JP6180217B2 - 無線通信システム - Google Patents
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例えば、特許文献1には、通常時には独立して動作する複数の系のシステムを緊急時に有効利用することができるようにした無線通信システムが開示されている。
ここで、各基地局に対して同一周波数を割り当てる場合には、複数の基地局の通信エリアが重複する範囲に端末局が存在する場合に同一波干渉が懸念されるため、その対策が必要となる。
(1) 複数の基地局に対して重複せずに送信タイミングが規定され、各基地局が自己の送信タイミングで当該送信タイミングを示す情報を含む信号を端末局へ送信する無線通信システムであって、前記端末局は、前記規定の内容を示す情報を記憶する記憶手段と、前記基地局から送信される信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された信号に含まれる前記送信タイミングを示す情報と前記記憶手段に記憶された前記規定の内容を示す情報とに基づいて、前記受信手段により受信された信号の送信タイミングを特定し、当該特定した送信タイミングに同期した受信タイミングで前記受信手段により信号を受信させる同期手段と、を備えた、ことを特徴とする。
これにより、端末局は、通信相手となる基地局の送信タイミングに同期して受信処理を行うことができる。
これにより、端末局は、通信の動作状態が良好な基地局を新たな通信相手として、同期の切り替えを行うことができる。
これにより、端末局は、受信レベルの低下に応じて、受信レベルが良化する基地局を新たな通信相手として、同期の切り替えを行うことができる。
これにより、端末局は、新たな通信相手の基地局を選んで同期する処理に要する時間の短縮を図ることができる。
これにより、端末局は、各基地局の通信の動作状態を効率良く収集することができる。
これにより、端末局は、新たな通信相手の基地局を選んで同期する処理に、基地局の優先度を反映させることができる。
これにより、端末局から基地局への信号の送信を、当該基地局に適したタイミングで行うことができる。
以下では、第1〜第10の10個の基地局が共通の制御用チャネルを用いて制御信号を送信するMCA無線システムを例に説明する。まず、本例のMCA無線システムの基本的な構成や動作を図1、図2を参照して説明する。
また、複数の移動局108〜112があり、移動局108,109,110は基地局104のサービスエリア(基地局ゾーン106)に、移動局111,112は基地局105のサービスエリア(基地局ゾーン107)に位置しており、基地局104,105のそれぞれと無線により通信を行う。これら移動局108〜112は、携帯無線機や車載無線機等の移動可能な端末局であるが、固定的に設置された端末局を用いてもよい。
ここでは、2つの移動局108,109間の通信を例に説明する。
まず、移動局108,109は、通信を行っていない時は制御用チャネルで待ち受ける。移動局108が発呼すると、移動局108は、制御用チャネルにて基地局104に通信開始要求を送信する。基地局104は、移動局108からの通信開始要求を受信すると、回線制御装置102に移動局108からの通信開始要求を通知する。回線制御装置102は、通信相手(本例では移動局109)がビジー状態である等の通信不可能状態でなければ、空いている通信用チャネルを割り当てて、通信開始と使用する通信用チャネルを通信相手に通知するよう基地局104に指示を出す。回線制御装置102からの指示を受けた基地局104は、移動局108とその通信相手である移動局109に対して、通信開始と使用する通信用チャネルを通知する。通信開始と使用する通信用チャネルの通知を受けた移動局108,109は、指示に従ってチャネル設定を指定された通信用チャネルに変更し、通信を開始する。
同図の例では、スーパーフレーム内の各サブフレームは、第1の基地局に対応するサブフレームから第10の基地局に対応するサブフレームへと順番に並んでいる。また、サブフレームは30個の無線フレーム(40ms)により構成され、スーパーフレームは300個の無線フレーム(40ms)により構成されている。スーパーフレーム内の各無線フレームには識別情報として0〜299のフレーム番号を付してあり、フレーム番号0〜29の無線フレームが第1の基地局に対応するサブフレームに属し、フレーム番号30〜59の無線フレームが第2の基地局に対応するサブフレームに属し、・・・、フレーム番号270〜299の無線フレームが第10の基地局に対応するサブフレームに属する。
占有区間は、対象の基地局が占有する区間であり、共用区間に比べて長いので比較的容量が大きい情報の送信も可能となる。
