JP6190607B2 - 燃料電池シール体 - Google Patents

燃料電池シール体 Download PDF

Info

Publication number
JP6190607B2
JP6190607B2 JP2013068590A JP2013068590A JP6190607B2 JP 6190607 B2 JP6190607 B2 JP 6190607B2 JP 2013068590 A JP2013068590 A JP 2013068590A JP 2013068590 A JP2013068590 A JP 2013068590A JP 6190607 B2 JP6190607 B2 JP 6190607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
fuel cell
solvent
sealing
ethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013068590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013229323A (ja
Inventor
山本 健次
健次 山本
宏和 林
宏和 林
晋次 北
晋次 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to PCT/JP2013/059253 priority Critical patent/WO2013147020A1/ja
Priority to JP2013068590A priority patent/JP6190607B2/ja
Publication of JP2013229323A publication Critical patent/JP2013229323A/ja
Priority to US14/302,808 priority patent/US20140287340A1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6190607B2 publication Critical patent/JP6190607B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム部材とが、接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体に関するものである。
ガスの電気化学反応により電気を発生させる燃料電池は、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ない。なかでも固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動させることができ、大きな出力密度を有する。このため、発電用、自動車用電源等、種々の用途が期待される。
固体高分子型燃料電池においては、膜電極接合体(MEA)等を金属セパレータで挟持したセルが発電単位となる。MEAは、電解質となる高分子膜(電解質膜)と、電解質膜の厚さ方向両面に配置された一対の電極触媒層〔燃料極(アノード)触媒層、酸素極(カソード)触媒層〕とからなる。一対の電極触媒層の表面には、さらにガスを拡散させるための多孔質層(ガス拡散層)が配置される。燃料極側には水素等の燃料ガスが、酸素極側には酸素や空気等の酸化剤ガスがそれぞれ供給される。供給されたガスと電解質と電極触媒層との三相界面における電気化学反応により、発電が行われる。固体高分子型燃料電池は、上記セルを多数積層したセル積層体を、セル積層方向の両端に配置したエンドプレート等により締め付けて構成される。
金属セパレータには、各々の電極に供給されるガスの流路や、発電の際の発熱を緩和するための冷媒の流路が形成される。また、電解質膜は、水を含んだ状態でプロトン導電性を有するため、作動時には、電解質膜を湿潤状態に保つ必要がある。したがって、ガスの混合、ガスおよび冷媒の漏れを防止するとともに、セル内を湿潤状態に保持するためには、MEAおよび多孔質層の周囲や、隣り合う金属セパレータ間のシール性を確保することが重要となる。これらの構成部材をシールするシール部材としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等のゴム成分に、レゾルシノール系化合物等の接着成分を練り込み、シール部材自体に接着性を持たせ、接着剤を塗布することなしに(接着剤レス)、金属セパレータ等の構成部材とのシール性を確保した燃料電池用接着性シール部材が提案されている(特許文献1)。
特開2011−249283号公報
上記特許文献1に記載の燃料電池用接着性シール部材は、ゴム成分中に練り込んだ接着剤成分と、金属セパレータとが水素結合により接着するため、シール性の点では非常に優れている。しかしながら、上記ゴム成分中に練り込んだ接着成分が、汎用の金型に対しても接着し、金型が汚染するという問題がある。この対策として、表面をテフロン(登録商標)コーティング処理した金型を使用することも考えられるが、耐久性が悪く、また接着成分の汚染が徐々に進むため、金型を清掃する必要があり、自動化が困難で、コストが高く、量産性の点で改良の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、金型汚染がなく、低コストで量産性に優れ、接着信頼性の高い燃料電池シール体の提供をその目的とする。
本発明者らは、金型汚染がなく、低コストで量産性に優れ、接着信頼性の高い燃料電池シール体を得るため、鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、シール用のゴム部材中に接着成分を練り込むのではなく、接着成分を含有しないゴム部材(加硫ゴム等)を予め作製し、このゴム部材および燃料電池用構成部材(金属セパレータ等)の少なくとも一方に、溶剤系のゴム組成物を塗布して後接着することに着目した。その結果、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のゴム成分(A)、有機過酸化物からなる架橋剤(B)、レゾルシノール系化合物等の接着成分(C)とともに溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物からなる接着層を介して、燃料電池用構成部材とシール用のゴム部材とが接着されてなる燃料電池シール体により、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、接着層を介して金属セパレータが接着されてなるシール用のゴム部材と、接着層を介して膜電極接合体が接着されてなるシール用のゴム部材とを備え、上記膜電極接合体に接着されたゴム部材同士が接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体であって、上記接着層の全てが、厚み0.01〜0.5mmであり、下記の(A)〜(C)とともに溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物が架橋されてなる層である燃料電池シール体を、その要旨とする。
