JP6185762B2 - プレキュアトレッド、プレキュアトレッドの製造方法及びタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、プレキュアトレッドの裏面にバフ処理を施す場合には、ゴム粉が発生するため、このゴム粉の回収作業(清掃作業)が増える。また、プレキュアトレッドのバフ処理には、専用の装置を用いる必要があるため、専用装置へのプレキュアトレッドのセッティングや、装置自体のメンテナンスなどが増えるため、タイヤ製造に係る作業が煩雑化する虞がある。
また、上記プレキュアトレッドでは、凹凸形成部材の折り返した部分(折り返し部)がトレッドゴムの裏面に他の部位と比べて埋設さていない(言い換えると、トレッドゴムの裏面に他の部位と比べて貼り付いていない)ため、折り返し部をつかんで凹凸形成部材をトレッドゴムの裏面から剥がすことができる。これにより、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥離しやすくなる。
また、上記プレキュアトレッドでは、繊維状の剥離部材の両端部を凹凸形成部材よりもトレッド幅方向外側の位置でトレッドゴムから露出させていることから、この剥離部材の両端部を見つけやすい。また、剥離部材の両端部をつかみ、該剥離部材をトレッドゴムの裏面から引っ張り出すことで、凹凸形成部材も剥離部材に引っ張られてトレッドゴムの裏面から剥がされる。これにより、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥離しやすくなる。
ここで、上記のようにして製造されたプレキュアトレッドでは、トレッドゴムの裏面に凹凸形成部材の一方の面(凹凸面)が埋設されていることから、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥がすことで、凹凸形成部材の一方の面の凹凸と対になる凹凸部がトレッドゴムの裏面に形成される(現れる)。すなわち、トレッドゴムから凹凸形成部材を剥がすという簡単な作業でプレキュアトレッドの裏面に凹凸部を形成することができる。
また、上記プレキュアトレッドでは、凹凸形成部材の折り返した部分(折り返し部)がトレッドゴムの裏面に他の部位と比べて埋設されていない(言い換えると、トレッドゴムの裏面に他の部位と比べて貼り付いていない)ため、折り返し部をつかんで凹凸形成部材をトレッドゴムの裏面から剥がすことができる。これにより、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥離しやすくなる。
ここで、上記のようにして製造されたプレキュアトレッドでは、トレッドゴムの裏面に凹凸形成部材の一方の面(凹凸面)が埋設されていることから、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥がすことで、凹凸形成部材の一方の面の凹凸と対になる凹凸部がトレッドゴムの裏面に形成される(現れる)。すなわち、トレッドゴムから凹凸形成部材を剥がすという簡単な作業でプレキュアトレッドの裏面に凹凸部を形成することができる。
また、上記プレキュアトレッドでは、繊維状の剥離部材の両端部を凹凸形成部材よりもトレッド幅方向外側の位置でトレッドゴムから露出させていることから、この剥離部材の両端部を見つけやすい。また、剥離部材の両端部をつかみ、該剥離部材をトレッドゴムの裏面から引っ張り出すことで、凹凸形成部材も剥離部材に引っ張られてトレッドゴムの裏面から剥がされる。これにより、トレッドゴムの裏面から凹凸形成部材を剥離しやすくなる。
そして、未加硫ゴムを加硫することで、タイヤ骨格部材とトレッドゴムが強固に接合(加硫接着)される。このようにして、タイヤが製造される。
まず、プレキュアトレッド10の成型に用いるトレッド成型用型50について説明する。図4に示すように、トレッド成型用型50は、上下半割りの上型52と下型54とで形成されている。上型52には、プレキュアトレッド10の表面12A側を形成するための凹部52Aが形成されている。この凹部52Aの底面52Bには、プレキュアトレッド10の表面12Aにトレッドパターンとしての主溝14を形成するためのリブ(図示省略)などが形成されている。
