JP6190267B2 - 親水化処理装置 - Google Patents

親水化処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6190267B2
JP6190267B2 JP2013271216A JP2013271216A JP6190267B2 JP 6190267 B2 JP6190267 B2 JP 6190267B2 JP 2013271216 A JP2013271216 A JP 2013271216A JP 2013271216 A JP2013271216 A JP 2013271216A JP 6190267 B2 JP6190267 B2 JP 6190267B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
processing
superheated steam
hydrophilization
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013271216A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015124343A (ja
Inventor
藤村 直人
直人 藤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2013271216A priority Critical patent/JP6190267B2/ja
Publication of JP2015124343A publication Critical patent/JP2015124343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6190267B2 publication Critical patent/JP6190267B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

本発明は、活性な過熱水蒸気によってフィルム材料などの処理対象物の表面を処理する親水化処理装置に関する。
今日、様々なフィルム材料が実用化されている。多くの場合、フィルムの積層、表面の印刷、コ一ティングが施されて、機能や性能が向上してきている。フィルムの表面には親水化処理が施されていることが多い。代表的な処理方法として、コロナ放電による処理、サンドブラスト、微細な凹凸が施された金属ロ一ルによる圧着賦形等が挙げられる。
現在では、様々なフィルム表面を、印刷の下地処理、ハ一ドコ一トの下地処理、フィルムの貼り合わせの下地処理などの目的で、コロナ放電による表面処理が広く使用されている。しかしながら、大気中でのコロナ放電においては高濃度のオゾンの発生が避けられないため、安全性の確保に課題がある。
ここで、オゾンに代わる技術として、ヒドロキシラジカルを利用した処理が提案されている。ヒドロキシラジカルは、水蒸気の存在下で放電を掛けることで発生する。このような状況下において、近年では過熱水蒸気技術の開発が盛んに行われ、過熱水蒸気の発生効率も大幅に向上している。例えば、高周波磁界中に誘導加熱部材を配置して、誘導加熱部材内での渦電流損やヒステリシス損により熱を供給して過熱水蒸気を発生させる電磁誘導型の過熱水蒸気装置の登場で、比較的低温(概ね400℃以下)で活性な無酸素状態の過熱水蒸気が得られるようになった(例えば、特許文献1を参照)。
このようにして得られた過熱水蒸気に対して放電処理を行うことで、比較的容易にオゾンを含まないヒドロキシラジカルを発生させることができる。例えば、低温(概ね300℃以下)の過熱水蒸気にヒドロキシラジカルを効率よく発生させるべく、発生した過熱水蒸気に対して放電処理を行うことが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2002−191338号公報 国際公開第2009/148000号
気相でヒドロキシラジカルを発生させるには、ボイラー等で生成した水蒸気(スチ一ム)中で高圧放電をさせれば良い。しかし、通常の水蒸気における水分子は大きなクラスターを形成していることから、ヒドロキシラジカルの発生効率が著しく低い。
特許文献2に記載の活性水蒸気発生装置の構成では、電磁誘導加熱器の中で、更に低温度で水蒸気のクラスターが崩壊していると考えられる。すなわち、特許文献2に記載の活性水蒸気発生装置では、誘導加熱装置で得た飽和水蒸気を筒状の放電処理装置の一端に送給し、放電処理により低温プラズマ化した活性水蒸気を放電処理装置の他端に接続された排出管で処理対象物の近傍に導入し、処理に利用する。しかしながら、ヒドロキシラジカルは寿命がマイクロ秒のオーダー(約100μ秒以下)と非常に短いので、活性水蒸気を排出管で処理対象物の近傍に導入するまでの間にヒドロキシラジカルの大部分が消滅してしまう。特に、300℃以下でのヒドロキシラジカルの生成効率は極めて低いという問題がある。
ヒドロキシロジカルの濃度を高めるには、高温度にして1分子の水蒸気の濃度を高くすればよい。しかし、熱の放散によるエネルギーロスが極端に悪くなる。また、高温度では適用できるフィルム材料が大幅に制限される。
ヒドロキシラジカルを利用してフィルム状の対象物を表面処理する場合、例えば、300℃を超えると、テフロン(登録商標)、ポリイミド等、かなり限定された材料にしか適用できず、更に、500℃を超えると、有機高分子材料には全く適用できなくなる。
また、活性水蒸気発生装置の構成を考えても、300℃を超えると、使用できる高周波高圧電気の絶縁材料が非常に限定され、更に、500℃を超えると、使用できる金属材料も限定され、装置の製造コストが高くなり、実用的でなくなる。
本発明は上記課題を解決すべくなされたもので、低温度で反応性の高いヒドロキシラジカルを高濃度に含んだ過熱水蒸気を用いることにより、効果的にフィルム材料の表面を親水化処理することができる親水化処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく提供される本発明に係る親水化処理装置は、(1)飽和水蒸気を誘導加熱して過熱水蒸気を発生する誘導加熱装置と、誘導加熱装置が発生した過熱水蒸気が導入される処理チャンバと、処理チャンバ内に配置され、導入された過熱水蒸気に放電処理を行う放電処理装置とを備える。そして、放電処理装置は、当該放電処理装置の支持体となるフレームと、フレームの上部に配置され、中心導体の周囲を絶縁体で覆った放電電極と、放電電極の下方に配置されたメッシュ状の対向電極と、放電電極と対向電極との間に高周波高電圧の電源を供給してバリア放電を生じさせる高周波電源とを有し、対向電極の直下に位置する処理対象物の表面を、バリア放電によりヒドロキシラジカルの濃度が高まった過熱水蒸気によって親水化する。
(2)本発明の親水化処理装置では、処理対象物を、処理チャンバの外部から内部に搬入し、放電処理装置における対向電極の直下を通過させ、処理チャンバの外部に搬出する搬送手段をさらに備えるように構成するとよい。
(3)本発明の親水化処理装置では、搬送手段は、処理チャンバの内部における放電処理装置よりも上流部分において、処理チャンバに導入された過熱水蒸気に処理対象物を晒すことにより前処理を行うよう前記処理対象物を搬送するように構成するとよい。
