JP5899040B2 - 粘度低下剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性または水分散性のウレタン系粘性調整剤のハンドリング性を向上させ、更にウレタン系粘性調整剤を配合した水溶性樹脂や塗料の物性を低下させないウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物およびその製造方法に関する。
水溶性または水分散性のウレタン系粘性調整剤は、エマルション樹脂や水系塗料等の粘性や粘度を調整するために使用されている。ウレタン系粘性調整剤はウレタン結合を持つ水溶性の高分子であり、100%品は通常固体である。しかし固体のウレタン系粘性調整剤をエマルション樹脂や水系塗料へ溶解させる場合、完全に溶解させるまでに多くの時間がかかるため、通常、ウレタン系粘性調整剤は溶解しやすい水溶液の状態で取り扱われている。
上記の通りウレタン系粘性調整剤は高分子のため、水溶液にした場合、濃度によっては高粘度の水溶液となる。高粘度になると取扱いが困難になるため、取扱いが容易になる粘度までウレタン系粘性調整剤の濃度を低くする必要があるが、濃度が低いとエマルション樹脂等への添加時に不必要な水分が多量に添加される問題や、製品の輸送時に含有する大量の水を運ぶ必要がある等の問題が生じる。そこでなるべく高い濃度で且つ低粘度の水溶液を得ることができる粘度低下剤が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特許文献1及び2に記載された粘度低下剤は、いずれも特定のアルコールにアルキレンオキシドを付加したものである。これらの粘度低下剤をウレタン系粘性調整剤水溶液に添加すると、粘度の低下や可溶化の効果によって透明性を向上することができる。しかしながら、これらの粘度低下剤はノニオン界面活性剤としての機能も持つため、粘度低下剤の添加されたウレタン系粘性調整剤をエマルション樹脂や水系塗料に添加すると、エマルション樹脂や水系塗料の耐水性が低下する問題が発生する。こうした問題を発生させないためには、粘度低下剤の配合量を少なくするか、耐水性の低下を招かない異なる構造の粘度低下剤を利用するしかないが、粘度低下剤の配合量を低下させると粘度低下剤としての機能が十分に発揮できず、耐水性の低下を招かない異なる構造の粘度低下剤は知られていない。また、低分子のポリエーテル化合物が粘度低下剤として知られているが、これらは沸点が低いため揮発しやすく、揮発による作業性の問題や環境への放出による人体への影響等が懸念されることから、近年はその使用が敬遠されている。
特開昭59−157199号公報 特表平11−508631号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、ウレタン系粘性調整剤水溶液の粘度を、低添加量で効果的に低下させる低揮発性の粘度低下剤であって、これらの粘度低下剤を配合したウレタン系粘性調整剤水溶液を、エマルション樹脂や水系塗料に添加しても耐水性の低下を招かない粘度低下剤を提供することにある。
そこで本発明者等は鋭意検討し、効果的な粘度低下剤組成物を見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、下記の一般式(1)で表される化合物(A)及び下記の一般式(2)で表される化合物(B)を含有する組成物であって、(A)と(B)の割合が質量比で(A)/(B)=99/1〜99.99/0.01であることを特徴とするウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物である。
Figure 0005899040
(式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表し、nは5〜10の数を表す。)
Figure 0005899040
(式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表す。)
本発明の効果は、ウレタン系粘性調整剤水溶液の粘度を効果的に低下させる低揮発性の粘度低下剤であって、これらの粘度低下剤を配合したウレタン系粘性調整剤水溶液を、エマルション樹脂や水系塗料に添加しても耐水性の低下を招かない粘度低下剤を提供したことにある。
図1は比較品3(脱アルコール前(蒸留前))のガスクロマトグラフィー分析によるチャートである。 図2は実施品3(脱アルコール前(蒸留前))のガスクロマトグラフィー分析によるチャートである。
本発明の粘度低下剤組成物は、下記の一般式(1)で表される化合物(A)及び下記の一般式(2)で表される化合物(B)を含有する組成物であって、(A)と(B)の割合が質量比で(A)/(B)=99/1〜99.99/0.01である。
Figure 0005899040
(式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表し、nは5〜10の数を表す。)
Figure 0005899040
(式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表す。)
一般式(1)のRは、炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表し、例えば、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜9の分岐のアルキル基が好ましく、炭素数8の分岐のアルキル基がより好ましい。炭素数が8未満になると粘度低下剤としての効果が得られない場合や、沸点が低くなり揮発性の高い化合物になる場合がある。また、炭素数が11を超えると粘度低下剤としての効果が得られない場合や、ウレタン系粘性調整剤水溶液に溶解しない場合がある。