一方、下型54には、プレキュアトレッド10の裏面12B側を形成するための凹部54Aが形成されている。
ここで、上型52及び下型54を合わせると、凹部52A及び凹部54Aによって有端状のプレキュアトレッド10と断面形状が同一のキャビティが形成される。
なお、本実施形態のトレッド成型用型50は、タイヤ60を構成するのに必要とされる長さよりも長い有端状のプレキュアトレッド100を成型することができる。
(凹凸形成部材載置工程)
図4に示すように、まず、下型54の凹部54Aの底面54Bに凹凸形成部材16を、一方の面16Aを上にして載置する。このとき、凹凸形成部材16の一部を他方の面16B同士が重なるように折り返しつつ、折り返し部18にゴムとの接着を回避するためのゴムに対して非接着性を有する非接着層19を設けてから、凹凸形成部材16を下型54の底面54Bに載置する。
次に、図4に示すように、下型54の凹部54A内の凹凸形成部材16上に未加硫のトレッドゴム12Gを配設し、上型52と下型54を合わせて(閉じて)キャビティ内のトレッドゴム12Gを所定時間加圧すると共に加硫する。このとき、トレッドゴム12Gの裏面12Bとなる部分に凹凸形成部材16の一方の面16A側が埋め込まれると共に、トレッドゴム12Gの表面12Aとなる部分に底面52Bのリブ(図示省略)によってトレッドパターンが形成される。
なお、トレッドゴム成型工程においては、トレッドゴム12を、最終製品として必要とされる加硫度に至るまで加硫しても、最終製品として必要とされる加硫度には至らない程度に加硫してもよい。
次に、トレッドゴム成型工程において加硫されたプレキュアトレッド100を所定の長さに裁断する。なお、ここでいう所定の長さとは、各タイヤの仕様に応じたトレッドの長さを指すものであり、本実施形態では、タイヤ60を構成するのに必要とされる長さを指している。
上述の第1実施形態に係るプレキュアトレッドの製造方法により製造されたプレキュアトレッド10は、図3に示すように、加硫済みまたは半加硫状態のトレッドゴム12の裏面12Bに凹凸形成部材16の一方の面16A(凹凸面)が埋設されていることから、トレッドゴム12の裏面12Bから凹凸形成部材16を剥がすことで、凹凸形成部材16の一方の面16Aの凹凸と対になる凹凸部(微細な凹凸部)がトレッドゴム12の裏面12Bに形成される(現れる)。すなわち、トレッドゴム12から凹凸形成部材16を剥がすという簡単な作業でトレッドゴム12の裏面12Bに凹凸部を形成することができる。これにより、プレキュアトレッド10の裏面12Bに接着剤が付き易くなる。
以上、プレキュアトレッド10では、裏面12Bに簡単に凹凸部を形成することができる。そして、プレキュアトレッド10の製造方法では、上記のようなプレキュアトレッド10を簡単に製造することができる。
また、凹凸形成部材16の重なり部分に非接着層19を設けてもよい。
なお、本実施形態のタイヤの製造方法で製造されるタイヤ60には、プレキュアトレッド10が用いられる。
図11に示すように、タイヤ60は、円環状のタイヤ骨格部材62と、このタイヤ骨格部材62のタイヤ径方向外側に配設されたトレッド80と、を有している。なお、トレッド80は、プレキュアトレッド10をタイヤ骨格部材62に接合したものであり、加硫済みのものである。また、図11及び図12では、タイヤ幅方向を矢印Wで示し、タイヤ径方向を矢印Kで示している。なお、「タイヤ幅方向外側」とは、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLから離れる側を指し、「タイヤ幅方向内側」とは、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近づく側を指している。また、タイヤ60においては、タイヤ幅方向と前述のトレッド幅方向は同一の方向を指し、タイヤ周方向と前述のトレッド長手方向は同一の方向を指している。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。なお、走行時に必要とされる弾性と製造時の成形性等を考慮すると熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
