以下、本発明の例示的ないくつかの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、図1を参照するに、本発明の例示的な第1実施形態に従う駐車場管理システム(以下、単に「システム」という。)10を説明する。このシステム10は、地理的に分散した複数の駐車場20を集中的に管理する。このシステム10は、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場管理方法を実施するように設計されている。
<駐車場の分類>
それら駐車場20としては、次の2種類が存在する。
1.他の施設から独立して設置される一般的な駐車場
(1)この駐車場は、このシステム10によって提供される駐車サービスの会員(以下、単に「会員」という)であれば何人も利用可能である。
(2)駐車サービスの形態は、予約なしの時間貸し駐車サービスである。
2.施設に付随して設置される入居者・来客者用駐車場(前記施設の共用設備)
(1)この駐車場は、会員であって、集合住宅22の入居者(住人、管理組合、駐在管理業者など、集合住宅22の関係者)と、会員であって、来客者(知人、友人、業者など)とが利用可能である。
(2)駐車サービスの形態は、入居者にあっては、月極駐車サービスであり、来客者にあっては、パスワードを用いた予約ありの時間貸し駐車サービスである。
(3)駐車料金の支払い方法として、本実施形態においては、駐車料金を支払うべき決済者(入居者または来客者)が、来客者の出庫時に、実際の駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を支払う後払い方式が採用されているが、来客者の入庫時に、見込み駐車時間の長さに応じた額の駐車料金を支払う前払い方式を採用してもよい。
<駐車場の構成>
図1には、入居者・来客者用駐車場の一例として、施設の一例としての集合住宅22に、その集合住宅22の共用設備として付帯設置されている共用駐車場20が示されている。この共用駐車場20の形式としては、例えば、屋外駐車場、屋内駐車場、地上駐車場、地下駐車場、平面駐車場、立体駐車場などがある。この共用駐車場20は、同じ連続した敷地内において複数の車室を有する。
ここに、「車室」とは、駐車しようとする車両1台分に割り当てられる2次元または3次元の空間領域を意味する。よって、任意の駐車場において、車室の数と、駐車可能な車両の台数とは互いに一致する。
ここに、「車両」なる用語は、明細書の全体を通じて、自動車のみならず、自転車、自動二輪車等、あらゆる種類の移動体を包含する用語として解釈すべきである。
この共用駐車場20において、各車室ごとに、集合住宅22の入居者(または管理組合)の意思で、選択的に、入居者用駐車スペース24または来客者用駐車スペース26に割り当てることが可能である。
ここに、「駐車スペース」なる用語は、1つの車室または1つの駐車場内の複数の車室の集まり(例えば、互いに隣接した複数の車室)を意味する。
この共用駐車場20は、無人式である。さらに、設備の削減・簡素化のため、共用駐車場20には、その共用駐車場20の入出庫口からの不正車両の出庫を阻止するために適宜開閉するゲート装置も、共用駐車場20からの不正車両の出庫を阻止するために適宜、地面から突出し、地面内に埋没する車止め装置も、ユーザに対し、駐車料金の支払いを条件に駐車券を共用駐車場20のユーザに対して発行する発券機および精算機も設置されていない。
<駐車場管理方法の概略>
一般に、複数の駐車場20の管理方式として、各駐車場20ごとに、その駐車場20に設置された設備のみを用いて自立的に(個別的にないしは自己完結的に)管理される自立管理方式と、複数の駐車場20が遠隔的にある管理センタ40の管理サーバ50(図2参照)と通信することによってそれら駐車場20を集中的に管理する集中管理方式とが存在する。これに対し、このシステム10は、後者の集中管理方式を採用している。
まず、基本的なハードウエア構成を説明するに、図2に示すように、このシステム10を実現するために、各駐車場20に1台ずつ設置される発信機30と、複数の駐車場20を集中的に管理する管理センタ40に設置されるかまたは管理センタ40によって運営ないしは使用される管理サーバ50と、入居者の携帯端末90と、来客者の携帯端末90とが使用される。
来客者の携帯端末90は、来客者によって携帯されるとともに無線通信機能を有するデバイス、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、PDAなどである。
入居者の携帯端末90は、来客者の携帯端末90と同様であるが、入居者は、その携帯端末90に代えて、例えば、携帯に適しないパソコンなどの通信機器を用いてもよい。
次に、基本的なソフトウエア構成(アルゴリズム)を説明するに、このシステム10を実現するために、前記駐車場管理方法が実行される。その駐車場管理方法は、次のようないくつかの基本的な工程を有する。
1.正規パスワード発行工程
これは、図2に示すように、管理サーバ50が、集合住宅22内のある入居者によって指定された指定駐車場20に来客者(来訪者の一例)が入庫することを事前に許可するために、前記入居者からのリクエストに応答し、来客者に割り当てられる正規パスワード(正規認証コードの一例)であって指定駐車場20にもそこに設置されるはずの発信機30にも固有のものを発行する工程である。ここに、「パスワード」は、数字列であっても、文字列であっても、数字と文字の組合せであってもよい。
図3に示すように、この正規パスワード発行工程を実行するために、このシステム10においては、入居者が、自身の携帯端末90(他の通信機器でも可)を用いて、管理センタ40の管理サーバ50との間で遠距離双方向無線通信を行う。
<パスワードの特徴>
後述のように、複数の駐車場20を管理するために、一般駐車場レコードと、入居者・来客者用駐車場レコードとが存在する。一般駐車場レコードは、前記駐車サービスの会員であれば、一般の会員でも、入居者でも、来客者でもアクセスできる。しかし、入居者・来客者用駐車場レコードは、本来であれば、入居者しかアクセスできない。
これに対し、来客者は、入居者から通知されたパスワードを使用することを条件に、居者・来客者用駐車場レコードにアクセスし、入居者・来客者用駐車場を利用することが許可される。
本実施形態においては、前記パスワードが、来客者による1回の駐車に限って有効であるワンタイム・パスワードである。また、このパスワードは、例えば、一定増分でインクリメントする数字(例えば、10進法、16進法、36進法で表現される)であって最大値に到達すると最小値に戻るように循環的に規則正しく生成したり、乱数発生器を用いて不規則的に生成することが可能である。いずれにしても、同じ車室について、その後、同じパスワードが複数個の過去値のうちの少なくとも前回値と同一とならないように、パスワードが生成される。
さらに、このパスワードには、2種類の制限時間が与えられている。
(1)第1制限時間
来訪者の携帯端末90が、その来訪者がパスワードを入力することを支援する入力画面(図14(c)参照)の表示を開始してから所定の第1制限時間内に来客者がパスワードを携帯端末90に入力しないと、その後の処理が打ち切られ、その結果、その来客者に対する入庫が許可されない。
このように、来客者が入力画面の表示開始時刻から所定の第1制限時間が経過しないうちにパスワードを入力しない場合には、来客者が入庫する意思を有しないとみなされて、例えば、その携帯端末90と管理サーバ50との間の今回の通信が強制的に遮断される。
(2)第2制限時間
このパスワードは、管理サーバ50がそのパスワードを発行した発行時刻(基準時刻の一例)から所定の第2制限時間(例えば、10分、1時間、6時間、12時間、24時間)が経過すると、失効する。すなわち、このパスワードは、時限パスワードなのであり、管理サーバ50(または来訪者の携帯端末90)は、パスワード発行時刻からカウントアップを開始し、第2制限時間が経過するとタイプアップとなってパスワードを失効させる第1タイマを有するのである。
ところで、このパスワードを用いれば、ユーザが駐車場を予約できるため、ユーザにとっては、来客者が指定駐車場20に行ったときに満室で駐車できないかもしれないという心配をせずに済む。
さらに、このパスワードが後述のメモリ162に存在することは、指定車室に先約があることをも表すため、このパスワードを用いれば、同じ指定車室について他の来客者が重複して予約することを排除できる。
ところで、このパスワードが、パスワードの発行時刻から来客者の出庫操作が完了するまでの期間、必ず有効であるように設定される場合には、来客者が任意の時刻に指定駐車場20に入庫してもよい。よって、来客者が入庫時刻として選択できる時間的範囲が拡大するため、来客者にとり、使い勝手が向上する。
しかし、この場合には、駐車場管理者にとっては、指定車室につき、来客者にも入居者にも課金できないにもかかわらず、他の駐車希望者が居てもその指定車室を使用できないため、車室が無駄に放置され、経済的に不利となる。
すなわち、来客者にとっての利点が駐車場管理者にとっての欠点となり、このようなトレードオフの関係を簡単に解決する対策として、この第2制限時間が存在する。
この第2制限時間のおかげで、来客者は、事実上、パスワード発行時刻から、限られた時間が経過する前に、指定車室に入庫することを強制される。パスワードが失効するまでに来客者が指定車室に入庫しないと、入庫前にパスワードが失効してその来客者の予約が事実上取り消される。そのため、その後に同じ車室に入庫しようとしても、同じ車室につき、別の来客者が予約してしまう可能性があるというペナルティが最初の来客者に科される。
これに対し、パスワードが失効するまでに来客者が指定車室に入庫すれば、入庫後にパスワードが失効してその来客者の予約が事実上取り消されても、見かけ上(後述の管理リストにおいて、入庫時刻および出庫時刻が記録され、その結果、各車室ごとに、駐車車両の有無が監視されている)はもちろん、来客者が指定車室を車両で物理的に占有しているため、他の来客者が同じ車室についての予約することも実際に入庫することもできない。
その結果、パスワード発行時刻から指定車室への実際の入庫時刻までの期間、すなわち、来客者は駐車しないとともに別の来客者は駐車の予約ができない無駄期間が短縮される。よって、駐車場管理者にとり、同じ車室の稼働率が向上し、経済的に有利となる。
