JP6184550B1 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

洗浄剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6184550B1
JP6184550B1 JP2016090742A JP2016090742A JP6184550B1 JP 6184550 B1 JP6184550 B1 JP 6184550B1 JP 2016090742 A JP2016090742 A JP 2016090742A JP 2016090742 A JP2016090742 A JP 2016090742A JP 6184550 B1 JP6184550 B1 JP 6184550B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hair
water
content
soluble inorganic
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016090742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017197488A (ja
Inventor
松江 由香子
由香子 松江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kracie Home Products Ltd
Original Assignee
Kracie Home Products Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=59678316&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6184550(B1) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kracie Home Products Ltd filed Critical Kracie Home Products Ltd
Priority to JP2016090742A priority Critical patent/JP6184550B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6184550B1 publication Critical patent/JP6184550B1/ja
Publication of JP2017197488A publication Critical patent/JP2017197488A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】洗髪時に泡立ちがよく、髪が絡まず滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有する毛髪洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】(A)N−アシルサルコシン塩(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤(C)カチオン化ポリマー、及び(D)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上を含有する毛髪洗浄剤組成物であって、前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜3.2質量%である毛髪洗浄剤組成物により、上記課題は解決された。

Description

本発明は、洗浄剤組成物、及び洗浄剤組成物の製造方法に関する。
洗浄剤には、洗浄力と泡立ちの良さが求められている。また、洗浄剤のうち特にシャンプーについては、使用感のみならず、洗浄時の良好な毛髪の感触、洗浄後の仕上り感の良さ、及びコンディショニング効果が求められる傾向にある。
従来の洗浄剤として、様々な界面活性剤、及びカチオン化ポリマー等を含むものが知られている(例えば、特許文献1〜7参照)。しかしながら、洗浄中の使用感、及び毛髪の感触において、必ずしも満足のいくものではなかった。
また、これらの洗浄剤においては、所定の成分の含有量を調整して適度な粘度を維持したものも知られている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、適度な粘度を保つために、例えば水溶性無機塩などの成分の含有量が調整された洗浄剤においても、上述の性能、特に、髪が絡まず滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れるといった毛髪の感触を向上させる優れた性能を有する洗浄剤は、必ずしも実現されていなかった。
特開平11−263715 特開2002−029939 特開2002−348218 特開2005−272658 特開2006−028095 特開平10−007536 特開2008−007649
洗髪時に泡立ちがよく、髪が絡まず滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れ、使用後に髪がぱさつかず、まとまりが良好であり、良好な安定性を有する洗浄剤組成物を提供する。
本発明者は上記事情に鑑み、鋭意研究した結果、特定の成分において無機塩を除外した洗浄剤組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成したものである。即ち、本発明は、以下の通りである。
[1](A)N−アシルサルコシン塩
(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤
(C)カチオン化ポリマー、及び