(A)エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
(B)有機過酸化物からなる架橋剤。
(C)レゾルシノール系化合物、メラミン系化合物、アルミネート系カップリング剤およびシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの接着成分。
以上のように、本発明の燃料電池シール体は、接着層を介して金属セパレータが接着されてなるシール用のゴム部材と、接着層を介して膜電極接合体が接着されてなるシール用のゴム部材とを備え、上記ゴム部材同士が接着層を介して接着されてなる。そして、上記接着層が、厚み0.01〜0.5mmであり、エチレン−プロピレン−ジエンゴム等のゴム成分(A)、有機過酸化物からなる架橋剤(B)、レゾルシノール系化合物等の接着成分(C)とともに溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物(以下、「溶剤系ゴム組成物」と記載する場合もある。)からなる。
上記溶剤系ゴム組成物は、接着成分(C)を含有するため、燃料電池用構成部材とシール用のゴム部材との接着性、もしくは上記ゴム部材同士の接着性が良好で、接着信頼性が高い。例えば、接着成分(C)としてレゾルシノール系化合物およびメラミン系化合物を含む場合には、メラミン系化合物がメチレン供与体となり、レゾルシノール系化合物がメチレン授与体となる。架橋時に、メチレン基の供与により、レゾルシノール系化合物とゴム部材(加硫ゴム等)の2重結合とが架橋して化学結合するとともに、燃料電池用構成部材(金属セパレータ等)の水酸基とも水素結合する。これにより接着層を介してゴム部材(加硫ゴム等)と燃料電池用構成部材(金属セパレータ等)とが接着するようになる。また、接着成分(C)としてアルミネート系カップリング剤を含む場合には、接着剤層中のアルミネート系カップリング剤を介して、燃料電池用構成部材とシール用ゴム部材とが接着する。同様に、接着成分(C)としてシランカップリング剤を含む場合には、接着剤層中のシランカップリング剤を介して、燃料電池用構成部材とシール用ゴム部材とが接着する。さらに、燃料電池用構成部材が金属セパレータ等以外の非金属材料の場合、例えば、膜電極接合体(MEA)やガス拡散層等の場合は、接着層中の接着成分(C)と、燃料電池用構成部材との相溶性もしくは熱融着力により、両者が接着するものと考えられる。
これらの接着成分(C)の接着力は大きい。加えて、燃料電池の作動環境においても、接着力は低下しにくい。したがって、本発明の燃料電池シール体によると、燃料電池を長期間作動させた場合でも、良好なシール性が確保される。すなわち、燃料電池の作動信頼性を向上させることができる。
本発明の燃料電池シール体は、燃料電池の作動温度から−30℃程度までの広い温度範囲で、ゴム弾性を有する。このため、本発明の燃料電池シール体によると、接着によるシールだけでなく、応力によるシールが可能となる。極低温下でゴム弾性が失われると、接着シールよりも、応力シールにおいてシール性が低下しやすい。この点、本発明の燃料電池シール体によると、極低温下においてもゴム弾性が維持されるため、応力シールであってもシール性が低下しにくい。
このように、本発明の燃料電池シール体は、燃料電池用構成部材とシール用のゴム部材とが、また上記ゴム部材同士が、上記(A)〜(C)および溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物からなる接着層により接着されているため、接着信頼性が高い。したがって、上記シール用のゴム部材中に接着成分を練り込む必要がないため、金型汚染がない。よって、金型を清掃する必要がないため、自動化が可能で、低コストで量産性に優れている。また、本発明では、溶剤を使用することにより、溶剤系ゴム組成物の粘度を下げることができるため、スプレー塗布等により接着層を容易に形成することができ、作業効率に優れている。
上記特定のゴム(A)中の、エチレン−プロピレンゴム(EPM)やエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)は、そのエチレン含有量が少ないほど、−20〜−30℃程度の極低温下で結晶化しにくい。つまり、エチレン含有量が少ないEPM、EPDMは、極低温下においてもゴム弾性が低下しにくいため、極低温下においてもゴム弾性を維持することができる。よって、エチレン含有量が60重量%以下のエチレン−プロピレンゴムやエチレン−プロピレン−ジエンゴムを使用すると、極低温下におけるシール性がさらに向上する。
本発明の燃料電池シール体の一例を示す断面図である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の燃料電池シール体としては、例えば、燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム部材とが、接着層を介して接着されてなるもの、また上記燃料電池用構成部材をシールするゴム部材同士が、接着層を介して接着されてなるものがあげられる。
本発明においては、上記接着層が、下記の(A)〜(C)とともに溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物からなることが、最大の特徴である。
(A)エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つゴム成分。
(B)有機過酸化物からなる架橋剤。
(C)レゾルシノール系化合物、メラミン系化合物、アルミネート系カップリング剤およびシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの接着成分。
まず、上記接着層用の溶剤系ゴム組成物の各成分について説明する。
《特定のゴム成分(A)》
上記特定のゴム(A)は、上記ゴム組成物の主成分であって、通常、ゴム組成物全体(但し、溶剤を除いた固形分重量)の過半を占める。
上記特定のゴム成分(A)としては、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)および水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)からなる群から選ばれた少なくとも一つが用いられる。これらの1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、後述するムーニー粘度が異なる二つ以上の同種のゴムを、混合して用いてもよい。
上記エチレン−プロピレンゴム(EPM)またはエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)のエチレン含有量は、極低温下におけるシール性の向上の観点から、60重量%以下が好ましく、特に好ましくは53重量%以下である。
