JP6186300B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源と被駆動部との動力伝達経路上に、液圧駆動式の断接手段が設けられた駆動装置に関する。
特許文献1には、油圧ブレーキ160に油圧を供給する電動オイルポンプ170と、油圧ブレーキ160と電動オイルポンプ170とを接続するライン油路175及びブレーキ油路177からなる液圧回路と、この液圧回路上で油圧ブレーキ160に最も近接して配設されるブレーキ油路切替弁174と、を備える油圧回路171において、ブレーキ油路切替弁174が、第1作動位置と第2作動位置とに切替可能な弁体174aと、電動オイルポンプ170と連通するとともに弁体174aを第1作動位置から第2作動位置の方向に付勢するオイルを収容する液室174cと、弁体174aを第2作動位置から第1作動位置の方向に付勢するスプリング174bと、を有している。また、油圧回路171は、さらに電動オイルポンプ170と液室174cとを連通するライン油路175及びパイロット油路181からなる液室回路上にソレノイド弁183を有し、ソレノイド弁183への電力非供給時に、弁体174aが第2作動位置に位置し、油圧ブレーキ160と電動オイルポンプ170とを連通状態とし、ソレノイド弁183への電力供給時に、弁体174aが第1作動位置に位置し、油圧ブレーキ160と電動オイルポンプ170とを遮断状態とすることが記載されている。
国際公開2012/026204号
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、ソレノイド弁183への電力非供給時に油圧ブレーキ160と電動オイルポンプ170とが連通し、油圧ブレーキ160が締結されるのでソレノイド弁183に電力を供給できない故障、又はソレノイド弁183に電力を供給してもソレノイド弁183が正常に作動しない故障が発生した場合に油圧ブレーキ60を遮断できなくなる虞がある。電気駆動式の装置においては、概して作動状態から停止できない故障よりも停止状態から作動できない故障の方が発生しやすい。
また、特許文献1に記載の構成では、電動オイルポンプ170を始動しても液室174cに作用する液圧がスプリング174bの付勢力に打ち勝つまでは弁体174aは移動しないことから油圧ブレーキ160に液圧が作用せず、油圧ブレーキ160に液圧が作用するまでの時間遅れが発生する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フェールセーフ機能を有し断接手段の応答遅れを抑制可能な駆動装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
駆動源(例えば、後述の実施形態の第1及び第2電動機2A、2B)と、
該駆動源によって駆動され、輸送機関(例えば、後述の実施形態の車両3)を推進する被駆動部(例えば、後述の実施形態の後輪Wr)と、
前記駆動源と前記被駆動部との動力伝達経路上に設けられ、解放又は締結することにより前記動力伝達経路を遮断状態又は接続状態にする液圧駆動式の断接手段(例えば、後述の実施形態の油圧ブレーキ60)と、
該断接手段に液圧を供給する液圧供給手段(例えば、後述の実施形態の電動オイルポンプ70)と、を備える、駆動装置(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記駆動装置は、前記液圧供給手段と前記断接手段とを連通する液圧回路(例えば、後述の実施形態のライン油路75及びブレーキ油路77)と、該液圧回路上で前記断接手段に最も近接して配設される切替弁(例えば、後述の実施形態のブレーキシフト弁74)と、を有し、
前記切替弁は、第1作動位置と第2作動位置とに切替可能な弁体(例えば、後述の実施形態の弁体74a)と、前記液圧供給手段と連通するとともに前記弁体を前記第1作動位置から前記第2作動位置の方向に付勢する液圧媒体を収容する液室(例えば、後述の実施形態の弁体制御室74e)と、前記弁体を前記第2作動位置から前記第1作動位置の方向に付勢する返戻手段(例えば、後述の実施形態のスプリング74d)と、を有し、
前記駆動装置は、さらに前記液圧供給手段と前記液室とを連通する液室回路(例えば、後述の実施形態のライン油路75及び第2弁体制御油路79)上に配設され、電力によって作動する電気駆動式の他の切替弁(例えば、後述の実施形態のブレーキソレノイド弁83)を有し、
該他の切替弁は、電力供給時に前記液室回路が閉塞されて前記液圧供給手段と前記液室とが遮断状態とされるとともに、電力非供給時に前記液室回路が開放されて前記液圧供給手段と前記液室とが連通状態とされるよう配設され、
前記切替弁は、前記弁体が前記第1作動位置のときに前記液圧回路が開放されて前記液圧供給手段と前記断接手段とが連通状態とされるとともに、前記弁体が前記第2作動位置のときに前記液圧回路が閉塞されて前記液圧供給手段と前記断接手段とが遮断状態とされるよう配設され
前記液圧供給手段は、電動機(例えば、後述の実施形態のオイルポンプ用電動機90)によって駆動される電気駆動式であって、
前記電動機を停止状態から駆動状態へ切り替える前記液圧供給手段の始動時に、前記電動機への電力供給と同時又は前記電動機への電力供給よりも前に前記他の切替弁へ電力を供給する
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記切替弁は、前記液圧供給手段と常時連通する上流口(例えば、後述の実施形態の供給ポート74b)と、前記断接手段と常時連通する下流口(例えば、後述の実施形態の排出ポート74c)と、を有し、
前記弁体が前記第1作動位置のときに前記上流口と前記下流口とが連通し、前記第2作動位置のときに前記上流口と前記下流口とが遮断されるよう配設される。
請求項1に記載の発明によれば、断接手段に最も近接して配設される切替弁には弁体を駆動するための比較的大きな力、及び比較的大きな弁体の変位が必要なため液圧駆動式とすることで電気駆動式と比べて弁の開閉の応答性がよい。一方、切替弁の液室への液圧の供給及び遮断を切り替える他の切替弁には弁体を駆動するための大きな力及び大きな弁体の変位が不要なため電気駆動式とすることで弁の開閉の応答性がよく、弁開閉に消費するエネルギーを最小限に抑えることができる。
また、切替弁は液室に液圧を供給しない自然状態で弁体が第1作動位置となって液圧供給手段と断接手段とが連通状態とされるので、液圧供給手段の始動直後から液圧回路に発生した液圧を即座に断接手段に付加することができる。
さらに、断接手段に液圧を供給するには液室回路の遮断、即ち他の切替弁の作動が必須なので、他の切替弁を作動できない故障(他の切替弁に電力を供給できない故障、他の切替弁に電力を供給しても正常に作動しない故障)が発生した場合には、断接手段が解放され、意図せず締結されることは無いので安全性が高い。
さらに、電動機への電力供給と同時又は電動機への電力供給よりも前に、他の切替弁に電力供給することで液室回路が閉塞され、切替弁の液室が液圧供給手段と遮断状態となるので、断接手段の油圧の立ち上がりがより早期化する。また、液圧供給手段の始動前後における切替弁の不要な弁体の挙動を制御できる。
請求項2に記載の発明によれば、液圧供給手段と切替弁とが常時連通し、切替弁と断接手段とが常時連通するので、液圧供給手段の始動時に液室に液圧を供給しない限り、弁体の移動なく液圧回路に発生した液圧を断接手段に付加することができる。
