JP6182705B2 - 直接試料分析用イオン源 - Google Patents

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Description

本発明は、大気圧で動作し、質量分析器又は他の気相検出器に接続されるイオン源を含む直接試料分析システムに関する。イオン源は、多種多様な性質を有する複数の試料からイオンを発生させることができる。試料は直接試料分析システムのイオン源に直接導入される。
近年、特段の試料調製なく周囲大気圧条件で固体表面から試料種を脱離及びイオン化する技術、その後の質量分析による化学分析の普及及び多様性が急速に拡大している。そのような技術の例には、「脱離エレクトロスプレーイオン化」(DESI:desorption electrospray ionization)、「熱脱離大気圧化学イオン化」(TD/APCI:thermal desorption/atmospheric pressure chemical ionization)、「実時間直接分析」(DART:direct analysis in real time)、「脱離大気圧化学イオン化」(DAPCI:desorption atmospheric
pressure chemical ionization)、及び「レーザ脱離/エレクトロスプレーイオン化」(LD/ESI:laser desorption/electrospray ionization)を含むが、これらに限定されない。そのような技術を列挙しかつ説明する最近のレビューは、(非特許文献1)、及び(非特許文献2)によって提供されている。
このような技術のほとんどは周囲に開放されたイオン源構成を用いて実践されている。オープン型構成は、試料の位置決め及び試薬源の位置決めなどの分析条件の簡便な最適化、分析中の加熱又は冷却などの簡便な試料処理、及び試料の直接の交換を可能にすることができるため魅力的である。しかしながら、オープン型イオン源構成は安全事項に関して重大な欠点を呈する場合があるため、未制御の施設におけるそれらの使用は除外されており、また、同じ理由から他の場所にも勧められない。例えば、オープン型の源構成は、そのような源に通常用いられている高電圧及び/又は高温へのオペレータの偶発的な曝露に対する適切な保護を提供することはできない。オープン型の源は、また、非常に有毒であることが多い蒸発した試料及び試薬材料の封じ込めに失敗する可能性がある。
そのような安全事項のほかに、大気圧で動作するイオン源は、水分、酸素及び/又は窒素などの局所的環境内に自然に存在する気体種を伴う化学反応に依存することが多い。したがって、そのような反応物の局所的濃度が制御不能に流動するとそのような源の性能は大幅に変化する可能性があり、結果として、性能の劣化及び/又は低品位の再現性につながる。試料バックグラウンド及びイオン化条件の実時間監視、フィードバック、調節及び制御を提供する直接試料分析システムに対する多大な需要がある。
現在までに、そのような大気圧イオン源を、安全な動作及び周囲環境をより良好に制御及び操作する機能を提供する筐体を備えて構成するようにした試みはほんのわずかであることが知られている。しかしながら、周囲大気イオン源に筐体を装備するそのような試みでは、同時に、動作中の最大のイオン化効率及び真空内へのイオン輸送のための試料の位置ならびに種々の脱離及び/又はイオン化構成要素の位置を容易に最適化するための機能、例えば、表面温度を監視するために、又は表面外観を視覚化するために試料表面に容易にアクセスための機能、及び複数の試料を同時に源に装填することを可能にする機構を構成するための機能、及び、したがって、自動化運転の可能性を提供するための機能などの、オープン型イオン源のより有利な特徴のいくつかを妥協してきた。したがって、オペレ
ータの保護及び周囲環境制御を提供する一方で、また、オープン型周囲イオン源において利用できるはずであったこれら有利な特徴を提供する筐体を備えて構成されている周囲圧力イオン源に対する需要がある。
ヴァン・バーケル GJ(Van Berkel GJ)ら著「確立された及び台頭しつつある質量分析のための大気圧表面サンプリング/イオン化技術(Established and emerging atmospheric pressure surface sampling/ionization techniques for mass spectrometry)」、ジャーナル・オブ・マススペクトロメトリー(J.Mass Spectrom.)、2008年、第43巻、p1161〜1180 ベンター A(Venter A)ら著、「周囲脱離イオン化質量分析(Ambient desorption ionization mass spectrometry)」、トレンズ・イン・アナリティカル・ケミストリー(Trends in Analytical Chemistry)、2008年、第27巻、p284〜290
さらに、従来の周囲大気イオン源は固体試料、液体試料又は気体試料のうち1つのタイプのみに対応するように構成されている。したがって、大幅な機器再構成又はオペレータの介入を必要とすることなく比較的コンパクトなスペースで1つ又は複数の試料タイプの1つ又は複数の試料に対応することができる周囲大気イオン源に対する需要がある。さらに、脱離及び/又はイオン化プローブなどの試料及び補助構成要素の位置及び向きの自動化された特定及び自動化された最適化を提供する密閉された周囲大気イオン源に対する需要がある。
本開示は、大気圧で動作し、1つの試料又は複数の試料の直接導入を可能にする試料イオン化手段を含む直接試料分析(DSA:Direct Sample Analysis)システムの実施形態に関する。これら試料は均質性が異なってもよく、物質の状態は気相、液相、固相、乳濁液相及び混合相を含むが、これらに限定されない。DSAイオン源システムは、イオン源内で試料種から生成されるイオンの質量電荷又は移動度を分析するイオン移動度分析器などの質量分析器又は他の気相検出器に接続されている。DSAイオン源システムは、DSAイオン源システムの筐体に直接導入された試料から大気圧又はその近辺で試料関連イオンを発生させるように構成されている。いくつかの実施形態では、イオン源は以下の要素の少なくとも部分集合を含む。
1.1つ又は複数の試料を装填及び保持するための手段、例えば、取り外し可能なグリッド試料保持器を有する試料保持器アセンブリ、
2.各1つ又は複数の試料の分析を最適化するために各試料を移動及び配置するための手段、例えば、1つ又は複数の線形及び回転自由度、又は種々のリンク又はギヤアセンブリを有する多軸(例えば4軸)トランスレータアセンブリ、
3.イオン源への汚染の導入を最小限にしつつ1つ又は複数の気体、液体又は固体又は変物性の試料を自動的に導入するための手段、
4.導入された各試料のタイプ、サイズ、物理的特徴及び位置を検出するための手段、例えば、位置センサ、
5.試料保持器のタイプを自動的に特定するための手段、例えば、レーザ距離センサ、
6.不要なバックグラウンド種又は汚染種を監視及び除去するための手段、例えば、向流
ガス流、質量分析器、
7.分析前に試料表面を乾燥させる又は調整するための手段、例えば、熱源、
8.試料関連気相分子を乾燥させる及び/又は形成するために試料を加熱するための手段、例えば、光源、
9.試料表面の温度を検出するための手段、例えば、高温計及び熱電対、
10.試料関連分子のイオン化を促進するために試薬イオン、電子、励起状態の中性分子(準安定種)又は帯電した液滴を発生させるための手段、例えば、グロー放電、
11.種々のタイプ及び形状の試料保持器に配置される複数の試料の導入及び分析を機械的又は熱干渉なく可能にする角度をなした試薬イオン発生器、
12.試料イオン化及びイオンサンプリング効率を最大化するために、交換可能な出口チャネルを備えた回転する出口端部を含む角度をなした試薬イオン発生器、
13.導入された液体の空気式噴霧化を伴う複数の気体入口及び液体入口を含む試薬イオン発生器、
14.最適な性能を提供するために試薬イオン又はエレクトロスプレー帯電した液滴生成手段を手動で又は自動的に位置決めするための手段、例えば、トランスレータアセンブリとともに使用される位置センサ、
15.大気圧で発生した試料関連イオンを、質量電荷分析のために真空中で動作する質量分析器内に案内するための手段、例えば、電極及びイオン光学部品に印加される電圧、
16.イオン化領域及び装填済み試料を筐体外部の周囲環境から分離する、イオン源及び装填済みの試料保持器を囲む筐体、
17.DSAシステムの筐体が密閉される一方で、試料保持器を自動的に制御し、試料関連イオンの検出、運動、パージング、イオン化及び質量スペクトル分析又はイオン移動度分析するための手段、例えば、自動化された同調アルゴリズムを含む制御ソフトウェア、18.エレクトロスプレー法、大気圧化学イオン化法(APCI:atmospheric pressure chemical ionization)、光イオン化法及びレーザイオン化法の1つ又は複数に基づいて試料関連イオンを発生させる他の実施形態、19.パージガスの水分含有量を測定するための水分センサ。
いくつかの実施形態では、直接試料分析用イオン源は、1つ又は複数の気体試料もしくは1つ又は複数の固体試料又は液体試料を導入するための手段を同時に含む。例えば、これら手段は1つ又は複数の気体入口及び液体入口を含む。気体試料は、直接コロナ放電領域内において又は気相試薬イオンとの電荷交換を通じてイオン化することができる。イオン源内に導入される固体試料又は液体試料は蒸発され、コロナ放電により発生した試薬イオンとの電荷交換を通じて、エレクトロスプレーにより発生したイオン又は帯電した液滴との衝突による電荷交換又はイオン化を通じて、又は光イオン化によってイオン化される。さらに、試料溶液は、溶液がコロナ放電領域を通過するときに溶液が噴霧され、蒸発し、イオン化される試薬イオン発生器に直接導入することができる。
1つ又は複数の固体、液体又は多相試料を保持するための手段は、分析される試料の形状、種類、組成及びサイズの変化に適応するために種々の形状及び構成の試料保持器を含む。試料保持器は、試料保持器をイオン源筐体に及びその中に移動させる自動化された並進ステージ上に配置される。いくつかの実施形態では、試料保持器トランスレータは、2つの回転軸及び2つの直線運動軸を有する4軸運動コントローラを含む。丸形のシャフトシールが3つの運動軸に提供され、イオン源内部とイオン源外部の周囲環境との間に効率的だが低摩擦のシールを提供する。1つの直線運動軸はイオン源筐体内に完全に収容されており、外部環境からの直線シールの必要を排除する。イオン源筐体内の試料トランスレータアセンブリには、化学的に不活性であり、取得した質量スペクトルの不要な化学的ノイズ又は干渉イオンの一因となりうる化学汚染を生成しない材料を含む。
いくつかの実施形態では、試料トランスレータは、閉じているときには密閉され、開い
ているときには周囲汚染の導入を最小限にする扉を通じて固相試料又は液相試料の装填及び取り外しを可能にするように構成される。イオン源の密閉された筐体を通過する清浄なパージングガス流の順序付けにより、試料保持器の装填及び取り外しのときの周囲汚染の導入が最小限になる。ガスのパージングは、また、密閉された筐体内でイオンを発生させるときの一連の試料間における相互汚染の低減を助ける。固体試料及び液体試料の装填及び取り外しのとき、パージガスは密閉されたイオン源筐体内において揮発した試料に使用者が曝露することを最小限にするように制御される。バックグラウンド汚染種のパージングプロセスは、質量分析器を使用して、又はパージガスの出口ベントの水分センサなどの追加のセンサにより直接監視することができる。制御システムへのデータ依存フィードバックを伴うこの監視の手法で、試料装填後、試料乾燥後又は試料分析の間に分析のための最適かつ再生可能な条件を実現することができ、試料から試料へのキャリーオーバが回避される。
本開示は、試料トランスレータの零点、装填された試料の数、各試料の形状及びサイズ、及びイオンが発生することになる各試料表面の位置を決定するための1つ又は複数の位置センサを有するシステムを含む。零点センサは試料並進の各軸のホーム又は零点を形成するように構成されている。いくつかの実施形態では、レーザ距離センサ、例えば、干渉計は、保持器の種類を特定し、試料保持器の表面輪郭をマッピングするように構成されている。このため、試料が装填されると、どの試料位置が充填されたか、各装填された試料のサイズ、及び各試料表面の位置についての決定がなされてもよい。距離センサによって提供された情報は、最大のイオン生成及び質量分析器サンプリング効率のための各試料の最適な配置を可能にするために、(特に大型の又は不規則な形状の試料において)試料とイオン源筐体内のあらゆる表面との間の衝突を回避するために、試薬イオン発生器をその最適な位置に配置又は移動するために、及び複数の試料分析のための試料保持器の最も効率的な動作順序を決定するために、ソフトウェア及び電子機器制御システムによって処理される。
試料位置の精密な並進制御は、フィードバック及び最適化のために位置検出及び質量分析又はイオン移動度信号応答の両方を使用する場合にいくつかの利点を提供する。表面の正確な位置及び質量スペクトル又はイオン移動度信号応答の両方の使用は、特に、広く異なるサイズ、表面形状、トポグラフィ及び融点などの特性を有する試料について、より均一かつ正確な分析結果の取得を可能にする。最適なイオン化及びイオン収集の幾何学的配置を得ることができ、試料毎のサイズ及び表面の相違とは無関係である。さらに、比表面積特徴を分析するために非均質な試料表面を位置的に操作することができる。表面分析は集束光又はレーザビームにより表面を加熱することによって良好な空間分解能で実施することができる。表面特徴(例えば、タブレット上のスポット)を化学的に調べるために表面トポグラフィのビデオ検出もまた実施することができる。
多くの液体試料又は固体試料では、気相イオン化のために試料を蒸発させるために熱を必要とする。試料の凝縮を防止するために気体試料もまた熱を必要としてもよい。実施形態には、試薬イオン発生器を通して加熱されたガスを送達し、向流乾燥ガスを加熱し、赤外線源、白色光源又はレーザ光源を使用して加熱し、及び試料保持器による直接試料加熱を含む、いくつかの異なる手法で熱を発生させるための手段を含む。送達される全エンタルピーは、ガスヒータ温度及びガス流、光又はレーザ強度、直接ヒータワット数又は複数の熱源の組み合わせを通じて制御される。エンタルピーはシステムの全エネルギの測度である。いくつかの実施形態では、イオン源は、フィードバック温度制御を提供するために試料の温度を測定するための手段を含む。そのようなフィードバックは試料イオン化の一貫性及び再現性を向上させる。試料の温度を測定するための手段の例には熱電対及び高温計などの温度センサを含む。熱電対は熱電対センサに接触しているガス及び試料の直接温度フィードバックを提供する。イオン源内に構成されている高温計センサは蒸発する試料
分子が放出される固体試料表面又は液体試料表面の温度を測定する。精密な温度測定及びフィードバック制御は、温度ランプ、乾燥(非結合水)、脱水(結合水)、後にイオン化される分析物の蒸発、及び最終的に、試料についての構造情報を提供してもよい熱分解すなわち熱による分解の段階を含む連続的な熱プロセスを適用することによって分析中における試料の段階的な調整を可能にする。
本開示は、準安定イオン化(metastable ionization)、電子移動、電荷交換又はイオン分子反応により試料分子をイオン化するための試薬種を発生させるための複数の手段を記載する。これら手段の例にはグロー放電を含む。試料分析の間密閉されるイオン源筐体により、バックグランドガスの組成を最適なイオン化条件を提供するように制御することができる。特に、イオン源筐体内の水分の量は、プロトン化された水クラスタを最小限にする一方でプロトン化された水を効率的に発生させるように制御することができる。本開示は、試薬イオン発生器内における噴霧化を伴う、複数の気体入口及び液体入口を有する装置を特徴とする。液相種又は気相種の1つ又は複数の組み合わせを加熱された試薬イオン発生器内に導入及びイオン化することができる。試薬イオン発生器ヒータは噴霧された液体を蒸発させ、一部又は全ての蒸気及びガスが試薬イオン発生器出口端部近辺に配置されたコロナ放電領域を通過する。コロナ放電部は試薬イオン発生器内部に配置され、試料イオンを質量分析器内に案内するために印加される電界の歪みを最小化する。試料溶液は、噴霧化、蒸発及びイオン化のために、大気圧化学イオン化(APCI:atmospheric pressure chemical ionization)電荷交換反応により試薬イオン発生器内に直接導入することができる。いくつかの実施形態では、蒸発した液体試料は最大のイオン化効率のためにコロナ放電領域を直接通過する。
用途の一例では、イオン化領域から水を完全に除去することができ、水よりも低い陽子親和力を有する試料を分析することができる。メタン又はアンモニアなどの化学イオン化試薬は、従来のAPCI源と比較した場合により高い度合いの選択性を提供するように導入することができる。このDSAイオン源システムにおいて多様な試薬の化学作用を実施することができる。
いくつかの実施形態では、試薬イオン発生器、及びいくつかの用途では、APCI試料イオン発生器は角度をなした幾何学的配置を有する。いくつかの実施形態では、噴霧器及び蒸発器の軸は発生器の出口チャネルの軸に対してある角度で構成される。装置は少なくとも180°回転するように構成されている角度をなした出口チャネルを含むことができ、これは、試薬イオン発生器本体及び出口チャネルの最適な位置決めを可能にし、これによって、分析性能を最大化する一方で複数試料保持器との干渉を最小限にする。出口チャネルは、種々の試料タイプのために最適化された出口チャネル幾何学的配置の取り付けを可能にするために取り外し可能である。角度をなした幾何学的配置は、試料タイプに対する、及び質量分析器の入口オリフィスに対する試薬イオン発生器出口の位置及び角度の最適化を可能にする一方で、試薬イオン発生器の本体が試料及び試料保持器と干渉することを防止する。角度をなした幾何学的配置は、また、イオン化の前の試料の予備加熱を回避するために試薬イオン発生器ヒータを試料保持器から離し、それによって、試料間における相互汚染を最小限にする。いくつかの実施形態では、試薬イオン発生器は完全に直接分析源内に配置され、気体及び液体フローラインに必要とされるシール以外の筐体壁のあらゆるシールの必要を回避する。試薬イオン発生器は、取得した質量スペクトルのバックグラウンド化学的ノイズへの寄与を最小限にする材料を含む。
試料タイプ及び幾何学的配置に応じて、イオン化効率及び質量分析器内へのイオン輸送を最大化するために試薬イオン発生器出口面及び軸は位置調整を必要とする。いくつかの実施形態では、試薬イオン発生器は、DSA源筐体内における広範囲の位置調整を可能に
するために4軸並進アセンブリに取り付けられている。DSA源の制御ソフトウェア及び電子機器への位置センサフィードバックにより試薬イオン発生器の位置は手動で又は自動的に設定することができる。いくつかの実施形態では、試薬イオン発生器の位置は、距離センサの、イオン源筐体内に導入された試料保持器タイプ及び試料タイプのプロファイリングに基づきソフトウェア及び電子機器によって自動的に設定することができる。種々の試料タイプ、試料サイズ及び試料種のイオン化効率を最大化するために試薬イオン発生器の種々の直径及び幾何学的サイズの出口部分を交換することができる。試薬イオン発生器は交換可能なコロナ放電針アセンブリを備えて構成される。角度をなした出口端部の取り外しはコロナ又はグロー放電針アセンブリの取り外し及び取り付けを容易にする。
イオン源室内に異なる方法によって発生した試料イオンの一部は入口オリフィスに向かって案内されて真空中に入り、その後、それらが質量電荷分析される質量分析器内に入る。あるいは、DSA源内において発生したイオンが移動度分析器内に案内される。DSA源のいくつかの実施形態では、イオンを向流ガス流に抗してオリフィスを通じて真空中に案内するために1つ又は複数の電極に電界が印加される。向流ガス流は望ましくない中性種(微粒子及び分子)が真空に入ることを最小限にするか防止する機能を果たし、それによって、自由噴流膨張における試料イオンとの中性種の凝縮を最小限にするか排除するとともに、電極表面の中性種汚染を排除する。電界及び電極の幾何学的配置はDSAイオン源の質量分析器感度を最大にするために最適化される。DSA源の筐体は使用者の高電圧又は電界へのあらゆる曝露を最小限にする及び/又は防止する。試料保持器及び試薬イオン発生器並進部をイオン源内に制限するための、位置センサを使用した試料保持器のタイプ及び試料位置のマッピングは、試料分析中における試料又は移動するイオン源ハードウェアによる電極表面との不要な接触を最小限にする及び/又は防止する。
本開示は、周囲汚染がイオン源容積に入ることを低減する及び/又は防止する密閉された筐体を含む装置を特徴とする。そのような周囲種(ambient species)は試料種のイオン化に予測不可能に影響する可能性もあり、質量スペクトルの不要な干渉又は化学的バックグラウンドノイズの一因となる可能性もある。筐体は、イオン源容積内において発生した試薬イオン種のより厳密な制御を可能にし、所与の試料種の最大かつ再生可能なイオン化効率及びより高いイオン化特性を可能にする。
パージガス流は、試料分析の間に必要な時間を削減するために、及び試料間における相互汚染を最小限にするために気相試料分子のイオン源を掃引するように構成される。パージガスはそれが安全な実験室ベントシステムを通じて排出されるベントポートを通じて出る。安全なガスパージングを伴う密閉された筐体は使用者の揮発した試料種への曝露を最小限にする及び/又は防止する。いくつかの実施形態では、試薬イオン発生器ガス流、向流ガス流及びパージガス流がそこを通じて出るイオン源ベントは試料装填領域内の試料装填プレート上方に配置される。試料装填時、DSA源室へのガス流は試料装填プレートによって流れ、試料装填扉が開いている間に周囲ガス汚染がイオン源に入ることを低減する及び/又は防止する。試料装填扉が閉じられると、試料装填プレート上及び上方を流れ、試料をDSA源容積内に移動する前にベントを出るガスが周囲ガスの試料装填容積をパージするように機能する。所与の試料タイプにおいて乾燥が望まれる場合、この試料装填領域におけるパージプロセスを、新規に装填された試料を乾燥するためにも使用することができる。ベントポート又はライン内に配置される水分センサ又は湿度センサは新規に装填された試料をDSA源容積内に移動する前に達成された乾き度に関するフィードバックを制御システム及びソフトウェアに提供する。装填された各試料の乾き度の測定により、試料中に残った(又は残っていない)水分の一貫性を向上するための手法を提供し、これにより複数の試料分析における一貫性の向上を提供することができる。異なる日に調製された試料を同じ試料タイプの分析結果の一貫性を向上するためにDSAシステム内で調整することができる。例えば、分析される試料ピル表面の一貫性を向上するために異なる日に
調製及び精製された同じタイプの医薬ピルを分析前に一貫して乾燥させることができる。
密閉された筐体はイオン源の洗浄を容易にするために取り外し可能である。いくつかの実施形態では、筐体は、閉じているときには密閉されるアクセス用扉を含む。アクセス用扉及び筐体は、DSA源筐体シールが破損している場合に電圧及びヒータを切る安全センサを有する。
DSA源のいくつかの実施形態では、試料保持器の並進及び試薬イオン発生器の並進は完全に自動化されたモード又は選択的に手動の位置調整により動作させることができる。位置センサによるソフトウェアへの入力は、ソフトウェア及び電子機器制御システムが試料保持器及び試薬イオン発生器の並進に制限を設け、自動化又は手動並進動作のいずれかにおけるハードウェアの衝突又は電気ショートを防止すること可能にする。イオン源制御システムは生じた質量分析器のデータと複数試料保持器上の試料位置との間に相関を提供するために試料リストにリンクしている。
いくつかの実施形態は、質量スペクトル取得時における空間走査を可能にする、ソフトウェアで制御された試料のx−y−z並進及び試料スポット位置を記録する機能を含む。例えば、試料分析スポットは試料混合物の薄層クロマトグラフィトレース上の試料分離線(sample separation lines)に追従することができる。
本開示は、また、取得したデータのデータ評価を最適化するために、及び生成を報告するために試料毎の特定のイオン化法の情報を質量分析器のデータ評価ソフトウェアに提供するDSAシステムコントロールソフトウェアを含む。試料イオン化条件を調整して性能を向上するためにDSAシステムコントロールソフトウェアにデータ依存フィードバックを適用することができる。
本開示は、試料をイオン化する1つ又は複数の手段を特徴とする。イオン化手段は、単独で又は組み合わせて用いられるエレクトロスプレー、大気圧化学イオン化、光イオン化、コロナ放電及びグロー放電を使用する試薬イオン及び帯電した液滴の生成を含むが、それらに限らない。試料イオン化手段は、個々に又はイオン化タイプの組み合わせにより動作する、帯電した液滴の吸収及び蒸発する帯電した液滴からのイオン生成、気相電荷交換反応又はエネルギ交換反応、化学イオン化、光イオン化及びレーザイオン化を含むが、それらに限定されない。
DSAシステムは、固体、液体、気体、乳濁液、粉末、不均一試料及び多相試料及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない多くの物質の状態を分析するために使用することができる。
位置並進可能な試薬イオン発生器と、矩形の試料保持器と、複数穴スクリーン試料ターゲットと、質量分析器へのキャピラリオリフィスとを含む、直接試料分析(DSA:Direct Sample Analysis)イオン源及びシステムの一実施形態の図である。 メッシュ式試料保持器を備えて構成されている、DSA源試薬イオン発生器及び向流乾燥ガスヒータ内への気体及び液体導入手段の一実施形態の図である。 気体及び液体の供給部及び相互接続部を含むエレクトロスプレー電荷液滴源を備えた試薬イオン発生器及び真空内へのキャピラリオリフィスの一実施形態の断面図である。 下向きに角度をなした姿勢(angled down position)で構成された試薬イオン発生器出口、集束光源加熱及び高温計の温度フィードバックを含むDSAシステム内における薄層クロマトグラフィ試料ターゲットの拡大図である。 水平姿勢で構成された試薬イオン発生器出口、集束光源加熱及び高温計の温度フィードバックを含むDSAイオン源内における薄層クロマトグラフィ試料ターゲットの拡大図である。 下向きに角度をなした姿勢で構成された試薬イオン発生器出口と、高温計の温度センサフィードバックと、ビデオモニタと、バネクリップ式試料保持器とを有する複数軸試薬イオン発生器位置トランスレータを含むDSAイオン源システムの一実施形態の図である。 複数の試料メッシュターゲットと、フィードバック高温計を備えた光加熱源と、水平姿勢にある出口を備えて構成された複数軸トランスレータを備えた試薬イオン発生部と、を含むDSAシステムの一実施形態の側面図である。 4軸試料保持器並進ステージと、複数軸試薬イオン発生器トランスレータと、試料位置センサと、フィードバック高温計を備えた光ヒータ源と、試料管保持器と、を含むDSAシステムの一実施形態の部分切開図である。 固体ピル試料の分析のために配置された複数試料保持器が装填された4軸複数試料保持器トランスレータを含むDSAイオン源システムの一実施形態の正面図である。 シールを有する層状の回転及び並進シャフトを含む4軸試料保持器トランスレータの一実施形態の断面図である。 パージガスが流れている状態で、DSAイオン源筐体内において試料分析の配置にあるピルの複数試料保持器の正面図である。 パージガスが流れている状態で、DSAイオン源筐体内において試料分析の配置にある試料保持器の頂面図である。 装填された固体ピル試料の分析が実施された後、パージガスが流れている状態で、DSAイオン源筐体の一実施形態からの取り外しの配置にある複数試料保持器の正面図である。 パージガスが流れている状態で、DSAイオン源システム筐体の一実施形態からの取り外しの配置にある複数試料保持器の頂面図である。 パージガス流がオフにされた状態で、DSAイオン源システム筐体の一実施形態から取り外されている複数試料保持器の正面図である。 DSAイオン源システムの一実施形態に装填された複数試料保持器の正面図である。 イオン源密閉容積及び試料装填領域容積が、新規の試料保持器の装填後、試料分析を実施する前にパージされるDSAイオン源システムの一実施形態の正面図である。 少なくとも1つの距離センサを使用するターゲット試料同定及び試料輪郭マッピングの工程時のDSAイオン源システムの一実施形態の正面図である。 少なくとも1つの距離センサ及び試料保持器並進部を使用する試料ターゲット同定及び試料輪郭マッピングの工程時のDSAイオン源の一実施形態の頂面図である。 分析を実施するための配置にある試料保持器と、垂直方向に配置された管に装填された試料に最適な試薬イオン送達を提供するために、下方位置に移動し、その出口端部が自動的に180°回転している試薬イオン発生器と、を備えて構成されているDSAイオン源の一実施形態の正面図である。 分析中のエレクトロスプレー用の液体の供給を伴う成形固体試料支持物(shaped solid sample support)からのエレクトロスプレーイオン化を含むDSAイオン源の一実施形態の正面図である。 DSAイオン源システムの一実施形態を使用して分析したウコン粉末の質量スペクトルである。 DSAイオン源システムの一実施形態で分析した3つの異なる料理用油の3つの質量スペクトルを示す。 DSAイオン源システムの一実施形態を使用してダイエットコーク(Diet Coke)の試料から取得した正及び負イオン極性質量スペクトルを示す。 DSAイオン源システムの一実施形態を使用して3つの異なる種類のトウガラシ試料から取得した3つの質量スペクトルを示す。
種々の図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
試料の直接分析のために構成されたオープン型イオン源(open ion sources)はバックグラウンド大気の組成の変化にさらされるため、エンドユーザが分析される試料及び分析に導入される任意の試薬種に曝露する。分析を実施するエンドユーザが気体試薬種及び揮発した試料材料を吸入するおそれがある。この曝露は、薬剤、新規合成化合物、医薬試料、罹患組織、有毒物質、又はさらには利用可能な履歴のない法医学試料のような未知の試料を分析する場合に特に危険となる可能性がある。オープン型イオン源を操作する場合、バックグランドガスの組成の変化がイオン化効率に影響し、バックグラウンド汚染の一因となり、質量スペクトルに干渉成分ピーク(interfering component peaks)を加え、薬イオンの組成及び温度を予測不可能に変化させ、予測不可能な分析結果に至るおそれがある。本開示は、密閉されたイオン源容積内に直接導入された複数の試料の分析を、バックグランドガスの組成、温度及び流れを精密に監視及び制御したうえで可能にする装置及び方法を特徴とする。DSAイオン源システム内における試薬イオン生成は厳密に制御されかつ再生可能であり、試料分析の頑健性及び再現性が増加する。使用者が電極に印加される任意の電圧に曝露する可能性のあるオープン型イオン源とは異なり、DSAイオン源システムは、密閉されたイオン源容積内に構成された電極に印加される電圧から形成された電界の印加を含む。これらの印加された電界は、イオンを、オリフィスを通じて真空中に案内することによって質量分析器の分析感度を増加する。
市販されているオープン型イオン源では、一般に、試料から発生したイオンを真空中に引き出すために中性ガス流を使用する。この同じガス流が、イオン化されない汚染分子も同伴し、これら不要種を真空中に掃引し、そこで不要種が試料イオン上に凝縮したり、真空内の質量分析器の電極を汚染したりする可能性がある。本開示は、不要な中性汚染種(neutral contamination species)が真空に入らないように掃出するための向流ガス流を含む一方で、集束電界を使用して、オリフィスを通じて試料イオンを真空中に案内する装置及び方法を特徴とする。DSAイオン源システムは、電気的及び空間的の両方において入口端部と出口端部の分離を可能にする誘電キャピラリを含む。米国特許第4,542,293号明細書に記載されるように、この電気的な電極の分離により、キャピラリの入口電極と出口電極に同時に異なる電圧を印加することが可能になるため、大気圧イオン源内及び真空領域内の両方において最適な電圧が提供される。大気圧におけるイオンの電界集束は向流乾燥ガスに抗して真空へのイオンの効率的なサンプリングを可能にし、感度が増加する一方で、不要な中性汚染ガス又は蒸気分子が真空に入るのを低減する。
図1及び図2を参照すると、DSAイオン源システム1は、試薬イオン発生器アセンブリ2と、取り外し可能なグリッド試料保持器20,21,22を備えた試料保持器アセンブリ3と、試薬イオン発生器トランスレータアセンブリ5と、光ヒータ7と、高温計8と、光ファイバ及び集束レンズ入力部11を備えたビデオカメラ10と、質量分析器キャピラリ入口電極12と、前金具電極アセンブリ13と、筐体アセンブリ14と、を含む。試料保持器アセンブリ3は、3つの取り外し可能な試料保持器20,21,22を含み、図に示されるように、そのそれぞれが21個の個々の試料配置位置を有する。試料保持器アセンブリ3は1〜4つの取り外し可能な試料保持器を支持する。試料保持器20,21,
22は、液体試料が充填される、通常、ステンレス鋼又は多孔質ポリマーのメッシュ24を含む。メッシュ24は支持及び取り付けのために金属プレート25と金属プレート26との間に挟まれている。試料保持器アセンブリ3は、図8,9,10,11に示される4軸トランスレータアセンブリ180により配置される。トランスレータアセンブリ180は、試料保持器アセンブリ3のY垂直軸15、回転軸16、Z水平軸17及びX水平軸18の運動を生じさせる2つの直線並進運動度及び2つの回転並進運動度を含む。
図1に示しかつ図2により詳細に示すように、試薬イオン発生器2は、液体入口40と、噴霧器気体入口41と、補助気体入口42と、空気式噴霧器43と、ヒータ44と、熱電対45と、電気絶縁体52を介して取り付けられたコロナ放電針48と、角度をなした出口チャネル49と、を含む。液体入口40を通じて送達された単一成分又は液体の混合物が噴霧器入口41内をガスが流れている状態で空気式噴霧器43内に噴霧される。噴霧された液体及びキャリアガス54はそれがヒータ44を通過するときに蒸発及び加熱される。ヒータ44を出るガスと蒸気の混合物の温度が熱電対45を使用して測定され、制御ソフトウェア及び電子機器にフィードバックされて、ヒータ温度が調整される。加熱されたガスは取り外し可能な端部部品51によって囲まれている角度をなした出口チャネル49を流れ、コロナ又はグロー放電部47を通過する。コロナ又はグロー放電部47は、通常、出口端部部品51を接地電位又はゼロボルト電位において維持する一方で、正極性又は負極性のキロボルトの電位をコロナ又はグロー放電針48に印加することによって形成される。コロナ又はグロー放電針48に印加される正極性電圧は正極性試薬イオンを生成する。負極性試薬イオンはコロナ又はグロー放電針48に負極性電圧を印加することによって生成される。加熱された試薬イオンがコロナ放電部47内において形成される。加熱された試薬イオン及びキャリアガスは試薬イオン発生器出口50を通過し、試料保持器22のグリッド24上に収容された試料27に向かって移動する。あるいは、グロー放電部47は試薬ガス及び試料と相互に作用して試薬及び試料イオンを形成するイオン又は励起準安定原子又は分子を生成する。
噴霧化気体入口41は、噴霧器43を通じて噴霧するガスの流量を制御する噴霧化ガス圧力調整器又は流量調整器81に連結されている。噴霧ガス圧力調整器81は、DSAイオン源システム電子機器及びソフトウェア制御システム82に接続され、かつそれにより制御される。噴霧ガスの成分は、通常、窒素又は乾燥浄化空気であるが、それらに限定されない。液体入口40は、シリンジ60及びシリンジ61がそれぞれ装填されたシリンジポンプ58及びシリンジポンプ59に連結されている。シリンジポンプ58及びシリンジポンプ59は個々の液体種を制御された流量で送達するために別々に作動させることもできるし、混合液体成分流を発生させるために、又は試薬イオン発生器2に入る液体成分の勾配を形成するために同時に作動させることもできる。あるいは、シリンジポンプ58及びシリンジポンプ59の代わりに、液体クロマトグラフィポンプ又は加圧液体保持用バイアルなどの当技術分野において公知の任意の流体送達システムを使用することができる。多くの試料タイプでは、望ましい正極性試薬イオンはヒドロニウム又はプロトン化された水(HO)である。なぜなら、ヒドロニウムは非常に低い陽子親和力を有するため、気相においてより高い陽子親和力を有する任意の分子と容易に電荷交換するからである。水クラスタの陽子親和力がクラスタ内の水分子の数とともに増加するためプロトン化された水クラスタは望ましさが劣る。結果として、気相においてプロトン化された水クラスタはプロトン化された試料イオンから陽子を取り除き、試料イオンの感度を低下させる可能性がある。DSA源イオン化領域の密閉環境により、ヒドロニウムイオン生産を最大限にしつつプロトン化された水クラスタを最小限にするためにバックグラウンド試薬ガス中の水の割合を厳密に制御することができる。
出口チャネル49内を流れるガス中の水の割合は、空気式噴霧器43内に噴霧される液体入口40内を流れる水の流量と、気体入口41及び気体入口42内をそれぞれ流れる噴
霧器ガスと補助ガスの総流とによって決定される。例えば、入口41内を流れる1分あたり1リットルの噴霧器ガス、及び1分あたり1マイクロリットルの流量の水を噴霧器43に送達するシリンジポンプ58を用い、約1000倍の体積膨張を生じる水の蒸発後、出口チャネル49及びコロナ又はグロー放電部47内を流れる水分は約0.1体積%濃度を有しうる。この試薬イオンガス流中の水の割合はシリンジ58によって送達される流量又は気体入口41及び気体入口42を通過するガス流量を変えることによって正確に調整することができる。コロナ又はグロー放電部47はその中を流れる窒素ガス分子をイオン化し、それがさらには、当業者に公知の一連の気相反応を通じてヒドロニウムイオンを形成する。試薬イオン発生器出口チャネル49を出口50において出る加熱された試薬イオンガスはグリッド24内を流れ、試料スポット27に堆積した試料を蒸発させる。蒸発した試料分子は、この試料分子が、通過するヒドロニウムイオンよりも高い陽子親和力を有する場合、ヒドロニウムイオンと電荷交換し、プロトン化された試料イオンを形成する。試料スポット27の下流側の領域84内において試料イオンが形成される。形成された試料イオンは、その後、前金具電極13及びキャピラリ入口電極12ならびに接地又はゼロボルト試料保持器22に印加される電圧によって形成される集束する電界線に追従する。電界によって推進され、試料イオンは乾燥窒素向流ガス流60に抗して移動する。向流ガス流60はあらゆる中性水分子又は水クラスタを運び去り、電界により移動するプロトン化された水クラスタを乾燥し、それによって、中性水クラスタが新規に形成された試料イオンから電荷を取り除くことを低減及び/又は防止し、試料又は水の中性分子が真空に入ることを排除する。イオン及び中性窒素ガスは、キャピラリ80内のキャピラリオリフィス30の出口端部85において形成される急速に冷却される自由噴流膨張を通じて真空に入る。試料イオン上の中性分子の凝縮はほぼ又は全く起こらない。本開示により構成されるDSAイオン源システムは、試薬イオンの生産及び送達の正確な制御を提供し、頑健な、一貫した、再生可能な分析作業を可能にする。所望のように、再生可能な制御及び動作時に試料を取り巻く状況ゆえに、試料それ自体が分析される1つの変数である。
正イオンの場合に低い陽子親和力を有する試料は水とは異なる試薬イオンの成分を使用してイオン化してもよい。例えば、試料分子はそれがプロトン化部位を有しない場合ヒドロニウムイオンから陽子を受け取らなくてもよいが、付加アンモニアイオンを有する試料イオンを形成するためにプロトン化されたアンモニアイオンとのアタッチメントを形成してもよい。そのような気相反応は大気圧化学イオン化(APCI:Atmospheric Pressure Chemical Ionization)及び真空化学イオン化(CI:Chemical Ionization)の分野において公知である。アンモニアは、水について上記したように、シリンジポンプ58又はシリンジポンプ59を使用して液体形態で試薬イオン発生器2内に送達することができるし、アンモニアはヘッドスペースガス90又はヘッドスペースガス91としてバイアル87又はバイアル88にそれぞれ抽出することができる。バイアル87及びバイアル88のヘッドスペースガスの流量制御は圧力調整器92及び弁95によって提供される。バイアル87及びバイアル88のいずれか1つ又は両方のヘッドスペースガス流は、弁96及び弁97それぞれを開く又は閉じることによって選択することができる。ヘッドスペースガス90又はヘッドスペースガス91は連結部99及び入口42内を流れヒータ44に入る。あるいは、異なる補助ガス流種98を、入口42を通じて試薬イオン発生器2内に導入することができる。ガス流コントローラ93及び弁94を通じて制御される補助ガス流98は加圧ガスタンクから供給されてもよい。例えば、試薬ガスとしてヘリウムを導入することが望ましい場合がある。なぜなら、コロナ又はグロー放電部47内で形成されるイオン化された、準安定ヘリウムは高いイオン化電位を有し、これらヘリウム準安定種又はイオン種が気相原子又は分子と衝突した場合に電荷移動効率を向上するからである。ヘリウムは比較的高価なガスであり、多くの試料種のイオン化に必要とされなくてもよい。ヘリウムを窒素又は他のガスと混合して試薬イオン混合物を形成することができる。弁94,95,96,97、圧力調整器92及びガス流コントローラ93はDSA源の電子機器及びソフトウェアコントロ
ーラ82に接続され、試薬イオン発生器2内に流れる気体及び液体の一部又は全てのソフトウェア及び自動制御を提供する。あるいは、補助ガスの組成及び流れは手動で制御することができる。
図1,2に示されるように、シリンジ又は流体送達ポンプ58,59ならびに流体T字管83が、DSAイオン源システム1の密閉された筐体アセンブリ14の外側に配置されている。同様に、付属の弁94〜97と、圧力調整器92と、流量調整器93とを備えた試薬溶液バイアル87及び試薬溶液バイアル88が、電子機器コントローラモジュール82と同様に、密閉された筐体アセンブリ14の外側に配置されている。質量スペクトルのバックグラウンド化学的ノイズに大きく寄与せず、気相試料分子のイオン化効率に影響しない不活性材料のみがDSAイオン源システム1の密閉された筐体アセンブリ14の内部に構成される。密閉された筐体アセンブリ14内部に構成される材料は、一般には、金属、セラミック又はガラスであるが、これらに限定されない。筐体アセンブリ14を通過する密閉された貫通部品(feed throughs)に流体又はガス流チャネルが連結される。筐体アセンブリ14内に配置される、ヒータ44、熱電対45及び電極又はエレクトロスプレー針へのワイヤは、通常、セラミック絶縁体により電気的に絶縁されている。密閉されたDSAイオン源筐体アセンブリ14内部の電気絶縁体にはセラミック以外の他の材料を含んでもよいが、そのような材料は、脱ガスが試料イオン化を妨げる程度まで、又は脱ガスの結果取得した質量スペクトルに干渉ピーク又は化学的ノイズを生じる程度までそのような脱ガスをしないことを前提とする。
その代わりに、試薬イオン発生器2は、試料がその中で直接イオン化される大気圧化学イオン化プローブとして動作させることができる。試料保持器アセンブリ3を試薬イオン発生器出口50と前金具入口70との間の領域84から離すことにより、コロナ放電部47内において発生したイオンは上述のように印加された電界によって推進され、キャピラリオリフィス30に直接送達することができる。事実上、米国特許第7,982,185号明細書に記載されるように、試薬イオン発生器2は零電界APCI入口プローブとして動作することができる。例えば、試料成分の凝縮を回避するために、ガスクロマトグラフからの気体試料を、入口40を通じて直接ヒータ44内に送達することができる。ガスクロマトグラフィのキャリアガスは、通常、溶出気体試料がコロナ又はグロー放電部47を通過するときにそれらの効率的なイオン化を提供するヘリウムである。その代わりに、イオン化効率を最大化するために、気体試料を試薬イオン発生器入口41又は42内に導入することができ、追加の試薬イオン種の同時の導入を可能にする。液体試料は、また、入口40を通じて、液体クロマトグラフ、噴射弁又は当業者に公知の他の流体流システムから導入することができる。例えば、40を通じてシリンジ58から噴射される流れである校正溶液は空気式噴霧器43内に噴霧され、噴霧された液滴がヒータ44を通過するときに蒸発し、校正蒸気がコロナ又はグロー放電部47を通過するときにイオン化する。キャピラリオリフィス30を通じて質量分析器78内に案内される校正イオンは質量分析器78を調整及び校正するために使用することができる。同様に、より高い分解能の質量分析器での正確な質量測定のための内部標準校正イオン(internal standard calibration ions)を提供するために、そのような校正イオンを、試料27又は任意の他の試料のイオン化時にも添加することができる。質量分析器78は、四極子型、トリプル四極子(triple quadrupole)型、飛行時間型(TOF:Time−Of−Flight)、ハイブリッド四極子飛行時間型、オービトラップ型(Orbitrap)、ハイブリッド四極子オービトラップ型、2次元又は3次元イオントラップ型、飛行時間飛行時間型又はフーリエ変換型の質量分析器であってもよいが、これらに限定されるものではない。
図1,2を参照すると、向流ガス61は初めに向流ガスヒータ62を通過し、前金具出口70において出る。向流ガス流量はソフトウェア及び電子機器コントローラ82に接続
された流量調整器72を通じて制御される。向流乾燥ガス60に抗して移動する試料イオンをキャピラリオリフィス30内に案内するためにキャピラリ入口電極12及び前金具電極13に電圧が印加される。真空中に膨張するキャリアガスが同伴したイオンを真空ステージ74内に掃引する。キャピラリ出口電極76及びスキマー電極75に電圧が印加され、キャピラリオリフィス31を出るイオンが質量電荷分析のために質量分析器78内に案内される。通常、窒素又はドライエアであるがそれらに限定されない向流ガス流60は不要な中性汚染分子を掃き出し、中性汚染種が真空に入ることを防止する。向流ガス流60は、真空への自由噴流膨張内の試料イオン上における汚染分子の凝縮を排除するか最小にし、かつ真空内の電極の不要中性分子汚染を最小限にする。キャピラリ入口電極12及び出口電極76は空間的及び電気的に分離される。米国特許第4,542,293号明細書に記載されているように、キャピラリ入口電極12及び出口電極13のために異なる電圧値を同時に及び単独で最適化することができる。例えば、DSAイオン源の動作中における正イオン極性生成のために、前金具13、キャピラリ入口電極12及びキャピラリ出口電極76に印加される電圧値はそれぞれ−300VDC、−800VDC及び+120VDCに設定してもよい。前金具電極13及びキャピラリ入口12に印加される電圧から形成されるイオン集束電界(ion focusing electric field)は接地試料ターゲット27近辺に形成される試料イオンをキャピラリオリフィス30内に案内する。キャピラリオリフィス30内を流れるガスが、それぞれキャピラリ入口電極12とキャピラリ出口電極76との間の減速電界に抗してキャピラリオリフィス30内においてイオンを押す。イオンは、ほぼキャピラリ出口電極76に印加される電気電位に加え、シード化分子ビーム(seeded molecular beam)によって付与される速度でキャピラリオリフィス31を出る。試料イオン化領域84内の電界を変えることなくイオンのフラグメンテーションを選択的に生じさせるためにキャピラリ出口電極76の電圧はスキマー75に印加される電圧に対して増加させることができる。イオンのフラグメンテーションは、化合物の同定の確立において、又は化合物の構造を決定するために有用となりうる。
図3を参照すると、DSAイオン源システム1は、試料イオン化効率を高めるために試薬イオン又は帯電した液滴ためのさらなる供給源を備えて構成することができる。DSAイオン源システム1は、筐体14内部に取り付けられたエレクトロスプレー針103を含む。1つ又は複数の流体送達システム、もしくはシリンジ60及びシリンジ61をそれぞれ備えたシリンジポンプ58及びシリンジポンプ59から送達された液体が、試薬液体又は試料溶液を、流体ライン107を通じてエレクトロスプレー針103内に供給する。試薬液体又は試料溶液はエレクトロスプレー針103の先端108からエレクトロスプレーされ、帯電した液滴104のプルームを形成する。エレクトロスプレープルーム104はエレクトロスプレー針103と前金具電極13又は接地出口チャネル49の壁110との間の印加電圧差によって形成される。いくつかの実施形態では、高圧電源をエレクトロスプレー針103に接続し、安定したエレクトロスプレープルームを維持する値に電圧を設定する。あるいは、エレクトロスプレー針103を大地電位に維持した状態で安定したエレクトロスプレーを提供するのに十分な電圧を前金具電極13に印加することができる。エレクトロスプレー針103及び前金具13の両方への電圧の印加は、通常、試料イオン化効率及び質量分析器78内へのイオンサンプリングを最適化するために使用することができる。
加熱された試薬ガス及びイオン55が試薬イオン発生器出口50から出て試料管101に衝突することにより試料分子が試料102から蒸発する。試料102は試料保持器110に取り付けられたガラス管101上に堆積される及び/又はガラス管101内に充填される。蒸発した試料分子はエレクトロスプレーされた帯電した液体滴に吸収されてもよい。当技術分野において公知のように、試料イオンが、その後、帯電した液体滴が蒸発するにつれて形成され、加熱された向流乾燥ガス60に抗して前金具電極オリフィス70に向
かって移動し、帯電した液滴の蒸発が進むにつれてイオンを形成する。あるいは、上述のように、蒸発するエレクトロスプレー液滴から形成された複数の電荷を場合により有する試薬イオンが、その後、質量電荷分析のために、キャピラリオリフィス30内に、及び質量分析器78に案内される試料イオンを形成するために、気相試料分子と電荷交換することができる。試料102からの気相試料分子は、試薬イオン発生器2を出る試薬イオン55、又はエレクトロスプレーにより発生した試薬イオン、又は帯電した液滴に、個々に又は同時に曝露させることができる。試薬イオン源又は帯電した液滴源の選択は、コロナ又はグロー放電針48及びエレクトロスプレー針103に印加される電圧を制御することによって、及び流体の流れ又は噴霧化及び試薬ガス源111,58,59,87,88,98を制御することによって実現される。
試料ガスは、コロナ又はグロー放電部47源又はエレクトロスプレー103源から形成される試薬イオン又は準安定種との電荷交換を通じてイオン化が起こるイオン化領域84に直接導入してもよい。生じた試料イオンは、その後、上述のように質量電荷分析のために質量分析器78内に案内される。図3を参照すると、試料ガス供給部114が試料ガスを、ガス流管115を通じて送達し、試料ガスはイオン化領域84の近位の端部117において出る。試料ガス供給部114は、密閉された筐体アセンブリ14の外側に配置される、ガスクロマトグラフ、周囲ガスサンプラ又は呼気分析計とすることができるがこれらに限定されない。
試料加熱は、再生可能な、一貫した、信頼性の高い試料イオン化効率を達成するために制御される重要な変数である。異なる試料は異なる熱容量を有し、試料分子蒸発の実施に異なる温度を必要としてもよい。いくつかの実施形態では、試料表面の加熱に必要なエンタルピーを複数の源から制御可能に送達することができる。試料表面に印加される1つの熱源は上述のように加熱された試薬イオンガスとして試薬イオン発生器2から送達される。試薬イオン発生器2の出口50を出る試薬イオン及びガス流55から試料表面に送達されるエンタルピーの量は出口ガス及びイオン混合物55の温度と流量の関数である。ガス及び試薬イオン温度は、コロナ又はグロー放電部47からの熱を一部付加し、ヒータ44の温度を設定することによって制御される。試薬イオン発生器2の出口50を通過する合計ガス流量については上記されている。あるいは又はさらに、熱は、また、光源を使用して試料表面に送達することができる。
図1,2,4,5を参照すると、光源7には、図4に示すように電気接点120を含む赤外線光源、白色光源、又はレーザを含むが、これらに限定されない。加熱光源7のいくつかの実施形態は、反射性の覆い121内に構成された赤外線又は白色光石英電球を含む。太陽集熱器分野において公知のように、内部反射性の覆い121の上端部122には、内部反射性の光集線装置として内部に形成される近似放射面反射装置及び出口端部123を含む。加熱光源出口124は、試料及び分析要件に応じて、光集束レンズ、開口孔、又は内部反射性の光パイプを含んでもよい。加熱光源7から出る光125が分析される試料に照準を定めるように加熱光源7がDSAイオン源システム1内に搭載されかつ配置されている。試料表面に衝突する光強度は、白熱電球電極120に印加される電圧、又は光源7がレーザであればレーザパワー、及び集束光点(focused light spot)の大きさを制御することによって調整される。試料表面を制御可能に加熱するために光及び加熱された試薬ガスを個々に又は同時に使用することができる。試料タイプ及び組成によっては、成分の混合物を含む試料表面に印加される制御された加熱又は熱勾配は試料表面を離れる種々の試料成分の時間又は温度の分離を生じさせる。より低い蒸発温度を有する化合物種はより高い蒸発温度の試料種の前に試料表面から蒸発する。温度勾配による試料表面温度のランピングは試料成分の時間における分離を達成することができる。試料種のこの温度分離はイオン化プロセスにおける干渉を低減し、分析ピーク容量を増加し、キャピラリ内からスキマー領域までのイオンフラグメンテーションにおけるある程度の
選択性を可能にすることができる。熱脱離分光業者に周知の手法で温度に応じて種の脱離を監視することによって試料表面の組成についての追加の分析情報も得られる。
加熱光源7は、放射する光を、試料表面上において、加熱されたガス流を使用して実現することができるものよりも小さなスポットに集束する出口レンズを備えて構成することができる。この集束した熱源は、固相試料又は他の試料タイプを分析する場合に表面上における空間分解能の向上を可能にする。図4,5を参照すると、薄層クロマトグラフィ(TLC:thin layer chromatography)プレート130,131が試料保持器アセンブリ132に取り付けられ、バネクリップ133によって所定の位置に保持されている。試料種の混合物が薄層クロマトグラフィプレートの長手方向に分離され、空間的に分離された固相試料成分の線が生じる。試料保持器アセンブリ132に取り付けられている薄層クロマトグラフィプレート130,131は前金具13の軸にほぼ垂直に入る試料分離線を有する。1つ又は複数の列の試料分離を単一のTLCプレート上において実施してもよい。同じプレート上におけるTLCチャネル間のクロストークを回避するため、最小限の過熱を伴う熱の集束印加(focused application)が必要である。試料保持器アセンブリ132がTLCプレート130線を前金具電極13の軸に垂直な方向に移動するときに集束加熱光124がTLC分離された試料の1つのチャネルにおいて案内される。TLCプレート130上の加熱された試料スポット137に照準を定める高温計8は加熱光125によって直接加熱される表面温度を測定する。高温計8の温度測定値は制御ソフトウェアにフィードバックされ、試料位置137の試料表面温度を所望の設定温度に維持するために加熱光源8の光強度が調整される。加熱光源7が赤外線光源を含む場合、赤外線に起因する表面温度の読取りエラーを回避するため、高温計の測定値をとるときにランプを一時的にオフにすることができる。試料表面温度は、高温計8で、又はその代わりに熱電対で直接測定することができる。ヒータ制御へのフィードバックを伴う試料表面温度の直接測定は、同じ試料タイプの複数の試料を分析する場合に、TLCプレート又は植物又は動物組織などの試料表面を分析する場合に、又は異なる試料タイプを測定する場合に、より一貫した、信頼性の高い、頑健なイオン源性能を可能にする。
試薬イオン発生器ヒータ44の場合のようにヒータ素子の熱容量を条件としていないため、加熱光又はレーザ8の強度は迅速に調整することができる。試薬イオン発生器2内の総ガス流路の熱容量及びコロナ又はグロー放電部47によって発生する熱が原因で出口チャネル49を出る試薬ガス55のガス温度の調整にはより長い時間がかかる。図4は、出口50を通じて流れるガス及びイオン流を試料スポット137に対して直接案内する角度をなした出口端部134を備えて構成及び配置された試薬イオン発生器2を示す。試料表面位置137に衝突する加熱されたガス及びイオン50が試料表面137に送達されるより集束した熱を補完する。図5を参照すると、試薬イオン発生器2及び角度をなした出口端部134は約180°回転し、角度をなした軸135に沿って下に移動している。出口50を通じて流れるガス及び試薬イオン50は試料表面位置137にほぼ平行して案内される。図5に示される実施形態では、試料表面位置137に送達されるエンタルピーの主要源を光ヒータ7が送達し、試料表面温度及び試料位置137において加熱される面積のサイズのより厳密な制御を可能にする。図4,5に示される実施形態では、加熱される試料位置137の温度を読み取るために高温計8が配置される。
DSAイオン源システム1は光ファイバプローブ11を有する又は有しないビデオカメラ10を備えて構成することができる。分析されている試料表面位置を見るために、及び分析中の任意の時間における表面の視覚ステータスをソフトウェア又は使用者にフィードバックするために正しい配置のビデオカメラ10を使用することができる。4軸試料保持器アセンブリ3のトランスレータ制御部が質量分析器78のキャピラリサンプリングオリフィス30に対する特定の試料表面の正確な位置を決定する。既知の試料位置を取得した
質量スペクトルのデータに相関させるとともに、また、試料分析中にビデオ画像に相関させることもできる。ビデオカメラ10は試料表面の拡大像を提供するために適切な光学顕微鏡レンズを含む。ビデオカメラ10の試料環境への曝露を最小限にするために、及びカメラ筐体又は電子機器のあらゆる脱ガスを低減及び/又は排除するために、適切な光学部品類を用いて、ビデオカメラ10を筐体14の外部に構成することができる。そのような脱ガスは望ましくないバックグラウンド化学種をDSAイオン源システム1の筐体14内部に付加する。
図1〜7に示される角度をなした試薬イオン発生器2は、図1、2、3、6、7に示される取り外し可能な端部部品51を備えた回転可能な角度をなした端部134と、図4,5に示される回転可能な縮径端部部品140と、を含む。図2,5を参照すると、試薬イオン発生器ヒータの軸141は出口端部134の軸142から角度をなしている。角度をなした試薬イオン発生器の幾何学的配置は、試薬イオン発生器2を妨げることなく試料を外縁全体に沿って装填することができる丸形、矩形又は他の形の試料保持器アセンブリの分析を可能にする。例えば、図1では、試料保持器20,21,22が矩形の試料ターゲットアセンブリ3の外縁に沿って取り付けられている。各試料27が分析のための位置に移動すると、試料保持器アセンブリ3に取り付けられている任意の他の試料による試薬イオン発生器2との接触は形成されない。角度をなした試薬イオン発生器2の幾何学的配置では、各試料分析の前又は後の不要な試料加熱を回避するために、絶縁したヒータ本体144を装填された試料から十分に離して配置する。試薬イオン発生器2の角度をなした幾何学的配置及び試料保持器3の4軸並進により、試料保持器アセンブリ3のコンパクトな幾何学的配置を使用して、異なる形状及びサイズを有する多数の試料を配置及び分析することができる。例えば、15.24センチメートル(6インチ)の矩形の試料保持器アセンブリの全周は60.96センチメートル(24インチ)の長さである。同等の直線幾何学的配置の試料保持器は1つの方向において60.96センチメートル(24インチ)の長さであるが、一部又は全ての試料を、イオン化領域84を越えるライン内において通過させるには121.92センチメートル(48インチ)幅のイオン源が必要である。2次元ではなく3次元で配置された試料を取り付けた試料保持器アセンブリ3のよりコンパクトな幾何学的配置は、より小さく、よりコンパクトなDSAイオン源1及び同様により小さな筐体14の構成を可能にする。
DSAイオン源1及び筐体14容積が小さいほど、各試料分析間及び試料保持器アセンブリ3 110,132,162の装填及び取り外しのときに気相汚染物質をパージするための容積が少なくなる。より小さな源の容積を効果的にパージするためにより少量のガスの使用が必要であり、新規の試料分析セットを開始する前、又は各試料が分析される間に汚染ガス種を除去するのにより少ない時間を必要とする。汚染物質種のより速いパージングにより、複数試料セットのより速い分析時間を可能にし、全体的なイオン源の分析効率が向上する。
図6,7を参照すると、回転可能な出口端部アセンブリ134を備える角度をなした試薬イオン発生器2の幾何学的配置により、種々の試料タイプにおける最適な動作のための迅速かつ自動化された出口50の位置決めが可能になる。試薬イオン発生器出口50は、キャピラリオリフィス30へのイオンサンプリングの高い効率とともに各試料タイプの最大イオン化効率を提供するように配置される。ヒータ本体144は図1,3,4,6にそれぞれ示される試料保持器アセンブリ3,110,132,162に取り付けられた試料を妨げない。試薬イオン発生器ヒータ本体及び出口50の直線及び角度をなした姿勢は試薬イオン発生器4軸トランスレータアセンブリ150により調整される。図6,7に示される試薬イオン発生器4軸トランスレータ150のいくつかの実施形態は、水平直線軸151と、回転軸152と、角度をなした直線軸153と、第2の回転軸154と、を含む。各軸は、手動で調整することも、各軸を駆動する、ソフトウェアで制御されたモータに
より自動的に調整することもできる。並進軸の種々の構成を、同様の、低減された又は増加された柔軟性及び機能を保持しつつ、152で示される実施形態に置換することができる。ソフトウェアに、試料位置に対する、及びノーズピース13の固定された位置に対する試薬イオン発生器2の精密な位置決めを提供する、手動式又は自動化トランスレータアセンブリの各軸の位置を測定するためのセンサを付加することができる。後の段落に記載されるように、ソフトウェアへの、試料保持器アセンブリ3,110,132,162位置及び試薬イオン発生器2位置の位置センサフィードバックにより、DSAイオン源システム1の表面及び電極への接触を回避しつつも、分析中の試薬イオン発生器及び試料の位置決めの自動化及び最適化が可能になる。
図6は、角度をなした直線軸153が引き込まれ、角度をなした出口アセンブリ134が、可動試料保持器アセンブリ162に取り付けられた試料クランプ161によって把持された試料160の方を出口50が下向きの角度で指す位置に回転した、上昇位置にある試薬イオン発生器2を示す。一例として、図6の試料160は一片のオレンジの皮であってもよい。オレンジの皮に殺虫剤又は防かび剤がもしあれば存在することを判定するための分析が実施される。図7は、角度をなした軸153が伸び、回転可能な角度をなした端部アセンブリ134が図6に示される位置から約180度回転した、下降位置にある試薬イオン発生器2を示す。取り外し可能な出口部品168の軸は試料保持器20上のグリッド試料27を最適にイオン化するためにほぼ水平姿勢で配置される。図6,7に示される実施形態では、上昇位置又は下降位置において水平面に対する試薬イオン発生器ヒータ本体144の角度は変化していない。リンク155が、角度をなしたリニアトランスレータ150の固定部分164に取り付けられたフレキシブル連結部156において取り付けられ、かつ回転する角度をなした端部アセンブリ134の回転リング141に取り付けられたフレキシブル連結部157において取り付けられている。角度をなした直線軸トランスレータ153が引き込まれた位置から伸びた位置に移動すると、リンク155は、回転する角度をなした端部アセンブリ134を回転させる。角度をなした直線軸トランスレータ153が伸びた位置から引き込まれた位置に移動すると、角度をなした端部アセンブリ134の回転は逆向きになる。あるいは、連結部158及び連結部157を備えたリンク155の代わりに、トランスレータアセンブリ150及び出口端部アセンブリ134に適切に取り付けられたラック及びピニオンギヤ又はウォームギヤアセンブリを使用することができる。各試料タイプの最適な位置決めの実現のために出口端部アセンブリ134を自動的に回転させるため、いくつかの異なるデザインのリンク又はギヤアセンブリを用いることができる。出口端部アセンブリ134は、また、出口50の最適な位置決めのために手動で回転させることができる。
データフィードバックを使用してイオン信号を最大化するために、試薬イオン発生器出口50の位置は捕捉中に手動で又は自動的に調整することができる。4軸トランスレータ150は取得した質量スペクトルデータ及び位置センサフィードバックに基づきソフトウェアによって調整することができる。そのような、試料位置及び試薬イオン発生器位置のデータ依存の機械的同調は適切なアルゴリズムを使用して自動化することができる。そのような自動化された同調アルゴリズムを利用可能なことで、種々のタイプ、形状及びサイズの試料を装填することができ、かつ使用者による介入がほぼ又は全くなく試料位置及び試薬イオン発生器位置を最適な性能に自動的に調整することができる。
試薬イオン発生器の回転可能な角度をなした端部アセンブリ134には、図4,5に示される取り外し可能な端部部品140及び図6,7に示される取り外し可能な端部部品168を含む。取り外し可能な端部部品140の出口内径は端部部品168の出口内径と比較すると低減されている。より小さな内径の端部部品140は加熱されたガス及び試薬イオンをより小さな直径の流れで送達し、これはいくつかの試料タイプに望ましくてもよい。加熱されたガス及び試薬イオン流のより大きな直径がより適している他の試料タイプに
は、大径の端部部品168が選択されうる。試薬イオン発生器2の回転可能な角度をなした端部アセンブリ134においてより短い又はより長い及び種々の直径の端部部品を入れ替えることができる。
端部アセンブリ134が回転した場合に加熱された試薬ガス及び試薬イオン流55の方向に加熱光125が自動的に向いたままになるように回転リング141を含む回転可能な角度をなした端部アセンブリ134に1つ又は複数の加熱光源7を取り付けることができる。同様に、加熱光源7ならびに加熱されたガス及び試薬イオン55が入射する試料位置を指すように配置される高温計8を、回転可能な角度をなした端部アセンブリ134に取り付けることができる。あるいは、1つ又は複数の加熱光源7及び1つ又は複数の高温計8を試薬イオン発生器2の位置とは無関係に配置することができ、及び代わりに、試料位置及び固定位置の前金具13を適切な並進的に調節可能な取付ブラケットアセンブリとともに並進的に参照することができる。
いくつかの実施形態では、図1,3,4,6にそれぞれ示される試料保持器アセンブリ3,100,132,162は、試料の位置決め及び移動の自動化のため、図8に示される4軸トランスレータアセンブリ180に取り付けられている。4軸トランスレータアセンブリ180上のそのような試料保持器アセンブリのいくつかの実施形態は図8,9,10に示される。4軸トランスレータアセンブリ180は、1つ又は複数の試料が3次元試料保持器アセンブリ3、110、132、162、181ならびに試料保持器アセンブリの他の構成及び実施形態に取り付けられた状態で種々の試料タイプを分析するための全可動域を提供する。4軸トランスレータアセンブリ180は、試料保持器アセンブリ181と、回転軸182と、水平直線並進軸183と、回転軸184と、垂直直線並進軸185と、を含む。複数シャフト回転シャフトアセンブリ188が下底板189から、密閉された開口部191を通じて底板189を通り、図1に示される筐体14に類似する筐体187内に延びる。筐体187内部に構成されている4軸トランスレータ180の構成要素はバックグラウンド汚染ガス分子が試料分析を妨げることを防止するために金属又は他の不活性材料を含む。
図8,9,10に示される実施形態では、水平直線並進軸183は、試料保持器アセンブリ181又は試料保持器アセンブリ190の水平直線並進を実施するためにギヤラック192及び回転ピニオンギヤ193を含む。回転ピニオンギヤ193はシャフトアセンブリ188内の中間シャフト301の上端部に取り付けられている。中間シャフトの回転は、チェーン又はコグベルト344を介して中間シャフトの下部スプロケット313に連結されたモータ及びスプロケットアセンブリ315によって駆動される。水平リニアトランスレータアセンブリ312は直線軸受ガイド318内をスライドして低摩擦の精密な直線運動を可能にする。スプロケット195及びスプロケット197は水平並進ラックアセンブリ312に回転自在に取り付けられている。試料保持器アセンブリ181又は試料保持器アセンブリ190のその全水平直線運動範囲全体にわたる回転は、スプロケット194を介してチェーン又はコグベルト193に連結された回転する内側シャフト300によって実施される。チェーン193が、ばね式アイドラスプロケット195、従動試料保持器スプロケット197及びドライバスプロケット194に巻き付いている。内側シャフトの下部スプロケット198はチェーン又はリンク式ベルト310を通じてモータ及びスプロケットアセンブリ311によって駆動される。回転軸184の回転は、駆動チェーン又はコグベルト321を介して外側シャフトの下部スプロケット322に連結されたモータ及びスプロケットアセンブリ320によって駆動される外側シャフト302の回転によって実施される。軸受324により、外側シャフト302が軸受ブロック327内に取り付けられており、それがさらには、直線垂直軸185並進プレート328に取り付けられている。垂直並進プレート328の動きは、チェーン又はコグベルト334を介して親ネジの下部スプロケット331に連結されたモータ及びスプロケットアセンブリ332によって
駆動される親ネジ330を回転させることによって実施される。垂直並進プレート328は低摩擦の精密な動きを実施するためにレール335上を摺動する。軸受326及び軸受325にそれぞれ載る内側シャフト300及び中間シャフト301の回転は低摩擦の回転する精密な動きを可能にする。
4軸試料保持器トランスレータアセンブリ180は、全4軸運動中に、覆い187、基部189全体に密なガスシールを提供する一方で、筐体187内部において検出可能な化学汚染を発生させない2つの回転シール及び1つのスライダ回転シールを含む。円形のシャフトシール340は回転及び摺動シールを外側シャフト302に提供する。シャフトシール341は中間シャフト301に対して回転シールを提供し、シャフトシール342は内側シャフト300に対して回転シールを提供する。シール材には、効果的なガス密シールを提供する一方で、覆い187内部のバックグランド気相汚染に寄与しないテフロン(登録商標)又は他の材料を含む。回転及び円形摺動ガス密シールのみを含む4軸並進アセンブリ188は広範囲の回転及び直線運動を提供する。漏洩しやすい又は潜在的に粘着性の直線シールは使用されない。蒸発した試料分子は密閉された覆い187内に効果的に捕集され、ベントポート344から安全な実験室ベントシステム内に掃き出され、使用者のいかなる曝露も防止する。逆に、分析中、周囲汚染が筐体187に入ることが防止され、それによって、上述のような動作及び分析における利点を提供する。
4軸トランスレータアセンブリ180は、試料形状及び表面プロファイリング、試料位置確認、分析の最適化、試料保持器アセンブリの装填及び取り外し、ならびに試料保持器のタイプ、試料タイプ、数、位置及び高さを分析前に決定するための完全な試料保持器プレートのプロファイリングの実施に必要な全可動域を提供する。図11〜20は、試料分析、分析済み試料セットの取り外し、新規の試料セットの装填、新規の試料セットのセンサプロファイリング及び新規の試料セットの分析の自動化された進行を示す。
図11を参照すると、丸形試料保持器アセンブリにピル試料一式が装填されている。このピル試料一式は試料保持器アセンブリを回転させて前金具13の前にピルを通過させることによって順次分析される。試薬イオン発生器2は、図6に示されるものと同様に出口50が下向きに角度をなした姿勢で配置されている。上述のように高温計8の試料温度フィードバックを伴う加熱された試薬ガス及びイオン55ならびに加熱された光源7によって試料の制御された加熱が実施される。位置センサ334,345,347,348は試薬イオン発生器2の4軸トランスレータアセンブリの各軸の位置をそれぞれ検出し、試薬イオン発生器2の正確な位置をソフトウェアにフィードバックする。通常は窒素であるパージガス353は底板185内を流れ、ガスマニホールド351内に入る。ガスマニホールド351から流れるパージガス352は覆い187内部のイオン源容積354中を移動し、蒸発した試料分子をベント344から掃き出し、水分センサ又は湿度センサ199を通過し、安全な実験室ベントシステムに入る。パージガス352による蒸発した試料分子のベント344からの掃き出しは、試料間における試料の交差汚染を最小化する。
連続的に流れるパージガス352とともに、試料間における交差汚染の最小化は試料保持器3、110、132、162、190又は371を試薬イオン発生器出口ガス流55又は任意の光熱源が試料位置又は試料保持器表面上に入射しない位置に移動することによって実現することができる。例えば、図11において、試料を流した後に試料保持器アセンブリ190の位置を下げると、分析されることになる次の試料の予備加熱を防止する一方で、前に流された試料からの汚染がパージガス流352によって掃き出される時間がある。また、光ヒータ7の強度を一時的に増加し、加熱された試薬ガス55の流れを増加すると、次の試料を分析する前に凝縮した試料種を前金具13の表面及びキャピラリ電極12表面から蒸発させる。出口50が下向きの姿勢で配向された状態で試薬イオン発生器2が配置されると、試料分析の間に試薬イオン発生器2の位置を迅速に移動させて水平出口
50姿勢を提供することができる。水平姿勢で配向された試薬イオン発生器出口50により、加熱された試薬ガス流55及び/又は光ヒータ7は前金具13の正面及びキャピラリ入口電極12の方に案内される。前金具13又はキャピラリ入口電極12に蓄積している可能性のあるあらゆる汚染はこの直接加熱によって再蒸発し、前の試料汚染分子は向流乾燥ガス流70及びパージガス流352によって掃き出され、次の試料を流す前にベント344から出る。光ヒータ7の強度及び加熱された試薬ガス流55の流量を増加して汚染分子の蒸発速度を加速し、電極清浄化の時間を効果的に低減することができる。この清浄化及びパージ工程中に質量スペクトルを取得して残ったバックグラウンド又は汚染試料のレベルを監視することができる。このパージステップは取得したスペクトルのバックグラウンド化学的ノイズが許容レベルに低減されるまでデータ依存フィードバックアルゴリズムを使用して継続することも、その代わりに、データ依存フィードバックなしでプログラムされた時間継続することもできる。バックグラウンド又は汚染信号の許容可能な低減が実現されると、光ヒータ7の強度が弱められ、加熱された試薬ガス及びイオン流55は分析のための最適なレベルに低減する。試料保持器アセンブリ190を、その後、分析のための最適な位置に移動し、回転させて分析のために次の試料ピルを提示する。試料分析及び試料分析間における汚染低減工程は、ソフトウェアによる自動化運転用にプログラムすることも手動制御により実施することもできる。試料保持器は、試料表面又は試料保持器表面内に間隙が現れる領域を提供するように構成することができる。試料保持器トランスレータ180は、分析の間に試料保持器内の間隙に移動し、パージ又は清浄化ステップを実施することができる。この手法で、試料保持器位置は試料分析の間において最小限の移動を必要とする。
図12は、試料分析中における、円形パターンで取り付けられたピル試料360を備えた試料保持器アセンブリ190を含む、DSAイオン源1の筐体187の頂面図を示す。シールド358が4軸並進アセンブリ180及び複数シャフトアセンブリ188をカバーする。マニホールド351から流れるパージガス352は筐体187内部の全容積354を掃引するために案内される。
試料保持器アセンブリ190に取り付けられたいくつか又は全てのピル360が分析されると、試料保持器アセンブリ190は試料装填及び取り外し領域363の開口部364内の取り外し位置に移動する。パージガス流365は試料保持器192と開口部364との間の間隙391及び出口ベントポート344を通じて試料保持器アセンブリ190の掃引を継続する。試料保持器アセンブリ190がその装填及び取り外し位置に移動されると、4軸トランスレータアセンブリ180は位置センサ367,350,368を通過する又はそばを通り過ぎ、水平直線軸トランスレータアセンブリ312及び試料保持器アセンブリ190の回転軸182それぞれの基準位置にリセットする。4軸トランスレータ垂直直線軸185及び回転軸184の零点が、また、覆い187の外側の底板185の下にある位置センサによって再確認される。図13を参照すると、試料保持器アセンブリ190が開口部364内にある場合、その位置はソフトウェアによって正確に知られ、かつ確認される。図14は、取り外しの直前に開口部364内に配置されている試料保持器アセンブリ190の頂面図を示す。
図15を参照すると、試料保持器アセンブリ190はDSAイオン源1の筐体187から取り出されている。試料保持器アセンブリ190の自動化又は手動のいずれかでの取り出しを容易にするために上蓋370がヒンジ373に沿って開かれている。4軸トランスレータ180に取り付けられた残りの試料参照プレート371は位置参照取付ピン372を含む。マニホールド351から流れるパージガス352は筐体187内に依然存在するあらゆる残留蒸発試料種に使用者が曝露することを避けるためにオフにしてもよい。あるいは、上蓋370を開く前の源のパージング時間が任意の残留気相試料分子の源を除去するのに十分であれば、試料の装填又は取り外し時、周囲汚染がDSA源容積354に入る
ことを最小限にするため又は防止するためにパージガス流365をオンにしたままとすることができる。図16を参照すると、新規の試料保持器アセンブリ380が装填領域363内の試料参照プレート371上に装填されている。試料保持器アセンブリ380は、装填された粉末試料383を有する試料管382とプレート識別用孔パターン381とを含む。参照アライメントピン372及び試料参照プレート371の頂面384が試料保持器アセンブリ380の正確な位置を設定し、この位置はソフトウェアに知られている。ソフトウェアはいくつの試料が装填されているか、及び各試料の特定の位置及び高さが何であるかを未だ確認していない。パージガス流352は使用者又は方法の好みに応じてオン又はオフに維持される。
図17を参照すると、上蓋370が閉じられており、閉じられているときは密閉されている。試料保持器380の装填中、パージガス流365を形成するガスマニホールド351からのパージガス流352はそれが前にオフにされていた場合はオンにされ、前の状態がオンであった場合はオンのままに維持される。パージガス流365は装填領域363に入り、ベント344から出て、水分センサ又は湿度センサ199のそばを通過し、試料383を有する下げられた試料保持器アセンブリに達する。ベントライン344内に構成された、又はその代わりに試料装填領域363内に配置された湿度センサ199は出口パージガス365の水分含有量を測定する。新規に装填された試料保持器380及び試料383はパージガス365によって乾燥され、水分接触のフィードバックは水分センサ199によってソフトウェアに提供される。導入される水分レベルが所望のレベルまで低減されると、試料保持器アセンブリ380をDSA源容積354内に移動させることができる。あるいは、流された液体又は濡れた試料はいずれの場合においても試料装填後のパージガス365による試料の予備乾燥が最小限となることが好ましかろう。所望であれば、湿度センサ199からの水分センサフィードバックを伴うパージング領域363及び試料のさらなる乾燥は分析前に試料を一貫して予備調節するための制御された手段を提供する。分析前の制御された試料の調製及び調節は試料評価において一貫性及び再現性を向上することを可能にする。
この試料装填領域後の領域363のパージングの間、試薬イオン発生器2はオンにされたままであり、DSA源容積354内のバックグラウンド化学汚染のレベルを確認するために質量スペクトルが取得される。上述のような試料装填パージサイクルを周囲バックグラウンド信号がポスト試料装填パージサイクル中に取得した質量スペクトルの評価によるデータ依存フィードバックによって決定されるほど十分に低減されるまで継続することができる。上述のように、試料383が流される前に質量分析器78を調整及び校正するために校正溶液を試薬イオン発生器2内に導入することができる。継続的なパージングにより、取得した質量スペクトルにおいて観測されたバックグラウンド化学的ノイズレベルが許容レベルに低下すると、及び/又は、所望であれば、排出パージガス365中の水分レベルが十分に低くなると、試料383が装填された試料保持器アセンブリ371がDSAイオン源領域387内に下ろされる。
図18,19を参照すると、試料保持器アセンブリ371は距離測定センサ350の下に移動される。距離測定センサの一実施形態ではセンサの下に移動した物体の高さを測定するためにレーザビーム及び光センサを使用する。試料保持器アセンブリ371の位置は距離測定センサ350の下において並進移動されかつ回転され、試料プレート識別用孔パターン381が試料保持器アセンブリ390の種類を特定するためにマッピングされる。あるいは、試料保持器380の頂面393が試料プレート保持器380の種類を特定するためのバーコード394を含んでもよい。図12,19に示される光学バーコードリーダ392は試料保持器380がバーコードリーダ392の下を並進的に移動するときにバーコード394を読み取るために使用される。
距離センサ150及び試料保持器トランスレータ180を使用して、各試料管382の数、位置及び高さがマッピングされ、ソフトウェアに搭載された試料リストと整合される。距離測定センサ350及びバーコードリーダ392によって生成され、ソフトウェア及び電子機器コントローラ82に送られた試料保持器プレートの特定及び試料位置マッピング情報を使用して、ソフトウェアが試薬イオン発生器2及び回転可能な角度をなした出口アセンブリ134の位置を調整する。図7について記載したように、試薬イオン発生器4軸トランスレータアセンブリ内において電動式の角度をなした直線軸トランスレータ153の姿勢がその伸びた姿勢に移行する。ソフトウェアに送られた位置測定センサ344のフィードバック情報により、ソフトウェアは新規の試薬イオン発生器プローブ位置を自動的に確認する。複数のセンサからの入力に基づき、DSAイオン源1の構成要素が新規に装填された試料管382の最適な分析を提供するように自動的に調整される。バックグラウンド汚染を低減するために、及び試料分析を開始する前に筐体187内の既知のバックグラウンドガスの組成を設定するために、パージガス流352はオンにされたままである。図19は、試料保持器アセンブリ390の種類を特定するため、及び新規に装填された試料保持器アセンブリ390の試料位置をマッピングするために使用される位置測定センサ350を含むDSAシステム1の頂面図を示す。あるいは、さらに、DSAシステム1は試料保持器アセンブリ390の種類を特定するためのバーコードリーダ392を含む。
試料表面の輪郭をマッピングするために距離センサ150を使用することができ、ソフトウェアのアルゴリズムが試料の分析に最適な位置を設定することを可能にする。4軸トランスレータ180が試料を距離センサ150のレーザビームの下に移動し、試料の表面高さ及び縁のマップを生成する。例えば、図6に示すように、クリップ161によって把持されたオレンジの皮がDSAイオン源システム1に装填された場合、表面及び縁が距離センサ150を使用してマッピングされる。試料は、その後、感度を最大化するために、及び前金具13又は試薬イオン発生器の取り外し可能な端部部品51に試料が接触することを回避するために、真空へのオリフィス30に対して最適に配置される。さらに、最適な試料イオン化条件を提供するように試薬イオン発生器2の位置を試料に対して設定することができる。各試料は距離センサ150又は追加のセンサを使用してプロファイルすることができ、そこから、その位置を自動的に試料毎のベースで分析のために最適化することができる。
図20を参照すると、新規に装填された試料保持器アセンブリ390が特定され、装填された試料383の一部又は全ての位置がマッピングされた後、試料保持器アセンブリは装填された試料383の試料分析を実施するための最適な位置に4軸トランスレータ180によって移動される。さらに、試薬イオン発生器2は試料分析を実施するためにソフトウェア制御により自動的に最適に配置されている。試料382の分析中、上述のように試料分析の間においてパージサイクルを用いて試料汚染キャリーオーバを最小限にするためにパージガス352はオンにされたままである。前の試料保持器アセンブリ190について上記したように、前の試料汚染のキャリーオーバを低減するために、例えば、試料の分析後、試料保持器アセンブリ390を試料間の位置まで下げるか移動させることができる。
DSAイオン源システム1は試薬イオン発生器2を必要とせず試料イオンを発生させるための手段を備えて構成することができる。図21を参照すると、変更されたDSAイオン源400は、流体送達針103と、4軸トランスレータアセンブリ180に連結された試料保持器アセンブリと、試料が各スプレー器に配置された状態の紙製又はポリマー製試料スプレー器402と、試料スプレー器保持器403と、シリンジ60及びシリンジ61をそれぞれ備えて構成されているシリンジポンプ58及びシリンジポンプ59と、上記したようなキャピラリ入口電極12を備えた前金具13と、を含む。前金具電極13及びキャピラリ入口電極12に印加される電圧が各スプレー器402からの試料エレクトロスプ
レーを維持する。エレクトロスプレー時に、配置された試料をスプレー器402のスプレー先端405に向かって移動するために液体滴404を針103から試料が配置されたスプレー器402に送達してもよい。エレクトロスプレー時に針103を通じてスプレー器402に送達される流体流量及び溶液組成はシリンジ60及びシリンジ61をそれぞれ備えたシリンジポンプ58及びシリンジポンプ59を使用して制御される。
図22は、図3,16,20に示される試料管382に類似するガラス管試料保持器を使用し、ウコン粉末をDSAイオン源1内において加熱したときに正イオン極性モードにおいて取得した質量スペクトルを示す。図23は、正イオン極性モードにおいて、DSAイオン源1内に流される料理用油の3つの試料から取得した3つの質量スペクトルを示す。料理用油が小さなガラス先端に吸い上げられることによって充填された後、ガラス管のドローダウンされた(drawn down)先端から液体料理用油を蒸発させた。図24は、図2に示されるメッシュアセンブリ22に類似するメッシュターゲット上に装填された、DSAイオン源1内において流されたダイエットコーク(Diet Coke)液体試料の、正イオン極性モード及び負イオン極性モードにおいて取得した質量スペクトルを示す。図25は、DSAイオン源1内における試料のワークアップ(workup)なしで流された固体トウガラシ植物試料の3つの質量スペクトルを示す。カプサイシンのピーク高さの振幅は分析されるトウガラシの辛みとともに増加する。カプサイシンはトウガラシを辛い味にする主成分である。
本発明のいくつかの実施形態を記載した。しかし、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく種々の改良を施してもよいことは理解されよう。したがって、他の実施形態も以下の特許請求の範囲の範囲内である。
第1の態様によると、化学種を分析するための装置であって、a.帯電した又は励起した試薬種を発生させるための手段と、b.前記試薬種をほぼ大気圧で動作する筐体内に送達するための手段と、c.試料分析中における周囲空気との気体交換を防止するために前記筐体を密閉するための手段と、d.周囲汚染が前記筐体に入ることを最小限にする一方
で1つ又は複数の試料化学種を前記筐体内に導入するための手段と、e.試料化学種を前記帯電した又は励起試薬種によりイオン化し、イオン化試料化学種を発生させるための手段と、f.前記イオン化試料化学種を検出器に案内するための手段と、を含む、装置を要旨とする。
第2の態様は、第1の態様において、前記帯電した又は励起試薬種を発生させるための前記手段及び前記試薬種を前記筐体内に送達するための前記手段が、ガスヒータ又は蒸発器と、コロナ又はグロー放電領域とを備えて構成されている試薬イオン発生器を含む。第3の態様は、第2の態様において、前記試薬イオン発生器が、前記試薬イオン発生器のガス又は蒸気流路内部に構成されている前記コロナ又はグロー放電領域を含む。第4の態様は、第1の態様において、前記試薬種を、帯電した液体滴の形態において発生させるための前記手段が、エレクトロスプレー式又は空気式噴霧器アシスト式エレクトロスプレーを含む。第5の態様は、第1の態様において、前記1つ又は複数の試料化学種が、固相試料、液相試料もしくは気相試料、又は乳濁液試料もしくは粉末試料を含む。第6の態様は、第1の態様において、1つ又は複数の試料化学種を前記筐体内に導入するための前記手段が、1つ又は複数の試料保持器と、並進ステージと、密閉可能な試料導入扉又はポートと、からなる群から選択される要素を含む。第7の態様は、第2の態様において、前記試料化学種をイオン化するための前記手段が、帯電した又は励起された試薬種を生成するための、光源、もしくは前記試薬イオン発生器のコロナ又はグロー放電領域を通過する加熱されたガス又は蒸気による前記試料の蒸発と、前記帯電した又は励起試薬種との気相電荷交換反応による前記蒸発した試料化学種のイオン化と、を含む。第8の態様は、第2の態様において、前記試料化学種をイオン化するための前記手段が、前記蒸発した試料を前記エレクトロスプレーされた帯電した液滴内に蒸発及び同伴させるための、光源、もしくは前記試薬イオン発生器を通過する加熱されたガス又は蒸気による前記試料の加熱及び蒸発を含む。第9の態様は、第1の態様において、前記検出器が、質量分析器と、イオン移動度分析器と、からなる群から選択される要素を含む。第10の態様は、第1の態様において、前記イオン化試料化学種を前記検出器内に案内するための前記手段が、電極と、真空へのオリフィスとを含む。
第11の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.周囲外部環境と前記筐体内部のイオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.試料保持器を含み、1つ又は複数の試料の1次元〜複数次元の試料位置決めを提供する試料位置トランスレータであって、前記試料位置トランスレータが前記筐体内部に化学汚染を導入することを最小限にする又は防止するように構成されている、試料位置トランスレータと、c.帯電した又は励起された試薬種を前記筐体内部において発生させるための手段と、d.周囲汚染が前記筐体に入ることを最小限にするか防止する一方で、1つ又は複数の試料化学種を前記筐体内に導入するための手段と、e.イオン化試料化学種を発生させるために前記帯電した又は励起された試薬種を使用して前記試料化学種をイオン化するための手段と、f.前記イオン化試料化学種を検出器に案内するための手段と、を含む、イオン源を要旨とする。第12の態様は、第11の態様において、前記試料保持器が、1つ又は複数の固体試料、液体試料、粉末試料又は乳濁液試料を保持するように構成されている。第13の態様は、第11の態様において、前記試料位置トランスレータが、1次元〜4次元の試料の運動を含む。第14の態様は、第11の態様において、帯電した又は励起された試薬種を発生させるための前記手段が、1つ又は複数の位置並進軸と、回転可能な角度をなした出口チャネルと、ヒータと、溶液試薬種を噴霧するための空気式噴霧器と、からなる群から選択される特徴を備えて構成されている試薬イオン発生器を含む。第15の態様は、第11の態様において、前記検出器が質量分析器又は移動度分析器を含む。
第16の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.周囲外部環境と前記筐体内部のイオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.前記筐体内部に構成されている可動試薬イオン発生器と、c.1つ又は複数の試料を前記筐体内において位置決めするための試料位置トランスレータであって、密閉された筐体を提供するために、前記周囲外部環境と前記筐体内部との間にシールを含む、試料位置トランスレータと、d.1つ又
は複数の試料を前記密閉された筐体内に装填する及び取り出すために前記試料位置トランスレータを利用する手段と、e.前記1つ又は複数の試料を加熱するための少なくとも1つの手段と、f.前記1つ又は複数の試料の温度を検出するための手段と、g.試料イオンを発生させるために前記1つ又は複数の試料を前記筐体内部でイオン化するための手段と、h.前記試料イオンを検知するための手段と、を含む、イオン源を要旨とする。第17の態様は、第16の態様において、前記温度を検出するための前記手段が少なくとも1つの高温計を含む。第18の態様は、第16の態様において、前記1つ又は複数の試料を加熱するための前記手段が、光ヒータと、前記試薬イオン発生器から生成された加熱されたガスと、からなる群から選択される要素を含む。第19の態様は、第16の態様において、1つ又は複数の試料を前記密閉された筐体内に装填する及び取り出すための前記手段が、前記1つ又は複数の試料の装填又は取り外しを可能にするために開く扉を含む。第20の態様は、第16の態様において、前記試料イオンを検知するための前記手段が、質量分析器と、移動度分析器と、からなる群から選択される要素を含む。
第21の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.周囲外部環境と前記筐体内部のイオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.前記筐体内部に構成されている位置調節可能な帯電した又は励起された試薬種発生器と、c.1つ又は複数の試料を前記筐体内において位置決めするための試料位置トランスレータであって、密閉された筐体を提供するために、前記周囲外部環境と前記筐体との間にシールを含む、試料位置トランスレータと、d.前記1つ又は複数の試料を前記密閉された筐体内に装填する及び取り出すために前記試料位置トランスレータを利用するための手段と、e.前記1つ又は複数の試料を加熱するための少なくとも1つの手段と、f.前記1つ又は複数の試料の温度を検出するための手段と、g.少なくとも1つの試料を保持するための試料保持器と、h.前記筐体内に装填される前記1つ又は複数の試料の数、タイプ、位置又はプロファイルを測定するための手段と、i.前記1つ又は複数の試料を前記筐体内部でイオン化するための手段と、を含む、イオン源を要旨とする。第21の態様は、第22の態様において、前記1つ又は複数の試料の前記温度を検出するための前記手段が高温計である。第23の態様は、第16の態様において、前記1つ又は複数の試料を加熱するための前記手段が、光ヒータと、前記試薬種発生器から生成された加熱されたガスと、からなる群から選択される要素を含む。第24の態様は、第22の態様において、前記高温計からの出力が前記1つ又は複数の試料の加熱を制御するように構成されている。第25の態様は、第21の態様において、前記筐体内に装填される前記1つ又は複数の試料の前記数、タイプ、位置又はプロファイルを測定するための前記手段が、距離測定センサ又はビデオ画像センサからなる群から選択される要素を含む。第26の態様は、第21の態様において、前記試料保持器を特定するための距離又はバーコードセンサをさらに含む。
第27の態様は、第16の態様において、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.前記周囲外部環境と前記筐体内部のイオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.水分センサ又は湿度センサを含む前記筐体からのベントと、c.パージガスを前記筐体内に提供するための少なくとも1つの手段と、d.前記筐体内部に構成されている帯電した又は励起された試薬種発生器と、e.試料を前記筐体内において位置決めするための試料位置トランスレータと、f.前記試料を前記筐体内に装填する及び取り出すために前記試料位置トランスレータを利用する手段と、g.前記試料を加熱するための少なくとも1つの手段と、h.前記試料の温度を検出するための手段と、i.少なくとも1つの試料を保持するための試料保持器と、j.前記筐体内に装填される前記試料の数、タイプ、位置又はプロファイルを測定するための手段と、k.前記試料を前記筐体内部でイオン化するための手段と、を含む、イオン源を要旨とする。第28の態様は、第27の態様において、前記試料位置トランスレータが、前記周囲外部環境と前記筐体との間のシールを含む。第29の態様は、第27の態様において、前記試料を加熱するための前記手段が、光ヒータと、レーザと、加熱されたガス流と、からなる群から選択される要素を含む。第30の態様は、第27の態様において、前記試料をイオン化するための前記手段が試薬イオン発生器を含む。第31の態様は、第27の態様において、前記試料の前記温度を検出するた
めの前記手段が高温計を含む。第32の態様は、第27の態様において、前記筐体内に装填される前記試料の前記数、タイプ、位置又はプロファイルを測定するための前記手段が、要素であって、距離センサと、ビデオセンサと、前記要素に対する前記試料保持器の運動と、からなる群から選択される要素を含む。
第33の態様は、化学種の直接試料分析の方法であって、a.大気圧又はその近辺で動作するイオン源を利用するステップであり、前記イオン源が、周囲ガスがイオン化領域に入ることを防止する筐体と、試料装填領域と、第1の位置トランスレータを含む試薬イオン発生器と、少なくとも1つの光ヒータと、試料保持器と、前記試料保持器のための第2の位置トランスレータと、可変流量パージガスと、電極を含む質量分析器への入口及び真空へのオリフィスと、を含む、
ステップと、b.少なくとも1つの試料を前記試料保持器上に取り付けるステップと、c.前記試料装填領域内において前記試料保持器を前記第2の位置トランスレータ上に装填するステップと、d.前記筐体内部に配置された前記試料保持器により前記周囲ガスに対して前記試料装填領域を閉鎖するステップと、e.前記第2の位置トランスレータを使用して前記少なくとも1つの試料を分析のための位置に移動するステップと、f.試料種を蒸発させるために前記少なくとも1つの試料を加熱するステップと、g.前記試薬イオン発生器から出る励起された又はイオン化された種を使用して前記試料種から試料イオンを発生させるステップと、h.分析のために前記試料イオンを前記質量分析器内に案内するステップと、を含む、方法を要旨とする。第34の態様は、第33の態様において、前記試料保持器を分析のための前記位置に移動する前に、周囲ガスを前記密閉された試料装填領域からパージするために前記パージガスが使用される。第35の態様は、第34の態様において、前記密閉された試料装填領域を出る前記パージガスの湿度が水分センサ又は湿度センサで測定される。第36の態様は、第35の態様において、前記水分センサ又は前記湿度センサからの読み取り値が前記少なくとも1つの試料を前記筐体の前記イオン化領域内に移動する前に前記少なくとも1つの試料を一貫して調整するために使用される。第37の態様は、第33の態様において、前記試料保持器が分析のための前記位置に移動するときに、バーコードリーダと、距離センサと、からなる群から選択される要素を使用して前記試料保持器のタイプが特定される。第38の態様は、第33の態様において、前記試料保持器が分析のための前記位置に移動するときに、前記試料の存在及び前記位置の検証が距離センサを使用して実施される。第39の態様は、第33の態様において、前記試料分析の最適化のために前記試料保持器が移動する最適な位置を決定するために、前記試料の存在及び前記位置、表面プロファイル、形状及びサイズが、距離センサと、ビデオ画像センサと、表面プロファイリングソフトウェアと、からなる群から選択される要素を使用して検出及び測定される。第40の態様は、第39の態様において、前記試料保持器を、各取り付けられた試料の分析のための最適な位置に、手動で、又は前記試料保持器の特定、もしくは各取り付けられた試料の前記存在及び位置、表面プロファイル、形状及びサイズの前記検出及び前記測定に基づき前記第2の位置トランスレータを使用するソフトウェア制御により自動的に移動するステップをさらに含む。第41の態様は、第39の態様において、前記試薬イオン発生器の出口端部を、各取り付けられた試料を分析するための最適な位置に、手動で、又は前記試料保持器の前記特定、もしくは各取り付けられた試料の前記存在及び位置、表面プロファイル、形状及びサイズの前記検出に基づき前記第1の位置トランスレータを使用するソフトウェア制御により自動的に移動するステップをさらに含む。第42の態様は、第33の態様において、前記試料の加熱が、光ヒータと、レーザと、前記試薬イオン発生器から出る加熱されたガスと、の1つ又は複数を使用して実施される。第43の態様は、第33の態様において、加熱中、少なくとも1つの高温計及び少なくとも1つの熱電対の1つ又は複数を含む少なくとも1つの温度センサを使用して前記試料の前記温度が検出される。第44の態様は、第43の態様において、前記少なくとも1つの温度センサからの読み取り値が前記試料の前記加熱を制御するために使用される。第45の態様は、第33の態様において、前記試料イオンを前記加熱された向流乾燥ガスに抗して真空への前記オリフィス内に移動させる電圧を前記電極に印加することによっ
て前記試料イオンが前記質量分析器に案内される。第46の態様は、第33の態様において、試料キャリーオーバ又はクロストークを最小限にする又は除去するために、前記パージガス流と、前記試薬イオン発生器からの前記ガス流と、前記向流ガス流と、の1つ又は複数が、試料分析の間に前記試料種の汚染物質イオンの前記イオン化領域をパージするために使用される。第47の態様は、第33の態様において、前記試料種から試料イオンを発生させるステップが、蒸発した試料種を、前記筐体内に構成されている帯電した液滴の発生器から生成される帯電した液滴内に吸収するステップと、前記試料種のイオンを生成するために前記液滴を蒸発させるステップと、を含む。
第48の態様は、化学種の直接試料分析の方法であって、a.大気圧又はその近辺で動作するイオン源を利用するステップであり、前記イオン源が、イオン化領域に入ることを防止する筐体周囲ガスと、試料装填領域と、帯電した液滴の発生器と、少なくとも1つの光ヒータと、試料保持器と、前記試料保持器のための位置トランスレータと、可変流量パージガスと、電極を含む質量分析器への入口及び真空へのオリフィスと、を含む、ステップと、b.少なくとも1つの試料を前記試料保持器上に取り付けるステップと、c.前記試料装填領域内において前記試料保持器を前記位置トランスレータ上に装填するステップと、d.前記筐体内部に配置された前記試料保持器により前記周囲ガスに対して前記試料装填領域を閉鎖するステップと、e.前記位置トランスレータを使用して前記少なくとも1つの試料を分析のための位置に移動するステップと、f.試料種を蒸発させるために前記少なくとも1つの試料を加熱するステップと、g.蒸発した試料種を前記帯電した液滴の発生器から生成される帯電した液滴に吸収させ、前記試料種のイオンを生成するために前記液滴を蒸発させることによって前記試料種から試料イオンを発生させる、ステップと、h.分析のために前記試料イオンを前記質量分析器内に案内するステップと、を含む、方法を要旨とする。第49の態様は、第48の態様において、前記試料の前記加熱が前記筐体内部にある試薬イオン発生器から出る加熱されたガスを使用して実施される。第50の態様は、第49の態様において、前記試薬イオン発生器の出口端部が、第2の位置トランスレータを使用して前記筐体内部の前記イオン化領域内に配置される。第51の態様は、第49の態様において、前記試料イオンを前記発生させるステップが、前記試薬イオン発生器から出る試薬イオン又は励起試薬種を使用して実施される。
第52の態様は、直接試料分析の方法であって、a.試料を試料保持器に取り付けるステップと、b.前記試料保持器を、周囲大気からの前記イオン化領域の分離を提供する、密閉可能な試料装填扉と、密閉されたイオン化領域と、を含む筐体内に装填するステップと、c.周囲ガスの、前記イオン化領域内のガスとの混合を防止するために前記試料保持器の装填後に前記密閉可能な試料装填扉を閉鎖するステップと、d.前記試料保持器を前記装填扉の近傍から前記イオン化領域に移動する前にバックグラウンド汚染を除去するために前記筐体の内部をパージガス流でパージするステップと、e.前記試料保持器を前記イオン化領域内に移動するステップと、f.前記試料をイオン化するためにイオン化試薬を発生させるステップと、g.前記試料の前記イオン化を促進するために前記試料を蒸発させるステップと、h.試料イオンを発生させるステップと、i.前記試料イオンを質量分析器又は移動度分析器内に案内するステップと、を含む、方法を要旨とする。
第53の態様は、化学種を分析するための装置であって、a.ガスヒータ又は蒸発器、及び試薬イオン種を発生させるためのコロナ又はグロー放電領域と、b.前記試薬イオン種をほぼ大気圧で動作する筐体内に送達するためのガス流路又は蒸気流路と、c.試料分析中における周囲空気との気体交換を防止する前記筐体周囲のシールと、d.1つ又は複数の試料化学種を前記筐体内に導入する一方で、周囲汚染が前記筐体に入ることを最小限にするための1つ又は複数のポート及び入口と、e.試料化学種を前記筐体内に配置するためのトランスレータアセンブリと、f.前記筐体内に導入された前記1つ又は複数の前記試料化学種の位置を測定し、かつタイプ及び幾何学的配置を特定するための位置センサと、g.前記試料化学種を制御可能に加熱し、前記試料種の蒸発を生じさせるための熱源と、h.前記加熱された試料の温度を検出するための温度センサと、i.前記蒸発した試料化学種をイオン化するための手段と、j.前記イオン化試料種を前記筐体領域から真空
内に案内するためにイオン光学部品に印加される電圧と、k.前記真空内の前記イオン化試料種の一部を質量電荷分析する質量分析器であって、前記蒸発した試料化学種をイオン化するための前記手段が、試薬イオンと、エレクトロスプレーにより発生したイオン又は帯電した液滴との衝突と、光イオン化と、からなる群から選択される、質量分析器と、を含む、装置を要旨とする。
第54の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.前記周囲外部環境と前記筐体内部の前記イオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.前記イオン源筐体内部に構成されている可動試薬イオン発生器と、c.前記周囲環境と、前記筐体内部との間にシールを含む、前記筐体内における1つ又は複数の試料の位置決めのための試料位置トランスレータと、d.1つ又は複数の試料を前記密閉された筐体内に装填する及び取り出すために前記試料位置トランスレータによって利用される試料保持器と、e.前記試料を加熱するための少なくとも1つの熱源と、f.前記試料の温度を検出するための温度センサと、g.前記筐体内に装填される前記試料の数、タイプ及び位置を測定するためのレーザ距離センサと、h.前記筐体内部の前記試料をイオン化するための手段であって、前記手段が、試薬イオンと、エレクトロスプレーにより発生したイオン又は帯電した液滴との衝突と、光イオン化と、からなる群から選択される、手段と、を含む、イオン源を要旨とする。
第55の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.前記周囲外部環境と前記筐体内部の前記イオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.前記イオン源筐体内部に構成されている可動試薬イオン発生器と、c.前記イオン源筐体内部における1次元〜3次元の試料保持器の幾何学的配置の試料位置決めを提供することができる試料位置トランスレータと、d.1次元〜3次元で配置された位置において1つ又は複数の試料を取り付けるように構成されている試料保持器と、e.前記試料保持器のタイプを自動的に特定するための少なくとも1つのセンサと、f.前記試料の数、位置及び幾何学的配置を測定するための少なくとも1つのレーザ距離センサと、g.前記少なくとも1つの前記試料を加熱するための少なくとも1つの熱源と、h.前記少なくとも1つの試料をイオン化するための少なくとも1つの手段であって、少なくとも1つの前記手段が、試薬イオンと、エレクトロスプレーにより発生したイオン又は帯電した液滴との衝突と、光イオン化と、からなる群から選択される、手段と、を含む、イオン源を要旨とする。
第56の態様は、ほぼ大気圧で動作するイオン源であって、a.前記周囲外部環境と前記筐体内部の前記イオン源領域との間にシールを提供する筐体と、b.前記イオン源筐体内部における1次元〜3次元の試料保持器の幾何学的配置の試料位置決めを提供することができる試料位置トランスレータであって、前記試料位置トランスレータが前記筐体内部に化学汚染を導入することを防止するように前記試料位置トランスレータが構成されている、試料位置トランスレータと、c.1次元〜3次元で配置された位置に1つ又は複数の試料を取り付けるように構成されている試料保持器と、d.前記試料保持器のタイプを自動的に特定するためのセンサと、e.前記試料の数、位置及び幾何学的配置を測定するためのレーザ距離センサと、を含む、イオン源を要旨とする。

Claims (14)

  1. 化学種の分析のための装置において、
    前記装置の動作の間に概ね大気圧で動作する筐体と、
    前記筐体内に配備される、試薬イオン又は準安定種の発生器であって、前記装置の動作の間に試薬イオン又は準安定種を発生するためにコロナ又はグロー放電を生じるための要素を含んでなる、試薬イオン又は準安定種の前記発生器と、
    前記筐体内の試料の分析の間に周囲の空気との気体の交換を抑止するための少なくとも1つのシールと、
    前記筐体内の並進ステージに載置された試料保持器アセンブリであって、複数の別個の試料配備位置を有した少なくとも1つの試料保持器を含んでなる、試料保持器アセンブリと、
    前記装置の動作の間にイオン化された試料化学種を検出し、かつ分析するための化学分析器と、
    前記イオン化された試料化学種を前記化学分析器内へと指向させるために配備されるキャピラリとを備え、
    前記試薬イオン又は準安定種の発生器は、回転可能な角度をなした端部と、取外し可能な端部部品とを有し、前記回転可能な角度をなした端部は前記少なくとも1つの試料保持器の近傍に配備され
    前記装置は、該装置の動作の間に、前記試薬イオン又は準安定種が対応する試料配備位置に配置された試料化学種をイオン化して、前記イオン化試料化学種を生成する、化学種の分析のための装置。
  2. 前記試料イオン又は準安定種の発生器の気体又は蒸気の流路は、コロナ又はグロー放電を生じるための前記要素を通過する、請求項1に記載の装置。
  3. 1つ以上の試料化学種は、固相、液相、又は気相の試料又は、又は乳濁液試料もしくは粉末試料を含んでなる、請求項1に記載の装置。
  4. 試料ガスの流れを前記筐体内に入れるために試料ガス供給部をさらに備える、請求項1
    に記載の装置。
  5. 前記キャピラリは、前記装置の動作中に一定の電圧がかかるオリフィスをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  6. 少なくとも1つのガス流量調整器と、少なくとも1つのガスヒータと、少なくとも1つの温度調節器とをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  7. 前記複数の別個の試料配備位置は2次元のアレイに配置されている、請求項1に記載の装置。
  8. 前記複数の試料保持器アセンブリは複数の試料保持器を備える、請求項1に記載の装置。
  9. 前記複数の試料保持器のうちの2つが互いに交差するように配備されている、請求項8に記載の装置。
  10. 前記少なくとも1つの試料保持器のための位置センサをさらに備え、前記装置の動作の間に、前記試薬イオン又は準安定種の発生器の前記少なくとも1つの試料保持器に相対して、自動化かつ最適化した位置決めを可能とさせるために前記位置センサはフィードバックを与える、請求項に記載の装置。
  11. 異なる試料成分の、試料の表面からの分離を時間的又は温度において生じるために少なくとも1つの試料保持器の試料表面に制御された加熱又は加熱の勾配を与えるための熱源をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  12. 前記少なくとも1つの試料保持器は、液体試料を保持するためのメッシュターゲットを含んでなる、請求項1に記載の装置。
  13. 前記少なくとも1つの保持器は、2つの平行な表面を有した基板を含んでなり、前記2つの平行な表面のうちの一方は前記試薬イオン又は準安定種の発生器に近接して設けられ、他方は前記キャピラリの入口オリフィスに近接して設けられる、請求項1に記載の装置。
  14. 前記装置は、該装置の動作の間に前記試料ガスの流れが前記コロナ又はグロー放電から形成された試薬イオン又は準安定種と電荷を交換するように配置されている、請求項4に記載の装置。
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