JP6181327B2 - 電子スピン共鳴計測方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、薄板状試料中のフリーラジカルを検出する電子スピン共鳴計測方法及びその装置に関する。
電子スピン共鳴(ESR;Electron Spin Resonance)は、不対電子を有する物質(フリーラジカル)に対して磁場を印加したとき、エネルギー準位が分裂し、そのエネルギー差に相当するマイクロ波が吸収される現象である。通常の電子スピン共鳴計測装置では、静磁場中に配置された空洞共振器に試料を挿入し、空洞共振器内にマイクロ波を照射する。マイクロ波の周波数を一定として磁場を掃引し、磁場変調を与えてロックイン検出をすることで高感度にフリーラジカルを測定できる。試料中のフリーラジカルの種類と量を非接触かつ非破壊で検出できるため、半導体、生体試料、食品等、様々な物質の組成分析、反応解析に頻繁に利用されている。
近年、電子スピン共鳴計測の空間分解能を高める試みが盛んになされている。その方法は大きく二つに分類され、(a)磁場勾配の印加、または、(b)共振構造の改良である。
(a)磁場勾配の印加では、電子スピン共鳴計測装置の静磁場に傾斜磁場を重畳して、フリーラジカルの空間分布を画像化するイメージング技術が開発されている(特許文献1)。
(b)共振構造の改良では、空洞共振器に孔を設けて、孔から放出されたマイクロ波を用いて試料を計測する装置が提案されている(特許文献2)。
他の共振構造として、プローブヘッド状の共振器を用いて試料表面に接近させ、フリーラジカルを観測する方法が検討されている(例えば、非特許文献1)。プローブヘッドの移動により計測位置をある程度定めることが可能である。
さらに他にも、ファブリ・ペロー型の共振器が開発されている。二枚の反射板で構成され、導波路から供給された電磁波を反射板の間隙で多重反射させて、高感度な電子スピン共鳴計測を実現する(特許文献3、4)。反射板の間隙に設置した試料中のフリーラジカル計測が可能であり、共鳴周波数をミリ波帯に近づけることで高い位置分解能を得られる。
特開2000−217800号公報 特許5481651号公報 特許3866804号公報 特許4721784号公報
Sugawara H., et al., IEEE Trans. Biomed. Eng. 61: 1894−1901; 2014
特許文献1に記載されている、磁場勾配を印加する方法では、核磁気共鳴画像法(MRI;Magnetic Resonance Imaging)と同様の原理を用いるため、生体を対象とした開発が多いが、印加できる傾斜磁場の制限から空間分解能は数mm程度が限界で、単一細胞の大きさである数十μmには及ばず、応用の範囲は生体組織のサイズ(数cm以上)に限定される。また、機能性材料の計測でも、この空間分解能の制限から、昨今開発が盛んなナノデバイスへの適用には不向きである。
また、特許文献2に記載されている共振構造を改良する方法では、試料を保持するための器具は不要で、試料の外観を観察しながら電子スピン共鳴計測が可能であるが、フリーラジカルの分布情報を得るためには、孔と試料の距離を厳密に固定しながら計測位置を変化させる必要が生じ、実用上不利である。
また、非特許文献1に記載されているプローブヘッド状の共振器を用いて試料表面に接近させ、フリーラジカルを観測する方法では、マイクロ波の磁界成分は共振器端から外部に漏出する成分が大半で、高い位置分解能を得ることはできない。
さらに、特許文献3、4に記載されているファブリ・ペロー型の共振器を用いる方法では、試料が光学的に不透明な金属製の反射板で挟まれるため、計測時の試料観察はできず、さらに電子スピン共鳴が生じている部分が明確に特定できないため、検出したフリーラジカル由来の電子スピン共鳴信号の発生位置との対応も困難となり、実用上の支障となっている。例えば、有機半導体材料の加工時、切断面を観察しながらのフリーラジカル検出ができない。あるいは、生体試料として、培養細胞の代謝物には疾患の機序解明に有用なフリーラジカルが多く含まれるが、培養細胞の外観変化が生じている部分とフリーラジカル分布の関係を明らかにできない。
新規に開発される機能性材料の特性評価だけでなく、近年特に研究開発が活況な再生医療向けの細胞機能評価においても、試料観察をしたままで、部位選択的にフリーラジカル分布を測定できる装置の開発が望まれている。
従来、半導体材料から生体材料に至るまで、試料中のフリーラジカルを部位選択的に高い分解能で計測する電子スピン共鳴計測技術は限られていた。特に、電子スピン共鳴計測の位置分解能を維持したままで、フリーラジカルが存在する試料箇所の観察を行うことは困難であった。
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、半導体材料や細胞等の薄板状試料中のフリーラジカルを部位選択的に検出し、そのフリーラジカルが存在する試料箇所を観察できる電子スピン共鳴計測方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、電子スピン共鳴計測装置を、磁場を形成する磁場形成部と、プローブを備えて磁場形成部で形成した磁場中でプローブからマイクロ波を発振するマイクロ波発振部と、試料を載置する載置部と、マイクロ波発振部のプローブと載置部とを挟んで対向して配置されたマイクロ波反射板を備えてプローブから発信されたマイクロ波を対向して配置されたマイクロ波反射板の間で反射するマイクロ波反射部と、マイクロ波反射部の対向して配置されたマイクロ波反射板のうちの載置部の側のマイクロ波反射板と載置部との間に配置されて対向して配置されたマイクロ波反射板の間で反射したマイクロ波を収束させるマイクロ波収束部とを備えて構成した。
また、上記した課題を解決するために、本発明では、磁場形成部で磁場を形成した状態で形成した磁場中でマイクロ波発振部のプローブからマイクロ波を発振し、プローブと試料を載置した載置部とを挟んで対向して配置されたマイクロ波反射板の間でプローブから発振されたマイクロ波を共振させ、対向して配置されたマイクロ波反射板のうちの試料の側のマイクロ波反射板と載置部との間に配置した誘電体により共振したマイクロ波を誘電体の近傍に収束させ、マイクロ波を誘電体の近傍に収束させマイクロ波が収束している領域に試料を位置させた状態で磁場制御部で発生する磁場の強度を順次変化させてプローブで検出される共振したマイクロ波の強度変化から試料の電子スピン共鳴信号の最大値を検出することにより試料中のフリーラジカルを部位選択的に検出する電子スピン共鳴計測方法とした。
強誘電体にマイクロ波が集束することによって、薄板状試料中のフリーラジカルを部位選択的に計測でき、また、プローブとマイクロ波反射板と試料とが独立に三次元方向に移動するため、フリーラジカルを検出した試料部位の撮像が可能となる。
さらに、マイクロ波反射板で挟まれた空間に試料を配置するため、試料の設置環境を容易に制御可能で、試料に対して試薬を添加したり、雰囲気ガス、温度を変化させたりすることができる。
本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置の検出部の概略の構成を示した斜視図である。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置の検出部のA−A断面図である。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いた計測手順を示したフロー図である。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いて測定した、固体試料DPPHの電子スピン共鳴信号の波形を示すグラフである。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いて測定した、固体試料DPPHの分布を示す分布図である。 本発明の実施例1にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いて測定した、溶液試料TEMPOLの電子スピン共鳴信号強度の濃度依存性を示すグラフである。 本発明の実施例2にかかる電子スピン共鳴計測装置の検出部の概略の構成を示した斜視図である。 本発明の実施例2にかかる電子スピン共鳴計測装置の検出部のB−B断面図である。 本発明の実施例2にかかる電子スピン共鳴計測装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例2にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いた計測手順を示したフロー図である。 本発明の実施例2にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いて観察した培養細胞試料の光学顕微鏡写真である。 本発明の実施例3にかかる電子スピン共鳴計測装置の検出部の概略の構成を示した斜視図である。 本発明の実施例3にかかる電子スピン共鳴計測装置を用いた場合の測定試料設置スペースの加温特性を示すグラフである。
本発明は、空間を介して対向した二枚のマイクロ波反射板の間に、マイクロ波発振及び検出プローブ、及び強誘電体を備える電子スピン共鳴計測装置であって、プローブから発振されたマイクロ波が二枚の反射板の間に定在し、強誘電体に対するマイクロ波の集束性を利用して誘電体近傍に設置された薄板状試料中のフリーラジカルを検出するようにしたものである。
また、本発明の電子スピン共鳴計測装置で用いられるマイクロ波発振及び検出プローブは、マイクロ波反射板と試料とともに、独立に三次元方向に移動する手段を備え、強誘電体のごく近傍に限定した部位のフリーラジカルを検出する。
本発明の電子スピン共鳴計測装置は、検出したフリーラジカルが存在する試料箇所を観察するための撮像系を備えることを特徴とする。
また、本発明の電子スピン共鳴計測装置によれば、通常必要とされる空洞共振器内への試料挿入が不要となり、試料を設置する外的環境が可変となる。
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
以下において、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の範囲は以下に記載する例に限定されるものではない。
図1Aは、本実施例における電子スピン共鳴計測装置100の検出部150の構成を示す斜視図であり、図1Bは、図1AのA−A断面矢視図である。電子スピン共鳴計測装置100は、静磁場発生用の1対の主磁石101aと101b、1対の変調磁場印加用電磁石102aと102b、先端部1031がループ状に形成されたマイクロ波発振及び検出プローブ103、1対のマイクロ波反射板104aと104b、強誘電体105、試料120を載置する面に形成されたテフロン(登録商標)シート106、強誘電体105を囲ってマイクロ波反射板104bとテフロンシート106との間を埋める非誘電体で形成されたスペーサ107、筐体108、マイクロ波発振器110、マイクロ波発振及び検出プローブ103の位置を3次元方向に制御する第1の駆動源111、マイクロ波反射板104aの位置を3次元方向に制御する第2の駆動源112、試料120を載置するテフロンシート106の位置を3次元方向に制御する第3の駆動源113を備えて構成される。
主磁石101aと101b、変調磁場印加用電磁石102aと102b、マイクロ波発振及び検出プローブ103、マイクロ波反射板104aと104b、強誘電体105、テフロンシート106、スペーサ107は、筐体108の内部に収納されており、マイクロ波発振器110、第1の駆動源111、第2の駆動源112、第3の駆動源113は筐体108の外部に設置されている。
図2に、本実施例に係る電子スピン共鳴計測装置100の全体の構成を示す。電子スピン共鳴計測装置100は、図1A及び図1Bの詳細構成を示した検出部150と、処理・制御部160とを備えて構成される。
処理・制御部160は、マイクロ波を発振してマイクロ波発振及び検出プローブ103にマイクロ波を供給すると共にマイクロ波発振及び検出プローブ103で受信したマイクロ波を検出するマイクロ波発振・検出回路部161、第2の駆動源112を駆動してマイクロ波反射板104aの位置を3次元方向に制御する反射板高さ調整部162、第1の駆動源111を駆動してマイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部1031の位置を制御するプローブ位置制御部163、1対の主磁石101a、101bと1対の変調磁場印加用電磁石102a、102bとを制御する磁場制御部164、第3の駆動源113を駆動してテフロンシート106の位置を3次元方向に制御してテフロンシート106に載置された試料120の位置を調整する試料位置調整部165、マイクロ波発振及び検出プローブ103で受信したマイクロ波を検出したマイクロ波発振回路部161からの出力信号と磁場制御部164の制御信号とを入力して電子スピン共鳴信号を検出する信号検出部166、信号検出部166で検出した信号を処理して信号強度分布を求める信号強度分布算出部167を備えている。
処理・制御部160は、処理条件や制御条件を入力する入力部170、及び信号強度分布算出部167で求めた結果を出力する出力部170にと接続している。
図1A及び図1Bに示すように、マイクロ波発振及び検出プローブ103、マイクロ波反射板104a及び104b、強誘電体105、試料106は互いに接触せず、空洞共振器(電子スピン共鳴を発生させるための閉鎖空間)が必要ない点から、図1A及び図1Bに示したような構成を備えた電子スピン共鳴計測装置は、「開放型」の電子スピン共鳴計測装置と呼ぶことができる。
静磁場発生用の1対の主磁石101a及び101bの形状は、当業者に公知であり、適宜選択可能である。例えば、永久磁石、鉄心コイル電磁石、空心コイル電磁石等が挙げられる。コイルの形状も当業者に公知であり適宜選択可能である。例えば、ソレノイド、ヘルツホルム等が挙げられ、測定対象の大きさや、フリーラジカルの種類、量等に応じて選択可能である。
また、1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bは、磁界方向が静磁場発生用の1対の主磁石101a及び101bで形成する静磁場の方向と一致するように設置する。磁場制御部164で1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bを制御することにより、1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bで発生する変調磁場の強度は、測定対象とするフリーラジカルの電子スピン共鳴信号の線幅により適宜選択可能である。マイクロ波発振器161から発信するマイクロ波の変調周波数も適宜選択可能であるが、ノイズ除去のため、1kHz〜1MHzの間に設定し、望ましくは50〜200kHzとする。また、マイクロ波発振及び検出プローブ103で受信してマイクロ波発振・検出回路部161で検出した信号に対してロックインアンプによる信号検出法を採用することで高感度にフリーラジカルを測定できる。
プロ部位置制御部163でマイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部1031の位置を制御することで、マイクロ波発振・検出回路部161で発振したマイクロ波を受けてマイクロ波発振及び検出プローブ103から発射するマイクロ波により形成する磁界が、静磁場及び変調磁場の磁界方向と直交するよう配置する。マイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部1031の形状は、測定試料120にできる限り接近するよう、表面コイル型やループギャップ型等のシングルコイルが望ましい。ループ径は、検出信号の部位選択性を得るために、使用するマイクロ波の波長より十分小さい径とすることが望ましい。
マイクロ波発振及び検出プローブ103から発振したマイクロ波を一定の空間で共振させるため、マイクロ波発振及び検出プローブ103を、二枚のマイクロ波反射板104aと104bとで挟む構成に配置される。マイクロ波反射板104aと104bとは、マイクロ波発振及び検出プローブ103が形成する磁界と直交し、静磁場発生用の1対の主磁石101a及び101bで形成する静磁場及び1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bで形成する変調磁場の磁界方向と平行になるよう配置する。
マイクロ波反射板104a及び104bの部材には、銅、アルミニウム等の、磁性を有さずマイクロ波を反射する性質を備える導体を用いることができる。反射板の形状は、ファブリ・ペロー型共振器として当業者に公知であり、適宜選択可能である。例えば、平板型、半円筒型等が挙げられる。二枚のマイクロ波反射板104a及び104bの形状の組み合わせとして、図1A及び図1Bでは平板型と平板型とを組み合わせた例を示したが、これ以外に、平板型と半円筒型とを組合せた構成としてもよい。
二枚のマイクロ波反射板104aと104bとの間隙に強誘電体105を配置することで、二枚のマイクロ波反射板104aと104bとの間で共振したマイクロ波を強誘電体105の近傍に集束させることができる。強誘電体105は、外部電場を印加しない状態でも電気分極を生じ、誘電率が100〜2000の結晶である。そのマイクロ波の集束作用から、試料120を強誘電体105の近傍に配置することによって、試料120中のフリーラジカルの部位選択的な電子スピン共鳴計測が可能となる。
強誘電体105の部材は、当業者に公知であり、適宜選択可能である。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)等が挙げられる。強誘電体105の形状は、計測対象に合わせて適宜選択可能であるが、位置分解能を上げるためには、マイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部1031のループに平行な断面における寸法が、先端部1031のループの径よりも小さい方が望ましい。
マイクロ波発振及び検出プローブ103はプローブ位置制御部163で制御される第1の駆動源111で駆動され、マイクロ波反射板104aは反射板高さ調整部162で制御される第2の駆動源112で駆動され、試料120は試料位置調整部165で駆動される第3の駆動源113で駆動されて、それぞれ独立に三次元方向に移動することができる。
使用するマイクロ波の周波数やマイクロ波反射板104aの材質、強誘電体105の大きさ、測定試料120の誘電率等によって、マイクロ波の共振が生じる位置が変化するため、これを調節するためにそれぞれに三次元方向の移動機構を設けることが必要になる。マイクロ波発振及び検出プローブ103を駆動する第1の駆動部111と、マイクロ波反射板104aを駆動する第2の駆動部112は、例えばステッピングモータを使用した位置制御を行う。試料120は、マイクロ波反射板104bの上のテフロン、ポリプロピレン、セラミック等の磁性を有さない誘電体を部材とするスペーサ107の上に配置されたテフロンシート106に載置されている。マイクロ波反射板104bとスペーサ107との位置は固定した状態で、試料120を載置したテフロンシート106を、第3の駆動部113としてステッピングモータまたはサーボモータで駆動されるXYZステージによる位置制御を行う。マイクロ波発振及び検出プローブ103、マイクロ波反射板104a、試料120が独立に三次元方向に移動できることで、強誘電体105近傍の、共振したマイクロ波が収束する位置に試料を配置することで、試料上の所望の位置で選択的にフリーラジカルの検出が可能となる。
図3に、本実施例における電子スピン共鳴計測方法の手順を示す。
まず、試料120をマイクロ波反射板104bの上に配置したテフロンシート106の上に設置した状態で、マイクロ波発振・検出回路部161でマイクロ波発振器110を制御してマイクロ波を発生させ、筐体108の内部でマイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部分1031からマイクロ波を放射する(S101)。
次に、マイクロ波発振及び検出プローブ103の先端部分1031からマイクロ波を放射させた状態で反射板高さ調整部162で第2の駆動部112を制御してマイクロ波反射板104aの位置を調整し、プローブ位置制御部163で第1の駆動部111を制御してマイクロ波発振及び検出プローブ103の位置を調整し、更に、試料位置制御部165で第3の駆動部113を制御して試料120の位置を調整することによりマイクロ波の共振が生じる位置を検出する(S102)。この検出したマイクロ波の共振が生じる位置において、強誘電体105の近傍の領域ではマイクロ波が収束する。
次に、試料位置制御部165で第3の駆動部113を制御して試料120の位置を調整することにより、強誘電体105の近傍の共振したマイクロ波が収束している領域に試料120を配置し、この状態で、磁場制御部164で1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bで発生する変調磁場の強度を順次変化させてマイクロ波発振及び検出プローブ103で検出されるマイクロ波の強度変化から信号検出部166で電子スピン共鳴信号の最大値を検出し、この検出した最大値とその時の試料120の位置情報とを信号強度分布算出部167に送る(S103)。
次に、試料位置制御部165で第3の駆動部113を制御して試料120をステップ移動させて、マイクロ波発振及び検出プローブ103及び強誘電体105に対する位置を変え、試料120の次の測定点をS102で検出したマイクロ波の共振位置に位置させる(S104)。次に、S103と同様に磁場制御部164で1対の変調磁場印加用電磁石102a及び102bで発生する変調磁場の強度を順次変化させてマイクロ波発振及び検出プローブ103で検出されるマイクロ波の強度変化から電子スピン共鳴信号の最大値を検出する(S105)。
次に、現在の計測点が計測範囲の終点であるかを判断し(S106)、まだ終点にたどり着いていない場合には(NOの場合)、S104に戻って試料位置制御部165で第3の駆動部113を制御して試料120をステップ移動させて、次の測定点をS102で検出したマイクロ波の共鳴点に位置させる。
一方、計測範囲の終点にたどり着いた場合には、信号強度分布算出部167において、信号検出部166から送られてきた試料120の各位置における電子スピン共鳴信号の最大値の情報から信号強度の二次元分布を作成し(S107)、その結果を出力部170に送信し、出力部170の表示画面(図示せず)上に出力(表示)する(S108)。
ここで、S104におけるステップ移動量を得たい画像の解像度程度に設定すると、S107で得られる信号強度の二次元分布は、信号強度の画像とみなせる。すなわち、S107により、信号強度分布の画像を得ることができる。
本実施例における電子スピン共鳴計測装置100によれば、マイクロ波発振及び検出プローブ103と、強誘電体105の間に挿入することができる試料120中のフリーラジカルを部位選択的に検出することができる。すなわち、対象となる試料の形態は固体、液体を問わないが、検出するフリーラジカルの部位選択性を高めるためには薄板状試料であることが望ましい。例えば、Si、Ge、GaAs等の半導体;酢酸ビニル、メタクリル酸メチル等の高分子化合物;DPPH、TEMPOL等のスピンラベル剤やスピンプローブ剤等の有機ラジカル;メラニンや過酸化脂質等を含む血液成分、生体組織、食品等を測定対象とすることができる。
特に、従来ではフリーラジカルの部位選択検出が難しかった水を含む生体試料において有用性が高い。生体試料内に存在するフリーラジカルは、癌をはじめとする腫瘍形成だけでなく、脳血管疾患及び心筋梗塞等の各種疾患を誘起することがこれまでの研究で明らかにされている。そのため、現在、培養細胞レベルの微小領域における常磁性種の検出や分析の必要性が極めて高くなっている。したがって、本発明の電子スピン共鳴計測装置は、フリーラジカルの生理作用に関する研究や、フリーラジカルが関与する疾患の診断、治療及び予防に応用できる。
本実施例による電子スピン共鳴計測装置100では、通常必要とされる空洞共振器内への試料挿入の手順が不要となる開放型であるため、試料を設置する環境の変えることが容易である。試料に対する試薬を添加するための細管を設置したり、雰囲気ガス、温度を変えるための空調機器を組み込んだりすることが可能である。例えば、上述した生体試料では、生きた細胞の栄養補給に必要な培地溶液の交換が必要で、溶液温度を37℃付近に維持、さらに長期的な培養には二酸化炭素濃度の濃度調整(通常は5%)が継続的に必要とされるが、これらの要求を全て満たす環境を整備することが可能である。
[実施例1の実験例1]
本実施例の電子スピン共鳴計測装置100を用いて、固体試料DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル) を測定した。強誘電体として直径6mm、高さ6mmの円筒状のチタン酸バリウム(BaTiO)を用いた。表面コイル型のプローブから発振されるマイクロ波の周波数を9.7GHzとし、プローブ径は8mmとした。マイクロ波反射板の形状は平板とし、部材には銅を用いた。1/fノイズ低減のため、変調周波数は100kHzに設定した。
図4は、円筒状である強誘電体の上底中心の直上に、厚さ0.05mmのセロファンシートに散布、内包したDPPHの電子スピン共鳴信号401のグラフである。セロファンシートは磁性を有さないため、電子スピン共鳴信号に影響を与えることはない。ただし、強誘電体の部材及び大きさ、試料と強誘電体、または、試料とマイクロ波発振及び検出プローブの位置関係は、ベースライン(電子スピン共鳴信号の基準値)の歪みに影響するため、ここでは試料を設置しないときのベースラインを減算した信号スペクトルを示している。試料の性質によっては、減算するベースラインとして、参照試料を用いることができる。例えば、培地溶液に満たされた培養細胞中のフリーラジカルを計測する際は、培地溶液のみ、すなわち培養細胞を含まない状態を参照試料として計測してベースラインとしても良い。
図5には、マイクロ波発振及び検出プローブ103をXY方向に1mm毎でスキャンしながら電子スピン共鳴信号を計測し、各位置ごとの信号強度の最大値を、信号強度に応じて色510を変えてX方向501とY方向502の二次元マッピングした結果500を示す。電子スピン共鳴信号の二回積分値はフリーラジカルの量に比例するため、検量線の測定と、信号解析によればフリーラジカル量の二次元マッピングが可能でもある。結果から、プローブのスキャンによって、直径6mmの強誘電体の上に静置されたフリーラジカルを空間分解能1mmで部位選択的に検出できることが確認された。スキャン幅は1μm以下でも動作可能であるため、図5のような信号強度分布の情報を、信号強度分布の画像として得ることができる。例えば数十μmの培養細胞内のフリーラジカル分布の解明においても大いに役立つことが期待される。
[実施例1の実験例2]
実験例1と同じ電子スピン共鳴計測装置を用いて、溶液試料TEMPOL(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)を測定した。
図6は、円筒状である強誘電体の上底中心の直上に、直径1.2mmの範囲で、0.1〜5mMのTEMPOL溶液を静置したときの、電子スピン共鳴信号強度601とTEMPOL溶液濃度602の関係を示すグラフ600である。このとき、TEMPOL溶液の試料台として厚さ0.1mmのホウケイ酸ガラスシートを用いた。結果から、従来はフリーラジカルの検出が難しかった溶液試料においても、本実施例による電子スピン共鳴計測装置100が有用であることが確認され、定量的にフリーラジカル量を算出できることが明らかとなった。すなわち、電子スピン共鳴信号強度から、未知の濃度であるTEMPOL溶液の濃度(フリーラジカル量に比例する)を求めることができる。
次に、本発明の第2の実施例を、図を用いて説明する。本実施例における電子スピン共鳴計測装置200の構成は、実施例1で説明した電子スピン共鳴計測装置100の構成と基本的には同じであるが、試料120を観察するための撮像部を設けて制御・処理部に画像処理手段を設けるとともに、マイクロ波反射板を光学的に透明な材料で形成した点が異なる。
図7A及び図7Bに本実施例による検出部250の構成を示し、図8に電子スピン共鳴計測装置200全体の構成を示す。実施例1と同じ構成については同じ番号を付して、説明を省略する。
本実施例では、図7A及び図7Bに示した構成において、マイクロ波反射板204aの上方で筐体208の外側にカメラ230を設けた。また、マイクロ波反射板204aは、導体で可視光を透過する酸化インジウムスズ(ITO)で構成されており、また、筐体208には観察用の窓209が形成されている。
このような構成とすることにより、筐体208の外側からマイクロ波反射板204aを通して試料120を撮像することができる。
図8に示した電子スピン共鳴計測装置200全体の構成において、実施例1の図2に示した構成と異なるのは、カメラ230で撮像した信号から画像を形成する画像処理部271と、試料位置制御部165からの試料120の位置情報を得て画像処理部271で形成した画像の位置を調整する画像位置調整部272と、この画像位置調整部272で位置を調整した画像と信号強度分布算出部167で求めた信号強度分布とを重ね合せる重ね合せ処理部273とを備えた点であり、出力部170からは、試料120の画像と信号強度分布とが重ね合せられた画像が出力される。
このような構成とすることにより、試料120を撮像する機能を備えることで、フリーラジカル検出部位の観察が可能になる。これにより、既存の電子スピン共鳴装置では達成できなかった、材料加工時の切断面を観察しながらのフリーラジカル検出や、培養細胞の外観変化箇所とフリーラジカル分布の関係を明確にすることができる。
次に、図9に、本実施例における電子スピン共鳴計測方法の手順を示す。
図9に示した電子スピン共鳴計測方法の手順のうち、S201からS207までは、実施例1において図3を用いて説明した処理手順と同じであるので、説明を省略する。
本実施例における電子スピン共鳴計測方法の処理手順で図3で説明した実施例1における処理手順と異なるのは、S202でマイクロ波の共振位置を検出した後に、カメラ230で試料120を撮像して試料120の画像を得(S208)、試料位置制御部165からの試料120の位置情報を得て画像処理部271で形成した画像の位置を調整し(S209)、この位置を調整した画像と、S207で求めた試料120の各位置における電子スピン共鳴信号の最大値の情報から作成した信号強度の二次元分布情報(信号強度分布の画像)とを重ね合せて(S210)、その結果を出力部170に送信し、出力部170の表示画面(図示せず)上に出力(表示)する(S211)。ただし、S210においては,画像同士を必ずしも重ね合せる必要はなく、一つの画面上に二つの画像を並べて表示するようにしてもよい。
図7A及び図7Bに示した構成では、マイクロ波反射板204aを導体で可視光を透過する酸化インジウムスズ(ITO)で構成して、マイクロ波反射板204aの上方で筐体208の外側に設けたカメラ230で試料を撮像する構成を説明した。しかし、本実施例はこの構成に限らず、マイクロ波反射板204aを実施例1の場合と同様に可視光を透過しない導体で形成して、マイクロ波反射板204aを介さないで観察するようにしてもよい。
マイクロ波反射板204aを介さないで試料120を撮像する構成では、カメラ230を試料120に対して斜め方向で試料120を撮像可能な位置に配置することで、フリーラジカル検出部位の試料観察が可能となる。また、カメラの代わりにファイバスコープを用いれば、より小さいスペースに設置できるので、設置上の制約条件が緩和される。ファイバスコープを複数台設置することにより、試料120の立体的な画像を得ることができる。
また、マイクロ波反射板204aを実施例1の場合と同様に可視光を透過しない導体で形成して、試料120を観察する部位に小さな穴をあけて、マイクロ波反射板204aの情報から観察する方法もある。
さらに、マイクロ波反射板204aを可視光を透過しない導体で形成して、マイクロ波反射板204bを導体で可視光を透過する酸化インジウムスズ(ITO)で構成して、マイクロ波反射板204bの下方で筐体208の外側に設けたカメラ230で試料を撮像する構成としてもよい。
また、本実施例によれば、フリーラジカルを含む薄板状試料の近傍に設置した強誘電体にマイクロ波が集束することによって、試料中のフリーラジカルを部位選択的に計測でき、また、プローブとマイクロ波反射板と試料とが独立に三次元方向に移動するために、フリーラジカルを検出した試料部位の撮像が可能となる。
[実施例2の実験例1]
本実施例の電子スピン共鳴計測の対象となる生体試料の一例として、培養接着細胞のマウス繊維芽細胞をカメラ230(正立型顕微システム)で観察した。図10は、ポリプロピレン製の試料台に培養細胞皿(底面部材はホウケイ酸ガラス)120を設置し、マイクロ波発振及び検出プローブ103が接近する強誘電体105の直上、すなわち電子スピン共鳴信号が計測される位置の観察像1001である。マイクロ波発振及び検出プローブ103と試料120が独立に三次元方向に移動できることで、フリーラジカルを検出する細胞の位置を確認した上でフリーラジカルを検出するシステムが構成できることを示した。
次に、本発明の実施例3として、図11に検出部350の構成を示す。検出部350は、実施例2で説明した検出部250の構成に、薬液注入・吸引機構310と筐体内部の雰囲気を制御するための温度調節・COガス吸入機構320とを付加した構成を説明する。本実施例は、実施例1で説明した図1Aに示した検出部150の構成に適用することも可能である。
本実施例における検出部350では、試料120に対する試薬を添加するための細管311を筐体308に設けた穴312を通して設置して薬液注入・吸引機構310と接続する構成とした。さらに、筐体308に配管321を設置して温度調節・COガス吸入機構320と接続し、筐体308の内部の雰囲気ガスとしてのCO2を吸入して筐体308の内部から排出し、筐体308の内部の温度を調整して筐体内部の雰囲気を制御することを可能にした。
本実施例による電子スピン共鳴計測装置の検出部350は、実施例1及び実施例2で説明した検出部150及び250と同様に、通常必要とされる空洞共振器内への試料挿入の手順が不要となる開放型であるため、図11で説明したように試料に対する試薬を添加するための細管を設置したり、雰囲気ガス、温度を変えるための空調機器を組み込んだりして、試料を設置する環境の変えることが可能である。例えば、上述した生体試料では、生きた細胞の栄養補給に必要な培地溶液の交換が必要で、溶液温度を37℃付近に維持、さらに長期的な培養には二酸化炭素濃度の濃度調整(通常は5%)が継続的に必要とされるが、薬液注入・吸引機構310と温度調節・COガス吸入機構320とを付加することにより、これらの要求を全て満たす環境を整備することが可能である。
本実施例によれば、マイクロ波反射板で挟まれた空間に試料を配置するため、試料の設置環境を制御可能で、試料に対する試薬添加や、雰囲気ガス、温度の変化が可能となる。
[実施例3の実験例1]
本実施例の検出部350を備えた電子スピン共鳴計測装置において、試料設置スペースの加温特性を測定した。図11に示した電子スピン共鳴計測装置の検出部350の構成において、静磁場発生用の主磁石110a及び110bに図示していない加温された水流路チューブを設け、マイクロ波発振及び検出プローブの直下における温度を測定した。ここでは一例として生体試料を想定し、試料設置スペースが培養細胞の生存維持に必要な37℃になるよう、水温を調整した。
図12は、試料設置スペースの加温特性を示す図(グラフ)である。結果から、1時間程度で試料設置スペースの温度は37±1℃に維持され、本発明の電子スピン共鳴計測装置が試料設置環境を容易にできることを明らかにした。
101a、101b・・・静磁場発生用の主磁石 102a、102b・・・変調磁場印加用電磁石 103・・・マイクロ波発振及び検出プローブ 1031・・・マイクロ波発振及び検出プローブの先端部 104a、104b・・・マイクロ波反射板
105・・・強誘電体 106・・・テフロンシート 120・・・試料 150、250・・・検出部 160、260・・・処理・制御部 161・・・マイクロ波発振・検出回路部 162・・・反射板高さ調整部 163・・・プローブ位置制御部 164・・・磁場制御部 165・・・試料位置制御部 166・・・信号検出部 167・・・信号強度分布算出部 230・・・カメラ 271・・・画像処理部 272・・・画像位置調整部 273・・重ね合せ処理部

Claims (12)

  1. 磁場を形成する磁場形成部と、
    プローブを備えて前記磁場形成部で形成した磁場中で前記プローブからマイクロ波を発振するマイクロ波発振部と、
    試料を載置する載置部と、
    前記マイクロ波発振部のプローブと前記載置部とを挟んで対向して配置されたマイクロ波反射板を備えて前記プローブから発信されたマイクロ波を前記対向して配置されたマイクロ波反射板の間で反射するマイクロ波反射部と、
    前記マイクロ波反射部の前記対向して配置されたマイクロ波反射板のうちの前記載置部の側のマイクロ波反射板と前記載置部との間に配置されて前記対向して配置されたマイクロ波反射板の間で反射したマイクロ波を収束させるマイクロ波収束部と
    を備えたことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  2. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記マイクロ波発振部のプローブから発振されたマイクロ波のうち前記対向して配置されたマイクロ波反射板で反射されて前記プローブに入射したマイクロ波を検出して前記試料の電子スピン共鳴信号を検出する信号検出部と、前記試料を移動させる試料駆動部と、前記駆動部で前記試料を順次移動させながら前記信号検出部で検出した前記試料の電子スピン共鳴信号に基づいて前記試料における前記電子スピン共鳴信号の二次元分布を求める信号強度分布算出部をさらに備えることを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  3. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、マイクロ波発振部のプローブの先端部分にはシングルループのコイルが形成されており、前記対向して配置されたマイクロ波反射板の間で前記シングルループのコイルからマイクロ波を発振することを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  4. 請求項3記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記コイルのシングルループの径は、前記マイクロ波の波長よりも小さいことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  5. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記マイクロ波収束部は円柱状の誘電体で形成され、前記円柱状の誘電体の径は、前記コイルのシングルループの径よりも小さいことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  6. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記試料を移動させる試料駆動部と、前記マイクロ波発振部のプローブを移動させるプローブ駆動部と、前記マイクロ波反射部の前記マイクロ波反射板を移動させるマイクロ波反射板駆動部とをさらに備えたことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  7. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記載置部に載置された試料を撮像する撮像部を更に備えたことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  8. 請求項1記載の電子スピン共鳴計測装置であって、前記載置部に載置した試料に薬液を注入又は吸引する薬液注入・吸引部をさらに備えたことを特徴とする電子スピン共鳴計測装置。
  9. 磁場形成部で磁場を形成した状態で前記形成した磁場中でマイクロ波発振部のプローブからマイクロ波を発振し、
    前記プローブと試料を載置した載置部とを挟んで対向して配置されたマイクロ波反射板の間で前記プローブから発振されたマイクロ波を共振させ、
    前記対向して配置されたマイクロ波反射板のうちの前記試料の側のマイクロ波反射板と前記載置部との間に配置した誘電体により前記共振したマイクロ波を前記誘電体の近傍に収束させ、
    マイクロ波を前記誘電体の近傍に収束させ前記マイクロ波が収束している領域に前記試料を位置させた状態で前記磁場制御部で発生する磁場の強度を順次変化させて前記プローブで検出される前記共振したマイクロ波の強度変化から前記試料の電子スピン共鳴信号の最大値を検出する
    ことにより前記試料中のフリーラジカルを部位選択的に検出することを特徴とする電子スピン共鳴計測方法。
  10. 請求項9記載の電子スピン共鳴計測方法であって、前記マイクロ波が収束している領域に前記試料を位置させることを前記試料を順次移動させながら前記試料の各位置において行うことにより前記試料における前記電子スピン共鳴信号の最大値の二次元分布を求めることを特徴とする電子スピン共鳴計測方法。
  11. 請求項10記載の電子スピン共鳴計測方法であって、前記求めた前記試料における前記電子スピン共鳴信号の最大値の二次元分布の情報から前記電子スピン共鳴信号の画像を得ることを特徴とする電子スピン共鳴計測方法。
  12. 請求項9記載の電子スピン共鳴計測方法であって、前記載置部に載置した試料を撮像し、前記撮像して得た前記試料の画像と前記求めた電子スピン共鳴信号の最大値の二次元分布の情報とを重ね合せた情報を出力することを特徴とする電子スピン共鳴計測方法。
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