また、樹脂材料の同種とは、エステル系同士、スチレン系同士などの形態を指す。
(タイヤ骨格部材形成工程)
まず、図12に示すように、熱可塑性材料を用いて円環状のタイヤ骨格部材62を形成する。
一方、補強層75を構成する補強コード74を熱可塑性材料で被覆している場合には、補強コード74の表面を加熱して溶かしながらクラウン部68タイヤ周方向に螺旋状に巻き付けて補強層75を形成してもよい。なお、補強コード74の表面とクラウン部68の双方を加熱しながらクラウン部68に補強コード74を螺旋状に巻き付けてもよい。
次に、図12に示されるように、タイヤ骨格部材62の外周面62Aに未加硫のクッションゴム76を配置する。このとき、外周面62Aをバフ処理(例えば、サンドペーパーやグラインダ等でバフ処理)して微細な凹凸を形成してから例えば1層又は2層の接着剤77を塗布することが好ましい。なお、バフ処理後に外周面62Aをアルコール等で洗浄して脱脂したり、コロナ処理や紫外線照射処理したりすることが好ましい。接着剤77の塗布は、湿度70%以下の雰囲気で行うことが好ましい。接着剤77は、特定の種類に限定されるものではないが、例えばトリアジンチオール系のものを用いることができ、他には塩化ゴム系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤、ハロゲン化ゴム系接着剤等も用いてもよい。
次に、前述したプレキュアトレッドの製造方法を用いて有端状のプレキュアトレッド10(図1参照)を製造する。
そして、図13に示すように、プレキュアトレッド10の両端部12X同士を突き合わせると共に、突合せ部分に未加硫ゴム(図示省略)を配置する。その後、未加硫ゴムを加硫装置48で加硫することで、両端部12X同士が接合(加硫接着)されてプレキュアトレッド10が無端状となる。なお、図13では、凹凸形成部材16を破線で示している。
次に、図14に示すように、凹凸形成部材16の折り返し部18をつかんでプレキュアトレッド10から凹凸形成部材16を剥がす。ここで、プレキュアトレッド10の両端部12X同士を接合した際に、凹凸形成部材16の端部が両端部12X同士を接合するための未加硫ゴムに埋まり、つかみにくい、または、つかめないことがあり、剥離作業が難しくなることがあるが、本実施形態では、凹凸形成部材16に剥離起点として折り返し部18を形成しているため、この折り返し部18をつかむことで、凹凸形成部材16を剥がす剥離作業を容易にすることができる。なお、図14では、凹凸形成部材16を破線で示している。
次に、図12に示すように、クッションゴム76の外周にプレキュアトレッド10を配設し、クッションゴム76を介してタイヤ骨格部材62とプレキュアトレッド10を加硫接合(加硫接着)する。この方法について簡単に説明する。
この状態でバルブ92から真空引きを行うことで、エンベロープ88をプレキュアトレッド10と、クッションゴム76と、少なくともタイヤ骨格部材62に密着させて、プレキュアトレッド10と、クッションゴム76と、少なくともタイヤ骨格部材62のプレキュアトレッド10をタイヤ骨格部材62側に押し付けることができる。一対の支持部材96の間には、所定の間隙98が設けられている。加硫時の圧力を、この間隙98を通じて(矢印C方向)、タイヤ骨格部材62の内面側に作用させることで、タイヤ骨格部材62の形状を保つことができる。
なお、上述の製造の手順については、適宜入れ替えてもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係るプレキュアトレッド、プレキュアトレッドの製造方法、及びタイヤの製造方法について説明する。なお、第1実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
また、図25及び図26に示すように、プレキュアトレッド40は、トレッドゴム12の裏面12Bに配置された凹凸形成部材16を有している。この凹凸形成部材16は、第1実施形態と同じ構造のものである。なお、本実施形態では、凹凸形成部材16は、1枚で裏面12Bを覆っており、折り返し部を形成していない。
(凹凸形成部材載置工程)
