JP6190260B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents
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この毛羽立ちを低減する技術として、特許文献1に、凹凸形状を有する支持体に繊維ウエブをのせて第1の熱風の吹き付けることで凹凸形状を固定して、第2の熱風を吹き付けて繊維同士を融着させて凹凸形状を固定して賦形した後、冷却気体を吹き付けて繊維ウエブを冷却して支持体から引きはがした後、第3の熱風を吹き付けて毛羽を低減する製法方法が記載されている。また特許文献2に、凹凸形状を有する支持体と通気コンベアで繊維ウエブを挟み込んで、そこに熱風を吹き付けることにより繊維ウエブに凹凸形状を固定し、第2の熱風を繊維ウエブに吹きを付けて繊維同士を融着させ凹凸形状を固定した後、通気コンベアが無い状態で冷却気体を吹き付けて、繊維ウエブを冷却して支持体から引きはがす製造方法が記載されている。
通気性を有するベルト21は、例えば、樹脂製のメッシュベルトで構成されている。メッシュの形状は問わないが、繊維ウエブ50を支持体10側に押さえて搬送することができ、通気性に優れていればよい。例えば、5メッシュから50メッシュのメッシュベルトで構成されることがより好ましい。5メッシュより小さいと、繊維ウエブを抑える効果が小さくなり、50メッシュより大きくなると局部抵抗の増加により熱風や高速の気体の風速を出すためのコストが増加する。
回転支持ローラ20Rは、4か所に限定されず、ベルト21が円滑に回転するように配されていればよい。そして、支持体10と通気コンベア20の間隔を調整することによって、繊維ウエブ50を支持体10と通気コンベア20との間に挟持して搬送できるようになっている。
本明細書において、「エアースルー」とは、通気性の支持体の表面に繊維ウエブを配置した状態で、繊維ウエブ側から気体を吹き付け、その気体を繊維ウエブおよび通気性の支持体を通過させて、通気性の支持体の裏面側に吹き抜けさせる処理をいう。
なお、第1の熱風W1の温度がウエブ50の繊維の低融点成分の融点より50℃低い温度未満の場合、繊維が十分に軟化せず繊維の移動性が低下する。他方、ウエブ5の繊維の低融点成分の融点より20℃高い温度を超えると、繊維同士が一機に融着し、自由度の低下により繊維の移動性が低下する。
なお、第2の熱風W2の温度が低すぎると繊維同士の融着ができずに繊維ウエブ50を凹凸形状に固定することが困難になる。一方、第2の熱風W2の温度が高すぎると、繊維同士が融着され過ぎて厚み(嵩)がでにくくなる。
なお、高速の気体W3の温度が低すぎると賦形される前に固化し、嵩が小さくなる。一方、高速の気体W3の温度が高すぎると、さらに繊維同士が融着され嵩が出にくくなる。
このような保温部30を設けることで、融着工程の高温の気体を、保温部30を通して賦形冷却工程に引き込むことで、高温状態の繊維ウエブ50を保持することで高速の気体(空気)を吹き付けるだけで賦形しやすくしている。
また、仮賦形工程から賦形冷却工程まで支持体10と通気コンベア20とにより繊維ウエブ50を挟んだ状態で繊維ウエブ50を押えるようにして、融着、賦形を行う。そのとき、第2の熱風W2の熱を利用して繊維ウエブ50を高温状態に維持したまま、賦形冷却工程に入れる。
また、第3ノズル13から高速の気体を吹き出すことによって、保温されてきた繊維ウエブ50を風圧により一機に賦形と同時に冷却できるため、繊維ウエブ50に賦形された凹凸形状を固定できる。これによって、毛羽立ちを抑えた状態で賦形ができる。
なお、上記の特許文献2では、10m/秒以上の高速の第1の熱風を、繊維ウエブに吹き付けて、繊維ウエブを支持体に添わせた状態を維持することを目的に「賦形」処理を行っている。これに対し、本願の「仮賦形」では、10m/秒未満の低速の第1の熱風W1を吹き付けることで、繊維を柔らかくすると同時に自由度の高い繊維を支持体10の形状に一時的に添わせている。このようにして、繊維が支持体10の形状に沿いやすくなるように移動性を高めることで、次の融着工程および賦形冷却工程でより支持体形状に添いやすくする。このような仮賦形の処理を行う。「仮賦形」の処理直後の繊維ウエブは、ほぼ基の形状に復元している。これは、次工程(融着、賦形冷却)での繊維の移動性を高めることを目的としている。
前述の図1に示すように、実施形態の賦形不織布の製造方法は、前述の不織布の製造装置1によって実現される。