上記特定のゴム成分(A)のムーニー粘度は、100[ML(1+4)100℃]以下が好ましく、特に好ましくは60[ML(1+4)100℃]以下である。ムーニー粘度が上記範囲内であると、溶剤系ゴム組成物の流動性が高くなり、塗工性が向上する。
なお、本明細書において、ムーニー粘度は、JIS K6300−1(2001)に準じて測定された値を意味する。
燃料電池の作動環境における耐酸性および耐水性の観点から、上記特定のゴム成分(A)は、EPDMを含むことが好ましい。上記EPDMのジエン量(ジエン成分の質量割合)は、4〜15重量%の範囲が好ましい。
上記EPDMのジエン成分としては、例えば、炭素数5〜20のジエン系モノマーが好ましく、具体的には、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等があげられる。
《特定の架橋剤(B)》
上記特定の架橋剤(B)は、有機過酸化物からなるものである。上記有機過酸化物としては、例えば、パーオキシケタール、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。このような有機過酸化物のなかでも、例えば、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物からなるものが好ましく用いられる。そして、電解質膜と接着させるためには、1時間半減期温度が130℃以下の有機過酸化物を用いることがより好ましい。さらには、これらのなかでも、130℃程度の温度で架橋しやすく、架橋剤を加えて混練したゴム組成物の取扱性にも優れるという理由から、1時間半減期温度が100℃以上のパーオキシケタールおよびパーオキシエステルの少なくとも一方が好ましく、特に好ましくは、1時間半減期温度が110℃以上のものが好適である。また、パーオキシエステルを用いると、より短時間で架橋を行うことができる。
本発明において、上記架橋剤(B)での、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物における「半減期」とは、有機過酸化物の濃度(活性酸素量)が初期値の半分になるまでの時間である。よって、「半減期温度」は、有機過酸化物の分解温度を示す指標となる。上記「1時間半減期温度」は、半減期が1時間となる温度である。つまり、1時間半減期温度が低いほど、低温で分解しやすい。1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物を用いることにより、架橋をより低温(具体的には150℃以下)で、かつ短時間で行うことができる。したがって、例えば、固体高分子型燃料電池の電解質膜の近傍においても、本発明の燃料電池シール体を使用することができる。
上記パーオキシケタールとしては、例えば、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン等があげられる。
上記パーオキシエステルとしては、例えば、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートがあげられる。
これらのうち、上記特定のゴム成分(A)との反応が比較的速いという理由から、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートが好適である。なかでも、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを用いると、より短時間で架橋を行うことができる。
上記特定の架橋剤(B)(純度100%の原体の場合)の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して0.4〜12重量部の範囲が好ましい。上記特定の架橋剤(B)の配合量が少なすぎると、架橋反応を充分に進行させることが困難となる傾向がみられ、上記特定の架橋剤(B)の配合量が多すぎると、架橋反応時に架橋密度が急激に上昇して、接着力の低下を招く傾向がみられる。
《特定の接着成分(C)》
上記特定の接着成分(C)としては、レゾルシノール系化合物、メラミン系化合物、アルミネート系カップリング剤およびシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも一つが用いられる。
上記レゾルシノール系化合物としては、例えば、レゾルシン、変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、低揮発性、低吸湿性、ゴムとの相溶性が優れるという点で、変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂が好ましい。上記変性レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂としては、例えば、下記の一般式(1)〜(3)で表されるものがあげられる、特に好ましくは、一般式(1)で表されるものである。
Figure 0006190607
Figure 0006190607
Figure 0006190607
上記レゾルシノール系化合物の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは1〜15重量部の範囲である。上記レゾルシノール系化合物の配合量が少なすぎると、所望の接着力を得ることが困難となる傾向がみられ、上記レゾルシノール系化合物の配合量が多すぎると、ゴムの物性が低下する傾向がみられる。
上記メラミン系化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物、ヘキサメチレンテトラミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらは、架橋の際の加熱下で分解し、ホルムアルデヒドを系に供給する。なかでも、低揮発性、低吸湿性、ゴムとの相溶性が優れるという点で、ホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物が好ましい。上記ホルムアルデヒド・メラミン重合物のメチル化物としては、例えば、下記の一般式(4)で表されるものが好ましく、特に、一般式(4)中、n=1の化合物が43〜44重量%、n=2の化合物が27〜30重量%、n=3の化合物が26〜30重量%の混合物が好ましい。
Figure 0006190607
ここで、上記レゾルシノール系化合物とメラミン系化合物との配合比は、重量比で、1:0.5〜1:2の範囲が好ましく、特に好ましくは1:0.77〜1:1.5の範囲である。メラミン系化合物の配合比が小さすぎると、ゴムの引張り強さ、伸び等が若干低下する傾向がみられ、メラミン系化合物の配合比が高すぎると、接着力が飽和するため、それ以上の配合はコストアップにつながる。
