温度20℃の状態にある場合を示す。表2は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。表1および表2において、面番号は、物体側からの各光学面の番号を示す。面間隔は、次の光学面までの光軸上の距離を示す。曲率半径の「INFINITY」は平面または開口を示す。なお、曲率半径、面間隔および屈折率は、反射面を境に数値の正負が逆転する。したがって、面間隔および屈折率の符号は、第1結像光学系G1(第1面〜第4面)と、凹面反射鏡CMから第2光路折り曲げ鏡FM2まで(第8面〜第10面)とでは正とし、第1光路折り曲げ鏡FM1から凹面反射鏡CMまで(第5面〜第7面)と、第2光路折り曲げ鏡FM2から像面まで(第11面〜第21面)とでは負としている。また、曲率半径については、第1結像光学系G1(第1面〜第4面)と、凹面反射鏡CMから第2光路折り曲げ鏡FM2まで(第8面〜第10面)とでは、光の進行方向側に向かって凹面の曲率半径を正とし、光の進行方向側に向かって凸面の曲率半径を負としている。一方、第1光路折り曲げ鏡FM1から凹面反射鏡CMまで(第5面〜第7面)と、第2光路折り曲げ鏡FM2から像面まで(第11面〜第21面)とでは、光の進行方向側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光の進行方向側に向かって凹面の曲率半径を負としている。また、以下の表3に、表1および表2のレンズ系データにおいて、温度変動時のレンズ曲率半径、レンズ中心厚、屈折率、およびそれぞれの変化を計算するために用いた屈折材のデータを示す。また、表1および表2のレンズ系データにおいて、レンズ間隔は、レンズ鏡筒がスーパーインバー等の線膨張係数が0の極低膨張材で形成されているとして、温度変動時に変化しないものとして計算した。さらに、表1および表2のレンズ系データにおいて、凹面反射鏡CMの曲率半径は、凹面反射鏡CMが線膨張係数0の極低膨張ガラスで形成されているとして、温度変動時に変化しないものとして計算した。
Figure 0006191285
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Figure 0006191285
表1および表2に示すように、第1実施例では、全てのレンズ(第1結像光学系G1のレンズL11〜L12、第2結像光学系G2の負レンズL21、および第3結像光学系G3のレンズL31〜L34)が、屈折材としてゲルマニウムを用いて構成されている。したがって、全てのレンズが単一の屈折材で構成されている。また、第1実施例において、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βは、2.33であり、上述した条件式(1)および(2)を満たす。
図5は、第1実施例における1次元ラインセンサ(結像面Iと同一面)の受光面の位置および大きさを示す図である。図5に示すように、1次元ラインセンサは、x軸方向に9.1mmの長さを有し、光軸AXからy軸正方向に4.3mmずれた位置に配置されている。
図6および図7は、第1実施例の赤外線反射屈折光学系1における集光性能を表す横収差図である。図6は、環境温度20℃の状態を示す。図7は、環境温度40℃の状態を示す。なお、図6および図7では、同じ像面位置で評価を行っている。図6および図7の横収差図の点a〜cは、それぞれ図5に示す1次元ラインセンサ上の集光性能評価点a〜cに対応している。各点a〜cと各光線入射角(φx,φy)との対応は、図6および図7に示す通りである。また、光線入射角φxの座標上の定義は、図3に示すようにxz平面上でのz軸に対する角度であり、図3において時計周り方向を正方向とする。光線入射角φyの座標上の定義は、図2に示すようにyz平面上でのz軸に対する角度であり、図2において反時計回り方向を正方向とする。
図6および図7の横収差図を参照すると、第1実施例の赤外線反射屈折光学系1では、環境温度が20℃および40℃の状態においてそれぞれ、波長3〜14μmの広帯域で良好に色収差が補正されていることが分かる。