(D)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
を含有する洗浄剤組成物であって、
前記洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜3.2質量%である洗浄剤組成物。
[2]前記洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.5〜1.5質量%である、上記[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3]前記洗浄剤組成物における、
前記(A)N−アシルサルコシン塩の含有量が1.0〜30質量%であり、
前記(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤の含有量が1.0〜10質量%であり、
前記(C)カチオン化ポリマーの含有量が0.1〜3.0質量%である、上記[1]に記載の洗浄剤組成物。
[4](A)N−アシルサルコシン塩
(B)ベタイン型両性界面活性剤
(C)カチオン化ポリマー、及び
(D)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
を含有する洗浄剤組成物の製造方法であって、
前記(B)ベタイン型両性界面活性剤を脱塩する脱塩処理工程と、
前記(A)〜(D)の各成分を混合する混合工程とを備える、
洗浄剤組成物の製造方法。
[5]前記脱塩処理工程により、前記(B)ベタイン型両性界面活性剤における水溶性無機塩の含有量を1.5質量%以下に抑制する、上記[4]に記載の洗浄剤組成物の製造方法。
[6]前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜3.2質量%である、上記[4]に記載の洗浄剤組成物の製造方法。
[7]前記洗浄剤組成物における、
前記(A)N−アシルサルコシン塩の含有量が1.0〜30質量%であり、
前記(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤の含有量が1.0〜10質量%であり、
前記(C)カチオン化ポリマーの含有量が0.1〜3.0質量%である、上記[4]に記載の洗浄剤組成物の製造方法。
本発明により、特に、洗髪時及びすすぎ時における毛髪の感触を向上させることが可能である、優れた性能を有する洗浄剤組成物、及び洗浄剤組成物の製造方法を提供できる。
[I]洗浄剤組成物
本発明の洗浄剤組成物は、(A)N−アシルサルコシン塩、(B)ベタイン型両性界面活性剤、(C)カチオン化ポリマー、及び(D)水溶性無機塩を含有する。
本発明の洗浄剤組成物は、特に対象、剤型にとらわれず、ヘアシャンプー、ボディーシャンプー、ハンドソープ、洗顔料等に使用することができる。これらは常法により、本発明の洗浄剤組成物を配合して製造することができる。本発明の洗浄剤組成物は、特に、ヘアシャンプーとして好適に用いられる。
[II](A)N−アシルサルコシン塩
本発明の洗浄剤組成物に用いられるN−アシルサルコシン塩として、例えば、N−ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、N−ミリストイルサルコシントリエタノールアミン、N−ココイルサルコシントリエタノールアミン等が挙げられる。N−アシルサルコシン塩の配合量は、洗浄剤組成物全体に対して1.0%〜30.0質量%(以下、単に%という。)が好ましく、さらに好ましくは5.0〜20.0%である。これは、N−アシルサルコシン塩の配合量を増やすと、コンディショニング効果(例えば、洗浄中の使用感および洗浄後の仕上り感の良さ等)が高くなるが、粘性が低くなるため、充分なコンディショニング効果を得るには1.0%以上が好ましく、また、適度な粘性を保ち、充分な起泡性を得るには30.0%以下が好ましいからである。
[III](B)ベタイン型両性界面活性剤
本発明の洗浄剤組成物に用いられるベタイン型両性界面活性剤として、特に限定されるものではないが、例えば、脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウロイルアミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。これらのベタイン型両性界面活性剤を適宜選択し、1種または2種以上を用いることができる。これら両性界面活性剤の配合量は特に限定されるものではないが、洗浄剤組成物全体に対して、1.0〜10.0%が好ましく、さらに好ましくは3.0〜8.0%である。これは、両性界面活性剤の配合量を増やすと、コンディショニング効果が高くなり、粘度も高くなるが、粘度が高くなりすぎるとコンディショニング効果や起泡性の阻害傾向が出るため、充分なコンディショニング効果を得るには1.0%以上が好ましく、また、適度な粘性を保つためには10.0%以下が好ましいからである。
[IV](C)カチオン化ポリマー
本発明の洗浄剤組成物に用いられるカチオン化ポリマーとしては、特に限定されるものではないが、例えばカチオン化セルロ−ス誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グァーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩重合物、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、4級ポリビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらカチオン化ポリマーを適宜選択し、1種または2種以上を用いることができる。これらカチオン化ポリマーの配合量は特に限定されるものではないが、組成物全体に対して、0.1〜3.0%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.5%である。これは、カチオン化ポリマーの配合量を増やすと、コンディショニング効果が高くなるが、増やしすぎると洗浄液中に析出する傾向が出るため、充分なコンディショニング効果を得るには0.1%以上が好ましく、また、洗浄剤中に析出せず可溶化するためには3.0%以下が好ましいからである。
