JP5666201B2 - タイヤ補修方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ補修方法に関する。
従来、乗用車等の車両には、ゴム、有機繊維材料、スチール部材等から構成された空気入りタイヤが用いられている。また、近年では、軽量化やリサイクルのし易さから、タイヤ骨格部材に熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂等の熱可塑性材料を用いることが求められている。例えば特許文献1には、熱可塑性の高分子材料を用いて成形された空気入りタイヤが開示されている。
特開平3−143701号公報
このような熱可塑性材料からなるタイヤでは、タイヤ骨格部材が熱可塑性材料で構成されているため、タイヤ骨格部材が損傷を受けたときに、従来の一般的なゴムタイヤと同様の補修方法を行うことができない。
すなわち、従来の一般的なゴム製タイヤでは、たとえばパンク修理時に、必要に応じて異物を除去し、損傷部分(補修対象部分)に未加硫ゴム(ゴムセメント)を塗布等により供給したのち、加硫済みゴムを圧入等して、補修が行われる。
しかし、熱可塑性材料を用いたタイヤにおいては、熱可塑性材料とゴムとの間で強固な接着力を得ることが困難であるため、上記の方法では十分なエアシール性や耐久性を得ることが困難となる。
本発明は、上記事実を考慮して、一部が熱可塑性材料により構成された熱可塑性部材を有するタイヤに対し、十分なエアシール性及び耐久性を得て熱可塑性部材を補修することが可能なタイヤ補修方法を得ること、を目的とする。
請求項1に記載の発明では、一部が熱可塑性材料により構成された熱可塑性部材を有するタイヤに対し、前記熱可塑性部材の補修対象部位に対し加熱気体を吹き付け前記熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱して補修対象部位を溶融させ補修する。
請求項2に記載の発明では、一部が熱可塑性材料により構成されると共にタイヤの骨格部分を構成するタイヤ骨格部材とされている熱可塑性部材を有するタイヤに対し、前記熱可塑性部材の補修対象部位を前記熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱して補修対象部位を溶融させ補修する。
これらのタイヤ補修方法では、熱可塑性材料で構成された熱可塑性部材の補修対象部位に対し、この熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱する。これにより、加熱された部位、すなわち補修対象部位の熱可塑性部材を部分的に溶融させ、補修することができる。補修対象部位にゴムを供給して補修しないので、十分なエアシール性や耐久性が得られる。
特に、請求項1に記載の発明では、補修対象部位に対し加熱気体を吹き付け前記熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱して補修対象部位を溶融させる。
加熱気体を補修対象部位に吹き付けて補修対象部位を溶融させることで、加熱のための部材を補修対象部位に接触させる必要がなくなるので、補修対象部位にこのような部材が接触することによる不用意な変形を防止できる。
請求項2に記載の発明では、熱可塑性部材が、タイヤの骨格部分を構成するタイヤ骨格部材とされている。
タイヤ骨格部材を熱可塑性部材で構成することで、タイヤ骨格部材の再利用(リサイクル)が容易になる。特に、特に熱可塑性樹脂とすることで、タイヤの軽量化を図ることができる。また、樹脂はゴム(加硫ゴム)と比較して成形が容易な場合が多く、製造に必要なエネルギーを少なくすることも可能になる。また、熱可塑性エラストマー(TPE)等を用いると、走行時の弾性と製造時の成形性を高く維持できる。
この熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。また熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
そして、このようにタイヤ骨格部材を熱可塑性部材で構成したタイヤに対し、補修対象部位を高いエアシール性及び耐久性を確保して補修できる。
なお、補修対象部位としては、たとえば、熱可塑性部材を貫通する孔が形成されてしまった部位が含まれるが、これだけでなく、熱可塑性材料の表面や内部に亀裂や損傷が生じた部位等も含まれる。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記補修対象部位に対し、前記熱可塑性材料と同種の材料を供給し溶融させつつ前記補修を施す。