図20には、この第2制限時間をパスワードが有することによる効果を説明するために、2つのシナリオが示されている。
図20(a)は、前記第2制限時間内に来客者が自身の携帯端末90にパスワードPWを入力した第1のシナリオを示し、一方、図20(b)は、その期限内のパスワード入力を来客者が怠った第2のシナリオを示している。
それらシナリオに共通のシーケンスとして、次の動作が存在する。
S1:入居者への訪問を希望する来客者(知人、友人、配送業者、引っ越し業者、修理業者、営業担当者など)は、その入居者への訪問に先立ち(例えば、前日以前、当日、駐車場への到着直前)、その入居者に対し、電話や電子メールなどで、入居者を訪問したい旨を連絡する。
S2:入居者は、指定駐車場への来客者のための駐車の許可および予約のために、来客者の訪問予定時刻より早い時刻(例えば、訪問予定時刻の直前など)に、携帯端末90から管理サーバ50にアクセスして、固有のパスワードPWの発行を管理サーバ50に要望する(後述のパスワード発行・予約シーケンス)。
S3:管理サーバ50は、パスワードPWを発行し、入居者の携帯端末90に送信する(後述のパスワード発行・予約シーケンス)。
S4:入居者は、前記パスワードPWを、来客者に対し、電話や電子メールなどで通知し、来客者は、そのパスワードPWを、例えば、指定駐車場付近または指定駐車場内において受領する。
S5:来客者は、自身の携帯端末90に前記パスワードPWを入力する。
S6:来客者の携帯端末90は、前記パスワードPWを管理サーバ50に送信する。
パスワードPWの効果として、いずれのシナリオにおいても、パスワードPWの有効期間中、その有効なパスワードPWが存在するおかげで、別の来客者が割り込んで同じ車室についての駐車を予約することが排除される。
図20(a)に示すこの第1のシナリオにおいては、来客者が、パスワードPWの有効期間中に、自身の携帯端末90にパスワードPWを入力し(S6)、さらに、自身の携帯端末90を発信機30にかざしてその発信機30のIDを認証し(S7)、それにより、入庫操作が完了する。
このシナリオにおいては、前記第2制限時間が経過してパスワードPWが無効になった後であっても、来客者が指定車室に車両を駐車していることを後述の管理リスト(図12参照)を参照すれば判明するため、他の来客者が同じ車室について駐車を予約することが依然として排除される。
これに対し、図20(b)に示す第2のシナリオにおいては、来客者が、パスワードPWの有効期間中に、自身の携帯端末90にパスワードPWを入力することを怠る。そのため、パスワードPWの入力時刻から前記第2制限時間が経過してパスワードPWが無効になった後は、来客者が指定車室に車両を駐車したとしても、そのことを前記管理リストを参照しても判明しない。そのため、他の来客者が同じ車室について駐車を予約することができてしまう可能性がある。
2.正規パスワード通知工程
これは、図2に示すように、入居者が、前記発行されたパスワードを来客者に事前に、口頭、電話、電子メール、SNSまたは他の通信方法(例えば、携帯端末90、パソコンなどの通信機器を用いる通信方法)で通知する工程である。
一例においては、図3に示すように、この正規パスワード通知工程を実行するために、入居者が、自身の携帯端末90(他の情報機器でも可)を用いて、来客者の携帯端末90との間で遠距離双方向無線通信を行う。
3.識別信号受信工程
これは、図2に示すように、来客者が、指定駐車場20への入庫時に、その指定駐車場20において自身の携帯端末90が発信機30から識別信号を受信することを可能にする工程である。
図4に示すように、この識別信号受信工程を実行するために、このシステム10においては、来客者が、自身の携帯端末90を、来客者が現在訪問している駐車場20に設置されている発信機30にかざすかまたは接触させ、それにより、自身の携帯端末90を用いて、その発信機30から前述の識別信号を近距離一方向無線通信方式で受信する。
4.実パスワード送信工程
これは、図2に示すように、来客者が、自身の携帯端末90を介して、実パスワード(実認証コードの一例)を入力して管理サーバ50に送信する工程である。
5.入庫許可工程
これは、来客者の携帯端末90から受信した実パスワードが正規パスワードと一致する(パスワード認証に成功する)という条件と、来客者の携帯端末90が発信機30から受信した識別信号によって表される実発信機ID(実発信機コードの一例)が、その発信機30に対応する正規発信機ID(正規発信機コードの一例)と一致する(発信機ID認証に成功する)という条件とを含む複数の条件が一緒に成立する場合に、来客者の指定駐車場20への入庫を許可する工程である。
図4に示すように、この入庫許可工程を実行するために、来客者が、自身の携帯端末90を用いて、管理センタ40の管理サーバ50との間で遠距離双方向無線通信を行う。
6.出庫許可工程
これは、来訪者の携帯端末90が、指定駐車場20からの出庫時に、その指定駐車場20において発信機30から受信した識別信号によって表される実発信機コードが正規発信機コードと一致する(発信機ID認証に成功する)という条件を含む少なくとも一つの条件が成立する場合に、来訪者の指定駐車場20からの出庫を許可する工程である。
図4に示すように、この出庫許可工程を実行するために、来客者が、自身の携帯端末90を用いて、管理センタ40の管理サーバ50との間で遠距離双方向無線通信を行う。
なお、本実施形態においては、出庫に際し、来客者が、前記パスワードを携帯端末90に入力してパスワード認証を受けることが要求されていないが、要求されるようにして本発明を実施してもよい。
<発信機>
本実施形態においては、同じ駐車場20に複数の車室が設置されており、それら車室に共通に1台の発信機30が使用される。ただし、各車室ごとに1台の発信機30が使用される態様で本発明を実施してもよい。
各発信機30は、自身に固有の発信機ID(前述の「発信機コード」の一例)を表す識別信号を発信するように構成される。1つの発信機IDは、1つの駐車場20にとって固有であるため、後述のように、1つの駐車場ID(「駐車場コード」の一例)に1対1で対応付けられる。
発信機30は、例えば、駐車場20の地面に機械的に固着されないように、すなわち、その地面から簡単に離脱可能であるようにその地面に設置される可能性がある。換言するに、各発信機30は、空間上において、対応する位置(対応する駐車場20)に物理的に固定されているわけではないのである。なぜなら、駐車場20として運営される土地の所有者が、ある期間には、駐車場20としての運営を管理会社に依頼したが、突然、その依頼を解消する可能性があるからである。
そのような場合には、駐車サービスのためのすべての設備を管理会社が速やかに駐車場20から撤去し、その際、現状回復のための手間を最小化するために、発信機30が単に当該土地の地面に載置される可能性がある。そのため、発信機30は、駐車場管理業者の意に反し、何者かによる不正行為により、その発信機30が正規に設置される駐車場20とは異なる場所(例えば、正規に設置される駐車場20から離れた別の駐車場、正規に設置される駐車場20に該当しない別の場所など)に設置されてしまう可能性がある。
ここで、1台の発信機30につき、ハードウエア構成(図5参照)およびソフトウエア構成(図6参照)を説明する。
まず、概念的に説明するに、発信機30は、対応する駐車場20に少なくとも1台ずつ設置され、対応する駐車場20に固有の駐車場IDを識別し得る識別信号を発信する非接触式または接触式の通信デバイスである。発信機30は、少なくとも送信機能を有すれば足りるが、必要に応じ、受信機能をも併有するように構成してもよい。
次に、作動方式を説明するに、発信機30は、固有の識別信号を外部からのトリガ信号を要することなく能動的に、かつ、供給電力が不足しない限り永続的に発信する。
発信機30は、一般に、識別信号としてのビーコン信号を発信するビーコン装置、無線標識などの名称でも知られている装置である。この発信機30は、一例においては、原信号を変調することにより、対応する駐車場IDを表す識別信号を生成し、その生成された識別信号を、IR信号、Bluetooth(登録商標)信号、NFC(近距離無線通信)信号などとして発信する。
次に、機能ブロック図である図5を参照してハードウエア構成を説明するに、発信機30は、プロセッサ100およびそのプロセッサ100によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ102を有するコンピュータ104を主体として構成されている。
この発信機30は、さらに、電源としての交換可能な使い捨て電池106を有している。電池106に代えて、充電可能な電池を採用したり、外部電源としての商用電源を採用したり、外部の磁界を利用して発電する発電機(例えば、トランスポンダ)を採用することが可能である。
この発信機30は、さらに、識別信号を生成して発信する発信部108を有している。その発信部108は、電池106によって作動させられるとともに、コントローラ110によって制御される。そのコントローラ110は、コンピュータ100によって制御される。
次に、図6を参照して発信機30のソフトウエア構成を説明するに、発信機30のプロセッサ100は、図6にフローチャートで概念的に表されているプログラムを反復的に実行する。
このプログラムの各回の実行時には、まず、ステップS1において、メモリ102から発信機IDが読み込まれる。その発信機IDは、その発信機30が設置される1つの駐車場20に割り当てられた駐車場IDに1対1に対応する。
続いて、ステップS2において、前記読み込まれた発信機IDが反映されるように、原信号(例えば、搬送信号)を変調するための信号がコントローラ110に対して出力される。そのコントローラ110は、発信部108を制御し、その結果、発信部108は、今回発信すべき識別信号を生成する。その後、ステップS3において、その生成された識別信号が発信部108から発信される。続いて、ステップS1に戻る。
ここで、この発信機30に関連付けて携帯端末90の一機能を説明するに、その携帯端末90は、発信機30から識別信号を受信している状態で、その携帯端末90のコンピュータ134(図8参照)に予めインストールされているあるプログラムを起動させると、前記受信した識別信号をリアルタイムで復調し、それにより、前記発信機IDをリアルタイムで解読する。
さらに、携帯端末90は、発信機30から識別信号を受信している状態で、その受信した識別信号に基づき、その識別信号を発信したときの発信機30の位置と、その識別信号を受信したときの携帯端末90の位置との間の距離を測定することも行う。