上記アルミネート系カップリング剤としては、加水分解可能なアルコキシ基と、ゴム成分と親和性がある部分とを有するアルミニウム有機化合物の中から、接着性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレキシエチルアセトアセテート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテートが好ましい。
上記アルミネート系カップリング剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜15重量部の範囲である。上記アルミネート系カップリング剤の配合量が少なすぎると、所望の接着力を得ることが困難となる傾向がみられ、上記アルミネート系カップリング剤の配合量が多すぎると、ゴムの物性低下を招き、加工性も低下する傾向がみられる。
上記シランカップリング剤は、官能基としてエポキシ基、アミノ基、ビニル基等を有する化合物群の中から、接着性等を考慮して適宜選択すればよい。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等があげられる。また、揮発を防ぐために、これら化合物が結合したオリゴマーも用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、エポキシ基またはビニル基を有する化合物群から選ばれる一種以上を用いると、接着力が向上すると共に、燃料電池の作動環境においても、接着力が低下しにくい。具体的には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン等が好ましい。
上記シランカップリング剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜10重量部の範囲である。上記シランカップリング剤の配合量が少なすぎると、所望の接着力を得ることが困難となる傾向がみられ、上記シランカップリング剤の配合量が多すぎると、ゴムの物性低下を招き、加工性も低下する傾向がみられる。
《溶剤》
上記溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、メチルシクロヘキサン、n−へプタン、m−クレゾール、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、ゴムの溶解性の点で、THF、トルエン、メチルシクロヘキサン、n−へプタンが好ましい。
上記溶剤の配合量は、ゴム組成物の固形分濃度が好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%となるように配合される。上記溶剤の配合量が少なすぎると、塗工性が落ちる傾向がみられ、上記溶剤の配合量が多すぎると、所望の接着力を得ることが困難になる傾向がみられる。
なお、本発明に使用する溶剤系ゴム組成物には、上記(A)〜(C)および溶剤以外に、架橋助剤(D)、軟化剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、粘着付与剤、加工助剤等の、通常のゴム組成物に用いられる各種添加剤を配合しても差し支えない。
《架橋助剤(D)》
上記架橋助剤としては、例えば、マレイミド化合物、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋密度や強度の向上効果が大きいという理由から、マレイミド化合物を用いることが好ましい。
上記架橋助剤(D)の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲が好ましい。上記架橋助剤の配合量が少なすぎると、架橋反応を充分に進行させることが困難となる傾向がみられ、上記架橋助剤の配合量が多すぎると、架橋密度が大きくなり過ぎて、接着力が低下する傾向がみられる。
《軟化剤》
上記軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ワセリン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナバロウ、ラノリン等のワックス類、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸等があげられる。
上記軟化剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して通常40重量部以下である。
上記軟化剤のなかでも、流動点が−40℃以下の軟化剤が好ましく、例えば、ポリαオレフィン、ジオクチルフタレート(DOP)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DOS)、ジブチルセバケート(DBS)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、特定のゴム成分(A)との相溶性が良好で、ブリードしにくいという観点から、ポリαオレフィンが好ましい。ポリαオレフィンは、炭素数6〜16のαオレフィンを重合させたものである。ポリαオレフィンにおいては、分子量が小さいほど、粘度が小さく流動点も低い。
軟化剤は、流動点が低いほど、極低温下において硬化しにくい。したがって、流動点が低いものほど、極低温下におけるゴム成分の結晶化抑制効果が大きい。より好適な軟化剤の流動点は、−40℃以下である。一方、流動点が低すぎると、燃料電池の作動時等において揮発しやすくなる。よって、軟化剤の流動点は、−80℃以上であることが望ましい。
なお、流動点の測定は、JIS K2269(1987)に準じて行えばよい。
《補強剤》
上記補強剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ等があげられる。上記カーボンブラックのグレードは、特に限定されるものではなく、SAF級、ISAF級、HAF級、MAF級、FEF級、GPF級、SRF級、FT級、MT級等から適宜選択すればよい。
上記補強剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して、通常10〜130重量部の範囲である。
上記可塑剤としては、ジオクチルフタレート(DOP)等の有機酸誘導体、リン酸トリクレジル等のリン酸誘導体があげられる。
上記可塑剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して、通常40重量部以下である。
上記老化防止剤としては、フェノール系、イミダゾール系、ワックス等があげられる。上記老化防止剤の配合量は、上記特定のゴム成分(A)100重量部に対して、通常0.5〜10重量部の範囲である。
〈シール用のゴム部材〉
上記シール用のゴム部材(以下、「シール用ゴム部材」と記載する場合もある。)は、有機過酸化物(架橋剤)により架橋するゴムが好ましく、具体的には、上記で例示したソリッドゴム(EPM、EPDM、NBR、H−NBR)等があげられる。なかでも、極低温下におけるシール性の向上の観点から、エチレン含有量が60重量%以下、特に好ましくは53重量%以下のEPMもしくはEPDMが好ましい。