共用区間は、全ての基地局が共用する区間であり、全基地局を対象にして順番に2フレームずつ割り当てられる。この割り当ては占有区間対象の基地局の次の基地局から順番に行われ、最後に占有区間対象の基地局の割り当てとなる。
例えば、第1の基地局を占有区間対象の基地局としたサブフレームでは、まず、第1の基地局に10フレームを割り当て、その後、第2の基地局から第10の基地局へと順番に2フレームずつ割り当て、最後に第1の基地局に2フレーム割り当てるフレーム構成となる。
また、サブフレーム内の共用区間で各基地局に割り当てられた2フレームのうち、先頭の1フレームを同期バースト(SB)に用い、次の1フレームを同期バースト又は通信情報用チャネル(SB/SC)に用いる構成となっている。
同図によれば、第1の基地局から第10の基地局の順に送信時間の割り当てが循環して行われる。また、送信時間の割り当てが一巡する間において、1つの基地局に対してのみ長い送信時間(10フレーム)が割り当てられ、他の基地局に対しては短い送信時間(2フレームずつ)が割り当てられる。また、送信時間の割り当てが一巡する毎に長い送信時間の割り当て基地局が順番にシフト(変更)され、1つのスーパーフレームが終了するまでに長い送信時間の割り当てが各基地局に対して1回ずつ行なわれる。すなわち、1つのスーパーフレームにより、全ての基地局に長い送信時間が1回ずつ与えられる一連の周期が完結する。
一方、無線フレームに着目すれば、各々の無線フレームは何れかの基地局に専用的に割り当てられるため、信号の同時送信による衝突が回避される。また、全ての無線フレームが必ず何れかの基地局に割り当てられるため、1つの制御用チャネルを無駄なく利用することができる。
また、長い送信時間と短い送信時間を用意し、送信時間の割り当てが一巡する間において、いずれかの基地局は長い送信時間である第1の信号の送信タイミングを有し、他の基地局は短い送信時間である第2の送信タイミングを有するので、比較的大きい容量の情報を送信する必要がある基地局は第1の送信タイミングを得た際に当該情報の送信を行うことができる。
また、送信時間の割り当てが一巡する毎に、長い送信時間の割り当て基地局が順番にシフト(変更)されるので、特定の基地局に長い送信時間の割り当てが占有されることはなく、各基地局は比較的大きい容量の情報を送信する機会を得ることができる。
同図では第1の基地局に着目しており、スーパーフレーム内の先頭10フレーム(フレーム番号0〜9)が占有区間であり、この占有区間はスーパーフレーム毎に1度の周期で回ってくる。これに対し、共用区間(占有区間以外)においては、占有区間の直後に18フレームの送信無し区間を置いた後に2フレーム分の送信時間があり、その後は28フレーム周期で(26フレームの送信なし区間を置いて)2フレーム分の送信時間が回ってくる。
長い送信時間は、次の割り当てまでの間隔が長いので、比較的即時性を必要としない情報(例えば、報知情報)を載せた信号の送信に用いるようにする。また、基地局から信号を受信する移動局側では、長い送信時間の同期バーストを利用して同期処理を行うことで同期をとりやすくなる。ただし、移動局は短い送信時間における同期バーストで同期を確立してもよい。また、呼接続情報がある場合にその信号の送信に用いるようにしてもよく、即時性が要求される情報を載せた信号の送信に用いることを禁止するものではない。
短い送信時間は、次の割り当てまでの間隔が短いので、呼接続情報等の即時性が要求される情報を載せた信号の送信に用いるようにする。また、情報が無い場合は空線(或いは同期バースト)等を送信する。また、短い送信時間の同期バースト信号は、移動局が基地局との同期を維持するための信号としても利用できる。
本システムの移動局は、基地局捕捉処理や基地局切替処理を有する。
基地局捕捉処理は、移動局の装置の起動時に、任意の基地局に対して同期を試み、いずれかの基地局と同期を取れた場合に、当該基地局が運用に最も適した基地局(以下、最適基地局)であれば当該基地局を通信相手としてそのまま同期捕捉し、最適基地局でなければ同期捕捉の対象(通信相手)を最適基地局に切り替える処理である。
基地局切替処理は、同期捕捉中の基地局が最適基地局でなくなったことが判明した場合(受信レベルが低下した場合)に、最適基地局を選択し直して、同期捕捉の対象を当該選択後の最適基地局に切り替える処理である。
また、基地局を同期捕捉するとは、当該基地局との同期を維持し続け、当該基地局の送信タイミングに同期した受信タイミングで信号を受信すること、すなわち、スーパーフレーム内の各無線フレームのうち当該基地局に送信時間が割り当てられた無線フレームの受信を行うことを意味する。
また、本システムの各基地局は、長い送信時間が割り当てられた送信タイミングにおいて、先頭の数フレームを同期バーストに用い、残りのフレームを通信情報用チャネルに用い、通信情報用チャネルにて、自局の基地局状態(後述する)の情報を含めた報知情報を送信するものとする。
