JP6191244B2 - ポリマー分散ポリオール組成物の製造方法および引火点を上昇させる方法 - Google Patents

ポリマー分散ポリオール組成物の製造方法および引火点を上昇させる方法 Download PDF

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本発明はポリオキシアルキレンポリオール組成物、ポリマー分散ポリオール組成物、該ポリオキシアルキレンポリオール組成物を用いた潤滑油、およびこれらを用いてウレタン樹脂、ポリウレタンフォームまたはプレポリマーを製造する方法に関する。
ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールは、系中に酸素を含む空気が存在すると、長期保管中に酸化が促進される可能性が高い為、それを防ぐために、一般に酸化防止剤が添加されている。
例えば、下記特許文献1の表1、4にはポリオキシアルキレンポリオールに添加する市販の酸化防止剤として、ジオクチンジフェニルアミン(ジオクチルDPA)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、フェノチアジン(PTZ)、4,4’−ビス−(α,α−ジメチルベンゼン)−ジフェニルアミン(製品名:ノーガード445)、2,6−ジ−t−ブチル−4−sec−ブチルフェノール(製品名:イルガノックス132)、スチレン化/ジイソブチル化ジフェニルアミンの混合物(製品名:ノーガルーベ680)を添加した例、および合成で得た9,10−ジヒドロ−9,9−ジメチルアクリデン(AC1)、ジ−p−t−オクチル−ジフェニルアミンとアセトフェノンとの反応物であるAC2、ジ−p−t−ブチル−ジフェニルアミンとアセトフェノンとの反応物であるAC3を添加した例が記載されている。また表2、4には、各例の酸化防止剤が添加されたポリオキシアルキレンポリオールについて、示差走査熱量法(DSC)により測定した発熱に至る温度(単位:K)が示されている。
下記特許文献2の実施例および比較例には、ポリオキシプロピレンオキシエチレントリオールであるポリオールA1に酸化防止剤を仕込み、そこへアクリロニトリル、スチレン、安定剤、重合開始剤、連鎖移動剤および脂肪族エーテル系溶媒の混合物を追加投入しながら重合反応を行ってポリマー分散ポリオールを製造した例が記載されている。用いた酸化防止剤は特許文献2の表1に示されるように、4,4’−ジクミルジフェニルアミン(製品名:ノンフレックスDCD)と、ペンタエリストールテトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名:イルガノックス1010)または2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)である。
特表平6−506018号公報 特開2006−219517号公報
ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールにおける酸化は、長期保管以外にも加熱により起こりやすくなる。
特に、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールに含まれる、プロピレンオキシドが開環重合したユニットであるオキシプロピレン基には、水素結合エネルギーが比較的低い3級炭素が存在し、加熱によりラジカルが発生し易い為に、この部分からポリオール鎖が分解して、プロピレン等の低分子化合物が発生する。このため、揮発性物質が生じる温度によって決まる引火点が低くなりやすい。
引火点が250℃未満のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールは消防法上の危険物に該当する為、取扱いに制限がある。このため、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールの引火点は高い方が望ましい。例えば、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点が250℃以上であれば、可燃性液体として非危険物の扱いとすることができる。
しかしながら、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールの引火点を高める手法は知られていない。
例えば、引用文献1には、酸化防止剤が添加されたポリオキシアルキレンポリオールの、示差走査熱量法(DSC)により測定した発熱に至る温度(単位:K)が示されているが、引火点に関する記載はない。引火点はポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールの温度が上昇したときに、化合物が分解して揮発性物質が生じる温度によるもので、示差走査熱量法(DSC)により測定される発熱に至る温度とは相関しない。
本発明者等の知見によれば、例えば、酸化防止剤としてBHTを添加すると引火点は下がる傾向にある。これはBHTが比較的低い温度で揮発しやすいためと考えられる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、引火点が高められたポリオキシアルキレンポリオール組成物またはポリマー分散ポリオール組成物、該ポリオキシアルキレンポリオール組成物を用いた潤滑油、およびこれらを用いてウレタン樹脂、ポリウレタンフォームまたはプレポリマーを製造する方法を提供する。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意研究した結果、酸化防止剤として公知の化合物の中でも、特定の分子構造を有する化合物をポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールに添加すると引火点が上昇すること、その添加量と引火点の上昇幅とが相関すること、添加量が多すぎるとポリオキシアルキレンポリオールおよびポリマー分散ポリオールが着色し、これらを用いて製造したポリウレタンフォーム等の変色(フォームやけ等)が生じることを見出して本発明に至ったものである。
すなわち本発明は以下の[6]〜[1]である。[1]〜[5]および[1]は参考の態様である。
[1]ポリオキシアルキレンポリオール(A)、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含むポリオキシアルキレンポリオール組成物であって、前記酸化防止剤(Z)の一部または全部が下式(1)で表される化合物(Z1)であり、ポリオキシアルキレンポリオール(A)の100質量部に対して、前記酸化防止剤(Z)の含有量が0.8質量部以下であることを特徴とするポリオキシアルキレンポリオール組成物。
Figure 0006191244
[式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
およびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または5〜8員の含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、
(n−1)個のRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基からなる群より選ばれる1価基である。]
[2]前記化合物(Z1)の含有量が、ポリオキシアルキレンポリオール組成物の、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点が、250℃以上となる量である、[1]記載のポリオキシアルキレンポリオール組成物。