また、表1および表2のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第1実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、赤外線反射屈折光学系1の焦点距離は0.14mm短くなり、近軸像面位置は0.017mm物体面側へ移動することが分かる。図6の横収差図と図7の横収差図とを比較すると、20℃の温度変動による横収差の変動は極めて小さく、ほとんど問題とならないレベルであることが分かる。
このように、第1実施例の赤外線反射屈折光学系1では、全てのレンズを単一の屈折材(ゲルマニウム)で構成すると共に、広帯域の波長(3μm〜14μm)において色収差を良好に補正することで、温度変動による結像位置のずれが良好に抑えられている。
<第2実施例>
次に、本実施形態の第2実施例について説明する。図8は、本実施形態の第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系1の斜視図である。図9は、第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系1のyz平面断面図である。図10は、第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系1のxz平面断面図である。第2実施例において、第1実施例との違いは、赤外線反射屈折光学系1の焦点距離が120mmから200mmに伸び、画角が4度から2.4度に小さくなったことである。F値はF/4から変わっていないため、入射瞳径は30mmから50mmへと大きくなっている。1次元ラインセンサの位置および大きさは、図5に示した第1実施例の1次元ラインセンサと同じである。
また、第2実施例の第1結像光学系G1は、第1実施例よりも1枚増えて3枚のレンズL11〜L13で構成される。これら3枚のレンズL11〜L13のレンズ面は、全て球面である。第2実施例の第2結像光学系G2は、凹面反射鏡CMと負レンズL21とから構成される。凹面反射鏡CMの反射面は球面である。負レンズL21のレンズ面は、両面とも球面である。第2実施例の第3結像光学系G3は、第1実施例よりも1枚減って3枚のレンズL31〜L33から構成される。これら3枚のレンズL31〜L33のレンズ面は、全て球面である。第2実施例においてこの他の構成は、本実施形態の説明で上述した通りである。
図11は、第2実施例に係る赤外線反射屈折光学系1の第3結像光学系G3の拡大図である。図11では、図4と同様に、第2光路折り曲げ鏡FM2を省略して記載し、光軸AX1と光軸AX2をつなげて光軸AXとして記載している。図11に示すように、第2実施例において、第2中間像Im2は、光軸AXからy軸負方向に1.48mmずれた位置に形成される。最終像Im3は、光軸AXからy軸正方向に4.3mmずれた位置に形成される。
以下の表4および表5に、第2実施例におけるレンズ系データを示す。表4は、環境温度20℃の状態にある場合を示す。表5は、環境温度40℃の状態にある場合を示す。表4および表5において、面番号は、物体側からの各光学面の番号を示す。面間隔は、次の光学面までの光軸上の距離を示す。曲率半径の「INFINITY」は平面または開口を示す。なお、曲率半径、面間隔および屈折率は、反射面を境に数値の正負が逆転する。したがって、面間隔および屈折率の符号は、第1結像光学系G1(第1面〜第6面)と、凹面反射鏡CMから第2光路折り曲げ鏡FM2まで(第10面〜第12面)とでは正とし、第1光路折り曲げ鏡FM1から凹面反射鏡CMまで(第7面〜第9面)と、第2光路折り曲げ鏡FM2から像面まで(第13面〜第21面)とでは負としている。また、曲率半径については、第1結像光学系G1(第1面〜第6面)と、凹面反射鏡CMから第2光路折り曲げ鏡FM2まで(第10面〜第12面)とでは、光の進行方向側に向かって凹面の曲率半径を正とし、光の進行方向側に向かって凸面の曲率半径を負としている。一方、第1光路折り曲げ鏡FM1から凹面反射鏡CMまで(第7面〜第9面)と、第2光路折り曲げ鏡FM2から像面まで(第13面〜第21面)とでは、光の進行方向側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光の進行方向側に向かって凹面の曲率半径を負としている。なお、表4および表5に示すレンズ系データの変化は、上述した表3に示すデータを用いて第1実施例と同様の条件で計算されている。
Figure 0006191285