このように、熱可塑性材料と同種の材料を供給しつつ補修することで、補修対象部位をより強固に補修することが可能となる。特に、補修対象部位において、熱可塑性材料の一部が欠損している場合は、この欠損分を補うことができる。
なお、「熱可塑性材料と同種の材料」としては、熱可塑性材料と同一の材料が含まれるが、これだけでなく、溶融状態で融着して一体化するような材料も含まれる。
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記補修対象部位に対し加熱部材を直接的に接触させて補修対象部位を溶融させ前記補修を施す。
加熱部材を補修対象部位に直接的に接触させて補修対象部位を溶融させることで、効率的に補修対象部位を加熱することができる。
請求項5に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記タイヤ骨格部材に対しタイヤ外側から前記補修を施す。
タイヤ外側からタイヤ骨格部材を補修するので、タイヤ外側に補修対象部位が存在している場合に、容易に補修できる。
請求項6に記載の発明では、請求項2又は請求項5に記載の発明において、前記タイヤ骨格部材に対しタイヤ内側から前記補修を施す。
タイヤ内側からタイヤ骨格部材を補修するので、タイヤ内側に補修対象部位が存在している場合に、容易に補修できる。
なお、請求項5に記載の、タイヤ径外側からのタイヤ骨格部材の補修と、請求項6に記載の、タイヤ内側からのタイヤ骨格部材の補修とは、択一的にのみ選択されるものではなく、併用することが可能である。
本発明では、一部が熱可塑性材料により構成された熱可塑性部材を有するタイヤに対し、十分なエアシール性及び耐久性を得て熱可塑性部材を補修することができる。
タイヤ骨格部材、接着剤、クッションゴム、ゴムセメント組成物及びトレッドゴムを示す分解断面図である。 タイヤ骨格部材にトレッドゴムが接着されたタイヤを示す断面図である。 本発明の第1実施形態のタイヤ補修方法によりタイヤを補修する工程を(A)〜(C)へと順に示す説明図である。 本発明の第2実施形態のタイヤ補修方法によりタイヤを補修する工程を(A)〜(C)へと順に示す説明図である。 本発明の第3実施形態のタイヤ補修方法によりタイヤを補修する工程を(A)〜(C)へと順に示す説明図である。 本発明のタイヤ補修方法により加熱部材をタイヤ骨格部材に接触させて補修する工程を(A)〜(C)へと順に示す説明図である。 本発明のタイヤ補修方法によりタイヤをタイヤ骨格部材の内側から補修する工程を(A)〜(C)へと順に示す説明図である。 タイヤ骨格部材として3列のチューブ体を用いたタイヤを示す断面図である。 チューブ体を示す断面図である。 タイヤ骨格部材として単列のチューブ体を用いたタイヤを示す断面図である。
以下、本発明のタイヤ補修方向を説明するが、まず、このタイヤ補修方法において補修対象となっているタイヤ10について説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るタイヤ10では、特に熱可塑性材料を用いてタイヤ骨格部材12を形成し、このタイヤ骨格部材12の外周面12Aに、未加硫ゴムの一例であるクッションゴム14を配置し、更にこのクッションゴム14のタイヤ直径方向外側に、加硫済み又は半加硫状態のトレッドゴム16を配置している。そして、これらを被覆部材(エンベロープなど)覆って容器収容し、例えば加熱及び加圧を行って加硫を行うことで、トレッドゴム16をタイヤ骨格部材12に接着する、というものである。なお、後述するように、タイヤ骨格部材12を構成する材料としては、熱可塑性の材料(熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー)を用いることができる。
(タイヤ骨格部材)
タイヤ骨格部材12は、熱可塑性材料を用いて、例えばタイヤ10のクラウン部24に対応した形状と、このクラウン部24のタイヤ軸方向両側から夫々タイヤ径方向内側に連なるサイド部26に対応した形状と、このサイド部26のタイヤ径方向内側に連なるビード部28に対応した形状とを有するように成型される。ビード部28には、ビードコア30が埋設される。このビードコア30の材料には、例えば金属、有機繊維、有機繊維を樹脂で被覆したもの、又は硬質樹脂が用いられる。なお、ビード部28の剛性が確保され、リム(図示せず)との嵌合に問題がなければ、ビードコア30を省略してもよい。
