JP6181846B2 - 溶解性繊維の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アニオン性界面活性剤と、水溶性ポリマーと、可塑剤と、水とを含む、溶解性繊維を形成する方法に関する。
固形石鹸は一般的にざらつきがあり、皮膚及び毛髪にきしみ感を招く。こうした品質は、一般に、現代の消費者の多くにとって許容できない。
固形石鹸の短所を改良するために、アルキルエーテルサルフェートのようなアニオン性界面活性剤が開発されてきた。しかしながら、多くのアニオン性界面活性剤は、クラフト点が低く、そのため一般的に液体製品にしか配合されない。これは、液体シャンプー及び液体ボディーソープがパーソナルケア産業全体で急増している主な理由の1つである。広範に使われているが、液体製品は梱包、保管、運送、並びに使用の便宜という観点から不都合を有する。
液体製品の欠点に対処するため、低クラフト点のアニオン性界面活性剤の利益を溶解性固体に組み込もうとする試みがなされてきた。1つの試みは、1つ以上の水溶性ポリマーを用いてキャスティング及び乾燥プロセスによって溶解性固体を構築することであった。しかし、このプロセスは、大量の水(典型的には>50%)の乾燥を必要とすることから、エネルギー集約的でコストがかかる。
別の試みは、低クラフト点のアニオン性界面活性剤を含む多孔質固体を凍結乾燥によって作製することであった。しかし、凍結乾燥も、エネルギー集約的でコストがかかるプロセスである。
押出によって溶解性パーソナルケア物品を製造することは、高温の押出条件下で低クラフト点のアニオン性界面活性剤が加水分解するため、困難である。更に、低クラフト点のアニオン性界面活性剤は、典型的には水性の「層状」ペースト(約30%の水を含む)として入手可能であり、混合要素と押出機バレルとの間の摩擦及びトルクを大いに制限する大きな潤滑性を押出機のバレルの内側に付与し、押出機の有効な作動を阻害する。更に、低クラフト点のアニオン性界面活性剤(商業的に入手可能)と水溶性ポリマーとの間の大きな粘度差は、混合に大きな問題を課す。
水溶性ポリマーと低クラフト点のアニオン性界面活性剤とを含むいくつかの溶解性繊維が知られている。しかし、これらの繊維は、水溶液から紡糸及び乾燥され、したがって小さい直径を有する非常に微細な繊維である。かかる微細繊維は、一般的に、消費者自身が取り扱うことはあまりにも困難であり(綿菓子のようにべたつく)、低密度3D多孔ウェブ構造に組み立てるにはあまりにも弱すぎる。
上記に基づき、1つ以上のアニオン性界面活性剤と1つ以上の水溶性ポリマーとを含む、より強い大径の溶解性繊維を形成するための方法が必要とされている。
本発明の一実施形態によると、(a)2軸押出機から押出品を製造する工程と、(b)押出品を溶解性繊維に成形する工程とを含む、溶解性繊維の形成方法が提供され、この溶解性繊維は、(i)約10%〜約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であって、1つ以上のアニオン性界面活性剤が約30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、(ii)約10%〜約50%の1つ以上の水溶性ポリマーと、(iii)約1%〜約30%の1つ以上の可塑剤と、(iv)約0.01%〜約30%の水と、を含み、上記溶解性繊維が約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの平均直径を有する。
本発明の別の実施形態によると、(a)1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤とを2軸押出機に添加してプレミックスを形成する工程と、(b)プレミックスを約150℃〜約400℃に加熱する工程と、(c)プレミックスを135℃未満に冷却する工程と、(d)1つ以上のアニオン性界面活性剤水をプレミックスと混合して混合物を形成する工程と、(e)混合物を2軸押出機から押出して押出品を形成する工程であって、押出品が約20%〜約60%の含水量を有し、押出品が約70℃〜約130℃である、工程と、(f)押出品を紡糸口金装置に通して計量して、1つ以上の繊維ストランドを製造する工程と、(g)1つ以上の繊維ストランドをスピンドロー及び乾燥して、1つ以上の溶解性繊維を形成する工程と、を含む溶解性繊維の形成方法が提供され、上記溶解性繊維は、(i)約10%〜約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であって、1つ以上のアニオン性界面活性剤が約30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、(ii)約10%〜約50%の1つ以上の水溶性ポリマーと、(iii)約1%〜約30%の1つ以上の可塑剤と、(iv)約0.01%〜約30%の水と、を含み、溶解性繊維は約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの平均直径を有する。
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の開示を読むことにより、当業者に明らかとなる。
明細書の各請求項から、その請求範囲は特定され明確にされているが、本発明は、下記記載により、より明確に理解されるであろう。
本発明の全ての実施形態では、特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に断らない限り、全ての測定は25℃で周囲条件下において行われたものと理解される。ただし「周囲条件」とは、約1気圧の圧力下で約50%の相対湿度における条件のことを意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
用語「含む」は、本明細書で使用するとき、最終的な結果に影響を及ぼさない他の工程、及び他の成分、を追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載の発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載のいずれの追加的、若しくは任意選択の、成分、構成要素、工程、又は制限をも含み、これらからなり、及びこれらから本質的になることができる。
用語「押出された」は、本明細書で使用するとき、ポリマー供給部、押出機駆動部及びギアボックス、1又は2本のスクリューを備える押出機バレル、1つ以上のその他の注入口、並びに押出ダイ等の押出ラインの基本構成要素から製造されたことを意味する。押出機駆動部は、電気的に作動し、スラスト軸受を介して1又は2本の押出機スクリューの回転運動を生じるように調整できる。スクリューへのポリマー供給は、供給ホッパーから行われ、供給は、重力、計量スクリュー、又は単純なスパイラルコンベアによって行われてもよい。押出機バレル及び1又は2本の押出機スクリューは、高強度鋼製であり、硬化並びに窒化及び硬質クロム処理のようなコーティング処理によって、摩耗及び腐食から保護されている。押出バレル及びスクリューは、材料及びプロセスパラメータに応じて個別に加熱及び冷却される3〜15の区画にゾーン分けされている。押出ダイは、1又は2本の押出機スクリューの前面からのポリマー溶融物を通し、所望製品の基本形状を形成する。
用語「クラフト点」は、本明細書で使用するとき、(クラフト温度、又は臨界ミセル温度としても知られる)界面活性剤がミセルを形成する最小温度を意味する。クラフト点未満では、臨界ミセル濃度(CMC)の値が存在しない、すなわち、ミセルが形成できない。クラフト点は相変化の点であり、その点未満では、水溶液中であっても界面活性剤が結晶形態を維持する。クラフト点は、その温度を超えると界面活性剤の溶解度が急激に上昇する温度(より厳密には、狭い温度範囲)として実験的に測定される。この温度では、界面活性剤の溶解度が臨界ミセル濃度に等しくなる。界面活性剤のクラフト点は、温度に対する界面活性剤の溶解度の対数のグラフの傾きが急激に変化する位置を求めることによって最も適切に決定される[出典:PAC,1972,31,577(Manual of Symbols and Terminology for Physicochemical Quantities and Units,Appendix II:Definitions,Terminology and Symbols in Colloid and Surface Chemistry)、613ページ]。
用語「可塑剤」は、本明細書で使用するとき、脆性を低減するため並びに可塑性及び可撓性を促進するためにポリマー組成物に添加される様々な物質(典型的には溶媒)のいかなるものも意味する。
用語「半固体」は、本明細書で使用するとき、高粘度で、固体及び液体の両方の性質を有する物質の状態を意味する。