一般式(1)のnは5〜10の数を表すが、5〜9が好ましく、5〜8より好ましく、5〜7が更に好ましい。nが5未満あるいは10より大きいと、ウレタン系粘性調整剤水溶液を減粘する効果に劣るため好ましくない。なお、このnはオキシエチレン基の平均重合度である。後に詳しく説明するが、一般的にアルコールのエチレンオキシド付加物は、原料となるアルコールにエチレンオキシドを投入して付加反応を行う。得られる化合物は、エチレンオキシドの付加モル数の異なる化合物からなる組成物であり、通常、その平均付加モル数をnの値として表している。
一般式(2)のRは、炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表し、例えば、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、イソデシル基、イソウンデシル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数8〜9の分岐のアルキル基が好ましく、炭素数8の分岐のアルキル基がより好ましい。また、製法上RとRは同一であることが好ましい。
化合物(A)及び化合物(B)の割合は質量比で(A)/(B)=99/1〜99.9/0.1であるが、99.1/0.9〜99.95/0.05が好ましく、99.2/0.8〜99.9/0.1がより好ましい。化合物(B)の量が増えて前記の範囲外になると、ウレタン系粘性調整剤の粘度を下げる効果が低下し、逆に化合物(B)の量が少ないと、除去に伴う時間や労力がかかり過ぎて経済的に好ましくない。
本発明の粘度低下剤組成物は、化合物(A)と化合物(B)の割合が上記の割合であれば水や有機溶剤で希釈されていてもよいが、製品として保存する場合や製品として流通させる場合には、その量が少ないほど効率がよいことから、化合物(A)と化合物(B)から成る組成物であることが好ましい。この場合、組成物全量に対する化合物(B)の割合は0.1〜1質量%となる。
ここでアルキレンオキシド付加反応及びその付加物について説明する。通常、アルコールにアルキレンオキシドを付加する場合は、オートクレーブ等を使用して加圧して付加反応を行う。例えば、ブタノール等の1価アルコールに6モルのエチレンオキシドを付加する場合は、1モルのブタノールとアルカリ触媒等の触媒をオートクレーブ内で混合した後、80〜150℃程度の反応温度で、6モルのエチレンオキシドをオートクレーブ内にフィードして完全に反応させ、その後触媒を除去すればよく、この反応で下記の構造式(3)で表される化合物が得られる。
Figure 0005899040
構造式(3)において、エチレンオキシドの付加モル数は6となっているが、これはあくまで「平均付加モル数」であり、付加反応によって得られた化合物が全て6モル付加物であるわけではない。アルキレンオキシドの付加反応により得られる化合物は、通常、幅広い分子量分布の化合物からなる組成物となる。
例えば、構造式(3)の化合物は、未反応の原料ブタノールが5質量%程度、1モル付加物が5質量%程度、2モル付加物が5〜8質量%程度と、各モル数の付加物が上は20モル付加物程度まで生成する。各モル数の生成量をグラフにプロットすると、基本的に6モル付加物が最大値となる正規分布に近いグラフを描くことができる。また、アルキレンオキシドの付加モル数が大きくなると、未反応の原料アルコールは減少するが、アルキレンオキシドを10モル付加した場合でも未反応の原料アルコールは3%程度残存する。このため、未反応の原料アルコールを1%以下にするには、通常20モル以上のアルキレンオキシドを付加する必要がある。なお、上記は原料アルコールとしてブタノールを例にとったが、他の脂肪族1価アルコールであっても同様の組成となる。
以上のように、アルキレンオキシド付加反応によって得られる化合物は、通常平均付加モル数で一義的に表されているが、実際には付加モル数の異なる化合物の集合体であり、アルキレンオキシドの平均付加モル数が20モル以下のものは、精製処理等を行わない限り未反応の原料アルコールが1質量%以上残存している。
本発明は一般式(1)で表される化合物を含有するが、nの値は上記で説明した平均付加モル数である。当然、一般式(1)で表される化合物はnの値が異なる化合物の混合物であり、通常の方法で製造すれば、nの値が0の化合物(一般式(2)で表される化合物)が3〜6質量%程度存在することになる。しかしながら本発明においてnの値が0の化合物は、粘度低下剤全量中の1質量%以下でなければならない。エチレンオキシドの付加反応において、一般式(2)で表される化合物を1質量%以下にするには、上記に示した通り20モルを超えるエチレンオキシドを付加する必要がある。そうなると平均付加モル数は10を超えて一般式(1)で表される化合物に該当しなくなるため、付加反応の条件をどう工夫しても本発明品を得ることはできない。そこで、本発明の粘度低下剤組成物を得るためには、エチレンオキシドの付加反応後に一般式(2)で表される化合物を除去する精製を行なう必要がある。
