JP6180346B2 - 保護継電装置 - Google Patents

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Description

この発明は、保護継電装置に関し、特に、電圧階級が異なる複数の電力系統に対応可能な保護継電装置の入力回路に関する。
電力系統から電流および電圧などの情報(以下、系統電気量と称す)を収集するとともに、電力系統または電力設備に事故が発生した場合に、当該事故を検出するとともに、当該事故を電力系統から切り離すために、保護継電装置が用いられている。
保護継電装置においては、電力系統の保護機器が正常であるか否かを診断するために、保護機器の状態を連続して監視する自動監視が行なわれている。この自動監視では、保護継電装置は、監視対象となる保護機器のオンオフ情報(たとえば、遮断器および断路器等の開閉器の開閉情報など)を収集し、収集したオンオフ情報に基づいて保護機器の状態を確認する。
ディジタル保護継電装置の場合、自動監視機能として、保護機器のオンオフ情報を取り込み、取り込んだ情報をディジタル信号に変換してマイコンに入力するためのディジタル入力回路が設けられている。このディジタル入力回路には、保護機器の状態に応じて異なる電圧レベルを示す直流電圧が入力される。ディジタル入力回路は、フォトカプラを用いることによって、入力された直流電圧を、入力側と出力側とを電気的に絶縁しつつ、マイコンに伝達することができる(たとえば特許文献1参照)。
特開2008−205920号公報
上述したディジタル保護継電装置において、ディジタル入力回路に入力される直流電圧の大きさは、保護継電装置が設置される電気所の直流電源電圧によって決まる。電気所の直流電源電圧は、通常、電気所内で系統電圧を用いて生成されるため、電力系統の電圧階級ごとに異なる値をとる。
ここで、電力系統の電圧階級は多岐に亘っているため、保護継電装置においては、電圧階級ごとにディジタル入力回路を作り分ける必要がある。このため、保護継電装置の製造コストおよび管理コストが嵩んでしまうという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、保護継電装置において、電圧階級が異なる複数の電力系統間でディジタル入力回路の共通化を実現することである。
この発明に係る保護継電装置は、電力系統の電気量を取込んで第1のディジタル信号として出力するアナログ入力処理部と、スイッチを介して外部直流電源に接続され、スイッチの開閉に応じて入力される二値電圧と、外部直流電源の電圧に応じて設定される閾値電圧とを比較し、比較結果を第2のディジタル信号として出力するディジタル入力処理部と、第1のディジタル信号および第2のディジタル信号に基づいて電力系統の状態を判断することにより開閉器に遮断指令を出力する制御部とを備える。
この発明によれば、ディジタル入力回路を電圧階級が異なる複数の電力系統間で共通化できるため、保護継電装置の製造コストおよび管理コストを削減することができる。
この発明の実施の形態1による保護継電装置の全体構成図である。 図1におけるディジタル入力処理部の構成を示す回路図である。 閾値設定回路の構成の一例を示す回路図である。 閾値設定回路の構成の他の例を示す回路図である。 この発明の実施の形態3による保護継電装置における自動設定モードの処理手順を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態3による保護継電装置における自動設定モードの処理手順を示したフローチャートである。 自動設定モードの処理手順の他の例を示したフローチャートである。 この発明の実施の形態4による保護継電装置におけるディジタル入力処理部の構成を示す回路図である。
以下、実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
実施の形態1.
(保護継電装置の全体構成)
図1は、この発明の実施の形態1による保護継電装置の全体構成図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態1による保護継電装置1は、ディジタル保護継電装置であり、電気所(変電所)の所内に設置される。保護継電装置1は、電力系統を構成する送電線5から電流および電圧の情報(系統電気量)を収集し、その収集した系統電気量に基づいて電力系統の保護・制御を行なう。
電気所の所内には、保護継電装置1の他に、計器用変流器(Current Transformer:CT)2、計器用変圧器(Voltage Transformer:VT)3、遮断器(Circuit Breaker:CB)4、および補助変成器10が設置されている。CT2は、送電線を流れる電流を測定する。VT3は、送電線5に生じる電圧を測定する。CT2およびVT3が測定した電流および電圧の情報(系統電気量)は、補助変成器10を介して保護継電装置1へ入力される。補助変成器10は、CT2およびVT3からの系統電気量を取り込み、より小さな電気量に変換して保護継電装置1へ出力する。
CB4は開閉器の代表例として示される。開閉器には、CB4の他、図示しない断路器(Line Switch:LS)等が含まれる。
保護継電装置1は、収集した系統電気量を用いて保護リレー演算などの必要な演算を実行し、系統事故の発生を検出する。そして、保護継電装置1は、送電線5において事故を検出すると、開閉器に対して遮断指令(トリップ信号)を出力する。
具体的には、保護継電装置1は、アナログ入力処理部20と、制御部30と、出力部40と、ディジタル入力処理部90と、スイッチ92とを備える。
アナログ入力処理部20は、補助変成器10から出力される系統電気量をアナログデータからディジタルデータに変換する。
具体的には、アナログ入力処理部20は、フィルタ21,23と、サンプルホールド(SH)回路24,25と、マルチプレクサ26と、A/D変換器27とを含む。フィルタ21,23は、アナログローパスフィルタであり、補助変成器10から出力される電流および電圧の波形信号からノイズ成分を除去する。フィルタ21,23の出力は、SH回路24,25にそれぞれ入力される。
SH回路24,25はそれぞれ、フィルタ21,23から出力される電流および電圧の波形信号を所定のサンプリング周期でサンプリングする。マルチプレクサ26は、制御部30から入力されるタイミング信号に基づいて、SH回路24,25から入力される波形信号を順次切り替えてA/D変換器27に入力する。A/D変換器27は、マルチプレクサ26から入力される波形信号をアナログデータからディジタルデータに変換する。A/D変換器27は、ディジタル変換した波形信号(ディジタルデータ)を制御部30へ出力する。