これにより、移動局は、どの基地局と同期を取れたか、及び、当該基地局による信号の送信タイミング(スーパーフレーム内の各無線フレームのうちの当該基地局に送信時間が割り当てられた無線フレーム)を特定でき、当該基地局を同期捕捉すること(当該基地局の送信タイミングに同期した受信タイミングで信号を受信すること)ができる。
本例の移動局は、アンテナ201、受信復調部202、デコード部203、制御部204、RSSI検出部205を有する。
受信復調部202は、アンテナ201により受信された信号を復号する。
デコード部203は、受信復調部202により復号されたデータを各情報要素に分解し、受信データとして制御部204へ出力する。
RSSI検出部205は、受信復調部202からRSSI測定用の情報を受けてRSSIを測定し、測定結果のRSSIの値を制御部204へ出力する。RSSIは、基地局から送信された信号の受信レベルを表す指標である。
ステップS11にて受信データに誤りが無いと判定された場合(当該受信データの誤り率が所定値未満の場合を含む)は、当該受信データの無線フレームに含まれるフレーム番号を取得し、当該取得したフレーム番号で内部のフレーム番号を更新する(ステップS12)。
ステップS11にて受信データに誤りが有ると判定された場合(当該受信データの誤り率が所定値以上のほか、受信データが得られない場合を含む)は、内部のフレーム番号をインクリメント(1つ加算)する(ステップS13)。
本例の管理テーブルには、基地局毎に、「基地局番号」、「RSSI」、「基地局状態」、「優先度」などの情報が格納されている。
“通常運用”は、基地局が上位装置(回線制御装置や通信卓など)を介して他の基地局と通信可能な状態であることを示す。この基地局のサービスエリアに存する移動局は、同サービスエリアに存する他の移動局との通信を行えるだけでなく、当該基地局が上位装置を介して通信可能な他の基地局のサービスエリアに存する他の移動局との通信も行える。
“非常運用”は、基地局が上位装置と通信できず、他の基地局と通信不能な状態であることを示す。この基地局のサービスエリアに存する移動局は、同サービスエリアに存する他の移動局との通信を行えるが、他の基地局のサービスエリアに存する他の移動局とは通信を行えない。
“受信不可”は、基地局との同期が取れず、当該基地局から基地局状態の情報を含む信号を受信できないことを示す。
“不明”は、基地局から未だ基地局状態の情報を含む信号が送信されておらず、基地局状態が分からないことを示す。
なお、上記の基地局状態は一例であり、例えば、グループ通信の実施中を示す状態や、発呼の禁止中を示す状態など、該当基地局を介した通信の動作が如何なる状態にあるかを示す種々の状態を用いることができる。
“ホーム(最優先)”は、最も優先度が高い基地局であること、すなわち、最優先で通信相手に選択する基地局であることを示す。なお、“ホーム(最優先)”に設定される基地局は最大1つであり、“ホーム(最優先)”
を全く設定しなくてもよい。
“非優先”は、最も優先度が低い基地局であること、すなわち、基本的に通信相手に選択せず、他の選択の余地が無い場合に選択する基地局であることを示す。これは、特定の基地局を多数の移動局が同期捕捉することによって輻輳が発生することを避けるために、できるだけ当該移動局で同期捕捉しない基地局を指定するものである。なお、複数の基地局に対して“非優先”を設定してもよく、“非優先”を全く設定しなくてもよい。
“通常”は、優先度が中間程度の基地局であることを示す。
本例では、“ホーム(最優先)”は当該移動局のユーザにより設定され、“非優先”はシステム管理者により設定される。
なお、上記の優先度は一例であり、数値的に優先度を表現してもよい。また、上記のように3段階の優先度ではなく、2段階の優先度や4段階以上の優先度を用いてもよい。
この同期捕捉処理は、基地局捕捉/切替処理部211による基地局捕捉処理や基地局切替処理において実行される。なお、基地局捕捉処理では、任意の基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理を実行し、同期を取れた基地局が最適基地局でない場合に、最適基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理を実行し直す。また、基地局切替処理では、RSSI(受信レベル)が良好な基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理を実行し、同期を取れた基地局が最適基地局でない場合に、最適基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理を実行し直す。