上記の繊維ウエブ50に用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、下記の繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維があり、また、芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維がある。本発明では複合繊維を用いるのが好ましい。ここでいう複合繊維とは、高融点成分が芯部分で低融点成分が鞘部分とする芯鞘繊維、また高融点成分と低融点成分とが並列するサイドバイサイド繊維が挙げられる。その好ましい例として、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、芯鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)とPE(鞘)、PP(芯)とPE(鞘)、ポリ乳酸(芯)とPE(鞘)、PP(芯)と低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維があげられる。さらに具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成が、ポリエチレンテレフタレートと低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)とPE(鞘)、PET(芯)と低融点PP(鞘)が挙げられる。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせた混繊として用いることもできる。
なお、第1の熱風W1の温度が低すぎる場合、繊維ウエブを融着工程および賦形冷却工程で支持体に沿いやすくする仮賦形の効果が低下する。一方、温度が高すぎる場合、繊維同士が一気に融着し、自由度の低下により賦形性が損なわれることとなる。
そして繊維ウエブ50を通過した第1の熱風W1は、支持体10の通気部を通ってダクト15から外部に排出される。
第2の熱風W2の温度は、繊維の種類、加工速度、熱風の風速などによって変わるので一義的に定まるものではないが、繊維ウエブ50の繊維が上述のようなPETとPEとの芯鞘構造の複合繊維である場合、繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点以上、繊維ウエブ50の繊維の高融点成分の融点未満とする。好ましくは135℃以上170℃以下とし、より好ましい温度として140℃以上165℃以下とする。
なお、第2の熱風W2の温度が繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点より低くなると、繊維同士の融着により繊維の移動を規制しにくくなる。一方、繊維ウエブ50の繊維の高融点成分の融点以上になると、風合いが悪くなり、また嵩がでにくくなる。
このような保温部30を設けることで、融着工程の高温の気体を、保温部30を通して賦形冷却工程に引き込むことで、高温状態の繊維ウエブ50を保持することで高速の気体(空気)を吹き付けるだけで賦形しやすくしている。
また、通気コンベア20も、融着工程で熱せられるので、通気コンベア20と支持体10とで挟んだ状態で賦形冷却工程に繊維ウエブ50を搬送することで、通気コンベア20の熱により繊維ウエブ50を保温した状態で搬送できる。したがって、保温部30を設けることで、保温部30とともに効果的に繊維ウエブ50を保温して搬送できる。
高速の気体W3を吹き付けることで、繊維ウエブ50に凹凸形状を賦形させ、冷却する。この冷却によって、繊維ウエブ50の繊維同士の融着点が強固に固化される。
なお、高速の気体W3の温度が低すぎると繊維ウエブ50に結露を生じ、もしくは繊維ウエブ50に霜が付着することになり好ましくない。一方、高速の気体W3の温度が高すぎると、繊維同士がさらに融着されて、液浸透性が得られ難くなる。
このように、吹き付ける気体の風量よりも吸引する気体の風量を多くすることで、融着工程での第2の熱風W2の一部を引き込むことができるので、効果的に繊維ウエブ50を保温した状態で、高速の気体W3を吹き付けて賦形することができる。
また、支持体10と通気コンベア20とによって押え込んだ状態下で、融着工程で熱せられて保温されてきた繊維ウエブ50を、保温したまま一機に、賦形と同時に冷却を行うことによって、繊維同士が融着された交点を強固にして繊維同士によるネットワーク構造を強固に固定でき、繊維ウエブ50に賦形された凹凸形状を固定できる。しかも、賦形前に繊維同士の融着ができているので、毛羽立ちする繊維が毛羽立ちしない部分の繊維と融着されているので、毛羽立ちを抑えた状態で賦形ができる。これによって、毛羽立ちを低減できるので、不織布(繊維ウエブ50)の表面に外力が加わっても毛羽立ちにくくなり、滑らかな感触の肌触りが良い柔らかな不織布が得られる。また賦形前の1回の融着工程で毛羽立ちを抑えているので、他の繊維に過度の融着を起こすことなく繊維同士がしっかりと固定されるため、厚みや空隙が確保され、液透過性に優れた賦形された不織布を提供できる。