制御部30は、保護継電装置1の動作を統括制御する。制御部30は、マイクロコンピュータを主体として構成される。具体的には、制御部30は、CPU(Central Processing Unit)32、ROM(Read Only Memory)33およびRAM(Random Access Memory)34などの記憶部と、入出力インターフェイス(I/F)35と、DO(ディジタル出力)回路36と、周辺I/F回路37とを含む。これらはシステムバス31で結合されている。制御部30は、予めROM33に格納されたプログラムをCPU32がRAM34に読出して実行することによって、保護継電装置1の動作を統括制御する。
具体的には、アナログ入力処理部20からのディジタルデータは、システムバス31を介してCPU32に取り込まれる。CPU32は、入力されるディジタルデータを、ROM33に収められているアルゴリズム(保護継電装置1の判定プログラム)により演算する。CPU32は、演算値が整定値を上回っていれば、DO回路36から出力部40にトリップ信号を発生する。出力部40は、DO回路36からのトリップ信号に応答して遮断指令を発生する。
ディジタル入力処理部90は、保護機器のオンオフ情報を示す信号であるディジタル入力信号を受ける。図1には、保護機器のオンオフ情報を示すディジタル入力信号の一例として、CB4の開閉情報を示すディジタル入力信号が示されている。ディジタル入力信号は、H(論理ハイ)レベルとL(論理ロー)レベルとに二値化された信号である。
ディジタル入力処理部90は、CB4から与えられるディジタル入力信号に基づいてCB4の開閉情報を示すオンオフ信号を生成する。ディジタル入力処理部90は、その生成したオンオフ信号を、周辺I/F回路37を介してシステムバス31へ送信する。CPU32は、システムバス31から与えられるオンオフ信号に基づいて保護継電装置1の出力を常時監視することにより、誤動作側の不良を検出する。
(ディジタル入力処理部の構成)
以下、ディジタル入力処理部90の具体的構成について説明する。図2は、図1におけるディジタル入力処理部90の構成を示す回路図である。図2では、簡単のため、ディジタル入力処理部90は、1つの入力チャネルを有しており、この入力チャネルにCB4(図1)からのディジタル入力信号を受けるものとする。また、図2においては、保護継電装置1の構成要素として、ディジタル入力処理部90および制御部30のCPU32のみが示されているが、保護継電装置1は、図1に示したアナログ入力処理部20、制御部30のCPU32以外の他の要素、出力部40およびスイッチ92をさらに具備していることを確認的に記載する。
図2を参照して、ディジタル入力処理部90は、保護継電装置1に設けられた外部入力端子51,52を介して、電気所の所内に設置された直流電源Eに接続される。直流電源Eの電源電圧Vdcは、電力系統の電圧階級に応じて異なる電圧値を示す。例えば電源電圧Vdcは、48V,110V,220Vなどの値をとる。直流電源Eの正極は外部入力端子51に接続され、直流電源Eの負極は外部入力端子52に接続される。直流電源Eの負極はさらに接地ノードGNDに接続される。
直流電源Eの正極と外部入力端子51との間には、スイッチSWが設けられる。スイッチSWは、CB4からのディジタル入力信号に応じて、閉状態(オン状態)または開状態(オフ状態)に制御される。
具体的には、ディジタル入力信号は、CB4が閉状態のときにH(論理ハイ)レベルとなり、CB4が開状態のときにL(論理ロー)レベルとなる。スイッチSWは、Hレベルのディジタル入力信号に応答して閉状態(オン状態)となり、Lレベルのディジタル入力信号に応答して開状態(オフ状態)となる。すなわち、CB4がオン状態のときにスイッチSWはオン状態に制御され、CB4がオフ状態のときにスイッチSWはオフ状態に制御される。このようにして、スイッチSWは、CB4の開閉動作に連動して開閉する。
そして、スイッチSWがオン状態に制御されると、直流電源Eの電源電圧Vdcが外部入力端子51を介してディジタル入力処理部90に入力される。ディジタル入力処理部90は、外部入力端子51に入力された入力直流電圧Vinに基づいてCB4の開閉状態を示すオンオフ信号を生成する。
具体的には、ディジタル入力処理部90は、抵抗素子53,54と、比較器55と、閾値設定回路56と、フォトカプラ57と、プルアップ抵抗素子58,59とを含む。抵抗素子53,54は、外部入力端子51と外部入力端子52との間にこの順で直列に接続される。抵抗素子53,54は分圧回路を構成する。
分圧回路は、入力直流電圧Vinを抵抗素子53,54で分圧し、分圧電圧Vdivを出力する。入力直流電圧Vinは、スイッチSWのオンオフ状態に応じて、ハイ電圧レベル(電源電圧Vdcに相当)およびロー電圧レベル(接地電圧に相当)の二値をとる。したがって、分圧電圧Vdivも入力直流電圧Vinに応じて二値化された電圧となる。
抵抗素子53および抵抗素子54の接続ノード(分圧回路の出力端子に相当)は、比較器55の非反転入力端子(+端子)に接続される。比較器55の反転入力端子(−端子)には閾値設定回路56で生成された閾値電圧Vthが入力される。
比較器55は、分圧回路から出力された分圧電圧Vdivと、閾値電圧Vthとを比較し、比較結果を出力する。分圧電圧Vdivが閾値電圧Vthを超えているとき、比較器55の出力信号はHレベルとなる。閾値設定回路56の構成は図3で説明する。
フォトカプラ57は、比較器55の出力信号に基づいて、CB4の開閉状態を示すオンオフ信号を生成する。具体的には、フォトカプラ57は、フォトダイオード57aと、フォトトランジスタ57bとを含む。フォトダイオード57aのアノード端子はプルアップ抵抗素子58を介して動作電源60に接続される。なお、ディジタル入力処理部90は、直流電源Eの電源電圧Vdcを動作電源電圧として用いている。フォトダイオード57aのカソード端子は比較器55の出力端子に接続される。フォトトランジスタ57bのコレクタ端子はプルアップ抵抗素子59を介して動作電源60に接続され、エミッタ端子は信号接地SGに接続される。フォトカプラ57は、フォトトランジスタ57bのコレクタ端子にオンオフ信号を発生し、その発生したオンオフ信号をCPU32に出力する。
上記の構成において、比較器55がHレベルの出力信号を出力した場合、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vthを超えている場合、フォトダイオード57aおよびフォトトランジスタ57bが非導通状態になるため、フォトカプラ57の出力信号(オンオフ信号)はHレベルとなる。一方、比較器55がLレベルの出力信号を出力した場合、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth以下となる場合、フォトダイオード57aおよびフォトトランジスタ57bが導通状態になるため、フォトカプラ57の出力信号(オンオフ信号)はLレベルとなる。