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表4および表5に示すように、第2実施例では、全てのレンズ(第1結像光学系G1のレンズL11〜L13、第2結像光学系G2の負レンズL21、および第3結像光学系G3のレンズL31〜L33)が、屈折材としてゲルマニウムを用いている。したがって、全てのレンズが単一の屈折材で構成されている。また、第2実施例において、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βは、2.91であり、上述した条件式(1)および(2)を満たす。
図12および図13は、第2実施例の赤外線反射屈折光学系10における集光性能を表す横収差図である。図12は、環境温度20℃の状態を示し、図13は、環境温度40℃の状態を示す。なお、図12および図13では、同じ像面位置で評価を行っている。図12および図13の横収差図の点a〜cは、それぞれ図5に示した1次元ラインセンサ上の集光性能評価点a〜cに対応している。各点a〜cと各光線入射角(φx,φy)との対応は、図12および図13に示している通りである。また、光線入射角φxの座標上の定義は、図10に示すようにxz平面上でのz軸に対する角度であり、図10において時計周り方向を正方向とする。光線入射角φyの座標上の定義は、図9に示すようにyz平面上でのz軸に対する角度であり、図9において反時計回り方向を正方向とする。
図12および図13の横収差図を参照すると、第2実施例の赤外線反射屈折光学系1でも、第1実施例と同様に、波長3〜14μmの広帯域において良好に色収差が補正されていることが分かる。
また、表4および表5のレンズ系データを基に近軸光線追跡を行うと、第2実施例において、環境温度が20℃から40℃に変化したとき、赤外線反射屈折光学系1の焦点距離は0.27mm短くなり、近軸像面位置は0.028mm物体面側へ移動することが分かる。図12の横収差図と図13の横収差図とを比較すると、20℃の温度変動による横収差の変動は極めて小さく、ほとんど問題とならないレベルであることが分かる。
このように、第2実施例の赤外線反射屈折光学系1でも、全てのレンズを単一の屈折材(ゲルマニウム)で構成すると共に、広帯域の波長(3μm〜14μm)において色収差を良好に補正することで、温度変動による結像位置のずれが良好に抑えられている。
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
本実施形態による赤外線反射屈折光学系1は、物体側より順に、全体として正の屈折力を有し、第1中間像を形成するための屈折型の第1結像光学系G1と、第1中間像の形成位置の近傍に配置され、第1結像光学系G1からの光束を折り曲げるための第1光路折り曲げ鏡FM1と、凹面反射鏡CMと負レンズL21とを有し、第1中間像からの光束に基づいて第1中間像とほぼ等倍の第2中間像を第1中間像の形成位置の近傍に形成するための第2結像光学系G2と、第2中間像の形成位置の近傍に配置され、第2結像光学系G2からの光束を折り曲げるための第2光路折り曲げ鏡FM2と、第2中間像からの光束に基づいて、結像面Iに最終像を形成するための屈折型の第3結像光学系G3と、を備え、第3結像光学系G3のリレー結像倍率の絶対値βが上述した条件式(1)を満足するようにした。これにより、第1結像光学系G1、第2結像光学系G2および第3結像光学系G3の全てのレンズ面および反射面を球面で構成し且つ開口整合を取る構成を可能とし、赤外線の広い波長範囲において高い色消し性能を有しながら、温度変動に強い赤外線反射屈折光学系1を提供することができる。
上記特許文献1に記載の赤外線光学系では、利用可能な波長帯域が8〜12μmと遠赤外線域になっており、大気の透過率が高く、解像力も高い中赤外線(3〜6μm)を利用できなかった。また、上記特許文献2に記載の赤外線光学系でも、利用可能な波長帯域が7〜14μmと遠赤外線域になっており、中赤外線を利用できなかった。これに対して、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1は、赤外線の広い波長範囲(3μm〜14μm)において高い色消し性能を実現しており、中赤外線を含む広帯域の波長を利用することができる。