本発明のウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物の製造方法は、上記のように炭素数8〜11の分岐のアルキル基を有する1価のアルコールにエチレンオキシドを付加重合させ、その後当該1価のアルコールを除去する方法である。除去精製の方法は公知の方法であればいずれの方法でもよく、蒸留、カラムによる分留、溶剤抽出等が挙げられるが、大量の製品を容易にそして短時間に処理できることから蒸留による精製が好ましい。除去する一般式(2)で表される化合物は、粘度低下剤組成物中で最も沸点の低い化合物であり、蒸留したときに最初に出る留分を一定量除去することで、本発明の粘度低下剤組成物を得ることができる。例えば、使用したアルコールが2−エチルヘキサノール(2EH)であれば、2EHの沸点は185℃であり、組成物中のオキシエチレン基が付加したその他の化合物の沸点はそれより高くなる。そこで185℃以上に加熱して蒸留、または185℃以下の温度で減圧蒸留することで、2EHのみを除去することができる。なお、原料アルコールを0.01質量%未満になるまで除去することは可能であるが、多大な労力と時間が必要となるため経済的に好ましくない。
本発明のウレタン系粘性調整剤水溶液組成物は、ウレタン系粘性調整剤水溶液に本発明の粘度低下剤組成物を添加したものである。使用できるウレタン系粘性調整剤は種類を選ばず、公知のものであればいずれにも使用できる。具体的には、ウレタン結合を有する水溶性あるいは水分散性の化合物で、エマルションや水性塗料等の粘度を調整できるものや、エマルションや水性塗料等の粘性を調整できるものであり、例えば、特開2002−069430号公報や特開2002−226542号公報等に記載された、(i)ジイソシアネート化合物及び1価のアルコールのエチレンオキシド付加物等のモノオールとの反応物;(ii)ジイソシアネート化合物、1価のアルコール及びポリエチレングリコール等の2価のアルコールとの反応物;(iii)ジオールとモノイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
例えば、上記(i)及び(ii)で使用するジイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートして、具体的に、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとして、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの、ジイソシアネートして、炭素数6〜24のジイソシアネートを使用することが好ましい。
(iii)で使用するモノイソシアネートとして、たとえば脂肪族モノイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香族モノイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族モノイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族モノイソシアネートとしては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート等が挙げられる。また、前記芳香族モノイソシアネートとしては、例えば、フェニルイソシアネート、トリレンイソシアネート等が挙げられる。また、前記脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのモノイソシアネートとして炭素数1〜24の脂肪族モノイソシアネートが好ましい。
さらに、(i)及び(ii)で使用できるモノオールとして、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール、ラッセロール、テトラトリアコンタノール、アリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。これらのなかでも、炭素原子数1〜36のものが好ましく、炭素原子数8〜36のものがなお好ましい。また、分岐鎖のものが好ましい。
また、(i)のモノオールに重合するエチレンオキサイドの重合度は、平均して1〜1000であり、好ましくは5〜800、さらに好ましくは10〜200がよい。
(ii)および(iii)で使用できるジオールとして、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール共重合体等が挙げられる。なお、これらのジオールの重量平均分子量は1000〜30000であることが好ましく、3000〜20000であることがより好ましい。
これらのウレタン系粘性調整剤は取り扱いが容易になることから、通常、10〜50質量%水溶液の状態で流通しているが、水溶液の粘度が数十万mPa・Sの高粘度になる場合もあり、高粘度のため取扱いにくい、あるいはエマルション等に溶解しにくい等の問題がある。ウレタン系粘性調整剤の濃度を下げれば粘度も下がるが、水分量が増えるため、経済的に不利になる場合や使用時にエマルション等に多量の水が添加されて不具合を生じる場合がある。また、水溶性の溶剤を添加してもある程度粘度を下げることはできるが、効果が十分でない場合や、人体に有毒な場合、あるいは廃棄時の環境に対する負荷が大きくなる等の問題が生じる場合がある。
本発明の粘度低下剤組成物は安全性が高く、比較的低い添加量で効果が得られる。当該添加量に特に規定はないが、本発明のウレタン系粘性調整剤水溶液全量に対して、1〜20質量%になるように添加することが好ましく、3〜15質量%がより好ましい。1質量%未満になると減粘の効果が得られない場合があり、20質量%を超えると添加量に見合った効果が得られない場合や、添加後の溶液が不均一になる場合がある。なお、ウレタン系粘性調整剤は、通常、10〜50質量%程度の水溶液になっているが、本発明の粘度低下剤組成物はウレタン系粘性調整剤の濃度に関係なく使用することができる。
以下本発明を実施例により、具体的に説明する。尚、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
<製造例1>