[3]ポリオキシアルキレンポリオール(A)中に存在するオキシアルキレン基のうちの、オキシプロピレン基の割合が10〜100質量%である、[1]または[2]に記載のポリオキシアルキレンポリオール組成物。
[4]前記化合物(Z1)が、下式(11)で表される化合物(Z11)である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリオキシアルキレンポリオール組成物。
Figure 0006191244
[式中、R〜Rは式(1)におけるR〜Rと同じである。R12〜R14はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
11およびR15はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基である。]
[5]前記化合物(Z11)が、下式(12)で表される化合物(Z12)および下式(13)で表される化合物(Z13)のいずれか一方または両方を含む、[4]に記載のポリオキシアルキレンポリオール組成物。
Figure 0006191244
Figure 0006191244
[6]ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含むポリマー分散ポリオール、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含み、ポリマー分散ポリオールの100質量部に対して、前記酸化防止剤(Z)の含有量が0.8質量部以下であり、前記酸化防止剤(Z)の一部または全部が下式(1)で表される化合物(Z1)である、ポリマー分散ポリオール組成物の製造方法であって、前記化合物(Z1)の含有量、ポリマー分散ポリオール組成物の、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点が、250℃以上となる量に設計することを特徴とするポリマー分散ポリオール組成物の製造方法
Figure 0006191244
[式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
およびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、
(n−1)個のRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基からなる群より選ばれる1価基である。]
[7]前記ポリオキシアルキレンポリオール(A)中に存在するオキシアルキレン基のうちの、オキシプロピレン基の割合が10〜100質量%である、[6]の製造方法
[8]前記化合物(Z1)が、下式(11)で表される化合物(Z11)である、[6]または[7]の製造方法
Figure 0006191244
[式中、R〜Rは式(1)におけるR〜Rと同じである。R12〜R14はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
11およびR15はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基である。]
[9]前記化合物(Z11)が、下式(12)で表される化合物(Z12)および下式(13)で表される化合物(Z13)のいずれか一方または両方を含む、[8]に記載の製造方法
Figure 0006191244
Figure 0006191244
[10]前記ポリマー分散ポリオールが、安定剤の使用のもとで、ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含む、[6]〜[9]のいずれか一項に記載の製造方法
[11]安定剤が、マクロモノマーまたはシード粒子分散体である[10]に記載の製造方法
[12]ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含むポリマー分散ポリオール、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含み、ポリマー分散ポリオールの100質量部に対して、前記酸化防止剤(Z)の含有量が0.8質量部以下である、ポリマー分散ポリオール組成物に、前記酸化防止剤(Z)の一部または全部として、下式(1)で表される化合物(Z1)を含有させて、ポリマー分散ポリオール組成物の、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点を250℃以上とする方法。
Figure 0006191244
[式中、R 〜R はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
およびR はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、
(n−1)個のR はそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基からなる群より選ばれる1価基である。]
[1][1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリオキシアルキレンポリオール組成物を含む潤滑油。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物およびポリマー分散ポリオール組成物の一方または両方は、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリマー分散ポリオールの一方または両方を含むポリオール組成物(P)と、ポリイソシアネート化合物(I)とを、ウレタン化触媒の存在下で反応させる工程を有するウレタン樹脂またはポリウレタンフォームの製造方法に用いることができる。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物およびポリマー分散ポリオール組成物の一方または両方は、ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリマー分散ポリオールの一方または両方を含むポリオール組成物(P)と、ポリイソシアネート化合物(I)とを反応させる工程を有するプレポリマーの製造方法に用いることができる。
本発明によれば、ポリオキシアルキレンポリオール組成物の着色を防止しつつ、引火点が高められたポリオキシアルキレンポリオール組成物が得られる。
本発明によれば、ポリマー分散ポリオール組成物の着色を防止しつつ、引火点が高められたポリマー分散ポリオール組成物が得られる。ポリマー分散ポリオール組成物の着色を防止することにより、該ポリマー分散ポリオール組成物を用いて製造されるポリウレタンフォームの変色(フォームやけ)を防止できる。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物を含む潤滑油は、着色を生じることなく、引火点が高められているため、取扱い性に優れる。
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物およびポリマー分散ポリオール組成物の一方または両方を用いてウレタン樹脂、ポリウレタンフォーム、プレポリマーを製造する方法にあっては、ポリオキシアルキレンポリオール組成物またはポリマー分散ポリオール組成物の引火点が高められているため、原料の取扱い性に優れ、製造上の制約が緩和される。またポリオキシアルキレンポリオール組成物またはポリマー分散ポリオール組成物の着色が防止されているため、得られるウレタン樹脂、ポリウレタンフォーム、プレポリマーにおける変色が生じにくく、外観に優れる。
<ポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)>