用語「固体」は、本明細書で使用するとき、その形状及び体積が比較的安定であるように、すなわち、液体様又はガス状ではないように、構成要素が配置された物質の状態を意味する。
用語「水溶性ポリマー」は、本明細書で使用するとき、水溶性ポリマーと水分散性ポリマーの両方を含み、25℃で測定したときに少なくとも約0.1グラム/リットル(g/L)の水溶解度を有するポリマーとして定義される。
提供されるのは、(a)2軸押出機から押出品を製造する工程と、(b)押出品を溶解性繊維に成形する工程とを含む、溶解性繊維の形成方法であって、この溶解性繊維は、(i)約10%〜約60%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であり、1つ以上のアニオン性界面活性剤が約30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、(ii)約10%〜約50%の1つ以上の水溶性ポリマーと、(iii)約1%〜約30%の1つ以上の可塑剤と、(iv)約0.01%〜約30%の水と、を含み、上記溶解性繊維が、約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの平均直径を有する。一実施形態において、繊維は、形成後にコーティング又は含浸されずに、1つ以上のアニオン性界面活性剤、1つ以上の水溶性ポリマー、1つ以上の可塑剤、及び水から形成される。
1つ以上の押出された溶解性繊維は、約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートル、あるいは約30マイクロメートル〜約500マイクロメートル、あるいは約40マイクロメートル〜約250マイクロメートル、あるいは約50マイクロメートル〜約150マイクロメートル、あるいは約100マイクロメートル〜約130マイクロメートルの範囲の平均直径を有してもよい。
1つ以上の溶解性繊維の直径は、溶解性繊維を光学顕微鏡下に置くことによって測定されてもよい。溶解性繊維の直径は、較正されたレチクル及び100倍の対物レンズを使用して測定されてもよい。直径は、少なくとも3箇所(見えている繊維の中心部、及び視野の対向する境界線付近の繊維の長さに沿った2箇所以上)で読み取ってもよい。直径は、光学顕微鏡の観察軸に垂直な最大寸法とみなされてもよい。3箇所以上における直径の測定値を平均して、溶解性繊維の平均直径として記録する。
一実施形態において、1つ以上の溶解性繊維は、成形された繊維であってもよい。より具体的には、1つ以上の溶解性繊維は多葉状であってもよい。成形された繊維の非限定例は、三日月形形、楕円形、正方形、菱形、及びこれらの組み合わせから選択されてもよい。他の好適な形状も使用してよい。一実施形態において、溶解性繊維は、繊維の外表面に沿って1つを超える臨界点を有する多葉状の繊維であってもよい。臨界点とは、繊維の軸に垂直に繊維を切断したときの、繊維表面に対して垂直に引いた線の傾きの絶対値における変化として、定義される。固体円形繊維は、繊維断面の幅にわたって光学的に連続した物質の分布を有する。これらの繊維は、微小空隙又は内部フィブリル化を含み得るが、実質的に連続であるとみなすことができる。固体円形繊維の外面には臨界点がない場合がある。
一実施形態において、繊維は、少なくとも1.4の異形度を有する三葉状の形状である。異形度は、約1.4〜約8、あるいは約1.5〜約7、あるいは約2.0〜約5であってもよい。異形度は、比R1/R2(R2は繊維の横方向断面に完全に入る最大円の半径であり、R1は横方向断面に外接する円の半径である)とすることができる。
パーソナルケア物品は、約0.02g/cm3〜約0.30g/cm3、あるいは約0.06g/cm3〜約0.20g/cm3あるいは、約.08g/cm3〜約0.15g/cm3の乾燥密度を有してもよい。
アニオン性界面活性剤
パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約10重量%〜約60重量%、あるいは約12重量%〜約50重量%、あるいは約15重量%〜約40重量%の、1つ以上のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。1つ以上のアニオン性界面活性剤は、30℃未満、あるいは25℃未満、あるいは20℃未満、あるいは15℃未満、あるいは10℃未満のクラフト点を有してもよい。
アニオン性界面活性剤の非限定例は、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシレート、分枝状アルキルアルコキシレートサルフェート、アルキルオキシアルカンスルホネート、中鎖分枝状アルキルアリールスルホネート、硫酸化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリールスルホネート、一級又は二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
一実施形態において、1つ以上のアニオン性界面活性剤は、次の構造に従う1つ以上のアルキルエーテルサルフェートを含んでもよい:
Figure 0006181846
式中、R1は、
a.約9〜約15個の炭素原子を含む置換アルキル系、
b.約9〜約15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、
c.約9〜約15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、
d.約9〜約15個の炭素原子を含む分枝鎖アルキル系、及び
e.約9〜約15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基であり、
2は:
a.約2〜約3個の炭素原子を含むC結合二価直鎖アルキル系、
b.約2〜約3個の炭素原子を含むC結合二価分枝鎖アルキル系、及び
c.これらの組み合わせからなる群から選択され、
M+は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、プロトン化モノエタノールアミン、プロトン化ジエタノールアミン、及びプロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価の対イオンであり、xは平均で約0.5モル〜約3モル、あるいは約1モル〜約2モルである。一実施形態において、xは平均で約0.5モル〜約3モルのエチレンオキシド、あるいは約1モル〜約2モルのエチレンオキシドである。
本明細書に用いるのに好適なアルキルサルフェートとしては、それぞれ式ROSO3Mを有する物質が挙げられ、式中Rは約8個の炭素原子〜約24個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、Mは水溶性カチオンである。Mの非限定例は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンからなる群から選択されてもよい。
アルキルエーテルサルフェートの非限定例は、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸アンモニウム、トリデセス硫酸カリウム、トリデセス硫酸トリエタノールアミン、ウンデセス硫酸ナトリウム、ウンデセス硫酸アンモニウム、ウンデセス硫酸カリウム、ウンデセス硫酸トリエタノールアミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一実施形態において、アルキルエーテルサルフェートは、ラウレス硫酸ナトリウムであってもよい。
その他の好適なアニオン性界面活性剤は、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition(1986),Allured Publishing Corp.;McCutcheon’s Functional Materials,North American Edition(1992),Allured Publishing Corp;並びに米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278号に記載されている場合がある。
第2の界面活性剤
パーソナルケア物品は、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される、1つ以上の第2の界面活性剤を更に含んでもよい。1つ以上のアニオン性界面活性剤の1つ以上の第2の界面活性剤に対する比は、約15:1〜約1:2、あるいは約10:1〜約1:1であってもよい。
両性界面活性剤の非限定例は、二級及び三級アミンの両性誘導体、複素環式二級及び三級アミンの両性誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
両性界面活性剤の更なる非限定例は、コカミノプロピオン酸ナトリウム、コカミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミノプロピオン酸アンモニウム、コカミノジプロピオン酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ココアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウラミノプロピオン酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ラウロアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウリミノジプロピオン酸アンモニウム、コカミノプロピオン酸トリエタノールアミン、コカミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ココアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウラミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホジプロピオン酸、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホン酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ジカルボキシエチルココプロピレンジアミン二ナトリウム、ラウレス−5カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、オレオアンホジプロピオン酸二ナトリウム、PPG−2−イソデセス(isodecethy)−7カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウロアンホジプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
双極性イオン界面活性剤の非限定例は、二級及び三級アミンの誘導体、複素環式二級及び三級アミンの誘導体、四級アンモニウムの誘導体、四級ホスホニウムの誘導体、三級スルホニウムの誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
双極性イオン界面活性剤の非限定例は、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C8〜C18アミンオキシド、スルホ及びヒドロキシベタイン、及びこれらの混合物を包含するベタインからなる群からも選択されてもよい。
双極性イオン界面活性剤の更なる非限定例は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオン酸、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルベタイン、ココ−スルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
水溶性ポリマー
パーソナルケア物品は、構造化剤として機能し得る1つ以上の水溶性ポリマーを含んでもよい。パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約10重量%〜約50重量%、あるいは約15重量%〜約45重量%、あるいは約20重量%〜約40重量%、あるいは約25重量%〜約35重量%の、1つ以上の水溶性ポリマーを含んでもよい。
1つ以上の水溶性ポリマーは、25℃で測定したときに、約0.1g/L〜約500g/Lの水溶解度を有してもよい。1つ以上の水溶性ポリマーは、合成由来でも天然由来でもよく、化学反応によって修飾されていてもよい。
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーは、約40,000g/モル〜約500,000g/モル、あるいは約50,000g/モル〜約400,000g/モル、あるいは約60,000g/モル〜約300,000g/モル、あるいは約70,000g/モル〜約200,000g/モルの重量平均分子量を有してもよい。
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーの4重量%溶液は、20℃において約4センチポアズ〜約80センチポアズ、あるいは約10センチポアズ〜約60センチポアズ、あるいは約20センチポアズ〜約40センチポアズの粘度を有してもよい。
合成水溶性ポリマーの非限定例は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアクリレート、カプロラクタム、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリウレタン、ポリカルボン酸、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミン、ポリエチレンイミンからなる群から選択されてもよい。合成水溶性ポリマーの更なる非限定例は、マレイン酸/アクリレート系コポリマー、マレイン酸/メタクリレート系コポリマー、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、酢酸ビニルとクロトン酸とのコポリマー、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ビニルピロリドンとカプロラクタムとのコポリマー等の、アニオン性、カチオン性及び両性モノマーのコポリマー並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
天然水溶性ポリマーの非限定例は、カラヤゴム、トラガカントガム、アラビアガム、アセマンナン、コンニャクマンナン、アカシアガム、ガティガム、乳清タンパク質単離物、大豆タンパク質単離物、グアーガム、イナゴマメゴム、マルメロ種子ガム、オオバコ種子ガム、カラギーナン、アルギナート、寒天、果実抽出物(ペクチン)、キサンタンガム、ジェランガム、プルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、及びデキストラン、カゼイン、ゼラチン、ケラチン、ケラチン加水分解物、スルホン酸ケラチン、アルブミン、コラーゲン、グルテリン、グルカゴン、グルテン、ゼイン、セラック、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
修飾天然水溶性ポリマーの非限定例は、(1)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル等のセルロース誘導体;及び(2)ヒドロキシプロピルグアー等のグアー誘導体からなる群から選択されてもよい。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、Dow Chemical Company(Midland,MI)より入手可能なものが挙げられる。
一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーを、必要な水溶性ポリマーの全体的レベルを低減するような量のデンプン系材料とブレンドしてもよい。1つ以上の水溶性ポリマーとデンプン系材料とを合わせた重量パーセントは、パーソナルケア物品の約10重量%〜約40重量%、あるいは約12重量%〜約30重量%、あるいは約15重量%〜約25重量%の範囲であってもよい。1つ以上の水溶性ポリマーのデンプン系材料に対する重量比は、約1:10〜約10:1、あるいは約1:8〜約8:1、あるいは約1:7〜約7:1、あるいは約6:1〜約1:6の範囲であってもよい。
デンプン系材料の非限定例は、穀物、塊茎、根、マメ科植物、果実、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。より具体的には、デンプン系材料の非限定例は、トウモロコシ、エンドウマメ、ジャガイモ、バナナ、大麦、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、サトウモロコシ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。デンプン系材料には、物理的に修飾されたデンプン及び化学的に修飾されたデンプンを含む、当該技術分野で既知の任意の修飾を使用して修飾された天然デンプンも含まれる。
可塑剤
パーソナルケア物品は、1つ以上の可塑剤を含んでもよい。パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約1重量%〜約30重量%、あるいは約5重量%〜約25重量%、あるいは約10重量%〜約20重量%の、1つ以上の可塑剤を含んでもよい。可塑剤の非限定例は、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、ジメチコーンコポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
好適なポリオールの非限定例は、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マンニトール(manitol)、ラクチトール、一価及び多価低分子量アルコール(例えば、C2〜C8アルコール)、単糖類、二糖類、オリゴ糖、高フルクトース固形コーンシロップ、アスコルビン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
好適なポリカルボン酸の非限定例は、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
好適なポリエステルの非限定例は、グリセロールトリアセタート、アセチル化モノグリセリド、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
好適なジメチコーンコポリオールの非限定例は、PEG−12ジメチコーン、PEG/PPG−18/18ジメチコーン、及びPPG−12ジメチコーンからなる群から選択されてもよい。
好適な可塑剤の更なる非限定例は、アルキルフタレート、アリルフタレート、ナフタレート、乳酸塩(例えば、ナトリウム、アンモニウム及びカリウム塩)、ソルベス−30、尿素、乳酸、ピロリドンカルボン酸(PCA)ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、可溶性コラーゲン、変性タンパク質、L−グルタミン酸一ナトリウム、グリセリルポリメタクリレート、高分子可塑剤、タンパク質、アミノ酸、水素デンプン加水分解物、低分子量エステル(例えば、C2〜C10アルコールと酸とのエステル)、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。追加の実施形態において、好適な可塑剤の非限定例は、グリコール酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択されるα−及びβ−ヒドロキシ酸であってもよい。欧州特許第0283165(B1)号は、プロポキシル化グリセロールのようなグリセロール誘導体等の、より一層好適な可塑剤を開示している。

パーソナルケア物品は、パーソナルケア物品の約0.01重量%〜約30重量%、あるいは約1重量%〜約20重量%、あるいは約2重量%〜約15重量%の水を含んでもよい。
有益剤
パーソナルケア物品は、約0.1%〜約15%の有益剤を含んでもよい。好適な有益剤の非限定例は、非イオン性界面活性剤、防腐剤、香料、着色剤、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤、毛髪脱色剤、増粘剤、保湿剤、皮膚軟化剤、医薬有効成分、ビタミン、日焼け止め剤、防臭剤、感覚剤、植物抽出物、化粧品粒子、反応剤、美白剤、日焼け剤、フケ防止剤、剥離剤、酸、塩基、湿潤剤、酵素、懸濁化剤、pH調整剤、ヘアパーマ剤、抗ニキビ剤、抗菌剤、剥離粒子、育毛剤、防虫剤、キレート剤、溶解剤、ビルダー、酵素、移染防止剤、柔軟化剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
コンディショニング剤
コンディショニング剤の非限定例は、シリコーン、有機油、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。シリコーンの非限定例は、シリコーンオイル、高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、低分子量ポリジメチルシロキサン、シリコーン樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。有機油の非限定例は、炭化水素油、ポリオレフィン、脂肪族エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。コンディショニング剤及び任意追加のシリコーン用懸濁化剤の更なる非限定例は、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に見出され、これらを参照により本願に援用する。
シリコーンガム及び高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサンは、約100,000mPa・s〜約30,000,000mPa・s、あるいは約200,000mPa・s〜約30,000,000mPa・sの粘度を有してもよい。シリコーンガム及び高分子量ポリアルキル又はポリアリールシロキサンは、約100,000g/モル〜約1,000,000g/モル、あるいは約120,000g/モル〜約1,000,000g/モルの分子量を有してもよい。
低分子量ポリジメチルシロキサンは、25℃において約1mPa・s〜約10,000mPa・s、あるいは約5mPa・s〜約5,000mPa・sの粘度を有してもよい。低分子量ポリジメチルシロキサンは、約400〜約65,000、あるいは約800〜約50,000の分子量を有してもよい。
一実施形態において、コンディショニング剤は、1つ以上のアミノシリコーンを含有してもよい。アミノシリコーンは、少なくとも1つの一級アミン、二級アミン、三級アミン、又は四級アンモニウム基を含有するシリコーンであってもよい。一実施形態では、アミノシリコーンは、アミノシリコーンの約0.5重量%未満、他の実施形態では約0.2重量%未満、更に他の実施形態では約0.1重量%未満の窒素を有してもよい。
アミノシリコーンは、約1,000mm2/秒(平方ミリメートル毎秒)〜約1,000,000mm2/秒(約1,000cs(センチストークス)〜約1,000,000cs)、別の実施形態では約10,000mm2/s〜約700,000mm2/秒(約10,000cs〜約700,000cs)、更に別の実施形態では約50,000mm2/s〜約500,000mm2/秒(約50,000cs〜約500,000cs)、更に別の実施形態では約100,000mm2/s〜約400,000mm2/秒(約100,000cs〜約400,000cs)の粘度を有してもよい。この実施形態は、低粘度流体も含んでもよい。本明細書に記載のアミノシリコーンの粘度は、25℃で測定される。
別の実施形態では、アミノシリコーンは、約1,000mm2/秒〜約100,000mm2/秒(約1,000cs〜約100,000cs)、別の実施形態では約2,000mm2/秒〜約50,000mm2/秒(約2,000cs〜約50,000cs)、別の実施形態では約4,000mm2/秒〜約40,000mm2/秒(約4,000cs〜約40,000cs)、更に別の実施形態では約6,000mm2/秒〜約30,000mm2/秒(約6,000cs〜約30,000cs)の粘度を有してもよい。
パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の約0.05重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.3重量%〜約5重量%のアミノシリコーンを含んでもよい。
フケ防止剤
一実施形態において、パーソナルケア物品は、フケ防止微粒子であってもよいフケ防止剤を含んでもよい。好適なフケ防止剤の非限定例は、ピリジンチオン塩、アゾール(例えば、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール)、硫化セレン、粒子状硫黄、角質溶解剤(例えば、サリチル酸)、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。一実施形態において、フケ防止剤はピリジンチオン塩である。
ピリジンチオン塩微粒子は、好適な粒子状フケ防止剤である。一実施形態では、フケ防止剤は、粒子状の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であってもよい。パーソナルケア物品は、約0.01%〜約5%、あるいは約0.1%〜約3%、あるいは約0.1%〜約2%のピリジンチオン塩粒子を含んでもよい。一実施形態において、ピリジンチオン塩粒子は、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウムのような重金属から形成されたものであってもよい。任意の実施形態において、ピリジンチオン塩は、場合により血小板状粒子形態の、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)であってもよい。一実施形態において、血小板状粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩は、20マイクロメートル未満、あるいは5マイクロメートル未満、あるいは2.5マイクロメートル未満の平均粒径を有してもよい。ナトリウムのような、他のカチオンから形成される塩も、好適なフケ防止剤となり得る。ピリジンチオンのフケ防止剤は、例えば、米国特許第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
パーソナルケア物品は、抗菌活性物質も含んでもよい。好適な抗菌活性物質の非限定例は、コールタール、硫黄、炭、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。好適な抗菌剤の更なる非限定例は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
1つの実施形態では、抗菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであってもよい。一実施形態において、抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールであってもよい。
カチオン性ポリマー
一実施形態において、パーソナルケア物品は、カチオン性ポリマーを含んでもよい。本明細書において有用なカチオン性ポリマーとしては、米国特許第2007/0207109(A1)号及び同第2008/0206185(A1)号で論じられるものが挙げられ、例えば、本明細書に記載されるパーソナルケア物品のコンディショニング活性成分の付着を効果的に強化するための、十分に高い分子量の合成コポリマー等が挙げられる。また、カチオン性ポリマーの組み合わせが利用されてもよい。一般に合成コポリマーの平均分子量は、約10,000〜約10,000,000、好ましくは約100,000〜約3,000,000、更により好ましくは約200,000〜約2,000,000である。
更なる実施形態では、合成コポリマーは、パーソナルケア物品の目的とする用途のpHにおいて、約0.1meq/gm〜約6.0meq/gm、あるいは約0.5meq/gm〜約3.0meq/gmの質量電荷密度を有する。pHは、約pH 3〜約pH 9、あるいは約pH 4〜約pH 8であってもよい。
更に別の実施形態では、合成コポリマーは、少なくとも約2meq/A〜約500meq/A、より好ましくは約20meq/A〜約200meq/A、最も好ましくは約25meq/A〜約100meq/Aの線電荷密度を有する。
カチオン性ポリマーは、コポリマー又はホモポリマーであってもよい。一実施形態では、本組成物中でホモポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でコポリマーが利用される。別の実施形態では、本組成物中でホモポリマーとコポリマーとの混合物が利用される。別の実施形態では、本明細書で論じられるセルロース又はグアーポリマー等の、天然由来のホモポリマーが、以下に論じられるもの等の合成ホモポリマー又はコポリマーと組み合わせられる。
ホモポリマー−3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、[(3−メチルアクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド(QVI);[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、及び[2−(アクリロイルオキシ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリドのモノマーの非架橋カチオン性ホモポリマーもまた、本明細書において有用である。
コポリマー−コポリマーは、2個のカチオン性モノマー、又は非イオン性及びカチオン性モノマーを含んでもよい。
またパーソナルケア物品は、セルロース又はグアーカチオン付着ポリマーも含んでよい。一般に、こうしたカチオン性セルロース系又はグアーカチオン性付着ポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約5重量%の濃度で存在してよい。好適なセルロース又はグアーカチオン性付着ポリマーは、約5,000を超える分子量を有する。加えて、そのようなセルロース又はグアー付着ポリマーは、パーソナルケア物品の目的とする用途のpHで約0.5meq/g〜約4.0meq/gの電荷密度を有し、このpHは、一般に、約pH3〜約pH 9、好ましくは約pH 4〜約pH 8の範囲であると思われる。組成物のpHは、未希釈で測定される。
本発明の一実施形態では、カチオン性ポリマーはヒドロキシプロピルグアーの誘導体であり、その例には、INCI命名法でグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムとして知られるポリマーが挙げられ、例えば、トーホー(Toho)社のカチナル(Catinal)CG−100、カチナルCG−200、コグニス(Cognis)社のコスメディアグアー(Cosmedia Guar)C−261N、コスメディアグアーC−261N、コスメディアグアーC−261N、フリーダム・ケミカル・ダイアモルト(Freedom Chemical Diamalt)社のダイアガム(DiaGum)P5070、ハーキュレス(Hercules)/アクアロン(Aqualon)社のN−ハンスカチオン性グアー(N-Hance Cationic Guar)、ローディア(Rhodia)社のハイ−ケア(Hi-Care)1000、ジャガー(Jaguar)C−17、ジャガーC−2000、ジャガーC−13S、ジャガーC−14S、ジャガーエクセル(Excel)、日澱化学(Nippon Starch)社のキプロガム(Kiprogum)CW、キプロガムNGKの名称で販売されている製品である。
溶解性繊維形成プロセス
パーソナルケア物品を形成するプロセスは、(a)1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤とを2軸押出機に添加してプレミックスを形成する工程と、(b)プレミックスを約150℃〜約400℃に加熱する工程と、(c)プレミックスを135℃未満に冷却する工程と、(d)1つ以上のアニオン性界面活性剤水をプレミックスと混合して混合物を形成する工程と、(e)混合物を2軸押出機から押出して押出品を製造する工程であって、押出品が約20%〜約60%の含水量を有し、押出品が約70℃〜約130℃である、工程と、(f)押出品を紡糸口金装置に通して計量して、1つ以上の繊維ストランドを製造する工程と、(g)1つ以上の繊維ストランドをスピンドロー及び乾燥して、1つ以上の溶解性繊維を形成する工程と、を含んでもよい。1つ以上の溶解性繊維は、約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの平均直径を有してもよい。
パーソナルケア物品を形成するプロセスは、1つ以上の水溶性ポリマー及び1つ以上の可塑剤を2軸に添加してプレミックスを形成する工程と、プレミックスを約150℃〜約400℃、あるいは約155℃〜約300℃、あるいは約160℃〜約250℃に加熱する工程と、を含んでもよい。一実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマー及び1つ以上の可塑剤は、別の押出プロセスによって共にコンパウンドされ、その後単一成分として2軸押出プロセスに加えられる。別の実施形態において、1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤は、別々の成分として2軸押出プロセスに添加されてもよい。一実施形態において、Leistritzからの2軸押出機(スクリュー直径27mm、L/D比40:1、10の独立温度制御バレル部分を有する)を使用してもよい。
パーソナルケア物品を形成するプロセスは、プレミックスを135℃未満、あるいは約130℃未満、あるいは約125℃未満、あるいは約120℃未満に冷却する工程と、続いて1つ以上のアニオン性界面活性剤をプレミックスと混合して混合物を形成する工程と、を含んでもよい。水は、アニオン性界面活性剤を含む1つ以上の原料の1構成成分として、又は別のプロセスへの添加により、又はこれらの組み合わせで、プロセスに入ってもよい。
溶解性繊維を形成するプロセスは、混合物を2軸押出機から押出して、規定された含水量範囲及び温度範囲の押出品を製造する工程を更に含んでもよい。押出品は、約20%〜約60%、あるいは約30%〜約55%、あるいは約40%〜約50%の含水量を有してもよい。温度範囲は、約70℃〜約130℃、あるいは約80℃〜約120℃、あるいは約90℃〜約110℃であってもよい。
溶解性繊維を形成するプロセスは、紡糸口金装置を通して押出品を計量し、1つ以上の繊維ストランドを製造する工程を含んでもよい。紡糸口金装置は、分配板、フィルターブロック、計量板、及び紡糸口金を含んでもよい。分配板は、材料の流れをギヤポンプからフィルターブロックに均一に分岐し得る。フィルターブロックは、繊維の紡糸性に悪影響を及ぼし得る懸濁した汚れ又は粒子を捕捉し得る。フィルターブロックと紡糸口金との間の計量板は、流れを更に安定化し得る。紡糸口金は、複数の繊維ストランドを製造するための一連のノズルを具備してもよい。一実施形態において、ノズルは、約0.1mm〜約3mm、あるいは約0.2mm〜約2.5mm、あるいは約0.3mm〜約2.0mm、あるいは約0.4mm〜約1.5mmのノズルサイズを有してもよい。ノズルサイズは、ノズルの外径である。一実施形態において、ノズルは三葉状の形状を有してもよい。
溶解性繊維を形成するプロセスは、ゴデッドローラー(godget roller)で紡糸された空気循環カラム内の1つ以上の繊維ストランドをスピンドロー及び乾燥して、約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートルの平均直径を有する1つ以上の溶解性繊維を形成する工程を含んでもよい。一実施形態において、空気循環カラムは、約40℃〜約120℃、あるいは約50℃〜約110℃、あるいは約60℃〜約100℃の温度の下流乾燥高温空気によって加熱されてもよい。一実施形態において、1つ以上のゴデッドローラー(godget rollers)が、約60℃〜約130℃、あるいは約70℃〜約120℃、あるいは約80℃〜約110℃の温度に加熱されてもよい。一実施形態において、繊維は、空気循環カラム及びゴデッドローラー(godget rollers)を通して延伸及び乾燥され、平均直径が約20マイクロメートル〜約1,000マイクロメートル、あるいは約30マイクロメートル〜約500マイクロメートル、あるいは約40マイクロメートル〜約250マイクロメートル、あるいは約50マイクロメートル〜約150マイクロメートル、あるいは約60マイクロメートル〜約100マイクロメートルの1つ以上の溶解性繊維を形成してもよい。
一実施形態において、押出機を出る前の混合物の更なる冷却に伴う又は二次的なタンデム押出機による、更なるゾーン温度を使用してもよい。第3のゾーン温度範囲は、約50℃〜約110℃、あるいは約60℃〜約100℃、あるいは約70℃〜約90℃であってもよい。
一実施形態において、2軸押出プロセスは、所望の最終製品の種類に応じて、単独で又は他の形成操作と組み合わせて、使用してもよい。2軸押出機及び単軸押出機からなる2種類の押出機を用いてもよい。2軸押出機は、コニカル2軸押出機であってもよい。一実施形態において、プロセスは、2台以上の押出機が直列又は並列で接続されたタンデム押出機配列を使用してもよい。タンデム押出機配列は、水溶性ポリマーと残りの成分との混合を改善するために2軸押出機を使用し、その後有効な冷却のために単軸押出機を使用してもよい。
繊維紡糸
異なるパーソナルケア組成物の連続繊維は、押出をベースとする繊維紡糸プロセスによって合成されてもよい。プロセスは、混合物を押出機(場合により、噛み合い逆方向回転型2軸押出機)内で、可塑化及び均質化することで開始されてもよい。均質化された配合物の流れは、続いて、紡糸口金装置を通じて押出及び軽量され、所望の形状でより微細サイズの一連の繊維ストランドを得る。これらの繊維は、その後、スピンドロー及び乾燥されて、一連のゴデットローラーを通じて最終的な繊維寸法となる。
繊維紡糸実施例は、2軸押出機をベースとする繊維紡糸システムを用いて実施されてもよい。このシステムは、配合物を供給及び可塑化するためのBrabender 2軸押出機(直径42mm、L/D比7:1、逆方向回転、噛み合い型スクリュー)及び均一な材料の流れを下流の紡糸口金ダイアセンブリに送るための溶融紡糸ギヤポンプ(容量1.8cm3)を含んでもよい。繊維紡糸システムには、次の4つの温度監視ゾーンを設けてもよい:押出機の搬送ゾーン、可塑化ゾーン、及び計量ゾーン(T1〜T3)、並びにギヤポンプ(Tキ゛ヤホ゜ンフ゜)。
紡糸口金装置において、可塑化された押出品の流れは、より微細な繊維ダイ形状に送られてもよい。この作業において、紡糸口金装置は、分配板、フィルターブロック、計量板、及び紡糸口金を含んでもよい。分配板は、材料の流れをギヤポンプからフィルターブロックに均一に分岐し得る。フィルターブロックは、繊維の紡糸性に悪影響を及ぼし得る懸濁した汚れ又は粒子を捕捉し得る。フィルターブロックと紡糸口金との間の計量板は、流れを更に安定化し、押出品が経験する塑性記憶効果(plastic memory effect)を低減する。紡糸口金は、押出品を複数の繊維ストランドに分岐するための、一連のノズル(三葉状の形状、サイズ約1.5mm)を含んでもよい。より小さい0.5mmのノズルサイズを有する別の紡糸口金も、より微細な形状の繊維を得るために利用できる。紡糸口金装置を出る繊維ストランドは、空気循環カラムを下方に進むにつれて重力によって自然に延伸され、続いて、繊維紡糸システムの底において制御された速度(60〜2000m/分)でゴデットローラーによって紡糸されてもよい。
空気循環カラムは、繊維ストランドの温度及び含水量を維持するために高温/周囲空気又は蒸気の循環を繊維ストランドに送る能力を統合していてもよい。システムの底の2本のゴデットローラーには、押出繊維ストランドが所望の温度で紡糸及び乾燥されるように、ヒーターが装備されていてもよい。
押出品の調製
押出品は、インライン又は2パスプロセスのいずれかによって調製されてもよい。インライン配合物調製には、水溶性ポリマー、可塑剤が、繊維紡糸システムの2軸押出機に第1ゾーンで添加され、プレミックスを形成する。界面活性剤溶液、水、及びその他の成分は、押出システムの後のゾーンに導入され、プレミックスと均質化される。押出品の混合物は、後の繊維紡糸プロセス用に、計量されて紡糸口金装置に送られる。
2パスプロセスの場合、水溶性ポリマー、可塑剤、界面活性剤溶液、及びその他の成分を配合して、配合物マスターバッチを得る。配合プロセス中又はその後の工程で、マスターバッチの含水量を所望のレベルに調節するために、水をマスターバッチに加えてもよい。マスターバッチを押出ベースの繊維紡糸システムに添加し、押出し、及び紡糸して最終的な繊維形状にしてもよい。
提示された繊維紡糸実施例において、押出品は、2パスプロセスによって調製されてもよい。別途記載のない限り、押出品は、表1に記載の指示された重量パーセントで調製されてもよく、後の工程で、所望の含水量を得るように追加の水で調湿されてもよい。PVOH/グリセリン化合物のペレットは、予め決められた質量流量で、減量計量式重量式フィーダーを用いて押出機に供給されてもよい。水性界面活性剤溶液及び水は、表1に記載の材料組成に従って、それぞれゾーン3及びゾーン6で2軸押出機内へ計量される。混合物は、続いて、自然冷却され、周囲環境で硬化される。押出されたマスターバッチの水分調節前の組成を、表2にまとめる。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
押出されたマスターバッチを追加の水で調湿することによって、異なる含水量の押出品を調製してもよい。押出品の水分調節は、次の2つの技法のいずれかによって達成されてもよい:
(i)材料を加湿器内で飽和させる、又は
(ii)水を予め決められた含量で材料上に直接散水する。
表3は、調湿プロセス中のマスターバッチの水分取込を測定することによって予測される配合物の含水量を示す。加工マスターバッチが吸湿性であることから、マスターバッチに導入され得る追加水の量を決定するためには、マスターバッチの残留含水量を特に考慮することが重要である。例えば、異なる相対湿度(RH)の環境中に置かれたマスターバッチの残留含水量は、一般的な乾燥した日(45RH%)の約11%w/wと一般的な湿った日(63RH%)の約21%w/wとの間で変動し得る。
Figure 0006181846
繊維紡糸実施例
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ実証する。本発明の多くの変形が可能となり得ることから、実施例は例示のみを目的として与えられ、制限として解釈されるべきでない。別途記載がない限り、例示される量は全て、全組成物の重量を基準とした濃度、すなわち、重量百分率(%w/w)である。
加湿器による水分調節
(実施例1)
この実施例では、含水量の異なる4種類の押出品を検討した。配合した加工マスターバッチを加湿器内で飽和させ、所望の含水量を得た。表4に、この実施例で検討した4種類の押出品の組成を要約する。4種類の押出品のそれぞれを、前述の2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表5は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーで紡糸した。表6に、紡糸繊維の特性評価の結果を要約する。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
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押出品の含水量が約30〜35%w/w(実施例1.1)から約55〜63%w/w(実施例1.4)に増大すると、紡糸繊維の最小到達径が420μから95μに低下した。初期含水量がより高い押出品は、加工温度下でより微細な繊維形状に紡糸することができる。検討した加工条件において、50〜150μ、又は50〜100μの紡糸繊維径を達成するためには、より高い含水量、例えば54.9〜63.1%w/wの押出品を使用してもよい。より高い含水量の押出品、例えば、実施例1.4の場合、押出された繊維ストランドは比較的湿った性質であり、垂直カラムを下方に移動するにつれて重力によってかなり薄化されている場合がある。これらの繊維の凝集を防止するために、追加の下流乾燥が必要になる場合がある。
直接散水による水分調節
(実施例2)
この実施例では、検討した押出品は、約45、48、及び50%w/wの含水量を有した。配合物の水分調節は、水を予め決められた量で界面活性剤マスターバッチ上に直接散水することによって実行した。表7に、この実施例で検討した押出品の組成を要約する。本実施例のパーソナルケア押出品を、前述のように前記2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表8は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、様々なゴデット紡糸速度で紡糸した。表9に、この実施例で得られた紡糸繊維の特性評価結果を要約する。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
押出品の含水量が約45%w/w(実施例2.1)から約50%w/w(実施例2.3)に増大すると、紡糸繊維の最小到達径が>150μから75〜95μに低下した。前述の実施例1と同様に、押出された繊維ストランドの紡糸性は、押出品の含水量に依存する場合がある。水分50%w/wの押出品(実施例2.3)から得られる繊維ストランドは、比較的湿潤しており、時折、材料の流れの中断が生じる場合がある。
実施例3−高温空気循環による下流乾燥
この実施例では、検討した押出品は、約48%w/wの含水量を有した。配合物の水分調節は、水を予め決められた量で界面活性剤マスターバッチ上に直接散水することによって実行した。表10に、この実施例で検討した押出品の組成を要約する。本実施例の押出品を、前述のように2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表11は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、160m/分のゴデット紡糸速度で紡糸した。この実施例では、下流乾燥は、70〜75℃の高温空気を、紡糸口金装置と第1ゴデットローラーとの間の垂直カラムに沿って循環することによって達成された。表12に、この実施例で得られた紡糸繊維の特性評価結果を要約する。
Figure 0006181846
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Figure 0006181846
垂直カラムにおける高温空気の循環による下流乾燥を組込むことによって、110〜185μの範囲の比較的乾燥した三葉状紡糸繊維が、検討した水分48%w/wの押出品から得られることが観察された。この実施例において、高温空気の循環が垂直カラムの全長に導入されたときに、比較的厚く(170〜185μ)乾いた手触りの紡糸繊維が得られる。
実施例4−加熱したゴデット表面による下流乾燥
この実施例では、検討した押出品は、約48%w/wの含水量を有した。配合物の水分調節は、水を予め決められた量で界面活性剤マスターバッチ上に直接散水することによって実行した。表13に、この実施例で検討した押出品の組成を要約する。押出品を、前述の2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表14は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、様々なゴデット紡糸速度で紡糸した。この実施例では、下流乾燥は、第1ゴデットローラーを約52〜65℃の高温まで加熱することによって達成された。表15に、この実施例で得られた紡糸繊維の特性評価結果を要約する。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
加熱したゴデットローラー表面による下流乾燥を組み込むことによって、112〜128μの範囲の比較的乾燥した三葉状紡糸繊維が、水分48%w/wの押出品から得られることが観察された。
実施例5−異なるゴデット紡糸速度での繊維紡糸
この実施例では、検討した押出品は、約49%w/wの含水量を有した。配合物の水分調節は、水を予め決められた量で界面活性剤マスターバッチ上に直接散水することによって実行した。表16に、この実施例で得られる可能性のある押出品の組成を要約する。本実施例の押出品を、前述のように2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表17は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、様々なゴデット紡糸速度で紡糸した。この実施例では、下流乾燥は、第1ゴデットローラーを約100℃の高温まで加熱して、紡糸繊維の乾燥を促進することによって達成された。表18に、異なるゴデット紡糸速度で得られる可能性のある紡糸繊維の特性評価結果を要約する。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
第1ゴデットローラーの紡糸速度が215m/分(実施例5.1)から285m/分(実施例5.4)に増大すると、紡糸繊維の到達可能な径は125μから95μに低下することが観察された。所与の押出品の繊維の引抜き比は、ゴデットローラーの紡糸速度によって制御され得ることが観察された。水分49%w/wの押出品を用いた本実施例では、検討した加工条件において、50〜100μ紡糸繊維径を得るためには、275m/分以上のゴデッド速度が推奨される。この実施例で得られる繊維の三葉状の形状は、実施例4の場合と比較して、はっきりしなくなる場合があることに注意する。このような繊維形状の微小なひずみは、本実施例で検討した加工条件で押出機が比較的低い粘弾性を有することに起因する可能性がある。
実施例6−小さい紡糸口金ノズル及び二次ローラーを用いた繊維紡糸
この実施例で使用した紡糸口金は、小さいノズルサイズ(0.5mm)を有した。水分約45%w/wの押出品を、配合した加工マスターバッチへの直接散水での水分調節によって調製した。表19に、この実施例で検討した押出品の組成を要約する。本実施例の押出品を、前述のように2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表20は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。より微細な繊維形状を得るために、押出品の押出繊維ストランドを、第1ゴデットローラーの加熱面上に通して乾燥し、更なるサイズ減少及び繊維回収のために二次延伸ローラー又は第2ゴデットローラーに供給した。繊維の特性評価結果を表21に要約する。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
サイズが55〜75μの範囲のパーソナルケア組成物の連続乾燥繊維のコイルを、二次延伸ローラーで得た。
その他の界面活性剤組成物を用いた繊維の製造
実施例7−着色染料及び香料を含有するパーソナルケア繊維
この実施例で使用した紡糸口金は、小さいノズルサイズ(0.5mm)を有した。水分約47%w/wの押出品を、配合した加工マスターバッチへの直接散水での水分調節によって調製した。青色、薄青色、及び緑色の芳香性界面活性剤繊維を製造するために、微量の着色染料及び香料も押出品に添加した。表22は、押出品の組成を示す。本実施例の押出品を、前述のように2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。表23は、紡糸プロセスに使用してもよい加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、250m/分の速度で紡糸した。この実施例では、下流乾燥は、第1ゴデットローラーを約60〜90℃の高温まで加熱して、特性評価用の紡糸繊維の乾燥を促進することによって達成された。表24は、得られた着色及び芳香性繊維の特性評価結果を示す。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
実施例8−色、香料、ベタイン、及びシリコーン流体を有するパーソナルケア繊維
表25の成分を2軸コンパウンダーで配合することによって加工マスターバッチを調製した。マスターバッチは、直接散水法によって約47%w/wの含水量に水分調節した。調湿した押出品を、前述のように2軸押出ベースの繊維紡糸システムで加工した。サイズ0.5mmのノズルを有する紡糸口金を、この実施例に使用した。表26は、紡糸プロセスに使用した加工条件を示す。押出品の押出繊維ストランドを、システムの第1ゴデットローラーを用いて、255m/分の速度で紡糸した。この実施例では、下流乾燥は、第1ゴデットローラーを約100℃の高温まで加熱して、紡糸繊維の乾燥を促進することによって達成された。表27に、得られる可能性のある着色芳香性繊維の特性評価結果を要約する。乾燥繊維は、室内条件下で11.9%の水分を有すると評価され、この含水量に基づいて推定した、紡糸繊維の組成を表28に示す。
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
Figure 0006181846
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
本明細書で引用される全ての文献は、その全部分において本明細書に参考として組み込まれ、いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを容認するものとして解釈すべきでない。本明細書中の用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献中の同一用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられた意味又は定義を適用する。
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (19)

  1. 溶解性繊維を形成する方法であって、
    a.2軸押出機から押出品を製造する工程と、
    b.前記押出品を溶解性繊維に成形する工程であって、
    ここで、前記溶解性繊維を形成する方法が、
    a)1つ以上の水溶性ポリマーと1つ以上の可塑剤とを2軸押出機に添加してプレミックスを形成する工程と、
    (b)前記プレミックスを150℃〜400℃に加熱する工程と、
    (c)前記プレミックスを135℃未満に冷却する工程と、
    (d)1つ以上のアニオン性界面活性剤水を前記プレミックスと混合して混合物を形成する工程と、
    (e)前記混合物を前記2軸押出機から押出して押出品を形成する工程であって、押出品が20%〜60%の含水量を有し、押出品が90℃〜110℃である、工程と、
    (f)前記押出品を紡糸口金装置に通して計量して、1つ以上の繊維ストランドを製造する工程と、
    (g)前記1つ以上の繊維ストランドをスピンドロー及び乾燥して、1つ以上の溶解性繊維を形成する工程と、を含み、
    前記溶解性繊維が、
    i.前記溶解性繊維の10重量%〜60重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤であって、前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が30℃未満のクラフト点を有する、アニオン性界面活性剤と、
    ii.前記溶解性繊維の10重量%〜50重量%の1つ以上の水溶性ポリマーと、
    iii.前記溶解性繊維の1重量%〜30重量%の1つ以上の可塑剤と、
    iv.前記溶解性繊維の0.01重量%〜30重量%の水と、を含み、
    前記溶解性繊維が、20マイクロメートル〜1,000マイクロメートルの平均直径を有する、溶解性繊維を形成する方法。
  2. 前記溶解性繊維が、前記溶解性繊維の15重量%〜50重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶解性繊維が、前記溶解性繊維の20重量%〜40重量%の1つ以上のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記溶解性繊維が、30マイクロメートル〜500マイクロメートルの平均直径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記溶解性繊維が、40マイクロメートル〜250マイクロメートル平均直径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記溶解性繊維が、50マイクロメートル〜150マイクロメートルの平均直径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が25℃未満のクラフト点を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記1つ以上のアニオン性界面活性剤が、以下の構造に従う1つ以上のアルキルエーテルサルフェートを含み、
    Figure 0006181846
    式中、Rは、
    a.9〜15個の炭素原子を含む置換アルキル系、
    b.9〜15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、
    c.9〜15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、
    d.9〜15個の炭素原子を含む分枝鎖アルキル系、及び
    e.9〜15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC結合一価置換基であり、
    は、
    a.2〜3個の炭素原子を含むC結合二価直鎖アルキル系、
    b.2〜3個の炭素原子を含むC結合二価分枝鎖アルキル系、及び
    c.これらの組み合わせからなる群から選択され、
    は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、プロトン化モノエタノールアミン、プロトン化ジエタノールアミン、及びプロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価の対イオンであり、
    xは平均で0.5〜3である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. xが平均で0.5モル〜3.0モルのエチレンオキシドである、請求項に記載の方法。
  10. xが平均で1.0モル〜2.0モルのエチレンオキシドである、請求項8に記載の方法。
  11. 前記アルキルエーテルサルフェートがラウレス硫酸ナトリウムである、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記1つ以上の水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン、デンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記1つ以上の可塑剤が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリオール、コポリオール、ポリカルボン酸、ポリエステル、ジメチコーンコポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記溶解性繊維が、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される第2の界面活性剤を更に含み、前記1つ以上のアニオン性界面活性剤の前記第2の界面活性剤に対する比が10:1〜1:2である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記溶解性繊維が、0.1%〜15%の1つ以上の有益剤を更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記1つ以上の有益剤が、フケ防止剤、コンディショニング剤、保湿剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記コンディショニング剤が、シリコーン、アミノシリコーン、四級化シリコーン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記溶解性繊維がカチオン性ポリマーを更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記溶解性繊維が三葉状である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
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