上記シール用ゴム部材は、有機過酸化物(架橋剤)により架橋するゴムが好ましく、具体的には、上記溶剤系ゴム組成物中に使用するゴム(A)と同様のゴム(EPM、EPDM、NBR、H−NBR)等があげられる。なかでも、エチレン含有量が53重量%以下のEPMもしくはEPDMが好ましい。
上記シール用ゴム部材を形成するゴム組成物としては、上記特定のゴム(A)とともに、特定の架橋剤(B)を使用することもできる。また、上記シール用ゴム部材を形成するゴム組成物には、接着成分(C)以外の添加剤、例えば、架橋助剤、軟化剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、粘着付与剤、加工助剤等の、通常のゴム組成物に用いられる各種添加剤を配合しても差し支えない。
〈燃料電池シール体〉
本発明の燃料電池シール体としては、前述したように、燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム部材とが、接着層を介して接着されてなるもの、また上記燃料電池用構成部材をシールするゴム部材同士が、接着層を介して接着されてなるものがあげられる。
上記ゴム部材によりシールされる燃料電池用構成部材は、燃料電池の種類、構造等により様々であるが、例えば、セパレータ(金属セパレータ等)、ガス拡散層(GDL)、MEA(電解質膜、電極)等があげられる。
図1は、複数枚のセルが積層されてなる燃料電池における単一のセル1を主として示したものであり、セル1は、MEA2と、ガス拡散層(GDL)3と、ゴム部材4aと、セパレータ5と、接着層6を備えている。また、積層方向に隣接するセル(図示せず)の背向するセパレータ5同士は、接着層6を介して、ゴム部材4bと接着されている。
本発明の燃料電池シール体としては、例えば、図1に示すように、セパレータ5とゴム部材4a,4bとが接着層6を介して接着されてなるもの、MAE2とゴム部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、ガス拡散層3とゴム部材4aとが接着層6を介して接着されてなるもの、隣接するゴム部材4a同士が接着層6を介して接着されてなるもの等があげられる。
MEA2は、図示しないが、電解質膜を挟んで積層方向両側に配置されている一対の電極からなる。電解質膜および一対の電極は、矩形薄板状を呈している。上記MEA2を挟んで積層方向両側には、ガス拡散層3が配置されている。上記ガス拡散層3は、多孔質層で、矩形薄板状を呈している。
上記セパレータ5は、チタン等の金属製のものが好ましく、導通信頼性の観点から、DLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)やグラファイト膜等の炭素薄膜を有する金属セパレータが特に好ましい。上記セパレータ5は、矩形薄板状を呈しており、長手方向に延在する溝が合計六つ凹設されており、この溝により、セパレータ5の断面は、凹凸形状を呈している。セパレータ5は、ガス拡散層3の積層方向両側に、対向して配置されている。ガス拡散層3とセパレータ5との間には、凹凸形状を利用して、電極にガスを供給するためのガス流路7が区画されている。また、積層方向に隣接するセル(図示せず)の背向するセパレータ5同士の間には、凹凸形状を利用して、冷媒を流すための冷媒流路8が区画されている。
上記シール用のゴム部材4aは、矩形枠状を呈しており、シール用のゴム部材4bよりも積層方向肉厚が厚い。ゴム部材4aは、接着層6を介して、MEA2やガス拡散層3の周縁部、およびセパレータ5に接着され、MEA2やガス拡散層3の周縁部を封止している。なお、図1において、ゴム部材4aは、上下に分かれた2個の部材を使用しているが、両者を合わせた単一のゴム部材であっても差し支えない。
上記シール用のゴム部材4bは、矩形枠状を呈しており、シール用のゴム部材4aよりも積層方向肉厚が薄い。ゴム部材4bは、接着層6を介して、積層方向に隣接するセル(図示せず)背向するセパレータ5に接着されている。ゴム部材4bにより、背向するセパレータ5間に、冷媒流路8が封止されている。
固体高分子型燃料電池等の燃料電池の作動時には、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、各々ガス流路7を通じて供給される。また、発電の際の発熱を緩和するために、冷媒が冷媒流路8を流れる。ここで、MEA2の周縁部は、接着層6を介して、シール用のゴム部材4aによりシールされている。このため、ガスの混合や漏れは生じない。また、積層方向に隣接するセル(図示せず)の背向するセパレータ5同士の間も、接着層6を介して、シール用のゴム部材4bによりシールされている。このため、冷媒流路8から外部に冷媒が漏出しにくい。
本発明の燃料電池シール体は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、上記シール用のゴム部材は、例えば、上記EPDM、有機過酸化物(架橋剤)および必要に応じて各種添加剤を含有するゴム組成物を調製し、これを所定条件(130〜170℃×3〜30分)で架橋することにより得ることができる。この場合、燃料電池用構成部材との煩雑な位置合わせが不要になるため、連続加工がしやすくなり、燃料電池の生産性をより向上させることができる。なお、上記シール部材としては、未加硫ゴムを使用することも可能である。
上記接着層用の溶剤系ゴム組成物は、例えば、つぎのようにして調製することができる。すなわち、まず、架橋剤(B)、接着成分(C)、架橋助剤(D)以外の材料を予備混合して、80〜140℃で数分間混練する。つぎに、得られた混練物を冷却して、架橋剤(B)、接着成分(C)および必要に応じて架橋助剤(D)を加える。そして、オープンロール等のロール類を用い、ロール温度40〜70℃で5〜30分間混練する。なお、接着成分(C)は、予備混合の段階で配合しても差し支えない。つぎに、この混練物を溶剤を用いて所定濃度に希釈することにより、溶剤系ゴム組成物を調製することができる。
つぎに、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材、およびこれをシールするゴム部材の何れか一方もしくは双方に、上記溶剤系ゴム組成物を塗布した後、所定条件(20〜80℃×5〜240分)で乾燥する。これにより、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、ゴム部材とが、接着層を介して接着されてなる、本発明の燃料電池シール体を得ることができる。
上記溶剤系ゴム組成物のB型粘度計による粘度(常温)は、通常4000Pa・s以下であり、好ましくは2500〜3000Pa・sである。
上記溶剤系ゴム組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー塗布、ディスペンサー塗布等があげられ、通常は常温の条件化で塗布すればよい。