すなわち、携帯端末90は、発信機30から受信した識別信号に基づき、その発信機30に対応する発信機IDと、そのときの発信機30との距離との双方を獲得するようになっているのである。
携帯端末90のユーザ(例えば、来客者)は、自身の携帯端末90を持ったまま発信機30に接近し、その携帯端末90を発信機30のうちの発信部108に完全にまたはほぼ接触させると、携帯端末90は、発信機30から識別信号を接触式で受信することができる。
これに対し、携帯端末90のユーザが自身の携帯端末90を持ったまま特定の受信エリア内に進入すると、携帯端末90は、発信機30から識別信号を非接触式で受信することができる。
図7に概念的に平面図で示すように、各発信機30には、2種類の受信エリアが割り当てられる。それらは、受信可能エリアと有効受信エリアである。それらエリアは、いずれも、各発信機30を発信源とする円で概して定義され、受信可能エリアは、最大受信半径を有するのに対し、有効受信エリアは、有効受信半径を有する。
しかし、具体的には、受信可能エリアは、各発信機30の電力供給が正常である場合に、その発信機30からの識別信号が到達可能なエリア、すなわち、そのエリア内に存在する限り、携帯端末90がその識別信号を受信可能なエリアを意味する。
これに対し、有効受信エリアは、受信可能エリアの最大受信半径より小さい有効受信半径を有している。最大受信半径は、任意に設定することが不可能であるのに対し、有効受信半径は、任意に設定することが可能である。有効受信半径は、例えば、0cmないし50cmの範囲内または30cmないし50cmの範囲内にある。また、最大受信半径は、例えば、50mないし70mの範囲内にある。
すなわち、最大受信半径は、ハードウエアによって決まる受信限度を意味するのに対し、有効受信半径は、ソフトウエアによって決まる受信限度を意味すると言うことが可能なのである。
前述のように、携帯端末90は、それが受信した識別信号を発信したときの発信機30との距離を測定する。その距離測定値は、有効受信半径を超えることもあれば、超えないこともある。そして、その距離測定値が受信有効半径を超えないときは、携帯端末90が有効受信エリア内に存在するときであるのに対し、その距離測定値が受信有効半径を超えるときは、携帯端末90が受信可能エリア内には存在するが有効受信エリア内には存在しないときである。
携帯端末90は、発信機30から識別信号を受信した後、前記距離測定値が有効受信半径の設定値以下であるか否かを判定し、その設定値以下であると判定すると、携帯端末90が現在、有効受信エリア内に位置するから、携帯端末90は、「発信機30からの識別信号を有効に受信した(以下、単に「識別信号を受信した」ともいう。)」と判定する。
これに対し、携帯端末90は、前記距離測定値が前記設定値より大きいと判定すると、携帯端末90が現在、有効受信エリア外に位置するから、携帯端末90は、「発信機30からの識別信号を有効に受信していない(以下、単に「識別信号を受信していない」ともいう。)」と判定する。
すなわち、本実施形態においては、携帯端末90が有効受信エリア外に位置する場合には、実際には、携帯端末90が識別信号を受信しているにもかかわらず、みかけ上、携帯端末90は識別信号を受信していないこととしてソフトウエア上で取り扱われることになるのである。
本実施形態においては、各発信機30の受信可能エリアおよび有効受信エリアのうち少なくとも有効受信エリアが、別の発信機30の少なくとも有効受信エリアとの間でオーバラップしないように、各発信機30の個別性能および相対的位置関係ならびに前記有効受信半径の設定値が設定されている。
<携帯端末>
次に、機能ブロック図である図8を参照して携帯端末90のハードウエア構成を説明するに、携帯端末90は、プロセッサ130およびそのプロセッサ130によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ132を有するコンピュータ134を主体として構成されている。
この携帯端末90は、さらに、情報を、例えば図14において符号「135」で示す画面(面積が有限で可変または不変であるウィンドウを有する)上に表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)136と、発信機30および管理サーバ50からの信号を受信する受信部138と、信号を生成してその信号を管理サーバ50に送信する送信部140とを有する。
この携帯端末90は、さらに、来客者または入居者であるユーザからデータやコマンドを入力するための入力部150を有する。その入力部150は、例えば、所望の情報(例えば、コマンド、データなど)を携帯端末90に入力するためにユーザによって操作可能な操作部を有する。その操作部としては、ユーザによって操作可能なアイコン(例えば、仮想的なボタン)を表示するタッチスクリーン、ユーザによって操作可能な物理的な操作部(例えば、キーボード、キーパッド、ボタンなど)、音声を感知するマイクなどがあるが、これらに限定されない。
この携帯端末90は、さらに、GPS(衛星測位システム)受信機152を有する。GPS受信機152は、よく知られているように、複数のGPS衛星から複数のGPS信号を受信し、それらGPS信号に基づき、GPS受信機152の地球上における位置(緯度、経度および高度)を三角測量によって測定する。
図8に示すように、メモリ132は、地図データメモリ161、駐車場データメモリ163および発信機データメモリ165を含む複数のデータメモリを有する。
地図データメモリ161には、地図データであって、管理サーバ50または別の地図データベース(図示しない)からダウンロードされたものが一時的に記憶される。その地図データに基づき、表示部136の画面135(図14(a)および図19(a)参照)上に地図(前述の「部分地図」の一例)が表示される。その画面135上に表示される地図は、携帯端末90およびそのユーザが移動するにつれて時々刻々変化する。
駐車場データメモリ163には、図1に示す共用駐車場20および他の駐車場20(図示しない)のうち少なくとも共用駐車場20に関する駐車場データであって、管理サーバ50からダウンロードされたものが記憶されることが可能である。
その駐車場データは、後に、図11および図12を参照して詳述するが、概略的に説明するに、各瞬間ごとに、画面135上に表示される地図上に地理的に存在する複数の駐車場20(すなわち、図1に示す共用駐車場20および他の駐車場20(図示しない)を含み、各駐車場20は、ユーザにとっての候補駐車場である)に対応する複数の駐車場位置データを、駐車場IDおよび発信機IDに関連付けて含んでいる。
携帯端末90においては、画面135上に、前記地図データに基づく地図が表示され、さらに、その地図上に、各瞬間ごとに、そのときに駐車場データメモリ163に記憶されている複数の駐車場位置データに基づき、複数の駐車場(すなわち、複数の候補駐車場)20の各位置がオーバーレイ表示される(図14(a)および図19(a)参照)。
これに対し、発信機データメモリ165には、共用駐車場20に設置されているはずの発信機30および他の駐車場20に設置されているはずの発信機30のうち少なくとも共用駐車場20に設置されているはずの発信機30に関するデータであって、管理サーバ50からダウンロードされたものが記憶されることが可能である。
<管理サーバ>
次に、機能ブロック図である図9を参照して管理サーバ50のハードウエア構成を説明するに、管理サーバ50は、プロセッサ160およびそのプロセッサ160によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ162を有するコンピュータ164を主体として構成されている。
この管理サーバ50は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)166と、携帯端末90からの信号を受信する受信部168と、信号を生成してその信号を携帯端末90に送信する送信部170と、現在時刻を計測する時計172とを有する。この管理サーバ50は、発信機30からの受信を直接的には行わず、事実上、携帯端末90を介して行うことになる。
<システムの全体構成>
図10には、このシステム10の全体構成が機能ブロック図で表されている。
<入居者用携帯端末>
入居者用の携帯端末90は、次の機能部を有する
1.空室判定部200
これは、後述の管理リスト内の駐車場データに基づき、前記複数の候補駐車場20のうち、空いている車室(空室)を有するものを選択する。
2.駐車場選択部202
これは、入居者の操作に応じ、空室を有する複数の候補駐車場20のうちのいずれかを指定駐車場20として選択する(今回は、図1に示す共用駐車場20を選択すると仮定する)。
3.車室選択部204
これは、入居者の操作に応じ、その指定駐車場20に属する複数の車室のうちのいずれかを指定車室として選択する。
4.パスワード受信部204
これは、前記正規パスワードを管理サーバ50から受信する。
<管理サーバ>
管理サーバ50は、図11および図12に示す前記駐車場データを管理する。その駐車場データは、図11に示すように、概念的には、複数のレコードであり、それらレコードは、一般駐車場レコードおよび入居者・来客者用駐車場レコードを含んでいる。
一般駐車場レコードは、複数の一般駐車場に関するデータの集まりである。入居者・来客者用駐車場レコードは、複数の入居者・来客者用駐車場に関するデータの集まりである。
いずれのレコードも、複数のファイルから構成されている。このことを、入居者・来客者用駐車場レコードを例にとり説明するに、図12に示すように、入居者・来客者用駐車場レコードは、複数のファイルから構成されており、各ファイルは、各共用駐車場20ごとに用意されている。
具体的には、入居者・来客者用駐車場レコードに属する各ファイルは、1つの共用駐車場20の基準位置を表す1つの地図上位置(経度X,緯度Y)と、その共用駐車場20の所在地(住所、居所など)と、その共用駐車場20に固有の駐車場IDと、その共用駐車場20に設置されているはずの1つの発信機30に固有の発信機IDと、管理リストと、その他の関連情報とを有する。
その他の関連情報としては、駐車料金に関する情報(料金支払者名、料金計算条件など)、指定駐車場20に駐車可能な車種(サイズなど)に関する情報、指定駐車場20を撮影した画像データなどがある。
