JP6189253B2 - 運搬装置 - Google Patents
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Description
不定形対象物を把持する場合には把持力により対象物形状が変形するため、不定形対象物を挟むハンドの材料を弾性体で構成する手法や、環状の移載ベルトを回転させて不定形対象物を移載する手法がある。
第1の実施形態に係る運搬装置について図1を参照して説明する。図1では、運搬装置100が載置台151に載置された運搬の対象となる物体である対象物150を運搬する例である。
また、爪先端部105、第1爪回転ローラ109および第2爪回転ローラ110をあわせて爪部とも呼ぶ。
間隔調整部102は、マニピュレータ101に接続され、直動機構により第1支持部103をx軸方向に移動可能とする。なお、直動機構の構成は、ステップモータとボールねじとの組み合わせで構成すればよいが、これに限らず第1支持部103を移動可能であればよい。
第1支持部103は、間隔調整部102に接続される棒状の垂直部材であり、図1では、z軸方向に沿って配置される。第1支持部103は、金属、シリコーン樹脂など、洗浄および消毒に耐える材質であればどのような材質でもよい。洗浄は、例えば洗浄液に浸漬して超音波洗浄する方法とブラッシングなどの機械的洗浄とを組み合わせた方法を用いることができる。また、消毒は、煮沸消毒および塩素消毒を行えばよい。
爪先端部105は、先端が突出した形状であり、第1爪回転ローラ109および第2爪回転ローラ110に接続される。爪先端部105は、ここではxy平面に沿った三角柱状であるが、スプーン形状、シャベル形状でもよい。すなわち、爪先端部105が駆動ベルト106により進行する際に、対象物150の下面に潜入しやすくかつ対象物150を破損しない形状であれば、どのような形状でもよい。
第1移載ベルト107は、駆動ベルト106の上面(第1面)に並設され、一端が駆動ベルト106の上面から離れるように第1爪回転ローラ109で折り返して第1支持部103に固定され、他端が第1移載ベルト巻回部115に巻回配置される。第1移載ベルト107は、例えばテフロン(登録商標)等の合成樹脂からなる耐久性および可撓性のある材質を用いることが望ましいが、どのような材質でもよい。
また、第1移載ベルト107および第2移載ベルト108は、帯状の平面である場合を想定するが、対象物150を積載できればよく、紐を複数並列させたものでもよい。
第1爪回転ローラ109は、爪先端部105と接続され、爪部が進退するのに応じて回転する。これにより、第1爪回転ローラ109に巻かれる第1移載ベルト107が爪先端部105の進行方向に沿って進退することになる。進行方向は、対象物150を第1移載ベルト107に移動させて積載する(以下、移載ともいう)ために延伸する方向である。図1の例では、進行方向はx軸方向である。
第2爪回転ローラ110は、爪先端部105と接続され、爪部が進行方向に沿って進退するのに応じて回転する。これにより、第2爪回転ローラ110に巻かれる第2移載ベルト108が爪先端部105の進行方向に沿って進退することになる。
回転駆動部113は、回転することにより駆動ベルト106にトルクを付加し、駆動ベルト106を進行方向に沿って進退させる。
押圧回転ローラ114は、駆動ベルト106を挟んで回転駆動部113に対向する位置に配置され、駆動ベルト106が進行方向に延伸する際のぶれやたわみを低減するように回転する。
第1移載ベルト巻回部115は、第1移載ベルト107を巻回するローラであり、バネなどの弾性部材により第1移載ベルト107を巻き取る方向に常にトルクが働くよう付勢巻回配置する。
第2移載ベルト巻回部116は、第1移載ベルト107を巻回するローラであり、バネなどの弾性部材により第2移載ベルト108を巻き取る方向に常にトルクが働くよう付勢巻回配置する。
第2変更回転ローラ118は、第2移載ベルト108を所望の方向に経路変更するためのローラであり、図1では、第2移載ベルト巻回部116からz軸方向に延びる第2移載ベルト108をx軸方向に方向転換して延伸させるために設けられる。
駆動ベルト巻回部112、押圧回転ローラ114、第1移載ベルト巻回部115および第2移載ベルト巻回部116は、回転駆動部113の回転トルクに応じて、それぞれ連動して回転する。回転駆動部113の回転は、例えばモータ201を直接接続することによりトルクを付加して動作させればよい。また、回転駆動部113とモータ201を直接接続せずに、例えば間にベルトとプーリとを介して間接的に接続してもよい。
図3に示すように、図3(a)の初期状態から回転駆動部113が回転することで、図3(b)に示すように、駆動ベルト106が進行方向に沿って進行し、爪先端部105が第1支持部103から進行方向に沿って進行することになる。このとき、第1移載ベルト107および第2移載ベルト108も連動して第1支持部103から進行方向に沿って進行する。ここで、爪先端部105の進行方向に位置する対象物150は、爪先端部105が進行するに従って対象物150の下面と載置面151との間に潜入する。