(4)本発明の親水化処理装置では、搬送手段は、ロール状の前記処理対象物を引き出して前記処理チャンバ内に引き込み、処理後の前記処理対象物をロール状に巻き取る巻き上げ部を有するとよい。
(5)本発明の親水化処理装置では、処理対象物は放電処理装置の対向電極の直下に載置され、高周波電源は、処理チャンバに過熱水蒸気が導入されてから所定時間に渡り、放電処理装置に電源を供給せず、当該所定時間において処理チャンバ内の過熱水蒸気により処理対象物が前処理され、当該所定時間の経過後に、高周波電源が放電処理装置に電源を供給してバリア放電を生じさせるように構成するとよい。
(6)本発明の親水化処理装置では、放電処理装置は、バリア放電が生じる領域に気体を供給するためのガス供給口を有し、処理チャンバに過熱水蒸気を導入するときに、ガス供給口からアルゴンガス、ヘリウムガス、またはこれらの混合気体を、過熱水蒸気100重量部に対し20〜400重量部の割合で供給するように構成するとよい。
(7)本発明の親水化処理装置では、放電電極と対向電極との間に配置される絶縁体部材をさらに備えるとよく、(8)絶縁体部材は、放電電極の周囲を覆う被覆として設けられると特によい。
(9)本発明の親水化処理装置では、誘導加熱装置は、複数の隔壁により内部が複数の空間に仕切られた筒状の容器であり、隔壁のそれぞれは1または複数の開口部を有し、隣接する隔壁における開口部同士が対向しないように設けられるように構成するとよい。(10)また、開口部の最大径が5mm以下となるように構成するとさらによい。
(11)本発明の親水化処理装置では、隔壁で仕切られた空間に、球状もしくは不定形の磁性粒子が充填され、容器の内部の空隙率が30%以下となるように構成するとよい。
(12)本発明の親水化処理装置では、誘導加熱装置に供給される飽和水蒸気の圧力が、1.1〜1.5気圧となるように構成するとよい。
(13)本発明の親水化処理装置では、対向電極の直下に設けられた冷却部材をさらに備えており、処理対象物を冷却部材に接触された状態で過熱水蒸気によって処理対象物の表面を親水化するとよい。(14)また、冷却部材は、ぺルチェ方式、パイプを用いた水冷式、オイル式よりなる群から選択された少なくとも1つであるとよい。(15)また、冷却部材は、50〜100℃の範囲で温度制御されるとよい。
本発明に係る過熱水蒸気処理装置によれば、従来法より低温度で格段に活性な、ヒドロキシラジカルを高濃度に含んだ過熱水蒸気により効率的に処理対象物の表面を親水化処理する親水化処理装置を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す模式図である。 誘導加熱装置4の構造を示す断面図である。 図3(a)は放電処理装置6を処理対象物100の搬送方向に垂直な方向から見た断面の構造を示す模式図である。図3(b)は放電処理装置6を処理対象物100の搬送方向から見た断面の構造を示す模式図である。 放電管63の構造を示す外観図である。 第1実施形態の親水化処理装置1による処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す模式図である。 第2実施形態の親水化処理装置1による処理の手順を示すフローチャートである 本発明の第3実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す模式図である。 実施例6にて用いた放電処理装置の構造を示す断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る親水化処理装置1を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す模式図である。親水化処理装置1は、ボイラー2、バルブ3、誘導加熱装置4、処理チャンバ5、放電処理装置6、およびベルトコンベア7を備える。
ボイラー2は、例えば図示せぬ水道の蛇口から供給される水を加熱、沸騰させ、飽和水蒸気を発生させる。ボイラー2に供給される水は浄水器により浄化された清浄水とすることが好ましい。ボイラー2が発生する飽和水蒸気の圧力は、1.1〜1.6気圧、好ましくは1.2〜1.4気圧に調節される。飽和水蒸気の圧力が1.1気圧を下回ると、誘導加熱装置4による過熱水蒸気の発生量が低下しやすくなる。また、飽和水蒸気の圧力が1.6気圧を超えると、水分子のクラスターが分解されにくくなり、親水化処理装置1の最終出力におけるヒドロキシラジカルの濃度が十分に高まらない原因となる。ボイラー2と誘導加熱装置4とはパイプにより連結され、パイプの途中にバルブ3が設けられる。バルブ3は、ボイラー2が発生した水蒸気を、後段の誘導加熱装置4に供給するか否かを切り替える流路開閉手段である。
図2は、誘導加熱装置4の断面図である。誘導加熱装置4は、入口40aおよび出口40bを有する筒状の容器40と、その外周に断熱材41を介して巻回された銅線または銅管からなる高周波誘導コイル42と、高周波誘導コイル42に高周波電流を供給する高周波電源45と、容器40内に収容され、水蒸気が流通するとともに高周波電流により誘導加熱される誘導加熱部材43と、容器40の出口40b近傍に設けられ、誘導加熱により得られた過熱水蒸気の温度を検出する温度センサ46と、温度センサ46の検出結果に基づいて高周波電源45を制御するコントローラ47とを有する。
容器40は、高周波誘導コイル42に流れる高周波電流により実質的に誘導加熱されず、かつ生成した過熱水蒸気により劣化しない材料からなるのが好ましい。このような材料として、非磁性ステンレス鋼(SUS304等)、アルミニウム、銅等の非磁性金属、セラミックス、耐熱ガラス、黒鉛等が挙げられる。非磁性金属を用いる場合、一層優れた耐食性を得るために、容器40の内壁をガラスコーティングしてもよい。メンテナンスを容易にするために、容器40を、フランジを有する複数の円筒体により脱着自在に構成してもよい。
容器40の内部は、複数個の隔壁48により仕切られており、それぞれの隔壁48には水蒸気を流通させるべく1個または複数個の開口部が設けられる。隣り合う隔壁48の開口部は、向き合うことがないように互いにずれた位置に設けられる。隔壁の表面に同心円状の溝を設け、該溝の底部に、開口部を設けるようにするとよい。この溝により、充填される誘導加熱部材43によって開口部が塞がれるのを防ぐことができる。開口部の位置をずらすことにより流動抵抗が高まるので、導入された水蒸気を容器内部に留めて誘導加熱部材43による加熱作用を効果的に受けることができる。また、粒子は下方にパックされ、上部には一定の空間が生ずるので、隔壁の上部には開口部を設けないようにするとよい。
隔壁48の数は任意であるが、容器40の寸法の制約で、5〜30個が現実的である。例えば、板厚5mmの隔壁を配置するとよい。隔壁48に設ける開口部の最大径は5mm以下、好ましくは2mm以下とし、各隔壁48について10〜100個の範囲で設けることが好ましい。隔壁48の材質は、渦電流の発生効率に優れた軟磁性金属が好ましく、実用的には磁性ステンレス鋼(SUS430、SUS403、SUS447J1、SUSXM27等)が好適であるが、これに限定されるものではない。