その管理リストは、各共有駐車場20に属する複数の車室のそれぞれにつき、次のような複数の項目を始め、複数の項目を有する。
1.各車室を利用可能な利用可能車(予約なしの時間貸駐車サービスを受ける一般利用者か、予約ありの時間貸駐車サービスを受ける来客者か、月極駐車サービスを受ける入居者か)
2.前記時限ワンタイム・パスワード(以下、単に「パスワード」という)
3.管理サーバ50が今回のパスワードを発行した発行時刻
4.駐車場利用者に付与されたパスワードが本人によって自身の携帯端末90に入力された入力時刻
5.駐車場利用者が今回の車室に入庫した入庫時刻
6.駐車場利用者が今回の車室から出庫した出庫時刻
7.決済者(駐車料金を支払う者が入居者か来客者か)
この管理リストを作成するために、図10に示すように、管理サーバ50は、管理リスト作成部210を有する。
その管理リスト作成部210は、各駐車場20における複数の車室のそれぞれにつき、入庫および出庫に際してユーザ(入居者、来客者または他の駐車場利用者)の携帯端末90からそれぞれ受信した信号に基づき、各車室の使用状況の履歴を反映するように、前記管理リストを作成し、適宜更新する。
その管理リストは、理想的には、管理サーバ50と来客者用の携帯端末90との間で共有されるが、その携帯端末90が管理サーバ50にアクセスしない時間が長くなると、最新の管理リストが携帯端末90において反映されない可能性がある。よって、携帯端末90は、管理リストの更新のみを目的にして管理サーバ50にアクセスすることも有効である。
来客者用の携帯端末90の前記空室判定部200は、その管理リストの内容から、来客者によって選択された駐車場20に属する複数の車室のうち空室が存在するか否かを判定する。
なお、図10に示す例においては、空室判定部200が来客者用の携帯端末90に設置されているが、それに代えてまたはそれに加えて、同様な空室判定部200を管理サーバ50に設置してもよい。
図10に示すように、管理サーバ50は、前記パスワードを発行するパスワード発行部214を有する。そのパスワード発行部214は、パスワードを発行すると、前記管理リストにおいて、今回の指定車室についてそのパスワードを記録する。指定車室についてパスワードが記録されていることは、その指定車室が、来客者によって駐車されることが予約済みであることを意味する。
さらに、管理サーバ50は、前記パスワードの有効・無効状態を時間の経過につれて制御するパスワード状態制御部216を有する。そのパスワード状態制御部216は、前記第2制限時間との関係においてパスワードの状態を制御する(図21参照)。
前記パスワード発行部214から発行されたパスワードは、管理サーバ50から入居者に送信され、その入居者は、そのパスワードを来客者に通知する。このように、本実施形態においては、管理サーバ50によって発行されたパスワードが、その管理サーバ50から直接的に来客者に通知されるのではなく、その来客者に駐車権限を付与した入居者から直接的に来客者に通知される。
その結果、来客者は、そのパスワードの重要性を、管理サーバ50から直接的に、人間味なく通知される場合より、高く認識し、そのパスワードを大切に扱うことが期待される。
図10に示すように、来客者用の携帯端末90は、入居者から通知されたパスワードを管理サーバ50に送信するパスワード送信部220を有する。
さらに、来客者用の携帯端末90は、前記管理リストを参照することにより、指定駐車場20に設置されているはずの発信機30に固有の発信機IDを正規発信機IDとして設定する正規発信機ID設定部222と、指定駐車場20において発信機30から識別信号を受信する識別信号受信部224を有する。
さらに、来客者用の携帯端末90は、発信機30から受信した識別信号によって表される実発信機IDと、前記設定された正規発信機IDとが一致するか否か(発信機ID照合ないしは発信機ID認証に成功したか否か)を判定する発信機ID照合部(すなわち、発信機ID認証部)226を有する。
なお、図10に示す例においては、正規発信機ID設定部222および発信機ID照合部226が来客者用の携帯端末90に設置されているが、このことは本発明にとって不可欠なことではなく、それら正規発信機ID設定部222および/または発信機ID照合部226を管理サーバ50に設置してもよい。
これに対し、管理サーバ50は、来客者用の携帯端末90からパスワードを受信するパスワード受信部230と、その受信されたパスワード(実パスワード)と、前記設定された正規パスワードとが一致するか否か(パスワード照合ないしはパスワード認証に成功したか否か)を判定するパスワード照合部(すなわち、パスワード認証部)232とを有する。
さらに、管理サーバ50は、パスワード照合部232からの一致判定(すなわち、パスワード認証成立判定)と、発信機ID照合部226からの一致判定(すなわち、発信機ID認証成立判定)との双方を受けて、来客者の指定駐車場20の指定車室への入庫を許可する入庫許可部234と、発信機ID照合部226からの一致判定(すなわち、発信機ID認証成立判定)を受けて、来客者の指定駐車場20の指定車室からの出庫を許可する出庫許可部236とを有する。
さらに、管理サーバ50は、出庫時に、前記管理リストにおける入庫時刻と出庫時刻との差として駐車時間を計算する駐車時間計算部240と、その計算された駐車時間の長さに基づいて駐車料金を計算する駐車料金計算部242と、その計算された駐車料金を電子決算するための電子決済部244とを有する。その電子決済部244は、例えば、外部の決済サーバ250と遠距離通信可能に接続される。
なお、電子決済部244は、管理サーバ50にではなく、別のサーバ、または、来客者の携帯端末90に設置してもよい。
<パスワード発行・予約シーケンス>
図13には、このシステム10において、入居者が、来客者に来客者用駐車スペース26への駐車を許可するためのパスワードを管理サーバ50に事前に発行させるために入居者の携帯端末90と管理サーバ50との間で行われる通信の一例と、前記発行されたパスワードを入居者が来客者に通知するために入居者の携帯端末90と来客者の携帯端末90との間で行われる通信の一例とを時系列的に表すパスワード発行・予約シーケンスがフローチャートで表されている。
入居者がオンデマンドで管理サーバ50からパスワードを発行してもらうに際し、入居者の携帯端末90においては、プロセッサ130が、メモリ132に格納されている駐車サービス・アプリケーションのうち、パスワード発行・予約処理に関連する部分を実行する。管理サーバ50においては、プロセッサ160が、メモリ162に格納されている駐車場管理プログラムのうち、パスワード発行・予約処理に関連する部分を実行する。
まず、入居者の携帯端末90は、ステップS101において、管理サーバ50にログインするためのログイン・リクエスト(「サービス開始信号」の一例)を、入居者である今回のユーザを識別するためのユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS201において、前記ログイン・リクエストをユーザIDと共に受信する。続いて、ステップS202において、前記入居者・来客者用駐車場レコードをメモリ162のデータベース(図13において、「DB」で表す。)から読み出す。その後、ステップS203において、それら読み出された入居者・来客者用駐車場レコードを携帯端末90に送信する。
これに対し、入居者の携帯端末90は、ステップS102において、前記送信された入居者・来客者用駐車場レコードを管理サーバ50から受信し、その受信した入居者・来客者用駐車場レコードを図8に示す駐車場データメモリ163に保存する。これにより、現内容での入居者・来客者用駐車場レコードが、管理サーバ50と来客者の携帯端末90との間で共有されることになる。
このシーケンスにおいては、管理サーバ50からダウンロードされて駐車場データメモリ163に保存されている入居者・来客者用駐車場レコードに属するすべての入居者・来客者用駐車場およびそれら入居者・来客者用駐車場内のすべての車室が注目されるわけではない。すべての入居者・来客者用駐車場のうち、来客者が使用可能な車室、すなわち、来客者用駐車スペース26を有するもののみが注目される。しかし、以下、単に、「入居者・来客者用駐車場」という。
続いて、入居者の携帯端末90は、ステップS103において、GPS受信機152が外部から受信したGPS信号に基づき、ユーザ(今回は入居者)の現在位置(経緯度)を測定する。
次に、入居者の携帯端末90は、ステップS104において、その測定されたユーザ(今回は入居者)の現在位置を、地図を表示部136の画面135上に表示するためにプロセッサ130によって参照される基準位置(表示基準点の位置(経緯度))とする。さらに、全体地図のうち、画面135上のウィンドウ内に一度に表示可能なサイズを有する部分であって前記基準位置が存在するものを、地図の表示範囲(すなわち、前記全体地図のうち、前記ウィンドウ内に各瞬間に表示される領域)に決定する。
続いて、入居者の携帯端末90は、ステップS105において、駐車場データメモリ163に保存されている入居者・来客者用駐車場レコードに基づき、複数の駐車場20のそれぞれにつき、空いている少なくとも一つの車室が存在するか否かを判定する。
例えば、前記管理リストにおいて、各車室ごとに、パスワードが存在すること(有効であること)と、入庫時刻は存在するが出庫時刻は存在しないもの(当該車室に入庫はしたが出庫はしていないという事実を表すもの)とのうちの少なくとも一方を満たすか否かを判定し、その判定が肯定的である場合には、その車室が空室であると判定する。この空室判定手法によれば、事実上、パスワード発行時刻から実際の出庫時刻までの期間が満室期間とみなされて他の来客者による予約が排除される。
なお、この空室判定は、それに代えて、前記管理リストにおいて、各車室ごとに、パスワードが存在する(有効である)か否かを判定し、その判定が肯定的である場合には、その車室が空室であると判定するように行ってもよい。この空室判定手法によれば、事実上、パスワード有効期間のみが満室期間とみなされて他の来客者による予約が排除される。
さらに、複数の駐車場20のうち、その空室が一つでも存在するものを複数の空室あり候補駐車場20として抽出し、一方、複数の駐車場20のうち、その空室が一つも存在しないものを複数の空室なし候補駐車場20として抽出する。
なお、このステップS105を入居者の携帯端末90において省略し、代わりに、同等のステップを管理サーバ50に追加し、前記管理リストを参照して、同様な空室判定を行ってもよい。