なお、カチオン化ポリマーとしては、カチオン化セルロ−ス誘導体を用いることが好ましく、具体的には、ポリクオタニウム−10(製品名:レオガードMGP:ライオン株式会社製)等が好ましい。
[V](D)水溶性無機塩
本発明の洗浄剤組成物に用いられる水溶性無機塩は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンなどの一価の陽イオン、および/またはマグネシウムイオン、カルシウムイオンなどの二価の陽イオンと、塩素イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭酸イオン、硝酸イオンなどの陰イオンから形成される塩の少なくとも1種である。水溶性無機塩の好適例を示すと、例えば、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム等が挙げられるが、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、及び硫酸マグネシウムから選択される1種又は2種以上が、水溶性無機塩としてより好ましい。洗浄剤組成物における水溶性無機塩の含有量は、組成物全体に対して、0.2〜3.2%であり、好ましくは0.5〜1.5%であり、特に好ましくは0.6〜1.2%である。これは、水溶性無機塩を3.2%を超えて配合すると、カチオン化ポリマーが洗浄剤組成物中に溶解できず、洗浄剤組成物が分離してしまうおそれがあるのに対し、上述の範囲内の含有量の水溶性無機塩を含有する洗浄剤組成物においては、洗髪時に髪が絡まず滑り性に優れ、すすぎ時に髪のきしみがなく、指通り性に優れるといった毛髪の感触を向上させることができるためである。
なお、従来技術においては、例えば塩化ナトリウムなどの実質的に純粋な水溶性無機塩として組成物に添加した量のみを水溶性無機塩の配合量として規定しているものの、洗浄剤組成物における他の成分由来の水溶性無機塩の量については、一般に考慮されていない。これに対し、本発明においては、詳細を後述するように、他の成分(A)〜(C)、例えば、上記成分(B)のベタイン型両性界面活性剤に由来する水溶性無機塩の配合量も算出し、より精密な管理の下で、洗浄剤組成物における水溶性無機塩の含有量を規定する。
[VI](A)〜(D)以外の成分
本発明の洗浄剤組成物には、上述した成分の他にも、目的に応じて洗浄剤組成物に通常使用されている成分を本発明の達成する範囲内で、適宜配合することができる。これらの成分としては、例えば、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、保湿剤、シリコーン誘導体、油分、植物抽出エキス、粘度調整剤、パール化剤、薬剤、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤、PH調整剤、色素、香料等が挙げられる。
[VII]コアセルベートの形成
本発明の洗浄剤組成物が、使用時に水で希釈されると、(A)N−アシルサルコシン塩、(B)ベタイン型両性界面活性剤、及び(C)カチオン化ポリマーの複合体であるコアセルベートが形成される。コアセルベートは、カチオン化ポリマーに、N−アシルサルコシン塩、及びベタイン型両性界面活性剤が結合または配位した構造を有するものであり、コアセルベートが、すすぎ時に毛髪に吸着されることにより、使用者の毛髪の感触を良好にさせる効果が認められる。このように、コアセルベートを毛髪に効果的に吸着させて毛髪の感触を向上させるためには、詳細を後述するように、組成物中の上記(D)水溶性無機塩の含有量を正しく調整することが重要である。
[VIII]毛髪洗浄剤組成物の製造方法
[1]脱塩処理工程
本発明の毛髪洗浄剤組成物の製造方法においては、成分(B)ベタイン型両性界面活性剤について、脱塩処理を行う。すなわち、ベタイン型両性界面活性剤を常法により脱塩する脱塩処理工程により、ベタイン型両性界面活性剤における水溶性無機塩の含有量を1.5質量%以下、好ましくは1.0質量%以下にまで減少させる。界面活性剤の脱塩処理工程としてはイオン交換樹脂法、逆浸透法、膜濾過法、電気透析法等による脱塩処理が知られているが、処理方法は特に限定されない。脱塩処理をしていない両性界面活性剤中には、製造上の副生成物として塩化ナトリウム等が含有されている。副生成物の量を正確にコントロールすることはこのように、本発明においては、ベタイン型両性界面活性剤中の不純物である水溶性無機塩の濃度を実質的に0.1%以下に抑制することにより、製造される洗浄剤組成物全体に含まれる水溶性無機塩の含有量を正確に制御することが可能となる。
なお、ベタイン型両性界面活性剤は、その製造プロセスにおいて水溶性無機塩を不純物として含み易いため、特に、上述のように脱塩処理を施して水溶性無機塩を除去する。ただし、他の成分、すなわち、(A)N−アシルサルコシン塩、及び(C)カチオン化ポリマーについても、必要に応じて、常法により不純物である水溶性無機塩を除去する工程を有することが好ましい。
[2]混合工程
本発明の毛髪洗浄剤組成物の製造方法は、さらに、常法により、上記成分(A)〜(D)を混合させる混合工程を含む。この混合工程において、(B)ベタイン型両性界面活性剤を始めとする各成分は、上述のように、いずれも実質的に水溶性無機塩を含んでいない。従って、洗浄剤組成物においては、成分(D)水溶性無機塩として配合される量のみが、製造後の洗浄剤組成物における実際の含有量となる。このように、本発明においては、製造される洗浄剤組成物における水溶性無機塩の含有量を、毛髪の洗浄時に適した範囲となるように正確に制御することができる。
[IX]コアセルベートの毛髪への吸着