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物(以下、組成物(X)ということもある。)は、ポリオキシアルキレンポリオール(A)(以下、ポリオール(A)ということもある。)、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含む。ポリオール(A)としては、開環付加重合触媒の存在下、開始剤にアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールが好ましい。
開始剤としては、多価アルコール類、アミン類、フェノール類、これらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。開始剤としては、分子中に活性水素原子を2〜8個有する化合物が好ましく、多価アルコール類が特に好ましい。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、メチレングリコシド、ジグリセリン等の4価アルコール;ソルビトール、マンニトール、ショ糖等の糖類等の5価以上のアルコールが挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン等のアルカノールアミン類;N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−アミノメチルピペラジン等の複素環式アミン類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類;トリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン類が挙げられる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、レゾルシノール等が挙げられる。
開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
開環付加重合触媒としては、アルカリ金属化合物触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、ホスファゼン化合物触媒、ルイス酸であるホウ素系カチオン触媒等が挙げられる。
アルカリ金属化合物触媒としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。
ホスファゼン化合物触媒としては、公知のもの(例えば、特開平10−36499号公報、特開平11−106500号公報、または特開平11−302371号公報に記載の化合物)を用いることができる。
ホウ素系カチオン触媒としては、例えば特開2000−344881号公報に記載のホウ素化合物が挙げられる。具体的には、3フッ化ホウ素の他に、フェニル基、フッ素置換フェニル基、および/または3級アルキル基を有するホウ素化合物等を用いることができる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。アルキレンオキシドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの併用が好ましい。また、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドを併用する場合、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドを順次反応させてブロック共重合体としてもよく、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドの混合物を反応させてランダム共重合体としてもよい。
ポリオール(A)中に存在するオキシアルキレン基のうちの、オキシプロピレン基の割合が10〜100質量%が好ましく、15〜100質量%がより好ましい。上述したように、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールに含まれる、オキシプロピレン基は加熱により分解を生じやすい。したがって、オキシプロピレン基の割合が多いほどポリオール(A)の引火点が低くなりやすいため、本発明を適用することの効果が大きい。
本発明において、ポリオール(A)中に存在するオキシアルキレン基のうちのオキシプロピレン基の割合は、ポリオール(A)の製造に用いたアルキレンオキシドのうちのプロピレンオキシドの割合と等しいとみなすことができる。
ポリオール(A)の水酸基価は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば発泡していないウレタン樹脂の製造に用いるポリオール(A)の水酸基価は500以下が好ましく、5〜300がより好ましい。
ポリウレタンフォームの製造に用いるポリオール(A)の水酸基価は600以下が好ましく、5〜400がより好ましい。
プレポリマーの製造に用いるポリオール(A)の水酸基価は300以下が好ましく、5〜200がより好ましい。
潤滑油に用いるポリオール(A)の水酸基価は600以下が好ましく、5〜500がより好ましい。
本発明において、ポリオールの水酸基価は、JIS K1557(2007年版)に準拠した測定により得られる。
<ポリマー分散ポリオール組成物(Y)>
本発明のポリマー分散ポリオール組成物(以下、組成物(Y)ということもある。)は、少なくとも1種類のエチレン性不飽和モノマー(M)を、ポリオキシアルキレンポリオール中で重合させて得られるポリオール(B)を含む。
ポリマー分散ポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオール中にエチレン性不飽和モノマー(M)の重合により形成されたポリマー粒子が均一に分散している。ポリマー分散ポリオールはポリオール(B)以外の任意のポリオキシアルキレンポリオールを含んでもよい。ポリマー分散ポリオールがポリオール(B)のみからなることが好ましい。
ポリマー分散ポリオール中のポリマー粒子の含有量は、ポリマー分散ポリオール(100質量%)中、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。ポリマー粒子の含有量が20質量%以上であれば、ポリマー粒子を含有させることによる充分な効果が得られやすい。該ポリマー粒子の含有量が60質量%以下であれば、ポリマー分散ポリオールの粘度が適度なものとなり、取り扱いやすい。
[エチレン性不飽和モノマー(M)]
エチレン性不飽和モノマー(M)とは、重合しうるエチレン性不飽和結合を少なくとも1個有するものである。エチレン性不飽和モノマー(M)としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリルアミド、スチレン、メチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレン、ブタジエン、1,4−ペンタジエン、酢酸ビニル等が挙げられる。さらに、前記に例示した化合物の水素原子をフッ素原子で置換した、含フッ素化合物も挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸をいい、その他の化合物もこれに準じる。エチレン性不飽和モノマー(M)は、1種を単独で、または2種以上の混合物として用いられる。エチレン性不飽和モノマー(M)としては、ポリオール(B)としての安定性およびこれを用いて得られるフォームの特性から、アクリロニトリルとスチレンとの併用が好ましい。この場合、アクリロニトリル/スチレンの比率(質量比)は、0/100〜90/10が好ましく、10/90〜50/50が特に好ましい。