オートクレーブに2−エチルヘキサノール130g(1モル)と触媒として水酸化カリウム0.5gを入れ、窒素置換後、130℃に昇温した。その後125〜135℃を保って攪拌しながら、エチレンオキド(EO)352g(8モル)を1時間かけてフィードし、フィード終了後、同温度で2時間熟成して反応を完結させた。得られた反応物の触媒を除去するために、吸着剤(キョーワード700:協和化学社製)を5g添加して、100℃で1時間攪拌した後ろ過し、更に脱水を行って2−エチルヘキサノールの8EO付加物(比較品1)を得た。
比較品1をフラスコに入れて100℃に昇温し、1〜3kPaに減圧した。その後同圧力を保ったまま150℃まで昇温して2時間脱アルコールを行い、2−エチルヘキサノールの9.2モルEO付加物(発明品1)を得た。なお、EO付加モル数はいずれも平均EO付加モル数であり、発明品1のEO付加モル数が8から9.2に上がっているのは、脱アルコールによって平均EO付加モル数が変化したためである。結果を表1に示す。
<その他の製造例>
製造例1と同様の方法で、各種原料アルコールにEOを付加し、得られたEO付加物(比較品2〜5)から製造例1と同様の方法で脱アルコールをして、原料アルコール含量の低い組成物(発明品2〜5、比較品6,7)を得た。結果を表1に示した。なお、脱原料アルコール時の温度や圧力は、使用した原料アルコールの沸点等を考慮して適宜調整した。結果を表1に示す。なお発明品1〜5は、いずれも比較品1〜5を脱原料アルコールしたものであり、発明品1と比較品1、発明品2と比較品2、発明品3と比較品3、発明品4と比較品4、発明品5と比較品5が対応している。
Figure 0005899040
分岐デカノール:商品名「デカノール」(協和発酵ケミカル株式会社製)
分岐ウンデカノール:2−メチル−1−デカノール
上記比較品3および実施品3に対応するEO付加物のガスクロマトグラフィーによるチャートを示す。図1は比較品3(脱アルコール前(蒸留前))のチャートである。また、図2は実施品3(脱アルコール後)のチャートである。また、以下の表2に、実施品3および比較品3の成分の割合を示した。
Figure 0005899040
上記のガスクロマトグラフィーは以下の条件で行った。
機種名:GC−2014(島津製作所株式会社製)
カラム:DB−1MS(長さ×内径×膜厚;30m×0.25mm×0.25μm)(アジレントテクノロジー社製)
キャリアガス(ヘリウム):1.24ml/分
パージ流量(空気):3ml/分
サンプル量:1.0μl(アセトンにて10倍量に希釈したもの)
昇温速度:100℃で開始し、20℃/分の昇温速度で320℃まで昇温、320℃で20分間保持した。
なお、他の本発明品および比較品のEO付加物についても同様に測定した。
<試験>
以下の構造及び組成のウレタン系粘性調整剤水溶液100gに、上記の粘度低下剤組成物を10g添加して、25℃の恒温槽に1日放置した後、B型粘度計にて25℃での粘度を測定した。
(ウレタン系粘性調整剤の合成)
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、2−ドデシルヘキサデカノール1モルに対して30モルのエチレンオキシドを付加したアルコール346g(0.2モル)を仕込み、窒素置換後に80〜90℃に攪拌しながら加熱して溶解させ、そこにヘキサメチレンジイソシアネート17g(0.1モル)を添加し、同温度で3時間反応させて試験用のウレタン系粘性調整剤を得た。このウレタン系粘性調整剤を以下の配合で均一溶液にし、これらの溶液の25℃での粘度を測定した。結果を表3に示す。
(配合)
ウレタン系粘性調整剤:25質量%
粘度低下剤 : 9質量%
水 :66質量%
Figure 0005899040
*比較例8はウレタン系粘性調整剤25質量%、水75質量%の組成物である。当該組成物は、粘度が上がりすぎてゼリー状になり、B型粘度計では測定ができなかった。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)で表される化合物(A)及び下記の一般式(2)で表される化合物(B)を含有する組成物であって、(A)と(B)の割合が質量比で(A)/(B)=99/1〜99.99/0.01であることを特徴とするウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物。
    Figure 0005899040
    (式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表し、nは5〜10の数を表す。)
    Figure 0005899040
    (式中、Rは炭素数8〜11の分岐のアルキル基を表す。)
  2. 化合物(A)及び化合物(B)から成ることを特徴とする請求項1に記載のウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物。
  3. 及びRが同一の基であることを特徴とする請求項1または2に記載のウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の粘度低下剤組成物を1〜20質量%含有するウレタン系粘性調整剤水溶液。
  5. 炭素数8〜11の分岐のアルキル基を有する1価のアルコールにエチレンオキシドを付加重合させ、その後当該1価のアルコールを除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のウレタン系粘性調整剤用の粘度低下剤組成物の製造方法。
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