JP6186021B2 - 浄水カートリッジ、及び、水栓 - Google Patents

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Description

本発明は、浄水カートリッジ、及び、水栓に関する。
水栓として、活性炭と中空糸膜束とを別々に収容した浄水カートリッジを吐水ヘッドに対して交換可能に取り付けた浄水機能付き水栓が知られている。活性炭は、水道水に含まれる遊離残留塩素や有機物等の微量成分を除去する。中空糸膜は、水道水に含まれる鉄さびといった濁り成分等を除去する。例えば、変形可能な円筒状不織布の端部を中空糸膜ケースに接着剤で接着して円筒状不織布に活性炭を収容することにより浄水カートリッジを形成することができる。
特許文献1に示される浄水カートリッジは、複数の中空糸膜が充填された中空糸膜カートリッジと、活性炭が充填された活性炭カートリッジとを備えている。活性炭カートリッジは、有底円筒状の外ケースの内周に活性炭の通過を防止しつつ水の通過を可能とする網目状部材が設けられている。中空糸膜カートリッジと活性炭カートリッジとは、柔軟性を有し密封性が発揮される材料の接合部材で接合されている。この接合部材は、中空糸膜カートリッジ側へ突出して中空糸膜カートリッジのケースに係合する第1フックと、活性炭カートリッジ側へ突出して活性炭カートリッジの外ケースに係合する第2フックとを有している。第2フックは、外ケースの外側において外ケースの被係合凸部に係合する。
特開2005−21836号公報
特許文献1に示される浄水カートリッジは、網目状部材の外側に有底円筒状の外ケースがあることが前提であり、網目状部材を直接、中空糸膜カートリッジのケースに接続するものではない。また、網目状部材の外側に外ケースがあることにより、網目状部材に収容される活性炭の量が外ケースの分、少なくなり、濾過能力が低下してしまう。
尚、上述した問題は、活性炭以外の吸着剤が収容される収容部材を有する浄水カートリッジ、及び、種々の水栓にも同様に存在する。
本発明は、濾過能力を向上させることが可能な浄水カートリッジ、及び、水栓を提供する目的を有している。
本発明の浄水カートリッジは、水が流通可能であり、吸着剤が収容される変形可能な収容部材と、
水の流通口、及び、前記収容部材の端部が挿入される外嵌部を有する流通口部材と、を備え、
前記収容部材の端部の内側に挿入されて前記外嵌部とで前記収容部材の端部を挟持する内嵌部が設けられ、
前記収容部材の端部は、該収容部材の本体部の外側面よりも内側の外側面とされた内側配置部を有し、
前記外嵌部の外側面は、前記収容部材の本体部の外側面よりも内側とされるか、該本体部の外側面に合わせられている、態様を有する。
また、本発明は、前記浄水カートリッジと吐水装置とを備える水栓の態様を有する。
上述した態様は、収容部材の本体部の外側面が外嵌部の外側面よりも外側であるか、外嵌部の外側面に合わせられているので、収容部材に収容される吸着剤の量を増やすことが可能となる。
さらに、本発明の浄水カートリッジは、水が流通可能であり、吸着剤が収容される変形可能な収容部材と、
水の流通口、及び、前記収容部材の端部が挿入される外嵌部を有する流通口部材と、を備え、
前記収容部材の端部は、先端側となるほど細くなるテーパー部を有し、
前記外嵌部の外側面は、前記収容部材の本体部の外側面よりも内側とされるか、該本体部の外側面に合わせられている、態様を有する。
また、本発明は、前記浄水カートリッジと吐水装置とを備える水栓の態様を有する。
上述した態様も、収容部材の本体部の外側面が外嵌部の外側面よりも外側であるか、外嵌部の外側面に合わせられているので、収容部材に収容される吸着剤の量を増やすことが可能となる。
請求項1、請求項4に係る発明によれば、濾過能力を向上させることが可能な浄水カートリッジを提供することができる。
請求項2、請求項3に係る発明では、収容部材の端部を挟持する力が増えた好適な浄水カートリッジを提供することができる。
請求項5に係る発明では、濾過能力を向上させることが可能な水栓を提供することができる。
浄水機能付き水栓を組み込んだシステムキッチンの例を模式的に示す図。 (a)は浄水カートリッジを取り付けた吐水ヘッド(吐水装置)の例を一部断面視して示す図、(b)は浄水カートリッジを取り付けた吐水部の例を示す斜視図。 (a)は浄水カートリッジの例を示す縦断面図、(b)は(a)のB1部分の拡大図。 浄水カートリッジの例を示す分解斜視図。 (a)は吸着剤部の内側不織布に内キャップを取り付ける様子を例示する縦断面図、(b)は吸着剤部の外側不織布に外キャップを取り付ける様子を例示する縦断面図。 (a)は中空糸膜ケースの例を示す斜視図、(b)は中空糸膜ケースの例を示す縦断面図。 (a)〜(c)は浄水カートリッジの例を示す縦断面図。 (a)〜(c)は浄水カートリッジの例を示す縦断面図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)浄水カートリッジ、及び、水栓の概要:
図1〜8は、本技術の浄水カートリッジの例を示している。図1は、本技術の水栓の例を示している。尚、図1〜8は模式的に示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