上述のように、コアセルベートがすすぎ時に毛髪に吸着されることにより、使用者の毛髪の感触を良好にさせる効果が認められる。そしてコアセルベートの吸着レベルを、以下の方法、例えば、白髪毛束を洗浄してコアセルベートの吸着量に応じて着色させ、着色後の色彩を評価する方法、あるいは、コアセルベートの吸着量を直接測定する方法等により、判別することができる。すなわち、これらの方法によれば、毛髪洗浄後のコアセルベートの吸着の程度が好ましいレベルであるか否かについて、評価できる。
そして、コアセルベートの吸着の挙動は、使用する洗浄剤組成物中の無機塩の含有量によっても変化するものであるから、上述の評価方法を応用して、洗浄剤組成物における無機塩の含有量をどの程度に調整すれば、コアセルベートの吸着レベルを好ましい範囲とすることができるかについて調べることができる。すなわち、水溶性無機塩の含有量のみが異なる複数の洗浄剤組成物を作成して、毛髪洗浄後のコアセルベートの吸着レベルを測定することにより、無機塩の含有量をどの程度に調整すれば、コアセルベートの吸着の程度を好ましいレベルとすることが可能であるかについての知見が得られる。
本発明を、実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。まず、実施例及び比較例の毛髪洗浄用組成物につき、説明する。
実施例1〜7及び比較例1〜5(ヘアシャンプー)
表1に記載の配合組成による毛髪洗浄用組成物を常法により調整した。ここで、いずれの実施例および比較例の組成物においても、製造時に、それぞれ脱塩処理を施した(B)ベタイン型両性界面活性剤(ニッサンアノンBDB-Sの脱塩品(30%水溶液))を用いた。この(B)ベタイン型両性界面活性剤であるニッサンアノンBDB-Sの脱塩品の水溶性無機塩の濃度は0.9質量%であり、このため各実施例および比較例においては、最終的に得られた組成物に実際に含まれる水溶性無機塩の含有量が、成分(D)として添加した水溶性無機塩の添加量に近似した値となった(表1参照)。
これに対し、仮に、脱塩処理の施されていない非脱塩品を用いると、最終的に得られる組成物に実際に含まれる水溶性無機塩の含有量は、成分(D)として添加した水溶性無機塩の添加量よりも大幅に大きくなってしまう。例えば、実施例および比較例で使用したニッサンアノンBDB-S に脱塩処理を施さない非脱塩品においては、水溶性無機塩の濃度が5.5質量%程度であり、脱塩品の水溶性無機塩の濃度である0.9質量%に比べて多量の水溶性無機塩が含まれる。
このように、少なくともベタイン型両性界面活性剤に由来する水溶性無機塩の量について算出されていない組成物においては、組成物中の水溶性無機塩の最終的な含有量が、水溶性無機塩の添加量に基づく算出値と大きく異なり得るといえるのに対し、本実施例および比較例では、最終的に得られた組成物中の水溶性無機塩の実際の含有量を把握することが正確、かつ容易に可能であった。
Figure 0006184550
次に、各実施例及び比較例の毛髪洗浄用組成物の評価法について説明する。
・コアセルベート吸着挙動確認試験
本試験法においては、毛束として白髪毛束(ビューラックス、BM−W)を用い、この白髪毛束に対する各シャンプーからのコアセルベートの吸着挙動を確認した。具体的には、以下の通りである。
1.白髪毛束を予め洗浄処理(SLES)した後、風乾した。
2.実施例および比較例の組成物を、白髪毛束にそれぞれ5g塗布した。これらのシャンプーをそれぞれ30秒間、泡立てて、白髪毛束を洗浄した。
3.洗浄後の白髪毛束を60秒間、流水ですすぎ、風乾した。
4.風乾後の白髪毛束を1質量%のRubin Dye 溶液に5分間、浸漬させて赤色に着色させた後、白髪毛束を2分間、流水ですすぎ、風乾した。なお、1質量%のRubin Dye 溶液(pH=3.5)は、染色剤としてのDirect Red 80を1.0g、クエン酸約0.13g、及びイオン交換水を100gとなるまで添加し、混合して調製した。
5.色彩色差計 CR−400(コニカミノルタ株式会社製)により、着色後の白髪毛束についてL*a*b*表色系のa*値を測定し、下記の基準によりコアセルベートの吸着挙動を評価した。その結果を表1に示した。
<評価基準>
特に良好:a*≧25
良好 :25>a*≧15
普通 :15>a*≧10
不良 :a*<10
・洗髪中の使用感試験法(毛髪の感触)
洗髪中の使用感(毛髪の感触)については、10名のパネルが各実施例及び比較例の試料で洗髪し、洗髪中の指通り、髪のきしみの有無等の使用感について、判定結果を「良い」と回答した人数に基づき、「特に良好」、「良好」、「普通」、「不良」の4段階で判定した。
判断基準は以下の通りである。
特に良好:「良い」と答えた試験対象者の数が8名以上
良好 :「良い」と答えた試験対象者の数が6名以上、8名未満
普通 :「良い」と答えた試験対象者の数が4名以上、6名未満
不良 :「良い」と答えた試験対象者の数が4名未満
表1の結果から明らかであるように、本発明による洗浄剤組成物は、比較例の組成物に比べて、毛髪の感触に関して優れた性能を発揮することが確認された。すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、0.2〜3.2質量%の水溶性無機塩を含むことにより、これらの範囲外の水溶性無機塩を含む組成物とは異なり、使用者の指のきしみが認められず、指通り性に優れていることが確認された。
以上のように、本発明によれば、特に毛髪の感触を向上させることが可能である、優れた性能を有する洗浄剤組成物、及び洗浄剤組成物の製造方法を提供できる。

Claims (7)

  1. (A)N−アシルサルコシン塩
    (B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤
    (C)カチオン化ポリマー、及び
    (D)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