誘導加熱は、高周波磁界中に置かれた導電体に生ずる渦電流損または磁気ヒステリシス損により加熱する方法であるので、誘導加熱部材43は優れた軟磁性を有する材料からなるのが好ましい。さらに、誘導加熱部材43は過熱水蒸気により曝されるので、優れた耐食性を有するのが好ましい。このため、誘導加熱部材43は優れた耐食性を有する軟磁性金属からなるのが好ましい。このような金属として実用的には磁性ステンレス鋼(SUS430、SUS403、SUS447J1、SUSXM27等)が好ましい。その他、例えば炭素とホウ珪酸ガラスとからなるカーボンセラミックス等の導電性セラミックスを用いてもよい。誘導加熱部材43による加熱の作用を受けずに誘導加熱装置4を通過してしまう水蒸気の流束が無いよう、誘導加熱部材43の空隙率を30%以下として流動抵抗を高めることが好ましい。
隔壁48により仕切られた空間を満たす誘導加熱部材43によって、導入された飽和水蒸気の最大流速が減少し、方向も変化する。隔壁48を通過して次の空間でも誘導加熱部材43によって、水蒸気の運動方向はバラバラになる。このように、隔壁48により仕切られた空間を通過していく度に、水蒸気の運動方向は完全にランダムになり、速度も均一化される。水蒸気は、電磁誘導で発生した渦電流によって均一に加熱される。そして、高周波の作用とあいまって、過熱水蒸気のクラスターは次第に小さく崩れて行く。
本発明の好ましい実施形態では、誘導加熱部材43は、球状もしくは不定形の磁性粒子がよい。水蒸気との接触面積を増やすべく、不定形の粒子や異なる径の粒子を使用することが好ましい。また、粒子表面や壁面に凹凸を設けることも有効である。粒子径は特に限定されないが、直径3〜9mm程度が好適で、隔壁48に設けた開口部を通過しない大きさとする。
誘導加熱装置4により加熱して得られた過熱水蒸気は、パイプ4aを通って処理チャンバ5に供給される。処理チャンバ5に導入される過熱水蒸気の温度は110〜250℃の範囲とされることが好ましい。処理チャンバ5は、放電処理装置6およびベルトコンベア7による搬送経路の一部を覆う。処理チャンバ5は、処理室の内部と外部とを隔絶し、内部を過熱水蒸気の雰囲気とする。
放電処理装置6は、過熱水蒸気の雰囲気中に配置され、過熱水蒸気の雰囲気中でバリア放電を行うことで水分子をラジカル解離させ、過熱水蒸気中のヒドロキシラジカルの濃度を高める。図3(a)は放電処理装置6を処理対象物100の搬送方向に垂直な方向から見た断面の構造を示す模式図である。また、図3(b)は放電処理装置6を処理対象物100の搬送方向から見た断面の構造を示す模式図である。放電処理装置6は、フレーム61、放電管63、放電管保持部64、対向電極65、高周波電源66、高耐圧ケーブル67、およびガス供給口68を備える。
フレーム61は、例えばアルミニウム合金製の4本の支柱と梁とにより構成される放電処理装置6の支持枠である。フレーム61の天面は開放されている。フレーム61の四方の側面は上部が耐熱ガラス製の上部側壁62により囲まれている。上部側壁62は、放電処理がなされた過熱水蒸気が四方に散逸するのを防ぐ。これにより、放電処理装置6の下部を通る処理対象物100に効率よくヒドロキシロジカルが供給される。フレーム61の四方の側面の下部には側壁が設けられていない。四方の側面の下部は、支柱を脚部として、ベルトコンベア7を跨いで配置される。
図4は、放電管63の構造を示す外観図である。放電管63は、放電電極となる中心導体631と、中心導体631の周囲を囲む絶縁体の管632と、を有する。絶縁体の管632は、250〜300℃の高温雰囲気での高周波放電およびヒドロキシラジカルによる腐食に耐えなければならない。このような要求を満たすべく、例えば、外径3〜30mmφ、肉厚0.5〜3mmの石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナなどの、ガラスやセラミックが用いられる。放電管63の長さに制約はないが、フレーム61や処理チャンバ5のサイズ、強度等を勘案し、例えば100〜500mm程度とするとよい。なお、耐腐食性を求めずに、絶縁体による被服を備えない構成とすることも可能である。
中心導体631は直径0.1〜10mmφのタングステン、モリブデン、ステンレス合金(SUS304など)、ニッケルクロム合金(インコネルなど)などの耐食性、加工性、コストの要件を満たす材料が使用される。電極の径が小さ過ぎると、たわみが生ずるので、たわみを防ぐべくテンションを掛ける必要があり、また放電で劣化し、耐久性に問題を生ずる。したがって、中心導体631の直径を長さの200分の1程度以上とし、十分な強度を確保してたわみが生じにくくするとよい。中心導体631およびそこから引き出すリード線と対向電極65との間での意図せぬ放電を抑制すべく、対向電極65の端部、および中心導体631の端部は、管632の端部よりも20mm程度内側になるよう配置される。なお、中心導体631(放電電極)の形状は上記に限らず、板状、角棒状、線状等であってもよいし、絶縁体の管632の内面に金属もしくは金属を分散した塗料が、メッキもしくは塗装して形成されてもよい。
放電管保持部64は、放電管63を、フレーム61との間の絶縁を確保しつつ略水平に保持する。放電管保持部64は、高周波高圧放電の絶縁部材としての要求を満たすべくフッ素樹脂製が好ましい。無酸素雰囲気中(0.5%以下、好ましくは0.2%以下)の使用に限定すれば、耐熱性のシリコーン樹脂製、またはゴム製のものを使用してもよい。また、処理対象物100を均一に処理すべく、放電管保持部64は、放電管63の長手方向がベルトコンベア7による搬送方向と直交するように、放電管63を保持する。
対向電極65は、5〜100メッシュ(1インチ当たりの目数)のステンレス合金(SUS304など)などの金属製エッチング板、プレス板を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。対向電極65は、フレーム61における上部側壁62の下端よりもやや下側の位置に固定される。放電電極間距離(放電管63と対向電極65との距離)は15mm以下とするのが好ましい。放電管63と金属メッシュで形成された対向電極65との間で放電が起こるので、処理対象物100の形状や物性、フィード量による放電状態への影響がなく、負荷が一定となり、安定放電時の電圧を低く抑えることができる。ここで、処理対象物100に直接放電照射すると、局部的に高エネルギー(高温)になり、処理対象物100がダメージを受けるおそれがある。しかし、放電管63と金属メッシュで形成された対向電極65との間での放電を利用する本実施形態の手法では、処理対象物100の損傷は生じない。対向電極65がメッシュ状に形成されるため、放電処理により発生するヒドロキシラジカルが、対向電極65を透過して、フレーム61の下部の領域に容易に到達する。
高周波電源66は、放電管63と対向電極65との間に印加する高周波高電圧を発生する電源である。印加周波数は5〜50kHzの範囲で任意に選択できるが、適切な放電とヒドロキシラジカル濃度を得るためには、10〜30kHzの範囲内とすることが好ましい。周波数は高い方が小さな電力消費量でパワーが得られる。これより低い場合は、放電の回数が減少しヒドロキシラジカルの濃度が高くならない。周波数が高すぎる場合は、絶縁シールドが困難になり(漏洩磁束が大きくなり)、エネルギー効率が低下する。さらに、軟磁性金属の磁化が生じ、時計などの機械の故障の原因にもなる。