本発明に係る車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成図である。 後輪駆動装置の一実施形態の縦断面図である。 図2に示す後輪駆動装置の部分拡大図である。 油圧回路の一実施形態を示す油圧回路図である。 (a)は弁体が第1位置で静止した状態のレギュレータ弁の説明図であり、(b)は弁体が第2位置で静止した状態のレギュレータ弁の説明図である。 (a)は弁体が第2作動位置で静止した状態のブレーキシフト弁の説明図であり、(b)は弁体が第1作動位置で静止した状態のブレーキシフト弁の説明図である。 油圧ブレーキの締結状態における油圧回路を示す油圧回路図である。 油圧ブレーキの弱締結状態における油圧回路を示す油圧回路図である。 走行中における油圧ブレーキの解放状態における油圧回路を示す油圧回路図である。 停車中における油圧ブレーキの解放状態における油圧回路を示す油圧回路図である。 各車両状態における前輪駆動装置と後輪駆動装置との関係と各要素の作動状態とあわせて記載した表である。 停車中の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進低車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進中車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 減速回生時の後輪駆動装置の速度共線図である。 前進高車速時の後輪駆動装置の速度共線図である。 後進時の後輪駆動装置の速度共線図である。 車両走行の一例におけるタイミングチャートである。 (a)は本実施形態の油圧回路において電動オイルポンプの始動直後に油圧ブレーキに作用する液圧と時間との関係を示すグラフであり、(b)は特許文献1に記載の油圧回路において電動オイルポンプの始動直後に油圧ブレーキに作用する液圧と時間との関係を示すグラフである。 特許文献1に記載の油圧回路図である。
以下、本発明の一実施形態の駆動装置について図面を参照しながら説明する。
[車両]
先ず、本発明の駆動装置を搭載可能な車両について、ハイブリッド車両を例に説明する。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5とが直列に接続された駆動装置6(以下、前輪駆動装置と呼ぶ。)を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この前輪駆動装置6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wfに伝達される一方で、この前輪駆動装置6と別に車両後部に設けられた駆動装置1(以下、後輪駆動装置と呼ぶ。)の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。前輪駆動装置6の電動機5と後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bとは、バッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生が可能となっている。符号8は、車両全体の各種制御をするための制御装置である。
[後輪駆動装置]
図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、同図において、10A、10Bは、車両3の後輪Wr側の左右の車軸であり、車幅方向に同軸上に配置されている。後輪駆動装置1のケース11は全体が略円筒状に形成され、その内部には、車軸駆動用の第1及び第2電動機2A、2Bと、この第1及び第2電動機2A、2Bの駆動回転を減速する第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bとが、車軸10A、10Bと同軸上に配置されている。この第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを駆動する左車輪駆動装置として機能し、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを駆動する右車輪駆動装置として機能し、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aと第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bとは、ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。
後輪駆動装置1には、ケース11の内部と外部を連通するブリーザ装置40が設けられ、内部の空気が過度に高温・高圧とならないように内部の空気をブリーザ室41を介して外部に逃がすように構成される。ブリーザ室41は、ケース11の鉛直方向上部に配置され、中央ケース11Mの外壁と、中央ケース11M内に左側方ケース11A側に略水平に延設された第1円筒壁43と、右側方ケース11B側に略水平に延設された第2円筒壁44と、第1及び第2円筒壁43、44の内側端部同士をつなぐ左右分割壁45と、第1円筒壁43の左側方ケース11A側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Aと、第2円筒壁44の右側方ケース11B側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Bと、により形成された空間により構成される。
ブリーザ室41の下面を形成する第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45は、第1円筒壁43が第2円筒壁44より径方向内側に位置し、左右分割壁45が、第2円筒壁44の内側端部から縮径しつつ屈曲しながら第1円筒壁43の内側端部まで延設され、さらに径方向内側に延設されて略水平に延設された第3円筒壁46に達する。第3円筒壁46は、第1円筒壁43と第2円筒壁44の両外側端部より内側に且つその略中央に位置している。
中央ケース11Mには、バッフルプレート47A、47Bが、第1円筒壁43と中央ケース11Mの外壁との間の空間又は第2円筒壁44と中央ケース11Mの外壁との間の空間を第1遊星歯車式減速機12A又は第2遊星歯車式減速機12Bからそれぞれ区画するように固定されている。
また、中央ケース11Mには、ブリーザ室41と外部とを連通する外部連通路49がブリーザ室41の鉛直方向上面に接続される。外部連通路49のブリーザ室側端部49aは、鉛直方向下方を指向して配置されている。従って、オイルが外部連通路49を通って外部に排出されるのが抑制される。
第1及び第2電動機2A、2Bは、ステータ14A、14Bがそれぞれ側方ケース11A、11Bに固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸上に相対回転可能となるように側方ケース11A、11Bの端部壁17A、17Bと隔壁18A、18Bに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転位置情報を第1及び第2電動機2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックするためのレゾルバ20A、20Bが設けられている。ステータ14A、14B、及びロータ15A、15Bを含む第1及び第2電動機2A、2Bは、同一半径を有し、第1及び第2電動機2A、2Bは互いに鏡面対称に配置される。また、車軸10A及び円筒軸16Aは、第1電動機2A内を貫通して、第1電動機2Aの両端部から延出しており、車軸10B及び円筒軸16Bも、第2電動機2B内を貫通して、第2電動機2Bの両端部から延出している。