    を含有する毛髪洗浄剤組成物であって、
    前記毛髪洗浄剤組成物における
    前記(A)N−アシルサルコシン塩の含有量が1.0〜30質量%であり、
    前記(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤の含有量が1.0〜10質量%であり、
    前記(C)カチオン化ポリマーの含有量が0.1〜3.0質量%であり、
    前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜1.65質量%である毛髪洗浄剤組成物。
  2. 前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.5〜1.5質量%である、請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
  3. (A)N−アシルサルコシン塩
    (B)ベタイン型両性界面活性剤
    (C)カチオン化ポリマー、及び
    (D)塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムから選ばれる水溶性無機塩の1種又は2種以上
    を含有する毛髪洗浄剤組成物の製造方法であって、
    前記(B)ベタイン型両性界面活性剤を脱塩し、脱塩処理された前記(B)ベタイン型両性界面活性剤に由来する水溶性無機塩の量について算出する脱塩処理工程と、
    前記(A)〜(D)の各成分を混合する混合工程とを備え
    前記毛髪洗浄剤組成物における、
    前記(A)N−アシルサルコシン塩の含有量が1.0〜30質量%であり、
    前記(B)脱塩処理されたベタイン型両性界面活性剤の含有量が1.0〜10質量%であり、
    前記(C)カチオン化ポリマーの含有量が0.1〜3.0質量%であり、
    前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜3.2質量%である、
    毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
  4. 前記脱塩処理工程により、前記(B)ベタイン型両性界面活性剤における水溶性無機塩の含有量を1.5質量%以下に抑制する、請求項に記載の毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
  5. 前記毛髪洗浄剤組成物における前記(D)水溶性無機塩の含有量が0.2〜1.65質量%である、請求項に記載の毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
  6. 脱塩処理の施されていない前記(B)ベタイン型両性界面活性剤を用いない、請求項に記載の毛髪洗浄剤組成物の製造方法。
  7. 脱塩処理の施されていない前記(B)ベタイン型両性界面活性剤を含んでいない、請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
JP2016090742A 2016-04-28 2016-04-28 洗浄剤組成物 Active JP6184550B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090742A JP6184550B1 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016090742A JP6184550B1 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 洗浄剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6184550B1 true JP6184550B1 (ja) 2017-08-23
JP2017197488A JP2017197488A (ja) 2017-11-02

Family

ID=59678316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016090742A Active JP6184550B1 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6184550B1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020536886A (ja) * 2017-10-10 2020-12-17 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 低無機塩を含むサルフェートフリーの透明パーソナルクレンジング組成物
US11679065B2 (en) 2020-02-27 2023-06-20 The Procter & Gamble Company Compositions with sulfur having enhanced efficacy and aesthetics
US11771635B2 (en) 2021-05-14 2023-10-03 The Procter & Gamble Company Shampoo composition
US11819474B2 (en) 2020-12-04 2023-11-21 The Procter & Gamble Company Hair care compositions comprising malodor reduction materials

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01117821A (ja) * 1987-10-29 1989-05-10 Kao Corp シヤンプー組成物