エチレン性不飽和モノマー(M)の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオール、エチレン性不飽和モノマー(M)および後述する安定化剤の合計(100質量%)中、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が特に好ましい。エチレン性不飽和モノマー(M)の使用量を20質量%以上とすることにより、ポリマー粒子を含有させることによる充分な効果が得られやすい。エチレン性不飽和モノマー(M)の使用量を60質量%以下とすることにより、ポリマー分散ポリオールの粘度が適度なものとなり、取り扱いやすい。
[重合開始剤]
ポリオール(B)の製造の際に、エチレン性不飽和モノマー(M)を重合させるための重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては、たとえば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド等の過酸化物;アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸塩、過コハク酸、ジ−イソプロピルパーオキシ・ジカーボネート等の過酸化物が挙げられる。重合開始剤としては、アゾ化合物が好ましい。
重合開始剤の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオール、エチレン性不飽和モノマー(M)および安定化剤の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部が特に好ましい。
[溶媒]
ポリオール(B)の製造の際に、溶媒を使用してもよい。
溶媒としては、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル等の脂肪族エーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類等が挙げられる。
溶媒の使用量は、ポリオキシアルキレンポリオール、エチレン性不飽和モノマー(M)および安定化剤の合計100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、5〜45質量部が特に好ましい。
[安定化剤]
ポリマー粒子の分散安定性をさらに良くするために、ポリマー分散ポリオールの製造時にマクロモノマーや、シード粒子分散体などの安定化剤を使用できる。安定化剤としてマクロモノマーやシード粒子分散体を用いる場合は、いずれか一方を用いることが好ましい。
[マクロモノマー]
マクロモノマーは、ポリエーテル鎖やポリエステル鎖と、エチレン性不飽和基を有する化合物である。
マクロモノマーは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオールに、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させる方法や、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどのポリオールと、ポリイソシアネートと、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとを水酸基が過剰になるような割合で反応させる方法により、得られる化合物が挙げられる。
[シード粒子分散体]
シード粒子分散体は、前記マクロモノマーの存在下、エチレン性不飽和モノマーを重合させて得られる微粒子ポリマー分散物である。モノマー組成はポリオールBを製造する際のモノマー組成と同じことが好ましい。
シード粒子分散体を製造する際は、溶媒や連鎖移動を使用しても良い。溶媒として具体的には、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール等のアルコール、メチルターシャリーブチルエーテルやエチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル、キシレンやトルエン等の炭化水素化合物が挙げられる。連鎖移動剤としてはドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のアルキルメルカプタンが挙げられる。
<ポリオール(B)の製造方法>
ポリオール(B)は、ポリオキシアルキレンポリオールでエチレン性不飽和モノマー(M)を重合させてポリマー粒子ポリマー分散ポリオールを製造するための、公知の方法を適宜用いて製造することができる。
例えば、エチレン性不飽和モノマー(M)を、必要に応じて重合開始剤および溶媒の存在下、ポリオキシアルキレンポリオール中で重合させることにより製造される。
エチレン性不飽和モノマー(M)の重合は、バッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。重合温度は、重合開始剤の種類に応じて決められ、重合開始剤の分解温度以上が好ましく、60〜200℃がより好ましく、90〜160℃がさらに好ましい。また、重合反応は、加圧系で行ってもよく、常圧系で行ってもよい。
重合反応終了後、得られたポリオール(B)は、そのまま各用途の原料として使用できるが、減圧処理して未反応モノマー、重合開始剤の分解生成物等を除去した後に使用することが好ましい。
<酸化防止剤(Z)>
本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)は、ポリオール(A)、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含む。ポリオール(A)を合成した後に酸化防止剤(Z)を添加して製品とすることが好ましい。
本発明のポリマー分散ポリオールは、アミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)が添加されたものである。酸化防止剤(Z)が添加されていないポリオキシアルキレンポリオール中でモノマー(M)を重合させてポリマー分散ポリオールを得た後に酸化防止剤(Z)を添加して製品とすることが好ましい。
アミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)は、ポリウレタン樹脂成型時の発熱による酸化によって樹脂に着色が生じるのを防止する効果に寄与する点で好ましい。
[化合物(Z1)]
本発明では、組成物(X)または組成物(Y)に含有させる、アミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)の一部または全部として、下式(1)で表される化合物(Z1)を用いる。式(1)で表される分子構造が引火性の向上に寄与すると考えられる。
特に芳香族アミンは、ラジカルの発生および連鎖が生じる段階での強力なラジカル捕捉作用を示し、他の酸化防止剤と比較して加熱下でもこの捕捉作用が低下しにくいと考えられる。
化合物(Z1)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0006191244
式(1)において、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、(n−1)個のRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基(−S−R)からなる群より選ばれる1価基である。
〜Rとしてのアルキル基の炭素原子数は1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。
