JP6183381B2 - 電気めっき装置 - Google Patents

電気めっき装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6183381B2
JP6183381B2 JP2015002004A JP2015002004A JP6183381B2 JP 6183381 B2 JP6183381 B2 JP 6183381B2 JP 2015002004 A JP2015002004 A JP 2015002004A JP 2015002004 A JP2015002004 A JP 2015002004A JP 6183381 B2 JP6183381 B2 JP 6183381B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode electrode
electrode
plating solution
gap
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015002004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016125122A (ja
Inventor
日野 善道
善道 日野
三宅 勝
勝 三宅
玄太郎 武田
玄太郎 武田
宗司 吉本
宗司 吉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2015002004A priority Critical patent/JP6183381B2/ja
Publication of JP2016125122A publication Critical patent/JP2016125122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6183381B2 publication Critical patent/JP6183381B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、電気めっき装置に関する。より詳しくは、ラジアルセル方式における、不溶性アノード電極を構成に含む電気めっき装置に関する。
鋼板を連続的に電気めっきする方法として、(1)鋼板がカソードになるように対をなす電極ロールで鋼板を挟みながら、めっき液中に通板、浸漬し、めっき液槽中のアノード電極と鋼板との間で通電する縦型、あるいは横型めっきセル方式と、(2)鋼板の搬送・方向転換用ロールと電気めっき用の電極とを兼ねた電極ロールと、該電極ロールの半径方向にギャップを設けて設置されたアノード電極とを使用し、電極ロールとアノード電極のギャップにめっき液を供給して、カソードである鋼板のめっき面とアノード電極との間で通電するラジアルセル方式と、が知られている。
図4を参照して従来知られているラジアルセル方式の概略を説明する。図4は従来の電気めっき装置について側面側から見た断面の概略図である。鋼板21の搬送・方向転換用ロールと電気めっき用の電極とを兼ねた電極ロール22と、電極ロール22の半径方向にギャップ28を設けて設置されたアノード電極23とを使用する。鋼板21を電極ロール22に巻き付けながら、ギャップ28中を通し、電極ロール22に巻きつけられた鋼板21のめっき面と断面弧状のアノード電極23の間に直流電圧(電源は27)をかけて鋼板21のめっき面に対して電気めっきを行う。なお、めっき液25は供給路24からギャップ28に補給される。めっき液槽26にはアノード電極23を浸漬する量のめっき液25が備えられている。
ラジアルセル方式では、鋼板21が電極ロール22に巻きつけられながら電気めっきが行われる。よって、電気めっき中の鋼板21の位置が安定し、アノード電極23を鋼板21のめっき面近傍に配置できる。これにより、鋼板21のめっき面とアノード電極23との距離を近くでき、電気めっきにおける抵抗は小さくなり、低電圧で高電流密度が得られる。
非特許文献1第44〜46頁にあるように、ラジアルセル方式は優れためっき性能を持っている。低いめっき電圧で100A/dmを超える高い電流密度を実現できる点はラジアルセル方式の大きな利点である。また、片面だけをめっきすることが可能であることは、本方式の大きな特徴である。
従前のラジアルセル方式では、アノード電極23として可溶性アノード電極が使用されている。これにより、めっき電流は可溶性アノード電極に含まれるめっき金属のイオン化で使用され、鋼板と可溶性アノード電極間のギャップにおいて可溶性アノード電極側からガスが発生しないという利点がある。逆にとらえると、電気めっきが進行するにつれて可溶性アノード電極は消耗されて小型化し、鋼板と可溶性アノード電極間のギャップが次第に大きくなってしまう。