<1>
凹凸形状を有する通気性の支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送して、熱風を吹き付けて該凹凸形状に賦形する不織布の製造方法であって、支持体と通気コンベアにより繊維ウエブを挟持して搬送しながら、前記繊維ウエブに熱風を吹き付けて繊維ウエブの繊維同士を融着する融着工程と、その後、前記支持体と前記通気コンベアとに挟持された状態のまま、繊維同士が融着した前記繊維ウエブに風速25m/秒以上135m/秒以下の気体を吹き付け、前記繊維ウエブを前記支持体の凹凸形状に沿わせて賦形すると同時に冷却を行う賦形冷却工程とを有する不織布の製造方法。
<2>
前記繊維ウエブの表面に対して垂直方向から前記熱風を吹き付ける第2ノズルの吹き出し数は前記繊維ウエブの送給方向にそって複数個所である<1>に記載の不織布の製造方法。
<3>
前記熱風の温度は、好ましくは135℃以上170℃以下とし、より好ましくは140℃以上165℃以下とする<1>または<2>に記載の不織布の製造方法。
<4>
前記熱風は、好ましくは前記融着工程の前に吹き付ける第1の熱風W1の風速よりも遅く設定される<1>から<3>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<5>
前記熱風の風速は、好ましくは1m/秒以上8m/秒以下、より好ましくは2m/秒以上8m/秒以下、さらに好ましくは2m/秒以上6m/秒以下とする<1>から<4>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<6>
前記熱風の吹き付け時間は、好ましくは0.03秒以上6秒以下、より好ましくは0.1秒以上5秒以下、さらに好ましくは0.3秒以上4秒以下とする<1>から<5>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<7>
前記融着工程後から前記賦形冷却工程を行うまで前記繊維ウエブを保温する<1>から<6>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<8>
前記保温は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上とする<7>に記載の不織布の製造方法。
<9>
前記融着工程後、1.6秒以内に前記賦形冷却工程を開始する<1>から<8>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<10>
前記融着工程の後、前記賦形冷却工程を開始するまでの前記繊維ウエブの搬送時間は、好ましくは1.6秒以下、より好ましくは1.3秒以下、さらに好ましくは1.0秒以下である<1>から<9>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<11>
前記融着工程から前記賦形冷却工程に行くまでの前記繊維ウエブの温度低下が、好ましくは40℃以下、より好ましくは20℃以下、さらに好ましくは10℃以下である<1>から<10>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<12>
前記賦形冷却工程で吹き付ける気体の温度は、繊維の種類、加工速度、熱風の風速などによって変わるので一義的に定まるものではないが、繊維ウエブの繊維が、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンとの芯鞘構造の複合繊維である場合、好ましくは18℃以上、より好ましくは20℃以上、さらに好ましくは25℃以上であり、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下である<1>から<11>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<13>
前記賦形冷却工程で吹き付ける気体は、好ましくは25m/秒以上、より好ましくは30m/秒以上、さらに好ましくは80m/秒以上であり、好ましくは135m/秒以下、より好ましくは130m/秒以下、さらに好ましくは125m/秒以下の風速に制御される<1>から<12>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<14>