〜Rとしてのアリール基は炭素原子数6〜18の芳香族炭化水素の核から水素1原子を除いた残基であり、該炭素原子数は6〜12が好ましい。
〜Rとしてのアラルキル基は、Ph−R−(Phはフェニル基を表し、Rは2価の直鎖または分岐状の炭化水素基を表す。)で表される1価基である。炭素原子数は7〜12であり、7〜10が好ましい。2価基−R−の好ましい例としては、−C(CH)(CH)−、−CH−等が挙げられる。
またはRとしてのアルキル基の炭素原子数は1〜12であり、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。
Aとしての「炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基」における芳香族炭化水素の好ましい例としては、ベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
Aとしての「含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基」における含窒素芳香族複素環の好ましい例としては、ピリジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
nは2以上5以下の整数であり、2または3が好ましい。
としてのアルキル基は、R〜Rとしてのアルキル基と好ましい態様も含めて同様である。
としてのアリール基は、R〜Rとしてのアリール基と好ましい態様も含めて同様である。
としてのアラルキル基は、R〜Rとしてのアラルキル基と好ましい態様も含めて同様である。
としてのチオアルキル基は−S−R’(R’は直鎖または分岐状のアルキル基)で表される1価基であり、R’で表されるアルキル基の炭素原子数は1〜18であり、1〜12が好ましい。
Aが、上記芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基である化合物(Z1)の好ましい例として、下式(11)で表される化合物(11)が挙げられる。
化合物(Z11)として、特に下式(12)で表される化合物(Z12)および下式(13)で表される化合物(Z13)が好ましい。
Aが、上記含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基である化合物(Z1)の好ましい例として、下式(14)で表される化合物(14)が挙げられる。
特に、下式(11)で表される化合物(Z11)が、引火点を高める効果が大きく、少量の添加で引火点250℃を達成しやすい点で好ましい。
Figure 0006191244
式(11)において、R〜Rは式(1)におけるR〜Rと好ましい態様も含めてそれぞれ同じである。
式(11)におけるR12〜R14はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、R11およびR15はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基である。
12〜R14としてのアルキル基は、R〜Rとしてのアルキル基と好ましい態様も含めて同様である。
12〜R14としてのアリール基は、R〜Rとしてのアリール基と好ましい態様も含めて同様である。
12〜R14としてのアラルキル基は、R〜Rとしてのアラルキル基と好ましい態様も含めて同様である。
11またはR15としてのアルキル基は、RまたはRとしてのアルキル基と好ましい態様も含めて同様である。
Figure 0006191244
Figure 0006191244
Figure 0006191244
本発明において、組成物(X)または組成物(Y)に、化合物(Z1)を含有させるとともに、化合物(Z1)以外の、アミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させてもよい。
本発明において組成物(X)または組成物(Y)に含有させる酸化防止剤(Z)のうち、化合物(Z1)が占める割合は、50〜100質量%が好ましく、60〜100質量%がより好ましく、100質量%が特に好ましい。
後述の実施例、比較例に示されるように、組成物(X)または組成物(Y)の引火点と、これらから化合物(Z1)を除いた残りの成分全体における引火点の差は、化合物(Z1)の含有量と相関する。化合物(Z1)を添加する前の引火点(化合物(Z1)を除いた残りの成分全体における引火点)は、組成物(X)の製造に用いたポリオール(A)または化合物(Z1)以外の成分の種類や、組成物(Y)の製造に用いたポリマー分散ポリオールの組成または化合物(Z1)以外の成分の種類等によって異なる。したがって、組成物(X)または組成物(Y)の引火点を250℃以上とする場合、そのために必要な化合物(Z1)の含有量は、化合物(Z1)を添加する前の組成(化合物(Z1)を除いた残りの成分全体の組成)により異なる。
具体的には、化合物(Z1)を添加する前の引火点に応じて、添加後の引火点が250℃以上となるように化合物(Z1)の含有量を設計する。例えば化合物(Z1)を添加する前の引火点が240〜245℃である場合、化合物(Z1)の含有量は、ポリオール(A)またはポリマー分散ポリオールの100質量部に対して0.2質量部以上が好ましい。
一方、組成物(X)または組成物(Y)において酸化防止剤(Z)の含有量が多すぎると、組成物(X)または組成物(Y)が着色するおそれがある。かかる着色の原因として酸化防止剤(Z)がアミノ基を有していることが考えられる。この点を考慮して、酸化防止剤(Z)の含有量の上限は、ポリオール(A)またはポリマー分散ポリオールの100質量部に対して0.8質量部以下とする。0.8質量部以下であると、組成物(X)または組成物(Y)が着色しにくい。
<その他の添加剤>
本発明において、組成物(X)または組成物(Y)には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤(Z1)以外の公知の添加剤の1種または2種以上を適宜含有することができる。化合物(Z1)は、酸化防止剤として作用するが、これ以外の化合物を酸化防止剤として含有することができる。
例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、イルガノックス1010、イルガノックス1076(以上、BASF社製)、AO−20(アデカ社製)、BHT等が挙げられる。チオエーテル系酸化防止剤としては、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503(以上、アデカ社製)が挙げられる。ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、チヌビン765、チヌビンB(以上、BASF社製)、ヒンダードアミン系光安定剤としては、CHMASSORB944(以上、BASF社製)が挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、ポリオールの室温での経時的な酸化防止に有効であるため、本発明の酸化防止剤(Z1)と併用することが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤はポリウレタン樹脂成形時に発熱によるスコーチの防止や、シーリング剤としての耐候性の向上のため、ポリオール中に含有していてもよい。ただし、これらの中には後述の実施例に示されるように引火点をかえって下げるものがあるため、組成物(X)または組成物(Y)に酸化防止剤(Z1)以外の酸化防止剤を含有させる場合の含有量は、ポリオールAまたはポリオール分散ポリオール(B)の100質量部に対して0.03〜0.2質量部が好ましい。