また、このステップS105を入居者の携帯端末90により、車室ごとに、前記管理リストにおいて、入庫時刻は記録されているが、出庫時刻は記録されていない場合に、その車室は、満車であると判定する態様で実施してもよい。
それらの態様によれば、入居者の携帯端末90がパスワードを参照せずに済むため、その携帯端末90に、前記入居者・来客者用駐車場レコードのうちパスワード情報を除くもののみ管理サーバ50からダウンロードすれば足りる。その結果、入居者の携帯端末90が他人のパスワード情報を保有せずに済み、セキュリティが向上する。
続いて、入居者の携帯端末90は、ステップS106において、受信されたすべての駐車場レコードに属する複数の駐車場位置データ(座標値X,Y)に基づき、画面135上に表示されている地図上に複数の候補駐車場20(空室あり候補駐車場および空室なし候補駐車場)をオーバーレイ表示する。
図14(a)には、その表示の一例が示されている。図において、「空」という記号は、その表示位置に1つの空室あり候補駐車場20が存在することを表している。空室なし候補駐車場20は、「満」という記号を用いて表示される。
このステップ106においては、画面135上に、管理サーバ50のメモリ162に保存されているすべての駐車場20が表示されるわけではない。入居者の現在位置と画面135のサイズとによって決まるウインドウ内に位置する、前記複数の駐車場20より少数の複数の候補駐車場20のみが画面135上に表示される。すなわち、管理サーバ50から受信した複数の駐車場20が、入居者の現在位置と画面135のサイズとによってさらに、少数の候補駐車場20に絞り込まれるのである。
その後、ステップS107において、入居者が、自身の携帯端末90において、いずれかの空室あり候補駐車場20の表示位置に指でタッチすることにより、いずれかの駐車場20を、来客者のための指定駐車場として選択する。
続いて、入居者の携帯端末90は、ステップS110において、今回の指定駐車場20に対応する駐車場IDを今回の正規駐車場IDとして設定する。続いて、ステップS111において、今回の指定駐車場20に設置されているはずの発信機30に固有の発信機IDを正規発信機IDとして設定する。
その後、入居者の携帯端末90は、ステップS112において、所定のメニュー画面を車室と共に画面135上に表示する。具体的には、選択された指定駐車場20における複数の車室を画面135上に表示する。このとき、空いている車室にはピンが表示される。
図14(b)には、その表示の一例が示されている。この表示例においては、指定駐車場20に4個の空室が存在し、それぞれに対応して、車室番号と、その車室が空室であることを示す、入居者によって選択可能なピンとが表示されている。
さらに、この表示例においては、入居者によって選択可能な複数のボタンの一つとして、「来客者用パスワード」と表示される入居者用パスワード発行ボタン300が表示されている。この表示例においては、今回の指定駐車場20に4個の車室が存在し、それら車室はいずれも空室である。
続いて、ステップS113において、入居者が、携帯端末90において、画面135上に表示されている複数のピンのうちいずれかを選択することにより、来客者のための車室を指定する。その後、ステップS114において、入居者が、携帯端末90において、画面135上に表示されている入居者用パスワード発行ボタン300を選択する。
なお、ステップS113の実行直前に、入居者の携帯端末90が管理サーバ50にアクセスしてその管理サーバ50から最新の前記管理リストを携帯端末90にダウンロードし、それにより、携帯端末90において前記管理リストを更新することが望ましい。管理サーバ50において、前記管理リストは、いつ更新されるかもしれないからである。
続いて、入居者の携帯端末90は、ステップS115において、今回の正規駐車場IDまたはそれを特定するためのデータ(例えば、今回の正規発信機ID)と、今回の指定車室の車室番号またはそれを特定するためのデータと、パスワードの発行をリクエストする旨のパスワード・リクエストとを管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS204において、それら情報を携帯端末90から受信する。続いて、ステップS205において、固有のパスワードを発行する。そのパスワードは、例えば、一定増分でインクリメントする数字であって最大値に到達すると最小値に戻るように循環的に規則正しく発生させられたり、乱数発生器を用いて不規則的に発生させられる。
このステップS205において、前記空室判定部200を実施し、それにより、前記管理リストに基づき、今回の指定車室が空室であることを確認してもよい。ただし、一例においては、今回の指定車室につき、先約を有する別の来客者にパスワードが発行された時刻から、その別の来客者が指定車室から出庫する時刻までの期間、その指定車室が満室として扱われる。この場合には、今回の来客者にパスワードが発行されず、よって、今回の来客者が同じ車室について予約することが排除される。
これに対し、車室ごとに、先約を有する別の来客者にパスワードが発行された時刻から、そのパスワードが失効する時刻までの期間、その車室が満室として扱われ、今回の来客者が同じ車室について予約することが排除される態様で本発明を実施してもよい。
また、車室ごとに、先約を有する別の来客者がその車室に入庫した時刻からその車室から出庫する時刻までの期間、その車室が満室として扱われ、今回の来客者が同じ車室について予約することが排除される態様で本発明を実施してもよい。
その後、管理サーバ50は、ステップS206において、前記管理リストにおいて、今回の指定車室について、前記発行されたパスワードを記録し、それにより、その指定車室につき、来客者が駐車することが予約される。続いて、ステップS207において、前記管理リストを更新する。その後、ステップS208において、前記発行されたパスワードを入居者の携帯端末90に送信する。
これに対し、入居者の携帯端末90は、ステップS116において、管理サーバ50から今回のパスワードを受信する。続いて、ステップS117において、その受信したパスワードを画面135上に表示する。
図14(c)には、その表示の一例が示されている。この表示例においては、パスワードが「9680」であり、また、そのパスワードの前記第2制限時間が10分である。
図14(c)の表示例においては、入居者の携帯端末90の画面135上に、さらに、発行されたパスワードが失効することが予定される時刻までの経過時間、すなわち、前記第2制限時間のうちの残り時間も表示される。
よって、入居者は、来客者が今回のパスワードを使用して指定車室に入庫することが許可される期間の最終時刻を知ることができ、その知見に基づき、来客者に対し、その最終時刻を伝えることが可能となる。
前記残り時間は、入居者の携帯端末90が計算してもよいが、後述のように、管理サーバ50がその計算を行って、随時、その計算値を入居者の携帯端末90に送信してもよい。
また、管理サーバ50は、前記残り時間の計算値を来客者の携帯端末90に送信し、それに応答して、来客者の携帯端末90が前記残り時間を画面135上に表示し、それにより、前記残り時間を来客者、すなわち、指定駐車場20のユーザに通知してもよい。
その後、入居者の携帯端末90は、ステップS118において、管理サーバ50からのログアウトを要求するログアウト・リクエストを管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS209において、そのログアウト・リクエストを受信する。続いて、ステップS210において、そのログアウト・リクエストの受信が正常に完了したことを表す確認応答信号ACKを携帯端末90に送信する。
その後、入居者は、ステップ119において、今回のパスワードを来客者に通知するために、携帯端末90を用いて電子媒体(例えば、今回のパスワードを含む電子メッセージ)を作成する。続いて、入居者は、自身の携帯端末90から、その作成された電子媒体を来客者の携帯端末90に送信する。
これに対し、来客者は、ステップS131において、自身の携帯端末90において、入居者の携帯端末90から今回のパスワードを受信する。
管理サーバ50は、さらに、パスワードの有効・無効状態を時間の経過に合わせて制御するために、図21にフローチャートで表されるパスワード状態制御プログラムを実行する。
このパスワード状態制御プログラムにおいては、まず、ステップS801において、複数の駐車場20のうち、今回の注目対象を特定する駐車場番号mが1にセットされる。次に、ステップS802において、今回の駐車場20に属する複数の車室のうち、今回の注目対象を特定する車室番号nが1にセットされる。
続いて、ステップS803において、今回の駐車場20のうちの今回の車室につき、前記管理リストからパスワード発行時刻が読み出される。その後、ステップS804において、時計172を用いて現在時刻が測定される。続いて、ステップS805において、現在時刻からパスワード発行時刻を減算することにより、そのパスワード入力時刻からの経過時間Tが計算される。
その後、ステップS806において、その経過時間Tが前記第2制限時間T2以上であるか否か、すなわち、パスワード入力時刻から第2制限時間T2が経過したか否かが判定される。
今回は、経過時間Tが第2制限時間T2以上であると仮定すれば、このステップS806の判定がYESとなり、ステップS807において、今回の駐車場20のうちの今回の車室につき、今回のパスワードが失効させられ、前記管理リストから、今回のパスワードがクリアされる。
これに対し、今回は、経過時間Tが第2制限時間T2より短いと仮定すれば、ステップS806の判定がNOとなり、ステップS807がスキップされる。
いずれにしても、その後、ステップS808において、車室番号nの現在値が最大値nmax以上であるか否か、すなわち、今回の駐車場20につき、すべての車室についての処理が完了したか否かが判定される。その判定がNOであれば、ステップS809において、車室番号nが1だけインクリメントされた後、ステップS803に戻る。
これに対し、今回は、ステップS808の判定がYESであれば、ステップS810において、駐車場番号mの現在値が最大値mmax以上であるか否か、すなわち、すべての駐車場20についての処理が完了したか否かが判定される。その判定がNOであれば、ステップS811において、駐車場番号mが1だけインクリメントされた後、ステップS803に戻る。ステップS810の判定がYESであれば、ステップS801に戻る。