特許文献1において基本的かつ重要な開示事項は、電極ロール軸方向において複数に分割された可溶性アノード電極片と、アノードサポートとの組合せ使用である。アノードサポートは可溶性アノード電極の背面側に設けられ、分割されたアノード電極片はアノードサポートに沿って電極ロール軸方向に移動するにつれて鋼板側に近づけられる。このようにして「電気めっきが進行するにつれてアノード電極が消耗し、ギャップが次第に大きくなる」という現象に対処している(特許文献1段落0006、図1)。
しかし、特許文献1に開示されたアノードサポートを利用する装置では、(1)可溶性アノード電極が消耗してしまうため鋼板と可溶性アノード電極間のギャップ管理を厳格に行う必要があり、更に(2)複雑な形状である分割された可溶性アノード電極片を多数用意する必要がある。このようにコスト及び手間の負担が大きいため、ラジアルセル方式において不溶性アノード電極を使用したいという要望があった。
ラジアルセル方式に限らず、電気めっき装置において不溶性アノード電極を使用した場合、電気めっきによりアノード電極が消耗されて小型化するという問題は発生しない。しかし、水の電気分解により不溶性アノード電極表面から酸素ガス(以下、単にガスと称する。)が発生するという問題がある。鋼板と不溶性アノード電極の間にガスが存在すると導電率が低下してしまう。
特許文献2は不溶性アノード電極を使用した縦型めっきセル方式の電気めっき装置を開示する。鋼板へのめっき付着量に応じてアノード電極長を調整する(長くする)ことで、引用文献2に記載の発明はガス発生の問題に対処している(引用文献2段落0012)。
特開平5−339797号公報 特開2011−202238号公報
社団法人日本鉄鋼協会編集発行 第106・107回西山記念技術講座 表面処理鋼板の現状と今後の動向
前記の通り、不溶性アノード電極ではガス発生の問題がある。更に、ラジアルセル方式ではギャップが狭く、ギャップ中にガスが生じると導電率の低下が著しく所要の電流とするためにはめっき電圧が上昇してしまう。これでは「低いめっき電圧で高い電流密度を実現する」というラジアルセル方式の利点が失われてしまうため、従前はラジアルセル方式において不溶性アノード電極を使用することは困難であった。また、従前のラジアルセル方式はアノード電極が電極ロールの表面に沿って設けられるので、特許文献2のように不溶性アノード電極長を調整するという手法は抜本的な解決手法でなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。不溶性アノード電極と鋼板間の導電率の低下を抑制し、めっき電圧の上昇を抑制した電気めっき装置を提供することを本発明が解決すべき課題とする。
不溶性アノード電極を使用した場合、不溶性アノード電極から発生したガスがギャップに滞留することは問題である。この問題を解決すべく本発明者らは鋭意研究を重ねた。そして、不溶性アノード電極におけるガス発生部位及びめっき液の流れに着目し、ガスを鋼板から離れる方向に排出すればよいと考えた。
次に、このようなガス排出を実現するため、電極ロール対面から背面まで通じるめっき液が通過する開口部を複数有する不溶性アノード電極を考えた。ギャップ中のめっき液は不溶性アノード電極の電極ロール対面から背面まで不溶性アノード電極中を通過可能となるので、ガスをめっき液とともに鋼板から離れる方向に排出できる。よって、ガス発生の不具合に有効に対処できるとの考えに本発明者らは至った。以上の知見に基づき本発明は完成された。
前記課題を解決するための第1発明に係る電気めっき装置は、ラジアルセル方式の電気めっきに使用され、電極ロール及びアノード電極を有する電気めっき装置であって、アノード電極が不溶性アノード電極であり、該不溶性アノード電極は電極ロール対面から背面まで通じるめっき液が通過する開口部を複数有することを特徴とする。
前記課題を解決するための第2発明に係る電気めっき装置は、第1発明に記載の電気めっき装置であって、前記不溶性アノード電極は導電体を有し、該導電体は線状金属又は表面に電極活物質が存在する線状金属であり、不溶性アノード電極において複数、多段に設けられることを特徴とする。
前記課題を解決するための第3発明に係る電気めっき装置は、第1発明に記載の電気めっき装置であって、前記不溶性アノード電極は導電体を有し、該導電体が多孔質金属又は表面に電極活物質が存在する多孔質金属であることを特徴とする。
前記課題を解決するための第4発明に係る電気めっき装置は、第2発明又は第3発明に記載の電気めっき装置であって、前記電極活物質が貴金属酸化物であることを特徴とする。
前記課題を解決するための第5発明に係る電気めっき装置は、第2発明又は第3発明に記載の電気めっき装置であって、前記電極活物質が貴金属であることを特徴とする。
本発明は、不溶性アノード電極を通過するめっき液とともにガスを排出して、不溶性アノード電極と鋼板間のギャップの導電率低下を抑制し、めっき電圧の上昇を抑制した。