また酸化防止剤以外の他の添加剤を添加してもよい。他の添加剤の例としては、極圧剤、摩耗防止剤、脱水剤、防錆剤、消泡剤、分散剤、難燃剤等が挙げられる。
酸化防止剤(Z)以外の添加剤の合計の含有量は、ポリオール(A)またはポリマー分散ポリオールの100質量部に対して10質量部以下が好ましく、2質量部以下がより好ましい。
<用途>
本発明によれば、酸化防止剤(Z)を添加することによって引火性が高められたオキシアルキレンポリオール組成物(X)またはポリマー分散ポリオール組成物(Y)が得られる。
かかる組成物(X)または組成物(Y)は、従来品のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールと同じ用途に、従来品と同様に使用することができる。
本発明の組成物(X)と組成物(Y)を併用してもよく、従来品のポリオキシアルキレンポリオールまたはポリマー分散ポリオールと併用してもよい。
例えば本発明の組成物(X)および組成物(Y)の一方または両方を含むポリオール組成物(P)と、ポリイソシアネート化合物(I)とを、ウレタン化触媒の存在下で反応させる工程を経てウレタン樹脂またはポリウレタンフォームを製造することができる。ポリウレタンフォームを製造する際は、ポリオール組成物(P)とポリイソシアネート化合物(I)とを、ウレタン化触媒および発泡剤の存在下で反応させる。
また、本発明の組成物(X)および組成物(Y)の一方または両方を含むポリオール組成物(P)と、ポリイソシアネート化合物(I)とを反応させる工程を経てプレポリマーを製造することができる。
<潤滑油>
また本発明のポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)は潤滑油として好適に用いることができる。本発明の潤滑油は組成物(X)からなる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記例によって何ら限定されない。なお、実施例および比較例中の「部」は質量部である。
下記の製造例で使用した原料は以下のとおりである。
(1)ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエーテルポリオール)
ポリオキシアルキレンポリオールA2:グリセリンにプロピレンオキシド(以下POということもある。)−エチレンオキシド(以下EOということもある。)の順にブロック付加させた、水酸基価=37、PO:EOの質量比=84:16のポリオキシアルキレンポリオール。
(2)遊離基重合開始剤
AMBN:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔商品名「ABN−E」、(株)日本ファインケム製〕。
(3)エチレン性不飽和モノマー
AN:アクリロニトリル〔純正化学(株)製〕。
ST:スチレン〔(株)ゴードー製〕。
(4)ポリイソシアネート
TDI−80:商品名「コロネートT−80」〔日本ポリウレタン工業(株)製〕。
(5)溶媒
MTBE:メチルターシャリーブチルエーテル〔商品名「MTBE」、(株)ゴードー製〕。
(6)連鎖移動剤
n−DM:商品名「n−ドデシルメルカプタン」〔東京化成工業(株)製〕。
[製造例1:ポリオキシアルキレンポリオールA1の製造]
以下の方法でポリオキシアルキレンポリオールA1(以下、ポリオールA1ということもある。)を製造した。
耐圧反応容器として、アンカー翼1組と、45°傾斜2枚羽根のパドル翼2組を取り付けた撹拌機を備えるとともに、容器周囲に熱媒が流通する加熱槽を備え、冷却水が流通する冷却管が容器内部に設けられたステンレス鋼製(JIS−SUS−316)の耐圧反応器(容量50L)を用いた。反応液の温度測定は、耐圧反応容器内部の下部に設置した温度計で液温を測定した。
開始剤としてグリセリン743gと、触媒として95%水酸化カリウム126gとを、反応容器に投入し、翼を撹拌しながら120℃迄昇温し、1時間減圧脱気を行いアルコラート化処理を行った後、110℃で33257gのプロピレンオキシドを10時間かけて投入した。内圧が一定になり、投入したプロピレンオキシドが全て反応した事を確認した後、6000gのエチレンオキシドを8時間かけて投入した。内圧が一定になり、投入したエチレンオキシドが全て反応した事を確認後、ピロリン酸2水素2ナトリウム260gと蒸留水400gを入れて、95℃で1時間混合させて、水酸化カリウムとピロリン酸2水素2ナトリウムの中和塩を形成した。この後、120℃で系内の水分が500ppmになるまで減圧下で脱水処理を行った後、ろ過を行い触媒除去処理を行った。
得られたポリオールA1(ポリオキシアルキレンポリオール)の水酸基価は34、PO:EOの質量比=84.3:15.7であった。
[製造例2:エチレン性不飽和マクロモノマーC1の製造]
ポリマー分散ポリオールB1の製造に用いるエチレン性不飽和マクロモノマーC1を、以下の方法で製造した。
温度調節器、温度計、バキューム撹拌翼、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた4ロフラスコに、ポリオールとしてポリオキシアルキレンポリオールA2を1.0モル、およびエチレン性不飽和モノマーとして2−ヒドロキシメタクリレートを1.0モル投入し、窒素置換後、窒素雰囲気下(反応終了まで)で撹拌下に40℃まで昇温した。40℃到達後、ポリイソシアネートとしてTDI−80を1.0モル投入し、40℃にて1時間反応を行った後、反応温度を60℃へと変更した。反応温度60℃到達後、6時間反応を行い、反応の触媒としてトリエチルアミンを、ポリオール、エチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネートの合計の仕込み全量の0.02質量%に相当する量だけ添加し、反応温度を80℃へと変更した。反応温度80℃に到達後、2時間反応を行った。さらにメタノールを、ポリオール、エチレン性不飽和モノマーおよびポリイソシアネートの合計の仕込み全量の2質量%に相当する量だけ添加した後、60℃まで冷却し、さらに5時間反応を実施した。サンプリングを実施し、FT−IRにてイソシアネート基の吸収が無いことを確認してエチレン性不飽和マクロモノマーC1を得た。仕上がり粘度は、3900mPa・sであった。
[製造例3:ポリマー分散ポリオールB1の製造]
以下の方法でポリマー分散ポリオールB1を製造した。
まず、シード粒子分散体D1を製造した。すなわち、温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、窒素流入口および流出口を備えた5Lの反応槽に、製造例2で得られたエチレン性不飽和マクロモノマーC1を676g、およびMTBEを1667g投入し、モノマーフィード用調合タンクに、エチレン性不飽和マクロモノマーC1を290g、ANを236g、STを402g、MTBEを714g、n−DMを8g、およびAMBNを8g仕込んで均一に混合した。反応槽は仕込み終了後、80℃へ昇温した。反応槽内温が80℃に到達した後、前記モノマーフィード用調合タンク内の混合物を、80℃に保ちながら、反応槽へ滴下ポンプを用い3時間かけてフィードした。全量をフィードした後、80℃で3時間の熟成を行い、シード粒子分散体D1を得た。
