JP6186896B2 - 睡眠判定装置と睡眠判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、寝具上の人などの動物が睡眠中か否かを判定する睡眠判定装置と睡眠判定方法に関する。
介護や医療の現場にあっては、例えば寝具上の人の転落防止の観点から、寝具上の人が睡眠中であるか否かを看護者が知ることは重要である。寝具上の人が睡眠中であるか否かを判定する技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載の寝台装置は、寝床部(本願発明の「寝具」に相当)の荷重を検出する荷重計測手段の検出結果に基づいて重心位置や荷重の変化の有無を判定し、一定期間毎の重心位置や荷重の変化量が所定の閾値以上となった回数(体動数)を一定の複数期間に亘って集計する。この集計した各期間毎の回数に、各期間毎に設定された係数を乗じてそれらを加算し、当該加算により得られた値に基づいて寝床上の人が覚醒中であるか睡眠中であるかを判定する。
国際公開第2010/143487号
上記睡眠判定装置では、予め設定した一定の複数期間に亘って集計した体動数を用いて演算した値に基づいて睡眠中であるか否かを判定するので、その一定の複数期間が経過するまでは睡眠中か否かを判定することができない。また、睡眠中であることが判定されても、一定の複数期間が経過するまでのどの期間(タイミング)において入眠(睡眠状態になること)したかを知ることができない。本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、入眠したタイミング(入眠タイミング)に応じて睡眠中か否かを迅速に判定することができる睡眠判定装置と睡眠判定方法を提供することを目的とする。
本発明による睡眠判定装置の特徴構成は、寝具上の動物の設定時点からの経過時間に応じた体動数を取得する体動数取得部と、前記体動数と前記経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する睡眠値演算部と、前記睡眠値に基づいて睡眠中か否かを判定する睡眠判定部と、を備え
前記寝具の荷重を検出可能な荷重センサと、所定周期で繰り返される第1区間毎に、前記荷重センサによる検出荷重に基づいて前記寝具の荷重変化を示す体動値を演算する体動値演算部と、前記体動値が予め設定された閾値よりも大きい場合に前記第1区間における「体動有」を判定する体動判定部とを備え、前記体動数取得部は、連続する複数の前記第1区間からなる第2区間毎の体動数を、前記「体動有」が判定された前記第1区間の数として取得するように構成され、
前記体動数取得部は、前記第2区間毎に、前記体動数が多いほどその数値が大きくなり、且つ、前記体動数が多いほど当該体動数が1減ったときの数値との差よりも当該体動数が1増えたときの数値との差の方が小さくなるように換算する換算式を用いて重み付き体動数を取得するように構成され、前記睡眠値演算部は、前記換算式を用いて取得した前記第2区間毎の重み付き体動数を用いて前記睡眠値を演算するように構成されている点にある。
本構成の睡眠判定装置は、設定時点からの経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する。睡眠判定部は、設定時点からの経過時間が入眠タイミングに至る前までは、その経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて演算した睡眠値に基づく判定において、睡眠中ではないと判定することができる。また、睡眠判定部は、設定時点からの経過時間が入眠タイミングに至った後は、その経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて演算した睡眠値に基づく判定において、睡眠中であると判定することができる。
したがって、本構成の睡眠判定装置であれば、設定時点からの経過時間に応じた体動数を用いて、その経過時間に応じて設定された演算式により睡眠値を演算し、その睡眠値を用いて睡眠中か否かを判定するので、入眠タイミングに応じて睡眠中か否かを迅速に判定することができる。また、睡眠中であると判定したときの設定時点からの経過時間に対応する時刻を、入眠タイミングとして把握することができる。
本発明による睡眠判定方法の特徴構成は、寝具上の動物の設定時点からの経過時間に応じた体動数を取得する体動数取得工程と、前記体動数と前記経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する睡眠値演算工程と、前記睡眠値に基づいて睡眠中か否か判定する睡眠判定工程と、を備え