また、上記特許文献1および特許文献2に記載の赤外線光学系では、両方とも開口整合を取る構成となっていなかったため、ノイズの多い光学系となることが予想される。これに対して、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1は、開口整合を取る構成としたことにより、ノイズを低減することができる。
上記特許文献1に記載の赤外線光学系では、実施例においてAsSe(セレン化ヒ素)、ZnSe(セレン化亜鉛)といった屈折材が用いられている。しかしながら、これらの屈折材は有毒であり、環境に配慮することをより強く求められている昨今の状況においては、極力使用を控えることが望ましい。本実施形態の赤外線反射屈折光学系1は、屈折材としてゲルマニウムのみを用いて構成し、上述した有毒な屈折材を用いなくても温度変動に強い赤外線反射屈折光学系を実現した。
上記特許文献2に記載の赤外線光学系では、非球面と回折光学素子を採用しているが、回折光学素子からの不要な回折光は全てノイズとなるため、結像性能の劣化を招くことになる。さらに、回折光学素子や非球面といった特殊な加工を採用することが、加工のコスト高を招く。これに対して、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1は、第1結像光学系G1、第2結像光学系G2、および第3結像光学系G3の全てのレンズ面および反射面を球面で構成するようにした。これにより、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1では、回折光学素子を採用する場合と比べてノイズを少なくできる。また、本実施形態の赤外線反射屈折光学系1では、回折光学素子や非球面を採用する場合と比べてコストを削減することができる。
<変形例>
上述した実施例では、第2結像光学系G2が凹面反射鏡CMと1枚の負レンズL21とで構成されている例について説明した。しかしながら、第2結像光学系G2が凹面反射鏡CMと複数のレンズとで構成されていてもよい。第2結像光学系G2は、凹面反射鏡CMと少なくとも1枚以上の負レンズとを有していればよい。
上述した実施例では、赤外線反射屈折光学系1の屈折材としてゲルマニウムを用いる例について説明したが、この他の赤外線用の屈折材(たとえばシリコンやカルコゲナイドガラスなど)を用いるようにしてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。たとえば、第1結像光学系G1〜第3結像光学系G3を構成するレンズ枚数や、各レンズの曲率半径、面間隔などを適宜変更してもよい。
1…赤外線反射屈折光学系、CM…凹面反射鏡、FM1…第1光路折り曲げ鏡、FM2…第2光路折り曲げ鏡、G1…第1結像光学系、G2…第2結像光学系、G3…第3結像光学系、L21…負レンズ

Claims (4)

  1. 物体側より順に、
    全体として正の屈折力を有し、第1中間像を形成するための屈折型の第1結像光学系と、
    前記第1中間像の形成位置の近傍に配置され、前記第1結像光学系からの光束を折り曲げるための第1光路折り曲げ鏡と、
    凹面反射鏡と少なくとも1つの負レンズとを有し、前記第1中間像からの光束に基づいて前記第1中間像とほぼ等倍の第2中間像を前記第1中間像の形成位置の近傍に形成するための第2結像光学系と、
    前記第2中間像の形成位置の近傍に配置され、前記第2結像光学系からの光束を折り曲げるための第2光路折り曲げ鏡と、
    前記第2中間像からの光束に基づいて、結像面に最終像を形成するための屈折型の第3結像光学系と、
    から構成され
    前記第3結像光学系のとるリレー結像倍率の絶対値をβとしたとき、次式
    2.0<β<3.3
    を満足する赤外線反射屈折光学系。
  2. 請求項1に記載の赤外線反射屈折光学系において、
    前記赤外線反射屈折光学系は、開口整合を取る赤外線反射屈折光学系。
  3. 請求項1または請求項2に記載の赤外線反射屈折光学系において、
    前記赤外線反射屈折光学系が有する全ての屈折光学部材は、単一の屈折材で構成されている赤外線反射屈折光学系。
  4. 請求項3に記載の赤外線反射屈折光学系において、
    前記単一の屈折材は、ゲルマニウムである赤外線反射屈折光学系。
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