本発明の燃料電池シール体における接着層の厚みは、通常0.01〜0.5mmであり、好ましくは0.05〜0.3mmである。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」は重量基準を意味する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示すゴム組成物の材料を準備した。
《特定のゴム成分(A)》
〔EPDM(A1)〕
JSR社製、JSR EP27(ムーニー粘度=105[ML(1+4)100℃]、エチレン量=54%、ジエン量=4.5%)
〔EPDM(A2)〕
住友化学社製、エスプレン505(ムーニー粘度=75[ML(1+4)100℃]、エチレン量=50%、ジエン量=10%)
〔EPDM(A3)〕
三井化学社製、三井EPT 4045M(ムーニー粘度=45[ML(1+4)100℃]、エチレン量=45%、ジエン量=8%)
〔EPDM(A4)〕
三井化学社製、三井EPTX 4010M(ムーニー粘度=8[ML(1+4)100℃]、エチレン量=54%、ジエン量=7.6%)
《特定の架橋剤(B)》
〔パーオキシケタール(B1)〕
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油社製、パーヘキサC−40、純度40%、1時間半減期温度=111.1℃)
[ジアルキルパーオキサイド(B2)]
日油社製、パーヘキシン25B−40、純度40%、1時間半減期温度=149.9℃)
《接着成分(C)》
〔レゾルシノール系化合物(C1)〕
田岡化学工業社製、タッキロール620
〔メラミン系化合物(C2)〕
住友化学社製、スミカノール507AP
〔シランカップリング剤(C3)〕
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM403)
《架橋助剤(D)》
〔マレイミド化合物(D1)〕
大内新興化学工業社製、バルノックPM
《軟化剤(E)》
〔パラフィン系プロセスオイル(E1)〕
出光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW380(流動点=−15℃)
〔ポリαオレフィン化合物(E2)〕
エクソンモービル社製、SpectraSyn4(流動点=−60℃)
《補強剤(F)》
〔カーボンブラック(GPF級)(F1)〕
キャボットジャパン社製、ショウブラックIP200
〔シリカ(F2)〕
デグサ社製、カープレックス1120
《溶剤》
〔テトラヒドロフラン〕
〔トルエン〕
〔実施例1〕
(接着層用の溶剤系ゴム組成物の調製)
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合し、溶剤系ゴム組成物を調製した。すなわち、まず、表1中、ゴム成分(A)、軟化剤(E)および補強剤(F)を、バンバリーミキサーを用いて120℃で5分間混練した。混練物を冷却した後、架橋剤(B)、接着成分(C)および架橋助剤(D)を追加して、オープンロールを用いて50℃で10分間混練し、ゴム組成物を得た。つぎに、この混練物を溶剤を用いて所定濃度(固形分濃度:20重量%)に希釈して、溶剤系ゴム組成物(B型粘度計による粘度:2800Pa・s/常温)を調製した。
(シール用の加硫ゴムの作製)
上記接着層用の溶剤系ゴム組成物から、接着成分(C)、架橋助剤(D)および溶剤以外の成分を用いて、上記溶剤系ゴム組成物と同様にして、ゴム組成物を調製した。すなわち、EPDM(JSR社製、JSR EP27)100部、パラフィン系プロセスオイル(出光興産社製、ダイアナプロセスオイルPW380)10部およびGPF級カーボンブラック(キャボットジャパン社製、ショウブラックIP200)45部を、バンバリーミキサーを用いて120℃で5分間混練した。混練物を冷却した後、パーオキシケタール〔1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油社製、パーヘキサC−40)5部を追加して、オープンロールを用いて50℃で10分間混練し、ゴム組成物を調製した。そして、このゴム組成物を150℃で10分間架橋した後、ゴム片を切り出し、シール用の加硫ゴム(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)を作製した。
Figure 0006190607
上記のようにして得られた溶剤系ゴム組成物および加硫ゴムを用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記表1に併せて示した。
〔加硫ゴム接着性(加硫ゴム/接着層)〕
JIS K6256−2(2006)に準拠した90°剥離試験を行い接着性を評価した。すなわち、上記で作製した加硫ゴム(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)の片面に、上記で調製した溶剤系ゴム組成物を、アネスト岩田社製のW−101−131G型スプレーガンを用いて、スプレー塗布(条件:射出速度100mm/sec、3〜6回塗布)し、これを150℃×30分保持して架橋、接着させることにより試験片(接着層の厚み0.1mm)を作製した。つぎに、上記試験片を所定の試験ジグに取り付けて、90°剥離試験を行い、接着性の評価を行った。評価基準は、ゴム破壊したものを○、界面剥離したものを×とした。
〔金属接着性(加硫ゴム/接着層/金属)〕
JIS K6256−2(2006)に準拠した90°剥離試験を行い、接着性を評価した。すなわち、チタン板(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)の表面に、上記で調製した溶剤系ゴム組成物を、アネスト岩田社製のW−101−131G型スプレーガンを用いて、スプレー塗布(条件:射出速度100mm/sec、3〜6回塗布)した。つぎに、その表面に、上記で作製した加硫ゴム(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)を配置した。そして、加硫ゴム側から押圧しながら150℃で30分間保持して架橋、接着させることにより試験片(接着層の厚み0.1mm)を作製した。つぎに、上記試験片を所定の試験ジグに取り付けて、90°剥離試験を行い、接着性の評価を行った。評価基準は、ゴム破壊したものを○、界面剥離したものを×とした。
〔電解質膜接着性(加硫ゴム/接着層/電解質膜)〕
上記金属接着性の評価において、チタン板に代えて、フッ素系樹脂(デュポン社製、ナフィオン)からなる電解質膜(厚み0.001mm、大きさ10mm×50mm)を使用する以外は、上記と同様にして、接着性の評価を行った。評価基準は、ゴム破壊したものを○、界面剥離したものを×とした。
〔実施例2〜5,7、比較例1〕
接着層用の溶剤系ゴム組成物として、上記表1に示す各ゴム組成物を使用する以外は、実施例1に準じて、加硫ゴム接着性、金属接着性および電解質膜接着性の評価を行った。その結果を、上記表1に併せて示した。なお、実施例7の溶剤系ゴム組成物を用いた試験片の作製条件(加硫条件)は、190℃×30分間とした。