前記賦形冷却工程で吹き付ける気体の吹き付け時間は、好ましくは0.01秒以上、より好ましくは0.015秒以上、さらに好ましくは0.02秒以上であり、好ましくは0.6秒以下、より好ましくは0.5秒以下、さらに好ましくは0.4秒以下に制御される<1>から<13>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<15>
前記賦形冷却工程において、前記気体の吹き付け面に対して前記支持体の反対面から吸引し、前記気体の吹き付け風量に対する前記吸引風量の割合が105%以上160%以下である<1>から<14>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<16>
前記賦形冷却工程において、前記気体の吹き付け風量に対するダクトが吸引する風量の割合、すなわち、[(ダクトの吸引風量)/(気体の吹き付け風量)]×100(%)は、好ましくは102%以上、より好ましくは110%以上、さらに好ましくは120%以上であり、好ましくは165%以下、より好ましくは160%以下、さらに好ましくは150%以下である<1>から<15>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<17>
前記融着工程を行う前に、気体の吹き付けにより前記繊維ウエブを柔軟化する仮賦形工程をする<1>から<16>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<18>
前記仮賦形工程における第1の熱風の温度は、好ましくは110℃以上140℃以下、より好ましくは120℃以上135℃以下である<17>に記載の不織布の製造方法。
<19>
前記仮賦形工程における第1の熱風の風速は、好ましくは5m/秒以上9.5m/秒以下、より好ましくは、5.5m/秒以上9.0m/秒以下とし、さらに好ましくは、6m/秒以上8.5m/秒以下である<17>または<18>に記載の不織布の製造方法。
<20>
前記仮賦形工程における第1の熱風の吹き付け時間は、好ましくは0.01秒以上0.6秒以下とし、より好ましくは、0.04秒以上0.5秒以下とする<17>から<19>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
実施例1から実施例12は、前述の実施形態の製造方法により以下の条件で製造した。
すなわち、第1実施例は、繊維ウエブ50の繊維に、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点が258℃)で、鞘部がポリエチレン(融点が130℃)の芯鞘構造の複合繊維を用いた。混率は100%、繊度は2.2dtexとした。その繊維ウエブ50を支持体10と通気コンベア20とで挟持して搬送し、支持体10の表面で第2の熱風W2(空気)および高速の気体W3(空気)を吹き付けることで凹凸形状に賦形させた。第2の熱風W2は、温度を160℃、風速を4.6m/秒、吹き付け時間を0.7秒、吹き付け風量に対する吸引風量の割合[(吸引風量/吹き付け風量)×100]を100%とした。さらに融着後0.6秒後に高速の気体W3を吹き付けた。高速の気体W3は、温度を30℃、風速を122m/秒、吹き付け時間を0.03秒、吹き付け風量に対する吸引風量の割合[(吸引風量/吹き付け風量)×100]を135%とした。また、融着工程から賦形冷却工程までの保温はなしとした。上記条件にて不織布の試験体を製造した。
実施例3は、前述の第1実施例において、高速の気体W3の風速を80m/秒とした以外、前述の第1実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例4は、前述の第1実施例において、高速の気体W3の風速を130m/秒とした以外、前述の第1実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例5は、前述の第1実施例において、第2の熱風W2を吹き付けてから高速の気体W3を吹き付けるまでを保温をした以外、前述の第1実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例6は、前述の第5実施例において、第2の熱風W2を吹き付けてから高速の気体W3を吹き付けるまでを時間を1.3秒とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例7は、前述の第5実施例において、第2の熱風W2を吹