放電開始時の印加電圧は1〜100kVの範囲内で、安定な放電が得られる最適な条件を選択すればよいが、一般的には5〜20kVが好ましい。電圧がこれより低い場合は、電極とアース間の距離を小さくしないと安定した放電が得られないので、プラズマの発生面積が小さくなり、量産に向かない。反対に、電圧が高い場合は、絶縁シールドが困難になり、エネルギー効率が低下する。消費電力は0.1〜10kWで、処理対象物100の処理目標に応じて任意に設定することができる。一例として、高周波電源66は、±10キロボルト、25kHz、600Wの交流(正弦波)電圧を発生する。高周波電源66により発生された電圧は高耐圧ケーブル67を介して放電管63に印加される。高耐圧ケーブル67は、絶縁性を確保すべくフッ素樹脂製の被膜が中心導体の周りに施されることが好ましい。なお、無酸素雰囲気中(0.5%以下、好ましくは0.2%以下)の使用に限定すれば、耐熱性のシリコーン樹脂、またはゴムの被膜によるものを使用してもよい。
ガス供給口68は、フレーム61における上部側壁62に囲まれた領域内の放電雰囲気にアルゴンガス、ヘリウムガス等の各種ガスを供給するためのガス供給口である。ガス供給口68は、放電管63よりも上部に配置され、処理チャンバ5の外部のガス供給源(図示しない)と配管により接続される。放電雰囲気中にアルゴンガス、ヘリウムガス、またはこれらの混合気体を導入することで、プラズマの寿命を延ばし、活性な空間を倍増できる。導入量は、過熱水蒸気の100重量部に対して20〜400重量部が効果的である。導入量が多すぎると活性が低下する。また、導入する飽和水蒸気にアルゴンガスを50体積%(222重量部)含ませると結露点を81.8℃まで下げることが可能となり、90℃で安定な活性な水蒸気プラズマを発生することができ、適用できる素材の範囲が大幅に広がる。さらに、必要に応じて、酸素、二酸化炭素、などを導入して、滅菌、親水化(水酸基の導入)、水酸基以外の極性基の導入などの作用効果を得ることが可能である。
放電処理装置6を上記のような構成とすることで、放電に要するエネルギーを最小化でき、放電処理のエネルギー効率が改善される。放電方法は、バリア放電以外にも、縁面放電、コロナ放電、アーク放電等が使用可能である。利用目的や照射条件・制約によって最適な放電方法を選択すればよいが、安定して大きな出力が得られる点でバリア放電が優れる。
ベルトコンベア7は、処理対象物100を搬送する搬送手段である。ベルトコンベア7は、処理チャンバ5の外部から内部に処理対象物100を搬入し、処理チャンバ5の内部での搬送中に過熱水蒸気雰囲気による前処理および活性度が高められた過熱水蒸気による処理を受けさせ、処理を終えた処理対象物100を処理チャンバ5の外部に搬出する。処理チャンバ5内の搬送経路では、上流部において処理チャンバ5内部の過熱水蒸気雰囲気に晒して前処理を行う。この前処理では、処理対象物100の予熱、水分乾燥、残留溶剤等の除去および脱酸素が行われる。また、搬送経路の下流部では、放電処理装置6における対向電極65の直下を通過させてヒドロキシラジカルが高濃度に含まれた活性な過熱水蒸気による処理を行う。
放電処理装置6の下方には冷却部材9が設けられていてもよい。冷却部材9には、ぺルチェ方式、パイプを用いた水冷式、オイル式などが用いられる。冷却部材9の形態としては、板状、ロール状、パイプ状などが採用される。冷却部材9は、ベルトコンベア7に組み込まれていてもよい。ベルトコンベア7によって搬送される処理対象物100は、冷却部材9と接触する。これにより、処理対象物100の温度が例えば50〜100℃の範囲で制御される。処理対象物100は、温度制御された状態で親水化処理される。
本実施形態において、処理対象物100はフィルム材料である。本実施形態によって処理されるフィルムの主な材料は、セルロース系、オレフィン系、ビニル系、アクリル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリエーテル系、ボリアミド系、ポリイミド系、シリコーン系等の高分子材料、更には、これらの水素原子の一部もしくは大部分をフッ素、臭素、塩素等で置換した材料が単独もしくは、混合、共重合された材料である。なお、融点または軟化点に応じて処理条件を設定する必要がある。
ここで、フィルム材料の一例および物性の一例を示す。
PBI(ポリベンゾイミダゾール)…使用可能温度:345℃
PI(ポリイミド)…熱分解温度500℃以上
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)…融点:327℃、ガラス転移転:15〜20℃、使用可能温度:260℃
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)45G…使用可能温度:250℃
PAI(ポリアミドイミド)…使用可能温度:250℃
PPS(ポリフェニレンサルファイド)…融点:282℃、使用可能温度:220℃
PES(ポリエーテルサルフォン)4100G…使用可能温度:180℃
PEI(ポリエチレンイミン)…使用可能温度:170℃
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)…使用可能温度:150℃
PC(ポリカーボネート)…融点:約250℃、使用可能温度:−100〜180℃
CN(キャストナイロン)…使用可能温度:120℃
PEN(ポリエチレンナフタレート)…融点:243℃、ガラス転移転:78℃
PET(ポリエチレンテレフタレート)…使用可能温度:100℃
アクリル(カネカ社:SD001)…ガラス転移転:85℃、使用可能温度:105℃
アクリル(カネカ社:SD007)…ガラス転移転:103℃
アクリル(カネカ社:SD009)…ガラス転移転:125℃
PVC(ポリ塩化ビニル)…使用可能温度:80℃
PP(ポリプロピレン)…使用可能温度:65℃
フィルムの製法としては、熱融解して、ロールで厚みを規制しつつ、進行方向に巻き取る方法(巻き取りながら、適当な強度で引っ張る、一軸延伸法、横方向にも引っ張る、二軸延伸法がある)、押し出し成形法(直線Tダイから押し出すフィルム状、円形ダイスから押し出すシームレス状がある)、ブロー法、溶剤キャスト法が挙げられる。
フィルム材料としては、2種類以上の材料を同時に成形する多色成形法、延伸フィルム上に、別の材料を直線Tダイから押し出す方法、延伸フィルム上に別の材料を、溶剤キャスト法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、インクジェット法、スパッタ法等で塗工した複合フィルムも用いられる。この場合に塗工する材料は、高分子材料に限定されるものではなく、オリゴマー材料、低分子材料を含む。
続いて、図5に示すフローチャートを参照して、第1実施形態に係る親水化処理装置1による処理の手順を説明する。この処理の手順によって親水化処理されたフィルムが製造される。
まず、ボイラー2により100℃以上、例えば110〜140℃の飽和水蒸気を発生させる(S1)。この飽和水蒸気の圧力は1.1〜1.6気圧の範囲とする。バルブ3を開放して、飽和水蒸気を誘導加熱装置4に供給する(S2)。続いて、誘導加熱装置4にて、飽和水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させる(S3)。過熱水蒸気の温度は、200〜350℃の範囲で所望の温度となるように制御される。発生した過熱水蒸気は、パイプ4aを介して処理チャンバ5に供給される。処理チャンバ5の内部は、過熱水蒸気が充満し、供給される過熱水蒸気の温度や流量に応じて例えば、190〜350℃の範囲内の所望の温度とされる。