ここで、各基地局は、上位装置やシステム管理者等により、自局の基地局状態として“通常運用”又は“非常運用”が設定されており、自局に割り当てられた長い送信時間において、同期バーストに後続する通信情報用チャネルにて、基地局状態の情報を含めた報知情報を送信するものとする。
次に、デコード部203からの受信データに基づいて、基地局同期捕捉及びフレーム番号取得を行い、これらが成功したか否かを判定する(ステップS22)。
ここで、基地局同期捕捉では、任意の基地局に対して同期を試みる。すなわち、任意の基地局に割り当てられた長い送信時間で送信される同期バーストに基づく同期処理を行い、その結果、いずれかの基地局と同期を取れた時点で成功となる。また、フレーム番号取得は、フレーム番号管理部206において、受信データからフレーム番号を取得できた場合に成功となる。
そして、同期を取れた基地局から遡って送信順がn個前までの基地局(同期に失敗した基地局)を特定し、これら基地局の基地局状態を“受信不可”として第2記憶部209の管理テーブルに登録(更新)する(ステップS24)。
ここで、基地局状態を“受信不可”とする基地局(同期に失敗した基地局)の個数であるnは、経過時間Tim1から算出できる。すなわち、経過時間Tim1を、スーパーフレーム内における長い送信時間の間隔で除算することで算出できる。例えば、フレーム番号
“0”から同期捕捉処理を開始し、フレーム番号 “62”で同期を取れた場合(第3の基地局と同期を取れた場合)には、その前に同期を取る機会があった(長い送信時間が割り当てられた)第1の基地局と第2の基地局は同期に失敗しているため、これらの基地局状態を“受信不可”とする。
また、同期を取れた基地局については、同期バーストに続く通信情報用チャネル内の報知情報から基地局状態(“通常運用”又は“非常運用”)を取得して、第2記憶部209の管理テーブルに登録(更新)する(ステップS25)。
ステップS26において、同期を取れた基地局が同期捕捉対象でないと判定された場合は、ステップS22に戻る。
ステップS26において、同期を取れた基地局が同期捕捉対象であると判定された場合は、同期捕捉処理の成功とし(ステップS27)、処理を終了する。
ステップS28において、1スーパーフレーム時間を経過していないと判定された場合は、ステップS22に戻る。
ステップS28において、1スーパーフレーム時間を経過したと判定された場合は、全ての基地局の基地局状態を“受信不可”として第2記憶部209の管理テーブルに登録(更新)し(ステップS29)、同期捕捉処理の失敗とし(ステップS30)、処理を終了する。
ここでは、基地局捕捉方法として、「優先」、「自動」、「固定」の3つの方法を有する場合を例に説明する。なお、第2記憶部209が保持する基地局情報の管理テーブルにおける優先度が“ホーム(最優先)”の基地局を「ホーム基地局」と呼び、“非優先”
の基地局を「非優先基地局」と呼ぶ。
「自動」は、RSSIが最も良好な基地局を同期捕捉し、その基地局のRSSIが低下した場合に、RSSIが良化する最適基地局を選択して同期捕捉の対象に切り替える。
「固定」は、ホーム基地局のみを同期捕捉し、その基地局のRSSIが低下しても同期捕捉を維持し続ける。
基地局状態が“通常運用”又は“不明”の基地局が存在する場合について説明する。
基地局状態が“通常運用”又は“不明”の基地局の中に、優先度が“ホーム(最優先)”の基地局が存在する場合には、当該基地局を最適基地局に選択する。
また、基地局状態が“通常運用”又は“不明”の基地局の中に、優先度が“ホーム(最優先)”の基地局が存在せず、優先度が“通常”の基地局が存在する場合には、その内でRSSIが最も高い基地局を最適基地局に選択する。
また、基地局状態が“通常運用”又は“不明”の基地局の中に、優先度が“ホーム(最優先)”又は“通常”の基地局が存在せず、優先度が“非優先”の基地局が存在する場合には、その基地局を最適基地局に選択する。なお、優先度が“非優先”の基地局が複数存在する場合には、その内でRSSIが最も高い基地局を最適基地局に選択すればよい。
基地局状態が“非常運用”の基地局が存在する場合において、その中に、優先度が“ホーム(最優先)”の基地局が存在する場合には、当該基地局を最適基地局に選択する。
また、基地局状態が“非常運用”の基地局が存在する場合において、その中に、優先度が“ホーム(最優先)”の基地局が存在せず、優先度が“通常”の基地局が存在する場合には、その内でRSSIが最も高い基地局を最適基地局に選択する。
また、基地局状態が“非常運用”の基地局が存在する場合において、その中に、優先度が“ホーム(最優先)”又は“通常”の基地局が存在せず、優先度が“非優先”の基地局が存在する場合には、その基地局を最適基地局に選択する。なお、優先度が“非優先”の基地局が複数存在する場合には、その内でRSSIが最も高い基地局を最適基地局に選択すればよい。
また、基地局状態が“非常運用”の基地局が存在しない場合(“受信不可”の基地局のみの場合)は、最適基地局に該当する基地局が存在しないと判断する。
図4の例では、基地局状態が“通常運用”又は“不明”の基地局が存在するが、その中には、優先度が“ホーム(最優先)”の基地局が存在せず、優先度が“通常”の基地局が存在するので、その内でRSSIが最も高い基地局が最適基地局に選択されることになる。基地局状態が“通常運用”又は“不明”で優先度が“通常”の基地局のうち、RSSIが最も高いのは、第3の基地局(基地局番号が“3”の基地局)であるため、この基地局が最適基地局として選択される。
ステップS42において同期捕捉処理に成功したと判定された場合は、全ての基地局のRSSIを取得して、基地局情報の管理テーブル(第2記憶部209)に登録する(ステップS43)。ここで、全ての基地局のRSSIの取得は、同期捕捉処理において同期を取れた任意の基地局に割り当てられた長い送信時間(同期を取る際に使用された数フレーム分の同期バーストが含まれる長い送信時間)に後続する一連の短い送信時間(全ての基地局に対して順に割り当てられた短い送信時間)で各基地局から順に送信される信号を用いて実施される。
ステップS45において最適基地局が存在すると判定された場合は、現時点で同期捕捉している基地局が最適基地局と一致するか否かを判定する(ステップS46)。
ステップS46において同期捕捉している基地局が最適基地局と一致しないと判定された場合は、最適基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理部212に同期捕捉処理を再び実行させ(ステップS49)、ステップS44に戻る。
その後、最適基地局算出処理部210に最適基地局を選択させ(ステップS62)、最適基地局が存在するか否か(最適基地局を選択できたか否か)を判定する(ステップS63)。この時点における基地局情報の管理テーブルは、全ての基地局の基地局状態は“不明”のままであり、基地局状態を考慮せずに最適基地局の選択が行われる。
ステップS63において最適基地局が存在すると判定された場合は、最適基地局に長い送信時間が割り当てられたタイミング、すなわち、最適基地局と同期が取れるタイミングまで待機し(ステップS64)、最適基地局を同期捕捉対象に指定して同期捕捉処理部212に同期捕捉処理を実行させ(ステップS65)、最適基地局に対する同期捕捉に成功したか否かを判定する(ステップS66)。
ステップS66において最適基地局に対する同期捕捉に失敗したと判定された場合は、基地局捕捉処理(図11の処理フロー参照)のステップS44に進み、最適基地局の選択や同期捕捉処理を繰り返す。
のタイミングで同期捕捉処理を実行する。これにより、同期捕捉に200msを要する場合には、発着信できない時間も200ms程度となる。
これにより、本例の移動局は、同期を取れた基地局からその後に送信される信号の送信タイミングを把握でき、これを利用して、当該送信タイミングに同期した受信タイミングで受信処理を行うようにした。
そして、最適基地局と同期を取れた後に、再度、それまでに取得した基地局状態及び全ての基地局の受信レベルに基づいて最適基地局を選択し、同期を取れた基地局が最適基地局(再選択後のもの)でない場合には、他の基地局の基地局状態を取得しつつ最適基地局との同期に切り替える処理を、同期を取れた基地局が最適基地局(再選択後のもの)となるまで繰り返すようにした。
これにより、基地局状態の取得や最適基地局の絞り込みを効率的に行うことができ、装置の起動後に最適基地局と同期を取るまでに要する時間を短縮することができる。
そして、受信レベルに基づいて選択した最適基地局と同期を取れなかった場合に、それまでに取得した基地局状態及び全ての基地局の受信レベルに基づいて最適基地局を選択し、同期を取れた基地局が最適基地局(再選択後のもの)でない場合には、他の基地局の基地局状態を取得しつつ最適基地局との同期に切り替える処理を、同期を取れた基地局が最適基地局(再選択後のもの)となるまで繰り返すようにした。
これにより、基地局状態の取得や最適基地局の絞り込みを効率的に行うことができ、受信レベルの低下後に最適基地局と同期を取るまでに要する時間を短縮することができる。また、受信レベルに基づいて選択した最適基地局と同期を取れた場合には、移動局が発着信できない時間を極めて短くすることができる。
また、基地局サーチにおいては妨害波の問題があり、従来は、受信レベルのみでは妨害波と希望波の判別が難しく、信号の中身まで確認する必要があるため、判別に時間が掛かっていたが、本発明では、基地局サーチ結果の基地局毎の受信レベルを比較することで、通常は基地局毎にばらつくはずである受信レベルが多くの基地局でほぼ同じレベルの場合、その周波数において妨害波が存在する可能性があると容易に判定することができる。