前記寝具の荷重を検出可能な荷重センサと、所定周期で繰り返される第1区間毎に、前記荷重センサによる検出荷重に基づいて前記寝具の荷重変化を示す体動値を演算する体動値演算部と、前記体動値が予め設定された閾値よりも大きい場合に前記第1区間における「体動有」を判定する体動判定部とを備えており、前記体動数取得工程は、連続する複数の前記第1区間からなる第2区間毎の体動数を、前記「体動有」が判定された前記第1区間の数として取得し、
前記体動数取得工程は、前記第2区間毎に、前記体動数が多いほどその数値が大きくなり、且つ、前記体動数が多いほど当該体動数が1減ったときの数値との差よりも当該体動数が1増えたときの数値との差の方が小さくなるように換算する換算式を用いて重み付き体動数を取得し、前記睡眠値演算工程は、前記換算式を用いて取得した前記第2区間毎の重み付き体動数を用いて前記睡眠値を演算する点にある。
本構成の睡眠判定方法は、設定時点からの経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する。設定時点からの経過時間が入眠タイミングに至る前までの睡眠判定工程では、その経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて演算した睡眠値に基づく判定において、睡眠中ではないと判定することができる。また、設定時点からの経過時間が入眠タイミングに至った後の睡眠判定工程では、その経過時間に応じた体動数と、その経過時間に応じて設定された演算式とを用いて演算した睡眠値に基づく判定において、睡眠中であると判定することができる。
したがって、本構成の睡眠判定方法であれば、設定時点からの経過時間に応じた体動数を用いて、その経過時間に応じて設定された演算式により睡眠値を演算し、その睡眠値を用いて睡眠中か否かを判定するので、入眠タイミングに応じて睡眠中か否かを迅速に判定することができる。また、睡眠中であると判定したときの設定時点からの経過時間に対応する時刻を、入眠タイミングとして把握することができる。
睡眠判定装置の構成を模式的に示すブロック図である。 体動値について模式的に示す図である。 体動の有無の判定結果の一例を示す図である。 体動数について模式的に示す図である。 重み付き体動数の一例を示す図である。 睡眠判定に係る処理を示すフローチャートである。 その他の実施形態に係る体動値について模式的に示す図である。 その他の実施形態に係る体動値について模式的に示す図である。 その他の実施形態に係る体動値について模式的に示す図である。 その他の実施形態に係る体動値について模式的に示す図である。
本発明に係る睡眠判定装置は、寝具上の動物が現在睡眠中であるか否かを適切に判定する機能を備えている。以下に、本発明に係る睡眠判定装置100の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、寝具上の動物1として人1Aを例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態に係る睡眠判定装置100の構成を模式的に示したブロック図である。図1に示されるように、睡眠判定装置100は、荷重センサ11、体動値演算部12、体動判定部13、体動数取得部14、睡眠判定部16の各機能部を備えて構成される。体動数取得部14は、体動数算出部14aと重み付き体動数演算部14bとを備えている。睡眠判定部16は睡眠値演算部16aを備えている。各機能部はCPUを中核部材として、寝具2上の人1Aが睡眠中であるか否かを判定する種々の処理を行うための上述の機能部がハードウェア又はソフトウェア或いはその両方で構築されている。
本実施形態では、人1Aが就寝する寝具2としてベッドを例に挙げて説明する。このため、以下ではベッドに符号2を付して説明する。ベッド2は、マットレス2Aと、当該マットレス2Aが載置される台部2Bと、台部2Bを床面に対して支持する支持部としての脚部2Cとを備えて構成される。
荷重センサ11は、台部2Bと脚部2Cとの間に寝具2からの荷重を検出可能に設けられる。荷重センサ11は、ベッド2上の人1Aの体動を検出する検出部の一例である。本実施形態では、荷重センサ11は台部2Bの裏面に設けられ、ベッド2の4つの脚部2Cのうち、一つの脚部2Cに配設される。荷重センサ11による検出結果は、図2に示されるような時々刻々の荷重の変化を示す電気信号として体動値演算部12に伝達される。
本実施形態では、体動値演算部12はベッド2上の人1Aの呼吸の周期よりも短い所定周期で繰り返される区間Ta毎に、荷重センサ11による検出荷重に基づいて、人1Aの動きによるベッド2の荷重変化を示す体動値Sを演算する(図2参照)。人1Aの呼吸の周期とは、ベッド2の人1Aが呼吸を1回する際に要する時間である。ここで、人1Aは呼吸の安定状態(運動直後等でない状態)にあっては、1回当たり3〜6秒程度要する。したがって、呼吸の周期とは3〜6秒程度が相当する。