図28に示すように、まず、下型54の凹部54Aの底面54Bに凹凸形成部材16を、一方の面16Aを上にして載置する。
次に、図28に示すように、凹凸形成部材16の一方の面16A上にトレッド幅方向に延びるように繊維状の剥離部材42を載置すると共に該剥離部材42の両端部42Aを凹凸形成部材16よりもトレッド幅方向外側の位置までそれぞれ延ばしてから、トレッド成型用型50内に未加硫のトレッドゴム12を配設する。
まず、本実施形態のプレキュアトレッドの製造方法で製造されたプレキュアトレッド40を、両端部12X同士を接合(加硫接着)して無端状とする。
そして、凹凸形成部材16を裏面12Bから剥離する。このとき、剥離部材42の両端部を凹凸形成部材16よりもトレッド幅方向外側の位置でトレッドゴム12の裏面12Bから露出させていることから、この剥離部材42の両端部を見つけやすい。また、図29に示すように、剥離部材42の両端部をつかみ、該剥離部材42をトレッドゴム12の裏面12Bから引っぱり出すことで、凹凸形成部材16も剥離部材42に引っ張られてトレッドゴム12の裏面12Bから剥がされる。これにより、トレッドゴム12の裏面12Bから凹凸形成部材16を剥離しやすくなる。
12 トレッドゴム
12A 表面
12B 裏面
16 凹凸形成部材
16A 一方の面
16B 他方の面
18 折り返し部
19 非接着層
30 折り返し部
32 折り返し部
40 プレキュアトレッド
42 剥離部材
42A 端部
50 トレッド成型用型
54B 底面
60 タイヤ
62 タイヤ骨格部材
80 トレッド
84 ゴムセメント組成物(接着剤)
112 台タイヤ(タイヤ骨格部材)
120 更生タイヤ(タイヤ)
Claims (7)
- 無端状とされ、表面にトレッドパターンが形成された加硫済みまたは半加硫状態のトレッドゴムと、
前記トレッドゴムの長手方向に沿って配置され、少なくとも一方の面が凹凸面とされ、前記一方の面側が前記トレッドゴムの裏面に埋設され、長手方向の端部が前記トレッドゴムの裏面側に対して反対側に折り返されたシート状の凹凸形成部材と、
を有するプレキュアトレッド。 - 前記凹凸形成部材は、金属繊維または有機繊維で形成される布である、請求項1に記載のプレキュアトレッド。
- 請求項1又は請求項2に記載のプレキュアトレッドを製造するための製造方法であって、
少なくとも一方の面が凹凸面とされたシート状の凹凸形成部材の長手方向の端部を他方の面同士が重なるように折り返してから、前記凹凸形成部材を前記一方の面を上にしてトレッド成型用型の底面に載置する凹凸形成部材載置工程と、
前記トレッド成型用型内の前記凹凸形成部材上に未加硫のトレッドゴムを配設し、該トレッドゴムを加圧すると共に加硫して該トレッドゴムに前記凹凸形成部材の一方の面側を埋め込みつつトレッドパターンを形成するトレッドゴム成型工程と、
を有するプレキュアトレッドの製造方法。 - 前記凹凸形成部材載置工程では、前記凹凸形成部材の折り返し部分に前記トレッドゴムに対して非接着性を有する非接着層を設けてから、前記凹凸形成部材を前記トレッド成型用型の底面に載置する、請求項3に記載のプレキュアトレッドの製造方法。
- 前記凹凸形成部材は、金属繊維または有機繊維で構成される布である、請求項3又は請求項4に記載のプレキュアトレッドの製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載のプレキュアトレッドの前記トレッドゴムから前記凹凸形成部材を剥がして該トレッドゴムに凹凸部を形成し、該凹凸部に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
ゴムまたは樹脂材料を環状に形成したタイヤ骨格部材の外周に未加硫ゴムを配設すると共に該未加硫ゴムの外周に前記凹凸部が接触するように前記トレッドゴムを配設し、前記未加硫ゴムを加硫して前記タイヤ骨格部材と前記トレッドゴムを接合するトレッドゴム接合工程と、
を有するタイヤの製造方法。 - 前記タイヤ骨格部材は、熱可塑性材料で構成されている、請求項6に記載のタイヤの製造方法。
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