図1は本発明に係る電気めっき装置を側面側から見た断面概略図である。 図2は図1に示した不溶性アノード電極の斜視概略図である。なお、導電体がワイヤーであることを確認しやすくするため、枠材で隠れている部分を点線で示してある。 図3は本発明の実施形態を示す図であって、不溶性アノード電極における導電体(ワイヤー)と偏向板の配置関係を示した模式図である。 図4は従来のラジアルセル方式の電気めっき装置を示す図であって、該電気めっき装置を側面側から見た断面概略図である。 図5は従来のラジアルセル方式の電気めっき装置において、不溶性アノード電極を使用した場合に発生するガス問題を説明する図面である。
以下、添付図面を適宜参照しながら本発明の実施形態を具体的に説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態を示す図である。電気めっき装置は、電極ロール2と、2つの側面弧状の不溶性アノード電極3と、めっき液槽6と、2つの閉塞ロール8とを備えている。
めっき液の供給路4は図示省略のポンプ及び不溶性アノード電極3の下端部(鋼板1の通板方向中央部)と連結され、ポンプを使用してギャップ15にめっき液5が供給される。なお、樹脂性の閉塞ロール8は支持部13により支持され鋼板1の入側(鋼板1が電極ロール2に巻き付き開始する側)及び出側(鋼板1が電極ロール2から解放される側)において側面弧状のギャップ15を仕切るように配置されている。電源14は電極ロール2及び不溶性アノード電極3の各鉛ワイヤー7と接続されている。鋼板1のめっき面と不溶性アノード電極3とが通電し、鋼板1のめっき面が電気めっきされる。
次に、不溶性アノード電極3の構成を説明する。各不溶性アノード電極3は図2に示す構成を備える。即ち、不溶性アノード電極3は絶縁体で構成され側面弧状の枠材12に導電体である鉛ワイヤー7が複数、2段にわたって備えられている。各鉛ワイヤー7は鋼板1の幅方向(鋼板1の通板方向に直交する方向)に沿って備えられており、鋼板1の表面に形成されるめっき層の厚さを良好にそろえることができる。
不溶性アノード電極3は電極ロール対面10から背面11まで通じた開口部17を複数有している。本発明において「電極ロール対面から背面まで通じるめっき液が通過する開口部を複数有する」との構成は、不溶性アノード電極3の電極ロール対面10において、めっき液5の流入口が複数設けられていれば満たされる。例えば、図2に示す不溶性アノード電極3では鋼板1の通板方向に対して直交方向に沿ったスリット状の流入口が複数設けられており、これは本発明の要件を満たす構成である。不溶性アノード電極3の背面11側におけるめっき液の排出口の数は流入口の数と同じでも良いし異なっていても良い。
次に、めっき液5の流れを説明する。めっき液の供給路4は図示省略のポンプ及び不溶性アノード電極3の下端部(鋼板1の通板方向中央部)と連結され、ポンプを使用してギャップ15にめっき液5が供給される。ギャップ15では鋼板1のめっき面と不溶性アノード電極3とが通電し、鋼板1のめっき面が電気めっきされる。ギャップ15のめっき液5は、不溶性アノード電極3の電極ロール対面10側から開口部17中に流れこみ、背面11側からめっき液槽6中に排出される。更に、めっき液5はめっき液排出路16よりめっき液槽6から排出され、図示省略の循環装置によりめっき液5を循環させている。なお、樹脂性の閉塞ロール8は鋼板1の入側及び出側においてギャップ15を仕切るように配置されているので、ギャップ15に集中的にめっき液5を供給してもめっき液5液面からのめっき液5の噴出が抑制される。確認的に述べると、めっき液5の大部分は、開口部17を通ってめっき液槽6に抜け、ギャップ15側面の隙間から流れ出るめっき液5は少量であって、本発明の効果には影響しない。
電気めっきが行われると不溶性アノード電極3の鉛ワイヤー7表面からガスが生じるものの、ガスはめっき液5とともに不溶性アノード電極3の背面11側(鋼板1から離れる方向)に排出されるので、ギャップ15へのガスの侵入が抑制される。よって、ガスはギャップ15の外側で大気中に放出される。
次に、めっき液5のギャップ15への供給量について説明する。鉛ワイヤー7の表面で発生したガスは浮力によりギャップ15に侵入しようとする。ここで、ガスがギャップ15に侵入してしまうと導電率が低下しめっき電圧が上昇してしまう。そこで、開口部17の数やサイズ等を考慮しギャップ15へのめっき液5の供給量を適宜調節してギャップ15へのガス侵入を抑制可能である。