なお、一例においては、管理サーバ50が、第2制限時間T2のうち、未だ経過していない時間、すなわち、残り時間を逐次計算し、その計算値を入居者の携帯端末90に送信する。それを受けて、入居者の携帯端末90は、図14(c)に例示するように、前記残り時間を数値および/またはバーチャートで画面135上に表示する。
なお、その残り時間に代わるかまたはそれに加えて、第2制限時間T2が経過することが予定される時刻の計算値を入居者の携帯端末90に表示してもよい。
<入庫シーケンス>
図15には、来客者が指定駐車場20のうちの指定車室に入庫した直後に、今回の駐車を開始するために、同じ駐車場20に位置する発信機30および来客者の携帯端末90と、遠隔地に位置する管理サーバ50との間で行われる通信の一例を時系列的に表す入庫シーケンスがフローチャートで表されている。
発信機30は、自身に固有の識別信号を自発的にかつ継続的に発信する。駐車場20への入庫に際し、来客者の携帯端末90においては、プロセッサ130が、メモリ132に格納されている前記駐車サービス・アプリケーションのうち、入庫処理に関連する部分を実行する。管理サーバ50においては、プロセッサ160が、メモリ162に格納されている前記駐車場管理プログラムのうち、入庫処理に関連する部分を実行する。
まず、来客者の携帯端末90は、ステップS301において、管理サーバ50にログインするためのログイン・リクエスト(「サービス開始信号」の一例)を、来客者である今回のユーザを識別するためのユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS401において、前記ログイン・リクエストをユーザIDと共に受信する。続いて、ステップS402において、一般駐車場レコードおよび前記入居者・来客者用駐車場レコードをメモリ162のデータベース(図13において、「DB」で表す。)から読み出す。その後、ステップS403において、それら読み出された一般駐車場レコードおよび入居者・来客者用駐車場レコードを携帯端末90に送信する。
これに対し、来客者の携帯端末90は、ステップS302において、前記送信された駐車場レコードを管理サーバ50から受信し、その受信された駐車場レコードを図8に示す駐車場データメモリ163に保存する。これにより、現内容での一般駐車場レコードおよび入居者・来客者用駐車場レコードが、管理サーバ50と来客者の携帯端末90との間で共有されることになる。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS303において、メモリ132に予め保存されているデータに基づき、メニュー画面を画面135上に表示する。
図16(a)には、その一表示例が示されている。この表示例においては、来客者によって選択可能な複数のボタンとして、来客者が入庫をリクエストする旨の来客者入庫ボタン310と、ログアウトする旨のログアウト・ボタン312とが表示されている。その後、ステップS304において、来客者は、来客者入庫ボタン310を選択する。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS305において、来客者のパスワードの入力を支援する入力画面を画面135上に表示する。
図16(b)には、その一表示例が示されている。この表示例においては、パスワードが入力されるスペース314と、来客者によって選択可能な複数のボタンとしての、取消ボタン316および確認ボタン318と、複数の数字キーおよび複数のアルファベット・キーを有するキー・パッド320とが表示されている。来客者の携帯端末90により、スペース314の表示開始時刻から、前記第1制限時間の残り時間のカウント・ダウンが開始される。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS306において、前記第1制限時間の残り時間が0ではないか否かを判定し、0であると判定すると、ステップS307において、エラー終了を行う。この場合、来客者の携帯端末90は、その後の処理を中止し、その結果、来客者による入庫が禁止される。
これに対し、前記第1制限時間の残り時間が0ではないと判定された場合には、ステップS308において、図16(c)に例示するように、来客者が、スペース314にパスワードを入力する。その入力が終了すると、ステップS309において、図16(c)に例示するように、来客者が確認ボタン318を選択する。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS310において、前記入力されたパスワードを実パスワードとして管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS404において、前記実パスワードを受信する。その後、ステップS405において、その受信した実パスワードと同じものが前記入居者・来客者用駐車場レコードの前記管理リスト内に存在するか否かの判定、すなわち、パスワード照合を行う。続いて、ステップS406において、そのパスワード照合に成功したか否かが判定される。
そのパスワード照合に失敗した場合には、管理サーバ50は、ステップS407において、エラー終了を行う。この場合、管理サーバ50は、その後の処理を中止し、その結果、来客者による入庫が禁止される。
これに対し、前記パスワード照合に成功した場合には、管理サーバ50は、ステップS409において、パスワード照合に成功した旨のメッセージと、前記入居者・来客者用駐車場レコードの前記管理リストに属する複数の車室別データセットのうち今回のパスワードが存在するもの(以下、「該当車室別データセット」という。)を管理サーバ50のメモリ162から読み出して来客者の携帯端末90に送信する。
このように、来客者は、正規なパスワードを携帯端末90を介して管理サーバ50に送信したため、本来であれば入居者しかアクセスできない前記入居者・来客者用駐車場レコードにアクセスできるのである。
前記該当車室別データセットは、図12に例示するように、今回の指定駐車場20を特定するデータ(例えば、駐車場ID)と、その指定駐車場20の所在地を表すデータ(図示しない)と、今回の指定車室の車室番号を特定するデータと、その指定車室に設置されているはずである発信機30の発信機IDと、今回のパスワードと、そのパスワードの発行時刻とを含む複数のデータによって構成される。
これに対し、来客者の携帯端末90は、ステップS311において、前記パスワード照合に成功した旨のメッセージと、前記該当車室別データセットとを管理サーバ50から受信する。その受信した該当車室別データセットは、携帯端末90の駐車場データメモリ163に保存される。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS312において、その保存された該当車室別データセット内の各種データに基づき、図17に例示するように、今回の指定車室の車室番号および所在地を含む複数のデータを画面135上に表示する。その後、来客者は、その表示内容を確認すると、ステップS313において、その指定車室への入庫をリクエストする旨の入庫ボタン322を選択する。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS314において、携帯端末90が発信機30から識別信号を有効に受信したか否かを判定する。
来客者の携帯端末90が現在、前記受信可能エリア外に位置する場合には、携帯端末90は発信機30から識別信号を全く受信できない。
これに対し、来客者の携帯端末90が現在、前記受信可能エリア内に位置する場合には、携帯端末90は発信機30から識別信号を受信できる。
この場合、このステップS314において、さらに、その受信した識別信号に基づき、今回の発信機30と来客者の携帯端末90との距離が測定される。このステップS314においては、さらに、その距離測定値が前記設定値より小さいか否か、すなわち、来客者の携帯端末90が現在、前記有効受信エリア内に位置するか否かが判定される。要するに、このステップS314においては、来客者の携帯端末90がいずれかの発信機30を特定したか否かが判定されるのである。
前記距離測定値が前記設定値より小さい場合には、来客者の携帯端末90がいずれかの発信機30を特定したため、ステップS315に移行するが、そうではない場合には、今回の駐車場20への入庫(駐車サービスの開始)がユーザに許可されない。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS315において、前記受信した識別信号を復調し、続いて、ステップS316において、その復調された識別信号によって表される発信機IDを実発信機IDとして解読する。
すなわち、今回の発信機30が特定されるのである。前記復調された識別信号は、複数桁の二進数で表記されるコードである場合には、例えば、そのコードが、予め準備された変換表(例えば、管理サーバ50から事前にダウンロードされたもの)を用いて、発信機IDに変換される。ただし、用法上、「コード」であるか「ID」であるかという違いは、その用途が識別である以上、重要ではない。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS317において、駐車場データメモリ163に保存されている該当車室別データセットに存在する発信機IDを正規発信機IDとする。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS318において、前記解読された実発信機IDと正規発信機IDとが互いに一致するか否かを判定する。すなわち、ID照合が行われるのである。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS319において、そのID照合に成功したか否かを判定する。そのID照合に失敗した場合には、ステップS320において、エラー終了を行う。この場合、来客者の携帯端末90は、その後の処理を中止し、その結果、来客者による入庫が禁止される。