処理チャンバ5内に過熱水蒸気が導入されると、放電処理装置6には、ガス供給口68からアルゴンガスが供給される(S4)。アルゴンガスは飽和水蒸気が誘導加熱装置4に供給されるタイミングで供給されるようにしてもよい。また、このステップを省き、アルゴンガスを供給しない態様としても構わない。放電処理装置6は、供給される過熱水蒸気をバリア放電によって処理し、ヒドロキシラジカルを高濃度に含む過熱水蒸気を生成する(S5)。
放電処理装置6による放電処理と並行して、処理チャンバ5にはベルトコンベア7により、処理対象物100であるフィルム材料が搬入される(S6)。処理対象物100は、処理チャンバ5内に搬入されてから放電処理装置6の下部に搬送されるまでの間、処理チャンバ5内に充満する過熱水蒸気によって予熱、水分乾燥、残留溶剤等の除去および脱酸素といった前処理が行われる(S7)。前処理の時間は処理チャンバ5内での放電処理装置までの搬送距離と搬送速度によって定まる。その後、処理対象物100が放電加熱装置6の下部に到達すると、放電処理装置6によるバリア放電により生成したヒドロキシラジカルを高濃度に含む過熱水蒸気によって処理対象物100に対し、親水化処理が行われる(S8)。処理時間は放電処理装置6の長さと搬送速度とによって定まる。放電処理装置6の下部を通過した処理対象物100は、処理チャンバ5から搬出され(S9)、一連の処理が終了する。これにより、表面が親水化処理されたフィルムが完成する。なお、フィルム材料の表面を親水化した後、その表面にコート材料を取り付ける工程を追加してもよい。
上述の親水化処理装置1によれば、低温度で反応性の高いヒドロキシラジカルを高濃度に含んだ過熱水蒸気により、効率的に処理対象物100を、連続的に親水化処理することができる。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す。本実施形態の特徴は、第1実施形態におけるベルトコンベア7を備えず、処理対象物100が放電処理装置6における対向電極65の直下に載置される点にある。放電処理装置6の直下には、冷却部材9を設けてもよい。なお、ベルトコンベア7を備えない構成としたことに伴う変更点以外については、上述した第1実施形態と同様なので、ここでの説明を省略する。
以下、図7に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る親水化処理装置1による処理の手順を説明する。この処理の手順によって親水化処理されたフィルムが製造される。
処理に先立ち、処理対象物100であるフィルム材料を放電処理装置6における対向電極65の直下に載置しておく。処理を開始すると、ボイラー2により100℃以上、例えば110〜140℃の飽和水蒸気を発生させる(S101)。この飽和水蒸気の圧力は1.1〜1.6気圧の範囲とする。バルブ3を開放して、飽和水蒸気を誘導加熱装置4に供給する(S102)。続いて、誘導加熱装置4にて、飽和水蒸気を加熱して過熱水蒸気を発生させる(S103)。過熱水蒸気の温度は、200〜350℃の範囲で所望の温度となるように制御される。発生した過熱水蒸気は、パイプ4aを介して処理チャンバ5に供給される。処理チャンバ5の内部は、過熱水蒸気が充満し、供給される過熱水蒸気の温度や流量に応じて例えば、190〜350℃の範囲内の所望の温度とされる。
処理チャンバ5内に過熱水蒸気が導入されると、放電処理装置6には、ガス供給口68からアルゴンガスが供給される(S104)。アルゴンガスは飽和水蒸気が誘導加熱装置4に供給されるタイミングで供給されるようにしてもよい。処理チャンバ5内に過熱水蒸気が供給されてから所定時間(例えば15分間)に渡って放電処理装置6に電源を供給せず、予熱、水分乾燥、残留溶剤等の除去および脱酸素といった前処理が行われる(S105)。
所定時間が経過後、放電処理装置6の電源を投入し、過熱水蒸気をバリア放電によって処理して、ヒドロキシラジカルを高濃度に含む過熱水蒸気を生成する。処理対象物100には、ヒドロキシラジカルを高濃度に含む過熱水蒸気によって、親水化処理が行われる。放電処理を所定時間(例えば5分間)行う(S106)。その後、放電処理装置6への電源供給を終了して一連の処理が終了する。そして、処理後に処理対象物100を処理チャンバ5から搬出する。これにより、表面が親水化処理されたフィルムが完成する。なお、フィルム材料の表面を親水化した後、その表面にコート材料を取り付ける工程を追加してもよい。
第2実施形態の親水化処理装置1によれば、低温度で反応性の高いヒドロキシラジカルを高濃度に含んだ過熱水蒸気により効率的に処理対象物100をバッチ処理により親水化処理することができる。
〔第3実施形態〕
図8は、本発明の第3実施形態に係る親水化処理装置1の構成を示す。本実施形態の特徴は、第1実施形態におけるベルトコンベア7の代わりに、ロール状の処理対象物100を引き出し、さらに巻き取りながら搬送させる巻き上げ部70を備えている点にある。放電処理装置6の直下には、冷却部材9を設けてもよい。これ以外の構成は、上述した第1実施形態と同様なので、ここでの説明を省略する。
第3実施形態に係る親水化処理装置1による処理の手順は、上述した図7に示すフローチャートの処理と同様であるが、ロール状に巻かれた処理対象物100であるフィルム材料を巻き上げ部70で引き出し、および巻き取りながらこれらの処理を行う。
すなわち、ロール状に巻かれた処理前の処理対象物100は、ロールから引き出されて処理チャンバ5内に引き込まれる。処理対象物100は、処理チャンバ5内に引き込まれてから放電処理装置6の下部に搬送されるまでの間、処理チャンバ5内に充満する過熱水蒸気によって予熱、水分乾燥、残留溶剤等の除去および脱酸素といった前処理が行われる。続けて、処理対象物100が放電加熱装置6の下部に到達すると、放電処理装置6によるバリア放電により生成したヒドロキシラジカルを高濃度に含む過熱水蒸気によって処理対象物100の表面に親水化処理が施される。その後、処理対象物100は処理チャンバ5の外へ送り出され、再びロール状に巻き取られる。
上述の親水化処理装置1によれば、低温度で反応性の高いヒドロキシロジカルを高濃度に含んだ過熱水蒸気により、ロール・ツー・ロール方式で効率的に処理対象物100を親水化処理することができる。
以上、本発明の複数の実施形態について、フィルムの表面を処理する親水化処理装置1を例に説明してきたが、親水化処理装置1による処理対象物はフィルムに限定されず、放電処理装置6の下部に配置できるものであれば、処理温度に耐えられる限りにおいていかなる物であっても構わない。例えば、高分子で形成され板、ブロック、繊維、粒子、容器などを処理対象物としても構わない。
次に、実施例および比較例を示す。
[実施例1]
誘導加熱装置に用いられる容器は、SUS430製である。容器は、外径120mmφ、肉厚5mm、長さ250mmである。誘導過熱装置には、飽和水蒸気の進行方向に10mmの空間が設けられ、その先に第1番目の隔壁が設けられる。誘導過熱装置には、更に飽和水蒸気の進行方向に沿って10mm間隔で隔壁が設けられる。各隔壁の板圧は、5mmである。各隔壁の表面には、円の外周に沿って幅2mm、深さ2mm、半径90mm、70mm、50mmの同心円状の溝が設けられる。該溝の底部には、2mmφの貫通口が等間隔に設けられる。ペレット(誘導加熱部材43)は、5mmφのSUS430粒子であり、各空間一杯に充填される。誘導加熱装置に用いられる高周波電源の入力電圧は、200VAC、60Hz、20kWの商用電源である。入力電圧は、インバータによって20kHzの高周波電圧に変換される。高周波電圧は、二次側の誘導コイル(10mmφの純銅線10巻き)に印加される。