次に、温度調節器、バキューム撹拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、窒素流入口および流出口を備えた5Lの反応槽に、ポリオキシアルキレンポリオールA2を2000g、MTBEを400g仕込み、115℃へ昇温した。モノマーフィード用調合タンクに、ポリオキシアルキレンポリオールA2を11100g、上記で得たシード粒子分散体D1を1350g、ANを3100g、STを5100g、n−ドデシルメルカプタンを60g、AMBNを100g、およびMTBEを3200g仕込んで、均一に混合した。反応槽内温が115℃に到達した後、前記モノマーフィード用調合タンク内の混合物を、反応槽滞留時間が1時間となるように、連続的にフィードしながら反応槽内の反応液を連続的に抜き出した。モノマーフィード用調合タンク内の混合物の全量をフィードした後、得られたポリマーポリオール組成物を脱気槽に移し、未反応モノマーおよび溶媒を115℃、0.001MPa(Abs.)で2時間加熱減圧脱気にて除去し、目的のポリマー分散ポリオールB1を得た。
得られたポリマー分散ポリオールB1の25℃における粘度は5000mPa・s、ポリマー分散ポリオールB1中のポリマー粒子の含有量(ポリマー濃度)は42質量%、AN/St質量比は38/62であった。
<実施例・比較例>
以下の例で用いた酸化防止剤は下記の通りである。化合物(Z1)に含まれる酸化防止剤として、下記の酸化防止剤(Z12)〜(Z14)を用いた。下記酸化防止剤(20)〜(25)は、化合物(Z1)に含まれない酸化防止剤(Z)である。
酸化防止剤(Z12):ノンフレックスDCD(製品名)、精工化学(株)製、式(12)で表される化合物。
酸化防止剤(Z13):ノンフレックスOD−3(製品名)、精工化学(株)製、式(13)で表される化合物。
酸化防止剤(Z14):イルガノックス565(製品名)、BASF社製、式(14)で表される化合物。
酸化防止剤(20):BHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール)。
酸化防止剤(21):イルガノックス1010(製品名)、BASF社製、式(21)で表される化合物。
酸化防止剤(22):イルガノックス1076(製品名)、BASF社製、式(22)で表される化合物。
酸化防止剤(23):チヌビン765(製品名)、BASF社製、式(23)で表される化合物。
酸化防止剤(24):CHIMASSORB 944(製品名)、BASF社製、式(24)で表される化合物。
酸化防止剤(25):アデカスタブAO−412S(製品名)、(株)アデカ製、式(25)で表される化合物。
Figure 0006191244
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[例1〜21]
例1〜21は参考の態様の例である。
製造例1で得たポリオールA1に、表1、2の配合で酸化防止剤(Z)を添加し、均一に混合してポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)を得た。例1〜11は実施例、例12〜21は比較例である。
得られたポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)について、下記の方法で引火点およびDSCによる発熱温度を測定した。またポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)の色相を評価した。結果を表1、2に示す。
[例22〜41]
製造例3で得たポリマー分散ポリオールB1に、表3、4の配合で酸化防止剤を添加し、均一に混合してポリマー分散ポリオール組成物(Y)とした。例22、25、28、29は参考例、例23、24、26、27、30〜32は実施例、例33〜41は比較例である。
得られたポリマー分散ポリオール組成物(Y)について、下記の方法で引火点およびDSCによる発熱温度を測定した。結果を表3、4に示す。
[参考例1]
ポリオールA1のみについて、下記の方法で引火点およびDSCによる発熱温度を測定し、色相を評価した。結果を表1に示す。
[参考例2]
ポリマー分散ポリオールB1のみについて、下記の方法で引火点およびDSCによる発熱温度を測定した。結果を表3に示す。
<評価方法>
[引火点]
クリーブランド開放式自動引火点試験器(製品名:aco−8、田中科学機器製作(株)製)を用い、JIS K2265で規定されるクリーブランド開放式引火点試験方法に準処する方法で引火点(単位:℃)を求めた。
クリーブランド開放式引火点試験方法は、約80mlの試料を試料カップに入れ、毎分5.5±0.5℃の速度で徐々に加熱し、2℃ごとに試験炎を試料カップの上を通過させ、試料の蒸気に引火する最低の温度を求める方法である。
[色相]
JIS K−1557.6(色)に準処する方法で色を測定した。色の単位はHazenで表わし、数字が大きいほど、着色が進んでいる
すなわち、ポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)を80℃で48時間静置した後、上記の測定方法で色を測定した。
本方法で測定される色の値がHazen30以下であると製品として好ましい。
[発熱温度]
高感度示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製、製品名:EXSTAR DSC6200)を用い、20℃から100℃まで窒素パージ下で10℃/分の速度で昇温し、100℃で30分間保ち、その後300℃まで空気パージ(流量:50mL/分)の流量下で10℃/分の速度で昇温して、発熱温度(単位:℃)を測定した。
Figure 0006191244
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表1、2の結果より、式(1)で表される化合物(Z1)に含まれる酸化防止剤(Z12)〜(Z14)をポリオールA1に添加した例1〜11は、酸化防止剤を添加しなかった参考例1に比べて引火点が上昇した。これらの酸化防止剤の含有量と引火点は相関する。
例2、3のように、ポリオールA1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z12)を0.2質量部以上添加することにより、組成物(X)の着色を防止しつつ、引火点250℃以上を達成できた。
例6のように、ポリオールA1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z13)を0.4質量部以上添加することにより、組成物(X)の着色を防止しつつ、引火点250℃以上を達成できた。
例10のように、ポリオールA1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z14)を0.8質量部添加することにより、組成物(X)の着色を防止しつつ、引火点250℃以上を達成できた。
例21では、酸化防止剤(Z12)を1.0質量部添加したため、組成物(X)の着色が生じた。
一方、例12〜20は、ポリオールA1に添加した酸化防止剤が、式(1)で表される化合物(Z1)に含まれない化合物からなる。これらの例の引火点は、酸化防止剤を添加しなかった参考例1とほぼ同じであり、これらの酸化防止剤が組成物(X)の引火点にほとんど影響しないことがわかる。
表3、4の結果より、式(1)で表される化合物(Z1)に含まれる酸化防止剤(Z12)〜(Z14)をポリマー分散ポリオールB1に添加した例22〜32は、酸化防止剤を添加しなかった参考例2に比べて引火点が上昇した。これらの酸化防止剤の含有量と引火点は相関する。
例23、24のように、ポリマー分散ポリオールB1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z12)を0.2質量部以上添加することにより、引火点250℃以上を達成できた。
例26、27のように、ポリマー分散ポリオールB1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z13)を0.2質量部以上添加することにより、引火点250℃以上を達成できた。