これに対し、前記ID照合に成功した場合には、来客者の携帯端末90は、ステップS321において、ID認証に成功したことを意味する「認証」というメッセージを画面135上に表示し、それにより、来客者による入庫操作が完了したことが来客者に視覚的に伝達される。続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS322において、前記認証に成功した(前記ID照合に成功した)旨のメッセージを管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS409において、来客者の入庫を許可し、続いて、ステップS410において、時計172を用いることにより、現在時刻と等しい時刻として入庫時刻を計算する。その後、ステップS411において、その入庫時刻を前記管理リストに、今回のパスワードに対応する指定車室に関連付けて記録する。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS322において、管理サーバ50からのログアウトを要求するログアウト・リクエストを管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS412において、そのログアウト・リクエストを受信する。続いて、ステップS413において、そのログアウト・リクエストの受信が正常に完了したことを表す確認応答信号ACKを来客者の携帯端末90に送信する。
<入庫許可判定のための基礎的な概念>
ここで、図23を参照することにより、本実施形態における基礎的な概念であって入庫許可判定を行うためのものを具体的に説明する。
入庫に先立ち、入居者は、管理サーバ50から正規パスワードを受信し、その正規パスワードを来客者に通知する。来客者は、その正規パスワードを再現するように、実パスワードを携帯端末90に入力する。
続いて、その実パスワードが、前記管理リストに記憶されている複数の正規パスワードのうちのいずれと一致するか否かが判定される。いずれかの正規パスワードと一致すれば、今回の実パスワードがとりあえず認証され、今回の実パスワードと一致する正規パスワードが、今回の正規パスワードであると仮定される(第1の仮定)。
本実施形態においては、予め、来客者本人と、入居者から通知された正規パスワードとが互いに直接的に関連付けられていない。すなわち、今回の実パスワードが正規であるか否かを判定するために、来客者のユーザIDなど、個人認証情報が参照されない。
そのため、今回の実パスワードが、入居者から来客者に通知されたものでなくても、偶然に、いずれかの正規パスワードと一致してしまうと、実パスワードの認証に成功してしまう(誤認証の可能性)。
その後、前記管理リストに記憶されている複数の車室のうち、仮定された今回の正規パスワードに対応するものが、今回の正規車室であると仮定される(第2の仮定)。
続いて、前記管理リストに記憶されている複数の正規発信機IDのうち、仮定された今回の正規車室に対応するものが、今回の正規発信機IDであると仮定される(第3の仮定)。
その後、来客者が携帯端末90を介して実発信機30から受信した識別信号によって表される実発信機IDが、仮定された今回の正規発信機IDと一致するか否かが判定される。
ところで、前述のように、実発信機30は、いずれの駐車場20においても、固定的に設置されていないため、何らかの不正行為により、非正規の駐車場20に移動させられてしまう可能性があり、実際の駐車場20と実際の発信機30との間の関係が不変であるというわけではない。そのため、実発信機IDがいずれかの正規発信機IDと一致したという事実のみをもって、実発信機30が今回の正規の駐車場20に設置されていると断定することはできない。
しかし、実発信機IDが、仮定された今回の正規発信機IDと一致する場合には、上述の3つの仮定がすべて妥当であることが判明し、その結果、次の複数の事実が誘導される。
1.今回の来客者が本人であるか否かは不明であるが、いずれかの入居者から正規パスワードを通知されていて、その入居者により、指定車室に駐車する権限を事前に付与された者であること。
2.今回の来客者が携帯端末90に入力した実パスワードは、いずれかの入居者から通知された正規パスワードに一致していること。
3.今回の正規パスワードに対応する車室は、今回の指定車室に一致していること。
4.今回の実発信機30は、今回の指定車室に設置されていること。
5.今回の来客者は、今回の指定車室に現在、滞在していること。
このように、この概念によれば、パスワードの認証プロセスと、発信機IDの認証プロセスとが、互いに独立して行われるのではなく、指定車室を媒介として、互いに連携させられ、具体的には、正規パスワードと正規発信機IDとが互いに、双方向に誘導可能に関連付けられる。
よって、この概念を採用すれば、来客者の個人認証を行うことも、実発信機30を正規の駐車場20に固定的に設置することも不可欠とすることなく、入居者から権限を付与された来客者のみが指定車室に入庫したか否かを遠隔的に監視することが可能となる。
なお、図23に示す例においては、パスワードの認証後に発信機IDの認証が行われるが、逆に、発信機IDの認証後にパスワードの認証が行われる態様で本発明を実施してもよい。
<出庫シーケンス>
図18には、来客者が指定駐車場20から出庫する直前に、共に同じ駐車場20に位置する発信機30および来客者の携帯端末90と、遠隔地に位置する管理サーバ50との間で行われる通信の一例を時系列的に表す出庫シーケンスがフローチャートで表されている。
発信機30は、自身に固有の識別信号を自発的にかつ継続的に発信する。指定駐車場20からの出庫に際し、来客者の携帯端末90においては、プロセッサ130が、メモリ132に格納されている前記駐車サービス・アプリケーションのうち、出庫処理に関連する部分を実行する。管理サーバ50においては、プロセッサ160が、メモリ162に格納されている前記駐車場管理プログラムのうち、出庫処理に関連する部分を実行する。
具体的には、来客者の携帯端末90が、まず、ステップS501において、GPS受信機152が外部から受信したGPS信号に基づき、ユーザ(今回は来客者)の現在位置(経緯度)を測定する。
次に、来客者の携帯端末90は、ステップS502において、その測定されたユーザ(今回は来客者)の現在位置を、地図を表示部136の画面上に表示するためにプロセッサ130によって参照される基準位置(表示基準点の位置(経緯度))とする。さらに、全体地図のうち、画面135上のウィンドウ内に一度に表示可能なサイズを有する部分であって前記基準位置が存在するものを、地図の表示範囲(すなわち、前記全体地図のうち、前記ウィンドウ内に各瞬間に表示される領域)に決定する。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS503において、管理サーバ50にログインするためのログイン・リクエスト(前述の「サービス開始信号」の一例)を、今回のユーザを識別するためのユーザIDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS601において、前記ログイン・リクエストを前記現在位置および前記ユーザIDと共に受信する。続いて、ステップS602において、前記一般駐車場レコードおよび前記入居者・来客者用駐車場レコードをメモリ162のデータベース(図13において、「DB」で表す。)から読み出す。その後、ステップS603において、それら読み出された駐車場レコードを携帯端末90に送信する。
これに対し、来客者の携帯端末90は、ステップS504において、前記送信された駐車場レコードを管理サーバ50から受信する。続いて、ステップS505において、受信された駐車場レコードに属する複数の駐車場位置データ(座標値X,Y)に基づき、画面135上に表示されている地図上に複数の候補駐車場20(一般駐車場および入居者・来客者用駐車場)をオーバーレイ表示する。
一例においては、図19(a)に示すように、画面135上に表示されている地図上に、ユーザの現在位置が黒色の三角形332を用いてオーバーレイ表示されるとともに、複数の候補駐車場20が複数の駐車場アイコン334を用いてオーバーレイ表示される。この表示により、来客者は、自身が、出庫すべき駐車場20に居ることを確認することができる。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS506において、図19(b)に示すように、画面135上に表示されている地図上に、出庫をリクエストするためにユーザによって操作される出庫ボタン330(文字や記号、画像などで表示される仮想的ボタン)をオーバーレイ表示する。続いて、ステップS507において、ユーザが、自身の携帯端末90において、出庫ボタン330を選択する。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS508において、図15に示すステップS314と同様にして、携帯端末90が発信機30から識別信号を有効に受信したか否かを判定する。
その後、来客者の携帯端末90は、ステップS509において、ステップS315と同様にして、前記受信した識別信号を復調し、続いて、ステップS510において、ステップS316と同様にして、その復調された識別信号によって表される発信機IDを実発信機IDとして解読する。すなわち、今回の発信機30が特定されるのである。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS511において、ステップS318と同様にして、その解読された実発信機IDと、前記受信した今回の正規発信機IDとが互いに一致するか否かを判定する。すなわち、ID照合を行うのである。
続いて、来客者の携帯端末90は、ステップS512において、そのID照合に成功したか否かを判定する。失敗した場合には、ステップS513において、エラー終了を行う。この場合、来客者の携帯端末90は、その後の処理を中止し、その結果、来客者による出庫が禁止される。
前記ID照合成功した場合には、来客者の携帯端末90は、ステップ514において、図19(b)に示すように、ユーザが今回の駐車場20から本当に出庫することを確認するためにユーザによって操作される確認ボタン342を画面135上に表示する。
続いて、ステップS515において、ユーザは、自身の携帯端末90において、確認ボタン342を選択する。その後、来客者の携帯端末90は、ステップS516において、ユーザによって確認ボタン342が選択されたことを表す最終確認データ(ID照合に成功したことも表す)を、今回の実発信機IDと共に管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS604において、その最終確認データを今回の実発信機IDと共に受信する。その結果、今回の駐車場20からの出庫すなわち駐車サービスの終了がユーザに許可される。