放電処理装置に用いる放電管は、絶縁体として人工石英ガラスパイプと、中心導体としての電極と、を有する。人工石英ガラスパイプは、外径10mmφ、内径6mmφ、長さ250mmである。電極は、外径5mmφ、長さ280mm、のSUS304製である。放電管保持部には、5本の放電管が吊り下げ式でセットされる。隣接する放電管の中心距離は30mmである。放電処理装置においては、ベルトコンベアの搬送方向に沿って概ね150mmに渡り放電雰囲気を発生させるように放電管が配置される。対向電極は、SUS304製の20メッシュのエッチング板である。印加電圧は±10kVAC、20kHz、600Wである。放電処理装置は、幅50cm、高さ50cmのベルトコンベアをまたぐ形で設置される。処理チャンバ内で前処理のための搬送距離は600mmである。ベルトコンベアの搬送速度は150mm/分である。これにより、5分間の前処理と、1分間の放電雰囲気による処理が行われる。
発熱体の温度は280℃である。処理チャンバ7内の温度は170℃である。これらの条件で処理を行う場合、機器の外部においてオゾン臭は認められない。実施例1の処理対象物は、幅300mm、厚さ200μmの押し出し成形法で作成したビスフェノールA型ポリカーボネートフィルムである。上述の条件によって、処理対象物に処理を施す。
この処理対象物の処理前の純水に対する接触は50度である。この処理対象物の処理後の純水に対する接触角は10度である。更に、処理したフィルム上にハ一ドコ一ト層として、アクリル変性シリコーン塗料(信越化学工業製)を2μm設けて、中心発光波長365nmの超高圧水銀灯で30秒間照射し、UV硬化させる。
比較例1として、無処理のビスフェノールA型ポリカーボネートフィルムの表面にハ一ドコ一トしたフィルムを用意する。また、比較例2として、ビスフェノールA型ポリカーボネートフィルムの表面に、−10kVDC、1分間のコロナ放電処理(春日電機製)をした後に、表面にハ一ドコ一トしたフィルムを用意する。比較例2に係るフィルムの純水に対する接触角は、24度である。
これら3種類のフィルムを、ユアサシステム機器製屈曲試験機にかけて、ハ一ドコ一ト層の耐久性能を比較する。耐久性能試験の条件は、±180度、90rpmの条件で、時間を10分、30分、120分とする。結果を表1に示す。
Figure 0006190267
[実施例2]
実施例2においては、実施例1における放電開始の1分前から、8L/分の流量でアルゴンガスを混合する。この時の過熱水蒸気100重量部に対するアルゴンガスの供給量は50重量部である。他の条件は実施例1と同様である。実施例1と同じフィルムを処理すると、処理チャンバ内120℃、1分の処理で、実施例1と同等の結果が得られる。より低温度で処理ができる事で、アクリルなどの軟化点もしくは融点がより低いフィルムにも適用できるようになる。アクリルフィルムの処理前の純水に対する接触角は73度である。このアクリルフィルムに実施例2の処理を施すと、処理後の純水に対する接触角は29度になる。このように、処理後のアクリルフィルムにおいては、フィルムとアクリル変性シリコーン塗料との親和性が高まるため、良好な接着強度が得られる。
[実施例3]
実施例3においては、実施例1における過熱水蒸気の温度を120℃に設定し、放電開始の1分前から、32L/分の流量でアルゴンガスを混合する。この時の過熱水蒸気100重量部に対するアルゴンガスの供給量は200重量部である。
対向電極の直下にステンレス製の基板を設置し、ぺルチェ方式の冷却部材で85℃に設定する。処理対象物であるフィルム材料を冷却部材に直接接触させてフィルム材料の表面の温度が融点以上に高くならないようにする。実施例3では、フィルム材料として塩化ビニールフィルムを用いる。他の条件は実施例1と同様である。
実施例3では、処理チャンバ内120℃、塩化ビニールフィルムの表面温度90℃、1分の処理で、処理前83度だった接触角が51.4度になる。このように、実施例1と同等の結果が得られる。このように、軟化点もしくは融点が100℃より低いフィルムにも適用できるようになる。これは、通常の過熱水蒸気では結露を生ずるため、全く考えられない効果である。実施例3に係る処理では、装置内での結露は認められない。
[実施例4]
実施例4においては、実施例1における誘導加熱装置に代えて、市販の過熱水蒸気発生装置(野村技工製、ジェネシス)を、25kHz、20kW、の条件で使用する。実施例4では、過熱水蒸気発生装置の温度を、280℃〜400℃、処理チャンバ内の温度を170℃〜250℃の間で変化させて処理を行う。実施例1と同じフィルムを処理すると、処理チャンバ内230℃、1分の処理で、実施例1と同等の効果が得られる。この時の過熱水蒸気発生装置の温度は、330℃である。少し処理温度が高くなるものの、評価に値する結果が得られる。
[実施例5]
実施例5においては、実施例3におけるベルトコンベアを取り除き、放電処理装置の直下に処理対象物を載置するバッチ処理式の親水化処理装置を用いる。実施例5では、実施例3と同じ処理対象物を3分間過熱水蒸気のみで処理し、しかる後に、放電処理装置の電源を投入し、さらに1分間の放電処理を行う。これにより、実施例3と同等の結果が得られる。
[実施例6]
実施例6においては、誘導加熱装置として実施例1と同じものを用いる。一方、放電処理装置として、実施例1のものとは異なり、図9に示した構造の放電処理装置8に過熱水蒸気を導入して放電処理を行い、これにより得られた放電処理済みの過熱水蒸気を配管を通して処理対象物の近傍に吐出する形式のものを用いる。具体的には、放電処理装置8は、石英ガラスの管である放電管81と、中心導体82と、を有する。石英ガラスの管としては、外径10mm〜40mm、好ましくは15mm〜30mm、より好ましくは20mmφ、肉厚1mm〜4mm、好ましくは2mm〜3mm、より好ましくは2mm、長さは機械的強度の範囲内で例えば100mm〜300mm、好ましくは100mm〜200mm、より好ましくは110mmである。中心導体82としては、直径0.5mm〜10mm、好ましくは1mm〜2mm、より好ましくは2mmφのSUS304である。放電管81のフランジには、ヒートショックによるガラスの割れを防ぐために、約300℃に耐えるフッ素樹脂製の栓が用いられる。過熱水蒸気吐出口のフランジに接合される過熱水蒸気導入口のフランジには、耐熱性のシリコーンゴムが用いられる。放電管81の中央付近の外周に20メッシュ、幅50mmのステンレス合金(SUS304)製の対向電極83が設けられる。対向電極83は接地される。放電管81の両端のそれぞれには、直径約30mmの開口が設けられる。高周波電源84による印加電圧は±5kVAC〜±30kVAC、好ましくは±7kVAC〜±15kVAC、より好ましくは±10kVAC、10kHz〜50kHz、好ましくは15kHz〜30kHz、より好ましくは25kHz、200W〜2000W、好ましくは600Wである。