図2に示した不溶性アノード電極3は導電体として線状金属である鉛ワイヤー7を使用した。しかし、導電体の形状は線状金属に限定されず、例えば、多孔質金属、板状金属、隙間を有するように圧密した金属粉の焼結体、多数穿孔した金属板等を使用しても良い。前記多孔質金属は例えば金属粉を低充填密度で焼結して作製可能である。また、前記金属板は例えばラジエータ放熱板のように隙間を空けて多段に設けてよい。導電体として線状金属や板状金属を使用する場合、導電体を複数、電極ロール対面側から背面側にかけて多段(多段とは2段以上を意味する。)に設けることが好ましい。更に、鋼板表面に形成されるめっき層の厚さをそろえる観点から、鋼板通板方向に対して直交方向又は鋼板通板方向に対して斜め方向に沿って線状金属や板状金属である導電体が設けられることが好ましい。逆に、鋼板通板方向に沿って線状金属や金属板である導電体を設けると、導電体がある箇所とない箇所とでめっき層の厚さが異なってしまうおそれがある。
不溶性アノード電極の電極ロール対面から背面まで通じる開口部は、ギャップ中のめっき液の排出に利用され、かつ、不溶性アノード電極の導電体表面から発生したガスの排出にも利用される。よって、該開口部はより多く設けるほうが好ましい。本発明において開口部の形状は特に限定されず、導電体の形状・材質等にあわせて適宜選択可能である。
上記図2に示した不溶性アノード電極3は枠材12を備えているが、本発明の不溶性アノード電極において枠材は必須の構成ではない。導電体の形状にあわせて、必要により枠材を設ければよい。ガスの発生部位を導電体表面に限定する観点から、枠材は絶縁体又は表面を絶縁処理した導電体で構成されることが好ましい。
導電体として線状金属を使用する場合、図3に示したように、導電体どうしの間に偏向板9を設けることも好ましい。該偏向板9によりギャップ15における電極ロール2の周方向の流れを乱さず、かつ、電極ロール2の半径方向への流れを促進するようにめっき液の流れが整流されて、少ないめっき液量で導電体表面から発生するガスをより効果的にギャップ15外に排出できる。この様な観点から、偏向板の形状は適宜選択可能である。めっき液を整流し電気めっきに使用するめっき液量を抑制する観点から、偏向板は導電体の配置方向に沿って設けることが好ましい。なお、ガスの発生部位を導電体表面に限定する観点から、該偏向板は絶縁体又は表面を絶縁処理した導電体で構成されることが好ましい。
不溶性アノード電極の導電体は電気めっきの電極として利用可能であれば特に限定されない。前記した鉛の他、鉛合金、白金等がある。
電極の溶損抑制の観点から、不溶性アノード電極の導電体の表面には電極活物質が存在することが好ましい。該電極活物質として、貴金属酸化物又は貴金属が好ましい。貴金属として、金、白金、銀、パラジウム、イリジウム等から選ばれる1種以上が好ましい。また、貴金属酸化物として、酸化イリジウム、酸化ルテニウム等から選ばれる1種以上が好ましい。電極活物質を導電体の表面に存在させる方法は特に限定されず、例えばめっきにより電極活物質を導電体の表面に存在させてよいし、貴金属酸化物を導電体の表面に被覆してもよいし、電極活物質の箔を使用したクラッド鋼として電極活物質を導電体の表面に存在させてよい。
図1に示した閉塞ロール8は樹脂製であるが、閉塞ロールの材質はこれに限定されない。例えば、天然ゴム、表面を絶縁処理した金属等が使用可能である。
図1ではめっき液の供給路4は不溶性アノード電極3の下端部(鋼板1の通板方向中央部)と結合されている。しかし、不溶性アノード電極の形状や数にあわせてめっき液の供給路の配置は適宜変更可能である。また、図1では、ギャップ15は1つであるが、ギャップの数は適宜増やすことも可能である。この場合、不溶性アノード電極及び供給路もあわせて増やすこととなる。
以上に説明した本発明の電気めっき装置を使用し、ギャップ中のめっき液を不溶性アノード電極の電極ロール対面側から背面側に流して行う電気めっき方法は有用である。なお、ギャップへのめっき液の供給量は、使用する電気めっき装置やめっき液の組成等に鑑みて適宜設定可能である。
本発明の電気めっき装置を使用して鋼板の片面をめっきすることが可能である。また、例えば非特許文献1第45頁等を参照し、本発明の電気めっき装置を複数使用して鋼板の両面を電気めっきすることも可能である。
本発明の電気めっき装置を用いて行う電気めっきの種類は特に限定されない。例えば、電気亜鉛めっき、電気亜鉛合金めっき、電気錫めっき、電気鉄めっき等がある。好ましくは、電気亜鉛めっきである。また、本発明の電気めっき装置は冷延鋼板の電気めっきに有用である。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。
(参考例)
図4に示した構成を備える従来の電気めっき装置を使用し、鋼板21を電極ロール22に巻きつけながらギャップ28中を通板して電気亜鉛めっきを行った。なお、鋼板21は冷延鋼板である。アノード電極23は亜鉛で作製された複数の可溶性アノード電極片と図示省略のアノードサポートとを備えている。
鋼板21と可溶性アノード電極23との間(ギャップ28)は狭くできギャップ28の電気抵抗を低く保てるため、低電圧かつ大電流密度での高速電気亜鉛めっきが行えた。