JP3522873B2 (ja) * 1995-02-14 2004-04-26 花王株式会社 シャンプー組成物
JP4173962B2 (ja) * 2001-11-13 2008-10-29 川研ファインケミカル株式会社 真珠光沢を有する洗浄剤組成物および分散性良好な真珠光沢濃縮物
JP5273836B2 (ja) * 2006-06-29 2013-08-28 クラシエホームプロダクツ株式会社 洗浄剤組成物
JP5838816B2 (ja) * 2011-01-14 2016-01-06 ライオン株式会社 液体皮膚洗浄剤製品
JP6224474B2 (ja) * 2014-02-05 2017-11-01 川研ファインケミカル株式会社 固形石鹸組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020536886A (ja) * 2017-10-10 2020-12-17 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 低無機塩を含むサルフェートフリーの透明パーソナルクレンジング組成物
JP2020536885A (ja) * 2017-10-10 2020-12-17 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーThe Procter & Gamble Company 無機塩低含有の、サルフェートを含まないパーソナルクレンジング組成物
US11607373B2 (en) 2017-10-10 2023-03-21 The Procter & Gamble Company Sulfate free clear personal cleansing composition comprising low inorganic salt
US11904036B2 (en) 2017-10-10 2024-02-20 The Procter & Gamble Company Sulfate free clear personal cleansing composition comprising low inorganic salt
US11679065B2 (en) 2020-02-27 2023-06-20 The Procter & Gamble Company Compositions with sulfur having enhanced efficacy and aesthetics
US11819474B2 (en) 2020-12-04 2023-11-21 The Procter & Gamble Company Hair care compositions comprising malodor reduction materials
US11771635B2 (en) 2021-05-14 2023-10-03 The Procter & Gamble Company Shampoo composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017197488A (ja) 2017-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6184550B1 (ja) 洗浄剤組成物
DE602005003677T2 (de) Milde feuchtigkeitsspendende sulfosuccinat-reinigungszusammensetzungen
JP5273836B2 (ja) 洗浄剤組成物
TW201717904A (zh) 頭髮用透明組合物
TWI422397B (zh) 皮膚洗淨劑組成物
JP2014091723A (ja) シャンプー
JP5376633B2 (ja) シャンプー
KR20140069110A (ko) 샴푸 조성물
EP3233025A1 (de) Haarbehandlungsmittel, enthaltend mindestens ein saures protein sowie mindestens ein salz
DE102014225218A1 (de) Leistungsstarke Farbschutz-Haarbehandlungsmittel mit einem Dipetid
WO2012020226A1 (en) Improved cleaning and conditioning agents
JP2011084484A (ja) 洗浄剤組成物
KR101626919B1 (ko) 실리콘프리 샴푸 조성물
JPH01128914A (ja) シャンプー組成物
US6024952A (en) Anionic/cationic moisturizing complex
WO2010106342A2 (en) Improved cleaning and conditioning agents
EP2255776A1 (en) Cleansing composition
JP2010138105A (ja) 透明洗浄剤組成物
JP6452473B2 (ja) シャンプー組成物
JP2004149436A (ja) 毛髪用洗浄剤組成物
JP2012126805A (ja) 皮膚洗浄剤組成物
JP2010150175A (ja) シャンプー組成物
JP2016175874A (ja) シャンプー組成物
JP6593897B1 (ja) 染色処理毛髪用シャンプー
JP2019218295A (ja) カラーシャンプー組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170131

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6184550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350