実施例6においては、誘導加熱装置と放電処理装置をシリコーンゴムで接合し、放電管の長手方向が垂直になるように配置する。この装置を用い、誘導加熱装置の温度を、230℃〜350℃、処理チャンバ内の温度を150℃〜250℃の間で変化させて処理を行う。実施例6では、実施例1と同じフィルムを放電管の過熱水蒸気吐出口から5mm離れた位置に静置する。このフィルムに対して処理チャンバ内220℃で10分バリア放電を掛けつつ過熱水蒸気照射する。これにより、フィルムにおける吐出口直下の部分で良好な密着性が得られる。この時の発熱体の温度は、310℃である。
以上で説明したとおり、改良された誘導加熱装置を用いている比較例においても従来のコロナ処理と比べ良好な接着性が実現されているが、実施例1〜6では、その比較例1〜2と比べ、さらに処理温度を低温度化し、時間も大幅に短縮される。
[比較例3]
従来の、パイプヒーター等を使用した直接加熱式過熱水蒸気中でバリア放電を施した技術では、250℃、10分の処理で、コロナ放電処理と同等な結果が得られる。さらに良好な接着性を得ようとすると、300℃にする必要がある。実施例1と同じフィルムを200℃、250℃、300℃の処理温度で処理した場合の結果を表2に示す。しかし、この際、フィルムが高温により歪み、接着強度は向上したものの、実用には耐えられない。パイプヒーター等を使用した直接加熱式過熱水蒸気中でバリア放電を施した技術では、高温にならないと、ヒドロキシラジカルの発生効率が上がらないと考えられる。
Figure 0006190267
ここで、高分子フィルムの一例についての処理結果を表3に示す。
Figure 0006190267
表3に示したように、本発明によれば、いずれのフィルム材料についても良好な親水性を得られることが分かる。
本発明によって、実験室レベルの大きさであれば、220℃10分の処理で、良好な接着性が得られる。この時の発熱体の温度は、310℃である。
また、過熱水蒸気の処理チャンバ内にビルトインされた放電処理装置を下流側に置き、上流側で過熱水蒸気によって前処理をすることで、これまでは達成されなかった工業生産レベルでの、オゾンの発生を伴わない、ヒドロキシラジカルを利用した、低温度での親水化処理が可能になる。
すなわち、本発明では、例えば220℃以下の低温でヒドロキシラジカルを効率よく発生させ、フィルムの表面を親水化させることができる。このような低温の処理条件では、過熱水蒸気発生装置の発熱体の温度が300℃以下となり、材料の選択肢が大幅に拡大し、さらに、放電部分では、使用可能な絶縁材料の選択肢が広がる。結果的に、装置の耐久寿命が大幅に延び、メンテナンスを含めた維持費用も大幅に削減される効果がある。
本発明は、コロナ放電に代わる、オゾンを発生せず、接着性を大幅に向上できる表面処理方法を提供するものであり、様々な複合フィルムの製造、印刷、ラベルの分野に適用できる。
以上のように、本発明は、親水化処理装置に好適に利用できる。
1 親水化処理装置
2 ボイラー
3 バルブ
4 誘導加熱装置
5 処理チャンバ
6 放電処理装置
9 冷却部材

Claims (15)

  1. 飽和水蒸気を誘導加熱して過熱水蒸気を発生する誘導加熱装置と、
    前記誘導加熱装置が発生した過熱水蒸気が導入される処理チャンバと、
    前記処理チャンバ内に配置され、導入された過熱水蒸気に放電処理を行う放電処理装置と
    を備える親水化処理装置であって、
    前記放電処理装置は、
    当該放電処理装置の支持体となるフレームと、
    フレームの上部に配置された放電電極と、
    前記放電電極の下方に配置されるメッシュ状の対向電極と、
    前記放電電極と前記対向電極との間に高周波高電圧の電源を供給して放電を生じさせる高周波電源と、
    を有し、前記対向電極の直下に位置する処理対象物の表面を、放電によりヒドロキシラジカルの濃度が高まった過熱水蒸気によって親水化することを特徴とする親水化処理装置。
  2. 前記処理対象物を、前記処理チャンバの外部から内部に搬入し、前記放電処理装置における前記対向電極の直下を通過させ、前記処理チャンバの外部に搬出する搬送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の親水化処理装置。
  3. 前記搬送手段は、前記処理チャンバの内部における前記放電処理装置よりも上流部分において、前記処理チャンバに導入された過熱水蒸気に前記処理対象物を晒すことにより前処理を行うよう前記処理対象物を搬送することを特徴とする請求項2に記載の親水化処理装置。
  4. 前記搬送手段は、ロール状の前記処理対象物を引き出して前記処理チャンバ内に引き込み、処理後の前記処理対象物をロール状に巻き取る巻き上げ部を有する請求項2または3に記載の親水化処理装置。
  5. 前記処理対象物は前記放電処理装置の前記対向電極の直下に載置され、
    前記高周波電源は、前記処理チャンバに過熱水蒸気が導入されてから所定時間に渡り、前記放電処理装置に電源を供給せず、
    当該所定時間において前記処理チャンバ内の過熱水蒸気により前記処理対象物が前処理され、
    当該所定時間の経過後に、前記高周波電源が前記放電処理装置に電源を供給して放電を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の親水化処理装置。
  6. 前記放電処理装置は、放電が生じる領域に気体を供給するためのガス供給口を有し、
    処理チャンバに過熱水蒸気を導入するときに、前記ガス供給口からアルゴンガス、ヘリウムガス、またはこれらの混合気体を、過熱水蒸気100重量部に対し20〜400重量部の割合で供給することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の親水化処理装置。
  7. 前記放電電極と前記対向電極との間に配置される絶縁体部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の親水化処理装置。
  8. 前記絶縁体部材は、前記放電電極の周囲を覆う被覆として設けられることを特徴とする請求項7に記載の親水化処理装置。
  9. 前記誘導加熱装置は、複数の隔壁により内部が複数の空間に仕切られた筒状の容器であり、
    前記隔壁のそれぞれは、1または複数の開口部を有し、隣接する隔壁における開口部同士が対向しないように設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の親水化処理装置。
  10. 前記開口部の最大径が5mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の親水化処理装置。
  11. 前記隔壁で仕切られた空間に、球状もしくは不定形の磁性粒子が充填され、前記容器の内部の空隙率が30%以下とされることを特徴とする請求項9または10に記載の親水化処理装置。
  12. 前記誘導加熱装置に供給される飽和水蒸気の圧力は、1.1〜1.5気圧であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の親水化処理装置。
  13. 前記対向電極の直下に設けられた冷却部材をさらに備え、