また、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、サンギヤ21A、21Bの外周側に位置するリングギヤ24A、24Bと、これらサンギヤ21A、21Bとリングギヤ24A、24Bに噛合する複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから第1及び第2電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して車軸10A、10Bに出力されるようになっている。
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはニードルベアリング31A、31Bを介してプラネタリキャリア23A、23Bのピニオンシャフト32A、32Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して隔壁18A、18Bに支持されている。
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径でケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。
ギヤ部28A、28Bは、中央ケース11Mの左右分割壁45の内径側端部に形成された第3円筒壁46を挟んで軸方向に対向している。小径部29A、29Bは、その外周面がそれぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように互いに連結されて構成されている。
第2遊星歯車式減速機12B側であって、ケース11を構成する中央ケース11Mの第2円筒壁44とリングギヤ24Bのギヤ部28Bとの間には、リングギヤ24Bに対する制動手段を構成する油圧ブレーキ60が第1ピニオン26Bと径方向でオーバーラップし、第2ピニオン27Bと軸方向でオーバーラップするように配置されている。油圧ブレーキ60は、第2円筒壁44の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35と、リングギヤ24Bのギヤ部28Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36が軸方向に交互に配置され、これらのプレート35、36が環状のピストン37によって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37は、中央ケース11Mの左右分割壁45と第3円筒壁46間に形成された環状のシリンダ室に進退自在に収容されており、さらに第3円筒壁46の外周面に設けられた受け座38に支持される弾性部材39によって、常時、固定プレート35と回転プレート36とを解放する方向に付勢される。
また、さらに詳細には、左右分割壁45とピストン37の間はオイルが直接導入される作動室Sとされ、作動室Sに導入されるオイルの圧力が弾性部材39の付勢力に勝ると、ピストン37が前進(右動)し、固定プレート35と回転プレート36とが相互に押し付けられて締結することとなる。また、弾性部材39の付勢力が作動室Sに導入されるオイルの圧力に勝ると、ピストン37が後進(左動)し、固定プレート35と回転プレート36とが離間して解放することとなる。なお、作動室Sは、液圧供給手段としての、オイルポンプ用電動機90によって駆動される電動駆動式の電動オイルポンプ70(図1参照)に油圧回路71を介して接続されている。
この油圧ブレーキ60の場合、固定プレート35がケース11を構成する中央ケース11Mの左右分割壁45から伸びる第2円筒壁44に支持される一方で、回転プレート36がリングギヤ24Bのギヤ部28Bに支持されているため、両プレート35、36がピストン37によって押し付けられると、両プレート35、36間の摩擦締結によってリングギヤ24Bに制動力が作用し固定される。その状態からピストン37による締結が解放されると、リングギヤ24Bの自由な回転が許容される。なお、上述したように、リングギヤ24A、24Bは互いに連結されているため、油圧ブレーキ60を締結することによりリングギヤ24Aにも制動力が作用し固定され、油圧ブレーキ60を解放することによりリングギヤ24Aも自由な回転が許容される。
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、第3円筒壁46により位置決めされるとともに、回り止めされている。
一方向クラッチ50は、車両3が第1及び第2電動機2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに係合状態となるとともに第1及び第2電動機2A、2B側の逆方向の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに非係合状態となり、後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに非係合状態となるとともに後輪Wr側の逆方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに係合状態となる。
このように本実施形態の後輪駆動装置1では、第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60とが並列に設けられている。なお、ケース11の下方には、オイルを貯留するオイル貯留部Tが形成されており、第1及び第2電動機2A、2Bのロータ15A、15Bの下端が油没しない程度の油面高さ(図2中、符合H)となっている。
[油圧回路]
ここで、後輪駆動装置1を構成する油圧回路71について図4〜図6を参照しながら説明する。
油圧回路71は、図4に示すように、オイル貯留部Tに配設した油吸入口70aから吸入され電動オイルポンプ70から吐出されるオイルを減圧して第1及び第2電動機2A、2B及び第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bなどの潤滑・冷却部91に供給するレギュレータ弁73と、油圧ブレーキ60の作動室Sへのオイルの供給を選択的に許容、遮断するブレーキシフト弁74と、レギュレータ弁73の弁位置を切り替えるH/Lソレノイド弁88と、ブレーキシフト弁74の弁位置を切り替えるブレーキソレノイド弁83と、を備えている。これら電動オイルポンプ70とレギュレータ弁73とブレーキシフト弁74とH/Lソレノイド弁88とブレーキソレノイド弁83とはライン油路75を介して接続されている。
レギュレータ弁73は、バルブ収容室内に摺動自在に収容された弁体73aと、バルブ収容室の略中央部の内周面に形成されてライン油路75に連通する環状の供給ポート73bと、供給ポート73bに隣接する位置に形成されて潤滑・冷却油路76を介して潤滑・冷却部91に連通する環状の排出ポート73cと、排出ポート73cを挟んで供給ポート73bとは反対側に形成されてライン油路75に連通する環状のライン圧導入ポート73dと、バルブ収容室の一端側(図中左側)に配置されて弁体73aを他端側(図中右側)に付勢するスプリング73eと、バルブ収容室の他端側に設けられてH/Lソレノイド弁88によって選択的にライン油路75のライン圧が導入される弁体制御ポート73fと、を備えている。
H/Lソレノイド弁88は、ソレノイドのオン(電力供給)・オフ(電力非供給)によって操作される、弁体(ボール)を備える2位置3ポート型の切換弁であり、ライン油路75に接続されたライン側ポート88aと、レギュレータ弁73の弁体制御ポート73fに繋がる第1弁体制御油路78に接続された弁側ポート88bと、ドレン通路に接続されたドレンポート88cと、を備えている。このH/Lソレノイド弁88は、制御装置8によってオン・オフ制御され、オン制御時にはライン側ポート88aと弁側ポート88bとを遮断するとともに弁側ポート88bとドレンポート88cとを接続して弁体制御ポート73fへのライン油路75のライン圧の供給を遮断し、オフ制御時にはライン側ポート88aと弁側ポート88bとを接続するともに弁側ポート88bとドレンポート88cとを遮断して弁体制御ポート73fを通して弁体73aの先端面73a1にライン油路75のライン圧を作用させるようになっている。
レギュレータ弁73では、図5(a)に示すように、H/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるときに、弁体制御ポート73fを通して弁体73aの先端面73a1にライン油路75のライン圧が作用するとともにライン圧導入ポート73dを通して弁体73aの円環溝73a2にライン油路75のライン圧が作用する。弁体73aは、弁体制御ポート73f及びライン圧導入ポート73dを通して弁体73aに作用した油圧荷重とスプリング73eのスプリング荷重との釣り合いにより、バルブ収容室の壁面と弁体73aのくびれ部73a3との間に隙間TOFFが形成される位置(第1位置)で静止し、隙間TOFFを介して供給ポート73bと排出ポート73cとが接続される。
一方、図5(b)に示すように、H/Lソレノイド弁88がオン制御(ON)されるときに、弁体制御ポート73fへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれ、ライン圧導入ポート73dを通して弁体73aの円環溝73a2にライン油路75のライン圧が作用する。弁体73aは、ライン圧導入ポート73dを通して弁体73aに作用した油圧荷重とスプリング73eのスプリング荷重との釣り合いにより、バルブ収容室の壁面と弁体73aのくびれ部73a3との間に隙間TONが形成される位置(第2位置)で静止し、隙間TONを介して供給ポート73bと排出ポート73cとが接続される。
このようにH/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるか、オン制御(ON)されるかにより、スプリング73eのスプリング荷重に抗する方向(図5中、左方向)に油圧が加えられる弁体73aの受圧面積が変わり、H/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるときの受圧面積はオン制御(ON)されるときの受圧面積よりも大きくなる。一方で、H/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるか、オン制御(ON)されるかによらず、電動オイルポンプ70の目標回転数、即ち、電動オイルポンプ70からのオイル吐出量は一定であるため、H/Lソレノイド弁88のオフ(OFF)、オン(ON)の切り替えによる受圧面積の変化から、バルブ収容室の壁面と弁体73aのくびれ部73a3との間の隙間が変わり、H/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるときの隙間TOFFよりもH/Lソレノイド弁88がオン制御(ON)されるときの隙間TONの方が小さくなる。H/Lソレノイド弁88がオン制御(ON)されるときの隙間TONの方が小さくなることでレギュレータ弁73の上流側の圧力が上がり、ライン油路75のライン圧が上がる。即ち、H/Lソレノイド弁88がオン制御(ON)されるとライン油路75のライン圧が高圧(Hi)になり、H/Lソレノイド弁88がオフ制御(OFF)されるとライン油路75のライン圧が低圧(Lo)になる。このように、H/Lソレノイド弁88のオフ(OFF)、オン(ON)の切り替わりにより、ライン油路75のライン圧が切り替わる。なお、レギュレータ弁73の上流側の圧力及び隙間が変わっても、くびれ部73a3を通過するオイルの単位時間当たりの総量は変わらないので、レギュレータ弁73の下流側の潤滑・冷却油路76の流量は変わらない。
図4に戻って、ブレーキシフト弁74は、バルブ収容室内に摺動自在に収容され第1作動位置(図中右端)と第2作動位置(図中左端)とに切替可能な弁体74aと、バルブ収容室の略中央部の内周面に形成されてライン油路75に連通する環状の供給ポート74bと、供給ポート74bに隣接する位置に形成されてブレーキ油路77に連通する環状の排出ポート74cと、バルブ収容室の一端(図中左端)に配置されて弁体74aを第2作動位置から第1作動位置に付勢するスプリング74dと、バルブ収容室の他端(図中右端)に設けられて後述するブレーキソレノイド弁83によって選択的にライン油路75のライン圧が導入されることで弁体74aを第1作動位置から第2作動位置に付勢する弁体制御室74eと、ドレン通路に接続されたドレンポート74fと、を備えている。即ち、供給ポート74bは、ライン油路75を介して電動オイルポンプ70と常時連通し、排出ポート74cは、ブレーキ油路77を介して油圧ブレーキ60と常時連通している。
ブレーキソレノイド弁83は、ソレノイドのオン(電力供給)・オフ(電力非供給)によって操作される、弁体(ボール)を備える2位置3ポート型の切換弁であり、ライン油路75に接続されたライン側ポート83aと、ブレーキシフト弁74の弁体制御室74eに繋がる第2弁体制御油路79に接続された弁側ポート83bと、ドレン通路に接続されたドレンポート83cと、を備えている。このブレーキソレノイド弁83は、制御装置8によってオン・オフ制御され、オン制御時にはライン側ポート83aと弁側ポート83bとを遮断するとともに弁側ポート83bとドレンポート83cとを接続して弁体制御室74eへのライン油路75のライン圧の供給を遮断し、オフ制御時にはライン側ポート83aと弁側ポート83bとを接続するとともに弁側ポート83bとドレンポート83cとを遮断して弁体制御室74eを通して弁体74aの先端面にライン油路75のライン圧を作用させるようになっている。
ブレーキシフト弁74では、図6(a)に示すように、ブレーキソレノイド弁83がオフ制御(OFF)されるときには、弁体制御室74eを通して弁体74aにライン油路75のライン圧が作用し、スプリング74dのスプリング荷重に抗して弁体74aがバルブ収容室の一端側(図中左側)の第2作動位置に移動する。弁体74aが第2作動位置に位置するとき、ブレーキシフト弁74が閉弁し、弁体74aが供給ポート74bと排出ポート74cとを遮断するとともに排出ポート74cとドレンポート74fとを連通して、ドレンポート74fを介してドレン通路へオイルが排出され、油圧ブレーキ60が解放される。
一方、図6(b)に示すように、ブレーキソレノイド弁83がオン制御(ON)されるときには、弁体制御室74eへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれ、スプリング74dのスプリング荷重によって弁体74aがバルブ収容室の他端(図中右端)の第1作動位置に移動する。弁体74aが第1作動位置に位置するとき、ブレーキシフト弁74が開弁し、弁体74aが供給ポート74bと排出ポート74cとを連通するとともに排出ポート74cとドレンポート74fとを遮断して、排出ポート74cからブレーキ油路77を介して油圧ブレーキ60の作動室Sへオイルが供給され、ライン油路75のライン圧に応じて、即ちライン油路75のライン圧が低圧であれば油圧ブレーキ60が弱締結され、ライン油路75のライン圧が高圧であれば油圧ブレーキ60が締結される。
このように、ブレーキソレノイド弁83は、オン制御(電力供給)時にライン油路75及び第2弁体制御油路79からなる液室回路が閉塞されて電動オイルポンプ70と弁体制御室74eとが遮断状態とされるとともに、オフ制御(電力非供給)時にライン油路75及び第2弁体制御油路79からなる液室回路が開放されて電動オイルポンプ70と弁体制御室74eとが連通状態とされるよう配設される。ブレーキソレノイド弁83のオン制御(電力供給)時には、スプリング74dによりブレーキシフト弁74の弁体74aが第1作動位置に位置し、ブレーキソレノイド弁83のオフ制御(電力非供給)時には、弁体制御室74eに収容されるオイルによりブレーキシフト弁74の弁体74aが第2作動位置に位置する。ブレーキシフト弁74は、弁体74aが第1作動位置のときにライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路が開放されて電動オイルポンプ70と油圧ブレーキ60とが連通状態とされるとともに、弁体74aが第2作動位置のときにライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路が閉塞されて電動オイルポンプ70と油圧ブレーキ60とが遮断状態とされるよう配設される。
図4中、符号92はオイルの温度及び圧力を検出可能なセンサであり、符号93は潤滑・冷却油路76に設けられたリリーフバルブである。なお、オイルの温度を検出するセンサは、オイル貯留部T等に別途設けてもよい。
制御装置8は、車両全体の各種制御をするための制御装置であり、制御装置8には車輪速センサからの車輪速センサ値、車両ブレーキセンサからのブレーキセンサ値、アクセルペダルセンサからのアクセルペダル開度、シフトポジションセンサからのシフター(不図示)の位置情報(以下、シフトポジションと呼ぶ。)、センサ92からの油温のほか、操舵角、バッテリ9における充電状態(SOC)などが入力される。一方、制御装置8からは、内燃機関4を制御する信号、第1及び第2電動機2A、2Bを制御する信号、電動オイルポンプ70を制御する制御信号、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をオン・オフ制御する制御信号などが出力される。
制御装置8によって、後輪駆動装置1の油圧回路71及び油圧ブレーキ60は以下で説明する3つの状態をとりうる。
図7は、油圧ブレーキ60の締結状態における油圧回路71を示している。
制御装置8は、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をともにオン制御している。H/Lソレノイド弁88をオン制御することで、図5(b)で説明したように、弁体制御ポート73fへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれ、弁体73aが第2位置に位置し、ライン油路75のライン圧が高圧(Hi)となる。また、ブレーキソレノイド弁83をオン制御することで、図6(b)で説明したように、弁体制御室74eへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれ、弁体74aが第1作動位置に位置し、排出ポート74cからブレーキ油路77を介して油圧ブレーキ60の作動室Sへ高圧のオイルが供給される。油圧ブレーキ60は高圧のオイルが供給されることで締結状態となっている。
図8は、油圧ブレーキ60の弱締結状態における油圧回路71を示している。
油圧ブレーキ60の弱締結状態とは、動力伝達可能であるが、油圧ブレーキ60の締結状態の締結力に対し弱い締結力で締結している状態をいう。制御装置8は、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88をオフ制御し、ブレーキソレノイド弁83をオン制御している。H/Lソレノイド弁88をオフ制御することで、図5(a)で説明したように、弁体制御ポート73fを通して弁体73aにライン油路75のライン圧が作用し、弁体73aが第1位置に位置し、ライン油路75のライン圧が低圧(Lo)となる。また、ブレーキソレノイド弁83をオン制御することで、図6(b)で説明したように、弁体制御室74eへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれ、弁体74aが第1作動位置に位置し、排出ポート74cからブレーキ油路77を介して油圧ブレーキ60の作動室Sへ低圧のオイルが供給される。油圧ブレーキ60は低圧のオイルが供給されることで弱締結状態となっている。
図9は、走行中における油圧ブレーキ60の解放状態における油圧回路71を示している。
制御装置8は、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をともにオフ制御している。H/Lソレノイド弁88をオフ制御することで、図5(a)で説明したように、弁体制御ポート73fを通して弁体73aにライン油路75のライン圧が作用し、弁体73aが第1位置に位置し、ライン油路75のライン圧が低圧(Lo)となる。また、ブレーキソレノイド弁83をオフ制御することで、図6(a)で説明したように、弁体制御室74eを通して弁体74aにライン油路75のライン圧が作用し、弁体74aが第2作動位置に位置し、排出ポート74cからドレンポート74fを介してドレン通路へオイルが排出され、油圧ブレーキ60が解放状態となっている。
図7〜9の油圧ブレーキ60の締結状態、弱締結状態及び解放状態(走行中)においては、電動オイルポンプ70が駆動し供給ポート73bとライン圧導入ポート73dとにライン油路75のライン圧が作用するため、供給ポート73bと排出ポート73cとは常時接続しており、供給ポート73bと排出ポート73cとの間のバルブ収容室と弁体73aとにより形成される隙間TON又は隙間TOFFによって減圧されたオイルが、所定の流量で潤滑・冷却油路76を介して潤滑・冷却油路76に供給されている。
図10は、停車中における油圧ブレーキ60の解放状態の油圧回路71を示している。
制御装置8は、電動オイルポンプ70(オイルポンプ用電動機90)を駆動せず(目標回転数=0、以下同様。)、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をオフ制御する。H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をオフ制御する点は上記した車両走行中における油圧ブレーキ60の解放状態と同様であるが、停車中においては、電動オイルポンプ70を駆動しないためライン油路75のライン圧が略零となっている。したがって、レギュレータ弁73の弁体73aはスプリング73eのスプリング荷重によりバルブ収容室の他端(図中右端)に位置し、供給ポート73bと排出ポート73cとは遮断され、潤滑・冷却油路76にオイルは供給されない。また、ブレーキシフト弁74の弁体74aはスプリング74dのスプリング荷重により第1作動位置に位置するものの、オイルが供給されないため油圧ブレーキ60が解放状態となっている。
このように、制御装置8は、電動オイルポンプ70の駆動・非駆動と、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83のオン・オフを制御することにより、油圧ブレーキ60を締結、弱締結又は解放させ、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側との動力伝達経路の接続状態と遮断状態とを切り替えることができる。
図11は、各車両状態における前輪駆動装置6と後輪駆動装置1との関係を第1及び第2電動機2A、2Bの作動状態と油圧回路71の状態とあわせて記載したものである。図中、「フロントユニット」は前輪駆動装置6、「リアユニット」は後輪駆動装置1、「リアモータ」は第1及び第2電動機2A、2B、「OWC」は一方向クラッチ50、「H/L SOL」はH/Lソレノイド弁88、「BRK SOL」はブレーキソレノイド弁83、「油圧」はライン油路75のライン圧、「BRK」は油圧ブレーキ60を表わす。また、図12〜図17は後輪駆動装置1の各状態における速度共線図を表わし、LMOTは第1電動機2A、RMOTは第2電動機2B、左側のS、Cはそれぞれ第1電動機2Aに連結された第1遊星歯車式減速機12Aのサンギヤ21A、第1遊星歯車式減速機12Aのプラネタリキャリア23A、右側のS、Cはそれぞれ第2遊星歯車式減速機12Bのサンギヤ21B、第2遊星歯車式減速機12Bのプラネタリキャリア23B、Rは第1及び2遊星歯車式減速機12A、12Bのリングギヤ24A、24B、BRKは油圧ブレーキ60、OWCは一方向クラッチ50を表わす。以下の説明において第1及び第2電動機2A、2Bによる車両前進時のサンギヤ21A、21Bの回転方向を順方向とする。また、図中、停車中の状態から上方が順方向の回転、下方が逆方向の回転であり、矢印は、上向きが順方向のトルクを表し、下向きが逆方向のトルクを表す。
停車中は、前輪駆動装置6も後輪駆動装置1も駆動していない。従って、図12に示すように、後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bは停止しており、車軸10A、10Bも停止しているため、いずれの要素にもトルクは作用していない。このとき、制御装置8は、図10で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動せず、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をオフ制御することで、油圧ブレーキ60を解放している。また、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機2A、2Bが非駆動のため係合していない(OFF)。
そして、キーポジションをONにした後、EV発進、EVクルーズなどモータ効率のよい前進低車速時は、後輪駆動装置1による後輪駆動となる。図13に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bが順方向に回転するように力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには順方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が係合しリングギヤ24A、24Bがロックされる。これによりプラネタリキャリア23A、23Bは順方向に回転し前進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bからの走行抵抗が逆方向に作用している。このように車両3の発進時には、第1及び第2電動機2A、2Bのトルクをあげることで、一方向クラッチ50が機械的に係合してリングギヤ24A、24Bがロックされる。
このとき、制御装置8は、図8で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88をオフ制御し、ブレーキソレノイド弁83をオン制御することで、油圧ブレーキ60を弱締結している。
このように、第1及び第2電動機2A、2Bの順方向の回転動力が後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50が係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達可能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60も弱締結状態とし第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで、第1及び第2電動機2A、2B側からの順方向の回転動力の入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とで動力伝達不能になることを抑制できる。また、後述する減速回生への移行時に第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態とするための回転数制御が不要となる。
このような停車中から車両3を発進するに際しては、オイルポンプ用電動機90を停止状態から駆動状態に切り替える電動オイルポンプ70の始動時に、オイルポンプ用電動機90への電力供給と同時に又はオイルポンプ用電動機90への電力供給よりも前にブレーキソレノイド弁83に電力供給(オン制御)することが好ましい。これにより、ライン油路75のライン圧が立ち上がる前に、弁体制御室74eへのライン油路75のライン圧の供給が絶たれるため、ブレーキシフト弁74は、弁体74aが第1作動位置に位置し続け、これに伴ってブレーキシフト弁74も開弁状態を維持する。したがって、ライン油路75のライン圧がブレーキ油路77を介して油圧ブレーキ60の作動室Sに即座に作用する。
図19(a)は、本実施形態の油圧回路71における電動オイルポンプ70の始動直後に油圧ブレーキ60に作用する液圧と時間との関係を示すグラフであり、図19(b)は、特許文献1の油圧回路171における電動オイルポンプ170の始動直後に油圧ブレーキ160に作用する液圧と時間との関係を示すグラフである。
本実施形態によれば、オイルポンプ用電動機90を停止状態から駆動状態に切り替える電動オイルポンプ70の始動時に、オイルポンプ用電動機90への電力供給と同時に又はオイルポンプ用電動機90への電力供給よりも前にブレーキソレノイド弁83に電力供給(オン制御)することで、電動オイルポンプ70(オイルポンプ用電動機90)の回転数の上昇に伴う時間の経過とともに油圧ブレーキ60に作用する油圧が次第に上昇し、時間T1で油圧ブレーキ60の目標油圧Pに到達する。
これに対し、特許文献1に記載の油圧回路171では、電動オイルポンプ170を始動しても液室174cに作用する液圧がスプリング174bの付勢力に打ち勝つまで弁体174aは移動せず、即ち時間T2までは油圧ブレーキ160に液圧が作用せず、液室174cに作用する液圧がスプリング174bの付勢力に打ち勝って時間T2で初めて油圧ブレーキ160に液圧が作用し、弁体174aの移動後の時間T3で油圧ブレーキ60の目標油圧Pに到達する。このように、本実施形態の油圧回路71では、特許文献1のような時間遅れが発生せず、ライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路に発生した液圧を即座に油圧ブレーキ60に付加することができる。
前進低車速走行から車速があがりエンジン効率のよい前進中車速走行に至ると、後輪駆動装置1による後輪駆動から前輪駆動装置6による前輪駆動となる。図14に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bの力行駆動が停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このときも、制御装置8は、図8で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88をオフ制御し、ブレーキソレノイド弁83をオン制御することで、油圧ブレーキ60を弱締結している。
図13又は図14の状態から第1及び第2電動機2A、2Bを回生駆動すると、図15に示すように、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行を続けようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。
このとき、制御装置8は、図7で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をともにオン制御することで、油圧ブレーキ60を締結している。従って、リングギヤ24A、24Bが固定されるとともにサンギヤ21A、21Bには逆方向の回生駆動トルクが作用し、第1及び第2電動機2A、2Bで減速回生がなされる。このように、後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60を締結させ、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態としておくことで動力伝達可能な状態に保つことができ、この状態で第1及び第2電動機2A、2Bを回生駆動状態に制御することにより、車両のエネルギーを回生することができる。
続いて加速時には、前輪駆動装置6と後輪駆動装置1の四輪駆動となり、後輪駆動装置1は、図13に示す前進低車速時と同じ状態となる。油圧回路71も、図8に示す状態となる。
前進高車速時には、前輪駆動装置6による前輪駆動となるが、図16に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bが力行駆動を停止すると、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bから前進走行しようとする順方向のトルクが作用するので、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。このとき、サンギヤ21A、21Bには、サンギヤ21A、21B及び第1及び第2電動機2A、2Bの回転損失が抵抗として入力され、リングギヤ24A、24Bにはリングギヤ24A、24Bの回転損失が抵抗として入力される。
このとき制御装置8は、図9で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をともにオフ制御することで、油圧ブレーキ60を解放している。油圧ブレーキ60を解放状態に制御することで、リングギヤ24A、24Bの自由な回転が許容され、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とが遮断状態となって動力伝達不能な状態となる。従って、第1及び第2電動機2A、2Bの連れ回りが防止され、前輪駆動装置6による高車速時に第1及び第2電動機2A、2Bが過回転となるのが防止される。
後進時には、図17に示すように、第1及び第2電動機2A、2Bを逆力行駆動すると、サンギヤ21A、21Bには逆方向のトルクが付加される。このとき、前述したように一方向クラッチ50が非係合状態となる。
このとき制御装置8は、図7で説明したように、電動オイルポンプ70を駆動し、H/Lソレノイド弁88及びブレーキソレノイド弁83をともにオン制御することで、油圧ブレーキ60を締結している。従って、リングギヤ24A、24Bがロックされて、プラネタリキャリア23A、23Bは逆方向に回転し後進走行がなされる。なお、プラネタリキャリア23A、23Bには車軸10A、10Bからの走行抵抗が順方向に作用している。このように、第1及び第2電動機2A、2B側の逆方向のトルクが後輪Wr側に入力されるときには一方向クラッチ50は非係合状態となり、一方向クラッチ50のみで動力伝達不能であるが、一方向クラッチ50と並列に設けられた油圧ブレーキ60を締結させ、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とを接続状態とすることで動力伝達可能とすることができ、第1及び第2電動機2A、2Bの逆力行トルクによって車両3を後進させることができる。
このように後輪駆動装置1は、車両の走行状態、言い換えると、第1及び第2電動機2A、2Bの回転方向が順方向か逆方向か、及び第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側のいずれから動力が入力されるかに応じて、油圧ブレーキ60の締結・解放が制御され、さらに油圧ブレーキ60の締結時であっても締結力が調整される。
図18は、車両が停車中の状態からEV発進→EV加速→ENG加速→減速回生→中速ENGクルーズ→ENG+EV加速→高速ENGクルーズ→減速回生→停車→後進→停車に至る際の一方向クラッチ50(OWC)、油圧ブレーキ60(BRK)のタイミングチャートである。
先ず、キーポジションをONにしてシフトポジションがPレンジからDレンジに変更され、アクセルペダルが踏まれるまでは、一方向クラッチ50は非係合(OFF)であり、油圧ブレーキ60は解放された(OFF)状態が維持される。そこから、アクセルペダルが踏まれると後輪駆動(RWD)で後輪駆動装置1によるEV発進、EV加速が行われ、このとき、一方向クラッチ50は係合(ON)し、油圧ブレーキ60は弱締結される。そして、車速が低車速域から中車速域に至って後輪駆動から前輪駆動になると内燃機関4によるENG走行(FWD)となる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60はそのままの状態(弱締結状態)に維持される。そして、ブレーキが踏まれるなど減速回生時には、一方向クラッチ50が非係合(OFF)のまま、油圧ブレーキ60が締結(ON)される。内燃機関4による中速クルーズ中は、上述のENG走行と同様の状態となる。続いて、さらにアクセルペダルが踏まれて前輪駆動から四輪駆動(AWD)になると、再び一方向クラッチ50が係合(ON)する。そして、車速が中車速域から高車速域に至ると、再び内燃機関4によるENG走行(FWD)となる。このとき、一方向クラッチ50が非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60が解放され(OFF)、第1及び第2電動機2A、2Bが停止される。そして、減速回生時には、上述した減速回生時と同様の状態となる。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60は解放(OFF)される。
続いて、後進走行時には、一方向クラッチ50は非係合(OFF)のまま、油圧ブレーキ60が締結状態(ON)となる。そして、車両が停止すると、一方向クラッチ50は非係合(OFF)となり、油圧ブレーキ60は解放(OFF)される。
以上説明したように、本実施形態によれば、油圧ブレーキ60に最も近接して配設されるブレーキシフト弁74には弁体74aを駆動するための比較的大きな力、及び比較的大きな弁体74aの変位が必要なため液圧駆動式とすることで電気駆動式と比べて弁の開閉の応答性がよい。一方、ブレーキシフト弁74の弁体制御室74eへの油圧の供給及び遮断を切り替えるソレノイド弁83には弁体を駆動するための大きな力及び大きな弁体の変位が不要のため、電気駆動式とすることで弁の開閉の応答性がよく、弁開閉に消費するエネルギーを最小限に抑えることができる。
また、ブレーキソレノイド弁83への電力非供給時にライン油路75及び第2弁体制御油路79からなる液室回路が開放されて電動オイルポンプ70と弁体制御室74eとが連通状態とされ、このとき電動オイルポンプ70が駆動していればブレーキシフト弁74はスプリング74dに抗して弁体74aが第2作動位置に位置するので、ライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路が閉塞されて電動オイルポンプ70と油圧ブレーキ60とが遮断状態となる。したがって、電気駆動式の装置においては、概して起動状態から停止できなくなる故障よりも停止状態(電力非供給状態)から起動できなくなる故障の方が発生しやすいところ、電気駆動式のブレーキソレノイド弁83が停止状態から起動できなくなる故障が発生した場合であっても油圧ブレーキ60が解放されているため安全性が高い。
さらに、ブレーキソレノイド弁83への電力非供給時にライン油路75及び第2弁体制御油路79からなる液室回路が開放されて電動オイルポンプ70と弁体制御室74eとが連通状態とされ、このとき電動オイルポンプ70が停止していればブレーキシフト弁74はスプリング74dによって弁体74aが第1作動位置に位置し、ライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路が開放されて電動オイルポンプ70と油圧ブレーキ60とが連通状態とされる。したがって、この状態から電動オイルポンプ70の始動時に弁体制御室74eに液圧を供給しない限り、ライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路に発生した液圧を即座に油圧ブレーキ60に付加することができる。
また、ブレーキシフト弁74は、電動オイルポンプ70と常時連通する供給ポート74bと、油圧ブレーキ60と常時連通する排出ポート74cと、を有し、弁体74aが第1作動位置のときに供給ポート74bと排出ポート74cとが連通し、第2作動位置のときに供給ポート74bと排出ポート74cとが遮断されるよう配設されるので、電動オイルポンプ70の始動時に弁体制御室74eに液圧を供給しない限り、弁体74aの移動なくライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路に発生した液圧を油圧ブレーキ60に付加することができる。
また、オイルポンプ用電動機90を停止状態から駆動状態へ切り替える電動オイルポンプ70の始動時に、オイルポンプ用電動機90への電力供給と同時又はオイルポンプ用電動機90への電力供給よりも前にブレーキソレノイド弁83へ電力を供給することにより、ライン油路75及び第2弁体制御油路79からなる液室回路が閉塞され、ブレーキシフト弁74の弁体制御室74eが電動オイルポンプ70と遮断状態となるので、油圧ブレーキ60の油圧の立ち上がりがより早期化する。また、電動オイルポンプ70の始動前後におけるブレーキシフト弁74の弁体74aの不要な挙動を抑制できる。なお、同時とは、完全に一致することのみを意味せず、直後も含む概念である。
さらに、本願発明によれば、第1及び第2電動機2A、2Bと、後輪Wrとの動力伝達経路上に油圧ブレーキ60と並列に一方向クラッチ50が設けられているので、車両3の発進時に電動オイルポンプ70の始動時の電動オイルポンプ70(オイルポンプ用電動機90)の回転数の上昇に伴う時間に関わらず、一方向クラッチ50が機械的に係合して動力伝達するので、油圧ブレーキ60に作用する油圧の上昇を待たずに第1及び第2電動機2A、2Bの動力を後輪Wrに伝達できる。
また、油圧回路71には、ライン油路75及びブレーキ油路77からなる液圧回路と並列に、電動オイルポンプ70と大気開放された潤滑・冷却部91とを連通する、ライン油路75及び潤滑・冷却油路76からなる吐出回路をさらに備え、吐出回路にはレギュレータ弁73とレギュレータ弁73の弁位置を切り替えるH/Lソレノイド弁88とが配設されるので、ブレーキシフト弁74とブレーキソレノイド弁83とは独立に配設されたレギュレータ弁73とH/Lソレノイド弁88とを制御するだけで、ライン油路75のライン圧を変更可能で、吐出回路から過剰にオイルが流出することもない。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
断接手段として油圧駆動式の湿式多板式ブレーキを例示したが、これに限らず乾式多板式ブレーキ、オイル以外の他の液体の圧力を用いるブレーキであってもよい。
また、液圧供給手段として電動オイルポンプ70を例示したが、電気駆動式のオイルポンプに限らず、機械式のオイルポンプであってもよい。
また、返戻手段としてスプリング74dを例示したが、スプリングに限らず、バルブ収容室の一端側(図中左側)に設けられて選択的に液圧が導入される液室であってもよい。
また、サンギヤ21A、21Bに第1及び第2電動機2A、2Bを接続し、リングギヤ同士を互いに連結したが、これに限らずサンギヤ同士を互いに連結し、リングギヤに第1及び第2電動機を接続してもよい。
また、断接手段と一方向動力伝達手段は、3要素を有する差動装置の一要素に配置される場合に限らず、回転体と回転体との単純な動力伝達部に配置されるものであってもよい。
また、駆動源は2つある必要はなく、1つの駆動源と差動装置とにより車輪を駆動する機構でもよい。
また、前輪駆動装置は、内燃機関を用いずに電動機を唯一の駆動源とするものでもよい。
また、駆動源として、電動機の代わりに、内燃機関等他の駆動力発生装置を用いてもよい。
また、駆動装置としては、車両、航空機、船舶等の輸送機器に用いることができるものであるが、以下の実施形態では、車両に用いた場合を例に説明する。
1 後輪駆動装置1(駆動装置)
2A 第1電動機(駆動源)
2B 第2電動機(駆動源)
3 車両(輸送機関)
60 油圧ブレーキ(断接手段)
70 電動オイルポンプ(液圧供給手段)
74 ブレーキシフト弁(切替弁)
74a 弁体
74b 供給ポート(上流口)
74c 排出ポート(下流口)
74d スプリング(返戻手段)
74e 弁体制御室(液室)
75 ライン油路(液圧回路、液室回路)
77 ブレーキ油路(液圧回路)
79 第2弁体制御油路(液室回路)
83 ブレーキソレノイド弁(他の切替弁)
90 オイルポンプ用電動機(電動機)
Wr 後輪(車輪)

Claims (2)

  1. 駆動源と、
    該駆動源によって駆動され、輸送機関を推進する被駆動部と、
    前記駆動源と前記被駆動部との動力伝達経路上に設けられ、解放又は締結することにより前記動力伝達経路を遮断状態又は接続状態にする液圧駆動式の断接手段と、
    該断接手段に液圧を供給する液圧供給手段と、を備える、駆動装置であって、
    前記駆動装置は、前記液圧供給手段と前記断接手段とを連通する液圧回路と、該液圧回路上で前記断接手段に最も近接して配設される切替弁と、を有し、
    前記切替弁は、第1作動位置と第2作動位置とに切替可能な弁体と、前記液圧供給手段と連通するとともに前記弁体を前記第1作動位置から前記第2作動位置の方向に付勢する液圧媒体を収容する液室と、前記弁体を前記第2作動位置から前記第1作動位置の方向に付勢する返戻手段と、を有し、
    前記駆動装置は、さらに前記液圧供給手段と前記液室とを連通する液室回路上に配設され、電力によって作動する電気駆動式の他の切替弁を有し、
    該他の切替弁は、電力供給時に前記液室回路が閉塞されて前記液圧供給手段と前記液室とが遮断状態とされるとともに、電力非供給時に前記液室回路が開放されて前記液圧供給手段と前記液室とが連通状態とされるよう配設され、
    前記切替弁は、前記弁体が前記第1作動位置のときに前記液圧回路が開放されて前記液圧供給手段と前記断接手段とが連通状態とされるとともに、前記弁体が前記第2作動位置のときに前記液圧回路が閉塞されて前記液圧供給手段と前記断接手段とが遮断状態とされるよう配設され
    前記液圧供給手段は、電動機によって駆動される電気駆動式であって、
    前記電動機を停止状態から駆動状態へ切り替える前記液圧供給手段の始動時に、前記電動機への電力供給と同時又は前記電動機への電力供給よりも前に前記他の切替弁へ電力を供給する、駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置であって、
    前記切替弁は、前記液圧供給手段と常時連通する上流口と、前記断接手段と常時連通する下流口と、を有し、
    前記弁体が前記第1作動位置のときに前記上流口と前記下流口とが連通し、前記第2作動位置のときに前記上流口と前記下流口とが遮断されるよう配設される、駆動装置。
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