また、呼吸の周期よりも短い所定周期とは、呼吸の周期が3〜6秒である場合には、3秒未満をいうが、理解を容易にするために本実施形態では1秒として説明する。このため、呼吸の周期よりも短い所定周期で繰り返される区間Taとは、1秒毎に区分けされた一秒周期(所定周期)で繰り返される1秒間の区間Taが相当する。本実施形態では、このような区間Taを第1区間Taとして説明する。体動値演算部12は、このような第1区間Ta毎に体動値Sを演算する。
体動値Sとは、ベッド2上の人1Aの動きを示す目安となる指標である。本実施形態では、体動値演算部12は、荷重センサ11による検出結果に基づいて、検出荷重の最大値と最小値との差を体動値Sとして演算する。ここで、このような体動値Sは、各第1区間Ta毎に演算される。このため、検出荷重の最大値とは第1区間Ta内において最も荷重が大きくなった時の値であり、図2では、K1の夫々が相当する。検出荷重の最小値とは第1区間Ta内において最も荷重が小さくなった時の値であり、図2では、K2の夫々が相当する。本実施形態では、体動値演算部12は、このような最大値K1と最小値K2との差を体動値Sとして演算する。
このように、第1区間Ta毎の最大変化量を体動値Sとすることにより、当該最大変化量を検出荷重の変化に係る特徴として抽出することが可能となる。したがって、このような特徴に基づいて体動値Sを正確に演算することができる。本実施形態に係る体動値演算部12は、第1区間Ta毎にこのような最大変化量を演算して体動値Sとする。体動値演算部12により演算された体動値Sは体動判定部13に伝達される。
体動判定部13は、体動値Sが予め設定された判定閾値よりも大きい場合に、第1区間Taにおいて人1Aの体動があったと判定する。判定閾値は、全ての第1区間Taに亘って一定値で設定される。すなわち、判定閾値は時間に拘らず一定値で設定される。このような判定閾値は、予め体動判定部13に記憶されている。体動判定部13は、図3に示されるように、各第1区間Taの体動値Sと判定閾値とを比較して、体動値Sが判定閾値よりも大きい場合に「体動有」を判定し、体動値Sが判定閾値以下の場合には「体動無」を判定する。したがって、第1区間Ta毎に体動があったか否かが判定される。
これにより、呼吸の周期よりも極めて短い周期の第1区間Ta毎であっても当該第1区間Ta毎に、体動の有無を正確に検出することが可能となる。このため、体動があった時点を精度良く判定することが可能となる。また、荷重センサ11がベッド2の台部2Bの裏面に配設されてあるので、直接、ベッド2上の人1Aに触れることがない。したがって、体動を検出するにあたり人1Aの睡眠を阻害することを防止できる。更には、就寝中の人1Aにより荷重センサ11が無意識に外されることもない。体動判定部13の判定結果は、体動数取得部部14に伝達される。
体動数取得部14は、設定時点から現在までの経過時間に応じたベッド2上の人1Aの体動数を取得する。設定時点とは、例えば人1Aがベッド2の上に移動した時点や人1Aがベッド2の上に横たわった時点、あるいは、ベッド2上の人1Aが睡眠判定装置100の始動スイッチなどをON操作した時点などであり、睡眠判定を行うために体動数の取得を開始する起点として設定される時点である。人1Aがベッド2の上に移動したことにより荷重センサ11による検出荷重が設定荷重を超えた時点や、人1Aがベッド2の上に移動した時点やベッド2の上に横たわった時点をカメラなどの撮像装置による画像情報に基づいて検出した時点を設定時点として自動設定するように構成してあってもよい。
体動数取得部14は、体動判定部13の判定結果に基づく体動数算出部14aによる演算処理によって、設定時点から現在までの経過時間に応じた体動数を取得する。体動数算出部14aは、設定時点から現在までの、予め設定された所定期間毎の体動数を算出する。予め設定された所定期間とは、複数の第1区間Taからなる第2区間Tbが相当する。したがって、予め設定された所定期間毎の体動数とは、連続する複数の第1区間Taからなる第2区間Tb毎の体動数が相当する。図4に示されるように、各第2区間Tbは2個以上の第1区間Taから構成される。本実施形態では、夫々の第2区間Tbは、20個の第1区間Taを有して構成されている。したがって、各第2区間Tbは20秒周期で繰り返される20秒間の区間である。このように、本実施形態では、体動数算出部14aは、連続する20個の第1区間Taからなる第2区間Tb毎に体動があった第1区間Taの数を体動数として算出する。したがって、体動数算出部14aは、設定時点から現在までの経過時間に応じた数の第2区間Tb毎の体動数を算出する。