このように、ディジタル入力処理部90から出力されるオンオフ信号は、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vthを超えるときHレベルとなり、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth以下となるときLレベルとなる。すなわち、フォトカプラ57は、比較器55の出力信号を電気的に絶縁しながらCPU32に伝達するための送信部を構成する。
ここで、分圧電圧Vdivの大きさは、入力直流電圧Vinに応じて変化する。入力直流電圧Vinは、スイッチSWがオン状態(=CB4がオン状態)のとき直流電源Eの電源電圧Vdcとなり、スイッチSWがオフ状態(=CB4がオフ状態)のとき接地電圧となる。すなわち、スイッチSWの開閉状態(=CB4の開閉状態)に応じて入力直流電圧Vinが電源電圧Vdcまたは接地電圧に切り替わることにより、DI回路37から出力されるオンオフ信号はHレベルまたはLレベルに切替わる。よって、CPU32は、オンオフ信号に基づいてCB4の開閉情報を取得することができる。
その一方で、直流電源Eの電源電圧Vdcは電力系統の電圧階級によって異なるため、入力直流電圧Vinからオンオフ信号を生成するためには、電圧階級ごとにDI回路37を作り分ける必要があり、製造コストおよび管理コストの増大を招いてしまう。
本実施の形態1では、ディジタル入力処理部90を、様々な電圧階級に対応可能な構成とする。具体的には、閾値設定回路56で生成される閾値電圧Vthを、電圧階級に応じて切り替え可能とする。これにより、複数の電圧階級の間でのディジタル入力処理部90の共通化を実現する。
(閾値設定回路56の構成)
以下、閾値設定回路56の具体的構成について説明する。図3は、閾値設定回路56の構成の一例を示す回路図である。
図3を参照して、閾値設定回路56は、プルアップ抵抗素子62と、シャントレギュレータ63と、m個(mは2以上の整数)の分圧回路64_1〜64_mと、m個のオペアンプ67_1〜67_mと、m個のスイッチ68_1〜68_mとを含む。
プルアップ抵抗素子62およびシャントレギュレータ63は、動作電源60と接地ノードGNDとの間にこの順に直列に接続される。シャントレギュレータ63のカソード端子Kはプルアップ抵抗素子62を介して動作電源60に接続され、アノード端子Aは接地ノードGNDに接続され、リファレンス端子Rはカソード端子Kに接続される。シャントレギュレータ63はリファレンス端子Rに基準電圧Vrefを受ける。
m個の分圧回路64_1〜64_mは、シャントレギュレータ63のリファレンス端子Rに対して互いに並列に接続される。分圧回路64_1〜64_mの各々は、リファレンス端子Rと接地ノードGNDとの間に直列に接続された2つの抵抗素子を含む。
例えば分圧回路64_1において、抵抗素子65_1,66_1は、この順でリファレンス端子Rおよび接地ノードGNDの間に直列に接続される。分圧回路64_1は、基準電圧Vrefを分圧比α1で分圧した電圧α1・Vrefを出力する。分圧回路64_1の分圧比α1は、抵抗素子65_1,66_1の抵抗値Ra1,Rb1を用いて表される。分圧比α1は、Rb1/(Ra1+Rb1)に等しい。分圧回路64_1から出力される分圧電圧α1・Vrefは、閾値電圧Vth_1としてオペアンプ67_1の非反転入力端子(+端子)に入力される。
同様にして、残りの分圧回路64_2〜64_mは、基準電圧Vrefを分圧比α2〜αmで分圧した分圧電圧α2・Vref〜αm・Vrefをそれぞれ出力する。分圧電圧α2・Vref〜αm・Vrefは、閾値電圧Vth_2〜Vth_mとして、オペアンプ67_2〜67_mの非反転入力端子にそれぞれ入力される。
ここで、分圧回路64_1〜64_mは、分圧比α1〜αmが互いに異なる値に設定される。よって、m個の分圧電圧α1・Vref〜αm・Vref、すなわち、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mは互いに異なる電圧値をとる。
なお、閾値設定回路56において、シャントレギュレータ63のカソード端子Kとリファレンス端子Rとを直結したことにより、カソード端子Kに印加される電圧を基準電圧Vrefとして、分圧回路64_1〜64_mに供給することができる。そして、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mは、分圧回路64_1〜64_mの分圧比α1〜αmによってそれぞれ決定される。これにより、閾値電圧Vth_1〜Vth_mの各々は、ただひとつの抵抗値によって一律に影響を受けることがないため、一律の誤差の影響を免れることができる。
オペアンプ67_1〜67_mの各々は、非反転増幅回路を構成する。オペアンプ67_1〜67_mの反転入力端子(−端子)と接地ノードGNDとの間には、抵抗素子72_1〜72_mがそれぞれ接続される。オペアンプ67_1〜67_mの出力端子と反転入力端子との間には、抵抗素子73_1〜73_mがそれぞれ接続される。抵抗素子72_1〜72_mの抵抗値は互いに等しく、抵抗素子73_1〜73_mの抵抗値は互いに等しい。オペアンプ67_1〜67_mは、非反転入力端子(+端子)に入力される閾値電圧Vth_1〜Vth_mを所定数倍に増幅した電圧をそれぞれ出力する。この所定数倍は、抵抗素子72_1〜72_mの抵抗値をRpとし、抵抗素子73_1〜73_mの抵抗値をRqとすると、(Rp+Rq)/Rpで表される。
オペアンプ67_1〜67_mの出力端子と閾値設定回路56の出力端子との間には、スイッチ68_1〜68_mがそれぞれ接続される。例えばオペアンプ67_1の出力端子と閾値設定回路56の出力端子との間にはスイッチ68_1が接続され、オペアンプ67_mの出力端子と閾値設定回路56の出力端子との間にはスイッチ68_mが接続される。スイッチ68_1〜68_mの開閉動作は、CPU32(図2)からの制御信号SIG1〜SIGmによって制御される。
具体的には、CPU32は、制御信号SIG1〜SIGmの中から1つの制御信号SIGi(iは1以上m以下の整数)を選択してHレベル(活性状態)とする一方で、残りの(m−1)個の制御信号をLレベル(非活性状態)とする。本実施の形態1では、直流電源Eの電源電圧Vdcと閾値電圧Vthとの関係を予め求めておくとともに、その対応関係を予めマップまたは関係式としてROM33に格納しておく。CPU32は、当該マップまたは関係式を参照して、直流電源Eの電源電圧Vdcに対応する閾値電圧Vthを算出し、その算出した閾値電圧Vthに基づいて、1つの制御信号SIGiをHレベルとする。これにより、スイッチ68_1〜68_mのうち、Hレベルに活性化された制御信号SIGiに応答して、対応するスイッチSW68_iのみがオン状態となる。そして、オン状態のスイッチ68_iに対応するオペアンプ67_iから出力される閾値電圧Vth_iは、閾値電圧Vthとして閾値設定回路56から出力される。
以上のようにして、閾値設定回路56は、直流電源Eの電源電圧Vdcに応じて、電圧値が互いに異なるm個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mを切り替えて出力する。
(作用効果)
このように、この発明の実施の形態1による保護継電装置によれば、ディジタル入力処理部において直流電源から入力される二値電圧を判定するために用いられる閾値電圧Vthは、保護継電装置が設置される電力系統の電圧階級に応じて切り替えられる。これにより、ディジタル入力処理部は様々な電圧階級に容易に対応することができるため、複数の電圧階級の間でディジタル入力処理部を共通化できる。この結果、保護継電装置の製造コストおよび管理コストを低減できる。
また、複数の電圧階級に対応可能なディジタル入力処理部を小型かつ簡素な構成で実現できるため、保護継電装置が大型化するのを防止できる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2では、閾値設定回路56の構成の他の例について説明する。なお、実施の形態2による保護継電装置の全体構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。また、ディジタル入力処理部90の概略構成についても、閾値設定回路56での回路構成を除いて、図2と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図4は、閾値設定回路56の構成の他の例を示す回路図である。
図4を参照して、この発明の実施の形態2による閾値設定回路56Aは、プルアップ抵抗素子62と、シャントレギュレータ63と、m個の抵抗素子69_1〜69_mと、抵抗素子70と、m個のスイッチ71_1〜71_mとを含む。
m個の抵抗素子69_1〜69_mは、プルアップ抵抗62に対して互いに並列に接続される。抵抗素子69_1〜69_mとシャントレギュレータ63のリファレンス端子Rとの間には、スイッチ71_1〜71_mがそれぞれ接続される。
シャントレギュレータ63のカソード端子Kはプルアップ抵抗62を介して動作電源60に接続され、アノード端子Aは接地ノードGNDに接続される。シャントレギュレータ63のリファレンス端子Rと接地ノードGNDとの間には抵抗素子70が接続される。
上記の構成において、スイッチ71_1〜71_mの開閉動作はCPU32(図2)からの制御信号SIG1〜SIGmによって制御される。具体的には、CPU32は、制御信号SIG1〜SIGmの中から1つの制御信号SIGi(iは1以上m以下の整数)を選択してHレベル(活性状態)とする一方で、残りの(m−1)個の制御信号をLレベル(非活性状態)とする。CPU32は、上述したように、予めROM33に格納されたマップまたは関係式を参照して、直流電源Eの電源電圧Vdcに対応する閾値電圧Vthを算出し、その算出した閾値電圧Vthに基づいて、1つの制御信号SIGiをHレベルとする。
スイッチ71_1〜71_mにおいて、このHレベルに活性化された制御信号SIGiに応答して、対応するスイッチ71_iのみがオン状態となる。これにより、抵抗素子69_iと抵抗素子70とは、プルアップ抵抗素子62および接地ノードGNDの間にこの順に直列に接続されて分圧回路を構成する。この分圧回路の分圧比βiは、抵抗素子69_i,70の抵抗値Rci,Rdを用いて表される。分圧比βiは、Rd/(Rci+Rd)に等しい。
抵抗素子69_iおよび抵抗素子70の接続ノードにはリファレンス端子Rからの基準電圧Vrefが入力される。分圧回路は、基準電圧Vrefを分圧比βiで除算した電圧Vref/βiを抵抗素子69_iおよびプルアップ抵抗素子62の接続ノードに発生させる。分圧回路は、この生成した電圧Vth/βiを、閾値電圧Vthとして閾値設定回路56Aの出力端子に出力する。
ここで、閾値設定回路56Aにおいて、m個の抵抗素子69_1〜69_mは互いに異なる抵抗値を有している。したがって、抵抗素子69_1〜69_mは、抵抗素子70と直列に接続されたときに、互いに異なる分圧比β1〜βmを有するm個の分圧回路を構成する。これにより、抵抗素子69_1〜69_mおよびプルアップ抵抗素子62の接続ノードに、互いに異なるm個の電圧Vth/β1〜Vth/βmを発生させることができる。そして、CPU32から出力される制御信号SIG1〜SIGmに応じて、m個の電圧Vth/β1〜Vth/βmのうちの1つが選択され、閾値電圧Vthとして比較器55の反転入力端子に入力される。
(作用効果)
このように、この発明の実施の形態2による保護継電装置によれば、上述の実施の形態1による保護継電装置と同様に、直流電源Eの電源電圧Vdcに応じて閾値電圧Vthを切り替えることによって、ディジタル入力処理部は様々な電圧階級に容易に対応することができる。その結果、複数の電圧階級の間でDI回路を共通化できる。また、複数の電圧階級に対応可能なディジタル入力処理部を小型かつ簡素な構成で実現できる。
さらに、この発明の実施の形態2による閾値設定回路56Aによれば、1つの抵抗素子70に対してm個の抵抗素子69_1〜69_mを切り替えて接続することによって、実質的にm個の分圧回路を形成できるため、実施の形態1による閾値設定回路56(図3)と比較して、抵抗素子の数を減らすことができる。また、m個のオペアンプ67_1〜67_mも不要となる。よって、ディジタル入力処理部の小型化に有利である。
さらに、実施の形態1による閾値設定回路56(図3)においては、シャントレギュレータ63から出力される基準電圧Vrefを抵抗分圧することにより閾値電圧Vthを生成する構成となっているため、Vth_1,Vth_2,・・・,Vth_mの出力インピーダンスが分圧回路の抵抗素子によって高くなってしまう。このため、閾値電圧Vthを受ける比較器55の入力インピーダンスが低い場合には、インピーダンスの不整合によって閾値電圧Vthの精度が低下する可能性がある。そこで、オペアンプ67_1,67_2,・・・,67_mによって電圧を所定倍にし、電流を増幅してVthから流し出している。これに対して、実施の形態2による閾値設定回路56Aによれば、シャントレギュレータ63のカソード端子に生じた電圧をそのまま閾値電圧Vthとして比較器55に入力する構成としたことで、閾値設定回路56Aの出力インピーダンスを低くすることができる。これにより、比較器55の入力インピーダンスへの影響が低減されるため、閾値電圧Vthの精度を向上できる。
また、閾値設定回路56Aにおいては、1つの抵抗素子70に対してm個の抵抗素子69_1〜69_mを切り替えて接続することによって、実質的にm個の分圧回路を形成することができるため、実施の形態1による閾値設定回路56(図3)と比較して、抵抗素子の数を減らすことができる。また、m個のオペアンプ67_1〜67_mも不要となる。この結果、ディジタル入力処理部の小型化に有利である。
また、スイッチ71_1〜71_mをシャントレギュレータ63のカソード端子Kとリファレンス端子Rとの間に互いに並列に設けたことによって、スイッチ71_1〜71_mの間での抵抗値のばらつきの影響を十分に抑えることができるため、閾値電圧Vthの精度を向上できる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、ディジタル入力処理部90における閾値電圧Vthの設定を自動的に行なう方法について説明する。なお、実施の形態3による保護継電装置の全体構成は、図1と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。また、ディジタル入力処理部90の概略構成についても、図2と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
CPU32は、以下に述べる自動設定モードを実行することにより、閾値電圧Vthを自動的に設定する。なお、自動設定モードの実行中には、保護継電装置1は、保護機器のオンオフ状態の判定を行なわないこととする。自動設定モードの実行によって保護継電装置1が設置される電力系統の電圧階級に適応した閾値電圧Vthが設定されるため、その後に保護機器のオンオフ状態を判定することによって、正確な判定が可能となるためである。
以下、図5および図6を参照して、本実施の形態3による保護継電装置1の自動設定モードの処理手順について説明する。
図5および図6は、この発明の実施の形態3による保護継電装置における自動設定モードの処理手順を示したフローチャートである。なお、図5および図6に示すフローチャートは、CPU32において予め格納したプログラムを実行することで実現できる。
図5を参照して、自動設定モードにおいては、最初にステップS01により、閾値電圧Vthの初期設定を行なう。このステップS01の処理は、たとえば保護継電装置1を電気所内に新たに設置するとき、または、電気所内に設置された保護継電装置1をリセットするときに行なわれる。
図3で示したように、閾値設定回路56は、電圧値が互いに異なるm個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mを切り替えて出力可能に構成されている。このm個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mは、m個の直流電源Eの電源電圧Vdcと1対1に対応している。閾値電圧Vth_1〜Vth_mの間には、Vth_1<Vth_2<・・・<Vth_mの関係が成り立っているものとする。
ステップS01において、CPU32は、閾値電圧Vthの初期設定として、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mのうちの最小値Vth_1を選択する。
次に、CPU32は、所定のタイミングで図6のフローチャートに示す処理を実行する。なお、所定のタイミングは、ユーザが任意に定めることができる。たとえば電気角30度毎や1m秒毎などのように、所定周期で図6のフローチャートに示す処理を実行するようにしてもよい。
自動設定モードの実行時、保護継電装置1の外部のスイッチSWはオン状態とされる。これにより、ディジタル入力処理部90には、直流電源Eの電源電圧Vdcに等しい入力直流電圧Vinが印加される。ディジタル入力処理部90は、この入力直流電圧Vinの分圧電圧Vdivを、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mの各々と順次比較する。CPU32は、比較結果に基づいてm個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mの中から最も適当な閾値電圧を閾値電圧Vthに選択する。図6では、理解の容易のために、m=2としたときの閾値電圧Vthの選択について説明する。
具体的には、ステップS11により、ディジタル入力処理部90は、分圧電圧Vdivと閾値電圧Vth_2(>Vth_1)とを比較し、比較結果に基づいてオンオフ信号を生成する。CPU32は、比較結果に基づいて選択された閾値電圧を一時的に保持しておくためのレジスタR1を有している。
オンオフ信号がHレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_2を超えるとき(ステップS11においてNO)、CPU32は、閾値電圧Vth_2が閾値電圧Vthに適すると判断する。CPU32は、ステップS12により、レジスタR1に閾値電圧Vth_2を書込む。
これに対して、オンオフ信号がLレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_2以下であるとき(ステップS11においてYES)、CPU32は、閾値電圧Vth_2が閾値電圧Vthに適さないと判断する。CPU32は、ステップS13により、レジスタR1に閾値電圧Vth_1を書込む。
次に、CPU32は、ステップS14において、現在設定されている閾値電圧Vth(=閾値電圧Vth_1)と、レジスタR1の記憶値とを比較する。レジスタR1の記憶値が現在の閾値電圧Vthより大きいとき(ステップS14においてYES)、CPU32は、ステップS15に進み、閾値電圧VthをレジスタR1の記憶値に更新する。一方、レジスタR1の記憶値が現在の閾値電圧Vth以下であるとき(ステップS14においてNO)、CPU32は閾値電圧Vthの更新を行なわない。
このようにして、ディジタル入力処理部90は、2個の閾値電圧Vth_1,Vth_2を電圧値の低いものから順に切り替えて分圧電圧Vdivと比較し、比較結果を示すオンオフ信号を生成する。CPU32は、ディジタル入力処理部90により生成されたオンオフ信号に基づいて、閾値電圧Vth_1,Vth_2のいずれか一方を、保護継電装置1が設置される電力系統の電圧階級に適応した閾値電圧Vthに選択する。
なお、m≧3とした場合においても、同様の処理手順に従って、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mの中から最適な閾値電圧を選択することができる。図7は、m≧3の場合における自動設定モードの処理手順を示したフローチャートである。CPU32は、所定のタイミングで図7のフローチャートに示す処理を実行する。なお、閾値電圧Vthは、初期設定として、図5のステップS01の処理により、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mのうちの最小値Vth_1に設定されている。
図7を参照して、ステップS21により、ディジタル入力処理部90は、分圧電圧Vdivと閾値電圧Vth2(>Vth1)とを比較し、比較結果に基づいてオンオフ信号を生成する。オンオフ信号がLレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_2以下であるとき(ステップS21においてYES)、CPU32は、閾値電圧Vth_2が閾値電圧Vthに適さないと判断する。CPU32は、ステップS23により、レジスタR1に閾値電圧Vth_1を書込む。
これに対して、オンオフ信号がHレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_2を超えるとき(ステップS21においてNO)、CPU32は、閾値設定回路56から出力される閾値電圧Vthを、閾値電圧Vth_2から閾値電圧Vth_3(>Vth_2)に切り替える。ディジタル入力処理部90は、ステップS22により、分圧電圧Vdivと閾値電圧Vth_3とを比較し、比較結果に基づいてオンオフ信号を生成する。オンオフ信号がLレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_3以下であるとき(ステップS22においてYES)、CPU32は、閾値電圧Vth_3が閾値電圧Vthに適さないと判断する。CPU32は、ステップS24により、レジスタR1に閾値電圧Vth_2を書込む。
これに対して、オンオフ信号がHレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_2を超えるとき(ステップS22においてNO)、CPU32は、閾値設定回路56から出力される閾値電圧Vthを、閾値電圧Vth_3から閾値電圧Vth_4(>Vth3)に切り替える。
このようにしてCPU32は、閾値設定回路56から出力される閾値電圧Vthを電圧値の低いものから順に切り替えていくとともに、ディジタル入力処理部90により生成されるオンオフ信号に基づいてレジスタR1に閾値電圧を書込むという動作を繰り返す。ステップS25では、CPU32は、閾値設定回路56から出力される閾値電圧Vthを、閾値電圧Vth_(m−1)から閾値電圧Vth_m(>Vth_(m−1))に切り替える。ディジタル入力処理部90は、ステップS25により、分圧電圧Vdivと閾値電圧Vth_mとを比較し、比較結果に基づいてオンオフ信号を生成する。オンオフ信号がLレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_m以下であるとき(ステップS25においてYES)、CPU32は、閾値電圧Vth_mが閾値電圧Vthに適さないと判断する。CPU32は、ステップS27より、レジスタR1に閾値電圧Vth_(m−1)を書込む。
これに対して、オンオフ信号がHレベルであるとき、すなわち、分圧電圧Vdivが閾値電圧Vth_mを超えるとき(ステップS25においてNO)、CPU32は、閾値電圧Vth_mが閾値電圧Vthに適すると判断する。CPU32は、ステップS26により、レジスタR1に閾値電圧Vth_mを書込む。
次に、CPU32は、ステップS28において、現在設定されている閾値電圧Vth(=閾値電圧Vth_1)と、レジスタR1の記憶値とを比較する。レジスタR1の記憶値が現在の閾値電圧Vthより大きいとき(ステップS28においてYES)、CPU32は、ステップS29に進み、閾値電圧VthをレジスタR1の記憶値に更新する。一方、レジスタR1の記憶値が現在の閾値電圧Vth以下であるとき(ステップS28においてNO)、CPU32は閾値電圧Vthの更新を行なわない。
(作用効果)
このように、この発明の実施の形態3による保護継電装置においては、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mの最小値Vth1を初期値として閾値電圧Vthを電圧値の低いものから順に切り替えるとともに、閾値電圧Vthと分圧電圧Vdivとを比較する。この比較結果に基づいて、保護継電装置が設置される電力系統の電圧階級に適応した閾値電圧Vthが選択される。このようにして保護継電装置が設置される電力系統の電圧階級に適応した閾値電圧Vthを自動的に設定することができるため、作業者が閾値電圧Vthを設定する作業が不要となる。また、作業者の設定工数を省略できることで保護継電装置の管理コストを低減することができる。さらに、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mを電圧値の低いものから順に切り替えることにより、最適な閾値電圧Vthを効率良く見つけることができる。この結果、閾値電圧Vthの設定に要する時間を短縮できる。
また、分圧電圧Vdivと閾値電圧Vthとの比較動作に基づいて閾値電圧Vthが設定されるため、作業者が閾値電圧Vthを設定する構成と比較して、閾値電圧Vthが誤った電圧値に設定されるのを防止することができる。これにより、保護継電装置の誤動作を未然に防止することができ、保護継電装置の品質向上にも寄与し得る。
なお、保護継電装置に内蔵されたスイッチ92(図1)への入力操作を受け付けたときのように、保護継電装置の外部から与えられる信号によって許可される場合にのみ自動設定モードを実行する構成とすれば、入力直流電圧Vinに重畳したノイズによって閾値電圧Vthが誤設定されるのを防止できる。これによれば、閾値電圧Vthの更新を許可する所定の条件が成立したときにのみ閾値電圧Vthの設定値が更新されるため、保護継電装置の信頼性の向上を図ることができる。また、保護継電装置が通常動作を行なっているときには閾値電圧Vthの更新が行なわれないため、通常動作時におけるCPU32の演算負荷を減らし、演算の高速化を実現できる。
また、閾値電圧Vthの設定を、外部から入力される信号だけでなく、予め設定された所定時間内、たとえば保護継電装置に電源が投入されたタイミング、もしくは保護継電装置がリセットされたタイミングにのみ許可する構成とすれば、閾値電圧Vthの更新が限られた時間内に限定して実行される。これにより、スイッチ92や外部からの信号がなくても、ノイズによって閾値電圧Vthが誤設定される機会を減らすことができ、保護継電装置の信頼性を高めることができる。この構成においても、通常動作時には閾値電圧Vthの更新が行なわれないため、CPU32の演算負荷を減らして演算の高速化を実現できる。
実施の形態4.
上述の実施の形態1〜3では、1チャネル入力のディジタル入力処理部の構成について説明したが、複数の入力チャネルを有するディジタル入力処理部の場合には、複数の入力直流電圧のそれぞれに対応する複数の比較器および閾値電圧が必要となる。この発明の実施の形態4では、複数の入力チャネルを有するディジタル入力処理部の構成について説明する。
この発明の実施の形態4による保護継電装置1Bは、n個(nは2以上の自然数)の外部入力端子51_1〜51_nと、外部入力端子51_1〜51_nからの直流入力電圧Vin1〜Vinnを受けるディジタル入力処理部90Bとを備える。保護継電装置1Bの全体構成は、ディジタル入力処理部90Bを除いて図1と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
図8は、この発明の実施の形態4による保護継電装置1Bにおけるディジタル入力処理部90Bの構成を示す回路図である。
図8を参照して、ディジタル入力処理部90Bは、保護継電装置1Bに設けられたn個の外部入力端子51_1〜51_nおよび外部入力端子52を介して、電気所の所内に設置された直流電源Eに接続される。直流電源Eの正極はn個の外部入力端子51_1〜51_nに共通に接続され、直流電源Eの負極は外部入力端子52に接続される。直流電源Eの負極はさらに接地電圧に接続されている。直流電源Eの電源電圧Vdcは、電力系統の電圧階級に応じて異なる電圧値を示す。
直流電源Eの正極とn個の外部入力端子51_1〜51_nとの間には、n個のスイッチSW1〜SWnがそれぞれ設けられる。n個のスイッチSW1〜SWnはそれぞれ、対応する保護機器から入力されるディジタル入力信号DI1〜DInに応じて、閉状態(オン状態)または開状態(オフ状態)に制御される。すなわち、n個のスイッチSW1〜SWnの各々は、図2のスイッチSWと同様に、対応する保護機器のオンオフ状態に連動して開閉する。そして、スイッチSW1〜SWnがオン状態に制御されると、直流電源Eの電源電圧Vdcが外部入力端子51_1〜51_nを介してディジタル入力処理部90Bに入力される。
ディジタル入力処理部90Bは、n個のDI部90_1〜90_nと、閾値設定回路56とを含む。DI部390_1〜90_nの各々は、図2に示すディジタル入力処理部90と同じ回路構成を有する。ただし、閾値設定回路56は、n個のDI部90_1〜90_nに共通に設けられる。したがって、閾値設定回路56で生成された閾値電圧Vthは、DI部90_1〜90_nの各々に含まれる比較器55の反転入力端子(−端子)に入力される。
DI部90_j(jはn以下の整数)は、対応する外部入力端子51_jに入力される入力直流電圧Vinjを抵抗素子53,54で分圧し、分圧電圧Vdivjを比較器55の非反転入力端子(+端子)に出力する。比較器55は、分圧回路から出力された分圧電圧Vdivjと、閾値電圧Vthとを比較し、分圧電圧Vdivjが閾値電圧Vthを超えているときにHレベルの信号を出力する。フォトカプラ57は、比較器55の出力信号に基づいて、対応する保護機器のオンオフ状態を示すオンオフ信号を生成し、生成したオンオフ信号をCPU32へ出力する。
閾値設定回路56は、図3の閾値設定回路56と同一の回路構成を有している。すなわち、閾値設定回路56は、電圧値が互いに異なるm個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mを切り替えて出力可能に構成されており、CPU32からの制御信号SIG1〜SIGmに応じて、m個の閾値電圧Vth_1〜Vth_mのうちの1つを選択して、閾値電圧VthとしてDI部90_1〜90_nの各々に含まれる比較器55の反転入力端子に入力する。
(作用効果)
このように、この発明の実施の形態4による保護継電装置によれば、複数チャネル入力のディジタル入力処理部において、複数の入力直流電圧の各々を判定するための閾値電圧Vthを、単一の閾値設定回路によって一括して切り替えることができる。これにより、複数の電圧階級に容易に対応可能な複数チャネル入力のディジタル入力処理部を、小型化および簡素化された構成によって実現できる。
なお、上記の実施の形態1〜4では、比較器55の出力信号を電気的に絶縁しながらCPU32に伝達するための送信部にフォトカプラを用いる構成について説明したが、CPU32からの制御信号SIG1〜SIGmを電気的に絶縁しながら閾値設定回路56,56Aに伝達するための受信部についてもフォトカプラを用いる構成としてもよい。これによれば、動作電源電圧に大きな差があるディジタル入力処理部90(または90B)とCPU32との間の電気的絶縁を確実にすることができる。
今回開示された実施の形態がすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1B 保護継電装置、10 補助変成器、20 アナログ入力処理部、21,22 フィルタ、24,25 SH回路、26 マルチプレクサ、27 A/D変換器、30 制御部、31 システムバス、32 CPU、33 ROM、34 RAM、35 I/F、36 DO回路、37 周辺I/F回路、40 出力部、51,51_1〜51_n,52 外部入力端子、53,54,65_1〜65_m,66_1〜66_m,69_1〜69_m,70 抵抗素子、55 比較器、56,56A 閾値設定回路、57 フォトカプラ、58,59,62 プルアップ抵抗素子、60 動作電源、63 シャントレギュレータ、64_1〜64_m 分圧回路、67_1〜67_m オペアンプ、68_1〜68_m,SW,SW1〜SWn スイッチ、90,90B ディジタル入力処理部、90_1〜90_n DI部、E 直流電源。

Claims (6)

  1. 電力系統の電気量を取込んで第1のディジタル信号として出力するアナログ入力処理部と、
    スイッチを介して外部直流電源に接続され、前記スイッチの開閉に応じて入力される二値電圧と、前記外部直流電源の電圧に応じて設定される閾値電圧とを比較し、比較結果を第2のディジタル信号として出力するディジタル入力処理部と、
    前記第1のディジタル信号および前記第2のディジタル信号に基づいて前記電力系統の状態を判断することにより開閉器に遮断指令を出力する制御部とを備え
    前記ディジタル入力処理部は、
    第1の閾値電圧と前記第1の閾値電圧より電圧値が大きい第2の閾値電圧とを有し、前記二値電圧と前記第1および第2の閾値電圧の各々とを比較した結果に応じて前記第1および第2の閾値電圧のいずれか一方を前記閾値電圧として選択する閾値設定回路を含み、
    前記閾値設定回路は、
    前記二値電圧が前記第2の閾値電圧以下であるとき、前記第1の閾値電圧を前記閾値電圧として選択し、
    前記二値電圧が前記第2の閾値電圧より大きいとき、前記第2の閾値電圧と前記閾値電圧として選択し、かつ、
    前記第2の閾値電圧を前記閾値電圧に選択した後は、前記閾値電圧を前記第1の閾値電圧へ更新しない、保護継電装置。
  2. 電力系統の電気量を取込んで第1のディジタル信号として出力するアナログ入力処理部と、
    スイッチを介して外部直流電源に接続され、前記スイッチの開閉に応じて入力される二値電圧と、前記外部直流電源の電圧に応じて設定される閾値電圧とを比較し、比較結果を第2のディジタル信号として出力するディジタル入力処理部と、
    前記第1のディジタル信号および前記第2のディジタル信号に基づいて前記電力系統の状態を判断することにより開閉器に遮断指令を出力する制御部とを備え、
    前記ディジタル入力処理部は、
    電圧値が互いに異なる第1から第n(nは3以上の整数)の閾値電圧を有し、前記二値電圧と前記第1から第nの閾値電圧の各々とを比較した結果に応じて前記第1から第nの閾値電圧のうちのいずれか1つを前記閾値電圧として選択する閾値設定回路を含み、
    前記第1から第nの閾値電圧は、第i(iはn以下の整数)の閾値電圧が第(i−1)の閾値電圧より電圧値が大きくなるように設定され、
    前記閾値設定回路は、
    前記二値電圧が前記第2の閾値電圧以下であるとき、前記第1の閾値電圧を前記閾値電圧として選択し、
    前記二値電圧が前記第(i−1)の閾値電圧より大きく、前記第iの閾値電圧以下であるとき、前記閾値電圧を前記第(i−1)の閾値電圧を前記閾値電圧として選択し、
    前記二値電圧が前記第nの閾値電圧より大きいとき、前記第nの閾値電圧を前記閾値電圧として選択し、かつ、
    前記第iの閾値電圧を前記閾値電圧に選択した後は、前記閾値電圧を前記第(i−1)の閾値電圧以下に更新しない、保護継電装置。
  3. 前記スイッチは、前記ディジタル入力処理部と前記外部直流電源との間に複数設けられ、
    前記閾値電圧は、複数の前記スイッチの開閉に応じて入力される複数の前記二値電圧の間で共通に設定され、
    前記ディジタル入力処理部は、前記複数の二値電圧の各々と前記閾値電圧とを比較し、複数の比較結果を複数の前記第2のディジタル信号として出力する、請求項1または請求項2に記載の保護継電装置。
  4. 前記閾値設定回路は、前記閾値電圧の更新を許可する所定の条件が成立したとき、前記閾値電圧の設定値を更新する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保護継電装置。
  5. 前記閾値設定回路は、
    電源電圧および接地電圧の間に接続され、リファレンス端子がカソード端子に接続されたシャントレギュレータと、
    前記リファレンス端子の電圧を互いに異なる複数の分圧比でそれぞれ分圧することにより、電圧値が互いに異なる複数の前記閾値電圧を生成する複数の分圧回路とを含む、請求項から請求項のいずれか1項に記載の保護継電装置。
  6. 前記閾値設定回路は、
    電源電圧および接地電圧の間に接続され、カソード端子に前記閾値電圧を出力するシャントレギュレータと、
    前記シャントレギュレータのリファレンス端子の電圧を互いに異なる複数の分圧比でそれぞれ除算することにより、電圧値が互いに異なる複数の前記閾値電圧を生成する複数の分圧回路とを含む、請求項から請求項のいずれか1項に記載の保護継電装置。
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