き付けてから高速の気体W3を吹き付けるまでを時間を1.5秒とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例8は、前述の第5実施例において、高速の気体W3を吹き付けるときの吸引風量/吹き付け風量の比を105%とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例9は、前述の第5実施例において、高速の気体W3を吹き付けるときの吸引風量/吹き付け風量の比を110%とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例10は、前述の第5実施例において、高速の気体W3を吹き付けるときの吸引風量/吹き付け風量の比を150%とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例11は、前述の第5実施例において、高速の気体W3を吹き付けるときの吸引風量/吹き付け風量の比を160%とした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
実施例12は、前述の第5実施例において、繊維ウエブに第2の熱風W2を吹き付ける前に、繊維ウエブを通気コンベアで押さえた状態で、気体(空気)温度130℃、風速8.0m/秒、吹き付け時間0.06秒吹き付ける仮賦形処理をした以外、前述の第5実施例と同様の条件にて賦形不織布の試験体を製造した。
比較例2は、前述の実施例1の製造方法において、賦形冷却工程の高速の気体W3の風速を140m/秒とし、第2の熱風W2を吹き付けてから高速の気体W3を吹き付けるまで保温を行った以外、前述の第1実施例と同様の条件にて不織布の試験体を製造した。
第1の熱風W1の温度は、風速風温計であるアネモマスター(日本カノマックス株式会社製:商品名)により第1ノズル11の吹き出し口直下で測定し、風速は、ピトー管により第1ノズル11の吹き出し口直下で総圧から静圧を引き動圧を測定しピトー管による流速計算式より求めた。第2の熱風W2の温度および風速は、上記アネモマスターにより第2ノズル12の吹き出し口直下で測定し、高速の気体W3の温度および風速は、第3ノズル13の吹き出し口直下で測定した。この気体W3の温度は熱電対で測定し、および風速はピトー管にて測定した。
A:上面の凸部一つの毛羽立ち(繊維)本数が0である。
B:上面の凸部一つの毛羽立ち(繊維)本数が1以上2未満である。
C:上面の凸部一つの毛羽立ち(繊維)本数が2以上3未満である。
D:上面の凸部一つの毛羽立ち(繊維)本数が3以上である。
これにより、高速の気体W3の風速が30m/秒以上130m/秒以下であれば、毛羽立ちが少なく賦形することができることが実証された。
冷却賦形エアー風速を140m/秒で行った比較例2は毛羽立ちを全く低減することが出来なかった(評価:劣る)。
10 支持体
11 第1ノズル
12 第2ノズル
13 第3ノズル
15,16,17 ダクト
20 通気コンベア
30 保温部
50 繊維ウエブ
Claims (5)
- 凹凸形状を有する通気性の支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送して、熱風を吹き付けて該凹凸形状に賦形する不織布の製造方法であって、
支持体と通気コンベアにより繊維ウエブを挟持して搬送しながら、前記繊維ウエブに熱風を吹き付けて繊維ウエブの繊維同士を融着する融着工程と、
その後、前記支持体と前記通気コンベアとに挟持された状態のまま、繊維同士が融着した前記繊維ウエブに風速25m/秒以上135m/秒以下の気体を吹き付け、前記繊維ウエブを前記支持体の凹凸形状に沿わせて賦形すると同時に冷却を行う賦形冷却工程とを有する不織布の製造方法。 - 前記融着工程の後から前記賦形冷却工程を行うまで前記繊維ウエブを保温する請求項1に記載の不織布の製造方法。
- 前記融着工程の後、1.6秒以内に前記賦形冷却工程を開始する請求項1または2に記載の不織布の製造方法。
- 前記賦形冷却工程において、前記気体の吹き付け面に対して前記支持体の反対面から吸引し、前記気体の吹き付け風量に対する前記吸引風量の割合は102%以上165%以下である請求項1から3の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記繊維同士の融着を行う前に、気体の吹き付けにより前記繊維ウエブを柔軟化する仮賦形をする請求項1から4の何れか1項に記載の不織布の製造方法。
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