201:アンテナ、 202:受信復調部、 203:デコード部、 204:制御部、 205:RSSI検出部、 206:フレーム番号管理部、 207:RSSI判定部、 208:第1記憶部、 209:第2記憶部、 210:最適基地局算出処理部、 211:基地局捕捉/切替処理部、 212:同期捕捉処理部
Claims (7)
- 複数の基地局に対して重複せずに送信タイミングが規定され、各基地局が自己の送信タイミングで当該送信タイミングを示す情報を含む信号を端末局へ送信する無線通信システムであって、
前記端末局は、
前記規定の内容を示す情報を記憶する記憶手段と、
前記基地局から送信される信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号に含まれる前記送信タイミングを示す情報と前記記憶手段に記憶された前記規定の内容を示す情報とに基づいて、前記受信手段により受信された信号に対応する基地局の送信タイミングを特定し、同期捕捉対象の基地局の送信タイミングで同期を取れた場合に、当該基地局の送信タイミングに同期した受信タイミングで前記受信手段により信号を受信させるように、当該基地局を同期捕捉する同期手段と、を備えた、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 前記各基地局は、それぞれ、上位装置と通信可能か否かの情報を含めた報知情報を、自己の送信タイミングで送信し、
前記端末局は、前記各基地局を介した通信の状態を示す基地局状態を管理しており、前記基地局状態は、前記各基地局からの前記報知情報の取得結果に基づいて更新され、
前記同期手段は、少なくとも前記基地局状態に基づいて、前記端末局の通信相手に適した相手基地局を選択し、同期捕捉中の基地局が当該相手基地局とは異なる場合に、当該相手基地局を同期捕捉対象として同期捕捉をやり直す、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記端末局は、前記受信手段により受信された信号の受信レベルを検出する検出手段を備え、
前記同期手段は、同期捕捉中の基地局の送信タイミングに同期した受信タイミングで検出された受信レベルが閾値より小さくなったことに応じて、他の基地局の送信タイミングに同期した受信タイミングでも信号を受信して前記検出手段により前記各基地局の受信レベルを検出し、前記各基地局の受信レベルに基づいて、受信レベルが良化する他の基地局を前記端末局の通信相手に適した相手基地局として選択し、当該相手基地局を同期捕捉対象として同期捕捉をやり直す、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記各基地局に対し、それぞれ、第1の送信タイミングと、当該第1の送信タイミングより短い周期の第2の送信タイミングとが規定され、
前記検出手段は、前記各基地局のそれぞれに対して規定された前記第2の送信タイミングに同期して受信された各信号に基づいて、前記各基地局の受信レベルを検出し、
前記各基地局は、それぞれ、上位装置と通信可能か否かの情報を含めた報知情報を、前記第1の送信タイミングで送信し、
前記端末局は、前記各基地局を介した通信の状態を示す基地局状態を管理しており、前記基地局状態は、前記各基地局からの前記報知情報の取得結果に基づいて更新され、
前記同期手段は、前記選択した相手基地局に対して規定された前記第1の送信タイミングで同期を取れなかった場合に、前記基地局状態及び前記受信レベルに基づいて相手基地局を選択し直し、再選択後の相手基地局を同期捕捉対象として同期捕捉をやり直す、
ことを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。 - 前記基地局状態は、前記選択した相手基地局を同期捕捉対象とした同期捕捉の開始時に初期化され、同期捕捉する処理の実行中に送信タイミングが到来した基地局からの前記運用情報の受信結果に基づいて更新される、
ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。 - 前記端末局は、前記基地局の優先度を示す情報を保持しており、
前記同期手段は、前記相手基地局の選択を、前記優先度を示す情報を加味して行う、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記端末局は、同期捕捉中の基地局の送信タイミング以外のタイミングで、当該基地局へ信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
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