タイヤ骨格部材12を構成する材料としては、ゴム様の弾性を有する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)等を用いることができる。たとえば、走行時の弾性と製造時の成形性を考慮すると、熱可塑性エラストマーを用いることが望ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。
また熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
更にこれらの熱可塑性材料としては、例えば、ISO75−2又はASTM D648に規定される荷重たわみ温度(0.45MPa荷重時)が78℃以上、JIS K7113に規定される引張降伏強さが10MPa以上、同じくJIS K7113に規定される引張降伏点伸びが10%以上、同じくJIS K7113に規定される引張破壊伸びが50%以上、JIS K7206に規定されるビカット軟化温度(A法)が130℃以上であるものを用いることができる。
このタイヤ骨格部材12は、まず、例えばタイヤ10のタイヤ幅方向の中心部、即ちタイヤ赤道面CL、又はその近傍面を中心とした半割り形状に成型され、クラウン部24の端部同士を接合することにより構成される。この接合には、例えば同種又は異種の熱可塑性材料や溶融樹脂を用いた溶接法、あるいは、端部の間に熱板を挟みつけ、端部どうしを接近する方向に押付ながら熱板を除去して、端部において溶融状態になっている半割り形状品を溶着する熱板溶着方等により、接合してもよい。さらに、これらと併用して、接着剤等の接合部材34を用いてもよい。
クラウン部24には、補強用のコード32が例えば螺旋状に巻回されている。このコード32としては、例えばスチールコードや、金属繊維や有機繊維等のモノフィラメント(単線)又はこれらの繊維を撚ったマルチフィラメント(撚り線)を用いるとよい。コード32としてスチールコードを用いる場合、例えばクラウン部24のタイヤ直径方向外側に、熱可塑性材料からなるシート(図示せず)を貼り付けておき、コード32を加熱しながら、該シートに対してタイヤ周方向に螺旋巻きして埋設して行くことができる。このとき、コード32とシートの双方を加熱するようにしてもよい。
このように、クラウン部24に対して、補強用のコード32を、タイヤ周方向に螺旋巻きすることで、クラウン部24のタイヤ周方向の剛性を向上させると共に、クラウン部24の耐破壊性を向上させることができる。またこれによって、タイヤ10のクラウン部24における耐パンク性を高めることができる。なお、クラウン部24を補強するに際し、コード32をタイヤ周方向に螺旋状に巻回することが、製造上容易であるため好ましいが、コード32をタイヤ幅方向において不連続としてもよい。またタイヤ骨格部材12(例えば、ビード部28、サイド部26、クラウン部24等)に、更なる補強材(高分子材料や金属製の繊維、コード、不織布、織布)を埋設配置してタイヤ骨格部材12を補強してもよい。
タイヤ骨格部材12のビード部28のうち、リム(図示せず)に嵌合する部位には、シール層36が設けられる。これにより、ビード部28のリムフィット性を高めることができる。このシール層36としては、タイヤ骨格部材12に用いられる熱可塑性材料よりもシール性の高い、ゴムや樹脂、エラストマー等を用いることができる。なお、タイヤ骨格部材12に用いられる熱可塑性材料のみでリムとの間のシール性が確保できれば、シール層36を省略してもよい。
タイヤ骨格部材12の外周面12Aには、例えば予め凹凸部を設けておき、クッションゴム14(図1)が加硫後にこれらの凹凸部と嵌まり合うようにすることが好ましい。この凹凸部は、金型により容易に形成することが可能である。クッションゴム14は加熱により粘度が低下して流動しやすくなるので、凹凸部に対して隙間なく接合することができる。凹凸部としては、タイヤ骨格部材12の外周面12Aに、タイヤ周方向に沿って延びる稜線状の凸部と凹部とを、タイヤ幅方向に交互に形成したものとすることができる。また、タイヤ骨格部材12の外周面12Aに、複数の円柱状又は逆円錐台状の凸部をタイヤ半径方向外側に立設すると共に、凸部を例えば千鳥配置した構造のものであってもよい。
(クッションゴム及びトレッドゴムの配置)
図1に示すように、タイヤ骨格部材12の外周面12Aにクッションゴム14を配置する際、外周面12Aに例えば1層又は2層の接着剤40を塗布することが好ましい。この接着剤40の塗布は、湿度70%以下の雰囲気で行うことが好ましい。接着剤40は、特定の種類に限定されるものではないが、例えばトリアジンチオール系のものを用いることができ、他には塩化ゴム系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤、ハロゲン化ゴム系接着剤等も用いることができる。
また、外周面12Aに接着剤40を塗布する前に、外周面12Aをサンドペーパーやグラインダ等でバフ掛けしておくことが好ましい。外周面12Aに接着剤40が付き易くなるからである。更に、バフ掛け後の外周面12Aをアルコール等で洗浄して脱脂しておくことが好ましい。またバフ掛け後の外周面12Aに対し、コロナ処理や紫外線照射処理を行うことが好ましい。
加硫済み又は半加硫状態のトレッドゴム16を、クッションゴム14のタイヤ直径方向外側に配置する際には、トレッドゴム16の裏面側やクッションゴム14の外周面側に、粘着性を有する部材、例えばゴムセメント組成物42を塗布しておくことが好ましい。これにより、トレッドゴム16がクッションゴム14に貼り付くことで仮止め状態となり、作業性が向上するからである。
トレッドゴム16の材質として、SBR(スチレン−ブタジエンゴム)を用いる場合には、ゴムセメント組成物42として、例えばSBR系のスプライスセメントを用いることが好ましい。また、トレッドゴム16の材質として、NR(天然ゴム)の配合比の高いSBR系ゴムを用いる場合には、SBR系のスプライスセメントにBR(ブタジエンゴム)を配合したものを用いることが好ましい。この他、ゴムセメント組成物42として、液状BR等の液状エラストマーを配合した無溶剤セメントや、IR(イソプレンゴム)−SBRのブレンドを主成分とするセメントを用いることが可能である。
トレッドゴム16は、予め踏面16A側に主溝等のトレッドパターンが形成されたPCT(Pre−Cured Tread)である。トレッドパターンを形成するため、未加硫ゴムをPCT用金型内で加硫して、トレッドゴム16を成型する。このとき、トレッドゴム16は、最終製品として必要とされる加硫度に至った加硫済み状態、又は未加硫の状態よりは加硫度が高いが、最終製品として必要とされる加硫度には至っていない半加硫状態とされる。特に、本実施形態に係るトレッドゴム16には、たとえば図10−2に示されるように、タイヤ周方向に沿って延在する環状の凹み部16Bが1本又は複数本(本実施形態は2本)形成されており、凹み部16Bが形成された部分は薄肉部16Cとされると共に、凹み部16Bが形成されていない部分は薄肉部16Cに対して相対的に厚肉の厚肉部16Dとされている(図1等参照)。本実施形態では特に、凹み部16Bはタイヤ周方向に沿って環状に形成されており、タイヤ10の主溝となっている。薄肉部16C及び厚肉部16Dの肉厚は、タイヤとして求められる性能を満たせば特に限定されるものではないが、たとえば、薄肉部16Cの肉厚T1は1mm程度、タイヤセンター部(最も厚い部分)における厚肉部16Dの肉厚T2は5mm程度とされる。
トレッドゴム16をクッションゴム14の外周に配置するに際しては、帯状のトレッドゴム16をクッションゴム14の外周に円環状に巻き付けるようにしてもよいし、予め円環状に形成されたトレッドゴム16を用いてもよい。
次に、本実施形態に係るタイヤ補修方法について説明する。
図3(A)には、タイヤ骨格部材12のサイド部26に異物18が突き刺さってサイド部26が穿孔されてしまった状態(いわゆるバンク状態)が示されている。この穿孔部分が、補修対象部位12Tとなっている。
まず、タイヤ骨格部材12から異物18を除去する。この段階では、補修対象部位12Tのタイヤ骨格部材12に、厚み方向に貫通する貫通孔12Hが生じてしまっている。したがって、タイヤを再使用するためには、この貫通孔12Hを塞ぐ必要があり、そのために本実施形態のタイヤ補修方法を適用する。
タイヤ骨格部材12から異物18を除去した後、図3(B)に示すように、タイヤ骨格部材12の外側(タイヤ外側)において、熱風発生装置20から熱風を補修対象部位12Tに吹き付けて供給する。この熱風発生装置20の熱風(加熱気体)は、タイヤ骨格部材12を構成している熱可塑性材料の融点以上の温度とされている。したがって、タイヤ骨格部材12が補修対象部位12Tで溶融され、貫通孔12Hの周囲の熱可塑性材料が貫通孔12Hを塞ぐ。
その後、補修対象部位12Tへの熱供給を停止し、補修対象部位12Tを冷却することで、タイヤ10を再使用可能となる。なお、冷却は、たとえば冷風を補修対象部位12T(熱可塑性材料が溶融した部位)に供給したり、タイヤ10の全体を冷却装置に投入したりすることで積極的に行ってもよいが、通常の環境において自然冷却してもよく、この場合には、実質的に放置すればよいため、冷却のための特別な工程は不要となる。
以上の説明から分かるように、本実施形態のタイヤ補修方法では、タイヤ骨格部材12が熱可塑性材料で構成されていることに着目し、熱な塑性材料自体を溶融させることでタイヤ10を補修している。補修対象部位に、ゴム等の樹脂材料との接着性が低い補修材料を供給する必要がなく、補修後のタイヤ10に高い耐久性が得られる。上記のようにタイヤ骨格部材12に貫通孔12Hが生じていても、高いエアシール性で貫通孔12Hを塞ぐことができる。
図4(A)〜(C)には、本発明の第2実施形態のタイヤ補修方法が示されている。第2実施形態では、タイヤ骨格部材12から異物18を除去する工程(図4(A))は第1実施形態と同様であるが、次に補修対象部位12Tを加熱する際に、タイヤ骨格部材12を構成する熱可塑性材料と同種の材料を母材22として供給し溶融させている。すなわち、タイヤ骨格部材12の一部が欠損している場合には、母材22を供給することで、図4(C)にも示すように、欠損分を補って補修することができる。なお、母材22の材質としては、タイヤ骨格部材12を構成する熱可塑性材料と同種の材料であればよい。この同種の材料には、熱可塑性材料と同一の材料が含まれるが、これだけでなく、溶融状態で融着して一体化するような材料も含まれる。
なお、図4(B)では、母材22として棒状のものを挙げているが、母材22の形状は特に限定されない。たとえば、チップ(小片)状のもの、ペレット(小固形)状のもの、タブレット(錠剤)状のもの、粉末状のものであってもよい。
図5(A)〜(C)には、本発明の第3実施形態のタイヤ補修方法が示されている。第3実施形態では、タイヤ10の踏面において、トレッドゴム16からタイヤ骨格部材12まで異物18が貫通したタイヤ10を補修する場合を挙げている。
この場合でも、タイヤ10から異物を除去する。タイヤ10には貫通孔12Hが生じてしまっている。したがって、図5(B)に示すように、熱風発生装置20から熱風を補修対象部位12Tに吹付けると、タイヤ骨格部材12が補修対象部位12Tで溶融され、貫通孔12Hの周囲の熱可塑性材料が貫通孔12Hを塞ぐ。なお、この工程において、必要に応じて、第2実施形態と同様に母材22を供給してもよい。これにより、タイヤ骨格部材12の補修に関しては、ゴム等の樹脂材料との接着性が低い補修材料を供給する必要がないので、補修後のタイヤ10に高い耐久性やエアシール性が得られる。なお、たとえばトレッドゴム16の損傷の程度が小さい場合には、この段階で車両の走行が可能となる場合もある。
次いで、トレッドゴム16を補修する必要があるが、ここでは、貫通孔12Hに未加硫ゴム(ゴムセメント)を塗布した後加硫済みゴムを圧入することで補修できる。トレッドゴム16を補修した後は、タイヤ10を再使用可能となる。
なお、第3実施形態は、このようにタイヤ骨格部材12の外側にゴムが配置された部位が補修対象部位12Tとなった場合のタイヤ補修方法の一例である。したがって、タイヤ骨格部材12のサイド部26にゴムが設けられている場合も、上記と同様のタイヤ補修方法を適用可能である。
上記では、タイヤ骨格部材12を加熱して溶融させるために、熱風発生装置20からの熱風を吹き付ける例を挙げたが、要するにタイヤ骨格部材12を融点以上の温度に加熱できればよく、たとえば輻射熱を用いてもよい。
さらに、図6に示すような加熱部材38(加熱板、加熱棒など)を使用し、この加熱部材38をタイヤ骨格部材12の補修対象部位12Tに直接的に接触させてもよい。加熱部材38をこのように補修対象部位12Tに接触させると、熱風を吹き付ける方法と比較して、熱の逃げが少なくなり、効率的に補修対象部位12Tを加熱できる。ただし、加熱部材38をタイヤ骨格部材12に接触させるので、溶融状態の熱可塑性材料の一部が加熱部材に付着してしまうおそれがある。また、図4(B)に示すように母材22を供給する場合には、母材22の先端を差し入れる部分が狭くなり、作業性が低下する。熱風を吹き付ける方法では、このような懸念がない。これらを考慮して、熱風発生装置20と加熱部材38のいずれかを用いればよく、併用してもよい。
また、上記では、タイヤ骨格部材12に補修を施すにあたって、タイヤ骨格部材12の外側(タイヤ外側)から行った例を挙げているが、図7(A)〜(C)に示すように、タイヤ骨格部材12の内側(タイヤ内側)から補修を施してもよい。一般的には、タイヤ10は外側から損傷を受ける場合が多く、補修対象部位12Tは少なくともタイヤ骨格部材12の外側には存在していると考えられるので、タイヤ骨格部材12の外側からの熱供給が有効である。ただし、上記した例のように、タイヤ骨格部材12に貫通孔12Hが生じてしまう等、補修対象部位12Tがタイヤ骨格部材12の内側にも存在している場合があり、タイヤ骨格部材12の内側から熱供給を行うことが有効である場合もある。したがって、タイヤ骨格部材12の補修に適した位置から加熱して補修すればよく、タイヤ骨格部材12の外側と内側の双方から加熱(熱供給)を行ってもよい。