以下の説明では、各第2区間Tbを区別する必要があるときには、設定時点から現在までの順番で、設定時点から一番目の第2区間Tbを第2区間Tb1で示し、二番目の第2区間Tbを第2区間Tb2で示す。
以下の説明において、設定時点からn番目の第2区間Tbを「Tbn」で示し、その第2区間Tbnにおける体動数を「Nn」で示す。また、第2区間Tbnのうち、設定時点から現在までの経過時間に応じた最新の第2区間Tbを、設定時点からm番目の第2区間Tbとして「Tbm」で示し、その第2区間Tbmにおける体動数を「Nm」で示す。したがって、n≦mの関係を有している。
体動数算出部14aは、例えば図4に示される例では、設定時点から1番目(n=1)の第2区間Tb1が有する20個の第1区間Taのうち2個の第1区間Taにおいて「体動有」を判定された場合には、当該第2区間Tb1の体動数N1を「2」として取得する。同様に、2番目(n=2)の第2区間Tb2の体動数N2を「11」、3番目(n=3)の第2区間Tb3の体動数N3を「3」、4番目(n=4)の第2区間Tb4の体動数N4を「0」、5番目(n=5)の第2区間Tb5の体動数N5を「13」、6番目(n=6)の第2区間Tb6の体動数N6を「3」として算出する。体動数算出部14aで算出された第2区間Tbnの体動数Nnは、重み付き体動数演算部14bに伝達される。
体動数取得部14は、第2区間Tbn毎に、「体動有」が判定された第1区間Taの数が多いほど、その数が大きくなり、且つ、体動数が多いほど当該体動数が1減ったときの数値との差よりも当該体動数が1増えたときの数値との差の方が小さくなるように換算する換算式を用いて第2区間Tbn毎の重み付き体動数Mを取得するように構成されている。以下の説明において、第2区間Tbnにおける体動数Nnを重み付けした重み付き体動数Mを「Mn」で示す。また、最新の第2区間Tbmにおける体動数Nmを重み付けした重み付き体動数Mを「Mm」で示す。
重み付き体動数演算部14bは、第2区間Tbnの体動数Nnが少ないほど、当該体動数Nnを大きく重み付けした重み付き体動数Mnを演算する。
具体的には、重み付き体動数Mnは、第2区間Tbn毎の体動数Nnを当該体動数Nnと予め設定された所定の値との和で除して得られた値に基づいて演算される。本実施形態では、以下のような(1)式により演算される。
Figure 0006186896
(1)式において「第2区間の最大体動数」とは、第2区間Tbにおいて最大で取り得る体動数である。すなわち、第2区間Tbが20個の第1区間Taからなる場合には「20」である。また、「体動数」とは、第2区間Tbnの体動数Nnである。また、(1)式における「1」は、上述の「所定の値」に相当する。
図5は(1)式で演算された重み付き体動数Mnを図示したものである。重み付き体動数演算部14bにより演算された重み付き体動数Mnが睡眠判定部16に伝達される。
このような重み付け体動数Mnは、ベッド2上の人1Aの状態に応じて重み付けを行ったものであるので、単に予め設定された所定の値を用いて重み付けを行う場合に比べて、ベッド2上の人1Aが睡眠中であるか、或いは覚醒中であるかを適切に判定することが可能となる。
睡眠判定部16は、設定時点から現在までの経過時間に応じた所定期間毎の重み付き体動数Mnを用いて演算された睡眠値Zと予め設定された判定閾値との大小関係により、現在睡眠中であるか否かを判定する。所定期間毎の重み付き体動数Mとは第2区間Tbn毎の重み付き体動数Mnである。睡眠値演算部16aは、最新の第2区間Tbmまでの第2区間Tbn毎の重み付き体動数Mnを用いて睡眠値Zを演算する。以下の説明において、最新の第2区間Tbmまでの第2区間Tbn毎の重み付き体動数Mnを用いて演算した睡眠値Zを「Zm」で示す。
睡眠値演算部16aは、設定時点から現在までの経過時間に応じて各別に設定された
[数2]に示す演算式(2),(3)を予め記憶しており、これらの演算式(2),(3)により設定時点から現在までの経過時間に応じた睡眠値Zmを演算する。
Figure 0006186896
演算式(2)は、設定時点から現在までの経過時間が660秒に達するまで(「m」が「33」に達するまで)において、経過時間が20秒増える毎(「m」に「1」が加算される毎)に、睡眠値Zmを演算するために用いる演算式である。演算式(2)では、「m」が「1」〜「33」のときに、設定時点から現在までの経過時間に応じた第2区間Tb1〜Tbm毎の重み付き体動数M〜Mmを用いて演算する。演算式(2)における常数 「mA」及び各重み付き体動数M〜Mmに乗じる係数「mB1」〜「mBm」は、公知の判別分析法を用いて、最新の第2区間Tbmを規定する「m」の値毎に応じて予め実験により定められている。