一方、亜鉛イオンの消費が著しいため鋼板21表面近傍の亜鉛イオン濃度が低下してめっき不良となるケースが想定される。そこで、めっき液25を供給路24からギャップ28へ高速で供給しギャップ28内のめっき液25を攪拌してめっき不良を防いだ。
(比較例)
参考例で使用した従来の電気めっき装置において、アノード電極23を鉛製の不溶性アノード電極に取り替えた電気めっき装置を使用して電気亜鉛めっきを試みた。
しかし、不溶性アノード電極表面から多量の酸素ガスが発生してギャップ28内にガス29が充満した(図5参照)。その結果、ギャップ28の導電率が低下し、ギャップの電気抵抗が大きくなって、鋼板21のめっき面に亜鉛めっきができなかった。
なお、比較例において、不溶性アノード電極は複数の電極片に分割されていない。
(実施例1)
図1及び図2に示した構成を備える電気めっき装置を使用して冷延鋼板である鋼板1を電極ロール2に巻きつけながらギャップ15中を通板して電気亜鉛めっきを行った。なお、鋼板1と不溶性アノード電極3間のギャップ距離は参考例と同じである。
不溶性アノード電極3には鋼板1の幅方向(鋼板1の通板方向に直交する方向)に沿って鉛ワイヤー7が複数、2段にわたって備えられている。実施例1では、樹脂性の閉塞ロール8が鋼板1の入側及び出側においてギャップ15を仕切るように配置されているので、ギャップ15に高速でめっき液5が供給されてもめっき液5液面からのめっき液5噴出が抑制される。
ギャップ15への単位時間当たりのめっき液5供給量を参考例の10倍として電気亜鉛めっきを行った。電気亜鉛めっき行うと鉛ワイヤー7の表面から多量のガスが発生したが、供給路4からギャップ15に供給されためっき液5は不溶性アノード電極3の開口部17を通過してめっき液槽6に排出され、めっき液5とともにガスもめっき液槽6側に排出された。よって、ガスのギャップ15への侵入を抑制できた。
実施例1では参考例に対して1.2倍とめっき電圧がわずかに高くなったが、鋼板1表面には問題なく亜鉛めっきを行うことができた。ラジアルセル方式において、従前は使用可能のアノード電極が可溶性のものに限定されていたが、実施例1では不溶性アノード電極を使用して冷延鋼板の電気亜鉛めっきを行えた。鋼板1の幅方向において、亜鉛めっき層の厚さは良好にそろっていた。
なお、閉塞ロール8を取り除いて実施例1の条件で電気亜鉛めっきを行うと、めっき液5の液面からめっき液が噴出してしまうおそれがある。めっき液が噴出すると周辺の腐食やめっき液の跳ね返りによる鋼板裏面の汚染などが問題となるため、閉塞ロール8を用いない場合は適宜の位置に遮蔽板等を設置して対処することとなる。
(実施例2)
実施例1で使用した不溶性アノード電極3に、更に鉛ワイヤー7の配置方向に沿って偏向板9を追加した(図3参照)ものを実施例2では使用した。他に、ギャップ15に対する単位時間当たりのめっき液5の供給量を参考例と同等とした。これらの変更点以外は実施例1と同じ条件で電気亜鉛めっきを行った。
その結果、鉛ワイヤー7の表面からは多量のガスが発生したが、該ガスはめっき液5とともにめっき液槽6に排出された。即ち、不溶性アノード電極に偏向板を設けて、より少ないめっき液量で効果的にガスを排出できた。鋼板1のめっき面には実施例1と同様に問題なく電気亜鉛めっきを行うことができた。
(実施例3)
実施例1及び実施例2で使用した不溶性アノード電極3において、鉛ワイヤー7をチタン線にイリジウム酸化物を被覆したワイヤーとしたところ、該ワイヤーの寿命を鉛ワイヤー7と比較して2倍以上にすることができた。
1 鋼板
2 電極ロール
3 不溶性アノード電極
4 供給路
5 めっき液
6 めっき液槽
7 鉛ワイヤー
8 閉塞ロール
9 偏向板
10 電極ロール対面
11 背面
12 枠材
13 支持部
14 電源
15 ギャップ
16 めっき液排出路
17 開口部

Claims (3)

  1. ラジアルセル方式の電気めっきに使用され、電極ロール及びアノード電極を有する電気めっき装置であって、
    アノード電極が不溶性アノード電極であり、該不溶性アノード電極は導電体を有し、該導電体が多孔質金属又は表面に電極活物質が存在する多孔質金属であり、
    該不溶性アノード電極は電極ロール対面から背面まで通じるめっき液が通過する開口部を複数有することを特徴とする電気めっき装置。
  2. 前記電極活物質が貴金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
  3. 前記電極活物質が貴金属であることを特徴とする請求項1に記載の電気めっき装置。