まず、図1〜8を参照して本技術の概要を説明する。
[態様1]
図1〜3等に例示される浄水カートリッジ20は、変形可能な収容部材(例えば外側不織布31)、及び、流通口部材(例えば中空糸膜ケース70)を備える。変形可能な収容部材(31)は、水が流通可能であり、吸着剤AD1が収容される。流通口部材(70)は、水の流通口(例えば流出口75)、及び、収容部材(31)の端部31bが挿入される外嵌部80を有する。態様1において、浄水カートリッジ20は、収容部材(31)の端部31bの内側33に挿入されて外嵌部80とで収容部材(31)の端部31bを挟持する内嵌部(例えば内嵌部材50)が設けられている。収容部材(31)の端部31bは、該収容部材(31)の本体部34の外側面34aよりも内側の外側面35aとされた内側配置部35を有している。外嵌部80の外側面80aは、図7(a)等に例示するように収容部材(31)の本体部34の外側面34aよりも内側とされるか、図3(b)等に例示するように該本体部34の外側面34aに合わせられている。図1に例示される水栓1は、浄水カートリッジ20と吐水装置(例えば吐水ヘッド10)とを備える。
収容部材の端部に内側配置部が無い場合、収容部材の外側面は外嵌部の外側面よりも内側となる。従って、その分、収容部材に収容される吸着剤の量が少なくなり、濾過能力が低下してしまう。
上記態様1は、収容部材(31)の端部31bに内側配置部35があり、収容部材本体部34の外側面34aが外嵌部80の外側面80aよりも外側であるか、外嵌部80の外側面80aに合わせられているので、収容部材(31)に収容される吸着剤AD1の量を増やすことが可能となる。従って、本態様は、濾過能力を向上させることが可能な浄水カートリッジ、及び、水栓を提供することができる。
ここで、収容部材には、不織布、織布、網、濾紙、等が含まれる。収容部材の形状には、円筒状や角筒状といった筒状等の形状が含まれる。
収容部材が変形可能であることには、収容部材が内嵌部材等により圧縮される(体積が変わる)こと、収容部材が内嵌部材等により体積変化無しに曲がること(例えば外嵌部が可撓性等を有する場合)、等が含まれる。
吸着剤には、活性炭、イオン交換体、等が含まれる。
内嵌部は、流通口部材とは異なる部材でもよいし、流通口部材に含まれる部位でもよい。
外嵌部の外側面と収容部材本体部の外側面とが合わせられていることには、外嵌部の外側面と収容部材本体部の外側面との位置の差が0.6mm以内であることが含まれる。
[態様2]
前記内嵌部(50)は、環状でなくてもよいが、環状でもよい。内嵌部(50)が環状である態様は、変形可能な収容部材(31)の内側33に挿入される内嵌部(50)が環状であるので、内嵌部(50)が収容部材(31)を外側へ押す力を増やすことが可能となる。従って、本態様は、収容部材の端部を挟持する力が増えた好適な浄水カートリッジ、及び、水栓を提供することができる。
[態様3]
前記内嵌部(50)は、可撓性でなくてもよいが、可撓性でもよい。前記流通口部材(70)は、前記収容部材(31)の端部31bが突き当たる接続部76を有してもよい。該接続部76は、少なくとも前記内嵌部(50)の一部が入る溝77と、前記内嵌部(50)の内側53に入って接する内接部78とを有してもよい。本態様は、変形可能な収容部材(31)の内側33に挿入される可撓性の内嵌部(50)の内側53に入った内接部78が内嵌部(50)の内側への撓みを抑制するので、内嵌部(50)が収容部材(31)を外側へ押す力を増やすことが可能となる。従って、本態様は、収容部材の端部を挟持する力が増えた好適な浄水カートリッジ、及び、水栓を提供することができる。
[態様4]
本技術は、内嵌部の無い態様4を含む。この態様4において、前記収容部材(31)の端部31bは、先端側となるほど細くなるテーパー部35Tを有している。外嵌部80の外側面80aは、図7(a)等に例示するように収容部材(31)の本体部34の外側面34aよりも内側とされるか、図3(b)等に例示するように該本体部34の外側面34aに合わせられている。
収容部材の端部にテーパー部が無い場合、収容部材の外側面は外嵌部の外側面よりも内側となる。従って、その分、収容部材に収容される吸着剤の量が少なくなり、濾過能力が低下してしまう。
上記態様4は、収容部材(31)の端部31bにテーパー部35Tがあり、収容部材本体部34の外側面34aが外嵌部80の外側面80aよりも外側であるか、外嵌部80の外側面80aに合わせられているので、収容部材(31)に収容される吸着剤AD1の量を増やすことが可能となる。従って、本態様も、濾過能力を向上させることが可能な浄水カートリッジ、及び、水栓を提供することができる。
(2)浄水カートリッジ、及び、水栓の具体例:
図1は、浄水機能付き水栓1を組み込んだシステムキッチンSY1を模式的に示している。システムキッチンSY1には、水平に延びるカウンター801にキャビネット802、凹状のシンク803、水栓1、等が組み込まれている。水栓1は、カウンター801を上下に貫通した水栓本体2、この水栓本体2に対して着脱可能な吐水ヘッド10(吐水装置の例)、水栓本体2に対して傾動可能な開栓レバー3、等を備えている。吐水ヘッド10には、水栓本体2に通されているホース19が接続されている。ホース19は、開栓レバー3が開いている時に図示しない給水管からの水道水を吐水ヘッド10に供給する。水栓本体2から吐水ヘッド10が取り外されると、水栓本体2からホース19が引き出される。水栓本体2に吐水ヘッド10を取り付ける時には、水栓本体2にホース19が引き込まれる。開栓レバー3は、開位置(例えば傾動範囲の上側の位置)にある時にホース19を介して吐水ヘッド10へ水道水が供給されるようにし、閉位置(例えば傾動範囲の下側の位置)にある時に吐水ヘッド10への水道水の供給を停止させる。
図2に示すように、吐水ヘッド10は、先端側、すなわち、水の流下方向D1の下流側にある吐水部11、及び、水栓本体2に対して着脱される把持部18を有し、交換部品である浄水カートリッジ20が組み込まれている。吐水ヘッド10の内側において浄水カートリッジ20の外側は、水道水が流れる水道水通路10aとされている。吐水部11には、浄水カートリッジ20との接続口12、及び、接続口12からの浄水を出すか水道水通路10aからの水道水を出すかの切替操作可能な切替レバー15が設けられている。切替レバー15は、浄水側(例えば回転範囲の一端側)にある時に水道水を止めて浄水を吐水部11から吐出させ、水道水側(例えば回転範囲の他端側)にある時浄水を止めて水道水を吐水部11から吐出させる。
図2に示すように、吐水部11の上流側における端部の外周に雄ねじ11aが形成され、把持部18の下流側における端部の内周に雌ねじ18aが形成されている。両ねじ11a,18aを螺合することにより把持部18を吐水部11に取り付けることができ、雄ねじ11aから雌ねじ18aを外すことにより吐水部11から把持部18を取り外すことができる。
むろん、浄水カートリッジを取付可能な吐水ヘッドは、図1,2に示す吐水ヘッド10に限定されず、様々な構成が可能である。
交換可能な浄水カートリッジ20は、吸着剤AD1が収容された吸着剤部30、及び、中空糸膜H1を複数束ねた中空糸膜束BH1の収容部71を有する中空糸膜ケース70(流通口部材の例)を備えている。吸着剤部30は流下方向D1の上流側に配置され、中空糸膜ケース70は流下方向D1の下流側に配置されている。浄水カートリッジ20に流入した水道水は、吸着剤部30、中空糸膜ケース70の中空糸膜束収容部71、の順に入り、浄化される。従って、水の流下方向D1へ吸着剤AD1と中空糸膜束BH1とが並べられていることになる。
中空糸膜束収容部71は、吐水部11に対して流下方向D1へ挿入されて取り付けられる。この時、中空糸膜束収容部71の流出口75(流通口の例)が吐水部11の接続口12に挿入される。浄水カートリッジ20は、吸着剤部30、及び、中空糸膜ケース70の外嵌部80が吐水部11から出た状態で吐水部11に固定される。浄水カートリッジ20は、吐水部11から流下方向D1とは反対の方向(延出方向D2)へ引き出すことにより取り外される。従って、浄水カートリッジ20は、吐水ヘッド10に対して着脱可能である。
図3,4等に示すように、吸着剤部30は、筒状の外側不織布31(収容部材の例)、外キャップ38、筒状の内側不織布41、内キャップ48、及び、内嵌部材50(内嵌部の例)を有し、吸着剤AD1が収容されている。
吸着剤AD1には、活性炭、イオン交換体、これらの組合せ、等を用いることができる。吸着剤AD1としての活性炭には、粒状活性炭、繊維状活性炭、粉末状活性炭、これらの組合せ、等を用いることができる。活性炭は、原水に含まれる遊離残留塩素や有機物等の微量成分を除去する。吸着剤AD1としてのイオン交換体には、ゼオライト(沸石)といった無機系のイオン交換体、陽イオン交換樹脂や陰イオン交換樹脂といったイオン交換樹脂、キレート樹脂といったキレート化合物、これらの組合せ、等を用いることができる。ゼオライトや陽イオン交換樹脂は、陽イオン交換機能により金属イオンを吸着する。キレート化合物は、キレート結合で特定の金属イオンを選択的に吸着する。すなわち、ゼオライトや陽イオン交換樹脂やキレート化合物は、金属処理剤として機能する。また、イオン交換体には、粒状、繊維状、粉末状、等の形状のイオン交換体を用いることができる。
外側不織布31は、円筒状に成形され、水が内外方向へ、すなわち、浄水カートリッジ20の中心を通る仮想の軸AX1を中心とする径方向へ流通可能である。従って、吸着剤部30は、水が流通する外側面32を有する。尚、外側不織布31といった収容部材は、円筒状に限定されない。本明細書において、「径」は、「差渡し」、すなわち、「一方から他方へかけ渡すこと。また、その長さ。」を意味する。
外側不織布31の下流側の端部31bは、中空糸膜ケース70の外嵌部80に挿入されて固定される。詳しくは後述するが、外側不織布31の端部31bは、外嵌部80に挿入されると外側不織布31の本体部34の外側面34aよりも内側の外側面35aとされたテーパー部35T(内側配置部35の例)が形成される。外嵌部80に挿入された外側不織布31の内側33には、吸着剤AD1が収容される。従って、外側不織布31は、吸着剤AD1が収容される変形可能な収容部材である。このため、浄水カートリッジ20を吐水部11に取り付ける際に外側不織布31を触ってしまうと、内側33に収容された吸着剤AD1のかさ密度が局所的に変わる可能性がある。吸着剤AD1のかさ密度が局所的に変わると、水の流れがかさ密度の低い部分に偏り、通水性能が低下する可能性がある。