なお、対象物150を積載したままマニピュレータ101がx−y軸で形成される平面方向に移動することにより、対象物150を運搬できる。なお、対象物150の質量による負荷が駆動ベルト106の曲げ剛性に対して十分に小さい場合は、対象物150を積載したままマニピュレータ101をz軸方向につり上げることにより、対象物150を運搬できる。
図4(a)から図4(d)では、対象物401として、例えば、曲がったパイプであり、円筒状かつ内部が空洞である物体を想定する。爪部、駆動ベルト106、第1移載ベルト107および第2移載ベルト108はある程度柔軟性を有するため、このような対象物401の内部に爪部を進行方向に沿って進行させることで、対象物401の形状に沿って進行させることができる。図4の例では、進行方向は、円筒形状である対象物401の中心軸に沿った方向である。対象物401の質量による負荷が駆動ベルト106の曲げ剛性に対して十分に小さい場合は、図4(d)に示すように、対象物401の進入側の反対側まで爪部が進行することによりつり上げて運搬することができる。対象物401の質量による負荷が駆動ベルト106の曲げ剛性に対して大きい場合は、対象物401の接地面に対して対象物401を引きずるように運搬することが可能である。
図5に示す爪先端部は、爪部に表面回転ローラ501を含み、第1移載ベルト107が表面回転ローラ501で折り返し、爪先端部105の表面を覆いつつ第1支持部103に固定される。
表面回転ローラ501部分において、爪先端部105が対象物150の下面に進行する際に第1支持部103側に対象物150を移載するように、第1移載ベルト107に回転が発生する。これによって、より容易に対象物150を移載することができる。
図6(a)および図6(d)では、爪先端部105が真空吸着可能な吸着機構を有し、対象物150を吸着することで運搬する例を示す。対象物150と対象物150が載置される載置台または床面との間の摩擦が無視できるほど小さい場合は、爪先端部105が対象物150を真空吸着して進行方向に沿って退行することで、対象物150を運搬することもできる。なお、吸着機構は爪先端部105に1個だけ配置しても良いし、複数配置しても良い。
第2の実施形態では、運搬装置が、第1支持部に対向する第2支持部と、爪部と締結する締結部とを含む点が第1の実施形態と異なる。
このようにすることで、爪部を締結部に固定でき、より安定した状態で対象物を移載および運搬することができる。
第2の実施形態に係る運搬装置700は、マニピュレータ101、間隔調整部102、第1支持部103、爪伸縮部104、爪先端部105、駆動ベルト106、第1移載ベルト107、第2移載ベルト108、第1爪回転ローラ109、第2爪回転ローラ110、方向変更部111、第2支持部701および締結部702を含む。
マニピュレータ101、第1支持部103、爪伸縮部104、爪先端部105、駆動ベルト106、第1移載ベルト107、第2移載ベルト108、第1爪回転ローラ109、第2爪回転ローラ110および方向変更部111は、第1の実施形態と同様の動作を行うので、ここでの説明を省略する。
図8(a)は、初期状態を示す。なお、爪先端部105が対象物150に対して進行する前に、間隔調整部102が第2支持部701を対象物150側に移動させ、第1支持部103と第2支持部701との間隔を調整してもよい。また、第2支持部701が対象物150の側面に接してもよい。
図8(d)では、爪先端部105が、締結部702に結合する場合を示す。このように爪先端部105が第2支持部701に固定されることにより、より安定して対象物150を運搬することができる。
不定形対象物に対しても、図8(a)から図8(d)と同様の処理により、対象物150を第1移載ベルト107に移載し、爪先端部105が第2支持部701に固定されることにより、より安定して対象物150を運搬することができる。
図10(a)から図10(d)は、載置台1001が平面ではなく、半球状である場合を想定し、載置台1001に対象物150が載置されている場合を想定する。
さらに、図8(d)に示すように、対象物150を移載した後に爪先端部105が締結部702に締結することで、対象物150をつり下げて運搬できる。
対象物150が定形対象物であり、押圧に耐性を有するものであれば、図11(a)および図11(b)に示すように、第1支持部103と第2支持部701とで挟持して運搬することもできる。
第3の実施形態では、作業命令に応じて運搬装置の動作を制御する制御部を含む場合について説明する。