〔実施例6,8〕
シール用の加硫ゴムに代えて未加硫ゴムを使用する以外は、実施例1に準じて、金属接着性および電解質膜接着性の評価を行った。なお、実施例8の溶剤系ゴム組成物を用いた試験片の作製条件(加硫条件)は、190℃×30分間とした。
(未加硫ゴムの作製)
シール用の実施例1の加硫ゴムの作製に用いたものと同様のゴム組成物を調製した。そして、このゴム組成物から、未加硫ゴム片を切り出し、シール用の未加硫ゴム(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)を作製した。
〔金属接着性(未加硫ゴム/接着層/金属)〕
JIS K6256−2(2006)に準拠した90°剥離試験を行い、接着性を評価した。すなわち、チタン板(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)の表面に、上記で調製した溶剤系ゴム組成物を、アネスト岩田社製のW−101−131G型スプレーガンを用いて、スプレー塗布(条件:射出速度100mm/sec、3〜6回塗布)した。つぎに、その表面に、上記で作製した未加硫ゴム(厚み5mm、大きさ25mm×60mm)を配置した。続いて、未加硫ゴム側から押圧しながら150℃で30分間保持して架橋、接着させることより、試験片(接着層の厚み0.1mm)を作製した。つぎに、上記試験片を所定の試験ジグに取り付けて、90°剥離試験を行い、接着性の評価を行った。評価基準は、ゴム破壊したものを○、界面剥離したものを×とした。
〔電解質膜接着性(未加硫ゴム/接着層/電解質膜)〕
上記金属接着性の評価において、チタン板に代えて、フッ素系樹脂(デュポン社製、ナフィオン)からなる電解質膜(厚み0.001mm、大きさ10mm×50mm)を使用する以外は、上記と同様にして、接着性の評価を行った。評価基準は、ゴム破壊したものを○、界面剥離したものを×とした。
上記表1の結果から、全実施例品は、接着層用の溶剤系ゴム組成物中に、接着成分(C)を配合しているため、ゴム部材(加硫ゴム、未加硫ゴム)、金属もしくは電解質膜との接着性に優れていた。しかも、全実施例品は、シール用ゴム部材(加硫ゴム、未加硫ゴム)中に接着成分(C)を配合していないため、金型汚染がなく、低コストで量産性に優れている。ちなみに、実施例品のなかでも、実施例7,8品[架橋剤としてジアルキルパーオキサイド(B2)使用]と比較して実施例1〜6品[架橋剤としてパーオキシケタール(B1)使用]の方が、より低温での加硫が可能となり好ましいと言える。
なお、スプレー塗布に代えて、武蔵エンジニアリング社製のJETMERTER2を用いて、ディスペンサー塗布(条件:射出速度60mm/sec、射出圧力0.05〜0.06MPa)を行った場合も、スプレー塗布と同様の評価結果が得られた。また、溶剤系ゴム組成物中のEPDMに代えて、EPM、NBR、H−NBRを使用した場合も、上記EPDMを使用した場合と同様の評価結果が得られた。
これに対して、比較例1品は、接着層用の溶剤系ゴム組成物中に接着成分(C)を配合していないため、ゴム部材(加硫ゴム、未加硫ゴム)、金属もしくは電化質膜との接着性が劣っていた。
本発明の燃料電池シール体は、金属セパレータ等の燃料電池用構成部材と、それをシールするゴム部材とが、接着層を介して接着されてなるか、もしくは上記燃料電池用構成部材をシールするゴム部材同士が、接着層を介して接着されてなる。そして、上記接着層は、(A)〜(C)および溶剤を含有する溶剤系ゴム組成物により形成されているため、接着信頼性が高い。そのため、上記ゴム部材には、接着成分(C)を練り込む必要がない。したがって、金型汚染の問題がなく、低コストで量産性に優れている。
1 セル
2 MEA
3 ガス拡散層
4a,4b ゴム部材
5 セパレータ
6 接着層

Claims (8)

  1. 接着層を介して金属セパレータが接着されてなるシール用のゴム部材と、接着層を介して膜電極接合体が接着されてなるシール用のゴム部材とを備え、上記膜電極接合体に接着されたゴム部材同士が接着層を介して接着されてなる燃料電池シール体であって、上記接着層の全てが、厚み0.01〜0.5mmであり、下記の(A)〜(C)とともに溶剤を含有する溶剤系のゴム組成物が架橋されてなる層であることを特徴とする燃料電池シール体。
    (A)エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムおよび水素添加アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つのゴム成分。
    (B)有機過酸化物からなる架橋剤。
    (C)レゾルシノール系化合物、メラミン系化合物、アルミネート系カップリング剤およびシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも一つの接着成分。
  2. 上記有機過酸化物が、1時間半減期温度が160℃以下の有機過酸化物である請求項1記載の燃料電池シール体。
  3. 上記溶剤系のゴム組成物がさらに下記の(D)を含有する請求項1または2記載の燃料電池シール体。
    (D)架橋助剤。
  4. (A)のエチレン−プロピレンゴムまたはエチレン−プロピレン−ジエンゴムのエチレン含有量が60重量%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料電池シール体。
  5. 溶剤が、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルシクロヘキサンおよびn−へプタンからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料電池シール体。
  6. 上記溶剤系のゴム組成物の粘度が、2500〜4000Pa・sである請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料電池シール体。
  7. シール用のゴム部材が、加硫ゴムである請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料電池シール体。
  8. シール用のゴム部材が、エチレン含有量が60重量%以下のエチレン−プロピレンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンゴムの少なくとも一方を含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の燃料電池シール体。
JP2013068590A 2012-03-30 2013-03-28 燃料電池シール体 Active JP6190607B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2013/059253 WO2013147020A1 (ja) 2012-03-30 2013-03-28 ゴム組成物および燃料電池シール体