外側不織布31の上流側の端部31aは、図5(b)に示すように、外キャップ38が挿入され、内側へ折り曲げられて外キャップ38の外面38aに溶着される。これにより、外側不織布31の端部31aの開口31oが閉塞される。尚、溶着の代わりに接着剤等で外側不織布31の端部31aと外キャップ38とを接合してもよい。吸着剤部30の上流側の端部30aは、外キャップ38、及び、外側不織布31の端部31aで形成される。
内側不織布41は、外側不織布31よりも細い円筒状に形成され、水が内外方向へ流通可能である。内側不織布41の下流側の端部41bは、中空糸膜ケース70の連絡口74に挿入されて固定される。内側不織布41の上流側の端部41aは、図5(a)に示すように、内キャップ48が嵌め込まれる。これにより、内側不織布41の端部41aの開口41oが閉塞される。内側不織布41の外側には、吸着剤AD1が存在する。内側不織布41の内側43は、連絡口74を介して中空糸膜束収容部71の中に繋がり、吸着対象の物質が除去された水の通路となる。
尚、不織布31,41には、ポリオレフィン(例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、これらの組合せ、といった熱可塑性樹脂(合成樹脂)の繊維等を用いることができる。
内嵌部材50は、環状に成形され、可撓性を有する。内嵌部材50は、図3に示すように、外側不織布31の内側33に挿入され、さらに、下流側縁部50bが中空糸膜ケース70の接続部76の溝77に挿入され、中空糸膜ケース70の外嵌部80とで外側不織布31の下流側の端部31bを挟持する。すなわち、内嵌部材50は、吸着剤部30の一部を兼ねている。接続部76のうち溝77の内側部分となる内接部78は、内嵌部材50の内側53に入って接触している。外側不織布31の端部31bは、変形可能であるので、内接部78により内側への撓みが抑制された内嵌部材50により外側32aの方へ若干圧縮される。このため、吸着剤AD1の流出を防ぐシール性が高い。
図3(b)に示すように、内嵌部材50の外側面51は、上流側縁部50aから下流側縁部50bに向かって径が徐々に小さくなるテーパー面とされている。このテーパー面の傾斜は、後述する外嵌部80の内側面80bの傾斜にほぼ合わせられている。外側面51が下流側縁部50bに向かうにつれて内側53に向かう傾斜を有しているため、外側不織布31の内側33に内嵌部材50を挿入する際、内嵌部材50が外側不織布31の内側33に誘導される。また、内嵌部材50の内側面52には、下流側縁部50bから軸AX1と平行になるように設計された基部52b、及び、上流側縁部50aから基部52bに向かって径が徐々に小さくなる傾斜部52cが形成されている。溝77の内接部78には、基部52bの一部が接触している。基部52bの残りと傾斜部52cは、溝77から出ており、吸着剤AD1に接触することになる。傾斜部52cが上流側縁部50aに向かうにつれて外側に向かう傾斜を有しているため、外側不織布31の本体部34の径を大きくすることができる。これにより、外側不織布31の本体部34の内側面と内側不織布41の外側面との距離が増え、両不織布31,41の間を通過する水と吸着剤AD1との接触時間が長くなり、浄化効率が向上する。また、外側不織布31の内側33に収容される吸着剤AD1の量が増え、その分、浄水カートリッジ20の寿命が長くなる。
内嵌部材50には、合成樹脂、可撓性を示す金属、等を用いることができる。前記合成樹脂には、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS)、ポリオレフィン(例えばPEやPP)、ポリスチレン(PS)、フッ素樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン)、熱可塑性エラストマー、これらの組合せ、といった熱可塑性樹脂等を用いることができる。
以上により、吸着剤部30の下流側、すなわち、流下方向D1における端部30bが中空糸膜ケース70の外嵌部80に保持される。
図3,4,6に示すように、中空糸膜ケース70(流通口部材の例)は、内部空間70cに中空糸膜束BH1が収容された収容部71、外側不織布31の下流側の端部31bが突き当たる接続部76、及び、吸着剤部30の端部30bの外嵌部80が形成されている。