第3の実施形態に係る運搬装置1200は、動作コマンド生成部1201、目標指令値生成部1202、アクチュエータ駆動制御部1203、ドライバ1204、開閉用アクチュエータ1205、開閉量検出センサ1206、爪部進退量アクチュエータ1207、進退量検出センサ1208、締結用アクチュエータ1209、締結検出センサ1210、信号処理部1211、動作モード格納部1212および判定部1213を含む。動作コマンド生成部1201、目標指令値生成部1202、アクチュエータ駆動制御部1203、信号処理部1211、動作モード格納部1212および判定部1213を合わせて単に制御部とも呼ぶ。
アクチュエータ駆動制御部1203は、目標指令値生成部1202から各アクチュエータの目標指令値を受け取り、目標指令値に応じて各アクチュエータを駆動するためのアクチュエータ駆動指示をそれぞれ生成する。
ドライバ1204は、アクチュエータ駆動制御部1203から各アクチュエータのアクチュエータ駆動指示を受け取り、各アクチュエータのアクチュエータ駆動出力を生成する。
開閉量検出センサ1206は、開閉用アクチュエータ1205の動作をセンシングし、センサ信号を生成する。センサ信号は、例えば電圧値である。開閉量検出センサ1206としては、例えば、ポテンショメータ、静電容量型センサ、レーザ変位計測計またはエンコーダを用いればよい。
進退量検出センサ1208は、爪部進退量アクチュエータ1207の動作をセンシングし、センサ信号を生成する。センサ信号は、例えば電圧値である。進退量検出センサ1208としては、例えば、ポテンショメータ、静電容量型センサ、レーザ変位計測計、フォトセンサ、エンコーダまたはパルスコーダを用いればよい。なお、駆動ベルト巻回部112、第1移載ベルト巻回部115および第2移載ベルト巻回部116において、駆動ベルト106、第1移載ベルト107および第2移載ベルト108をそれぞれ付勢巻回配置する場合は、各巻回部の直径をフォトセンサなどで計測した値をセンサ信号としてもよい。
締結検出センサ1210は、締結用アクチュエータ1209の動作をセンシングし、センサ信号を生成する。センサ信号は、例えば電圧値である。締結用アクチュエータ1209としては、例えば、マイクロスイッチ、近接センサ、無線アンテナ、RFIDタグ、レーザ変位計測計またはフォトセンサを用いることができる。
ステップS1301では、マニピュレータ101が、対象物を移載可能な位置に、運搬装置1200を移動する。
Claims (8)
- 第1支持部と、
第1回転部および第2回転部を有し、先端が突出する爪部と、
一端が前記爪部に固定され、該爪部を進行方向に沿って進行させる駆動ベルトと、
前記駆動ベルトの第1面に沿って並設され、一端が該第1面から離れるように前記第1回転部で折り返して前記第1支持部に固定される第1移載ベルトと、
前記第1面に対向する前記駆動ベルトの第2面に沿って並設され、一端が該第2面から離れるように前記第2回転部で折り返して前記第1支持部に固定される第2移載ベルトと、を具備し、
前記第1移載ベルトおよび前記第2移載ベルトは、前記駆動ベルトが前記進行方向に沿って進行する場合に連動して延在する運搬装置。 - 前記爪部が、前記駆動ベルトに伴って運搬対象となる対象物の下面に潜入または該対象物内部に進行することにより、前記第1移載ベルトに該対象物が移載される請求項1に記載の運搬装置。
- 前記第1支持部に配置され、前記爪部と締結する締結部をさらに具備し、
前記爪部は、前記第1移載ベルトに運搬対象となる対象物が移載されたのち、前記締結部に締結する請求項1または請求項2に記載の運搬装置。 - 前記第1支持部に対向する第2支持部と、
前記第2支持部に配置され、前記爪部と締結する締結部と、
前記爪部は、前記第1移載ベルトに運搬対象となる対象物が移載されたのち、前記締結部に締結する請求項1または請求項2に記載の運搬装置。 - 前記爪部と前記締結部との締結を検出するセンサ信号を生成するセンサと、
前記センサ信号に応じて、前記駆動ベルトの駆動を停止する制御部と、をさらに具備する請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の運搬装置。 - 前記爪部は、少なくとも一部分が鉄製材料であり、前記締結部は、電磁石である請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の運搬装置。
- 前記爪部は、吸引機構を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の運搬装置。
- 前記駆動ベルト、前記第1移載ベルトおよび前記第2移載ベルトのそれぞれの他端は、付勢巻回配置される請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の運搬装置。
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