更に上記実施形態に係るタイヤ10は、ビードコア30付きのタイヤ骨格部材12を用いたチューブレスタイプのタイヤであったが、タイヤ10の構成はこれに限られるものではない。図8に示すように、熱可塑性材料を用いたタイヤ骨格部材12として、タイヤ周方向に円環状に形成され、リム80の外周部に配置される中空のチューブ体78を用いてもよい。このチューブ体78は、タイヤ幅方向において、複列又は単列に配置することができる。
図8に示す例では、タイヤ骨格部材12として、3本のチューブ体78がリム80の外周部に配置されている。これらのチューブ体78の外周部分には、例えば補強用のベルト層82が埋設されたトレッドゴム16が、例えばクッションゴム14を介して跨って配置され、加硫接着されている。
図9に示すように、チューブ体78は、断面半円形状のチューブ半体78Aを互いに向き合わせて溶接用熱可塑性材料86で溶接したり、図示はしない溶着シートで接合したりして成形することができる。
また、図10に示す例では、タイヤ骨格部材12として、2つのチューブ半体78Aからなる1本のチューブ体78が、リム80の外周部に配置されている。このチューブ体78の外周部分には、例えば補強用のベルト層82が埋設されたトレッドゴム16が、例えばクッションゴム14を介して配置され、加硫接着されている。
また、本発明において、補修の対象となる部材は、上記のタイヤ骨格部材に限定されない。要するに、タイヤの一部が熱可塑性材料により構成された熱可塑性部材とされていれば、この熱可塑性部材に補修対象部位が存在している場合に、本発明のタイヤ補修方法により補修することが可能である。たとえば、タイヤ骨格部材のようにタイヤの骨格部分を構成する部材ではないが、タイヤの内部に配置されて、タイヤの軽量化や強度維持等に寄与する部材が存在し、この部材が熱可塑性材料で構成されていれば、この部材に対し、本発明のタイヤ補修方法を適用できる。
いずれにしても、熱可塑性の樹脂材料を用いれば、軽量化を図ることが可能で、しかもタイヤ骨格部材の成形が容易であり、タイヤの製造に必要なエネルギーも少なくて済むので、製造コストも低くすることが可能である。特に本発明のように、熱可塑性材料をタイヤ骨格部材に用いているので、タイヤ骨格部材の再利用(リサイクル)が容易になる。
さらに、本発明において補修の対象となるタイヤの状態も、上記したように、タイヤ骨格部材12に貫通孔12Hが生じてしまった状態(パンク状態)に限定されない。たとえば、タイヤ骨格部材に亀裂や切断が生じてしまった場合でも適用可能である。さらに、タイヤ骨格部材12の表面にキズ等の損傷が生じて表面性状が変化した場合にも適用可能である。
10 タイヤ
12 タイヤ骨格部材(熱可塑性部材)
12T 補修対象部位
16 トレッドゴム
18 異物
20 熱風発生装置
22 母材
38 加熱部材
42 ゴムセメント組成物
78 チューブ体(タイヤ骨格部材)

Claims (6)

  1. 一部が熱可塑性材料により構成された熱可塑性部材を有するタイヤに対し、前記熱可塑性部材の補修対象部位に対し加熱気体を吹き付け前記熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱して補修対象部位を溶融させ補修するタイヤ補修方法。
  2. 一部が熱可塑性材料により構成されると共にタイヤの骨格部分を構成するタイヤ骨格部材とされている熱可塑性部材を有するタイヤに対し、前記熱可塑性部材の補修対象部位を前記熱可塑性材料の溶融温度以上に加熱して補修対象部位を溶融させ補修するタイヤ補修方法。
  3. 前記補修対象部位に対し、前記熱可塑性材料と同種の材料を供給し溶融させつつ前記補修を施す請求項1又は請求項2に記載のタイヤ補修方法。
  4. 前記補修対象部位に対し加熱部材を直接的に接触させて補修対象部位を溶融させ前記補修を施す請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ補修方法。
  5. 前記タイヤ骨格部材に対しタイヤ外側から前記補修を施す請求項2に記載のタイヤ補修方法。
  6. 前記タイヤ骨格部材に対しタイヤ内側から前記補修を施す請求項2又は請求項5に記載のタイヤ補修方法。
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