中空糸膜束BH1は、処理対象の水から0.1μm程度以上の細かい濁りや鉄サビや一般細菌を取り除く。中空糸膜束BH1を構成する中空糸膜H1の材質には、ポリオレフィン(例えばPEやPP)、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエーテルスルホン(PES)、これらの組合せ、等を採用することができる。また、これらに酸化アルミニウム(化学量論比でAl23)、酸化ジルコニウム(化学量論比でZr02)、酸化チタン(化学量論比でTi02)、ステンレス(SUS)、ガラス(例えばシラス多孔質ガラス(SPG))、といった無機材料を添加してもよい。例えば、U字状に曲げた中空糸膜H1を複数束ねた中空糸膜束BH1を閉塞端部BH1aから中空糸膜ケース70の内部空間70cに挿入して開口端部BH1bをポッティング剤で固定すると、中空糸膜束BH1が収容された中空糸膜ケース70が形成される。ポッティング剤には、ホットメルトといった熱可塑性樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤やエポキシ樹脂系接着剤やシリコーン樹脂系接着剤や不飽和ポリエステル樹脂系接着剤やフェノール樹脂系接着剤といった硬化性樹脂系接着剤、等を用いることができる。
中空糸膜束収容部71には、中空糸膜束BH1の閉塞端部BH1aに対向する連絡口74が形成されている。中空糸膜束BH1において収容部71に固定された開口端部BH1bは、水の流出口75(流通口の例)とされている。
接続部76には、上記連絡口74が形成され、この連絡口74の周りに溝77が形成されている。図3(b)に示すように、溝77には、外側不織布31の下流側の端部31b、及び、内嵌部材50の一部が挿入される。接続部76は、内嵌部材50の内側53に入って接する内接部78を有している。
外嵌部80は、接続部76の外側において中空糸膜束収容部71から吸着剤部30側(延出方向D2)へ延出し、外側不織布31の下流側の端部31bが挿入される。図6等に示す外嵌部80は、略円筒状に形成され、軸AX1を中心とする全周にわたって中空糸膜束収容部71から吸着剤部30側へ短く延出している。外嵌部80は、内嵌部材50とで外側不織布31の端部31bを挟持し、吸着剤部30の下流側の端部30bを保持する。従って、外嵌部80は、外側不織布31を位置決めする機能と、変形可能な外側不織布31に触らないように指で掴む場所を付与する機能とを有する。詳しくは後述するが、図3に示す外嵌部80の内側面80bは、中空糸膜束収容部71側(下流側)となるほど径が小さくなるテーパー面とされている。
尚、中空糸膜ケース70及びキャップ38,48には、ABS、AS、ポリオレフィン(例えばPEやPP)、PS、フッ素樹脂、これらの組合せ、といった熱可塑性樹脂(合成樹脂)等を用いることができる。
本具体例の浄水カートリッジ20は、図3に示すように、外嵌部80の外側面80aが外側不織布31の本体部34の外側面34aに合わせられているという特徴を有している。ここで、外側面80a,34aの位置に誤差が生じることがある。従って、外嵌部の外側面80aが外側不織布の本体部の外側面34aよりも外側32aへ0.6mm以内にあることや、外嵌部の外側面80aが外側不織布の本体部の外側面34aよりも内側33へ0.6mm以内にあることは、外嵌部の外側面80aが外側不織布の本体部の外側面34aに合わせられていることに含まれる。
外側不織布31の下流側の端部31bを外嵌部80に挿入し易くするため、外嵌部80の内側面80bが下流側となるほど径が徐々に小さくなるテーパー面とされている。このテーパー面を有する外嵌部80に変形可能な外側不織布31の端部31bを挿入すると、該端部31bは、下流側(先端側)となるほど径が徐々に小さくなり、テーパー部35Tが形成される。このテーパー部35Tは、外側不織布31の本体部34の外側面34aよりも内側の外側面35aとされた内側配置部35でもある。図3に示すテーパー部Tは外形が略円錐台形状であり、このテーパー部Tよりも上流側にある本体部34は略円筒形状である。外嵌部の内側面80bが上流側に向かうにつれて外側に向かう傾斜を有しているため、外側不織布31の本体部34の径を大きくすることができる。これにより、外側不織布31の本体部34の内側面と内側不織布41の外側面との距離が増え、両不織布31,41の間を通過する水と吸着剤AD1との接触時間が長くなり、浄化効率が向上する。また、外側不織布31の内側33に収容される吸着剤AD1の量が増え、その分、浄水カートリッジ20の寿命が長くなる。
次に、図2,3を参照して、浄水カートリッジ20が取り付けられた吐水ヘッド10の水の流れを説明する。
切替レバー15が浄水側にある時、吐水ヘッド10の中で浄水カートリッジ20の外側にある水道水は流出しない。図1に示すホース19からの水道水は、図3(a)に示す矢印のように、外側不織布31の外側面32から内側33へ入り、吸着剤AD1(例えば活性炭)により吸着対象の物質(例えば遊離残留塩素や有機物等の微量成分)が除去される。外側不織布内側33の水は、内側不織布41の内側43へ入り、連絡口74から中空糸膜束収容部71の内部空間70cに入る。内部空間70cの水は、中空糸膜束BH1において閉塞端部BH1aから開口端部BH1bへ移動し、0.1μm程度以上の細かい濁りや鉄サビや一般細菌が取り除かれる。開口端部BH1b、すなわち、流出口75からの浄水は、吐水部11から吐出される。
切替レバー15が水道水側にある時、浄水カートリッジ20からの浄水は流出しない。ホース19からの水道水は、吐水ヘッド10の中で浄水カートリッジ20の外側を流下方向D1へ流れ、吐水部11から吐出される。