JP2013068590A JP6190607B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-28 燃料電池シール体
US14/302,808 US20140287340A1 (en) 2012-03-30 2014-06-12 Rubber composition and fuel cell sealed body

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012078688 2012-03-30
JP2012078688 2012-03-30
JP2013068590A JP6190607B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-28 燃料電池シール体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013229323A JP2013229323A (ja) 2013-11-07
JP6190607B2 true JP6190607B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=49676710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013068590A Active JP6190607B2 (ja) 2012-03-30 2013-03-28 燃料電池シール体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6190607B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102094757B1 (ko) * 2018-09-20 2020-03-30 피씨케이(주) 연료전지 가스켓용 고무조성물 및 이를 이용한 연료전지용 가스켓
US11787931B2 (en) 2018-11-21 2023-10-17 Threebond Co., Ltd. Photocurable resin composition, sealing material for fuel cell, cured product thereof, fuel cell, and sealing method
CN113166339B (zh) 2018-12-25 2024-03-19 三键有限公司 固化性树脂组合物、燃料电池及密封方法
JP7306844B2 (ja) * 2019-03-26 2023-07-11 株式会社バルカー シール材用ゴム組成物およびこれを用いたシール材
JP2022000502A (ja) 2020-06-17 2022-01-04 株式会社スリーボンド 光硬化性樹脂組成物、燃料電池およびシール方法
WO2023090088A1 (ja) 2021-11-18 2023-05-25 株式会社スリーボンド 光硬化性樹脂組成物、燃料電池およびシール方法
WO2023119542A1 (ja) * 2021-12-23 2023-06-29 住友理工株式会社 燃料電池セルアセンブリおよびその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3511373B2 (ja) * 1999-07-26 2004-03-29 タイガースポリマー株式会社 燃料電池のシール構造およびゴムパッキンの成形方法
JP5396029B2 (ja) * 2008-02-21 2014-01-22 東海ゴム工業株式会社 燃料電池用セルおよび燃料電池および燃料電池用セルの製造方法
JP5219774B2 (ja) * 2008-12-17 2013-06-26 東海ゴム工業株式会社 燃料電池用接着性シール部材
JP5719669B2 (ja) * 2011-04-18 2015-05-20 住友理工株式会社 燃料電池用接着性シール部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013229323A (ja) 2013-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6190607B2 (ja) 燃料電池シール体
WO2013147020A1 (ja) ゴム組成物および燃料電池シール体
JP5396337B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
JP5186317B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
US9178242B2 (en) Manufacturing method of fuel cell module and manufacturing method of fuel cell
JP5219774B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
JP5641528B2 (ja) 燃料電池用シール部材およびそれを用いた燃料電池シール体
JP6681247B2 (ja) 燃料電池用シール部材
JP2009252479A (ja) 燃料電池モジュールおよびその製造方法
JP6688718B2 (ja) 燃料電池用シール部材
JP5719669B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
WO2012144484A1 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
JP6190608B2 (ja) 燃料電池シール体
JP5719668B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
JP6067417B2 (ja) 積層体の製法
US10680256B2 (en) Sealing member for a fuel cell
JP5268313B2 (ja) 燃料電池用接着性シール部材
JP5941804B2 (ja) 積層体およびその製法
JP6681246B2 (ja) 燃料電池用シール部材の製造方法
WO2022208926A1 (ja) 積層体
JP7319899B2 (ja) 燃料電池用シール部材
JP5097243B2 (ja) 燃料電池モジュールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170807

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6190607

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150