    前記処理対象物を前記冷却部材に接触させた状態で前記過熱水蒸気によって前記処理対象物の表面を親水化することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の親水化処理装置。
  14. 前記冷却部材は、ぺルチェ方式、パイプを用いた水冷式、オイル式よりなる群から選択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項13に記載の親水化処理装置。
  15. 前記冷却部材は、50〜100℃の範囲で温度制御されることを特徴とする請求項13または14に記載の親水化処理装置
JP2013271216A 2013-12-27 2013-12-27 親水化処理装置 Expired - Fee Related JP6190267B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271216A JP6190267B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 親水化処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271216A JP6190267B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 親水化処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015124343A JP2015124343A (ja) 2015-07-06
JP6190267B2 true JP6190267B2 (ja) 2017-08-30

Family

ID=53535293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271216A Expired - Fee Related JP6190267B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 親水化処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6190267B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137354A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社ニューネイチャー 粉体処理装置および粉体処理方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6905376B2 (ja) * 2017-03-31 2021-07-21 日本製鉄株式会社 水蒸気処理製品の製造方法および製造装置
JP7317421B2 (ja) * 2019-08-10 2023-07-31 コミヤマエレクトロン株式会社 積層体
JP7270974B2 (ja) * 2019-08-10 2023-05-11 コミヤマエレクトロン株式会社 樹脂表面親水化方法、プラズマ処理装置、および積層体の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3593811B2 (ja) * 1996-08-21 2004-11-24 旭硝子株式会社 プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
JP3870605B2 (ja) * 1998-12-29 2007-01-24 コニカミノルタホールディングス株式会社 支持体の表面処理方法及びその装置
JP2002253952A (ja) * 2001-02-28 2002-09-10 Okura Ind Co Ltd プラズマ表面処理方法及び装置
JPWO2009148000A1 (ja) * 2008-06-02 2011-10-27 有限会社ニューネイチャー 活性水蒸気発生装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137354A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社ニューネイチャー 粉体処理装置および粉体処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015124343A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6129712B2 (ja) 過熱水蒸気処理装置
JP6190267B2 (ja) 親水化処理装置
KR101072792B1 (ko) 플라즈마 발생 전극 조립체
RU2476953C2 (ru) Плазменная система
TWI647978B (zh) 大氣壓力電漿處理裝置及方法
US20030129107A1 (en) Plasma generator
US20140178604A1 (en) Dual-Zone, Atmospheric-Pressure Plasma Reactor for Materials Processing
US20110308457A1 (en) Apparatus and method for treating an object
US20120212136A1 (en) Penetrating plasma generating apparatus for high vacuum chambers
JP2007080588A (ja) 多孔性素材のプラズマ処理方法及び処理装置
JP6052470B1 (ja) 樹脂の改質方法
JP2008098128A (ja) 大気圧プラズマ発生照射装置
KR101925501B1 (ko) 수지 개질 방법 및 장치
JPWO2015037534A1 (ja) 機能性フィルムの製造装置及び製造方法
WO2014046003A1 (ja) イオン注入装置
JP2012523675A (ja) プラズマ表面処理装置および方法
JP6274879B2 (ja) 粉体処理装置および粉体処理方法
JPH06119995A (ja) グロー放電プラズマ発生用電極及びこの電極を用いた反応装置
JP2017150023A (ja) リモートプラズマ処理装置
US8778080B2 (en) Apparatus for double-plasma graft polymerization at atmospheric pressure
KR101772070B1 (ko) 상압 플라즈마 처리장치
Jang et al. Discharge study of argon DC arc jet assisted by DBD plasma for metal surface treatment
JP2021528545A (ja) ポリマー膜のための表面処理方法
KR20130113091A (ko) 상압 플라즈마를 이용한 분말 처리 장치 및 방법
KR101123866B1 (ko) 플라스마 표면 처리 장치 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6190267

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees