JP6181183B2 - 回転速度検出装置、該装置を用いた粘度測定装置、回転速度検出方法及び該方法に用いる回転体 - Google Patents

回転速度検出装置、該装置を用いた粘度測定装置、回転速度検出方法及び該方法に用いる回転体 Download PDF

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Description

本発明は、回転体と、該回転体に光を照射する照射部と、該照射部から前記回転体に照射されて反射した光を受光する受光部と、該受光部で受光した受光データを取得する受光データ取得部と、該受光データ取得部で取得した受光データに基づいて前記回転体の回転速度を演算する回転速度演算部を有する回転速度検出装置、該装置を用いた粘度測定装置、回転速度検出方法及び該方法に用いる回転体に関する。
従来の回転速度検出装置として、例えば、特許文献1には、回転子と、回転子に付加されているマークを撮像する撮像素子と、撮像素子により撮像した画像を処理する画像処理部とを備え、画像処理部によって回転子のマークの回転を検出することで回転子の回転数を測定するように構成した回転数測定装置が記載されている。また、特許文献1には、撮像素子による回転子の回転数の測定に代えて、回転子に対してレーザーを照射して回転による反射や干渉のパターン変化を光学的に計測する回転数の測定方法が記載されている。
特許文献2にも同様に、回転子と、回転子に付加されているマークを撮像するCCDカメラと、CCDカメラにより撮像した画像を処理する画像処理部とを備え、画像処理部によって回転子のマークを検出することで回転子の回転数を測定するように構成した回転数測定装置が記載されている。また、特許文献2には、回転子に対してレーザー光を照射する発光部と、回転子から反射されたレーザー光を受光する受光部を備え、回転数検知部によって回転子の回転による反射や干渉のパターン変化を検出することで回転数を検知することが記載されている。
特開2009−264982号公報(特に、段落「0019」、「0023」及び「0045」参照) 国際公開第2013/015211号(特に、段落「0024」、「0033」〜「0036」参照)
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載された、回転子に付加されたマークを画像処理して回転数を測定する方法は、実用的ではあるものの、CCDカメラ等の高価な撮像手段を用いた高度な画像処理等を行わなくてはならず、回転数測定装置の製造コストが高騰するといった問題や、回転数測定装置が大型化するといった問題があった。また、CCDカメラ等で回転子に付加されたマークを撮像するに際して、色収差の影響で画像が不鮮明になり易い、外乱光の影響等により輝度の変化を正確に捉えることが難しい、等の理由により、回転子の回転数を精度よく検出することも困難であった。
また、上記特許文献1及び2には、光学的手段により回転子の回転数を測定する方法が記載されているが、滑らかな曲面を有する回転子にレーザー光を照射したとしても、曲面からの反射光は均一な強度分布を持ち、特徴的なパターン変化はほとんど現れないか、現れたとしてもその強度が非常に小さいため、回転子の回転数を検出するのが難しく、実用化には程遠い状況であった。
本発明は、比較的安価で小型の光学機器を用いた簡単な制御で回転体の回転速度を精度よく検出でき、回転体の回転速度の検出精度を維持向上させながら、装置の低コスト化及びコンパクト化を実現できる回転速度検出装置を提供することにある。
本発明者らは、試行錯誤の結果、いわゆるスペックルの性質を有効に活用すれば回転体の回転速度の検出を簡易に行えるのでないかとの着想に至り、この着想のもと、様々な受光データの解析等を繰り返して、本発明を創作するに至ったのである。以下、本発明の構成、作用及び効果を説明する。
第1発明は、回転体と、該回転体に光を照射する照射部と、該照射部から前記回転体に照射されて反射した光を受光する受光部と、該受光部で受光した受光データを取得する受光データ取得部と、該受光データ取得部で取得した受光データに基づいて前記回転体の回転速度を演算する回転速度演算部を有する回転速度検出装置であって、前記回転体は、その回転面に不規則な凹凸部を有し、前記受光データ取得部は、前記凹凸部で反射した光の受光データの時系列データを取得し、前記回転速度演算部は、前記時系列データの周期性から前記回転体の回転速度を演算する。
上記構成によると、不規則な凹凸部に照射部からの光を照射すると、不規則な凹凸部の異なる場所から反射されてきた光波が互いに干渉し合い、受光部で受光した受光データも不規則になる。そして、受光データ取得部により受光データの時系列データを取得すると、不規則な受光データが回転体の回転に対応した周期性を有する時系列データとして現れ、この時系列データの周期性から回転速度演算部にて回転体の回転速度を精度よくかつ簡単に演算できる。これにより、高価で大型の撮像手段を用いた高度な画像処理等を行わなくても、比較的安価で小型の光学機器を用いた簡単な制御で回転体の回転速度を精度よく検出できる。さらに、例えば、回転体の回転速度が高速になったとしても、時系列データの周期性は維持されるため、高速で回転する回転体の回転速度も精度よく検出することが可能になる。この場合、回転体の回転面の凹凸部は、例えば、表面処理等によって比較的容易に形成することができるため、回転体の大幅な製造コストアップを招くこともない。
したがって、回転体の回転速度の検出精度を維持向上させながら、回転速度検出装置の製造コストを削減でき、回転速度検出装置のコンパクト化を実現できる。
第2発明は、上記第1発明の回転速度検出装置において、前記凹凸部は、隣接する凹部の底部間及び隣接する凸部の頂部間の距離が、前記回転体の最大周囲長の100分の1以下で、かつ、前記照射部から照射される光の波長の10倍以上の長さである。
上記構成によると、受光部で受光した受光データの強弱を生じ易くして、時系列データの周期性をより明確に把握できる。これにより、回転体の回転速度を更に精度よく演算できる。
第3発明は、上記第1又は第2発明の回転速度検出装置において、前記凹凸部は、表面研磨加工によって前記回転体の回転面に形成される。
上記構成によると、回転体の回転面を表面研磨する研磨条件を変更するだけで、回転体の回転面に凹凸部を簡単に形成できる。具体的には、例えば、回転体の回転面を鏡面の少し手前まで表面研磨することで、所定の凹凸部を簡単に形成できる。また、表面研磨により凹凸部を形成すると、例えば、回転体の回転面に付加されたマーク等のように、回転速度の検出中に消えたり剥がれたりすることがない。
第4発明は、上記第1〜第3発明のいずれか一つの回転速度検出装置において、前記受光部は、単一の受光部で構成され、前記受光データ取得部は、前記回転体の一回転以上の前記時系列データを取得し、前記回転速度演算部は、前記回転体の一回転以上の時系列データから前記回転体が一回転するのに要する時間を測定し、該時間から前記回転体の回転速度を演算する。
上記構成によると、単一の受光部による簡単な装置構成で、かつ、回転体が一回転するのに要する時間を測定し回転速度を演算するだけの簡単な制御で、回転体の回転速度を精度よく演算できる。
第5発明は、上記第4発明の回転速度検出装置において、前記受光部は、前記照射部から照射される前記回転体の回転面に対向し、かつ、前記回転体の回転方向に直交する方向に並ぶように配設された複数の受光素子を有し、前記受光データ取得部は、前記複数の受光素子から検出した受光データを総合的に評価して前記時系列データを取得する。
上記構成によると、反射光の強さを精度よく反映した時系列データを取得でき、時系列データの周期性をより明確に把握できる。
第6発明は、上記第1〜第3発明のいずれか一つの回転速度検出装置において、前記受光部は、前記回転体の回転方向上手側に配設された上手側受光部と、回転方向下手側に配設された下手側受光部とで構成され、前記受光データ取得部は、前記上手側受光部及び前記下手側受光部のそれぞれの受光データの時系列データを同時に取得し、前記回転速度演算部は、前記上手側受光部と前記下手側受光部とで同時に取得した各時系列データを用いて前記回転体の回転速度を演算する。
上記構成によると、上手側受光部及び下手側受光部の各時系列データを同時に取得すれば、上手側受光部の時系列データと同様のデータが時間差をおいて下手側受光部の時系列データとして現れる。そして、この現象を有効利用して回転体の回転速度を演算できる。
第7発明は、上記第6発明の回転速度検出装置において、前記受光データ取得部は、前記回転体の一回転未満の前記時系列データを取得し、前記回転速度演算部は、前記回転体の一回転未満の各時系列データと、前記回転体の回転軸心に対する前記上手側受光部及び前記下手側受光部の配置角度から前記回転体の回転速度を演算する。
上記構成によると、時系列データを迅速に取得でき、回転体の回転速度の演算を迅速に行うことができる。また、上記の現象を有効活用して上手側及び下手側受光部の各時系列データと上手側及び下手側受光部の配置角度とから回転体の回転速度を簡単に演算できる。
第8発明は、上記第7発明の回転速度検出装置において、前記配置角度を演算する角度演算部と、該角度演算部で演算した配置角度を記憶する角度記憶部を有し、前記受光データ取得部は、前記回転体の一回転以上の前記受光データの時系列データを角度演算用の時系列データとして取得し、前記角度演算部は、前記角度演算用の各時系列データから前記配置角度を演算し、前記回転速度演算部は、前記角度演算部で演算されて前記角度記憶部に記憶された配置角度を用いて前記回転体の回転速度を演算する。
上記構成によると、上手側受光部及び下手側受光部を正確に位置決めして配置しなくても、上手側受光部及び下手側受光部の配置角度を操作簡単に且つ正確に演算できる。これにより、配置角度を用いた回転体の回転速度の演算を更に精度よく行うことができる。
第9発明は、上記第1〜第8発明のいずれか一つの回転速度検出装置を用いた粘度測定装置において、粘度を測定する試料とともに前記回転体を入れる試料容器と、該試料容器の外部から前記回転体に対して回転磁界を付与する磁石と、前記回転磁界の回転速度を制御する回転制御部と、試料の粘度を演算する粘度演算部を有し、前記粘度演算部は、前記回転速度演算部により演算された前記回転体の回転速度と、前記回転磁界の回転速度とを用いて試料の粘度を演算する。
上記構成によると、回転速度演算部にて精度よく検出された回転体の回転速度を用いて試料の粘度を精度よく演算できる。また、粘度測定装置の構成要素となる回転速度検出装置の製造コスト削減及びコンパクト化を実現できる結果として、粘度測定装置の製造コスト削減やコンパクト化を実現できる。
第10発明は、照射部から回転体に光を照射して反射した光を受光部で受光し、該受光部で受光した受光データに基づいて前記回転体の回転速度を演算する回転速度検出方法であって、回転面に不規則な凹凸部を有する前記回転体に光を照射し、前記回転体の凹凸部で反射した光の受光データの時系列データを取得する受光データ取得ステップと、前記時系列データの周期性から前記回転体の回転速度を演算する回転速度演算ステップを有する。
上記構成によると、上記第1発明と同様の作用効果を有し、比較的安価で小型の光学機器を用いた簡単な制御で回転体の回転速度を精度よく検出できる。
第11発明は、上記第10発明の回転速度検出方法に用いる回転体において、前記凹凸部は、隣接する凹部の底部間及び隣接する凸部の頂部間の距離が、前記回転体の最大周囲長の100分の1以下で、かつ、前記照射部から照射される光の波長の10倍以上の長さである。
上記構成によると、上記第2発明と同様の作用効果を有し、回転体の回転速度を更に精度よく演算できる。
第1実施形態での粘度測定装置の全体構造を示すブロック図である。 (a)は、回転体の詳細構造を示す拡大図であり、(b)は、光検出器の平面図であり、(c)は、第1実施形態の別の形態での光検出器の平面図である。 粘度測定制御の具体的な内容を示すフローチャートである。 粘度測定制御の具体的な内容を説明する説明図である。 第2実施形態での粘度測定装置の全体構造を示すブロック図である。 (a)は、光検出器の平面図であり、(b)は、第2実施形態の別の形態での光検出器の平面図である。 (a)は、配置角度演算制御の具体的な内容を示すフローチャートであり、(b)は、粘度測定制御の具体的な内容を示すフローチャートである。 配置角度演算制御の具体的な内容を説明する説明図である。 粘度測定制御の具体的な内容を説明する説明図である。 (a)及び(b)は、第2実施形態の別の形態での光検出器の平面図である。 別実施形態での回転速度検出装置の概略図である。
[第1実施形態]
図1〜図4に基づいて第1実施形態の粘度測定装置1を説明する。本第1実施形態においては、本発明に係る回転速度検出装置を粘度測定装置1による粘度ηの演算に応用した例を示す。図1に示すように、粘度測定装置1は、試料2Aとなる物質を収容する試料容器2と、試料2Aとともに試料容器2内に入れられた回転体3と、回転体3に対して回転磁界を付与して回転体3を回転させる複数の電磁石4と、試料容器2内の回転体3に光を照射する照射部5と、照射部5から回転体3に照射されて反射した光を受光する受光部6と、これらの複数の電磁石4、照射部5及び受光部6を制御する制御装置10とを備える。粘度測定装置1では、試料2Aとして様々な物質を試料容器2に入れることで、水、血液、有機溶媒、飲料等の低粘度の物質の粘度ηから、高分子材料、アスファルト、重油等の高粘度の物質の粘度ηまで、幅広い物質の粘度ηを一台の装置で測定できる。
試料容器2は、照射部5から照射される光を透過可能な透明又は半透明な材質からなる耐熱容器が好ましく、本第1実施形態では、開放端を上方向きに配置した、ガラス製の試験管が採用されている。回転体3は、金属の導電性材料により構成され、本第1実施形態では、試料容器2である試験管の底部内面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する、アルミニウム製の球体が採用されている。これにより、回転体3は、試料2Aとともに試料容器2に入れられると、その自重により試料2A内を沈んで試料容器2の底部の中心に自然と位置決めされる。
複数の電磁石4は、試料容器2の下部の周囲に配設され、図1に図示された一対の電磁石4,4と、図1の紙面手前側と奥側に配置された一対の電磁石4,4(図示せず)とで構成される。二組の電磁石4,4のそれぞれは、回転体3を間に挟んで互いに対向するように配置され、試料容器2の外部から回転体3に対して磁界を付与して鉛直な回転中心CLを中心として回転駆動させる。
照射部5は、試料容器2内の回転体3に光を照射する光源として機能するものであり、本第1実施形態では、色収差の影響をなくしかつ光のコントラストを強調すべく単色(例えば、緑や黄)の光を照射するレーザー光源で構成される。照射部5は、回転体3の回転中心CLの延長線上となる、回転体3の直下方位置に配置され、光の光軸が回転体3の回転中心CLと一致又は略一致するように配置される。照射部5は、所定長さ以上のスポット径を有する光を照射するように構成され、照射部5から照射された光によって、回転体3の下面側の回転体3の回転中心CLを中心とした円形の領域が照射される。
受光部6は、照射部5から回転体3に照射されて反射した光を結像するレンズ6Aと、レンズ6Aにより結像された反射光の受光データを検出する光検出器6Bとを備える。レンズ6Aは、光が照射される回転体3の下部の湾曲面に対向するように配置される。また、光検出器6Bは、レンズ6Aの光軸上に位置するように配置される。レンズ6Aと光検出器6Bとの間には、フィルタ6Cが配置される。フィルタ6Cは、特定色の波長域(例えば、緑の波長域)に通過帯をもつフィルタであり、照射部5から照射する光が緑の波長域の光であれば、主に緑の波長域の反射光を通過させる。これにより、反射光の光量を減少させることなく、外乱光の影響を取り除いた反射光を光検出器6Bで精度よく受光できる。
なお、照射部5は、レーザー光源ではなくハロゲンランプ等の異なる種類の光源で構成してもよい。また、照射部5を一波長又は複数波長のレーザー光源で構成した場合において、受光部6のレンズ6Aは、必須の構成ではなく、例えば、凹凸部3Aの仕様やレーザー光源の性能(光の単色性や直線性)等によって結像しなくても所定の受光データを検出できる場合には、適宜省略してもよい。また、フィルタ6Cについても、外乱光の影響が生じ難い場合(例えば、照射部5及び受光部6の周囲を暗室に構成した場合等)には、適宜省略してもよい。
制御装置10は、粘度測定装置1を統括制御する統括制御部11と、回転制御部12と、受光データ取得部13と、受光データ記憶部14と、回転速度演算部15と、試料2Aの粘度ηを演算する粘度演算部16と、粘度演算用の標準データを記憶する標準データ記憶部17とを備える。
回転制御部12は、二組の電磁石4のコイルに順次電流を流して励磁することで、回転体3に対して回転磁界を与えて回転体3を回転駆動する。つまり、二組の電磁石4のうちの一方の組の電磁石4と他方の組の電磁石4とを交互に又は同時に励磁し、異なる方向の磁場を交互に又は同時に生成して変動させ、回転体3に対して回転磁界を付与する。そうすると、回転体3内に誘導電流が誘起されて、この誘導電流と回転体3に印加される磁場とのローレンツ相互作用により回転体3に回転トルクが付与されて回転体3が回転する。回転制御部12は、統括制御部11からの回転指令に基づいて二組の電磁石4を交互に又は同時に励磁する周期を制御し、統括制御部11から指令された回転数N0で回転磁界が回転するように制御する。
受光データ取得部13は、統括制御部11からのデータ取得指令に基づいて受光部6の光検出器6Bで検出した反射光の受光データを入力処理する。受光データ取得部13で入力処理された受光データは、受光データ記憶部14に記憶される。回転速度演算部15は、統括制御部11からの演算指令に基づいて受光データ記憶部14に記憶された受光データを読み込んで回転体3の回転数Naを演算する。粘度演算部16は、統括制御部11からの演算指令に基づき、回転速度演算部15で演算された回転体3の回転数Naと、標準データ記憶部17に記憶された標準データと、回転制御部12で制御されている回転磁界の回転数N0に基づいて試料2Aの粘度ηを演算する。
標準データ記憶部17は、粘度演算部16における粘度ηの演算に用いるための標準データを記憶する。標準データは、粘度ηが既知の標準試料を試料容器2に入れ、回転体3を回転させて回転体3の回転数Naを測定し、その測定結果と測定条件に基づいて、回転体3の回転数Naと回転体3に対して付与した回転磁界の回転数N0との差と、回転体3の回転数Naとの関係を求め、これらの測定等を複数の粘度ηが異なる標準試料に対して行って、データマップや一次式として記憶したものである。これらの詳しい説明は既に公知であるため省略するが、回転体3の回転数Naと回転体3に対して付与した回転磁界の回転数N0との差ΔN(=N0−Na)と、回転体3の回転数Naとの関係が所定の一次式で表され、この一次式の傾きΔN/Naが粘度ηと比例することを利用したものである。ここで、回転磁界の回転数N0は粘度測定条件により設定するものであるため、回転体3の回転数Naを検出することで、標準データを用いて試料2Aの粘度ηを簡単に演算できる。
統括制御部11には、制御装置10に各種制御指令を入力する入力部18と、制御装置10によって演算処理された粘度η等の測定結果を表示する表示部19が接続される。試料2Aの粘度ηを測定する測定者は、表示部19を見ながら入力部18を操作して粘度測定条件の設定や粘度測定開始指令等の各種指示を行う。そして、統括制御部11は、測定者が設定した粘度測定条件で試料2Aの粘度を自動的に測定し、その測定結果を表示部19に自動的に表示する。
図2に基づいて回転体3及び光検出器6Bの詳細構造を説明する。図2(a)に示すように、回転体3の回転面には、不規則で微小な凹凸部3Aが形成されている。凹凸部3Aは、回転体3の回転面の全域(球体の表面の全域)に亘って形成されている。凹凸部3Aは、隣接する凸部の頂部間の距離P1及び隣接する凹部の底部間の距離P2が、回転体3の最大周囲長(π×d)の100分の1以下の長さとなるように設定される。具体的には、例えば、回転体3の直径d=4mmであれば、距離P1及びP2の上限値が0.13mm以下の長さとなるように、凹凸部3Aが形成されている。つまり、本発明者らは、粘度測定装置1を用いた受光データの解析等を繰り返して、距離P1及びP2が回転体3の最大周囲長の100分の1以下の長さであれば、試料容器2との摩擦抵抗が大きくなって粘度ηの測定に誤差が生じることを防止しながら、光検出器6Bで検出した受光データ(受光強度)の周期性を確実に検出できることを見出したのである。また、凹凸部3Aは、距離P1及びP2が、照射部5から照射される光の波長の10倍以上の長さとなるように設定される。具体的には、例えば、照射部5から照射される光の波長が0.5μmであれば、距離P1及びP2の下限値が5μm以上の長さとなるように、凹凸部3Aが形成されている。つまり、本発明者らは、反射光により生じるスペックルパターンは光の波長よりも大きい周期構造(粗面の凹凸)により生じる、というスペックルの性質に着目し、粘度測定装置1を用いた受光データの解析等を繰り返して、照射部5から照射される光の波長の10倍以上の周期構造を有していれば、すなわち、距離P1及びP2が照射部5から照射される光の波長の10倍以上の長さであれば、光検出器6Bで検出した受光データ(受光強度)の強弱が確実に現れることを見出したのである。
なお、距離P1及びP2を回転体3の最大周囲長の100分の1の長さに設定した場合の回転体3の回転面の粗さは、例えば、図2(a)に示す凹凸部3A程度の粗さである。また、距離P1及びP2を照射部5から照射される光の波長の10倍の長さに設定した場合の回転体3の回転面の粗さは、図示しないが、肉眼や顕微鏡で見ても凹凸が形成されているか否か判別することは難しいが、光検出器6Bで検出すると受光データの強弱が確実に現れる、鏡面の少し手前の粗さである。
凹凸部3Aは、例えば、回転体3の表面を研磨する表面研磨条件を変更することによって、回転体3の大幅なコストアップを招くことなく比較的簡単に形成できる。なお、本第1実施形態で例示する凹凸部3Aは、表面研磨によって形成しているため、凸部の頂部や凹部の底部が尖った鋸刃状の凹凸に形成されているが、例えば、凸部の頂部や凹部の底部が湾曲した波形の凹凸や、ゴルフボールのように回転体3の表面に窪みを形成した富士山形の凹凸など異なる断面形状の凹凸であってもよい。また、凹凸部3Aを表面研磨以外の異なる表面処理によって形成してもよく、例えば、ショットピーニングやエッチング加工やシボ加工等によって形成してもよい。また、微細な粒子を混ぜた塗料を塗ることによって凹凸部3Aを形成してもよい。
なお、本第1実施形態では、凹凸の形状、大きさ、及び、ピッチ等が不規則となる凹凸部3Aを形成した例を示したが、これらの全てが不規則な凹凸部3Aに限らず、少なくともこれらの一つ以上が不規則となる凹凸部3Aであればよい。具体的には、例えば、凹凸の形状や大きさは同じでピッチのみが異なる凹凸部や、凹凸のピッチは同じで凹凸の形状又は大きさが異なる凹凸部等であってもよい。また、回転体3の回転面の全域に亘って凹凸部3Aを形成した例を示したが、例えば、水玉模様や縞模様のカラーボールのように、回転体3の回転面に部分的に凹凸部3Aを形成してもよい。また、回転体3の回転面に、回転していない停止時においても不規則となる凹凸部3Aを形成した例を示したが、回転体3の回転面に形成する凹凸部3Aとしては、少なくとも回転時において回転周方向で不規則となる凹凸部3Aであればよく、例えば、硬式野球のボールやバレーボールの縫い目等のように、規則的に形成されているように見えるが実際は回転周方向で不規則な凹凸部3Aや、ゴルフボールのディンプルやサッカーボールの縫い目等のように、停止時には規則的に形成されているが回転のさせ方や光の照射位置の相違等によって回転時には回転周方向で不規則となる凹凸部3Aであってもよい。
図2(b)に示すように、光検出器6Bは、複数の受光素子Sが並列配置された一次元の光検出器(例えば、一次元フォトダイオードアレイ等)で構成される。光検出器6Bは、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが、回転体3の回転方向に直交する方向に並ぶように配設される。光検出器6Bは、凹凸部3Aからの反射光を受光すると、受光データとして、複数の受光素子S毎に反射光の強さに比例する光電流(A:アンペア)を出力する。なお、光検出器6Bの大きさは、一つの受光素子Sの受光面が1mm×2mm程度の大きさであり、全体としても5mm×15mm×厚さ3mm程度の大きさである。
図2(c)は、第1実施形態の別の形態を例示したものである。図2(c)に示すように、光検出器6Bは、図2(b)に示した一次元の光検出器に限らず、複数の受光素子Sが2次元に並列配置された2次元の光検出器や、図示しないが、単一の受光素子Sで構成された0次元の光検出器であってもよい。図2(c)に示す光検出器6Bは、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが、回転体3の回転方向及び回転体3の回転方向に直交する方向に並ぶように配設される。なお、図2(b)及び(c)に示す光検出器6Bの場合、複数の受光素子Sの全てが受光部6として機能するように構成してもよいが、複数の受光素子Sの一部を受光部6として機能させ、受光部6として機能させた受光素子Sが故障した場合に、他の受光素子Sを予備の受光素子Sとして有効利用するように構成してもよい。
図3及び図4に基づいて制御装置10で実行される粘度測定制御及び回転速度検出制御の具体的内容を粘度測定装置1の操作手順を交えながら説明する。先ず、粘度測定装置1の操作の準備作業として、測定者は、粘度ηを測定する試料2Aを回転体3とともに試料容器2に入れて、粘度測定装置1にセットする。この場合、凹凸部3Aは、回転体3の回転面の全域に亘って形成されているので、照射部5から照射される光の照射位置に対して凹凸部3Aの位置を位置決めしなくても、試料2Aを回転体3とともに試料容器2に入れてセットするだけで、照射部5から照射される光を確実に凹凸部3Aに照射できる。そして、表示部19を見ながら入力部18を操作して粘度測定条件を設定する。粘度測定条件としては、回転磁界の回転数や測定温度等が挙げられるが、本第1実施形態では、回転磁界の回転数をN0に設定した場合を説明し、他の粘度測定条件の設定についての説明は省略する。
図3に示すように、準備作業が完了して測定者が入力部18を操作して粘度測定開始指令を入力すると(ステップS1)、統括制御部11は、回転制御部12に回転指令を出力する。そして、回転制御部12は、二組の電磁石4を交互に又は同時に励磁する周期を制御して、統括制御部11から指令された回転数N0で回転磁界が回転するように制御する(ステップS2)。これにより、回転体3に回転トルクが付与されて回転体3が回転駆動する。回転体3が回転駆動すると、統括制御部11は、照射部5に電力を出力して照射部5をONにし、試料容器2内の回転体3への光の照射を開始する(ステップS3)。この場合、図示しないが、統括制御部11は、照射部5をONにするとともに、受光部6の光検出器6Bにも電力を出力して光検出器6BをONにする。なお、照射部5及び光検出器6BをONにするタイミングは異なるタイミングであってもよく、例えば、粘度測定装置1の電源をONにした時や、測定者が粘度測定開始指令を入力した時に、照射部5及び光検出器6BをONにするよう構成してもよい。後述する照射部5及び光検出器6BをOFFにするタイミングについても同様である。
次に、受光データ取得部13は、統括制御部11からのデータ取得指令に基づき、光検出器6Bの複数の受光素子Sから出力される受光データの取得を開始する(ステップS4)。受光データ取得部13による受光データの取得は、光検出器6Bから入力される入力データの中から予め設定された所定の短時間毎に行われる。受光データ取得部13は、所定の短時間毎に、複数の受光素子Sに対して取得した受光データの平均値を演算し、この平均値を反射光の強さを示す受光強度として取得する。このように、複数の受光素子Sの受光データを総合的に評価して受光強度を取得することで、反射光の強さを精度よく反映した時系列データDを取得できる。なお、複数の受光素子Sの受光データから受光強度を演算する演算方法は異なる演算方法であってもよく、例えば、複数の受光素子S毎に取得した受光データの積算値を演算し、この積算値を受光強度として取得するように構成してもよい。
受光データ取得部13は、受光データ及び受光強度の取得を予め設定された所定時間行い、受光強度の所定時間内の時系列データDを取得する(ステップS5,NO)。受光データ取得部13は、時系列データDの取得が完了すると(ステップS5,YES)、この時系列データDを受光データ記憶部14に記憶する(ステップS6)。図4のステップS4,S5に示すグラフは、時系列データDの一例を示したものであり、このグラフから明らかなように、回転体3が一回転する毎に一定の波形を描くように受光強度が周期性ないし規則性をもって変動することが分かる。受光強度の変動は、回転体3の回転数に関わらず生じるものであり、例えば、回転磁界の回転数N0を高速に設定して回転体3を高速で回転させた場合であっても、時系列データDの波形の周期は短くなるものの、受光強度の周期性ないし規則性が現れた時系列データDを取得できる。なお、図4に示す例では、回転体3が約5回転した時系列データDを示しているが、回転体3が少なくとも1回転以上回転した時系列データDを取得できればよく、例えば、受光データ取得部13において受光データを取得するための所定時間の設定を変更することにより、回転体3が異なる回数回転した時系列データDを取得するように構成してもよい。
次に、回転速度演算部15は、統括制御部11からの演算指令に基づき、受光データ記憶部14から時系列データDを読み込んで、回転体3の回転数Naを演算する(ステップS7)。具体的には、例えば、図4のステップS7に示すように、時系列データDの隣り合う谷と谷の間の時間T1(sec)、つまり、回転体3が一回転に要する時間T1を計測する。そして、回転速度演算部15は、図4のステップS7に示す所定の演算式を用いて、計測した時間T1から回転体3の回転数Na(rpm)を演算する。この場合、時間T1の測定を時系列データDの全ての隣り合う谷と谷の間で行って(図4の例では4箇所)、複数の時間T1,T1・・の平均値を回転体3の回転数Naの演算に用いるように構成することで、回転体3の回転数Naの演算を更に精度よく行うことができる。なお、時系列データDは粘度ηの測定毎に異なるため、測定点は時系列データDの波形に応じて適宜設定でき、例えば、図4のステップS7に示すように時系列データDの下限のピーク値どうしの間の時間を計測するのではなく、時系列データDの上限のピーク値どうしの間の時間を計測してもよく、時系列データDの受光強度が同じ値を示す測定点どうしの間の時間を計測してもよい。
次に、回転速度演算部15で演算された回転体3の回転数Naは、粘度演算部16に出力される。粘度演算部16は、統括制御部11からの演算指令に基づき、標準データ記憶部17に記憶された標準データを読み込むとともに、回転制御部12から回転体3に対して付与した回転磁界の回転数N0を読み込んで、これらの標準データ及び回転磁界の回転数N0と、回転速度演算部15から入力された回転体3の回転数Naとに基づいて、試料2Aの粘度ηを演算する(ステップS8)。具体的には、粘度演算部16は、回転磁界の回転数N0と回転体3の回転数Naとの回転数差△N(=N0−Na)を演算し、この回転数差△Nと回転体3の回転数Naとから一次式の傾き△N/Naを演算し、この傾き△N/Naと標準データとに基づいて試料2Aの粘度η(cP)を演算する。粘度演算部16で演算された粘度ηは、回転速度演算部15で演算された回転体3の回転数Naとともに、統括制御部11から表示部19に自動的に表示される(ステップS9)。なお、図示しないが、粘度ηの測定が完了すると、統括制御部11は、照射部5及び光検出器6Bへの電力の出力を断って、照射部5及び光検出器6BをOFFにするとともに、回転制御部12に停止指令を出力して、回転体3の回転を停止する。
以上のように、本第1実施形態の粘度測定装置1は、従来では不可能であった光学的手段による回転体3の回転数Naの測定を実用化したものである。つまり、粗面に光を照射すると、粗面の異なる場所から反射されてきた光波が互いに干渉し合い、干渉の結果生じる光の空間的な強度分布もランダムになって、いわゆる「スペックルパターン」が形成されることが知られている。本発明者らは、試行錯誤の結果、このスペックルの性質を有効に活用すれば回転体3の回転数の検出を簡易に行えるのでないかとの着想に至り、この着想のもと、滑らかな曲面を有することが通常である回転体3の回転面に敢えて凹凸部3Aを形成して、凹凸部3Aの大きさなどの実験条件を変更して受光データの解析を繰り返したのである。そして、所定の凹凸部3Aが形成された回転体3に光を照射して得た時系列データDに一定の周期性ないし規則性があることを見出し、上述した本発明に係る構成を採用することで、市販の比較的安価な光検出器6B等を用いて回転体3の回転数Naを精度よく検出できるに至ったのである。その結果、従来ではハイスピードカメラ等の高価な撮像機器を用いなければ不可能であった高速での回転体3の回転速度の検出を、市販の比較的安価な光検出器6B等を用いた簡単な制御で行うことが可能となり、結果として、粘度測定精度を向上させながら粘度測定装置1の大幅な製造コスト削減及びコンパクト化を実現できるに至ったのである。
[第2実施形態]
図5〜図10に基づいて第2実施形態の粘度測定装置1を説明する。本第2実施形態においては、本発明に係る回転速度検出装置を粘度測定装置1による配置角度αの演算及び粘度ηの演算に応用した例を示す。なお、上記第1実施形態と共通する部分については説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図5に示すように、本第2実施形態での受光部6は、回転体3の回転方向上手側に配設された上手側受光部61と、回転体3の回転方向下手側に配設された下手側受光部62とで構成される。上手側受光部61及び下手側受光部62は、それぞれ、レンズ6Aと、光検出器6Bと、フィルタ6Cを備える。
図6(a)に示すように、上手側受光部61の光検出器6Bと下手側受光部62の光検出器6Bとは、回転体3の回転中心CLに対して配置角度αずれた状態で配設される。図6(a)では、配置角度αが90度より少し小さい角度に設定されているが、二つの光検出器6Bが隣接するように配置角度αを小さい角度に設定してもよく、逆に、二つの光検出器6Bが回転体3の回転軸心CLを挟んで反対側に位置するように配置角度αを大きい角度に設定してもよい。上手側受光部61及び下手側受光部62の光検出器6Bは、上記第1実施形態と同様に、複数の受光素子Sが並列配置された一次元の光検出器(例えば、一次元フォトダイオードアレイ等)で構成され、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが、回転体3の回転方向に直交する方向に並ぶように配設される。
図6(b)は、第2実施形態の別の形態を例示したものである。図6(b)に示すように、光検出器6Bは、図6(a)に示した一次元の光検出器に限らず、複数の受光素子Sが2次元に並列配置された2次元の光検出器であってもよい。図6(b)に示す光検出器6Bは、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが、回転体3の回転方向及び回転体3の回転方向に直交する方向に並ぶように配設される。なお、図6(a)及び(b)に示す光検出器6Bの場合、複数の受光素子Sの全てが受光部6として機能するように構成してもよいが、複数の受光素子Sの一部を受光部6として機能させ、受光部6として機能させた受光素子Sが故障した場合に、他の受光素子Sを予備の受光素子Sとして有効利用するように構成してもよい。
図5に示すように、制御装置10は、上手側受光部61の光検出器6Bと下手側受光部62の光検出器6Bとの配置角度αを演算する角度演算部14Aと、角度演算部14Aにより演算された配置角度αを記憶する角度記憶部14Bとを更に備える。
図7(a)及び図8に基づいて制御装置10で実行される配置角度演算制御の具体的な内容を粘度測定装置1の操作手順を交えながら説明する。配置角度αの演算は、粘度測定装置1の出荷調整時や光検出器6Bのメンテナンス等により配置角度αが変更された時に行うものである。先ず、配置角度取得の準備作業として、作業者は、試料2Aを回転体3とともに試料容器2に入れて、粘度測定装置1にセットする。
図7(a)に示すように、準備作業が完了して作業者が入力部18を操作して角度測定開始指令を入力すると(ステップS11)、統括制御部11は、回転制御部12に回転指令を出力して、回転制御部12は、統括制御部11から指令された回転数N0で回転磁界が回転するように制御する(ステップS12)。回転体3が回転駆動すると、統括制御部11は、照射部5に電力を出力して照射部5をONにし、試料容器2内の回転体3への光の照射を開始する(ステップS13)。
次に、受光データ取得部13は、統括制御部11からのデータ取得指令に基づき、光検出器6Bの複数の受光素子Sから出力される受光データの取得を開始する(ステップS14)。受光データ取得部13による受光データの取得は、光検出器6Bから入力される入力データの中から予め設定された所定の短時間毎に行われる。受光データ取得部13は、所定の短時間毎に、複数の受光素子Sに対して取得した受光データの平均値を演算し、この平均値を反射光の強さを示す受光強度として取得する。受光データ取得部13は、受光データ及び受光強度の取得を予め設定された所定時間行い、受光強度の所定時間内の時系列データDを取得する(ステップS15,NO)。受光データ取得部13は、時系列データDの取得が完了すると(ステップS15,YES)、この時系列データDを受光データ記憶部14に記憶する(ステップS16)。これまでのステップS11〜S16の内容は、上記第1実施形態のステップS1〜S6と同様の制御内容であるが、図8のステップS14,S15に示すように、本第2実施形態では、時系列データDとして、上手側受光部61の光検出器6Bの時系列データD1と、下手側受光部62の光検出器6Bの時系列データD2とを同時に取得する。なお、図8に示す例では、回転体3が約5回転した時系列データD1,D2を示しているが、上記第1実施形態と同様に、回転体3が異なる回数回転した時系列データD1,D2を取得するように構成してもよい。
次に、角度演算部14Aは、統括制御部11からの演算指令に基づき、受光データ記憶部14から時系列データD1,D2を読み込んで、上手側受光部61の光検出器6Bと下手側受光部62の光検出器6Bとの配置角度αを演算する(ステップS17)。具体的には、例えば、図8のステップS17に示すように、時系列データD1の隣り合う谷と谷の間の時間T1(sec)、つまり、回転体3が一回転に要する時間T1と、時系列データD1の谷とこれに対応する時系列データD2の谷との間の時間T2(sec)、つまり、2つの光検出器6Bの検出時間差を計測する。なお、時間T1は、時系列データD2から計測してもよい。そして、角度演算部14Aは、図8のステップS17に示す所定の演算式を用いて、計測した時間T1,T2から上手側受光部61の光検出器6Bと下手側受光部62の光検出器6Bとの配置角度αを演算する。角度演算部14Aで演算された配置角度αは、角度記憶部14Bに記憶され、回転速度演算部15による回転体3の角速度ωの演算に用いられる(ステップS18)。これにより、例えば、2つの光検出器6Bを正確に位置決めして配置しなくても、2つの光検出器6Bの配置角度αを操作簡単に且つ正確に演算できる。なお、2つの光検出器6Bの配置角度αを作業者が正確に測定できる場合や、治具などを用いて2つの光検出器6Bを正確に位置決めして配置することができる場合等には、角度演算部14Aを廃止し、測定した配置角度αや位置決めした配置角度αを作業者が入力部18を操作することによって角度記憶部14Bに入力するように構成してもよい。
図7(b)及び図9に基づいて制御装置10で実行される回転速度演算制御の具体的な内容を粘度測定装置1の操作手順を交えながら説明する。先ず、粘度測定装置1の操作の準備作業として、測定者は、粘度ηを測定する試料2Aを回転体3とともに試料容器2に入れて、粘度測定装置1にセットする。図7(b)に示すように、準備作業が完了して作業者が入力部18を操作して粘度測定開始指令を入力すると(ステップS21)、統括制御部11は、回転制御部12に回転指令を出力して、回転制御部12は、統括制御部11から指令された回転数N0で回転磁界が回転するように制御する(ステップS22)。回転体3が回転駆動すると、統括制御部11は、照射部5に電力を出力して照射部5をONにし、試料容器2内の回転体3への光の照射を開始する(ステップS23)。
次に、受光データ取得部13は、統括制御部11からのデータ取得指令に基づき、光検出器6Bの複数の受光素子Sから出力される受光データの取得を開始する(ステップS24)。受光データ取得部13による受光データの取得は、光検出器6Bから入力される入力データの中から予め設定された所定の短時間毎に行われる。受光データ取得部13は、所定の短時間毎に、複数の受光素子Sに対して取得した受光データの平均値を演算し、この平均値を反射光の強さを示す受光強度として取得する。受光データ取得部13は、受光データ及び受光強度の取得を予め設定された所定時間行い、受光強度の所定時間内の時系列データDを取得する(ステップS25,NO)。受光データ取得部13は、時系列データDの取得が完了すると(ステップS25,YES)、この時系列データDを受光データ記憶部14に記憶する(ステップS26)。これまでのステップS21〜S26の内容は、上記第1実施形態のステップS1〜S6と同様の制御内容であるが、図9のステップS24,S25に示すように、本第2実施形態では、時系列データDとして、上手側受光部61の光検出器6Bの時系列データD1と、下手側受光部62の光検出器6Bの時系列データD2とを同時に取得する。また、本第2実施形態では、受光データ取得部13において受光データを取得するための所定時間が、上記第1実施形態における所定時間よりも短い時間に設定されている。図9のステップS24,S25に示すグラフは、時系列データD1,D2の一例を示したものであり、このグラフから明らかなように、時系列データD1,D2の受光強度の波形が周期性ないし規則性を有し、それらの波形が時間差をもって変動することが分かる。なお、図9に示す例では、回転体3が約1/2回転した時系列データD1,D2を示しているが、回転体3が1回転未満の時系列データD1,D2を取得できればよく、例えば、受光データ取得部13において受光データを取得するための所定時間の設定を変更することにより、回転体3が異なる角度回転した時系列データD1,D2を取得するように構成してもよい。
次に、回転速度演算部15は、統括制御部11からの演算指令に基づき、受光データ記憶部14から時系列データD1,D2を読み込むとともに、角度記憶部14Bから配置角度αを読み込んで、回転体3の回転数Naを演算する(ステップS27)。具体的には、例えば、図9のステップS27に示すように、時系列データD1の谷とこれに対応する時系列データD2の谷との間の時間T2(sec)、つまり、2つの光検出器6Bの検出時間差を計測する。そして、回転速度演算部15は、図9のステップS27に示す2つの所定の演算式を用いて、計測した時間T2と配置角度αから回転体3の角速度ω(rad/s)を演算するとともに、演算した角速度ωから回転体3の回転数Na(rpm)を演算する。
次に、回転速度演算部15で演算された回転体3の回転数Naは、粘度演算部16に出力される。粘度演算部16は、標準データ記憶部17に記憶された標準データを読み込むとともに、回転制御部12から回転体3に対して付与した回転磁界の回転数N0を読み込んで、これらの標準データ及び回転磁界の回転数N0と、回転速度演算部15から入力された回転体3の回転数Naとに基づいて、試料2Aの粘度ηを演算する(ステップS28)。そして、粘度演算部16で演算された粘度ηは、回転速度演算部15で演算された回転体3の回転数Naとともに、統括制御部11から表示部19に自動的に表示される(ステップS29)。なお、粘度ηの演算は、上記第1実施形態と同様であるため詳しい説明は省略する。
図10は、第2実施形態の別の形態を例示したものである。つまり、上記第2実施形態では、上手側受光部61及び下手側受光部62のそれぞれに、レンズ6Aと、光検出器6Bと、フィルタ6Cを備えた例を示したが、図10(a)及び(b)に示すように、単一の光検出器6Bが上手側受光部61及び下手側受光部62として機能するように構成してもよい。この場合、光検出器6Bに付属するレンズ6A及びフィルタ6Cを共用することで、受光部6の構造を簡素化でき製造コスト削減を図れる。以下、図10(a)及び(b)の内容について具体的に説明する。
図10(a)に示すように、光検出器6Bは、複数の受光素子Sが並列配置された一次元の光検出器で構成されている。光検出器6Bは、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが回転体3の回転方向に並ぶように配設される。そして、複数の受光素子Sのうちの最も回転方向上手側の受光素子Sが上手側受光部61として機能し、複数の受光素子Sのうちの最も回転方向下手側の受光素子Sが下手側受光部62として機能するように構成される。つまり、制御装置10は、上手側受光部61である受光素子Sから取得した時系列データD1と、下手側受光部62である受光素子Sから取得した時系列データD2とに基づいて、図7(a)及び図8に示した配置角度演算制御を実行し、図7(b)及び図9に示した回転速度演算制御を実行する。なお、図10(a)に示す例では、最も回転方向上手側及び下手側の受光素子Sが上手側受光部61及び下手側受光部62として機能するように構成しているが、これらの受光素子S以外の受光素子Sが上手側受光部61及び下手側受光部62として機能するように構成してもよい。また、上手側受光部61及び下手側受光部62として機能させた受光素子Sが故障した場合に、他の受光素子Sを上手側受光部61及び下手側受光部62として使用するように構成してもよい。この場合、図7(a)及び図8に示した配置角度演算制御を再度実行することで、変更後の配置角度αを演算することができる。これにより、他の受光素子Sを予備の受光素子Sとして有効利用することができる。
また、図10(b)に示すように、光検出器6Bを、複数の受光素子Sが2次元に並列配置された2次元の光検出器で構成してもよい。図10(b)に示す光検出器6Bは、複数の受光素子Sの受光面が、光が照射される回転体3の回転面に対向し、かつ、複数の受光素子Sが、回転体3の回転方向及び回転体3の回転方向に直交する方向に並ぶように配設される。そして、複数の受光素子Sのうちの最も回転方向上手側の一列の複数の受光素子Sが上手側受光部61として機能し、複数の受光素子Sのうちの最も回転方向下手側の一列の複数の受光素子Sが下手側受光部62として機能するように構成される。これにより、図10(a)に示した一次元の光検出器と同様の利点を有するだけでなく、複数の受光素子Sに対して取得した受光データから時系列データD1,D2を取得することで、反射光の強さを精度よく評価できる。
以上のように、本第2実施形態の粘度測定装置1は、上記第1実施形態で示した粘度測定装置1に更なる改良を加えたものである。つまり、比較的高粘度の物質の粘度ηを測定しようとした場合、回転体3が粘性抵抗によって回転し難くなり、上記第1実施形態の回転速度検出制御で回転体3の一回転以上の回転を検出しようとすると、時系列データDの取得に時間がかかって迅速な粘度測定を行うことができないという新たな課題が生じたのである。そこで、本第2実施形態では、上述した本発明に係る構成を採用することで、上手側受光部61及び下手側受光部62の時系列データD1,D2を短時間で迅速に取得して迅速な粘度測定を行えるに至ったのである。しかも、上述した配置角度演算制御により演算された正確な配置角度αを用いて回転体3の回転数Naを精度よく演算することができ、結果として、粘度測定装置1の粘度測定精度を向上できるに至ったのである。
[別実施形態]
(1)上記第1及び第2実施形態で示した回転体3に対する照射部5及び受光部6の配置は一例として示したものであり、粘度測定装置1のコンパクト化等を考慮して、回転体3に対して異なる位置に照射部5及び受光部6を配置してもよい。具体的には、例えば、図11(a)に示すように、照射部5を回転体3の直上方位置に配置し、受光部6を電磁石4の上側に配置してもよい。また、例えば、図11(b)に示すように、照射部5及び受光部6が、電磁石4と電磁石4との間に位置し、回転体3及び電磁石4と同じ又は略同じ高さに位置するように配置してもよい。
(2)上記第1及び第2実施形態で示した回転体3に回転磁界を付与する構造は一例として示したものであり、例えば、図11(c)に示すように、回転体3の下方に配置された永久磁石4Aを電動モーターM等の駆動手段により回転中心CL回りで回転駆動させることで、回転体3に回転磁界を付与するように構成してもよい。この場合においても、上記(1)と同様に、照射部5及び受光部6は、図11(c)に示すように、回転体3と同じ又は略同じ高さに配置してもよく、図示しないが、回転体3に対して上側又は下側に配置してもよい。
(3)上記第1及び第2実施形態で示した回転体3及び試料容器2の構造は一例として示したものであり、回転体3及び試料容器2の形状や構造として異なる形状や構造を採用してもよい。具体的には、例えば、図11(d)に示すように、試料容器2をシャーレ状の容器で構成し、試料容器2内の試料2Aの表面に浮いた円板状の回転体3に回転磁界を付与するように構成してもよい。この場合、円板状の回転体3の上面、下面又は外周面に凹凸部3Aを形成し、回転体3に対して上側、下側又は外周に配置された照射部5及び受光部6によって回転体3の回転数Na等を検出するように構成すればよい。なお、図11(d)では、回転体3の上面に凹凸部3Aを形成し、回転体3に対して上側に照射部5及び受光部6を配置した例を示している。
(4)上記第1及び第2実施形態では、粘度演算部16による粘度ηの演算の関係上、回転速度演算部15で回転体3の回転数Na(rpm)を演算した例を示したが、本発明における回転速度の概念には、回転数及び角速度がいずれも含まれるのであり、例えば、上記第1実施形態において、回転速度演算部15が、回転体3の角速度ω(rad/s)を演算し、粘度演算部16が、回転速度演算部15で演算した角速度ωを用いて又は角速度ωから回転数Naを演算して粘度ηを演算するように構成してもよい。また、上記第2実施形態においても同様に、粘度演算部16が、回転速度演算部15で演算した角速度ωを用いて又は角速度ωから回転数Naを演算して粘度ηを演算するように構成してもよい。
(5)上記第2実施形態では、上手側受光部61及び下手側受光部62の両方から取得した時系列データD1,D2を用いて回転速度演算制御を実行した例を示したが、上記第2実施形態の図5に示した粘度測定装置1の全体構成で、上手側受光部61及び下手側受光部62のいずれか一方から回転体3の一回転以上の時系列データDを取得して、上記第1実施形態の図3及び図4に示した回転速度演算制御を更に実行できるように構成してもよい。具体的には、例えば、比較的高粘度の物質の粘度ηを測定する場合には、上記第2実施形態の回転速度演算制御を実行し、比較的低粘度の物質の粘度ηを測定する場合には、上記第1実施形態の回転速度演算制御を実行する、といった形態で、上記第1及び第2実施形態の2つの回転速度演算制御を両立させてもよい。これにより、上記2つの回転速度演算制御のそれぞれの利点を生かした更に精度のよい粘度ηの測定が可能となる。この場合、例えば、制御装置10に上記2つの回転速度演算制御を変更する制御形態変更部(図示せず)を設けて、測定者による入力部18からの入力により又は制御装置10による自動的な判断により、上記2つの回転速度演算制御が変更されるように構成すればよい。
(6)上記第1及び第2実施形態では、本発明に係る回転速度検出装置を粘度測定装置1に応用した例を示したが、粘度測定装置1以外にも様々な機器による回転速度の検出に応用することができる。具体的には、例えば、図11(e)に示すように、各種車両や各種作業機や産業機械等の回転駆動部の車軸や出力軸等の回転部の回転速度の検出に用いられる回転検出器K1において、円柱状又は円板状の回転部J1の外周面に凹凸部3Aを形成し(回転部J1の外周面が凹凸部3Aに相当する粗面を有する場合には凹凸部3Aを形成しなくてもよい)、回転部J1の外周に照射部5及び受光部6を配置して、本発明に係る回転速度検出装置の原理で回転部J1の回転速度を検出するように構成してもよい。この場合、パルスエンコーダ等のように回転部J1の外周面に規則的な凹凸を形成しなくてもよくなり、回転部J1の製造コスト削減を図れるという利点もある。なお、凹凸部3Aを回転部J1の側面に形成し、回転部J1の側面に対向する位置に照射部5及び受光部6を配置してもよい。また、例えば、図11(f)に示すように、モーターや原動機や流体機器等の各種回転機器の回転軸等の回転部の回転速度の検出に用いられる携帯式又は固定式の非接触式回転計K2において、円柱状又は円板状の回転部J2の外周面に凹凸部3Aを形成して(回転部J2の外周面が凹凸部3Aに相当する粗面を有する場合には凹凸部3Aを形成しなくてもよい)、本発明に係る回転速度検出装置の原理で各種回転機器の回転部J2の回転速度を検出するように構成してもよい。この場合においても、回転部J2の側面(端面)に凹凸部3Aを形成し、回転部J2の側面(端面)に対向する位置に照射部5及び受光部6を配置してもよい。
本発明の回転速度検出装置及び回転速度検出方法は、粘度測定装置1や回転検出器K1や非接触式回転計K2だけでなく、回転体の回転速度を検出する様々な機器に利用可能である。
1 粘度測定装置
2 試料容器
2A 試料
3 回転体
3A 凹凸部
4 電磁石
5 照射部
6 受光部
6B 光検出器
61 上手側受光部
62 下手側受光部
12 回転制御部
13 受光データ取得部
14A 角度演算部
14B 角度記憶部
15 回転速度演算部
16 粘度演算部
D 時系列データ
D1 時系列データ
D2 時系列データ
N0 回転磁界の回転数
Na 回転体の回転数
P1 頂部間の距離
P2 底部間の距離
S 受光素子
T1 時間
T2 時間
α 配置角度
η 粘度

Claims (14)

  1. 回転体と、該回転体にレーザー光を照射する照射部と、該照射部から前記回転体に照射されて反射した、スペックルパターンが形成された光を受光する受光部と、該受光部で受光した受光データを取得する受光データ取得部と、該受光データ取得部で取得した受光データに基づいて前記回転体の回転速度を演算する回転速度演算部を有する回転速度検出装置であって、
    前記回転体は、光透過可能な透明又は半透明な材質からなる容器に入れられた当該容器の底部内面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する球体であり、その回転面に不規則な凹凸部を有し、
    前記照射部は、前記レーザー光の光軸が前記回転体の回転軸心と略一致するように配置され、前記回転軸心を中心とした円形の領域に前記レーザー光を照射し、
    前記受光部は、レーザー光が照射される回転体の面に対向するように配置された単一の受光部で構成され、
    前記受光データ取得部は、前記回転体が一回転する毎に一定の波形を描くように受光強度が周期性をもって変動する、前記凹凸部で反射した光の受光データの時系列データを取得し、
    前記回転速度演算部は、前記時系列データの周期性から前記回転体の回転速度を演算する回転速度検出装置。
  2. 前記凹凸部は、隣接する凹部の底部間及び隣接する凸部の頂部間の距離が、前記回転体の最大周囲長の100分の1以下で、かつ、前記照射部から照射される光の波長の10倍以上の長さである請求項1記載の回転速度検出装置。
  3. 前記凹凸部は、表面研磨加工によって前記回転体の回転面に形成される請求項1又は2記載の回転速度検出装置。
  4. 記受光データ取得部は、前記回転体の一回転以上の前記時系列データを取得し、
    前記回転速度演算部は、前記回転体の一回転以上の時系列データから前記回転体が一回転するのに要する時間を測定し、該時間から前記回転体の回転速度を演算する請求項1〜3のいずれか一項記載の回転速度検出装置。
  5. 前記受光部は、前記照射部から照射される前記回転体の回転面に対向し、かつ、前記回転体の回転方向に直交する方向に並ぶように配設された複数の受光素子を有し、
    前記受光データ取得部は、前記複数の受光素子から検出した受光データを総合的に評価して前記時系列データを取得する請求項4記載の回転速度検出装置。
  6. 前記受光部は、前記照射部から前記回転体に照射されて反射した光を、レンズを介することなく受光する請求項1〜5のいずれか一項記載の回転速度検出装置。
  7. 前記受光部より前記回転体の回転方向下手側に配設された下手側受光部をさらに有し、
    前記受光データ取得部は、前記受光部及び前記下手側受光部のそれぞれの受光データの時系列データを同時に取得し、
    前記回転速度演算部は、前記受光部と前記下手側受光部とで同時に取得した各時系列データを用いて前記回転体の回転速度を演算する請求項1〜3のいずれか一項記載の回転速度検出装置。
  8. 前記受光データ取得部は、前記回転体の一回転未満の前記時系列データを取得し、
    前記回転速度演算部は、前記回転体の一回転未満の各時系列データと、前記回転体の回転軸心に対する前記受光部及び前記下手側受光部の配置角度から前記回転体の回転速度を演算する請求項7記載の回転速度検出装置。
  9. 前記配置角度を演算する角度演算部と、該角度演算部で演算した配置角度を記憶する角度記憶部を有し、
    前記受光データ取得部は、前記回転体の一回転以上の前記受光データの時系列データを角度演算用の時系列データとして取得し、
    前記角度演算部は、前記角度演算用の各時系列データから前記配置角度を演算し、
    前記回転速度演算部は、前記角度演算部で演算されて前記角度記憶部に記憶された配置角度を用いて前記回転体の回転速度を演算する請求項8記載の回転速度検出装置。
  10. 前記受光部及び前記下手側受光部は、前記照射部から前記回転体に照射されて反射した光を、レンズを介することなく受光する請求項7〜9のいずれか一項記載の回転速度検出装置。
  11. 前記受光部及び前記下手側受光部はそれぞれ、レーザー光が照射される前記回転体の面に対向するように配置され前記回転体に照射されて反射した光を結像するレンズと、前記レンズの光軸上に位置するように配置され結像された反射光の受光データを検出する光検出器とを備える請求項7〜9のいずれか一項記載の回転速度検出装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項記載の回転速度検出装置を用いた粘度測定装置であって、
    前記容器の外部から前記回転体に対して回転磁界を付与する磁石と、前記回転磁界の回転速度を制御する回転制御部と、前記容器に前記回転体とともに入れられた試料の粘度を演算する粘度演算部を有し、
    前記粘度演算部は、前記回転速度演算部により演算された前記回転体の回転速度と、前記回転磁界の回転速度とを用いて試料の粘度を演算する粘度測定装置。
  13. 照射部から回転体にレーザー光を照射して反射した、スペックルパターンが形成された光を受光部で受光し、該受光部で受光した受光データに基づいて前記回転体の回転速度を演算する回転速度検出方法であって、
    光透過可能な透明又は半透明な材質からなる容器に、当該容器の底部内面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する球体である前記回転体を入れる準備ステップと、
    回転面に不規則な凹凸部を有する前記回転体に前記回転体の回転軸心と光軸とが略一致するように、前記回転軸心を中心とした円形の領域にレーザー光を照射し、前記回転体が一回転する毎に一定の波形を描くように受光強度が周期性をもって変動する、前記回転体の凹凸部で反射した光の受光データの時系列データを単一の受光部で取得する受光データ取得ステップと、
    前記時系列データの周期性から前記回転体の回転速度を演算する回転速度演算ステップを有する回転速度検出方法。
  14. 請求項13記載の回転速度検出方法に用いる回転体であって、
    前記凹凸部は、隣接する凹部の底部間及び隣接する凸部の頂部間の距離が、前記回転体の最大周囲長の100分の1以下で、かつ、前記照射部から照射される光の波長の10倍以上の長さである回転体。
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