吐水ヘッド10から使用済みの浄水カートリッジ20を取り外す場合、まず、ねじ11a,18aの螺合を解除する向きに把持部18を回し、吐水部11から把持部18を取り外す。このとき、図2(b)に示すように、吐水部11から浄水カートリッジ20における吸着剤部30及び外嵌部80が出た状態となる。次に、吸着剤部30を触らないように外嵌部80を指で掴み、吐水部11から浄水カートリッジ20を流下方向D1とは反対の方向(延出方向D2)へ引き出せばよい。吐水ヘッド10に新しい浄水カートリッジ20を取り付ける場合、吸着剤部30を触らないように外嵌部80を指で掴み、吐水部11に流出口75から浄水カートリッジ20を流下方向D1へ押し込めばよい。図2(a)に示すように流出口75が吐水部11の接続口12に挿入されると、浄水カートリッジ20が吐水部11に取り付けられる。
以下、図3〜6を参照して、浄水カートリッジ20の製造方法の例を説明する。
まず、中空糸膜ケース70の連絡口74に内側不織布41の端部41bを挿入し、図5(a)に示すように内側不織布41の上流側の端部41aに内キャップ48を取り付ける。これにより、内側不織布41の端部41aの開口41oが閉塞され、内側不織布41の内側43が吸着剤AD1により浄化した水の通路となる。
次に、中空糸膜ケース70の外嵌部80から溝77まで外側不織布31の端部31bを挿入する。このとき、外嵌部80においてテーパー面とされた内側面80bに沿って外側不織布31の端部31bが先細り状に変形し、テーパー部35Tが形成される。なお、不織布31の端部31bをあらかじめ先細り状に加工し、テーパー部35Tを形成しておいてもよい。
さらに、内嵌部材50を外側不織布31の内側33から溝77に入れる。ここで、内嵌部材50の外側面51がテーパー面とされているので、外側不織布31の内側33に内嵌部材50が誘導され、内嵌部材50を挿入し易い。
内嵌部材50の下流側縁部50bが溝77に挿入されると、先細り状に変形した外側不織布31の端部31bは、外嵌部80と内嵌部材50とで挟持される。このため、接着剤を使用しなくても外側不織布31と中空糸膜ケース70とが接続されるが、少量の接着剤を併用することも可能である。ここで、内側不織布41の外側であって外側不織布31の内側33に粒状活性炭といった吸着剤AD1を入れ、図5(b)に示すように外側不織布31の上流側の端部31aに外キャップ38を挿入し、外側不織布31の端部31aを内側へ曲げて外キャップ38の外面38aに溶着する。これにより、外側不織布31の端部31aの開口31oが閉塞され、内側不織布41の外側であって外側不織布31の内側33が吸着剤AD1の収容空間となり、浄水カートリッジ20が形成される。
形成される浄水カートリッジ20は、図3に示すように、外嵌部80の外側面80aが外側不織布31の本体部34の外側面34aに合わせられている。ここで、外側不織布の端部にテーパー部が無い場合、外側不織布の外側面は外嵌部の外側面よりも内側となる。従って、その分、外側不織布に収容される吸着剤の量が少なくなり、濾過能力が低下してしまう。本具体例の浄水カートリッジ20は、外嵌部の外側面80aが外側不織布の本体部の外側面34aに合わせられているので、その分、外側不織布31に収容される吸着剤AD1の量が増え、濾過能力が向上している。
また、変形可能な外側不織布31の端部31bが中空糸膜ケース70の外嵌部80と内嵌部材50とで挟持されるので、接着剤を使用しなくても外側不織布31と中空糸膜ケース70とを接続することができる。従って、本浄水カートリッジは、吸着剤が収容される変形可能な収容部材の通水面積を増やすことが可能となる。尚、接着剤としてホットメルトを使用すると、浄水カートリッジを製造するために予めホットメルトを加温する作業が必要となる。本具体例は、このような作業が不要となるので、浄水カートリッジの製造効率を向上させることができる。
さらに、吸着剤AD1の流出を防ぐ内嵌部材50が吸着剤AD1を収容する部位の一部を兼ねているので、浄水カートリッジのコストが安くなる。
(3)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、浄水カートリッジを設けた水栓は、システムキッチン以外の場所に設けられてもよい。
吐水装置は、浄水と水道水を切替可能な吐水ヘッド以外にも、浄水のみを吐出する吐水ヘッド等でもよい。
流下方向へ並べられる吸着剤及び中空糸膜束は、吸着剤が上流側で中空糸膜束が下流側であることが好ましいものの、中空糸膜束が上流側で吸着剤が下流側でもよい。
流通口部材は、上記中空糸膜ケース70以外にも、中空糸膜束を収容せずに流通口を有する部材等でもよい。流通口は、水の流出口以外にも、水の流入口でもよい。
内嵌部材の形状は、環状以外にも、環の一部を欠いた形状、内側53に格子を有する形状、内側不織布41を貫通させる穴を有するプレート形状、等でもよい。内嵌部材が内側53に格子を有する形状、又は、プレート形状である場合、内側への撓みが抑制される。従って、吸着剤AD1の流出を防ぐシール性が高く、外嵌部80と内嵌部材50とで外側不織布端部31bが強固に保持される。
また、外嵌部とで外側不織布といった収容部材の端部を挟持する内嵌部は、独立した部材に限定されず、中空糸膜ケースといった収容部材に含まれる部位でもよい。
流通口部材の溝には、内嵌部材の全体が挿入されてもよく、また、収容部材の端部と内嵌部材の端部の両方が挿入される以外にも、収容部材の端部が挿入されず内嵌部材の端部のみが挿入されてもよい。
外嵌部に挿入される前の収容部材は、内側配置部の無い筒形状に限定されず、内側配置部が予め成形された形状でもよい。
また、収容部材、外嵌部の内側面、及び、内嵌部は、様々な形状にすることが可能である。以下、図7,8に種々の例を示す。尚、上述した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
例えば、図7(a)に示す浄水カートリッジ20のように、外嵌部80の外側面80aを外側不織布31の本体部34の外側面34aよりも内側としてもよい。この浄水カートリッジ20は、外側不織布31の本体部34の外側面34aが外嵌部80の外側面80aよりも外側32aにあるので、その分、外側不織布31に収容される吸着剤AD1の量が増え、濾過能力が向上している。
また、図7(b)に示す浄水カートリッジ20のように、外側不織布31の端部31bにテーパー部35Tと並行部35Pが形成されてもよい。この浄水カートリッジ20の外嵌部80の外側面80aは、外側不織布31の本体部34の外側面34aに合わせられている。ここで、テーパー部35Tは本体部34から先端側(下流側)に向かって径が徐々に小さくなっている部位であり、並行部35Pはテーパー部35Tから先端まで径が変わらない略円筒状の部位である。内側配置部35には、テーパー部35Tと並行部35Pが含まれる。
外嵌部80及び内嵌部材50の形状は、テーパー部35Tと並行部35Pを有する内側配置部35の形状に合わせられている。外嵌部80の内側面80bには、テーパー部35Tに合わせて中空糸膜束収容部71側(下流側)となるほど径が小さくなるテーパー部80bTと、並行部35Pに合わせて径が変わらない並行部80bPとが含まれる。内嵌部材50の外側面51には、テーパー部35Tに合わせて中空糸膜束収容部71側となるほど径が小さくなるテーパー部51Tと、並行部35Pに合わせて径が変わらない並行部51Pとが含まれる。
ここで、内嵌部材50の並行部51Pには、外側へごく僅かに出た膨出部51aが形成されている。外側不織布31の端部31bは、変形可能であるので、内接部78により内側への撓みが抑制された並行部51Pの膨出部51aにより外側32aの方へ圧縮され、吸着剤AD1の流出を防ぐシール性も高い。並行部51Pの一部にのみ膨出部51aを形成することにより、外側不織布31の並行部35Pに加わる面圧が高まるうえ、並行部35Pの内側33に内嵌部材50を挿入する時の抵抗が少なくなる。このため、浄水カートリッジ20に内嵌部材50を装着し易く、外側不織布31の端部31bを保持する力が強い。また、テーパー部51Tに膨出部を形成する場合と比べても、外側不織布31の端部31bを保持する力が強い。成形のばらつきなどによって外側不織布31と外嵌部80との間に隙間ができたとしても、外側不織布31が変形可能なので、内嵌部材50によって外側不織布31の端部31bを外嵌部80に押し付けることができる。従って、外嵌部80と内嵌部材50とで外側不織布端部31bが強固に保持される。
尚、外側へごく僅かに出た膨出部は、並行部51Pとテーパー部51Tの両方に形成されてもよく、並行部51Pに形成されずにテーパー部51Tに形成されてもよい。
さらに、図7(c)に示す浄水カートリッジ20のように、膨出部51aを有する外側不織布31の本体部34の外側面34aよりも外嵌部80の外側面80aを内側としてもよい。
さらに、図8(a)に示す浄水カートリッジ20のように、外側不織布31の端部31bに複数のテーパー部と複数の並行部が形成されてもよい。ここで、テーパー部35T1は、本体部34から先端側に向かって径が徐々に小さくなっている。並行部35P1は、テーパー部35T1からテーパー部35T2まで径が変わらない略円筒状の部位である。テーパー部35T2は、並行部35P1から先端側に向かって径が徐々に小さくなっている。並行部35P2は、テーパー部35T2から先端まで径が変わらない略円筒状の部位である。
外嵌部80及び内嵌部材50の形状は、テーパー部35T1,35T2と並行部35P1,35P2を有する内側配置部35の形状に合わせられている。外嵌部80の内側面80bには、テーパー部80bT1、並行部80bP1、テーパー部80bT2、及び、並行部80bP2が含まれる。内嵌部材50の外側面51には、テーパー部51T1、並行部51P1、テーパー部51T2、並行部51P2が含まれる。
ここで、内嵌部材50の並行部51P1には、外側へごく僅かに出た膨出部51aが形成されている。従って、外嵌部80と内嵌部材50とで外側不織布端部31bが強固に保持される。
尚、外側へごく僅かに出た膨出部は、並行部51P2とテーパー部51T1,51T2に形成されてもよい。
さらに、図8(b)に示す浄水カートリッジ20のように、外側不織布31の端部31bにテーパー部が無くてもよい。この浄水カートリッジ20の外嵌部80の外側面80aは、外側不織布31の本体部34の外側面34aに合わせられている。内側配置部35は、本体部34との段差部36から先端まで径が変わらない略円筒状の部位である。外側不織布31に段差部36を形成する場合、内側配置部35と段差部36を予め成形する方が好ましい。外嵌部80の内側面80bには、内側配置部35に合わせて径が変わらない並行部80bPと、この並行部80bPから延出方向D2に向かって径が広がるテーパー部80bTとが含まれる。このテーパー部80bTが外嵌部80の内側面80bに形成されていることにより、外側不織布31の端部31bを外嵌部80に挿入し易い。内嵌部材50の外側面51は、内側配置部35に合わせて径が変わらない。
上記浄水カートリッジ20も、外側不織布31の本体部34の外側面34aが外嵌部80の外側面80aに合わせられているので、その分、外側不織布31に収容される吸着剤AD1の量が増え、濾過能力が向上している。
さらに、図8(c)に示す浄水カートリッジ20のように、段差部36を有する外側不織布31の本体部34の外側面34aよりも外嵌部80の外側面80aを内側33としてもよい。この浄水カートリッジ20は、外側不織布31の本体部34の外側面34aが外嵌部80の外側面80aよりも外側32aにあるので、その分、外側不織布31に収容される吸着剤AD1の量が増え、濾過能力が向上している。
尚、外嵌部は、外側不織布といった変形可能な収容部材に触らないように指で掴む場所を付与する機能とともに、収容部材を位置決めする機能を有する。従って、収容部材の端部がテーパー部を有する場合において、中空糸膜ケースといった流通口部材の外嵌部の内側面にテーパー部が無くても、接着剤や超音波溶着等により収容部材と流通口部材とを接続することができる。また、収容部材の端部がテーパー部を有する場合において、外嵌部とで収容部材の端部を挟持する内嵌部が無くても、接着剤や超音波溶着等により収容部材と流通口部材とを接続することができる。いずれの場合も、収容部材に収容される吸着剤の量が増え、浄水カートリッジの濾過能力が向上する。
(4)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、濾過能力を向上させることが可能な浄水カートリッジ、水栓、等の技術を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術等でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…水栓、
10…吐水ヘッド(吐水装置の例)、10a…水道水通路、
11…吐水部、12…接続口、15…切替レバー、
18…把持部、19…ホース、
20…浄水カートリッジ、
30…吸着剤部、30a,30b…端部、
31…外側不織布(収容部材の例)、31a,31b…端部、
32…外側面、32a…外側、33…内側、
34…本体部、34a,35a…外側面、
35…内側配置部、35P…並行部、35T…テーパー部、36…段差部、
38…外キャップ、38a…外面、
41…内側不織布、41a,41b…端部、43…内側、48…内キャップ、
50…内嵌部材(内嵌部の例)、50a…上流側縁部、50b…下流側縁部、
51…外側面、51a…膨出部、
52…内側面、52b…基部、52c…傾斜部、53…内側、
70…中空糸膜ケース(流通口部材の例)、70c…内部空間、
71…収容部、74…連絡口、
75…流出口(流通口の例)、
76…接続部、77…溝、78…内接部、
80…外嵌部、80a…外側面、80b…内側面、
AD1…吸着剤、
BH1…中空糸膜束、BH1a…閉塞端部、BH1b…開口端部、
D1…流下方向、D2…延出方向、
H1…中空糸膜。

Claims (5)

  1. 水が流通可能であり、吸着剤が収容される変形可能な収容部材と、
    水の流通口、及び、前記収容部材の端部が挿入される外嵌部を有する流通口部材と、を備え、
    前記収容部材の端部の内側に挿入されて前記外嵌部とで前記収容部材の端部を挟持する内嵌部が設けられ、
    前記収容部材の端部は、該収容部材の本体部の外側面よりも内側の外側面とされた内側配置部を有し、
    前記外嵌部の外側面は、前記収容部材の本体部の外側面よりも内側とされるか、該本体部の外側面に合わせられている、浄水カートリッジ。
  2. 前記内嵌部が環状である、請求項1に記載の浄水カートリッジ。
  3. 前記内嵌部が可撓性であり、
    前記流通口部材は、前記収容部材の端部が突き当たる接続部を有し、
    該接続部は、少なくとも前記内嵌部の一部が入る溝と、前記内嵌部の内側に入って接する内接部とを有する、請求項1又は請求項2に記載の浄水カートリッジ。
  4. 水が流通可能であり、吸着剤が収容される変形可能な収容部材と、
    水の流通口、及び、前記収容部材の端部が挿入される外嵌部を有する流通口部材と、を備え、
    前記収容部材の端部は、先端側となるほど細くなるテーパー部を有し、
    前記外嵌部の外側面は、前記収容部材の本体部の外側面よりも内側とされるか、該本体部の外側面に合わせられている、浄水カートリッジ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の浄水カートリッジと、該浄水カートリッジを着脱可能な吐水装置と、を備える、水栓。
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