演算式(3)は、設定時点から現在までの経過時間が660秒を超えた後において、経過時間が20秒増える毎(「m」に「1」が加算される毎)に、睡眠値Zmを演算するために用いる演算式である。演算式(3)では、「m」が「34」以上のときに、現在から660秒遡る33個の第2区間Tb(m-32)〜Tbm毎の重み付き体動数Mm-32〜Mmを用いて演算する。演算式(3)における常数「A」及び各重み付き体動数Mm-32〜Mmに乗じる係数「B1」〜「B33」は、公知の判別分析法を用いて、「m」の値にかわらず予め実験により定められた一定値である。
睡眠判定部16は、設定時点からの経過時間が660秒に達するまで(「m」が「33」に達するまで)は、「1」〜「33」の夫々の「m」に対応して演算式(2)で演算された睡眠値Zmを用いて睡眠中であるか否かを判定する。睡眠判定部16は、設定時点からの経過時間が660秒を超えるとき(「m」が「34」以上のとき)には、夫々の「m」に対応して演算式(3)で演算された睡眠値Zmを用いて睡眠中であるか否かを判定する。
睡眠判定部16は、睡眠値演算部16aで演算した睡眠値Zmが上述の「予め設定された判定閾値」に相当する「0」以下である場合には、ベッド2上の人1Aが睡眠中であると判定する。一方、睡眠値演算部16aで演算した睡眠値Zmが「0」より大きい場合には、ベッド2上の人1Aが睡眠中でない、すなわち覚醒中であると判定する。この睡眠判定は、最新の第2区間Tbmが更新される都度、つまり、「m」に「1」が加算される都度実行される。
この判定結果は、判定結果出力部50に伝達され、当該判定結果出力部50により明示される。もちろん、判定結果出力部50により判定結果を記憶しておく構成とすることも可能である。なお、上述の睡眠値Zmを求めるにあたり、演算式(2)で睡眠値Zmを求める設定時点から現在までの最大経過時間として示した660秒は例示であり、適宜変更することが可能である。このように演算して数値化された睡眠値Zmを用いて判定することにより、ベッド2上の人1Aが睡眠中であるか、或いは覚醒中であるかを容易に判定することが可能となる。
このように、本睡眠判定装置100は、設定時点から現在までの経過時間が所定時間
(本実施形態では660秒)を経過するまでは、設定時点からの経過時間に応じたm個の第2区間Tbにおける体動数M1〜Mmを用いて、そのm個の第2区間Tbに応じて設定された演算式(2)により睡眠値Zmを演算し、その睡眠値Zmを用いて睡眠中か否かを判定する。このため、入眠タイミングに応じて睡眠中か否かを迅速に判定することができる。また、睡眠中であると判定したときの設定時点からm個の第2区間Tbに対応する時刻を、入眠タイミングとして把握することができる。
さらに、設定時点から現在までの経過時間が所定時間(本実施形態では660秒)を超えた後においては、現在までの最新の一定個数(33個)の第2区間Tbにおける体動数M1〜Mm(m=33)を用いて、常数「mA」及び各重み付き体動数M〜Mmに乗じる係数「mB1」〜「mBm」が一定の演算式(3)により睡眠値Zmを演算し、その睡眠値Zmを用いて睡眠中か否かを判定する。このため、設定時点に近い過去の第2区間Tbにおける体動数Mによる影響を排除した状態で、睡眠中であるか否かを精度よく判定することができる。
次に、本睡眠判定装置100によるベッド2上の人1Aが睡眠中であるか否かの判定に係る処理について図6のフローチャートを用いて説明する。第2区間Tbの設定時点からの順番を示す「n」を「0」に初期化し(ステップ#01)、「n」に「1」が加算される都度(ステップ#02)、以下のステップ#03〜ステップ#15の処理動作を繰り返す。
まず、荷重センサ11による荷重の変化の検出が開始される(ステップ#03)。荷重センサ11による検出が開始されてから第1区間Taに相当する時間が経過するまで処理は保留される(ステップ#04:No)。荷重センサ11による検出が開始されてから第1区間Taに相当する時間(1秒)が経過すると(ステップ#04:Yes)、体動値演算部12により当該第1区間Taにおける体動値Sが演算される(ステップ#05)。
演算された体動値Sが予め設定された判定閾値よりも大きい場合には(ステップ#06:Yes)、体動判定部13により当該第1区間Taは「体動有」と判定される(ステップ#07)。この「体動有」の判定結果は、判定に係る第1区間Taと対応付けて記憶される(ステップ#09)。一方、演算された体動値Sが予め設定された判定閾値以下である場合には(ステップ#06:No)、体動判定部13により当該第1区間Taは「体動無」と判定される(ステップ#08)。このような「体動無」の判定結果である場合にも、判定に係る第1区間Taと対応付けて記憶される(ステップ#09)。
第2区間Tbnに相当する時間(20秒)が経過していなければ(ステップ#10:No)、ステップ#03に戻り処理が継続される。一方、第2区間Tbnに相当する時間が経過していれば(ステップ#10:Yes)、当該第2区間Tbnにおける体動数Nnが、「体動有」と判定された第1区間Taの数として算出される(ステップ#11)。
ステップ#11で算出された第2区間Tbnにおける体動数Nnを用いて、重み付き体動数演算部14bが重み付き体動数Mを演算する(ステップ#12)。この重み付き体動数Mnは、対応する第2区間Tbnと関連づけて記録される(ステップ#13)。ステップ#03〜ステップ#13が、寝具(ベッド2)上の動物(人1A)の設定時点からの経過時間に応じた体動数Mnを取得する体動数取得工程に相当している。
つぎに、「m」を「n」として、ステップ#12で算出された第2区間Tbnにおける重み付き体動数Mnを最新の第2区間Tbmにおける重み付き体動数Mmとする睡眠値Zmを睡眠値演算部16aで演算する(ステップ#14)。
睡眠値演算部16aは、「m」が「1」〜「33」のときに、第2区間Tb1〜Tbm毎の重み付き体動数M1〜Mmをメモリなどから読み出して、演算式(2)を用いて睡眠値Zmを演算する。睡眠値演算部16aは、m」が「34」以上のときに、現在から660秒遡る33個の第2区間Tb(m-32)〜Tbm毎の重み付き体動数Mm-32〜Mmをメモリなどから読み出して、演算式(3)を用いて睡眠値Zmを演算する。ステップ#14が、体動数Mと、設定時点から現在までの経過時間に応じて設定された演算式(2),(3)とを用いて睡眠値Zを演算する睡眠値演算工程に相当している。
睡眠判定部16は、睡眠値Zが0以下である場合には(ステップ#15:Yes)、現在、人1Aが睡眠中であると判定し(ステップ#15)、処理を終了する。一方、睡眠判定部16は、睡眠値Zが0より大きい場合には(ステップ#15:No)、現在、人1Aが覚醒中であると判定し(ステップ#16)、人1Aが睡眠中であると判定するまで、ステップ#03〜ステップ#15の処理動作を繰り返す。ステップ#15が、睡眠値Zに基づいて睡眠中か否か判定する睡眠判定工程に相当している。
このように、体動数算出部14aにより算出された体動数Nに重み付けを行い、重み付き体動数Mを用いて睡眠判定を行うことにより、第2区間Tbにおける体動数が比較的少ない場合と、第2区間Tbにおける体動数が比較的多い場合とにおける、影響を低減することが可能となる。このため、ベッド2上の人1Aが例えば読書等をしているような状態を、体動が少ないことから誤って睡眠中と判定することを低減できる。したがって、本睡眠判定装置100によれば、ベッド2上の人1Aが、睡眠中であるか覚醒中であるかを適切に判定することが可能となる。
このように、本睡眠判定装置100によれば、例えば、覚醒中の人1Aがベッド2上に寝そべりながら所定の動作を行っている状態であっても、ベッド2上の人1Aが睡眠中である場合の体動数と区別することが可能となる。このため、ベッド2上の人1Aが覚醒中であるにも拘らず、睡眠中であると誤判定することを抑制することが可能となる。したがって、ベッド2上の人1Aが睡眠中であるか否かを適切に判定することが可能となる。
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、体動数算出部14aにより算出された体動数Nに重み付けを行った重み付き体動数Mを用いて睡眠判定を行っているが、重み付けを行っていない体動数Nを用いて睡眠判定を行ってもよい。
上記実施形態では、体動数算出部14aにより算出された体動数Nに基づいて睡眠判定を行っているが、人1Aのベッド2上での体動をカメラなどの撮像装置による画像情報に基づいて検出して、その人1Aの設定時点からの経過時間に応じた体動数を取得する体動数取得部を備えていてもよい。
上記実施形態では、体動値演算部12は、荷重の最大値と最小値との差を体動値として演算するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、体動値演算部12は、荷重の最大振幅値を体動値として演算する構成することも可能である。このような体動値が図7に示される。荷重は上記実施形態と同様に荷重センサ11により算出される。振幅値とは、荷重の傾きが変わってから次に傾きが変わるまでの変化量をいう。最大振幅値とは区間(第1区間)Ta内に含まれるこのような振幅値の最大のものをいう。図7では、各区間TaにおけるK1とK2との差が最大振幅値に相当する。図7においては、各区間Taにおける最大振幅値は、符号Sを付して示される。
このような構成にあっては、荷重センサ11の検出結果に高周波ノイズが重畳されている場合であっても、或いは、低周波ノイズに荷重センサ11の検出結果が重畳されている場合であっても、これらのノイズの影響を低減した上で体動値を演算することができる。したがって、このような最大振幅値Sを体動値として用いた場合であっても、体動の有無を精度良く判定することが可能となる。
或いは、体動値演算部12は、荷重の分散値を体動値として演算する構成とすることも可能である。このような体動値が図8に示される。荷重は上記実施形態と同様に荷重センサ11により算出される。分散値とは、期待値を基準としてバラツキを示す値である。これは、公知の数学的手法により算出することが可能である。区間Ta内における荷重の変化が小さければ、分散値は小さくなり、区間Ta内における荷重の変化が大きければ、分散値も大きくなる。このような分散値も図8に示されるように、区間Ta毎に演算される。このような分散値は、図8において符号Bを付して示される。
このような構成にあっては、第1区間Ta全体に亘る荷重の変化を考慮して体動値を演算することができる。このため、荷重センサ11の検出結果に突発的なノイズ(例えばスパイクノイズ)が含まれる場合であっても、当該突発的なノイズの影響を低減した上で体動値を演算することができる。したがって、このような分散値を体動値として用いた場合であっても、体動の有無を精度良く判定することが可能となる。
更には、体動値演算部12は、荷重の平均値と、隣接する区間Taの荷重の平均値との差を体動値として演算する構成とすることも可能である。このような体動値が図9に示される。荷重は上記実施形態と同様に荷重センサ11により算出される。荷重の平均値とは、区間Taにおける荷重の平均値である。隣接する区間Taの荷重の平均値とは、一つ前の区間Taの荷重の平均値又は一つ後の区間Taの荷重の平均値である。図9には、一つ後の区間Taの荷重の平均値との差を体動値としている例を示している。このような差は、図9において符号Cを付して示される。
このような構成にあっては、互いに隣接する2つの第1区間Taの荷重の変化を相対的な値として用いることができる。このため、荷重センサ11の検出結果が低周波ノイズに重畳している場合であっても、当該低周波ノイズの影響を低減した上で体動値を演算することができる。したがって、このような荷重の平均値差Cを体動値として用いた場合であっても、体動の有無を精度良く判定することが可能となる。
上記実施形態では、第1区間Taの夫々が互いに隣接して構成されるように図示した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第1区間Taの夫々は、隣接する第1区間と互いに重複する重複期間Dを有するように構成することも当然に可能である。このような第1区間Taの例が図10に示される。すなわち、互いに隣接する第1区間Taに亘って重複期間Dが形成される。
このような構成とすれば、隣接する第1区間Taの体動値を基準として演算対象の第1区間Taの体動値を演算することができる。このため、低周波ノイズに荷重センサ11の検出結果が重畳されている場合であっても、これらのノイズの影響を低減した上で体動値を演算することができる。したがって、体動の有無を精度良く判定することが可能となる。
上記実施形態では、ベッド2の裏面に配設された荷重センサ11は1つ、すなわち荷重センサ11が脚部2Cのうちの一つに設けられているとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。ベッド2が有する脚部2Cのうち複数の脚部2Cに荷重センサ11を設けることも可能であるし、全ての脚部2Cに荷重センサ11を設ける構成とすることも当然に可能である。
上記実施形態では、睡眠判定部16が、現在、ベッド2上の人1Aが睡眠中であるか覚醒中であるかを判定するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。体動数及び重み付き体動数を順次、記憶しておき、これらを用いて所定時間前にベッド2上の人1Aが睡眠中であったか覚醒中であったかを判定する構成とすることも当然に可能である。
また、上記実施形態では、睡眠判定部16が640秒前から現在まで、夫々20秒毎に区切られた第2区間Tbの体動数を用いて演算した重み付き体動数を用いて判定するとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、「640秒前」は一例であり、他の値を用いることも当然に可能である。
上記実施形態では、第1区間Taが1秒であり、第2区間Tbが20秒であるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第1区間Taを1秒以外に設定することも可能であるし、第2区間Tbが20秒以外に設定することも当然に可能である。
上記実施形態では、動物1として人1Aを例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、人1A以外の動物1が睡眠中であるか、或いは覚醒中であるかの判定に適用することも当然に可能である。
上記実施形態では、寝具2としてベッド2を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、寝具2をベッド2以外の寝具2、例えば布団や敷き藁等とすることも当然に可能である。
上記実施形態では、荷重センサ11がベッド2の台部2Bと脚部2Cとの間に設けられるとして説明した。しかしながら、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。荷重センサ11を脚部2Cとベッド2を載置する載置面との間に設けることも可能である。また、荷重センサ11に替えて加速度センサや圧電センサとすることも可能である。係る場合、このようなセンサを人1Aの手足等に付設することにより本発明を実現することも可能である。
本発明は、寝具上の動物が睡眠中であるか否かを判定する睡眠判定装置に用いることが可能である。
1 動物
2 寝具
11 荷重センサ
12 体動値演算部
13 体動判定部
14 体動数取得部
16 睡眠判定部
16a 睡眠値演算部
M (重み付き)体動数
N 体動数
S 体動値
Ta 第1区間
Tb 第2区間
Z 睡眠値

Claims (2)

  1. 寝具上の動物の設定時点からの経過時間に応じた体動数を取得する体動数取得部と、
    前記体動数と前記経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する睡眠値演算部と、
    前記睡眠値に基づいて睡眠中か否かを判定する睡眠判定部と、を備え
    前記寝具の荷重を検出可能な荷重センサと、
    所定周期で繰り返される第1区間毎に、前記荷重センサによる検出荷重に基づいて前記寝具の荷重変化を示す体動値を演算する体動値演算部と、
    前記体動値が予め設定された閾値よりも大きい場合に前記第1区間における「体動有」を判定する体動判定部とを備え、
    前記体動数取得部は、連続する複数の前記第1区間からなる第2区間毎の体動数を、前記「体動有」が判定された前記第1区間の数として取得するように構成され、
    前記体動数取得部は、
    前記第2区間毎に、前記体動数が多いほどその数値が大きくなり、且つ、前記体動数が多いほど当該体動数が1減ったときの数値との差よりも当該体動数が1増えたときの数値との差の方が小さくなるように換算する換算式を用いて重み付き体動数を取得するように構成され、
    前記睡眠値演算部は、
    前記換算式を用いて取得した前記第2区間毎の重み付き体動数を用いて前記睡眠値を演算するように構成されている睡眠判定装置。
  2. 寝具上の動物の設定時点からの経過時間に応じた体動数を取得する体動数取得工程と、
    前記体動数と前記経過時間に応じて設定された演算式とを用いて睡眠値を演算する睡眠値演算工程と、
    前記睡眠値に基づいて睡眠中か否か判定する睡眠判定工程と、を備え
    前記寝具の荷重を検出可能な荷重センサと、
    所定周期で繰り返される第1区間毎に、前記荷重センサによる検出荷重に基づいて前記寝具の荷重変化を示す体動値を演算する体動値演算部と、
    前記体動値が予め設定された閾値よりも大きい場合に前記第1区間における「体動有」を判定する体動判定部とを備えており、
    前記体動数取得工程は、連続する複数の前記第1区間からなる第2区間毎の体動数を、前記「体動有」が判定された前記第1区間の数として取得し、
    前記体動数取得工程は、
    前記第2区間毎に、前記体動数が多いほどその数値が大きくなり、且つ、前記体動数が多いほど当該体動数が1減ったときの数値との差よりも当該体動数が1増えたときの数値との差の方が小さくなるように換算する換算式を用いて重み付き体動数を取得し、
    前記睡眠値演算工程は、
    前記換算式を用いて取得した前記第2区間毎の重み付き体動数を用いて前記睡眠値を演算する睡眠判定方法。
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