例30、31のように、ポリマー分散ポリオールB1の100質量部に対して、酸化防止剤(Z14)を0.4質量部添加することにより、引火点250℃以上を達成できた。
一方、例33〜41は、ポリマー分散ポリオールB1に添加した酸化防止剤が、式(1)で表される化合物(Z1)に含まれない化合物からなる。これらの例の引火点は、酸化防止剤を添加しなかった参考例2とほぼ同じであり、これらの酸化防止剤は組成物(X)の引火点にほとんど影響しないことがわかる。
[製造例4:ポリオキシアルキレンポリオールA4の製造]
製造例1と同じ耐圧反応容器を用いた。反応液の温度測定は、耐圧反応容器内部の下部に設置した温度計で液温を測定した。
開始剤としてプロピレングリコール380gと、触媒として95%水酸化カリウム1.5gとを反応容器に投入し、翼を撹拌しながら110℃迄昇温し、580gのPOを3時間かけて投入した。内圧が一定になり、投入したPOが全て反応した事を確認後、1796gのエチレンオキシドを8時間かけて投入した。内圧が一定になり、投入したエチレンオキシドが全て反応した事を確認後、吸着剤として合成珪酸マグネシウム(製品名:KW600S、協和化学社製)55gを添加し120℃で1時間混合後、系内の水分が500ppmになるまで減圧下で脱水処理を行い、ろ過を行って触媒除去処理を行った。
得られたポリオキシアルキレンポリオールA4の水酸基価は204、PO:EOの質量比=24.4:75.6であった。
[例42、43]
例42、43は参考の態様の例である。
製造例4で得たポリオキシアルキレンポリオールA4に、表5の配合で酸化防止剤(Z12)を添加し、さらに難燃剤としてトリクレジルフォスフェートを添加して、均一に混合してポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)を得た。例42は酸化防止剤を添加しない比較例である。
得られたポリオキシアルキレンポリオール組成物(X)について、例1と同じ方法で引火点を測定した。結果を表5に示す。
また下記に示す方法で、潤滑性試験を行った。結果を表5に示す。
[潤滑性試験]
上記方法で得られた試料について、シェル式4球試験(ASTM D 2596に準ずる)方法で潤滑性を試験した。シェル式4球試験は、概略、試料容器の底に3個の鋼球を固定し、潤滑油(ポリオキシアルキレンポリオール組成物(X))を入れ、該3個の固定球の中心に一個の回転球を所定の荷重で押し付け、三点で接触させた状態で回転させた後、接触点に生じた摩耗痕径を測定する方法である。
回転速度1200rpm、荷重392.2N、潤滑油の温度75℃、回転時間60分の条件で試験を行い、試験後の摩耗痕径を測定した。摩耗痕径が少ない方が、潤滑性良好と判断される。
Figure 0006191244
表5の結果より、酸化防止剤(Z12)を添加していない例42では引火点が240℃であるのに対して、例43では酸化防止剤(Z12)を添加したことにより引火点が上昇し250℃以上になった。また例42と43の潤滑性は同程度であり、このことから酸化防止剤の添加が潤滑性に影響しないことが確認された。

Claims (7)

  1. ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含むポリマー分散ポリオール、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含み、ポリマー分散ポリオールの100質量部に対して、前記酸化防止剤(Z)の含有量が0.8質量部以下であり、前記酸化防止剤(Z)の一部または全部が下式(1)で表される化合物(Z1)である、ポリマー分散ポリオール組成物の製造方法であって
    記化合物(Z1)の含有量、ポリマー分散ポリオール組成物の、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点が、250℃以上となる量に設計することを特徴とするポリマー分散ポリオール組成物の製造方法
    Figure 0006191244
    [式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
    およびRはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
    Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、
    (n−1)個のRはそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基からなる群より選ばれる1価基である。]
  2. 前記ポリオキシアルキレンポリオール中に存在するオキシアルキレン基のうちの、オキシプロピレン基の割合が10〜100質量%である、請求項1に記載の製造方法
  3. 前記化合物(Z1)が、下式(11)で表される化合物(Z11)である、請求項1または2に記載の製造方法
    Figure 0006191244
    [式中、R〜Rは式(1)におけるR〜Rと同じである。R12〜R14はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
    11およびR15はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基である。]
  4. 前記化合物(Z11)が、下式(12)で表される化合物(Z12)および下式(13)で表される化合物(Z13)のいずれか一方または両方を含む、請求項3に記載の製造方法
    Figure 0006191244
    Figure 0006191244
  5. 前記ポリマー分散ポリオールが、安定剤の使用のもとで、ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法
  6. 前記安定剤が、マクロモノマーまたはシード粒子分散体である請求項5に記載の製造方法
  7. ポリオキシアルキレンポリオール中で、重合性不飽和基を有するモノマーを重合して得られるポリオール(B)を含むポリマー分散ポリオール、およびアミノ基と芳香環を有する化合物からなる酸化防止剤(Z)を含み、ポリマー分散ポリオールの100質量部に対して、前記酸化防止剤(Z)の含有量が0.8質量部以下である、ポリマー分散ポリオール組成物に、
    前記酸化防止剤(Z)の一部または全部として、下式(1)で表される化合物(Z1)を含有させて、ポリマー分散ポリオール組成物の、JIS K2265で規定される引火点試験方法による引火点を250℃以上とする方法。
    Figure 0006191244
    [式中、R 〜R はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
    およびR はそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、および水酸基からなる群より選ばれる1価基であり、
    Aは炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素の核から水素原子をn個除いた残基、または含窒素芳香族複素環の核から水素原子をn個除いた残基であり、nは2以上5以下の整数であり、
    (n−1)個のR はそれぞれ独立して炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアラルキル基、水酸基、および炭素原子数1〜18のチオアルキル基からなる群より選ばれる1価基である。]
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