続いて、管理サーバ50は、ステップS605において、時計172が示す現在時刻を出庫時刻とする。その出庫時刻は、今回の実発信機IDに関連付けて前記管理リストに記録される。その後、ステップS606において、メモリ162の前記管理リストから、今回の実発信機IDに関連付けて保存されている入庫時刻を読み出し、その入庫時刻から前記出庫時刻までの経過時間を駐車時間として計算する。
その後、管理サーバ50は、ステップS607において、前記計算された駐車時間の長さに見合う額の駐車料金を計算する。その計算のために、メモリ162に保存されている料金計算テーブルが参照される。続いて、ステップS608において、前記計算された駐車料金を入居者または来客者(前記管理リストの決済者データに従う)の口座から差し引かれるように電子決済を行う。
このステップS608においては、さらに、その電子決済が終了すると、新たな来客者が同じ車室を使用することを許可するために、前記管理リストにおいて、その車室について、パスワード、発行時刻、入力時刻、入庫時刻および出庫時刻がクリアされる。その後、管理サーバ50は、ステップS609において、出庫手続が正常に完了した旨のメッセージを来客者の携帯端末90に送信する。
これに対し、来客者の携帯端末90は、ステップS517において、前記メッセージを受信し、続いて、ステップS518において、出庫手続が正常に完了した旨のメッセージを画面135上に表示する。その後、ステップS519において、管理サーバ50からのログアウトを要求するログアウト・リクエストを管理サーバ50に送信する。
これに対し、管理サーバ50は、ステップS610において、そのログアウト・リクエストを受信する。続いて、ステップS611において、確認応答信号ACKを携帯端末90に送信する。
これに対し、携帯端末90は、その確認応答信号ACKを管理サーバ50から受信する。
なお、本実施形態においては、来客者の駐車時間に見合う駐車料金を来客者ではなく入居者が負担する義務を負っている。そのため、万一来客者が、自身の車両を指定車室から出庫させるのを失念するか、または出庫させたにもかかわらず、携帯端末90と管理サーバ50との通信による必要な出庫操作を失念すると、駐車が継続していると管理サーバ50は認識し、駐車時間が長くなって駐車料金も高額となってしまう。
このような出庫操作忘れを防止するため、このシステム10は、不安になった入居者が、来客者になりすまして管理サーバ50にアクセスすることが可能となっている。このとき、入居者は、自分のユーザIDを使って管理サーバ50にログインし、図18に示す出庫シーケンスを開始する。
そのシーケンスにおいては、入居者は、指定車室に赴いて、来客者が使用したものと同じパスワードを入力するとともに、自身の携帯端末90を用いて発信機30からの識別信号を受信する。このとき、入居者のユーザIDと発信機IDとの関係は、来客者のユーザIDと発信機IDとの関係とは不一致であり、その意味で、その関係は不正であるとも言える。しかし、このシステム10は、そのような不正を管理サーバ50は無視する。その結果、入居者は、来客者になりすまして出庫操作を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の例示的な第2実施形態に従う駐車場管理方法を説明する。ただし、第1実施形態と共通する要素については、同一の符号または名称を使用して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ、詳細に説明する。
本実施形態においては、前記パスワードに、前記第1制限時間と、後述の第3制限時間および第4制限時間とが付与されている。
(1)第3制限時間
このパスワードは、管理サーバ50がそのパスワードを発行した発行時刻から所定の第3制限時間(例えば、10分、1時間、6時間、12時間、24時間)が経過する前に、来客者が自身の携帯端末90にそのパスワードを入力すると、失効しない。これに対し、このパスワードは、来客者がそのパスワードを入力する前に前記第3制限時間が経過すると、失効する。すなわち、管理サーバ50(または来訪者の携帯端末90)は、パスワード発行時刻からカウントアップを開始し、第3制限時間が経過するとタイプアップとなって、条件付きで、パスワードを失効させる第2タイマを有するのである。
このパスワードによれば、パスワード発行時刻から、来客者が実際に指定車室に入庫する時刻までの前述の無駄時間が短縮される。
(2)第4制限時間
このパスワードは、入庫時に来客者の携帯端末90から管理サーバ50に送信するために来客者がパスワードを携帯端末90に入力した入力時刻から所定の第4制限時間(例えば、10分)が経過する前に、来客者が自身の携帯端末90を発信機30にかざしてその発信機30のID認証に成功すれば、失効しない。これに対し、このパスワードは、そのID認証が成功する前に前記第4制限時間が経過すると、失効する。すなわち、管理サーバ50(または来訪者の携帯端末90)は、パスワード入力時刻からカウントアップを開始し、第4制限時間が経過するとタイプアップとなって、条件付きで、パスワードを失効させる第3タイマを有するのである。
それら2種類の制限時間の組合せのおかげで、第3制限時間の経過前に実際に来客者が指定車室に入庫してその入庫のための操作がすべて完了すれば、実際に来客者が指定車室から出庫するまで、今回のパスワードがクリアされるに残るという効果が得られる。
よって、同じ車室について、その出庫後に同じ来客者または別の来客者に発行されることとなる新たなパスワードが、先行するパスワードと一致しないことを保証することが容易となる。
図20と同様にして、図22には、このパスワードの効果を説明するために、2つのシナリオが示されている。
図22(a)は、第3制限時間内に来客者が自身の携帯端末90にパスワードPWを入力し(S6)、かつ、第4制限時間内に来客者が自身の携帯端末90を発信機30にかざしてその発信機30のIDを認証した(S7)第1のシナリオを示し、一方、図22(b)は、第4制限時間内に来客者が自身の携帯端末90を発信機30にかざすことを怠った第2のシナリオを示している。
図22(a)に示すこの第1のシナリオにおいては、来客者が、第4制限時間内に、自身の携帯端末90を発信機30にかざしてその発信機30のIDを認証し、それにより、入庫操作が完了する。よって、パスワードは、発行時刻から出庫時刻まで有効状態に維持される。パスワードが有効である限り、他の来客者が同じ車室に駐車することを予約することが排除される。
これに対し、図22(b)に示す第2のシナリオにおいては、来客者が、第4制限時間内に、自身の携帯端末90を発信機30にかざすことを怠る。そのため、第4制限時間が経過してパスワードPWが無効になった後は、見かけ上(携帯端末90の画面上)はもちろん、来客者が指定車室を車両で物理的に占有していないため、他の来客者が同じ車室についての予約することも実際に入庫することもできる。
以上、本発明の例示的ないくつかの実施形態として、「施設」が集合住宅22であり、「来訪者」が、その集合住宅22の入居者の来客者である事例を説明したが、本発明は、他の態様で実施することが可能である。例えば、「施設」として、商業施設(例えば、店舗、展示場、宿泊施設など)、公共施設(例えば、市役所、体育館、博物館、美術館、学校、駅、空港など)などを選択してもよい。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、管理サーバ50が、入居者からのリクエストに応答してパスワードを発行して入居者に送信し、その入居者がそのパスワードを来客者に通知するように設計されているが、これに代えて、管理サーバ50が、来客者からのリクエストに応答してパスワードを発行して来客者に送信する態様で本発明を実施してもよい。
また、以上説明したいくつかの実施形態においては、各車室ごとに、メモリ162にパスワードが存在していれば、そのパスワードが有効であると判定され、前記パスワードが存在していなければ、そのパスワードが失効していると判定される。さらに、前記パスワードをメモリ162においてクリアすることにより、前記パスワードが失効しているという状態がメモリ162に記録される。
これに対し、次の態様で本発明を実施することが可能である。すなわち、メモリ162に、パスワードが有効状態にあるときと失効状態にあるときとで状態が異なるステータス・フラグが存在する。そのステータス・フラグの状態に基づいて、前記パスワードが有効であるか失効しているかが判定される。メモリ162において前記ステータス・フラグの状態が、前記パスワードが失効状態にあることを表すように変更されることにより、前記パスワードが失効しているという状態がメモリ162に記録される。
<いくつかの実施形態による効果>
以上説明したいくつかの実施形態によれば、パスワード(来客者に固有のパスワードまたは指定車室に固有のパスワード)を発行して登録することにより、次のようないくつかの効果が得られる。
1.パスワードが発行されるおかげで、来客者といえども、本来であれば入居者しかアクセスできない駐車場データにアクセス可能となり、それにより、パスワード発行後に、入居者の介入なしで、来客者が駐車するために管理サーバ50にログインして入庫を許可してもらうことが可能となるという効果(パスワードにより、来客者に、本来であれば入居者しかアクセスできない駐車場データにアクセスするという権限が付与される)
2.来客者が指定車室について駐車を予約できるという効果(パスワードにより、来客者に、駐車場を予約するという権限が付与される)
3.同じ指定車室について他の来客者が駐車を予約することを排除できるという効果(パスワードにより、来客者に、その来客者が駐車場を予約すれば同じ車室について別の来客者が予約することを排除するという権限が付与される)
それら効果のうち2番目および3番目の効果は、駐車場20が集合住宅22に付随するというように独立性を有しない駐車場20について本発明が実施される場合のみならず、他の施設からの独立性を有する一般駐車場について本発明が実施される場合にも実現可能である。
以上、本発明の例示的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。