JP2015002004A 2015-01-08 2015-01-08 電気めっき装置 Expired - Fee Related JP6183381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015002004A JP6183381B2 (ja) 2015-01-08 2015-01-08 電気めっき装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015002004A JP6183381B2 (ja) 2015-01-08 2015-01-08 電気めっき装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016125122A JP2016125122A (ja) 2016-07-11
JP6183381B2 true JP6183381B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=56358973

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015002004A Expired - Fee Related JP6183381B2 (ja) 2015-01-08 2015-01-08 電気めっき装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6183381B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59162298A (ja) * 1983-03-07 1984-09-13 Kawasaki Steel Corp 金属ストリツプの高電流密度めつき方法
JPS63266090A (ja) * 1987-04-23 1988-11-02 Kawasaki Steel Corp ストリツプの電気めつき設備
JP2774209B2 (ja) * 1991-12-26 1998-07-09 ペルメレック電極株式会社 金属箔連続製造装置用の陽極

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016125122A (ja) 2016-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4210339B2 (ja) 導体プレートや導体箔の電気分解的な処理のための装置
KR102217899B1 (ko) 전해 처리 방법 및 전해 처리 장치
US20160076166A1 (en) Eletroplating apparatus for preventing excessive plating of edge
KR100864753B1 (ko) 금속박 전해 제조장치
JP2009024242A (ja) 金属パイプのめっき装置および金属パイプのめっき方法
KR970070251A (ko) 금속 스트립의 한쪽면 내지 양쪽면상에의 금속 내지 합금 코팅 전기 증착 장치
KR102022920B1 (ko) 롤투롤 수평식 연속 도금장치
JPS613899A (ja) 電着用の被覆バルブメタル電極
JP4904097B2 (ja) 金属線材メッキ用不溶性陽極及びそれを用いた金属線材メッキ方法
CN108796591B (zh) 电极构造体
JP6183381B2 (ja) 電気めっき装置
CN102534733A (zh) 电镀装置以及电镀方法
JP5212225B2 (ja) 銅箔のめっき方法及びそのめっき装置
JP2022536258A (ja) 電気化学的プロセス用の電極アセンブリ
EP3460101B1 (en) Electrode for an electrolysis process
KR101481327B1 (ko) 복극식 전기분해 반응기
JP6414037B2 (ja) 電気めっきストリップの製造方法
CN204661855U (zh) 带有屏蔽装置的电镀槽
JP2018165378A (ja) 部分めっき用マスク部材、部分めっき装置および部分めっき方法
JP2021085048A (ja) Zn−Ni系合金めっき鋼板の製造方法および電気めっき設備
JP3178373B2 (ja) 連続電気めっき方法と装置
JP6119722B2 (ja) 電気めっき方法、電極ロール、及び電気めっき装置
JP2002220690A (ja) 電気メッキ方法および装置
KR20120069213A (ko) 전류 누설 방지가 가능한 복극식 전기분해 반응기
JP3370896B2 (ja) Zn−Ni系合金電気メッキ浴へのZnイオンの供給方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160825

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6183381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees