JP6179243B2 - 太陽電池モジュール及びこれに用いられる太陽電池用封止材 - Google Patents

太陽電池モジュール及びこれに用いられる太陽電池用封止材 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池モジュール及びこれに用いられる太陽電池用封止材に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題に対する意識が高まる中、特に太陽光発電については、そのクリーン性や無公害性という点から期待が高まっている。太陽電池は太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの中心部を構成するものである。その構造としては一般的に、複数枚の太陽電池素子(セル)を直列、並列に配線し、セルを保護するために種々パッケージングが行われ、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる面を上部(前面)保護材として透明基材(例えば、ガラス)で覆い、反対面を下部(裏面)保護材(例えば、耐候性フィルムを含むバックシート)で保護し、その間隙を熱可塑性プラスチック(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる封止材(封止樹脂層)で埋めた構成になっている。太陽電池は、コストや省資源等の観点から長期間発電することが要請されており、太陽電池素子や周辺部材を含む太陽電池モジュールの、経時での特性変化や外観変化における信頼性向上が重要となっている。
また、太陽電池を使用する上で問題になるのがホットスポット現象である。ホットスポット現象とは、落葉の付着等により影がかかったセル又は製造不良のセル(ホットスポットセル)に逆バイアスが加わり、抵抗が大きくなって温度上昇を引き起こすという現象である(例えば、非特許文献1を参照)。この現象により、セルの破損や、バックシートに波打ちや膨れ等の外観不良が生じるという問題があり、これに対する対策も重要な課題となっている。
ここで、太陽電池用封止材(封止樹脂層)として広く用いられているエチレン−酢酸ビニル共重合体については、透湿性を有する点や、加水分解により酸を発生し、金属電極等を腐蝕させる点において課題があった。これらの問題を解決する為に、例えば、特許文献1にはエチレン−酢酸ビニル共重合体に対し受酸剤を含有させることで、発生した酸を捕捉することが可能な裏面側封止材(封止膜)が提案されている。しかしながら、架橋剤(有機過酸化物)を含む為、ホットスポット現象が生じる等により、高温に曝された場合に、該架橋剤が分解され、炭酸ガス等を生じ、バックシートの膨れを引き起こす懸念があり、また、受酸剤の添加に伴う透明性の低下から主に裏面側封止材にしか適用できず、前面側封止材には適用し難いことから、充分な解決方法ではないものであった。
一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体の代替として、ポリエチレン系樹脂を用いる封止材として、特許文献2には特定の密度等を有するポリエチレン系樹脂(エチレン−αオレフィン共重合体)に光安定化剤と紫外線吸収剤等を用いることで黄変や紫外線による劣化を抑制した封止材が、特許文献3には特定の密度等を有するポリエチレン系樹脂(シラン変性ポリエチレン)に紫外線吸収剤と光安定剤等を用いることでホットスポット現象に伴う白濁の抑制が可能な封止材(充填材)が、特許文献4にはポリエチレン系樹脂(シラン変性ポリエチレン)に金属不活性剤を含有させることで金属材料の腐蝕を抑制することが可能な封止材を備えるアモルファスシリコン太陽電池モジュールが、それぞれ提案されている。
特開2008−115344号公報 特開2011−155238号公報 特開2007−150069号公報 国際公開第2011/059009号公報
日本工業規格 JIS C8990、「地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール設計適格性確認及び型式認証のための要求事項」
しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体の代替として、ポリエチレン系樹脂を用いた封止材にて太陽電池モジュールを形成した際、確かに酸発生による腐蝕は抑制できるものの、経時で太陽電池素子表面の金属部位が外観変化(黄変)するという、従来想定もされていなかった課題を生じることが、本発明者らの検討により確認された。
特許文献2及び3では、封止材の黄変や白濁に対して効果が期待できるものの、太陽電池素子や金属部位との相互作用について検討されていない。特許文献4では、金属不活性剤の添加によりシラン化合物が起因となる金属部位の腐蝕に対し効果があると記載されているが、金属部位の黄変については検討されていない。この様に、特許文献1〜4では、上述したポリエチレン系樹脂を用いた封止材にて太陽電池モジュールを形成した際、経時で太陽電池素子表面の金属部位が外観変化(黄変)するという課題に関して検討や言及がなされていない。
そこで、本発明の課題は、経時で金属部位に腐蝕及び外観変化(黄変)を生じ難い太陽電池モジュールを提供すること、及びこれに用いられる太陽電池用封止材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、太陽電池素子の金属部位側面に配される封止樹脂層に含まれるポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)と、紫外線吸収剤(B)の溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値を特定の範囲にすることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、この理由を以下のように推定している。一般的に、紫外線吸収剤のように、樹脂と比較して低分子量である添加剤は、経時で熱などの要因により、樹脂系外に放出される現象(ブリードアウト現象)や、隣接する部材に移行する現象が発生することが知られている。このブリードアウト現象や移行現象は、樹脂と添加剤のSP値の差の絶対値や、樹脂と隣接する部材とのSP値の差の絶対値が影響すると考えられている。
ここで、太陽電池素子表面の金属部位は、銀等の金属成分とバインダーとなる樹脂成分とを有機溶媒(例えば、酢酸エチル)に分散させた金属ペーストを常温で塗布し、高温で溶媒除去と焼成を行うことにより設けられることが一般的である。樹脂成分として主に用いられる材料は、有機溶媒に対する溶解性の観点から、SP値が比較的高い(10〜15(cal/cm1/2)材料(例えば、セルロース樹脂やエポキシ樹脂)が選択されている。この樹脂成分は、高温での焼成において大部分が太陽電池素子表面から除去されるが、一部分は残渣として残ることが予想される。
つまり、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子表面の金属部位付近では、SP値の比較的大きい樹脂成分の残渣と、SP値の比較的小さい(7.8〜8.2(cal/cm1/2)ポリエチレン系樹脂が接することになる。紫外線吸収剤は、一般的にポリエチレン系樹脂よりもSP値が大きい為、ポリエチレン系樹脂とのSP値の差の絶対値が大きくなると、ポリエチレン系樹脂からブリードアウトし、金属部位付近の樹脂成分の残渣に移行することが考えられる。この移行した紫外線吸収剤が起因となり、金属部位の外観変化(黄変)現象が発生しているものと考えられる。
すなわち、本発明は、外観変化の要因が種々ある中で、SP値の差の絶対値が特定範囲にあるポリエチレン系樹脂と、紫外線吸収剤とを含む封止樹脂層により、太陽電池素子の金属部位の腐蝕及び外観変化(黄変)の抑制に大きく寄与する太陽電池モジュールを実現することが出来ることを見出したものである。
また、本発明において特定される封止材によれば、太陽電池素子の金属部位の腐蝕及び外観変化(黄変)が生じ難い太陽電池モジュールを実現することができる。本発明はこのような知見に基づき完成するに至ったものである。
本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1] 表面に金属部位を有する太陽電池素子と、少なくとも前記金属部位側面に配される封止樹脂層とを含む太陽電池モジュールであって、前記封止樹脂層が、ポリエチレン系樹脂(A)及び紫外線吸収剤(B)を含有し、かつ、前記ポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)と、前記紫外線吸収剤(B)の溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値が6.0(cal/cm1/2以下であることを特徴とする太陽電池モジュール。
[2] 前記ポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)が7.8〜8.2(cal/cm1/2であることを特徴とする前記[1]に記載の太陽電池モジュール。
[3] 前記ポリエチレン系樹脂(A)がエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール。
[4] 前記紫外線吸収剤の融点が40℃以上である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[5] 前記封止樹脂層が、ASTM 2765−95で測定したキシレン可溶物が70質量%以上であることを特徴とする前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[6] 前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の封止樹脂層に用いられる太陽電池用封止材。
太陽電池素子表面の金属部位に経時で外観変化(黄変)が発生し難い太陽電池モジュールを得ることができる。
太陽電池素子表面の金属部位に経時で外観変化(黄変)が発生し難い太陽電池用封止材を得ることができる。
本発明の太陽電池モジュールは、表面に金属部位を有する太陽電池素子と、少なくとも前記金属部位側面に配される封止樹脂層とを含む太陽電池モジュールであって、前記封止樹脂層が、ポリエチレン系樹脂(A)及び紫外線吸収剤(B)を含有し、かつ、前記ポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)と、前記紫外線吸収剤(B)の溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値が6.0(cal/cm1/2以下であることを特徴とする。
尚、本発明において、封止材及び封止樹脂層なる用語を使用するが、封止材とは、ポリエチレン系樹脂を含む樹脂組成物と、紫外線吸収剤とを含有する組成物からなるもの(例えば、シート状)を指し、封止樹脂層とは、封止材が太陽電池モジュールに組み込まれた状態を指す。
<封止樹脂層>
本発明の太陽電池モジュールに使用される封止樹脂層の材質としては、ポリエチレン系樹脂が用いられる。具体的なポリエチレン系樹脂は以下に例示するが、それらの樹脂は単独で用いられてもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。また、封止樹脂層は単層でもよく、2層以上積層してなるものでもよい。
[ポリエチレン系樹脂(A)]
ポリエチレン系樹脂の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的には超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または超高密度ポリエチレンなどが挙げられる。中でも線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)が、結晶性が低く、透明性や柔軟性に優れるため、太陽電池素子の発電特性を阻害したり太陽電池素子に過剰な応力を加え損傷の原因になる等の不具合を生じにくく、好ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。エチレンと共重合するα−オレフィンの種類としては特に限定されるものではないが、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンが好適に用いられる。ここでエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。本発明においては、工業的な入手しやすさや諸特性、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては、特に限定されるものではないが、通常2モル%以上、好ましくは3モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上であり、かつ、通常40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため好ましい。なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR、JIS K7210:温度190℃、荷重21.18N)は、特に制限されるものではないが、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは2g/10min以上、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは100g/10min以下、より好ましくは50g/10min以下、さらに好ましくは30g/10min以下である。ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性や太陽電池素子(セル)を封止する時の接着性、回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い方、具体的には0.5g/10min以上、5g/10min以下が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を向上させる観点からMFRは、好ましくは2g/10min、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは50g/10min以下、さらに好ましくは30g/10min以下である。さらに、太陽電池素子(セル)を封止する時の接着性や回り込みやすさの観点からは、MFRは、好ましくは2g/10min、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは50g/10min以下、さらに好ましくは30g/10min以下である。
前記ポリエチレン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。封止樹脂層として用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は比較的軟質の樹脂であることが好ましく、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
本発明に用いられるポリエチレン系樹脂の具体例としては、プライムポリマー(株)製の商品名「ハイゼックス(Hizex)」、「ネオゼックス(Neozex)」、「ウルトゼックス(Ultzex)」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」、「ノバテック(Novatec)HD」、「ノバテックLD」、「ノバテックLL」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」、「インフューズ(Infuse)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、「タフマーH(TAFMER H)」、LGケミカル(株)製「ルシーン(LUCENE)」等を例示することができる。
ここで、ポリエチレン系樹脂を用いる場合、柔軟性や透明性、耐熱性の観点から、下記(i)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)と下記(ii)の条件を満足するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)とを含有する樹脂組成物(III)を使用することが好ましい。
(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が0〜70J/g
(ii)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度が100℃以上であり、かつ、結晶融解熱量が5〜70J/g
前記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)は、条件(i)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量が、好ましくは0〜70J/g、より好ましくは5〜70J/g、さらに好ましくは10〜65J/gである。該範囲内であれば、封止樹脂層の柔軟性や透明性(全光線透過率)などが確保されるため好ましい。また、結晶融解熱量が5J/g以上であれば、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいためより好ましい。ここで、該結晶融解熱量の参考値としては、汎用の高密度ポリエチレン(HDPE)が170〜220J/g程度、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が100〜160J/g程度である。
当該結晶融解熱量は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
また、前記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)の結晶融解ピーク温度は、特に限定されるものではないが、通常、100℃未満であり、30〜90℃である場合が多い。ここで、該結晶融解ピーク温度の参考値としては、汎用の高密度ポリエチレン(HDPE)が130〜145℃程度、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が100〜125℃程度である。
当該結晶融解ピーク温度は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
前記エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)の具体例としては、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、「タフマーH(TAFMER H)」、LGケミカル(株)製「ルシーン(LUCENE)」等を例示することができる。
前記エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)のブロック構造は、既述の条件(ii)を満足すれば特に限定されるものではないが、柔軟性、耐熱性、透明性等のバランス化の観点から、コモノマー含有率、結晶性、密度、結晶融解ピーク温度(融点Tm)、又はガラス転移温度(Tg)の異なる2つ以上、好ましくは3つ以上のセグメント又はブロックを含有するマルチブロック構造であることが好ましい。具体的には、完全対称ブロック、非対称ブロック、テーパードブロック構造(ブロック構造の比率が主鎖内で漸増する構造)などが挙げられる。該マルチブロック構造を有する共重合体の構造や製造方法については、国際公開第2005/090425号、国際公開第2005/090426号、及び国際公開第2005/090427号等で詳細に開示されているものを採用することができる。
前記マルチブロック構造を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体について、以下、詳細に説明する。
該マルチブロック構造を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体は、本発明において好適に使用でき、α−オレフィンとして1−オクテンを共重合成分とするエチレン−オクテンマルチブロック共重合体が好ましい。該ブロック共重合体としては、エチレンに対してオクテン成分が多く(約15〜20モル%)共重合されたほぼ非晶性のソフトセグメントと、エチレンに対してオクテン成分が少なく(約2モル%未満)共重合された結晶融解ピーク温度が110〜145℃である高結晶性のハードセグメントが、各々2つ以上存在するマルチブロック共重合体が好ましい。これらのソフトセグメントとハードセグメントの連鎖長や比率を制御することにより、柔軟性と耐熱性の両立を達成することができる。
該マルチブロック構造を有する共重合体の具体例としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「インフューズ(Infuse)」が挙げられる。
前記エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)は、条件(ii)示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度が100℃以上であり、かつ、結晶融解熱量が5〜70J/gを満足することが好ましい。前記エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)の結晶融解ピーク温度は、より好ましくは105℃以上、さらに好ましくは110℃以上であり、上限は通常145℃である。また、結晶融解熱量は、より好ましくは10〜60J/g、さらに好ましくは15〜55J/gである。結晶融解ピーク温度及び結晶融解熱量の測定方法については前述の通りである。
すなわち、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)は、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)とは区別されるものである。
一般に、太陽電池モジュールは発電時の発熱や太陽光の輻射熱などで85〜90℃程度まで昇温するが、結晶融解ピーク温度が100℃以上であれば、封止樹脂層の耐熱性を確保することが出来るため好ましく、一方、上限温度が145℃であれば、太陽電池素子の封止工程であまり高温にすることなく封止することができるため好ましい。また結晶融解熱量が該範囲内であれば、封止樹脂層の柔軟性や透明性(全光線透過率)などが確保され、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため好ましい。
ここで、これらの共重合体(I)及び共重合体(II)を含有する樹脂組成物(III)を使用する場合、共重合体(I)及び共重合体(II)の各々に用いられるα−オレフィンの種類は、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、本発明においては、同一である方が、混合した際の相溶性や封止樹脂層の透明性が向上する、すなわち、太陽電池の光電変換効率が向上するため好ましい。
次に、樹脂組成物(III)中におけるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)とエチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)の含有量は、特に限定されるものではないが、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)/エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)の混合(含有)質量比は、好ましくは、50〜99質量%/1〜50質量%であり、より好ましくは、60〜98質量%/2〜40質量%であり、更に好ましくは、70〜97質量%/3〜30質量%である。ただし、(I)と(II)の合計を100質量部とする。ここで、混合(含有)質量比が該範囲内であれば、柔軟性、耐熱性、透明性等のバランスに優れた封止樹脂層が得られやすいため好ましい。
本発明において、ポリエチレン系樹脂は、後述する紫外線吸収材との組み合わせを考えて適宜選択されるが、ポリエチレン系樹脂の溶解度パラメーター(SP値)は、7.8〜8.2(cal/cm1/2であることが好ましく、より好ましくは、8.0〜8.2(cal/cm1/2である。
SP値がこの範囲であれば、紫外線吸収剤がブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制でき、また、極性基の影響による、太陽電池素子の金属部位や太陽電池モジュールの金属配線の腐蝕を抑制できる為、好ましい。
ここで、SP値は以下のFedorsの式で表される値を示す。
Figure 0006179243
上記の式の計算に使用する各原子または原子団の蒸発エネルギー、モル体積は「R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,147(1974)」に拠る。
また、本発明おいては、異なるm(mが2以上の整数)種類のモノマーを共重合させて得た樹脂を用いる場合、SP値は、下記式により計算する。
SP値(δ)=Xδ+・・・+Xδ
、・・・、Xはそれぞれ使用するモノマーのモル%であり、かつ、X+・・・X=100モル%である。
δ、・・・、δはそれぞれのモノマーのSP値であり、上記式(1)で求めた値である。
さらに、本発明おいては、異なるn(nが2以上の整数)種類の樹脂を用いる場合、SP値は、下記式により計算する。
SP値(δ)=Yδ+・・・+Yδ
、・・・、Yはそれぞれ使用する樹脂の質量%であり、かつ、Y+・・・Y=100質量%である。
δ、・・・、δはそれぞれの樹脂のSP値であり、上記式(1)で求めた値である。
ポリエチレン系樹脂のように、飽和炭化水素骨格を有する材料はSP値が小さくなり、例えば、エステル基、カルボキシル基、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基、シラノール基などの極性基にて変性された材料は、SP値が大きくなる。
本発明に用いられる封止樹脂層には、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、諸物性(柔軟性、耐熱性、透明性、接着性など)や成形加工性あるいは経済性などをさらに向上させる目的で上述した以外の樹脂を混合することができる。該樹脂としては、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、粘着付与樹脂、および各種エラストマー(オレフィン系、スチレン系など)などが挙げられる。
[変性ポリオレフィン系樹脂]
前記変性ポリオレフィン系樹脂の種類は特に限定されるものではないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(E−MMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(E−EAA)、エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体(E−GMA)、アイオノマー樹脂(イオン架橋性エチレン−メタクリル酸共重合体、イオン架橋性エチレン−アクリル酸共重合体)、シラン変性ポリオレフィン、及び無水マレイン酸グラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
また、前記変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの含有量としては特に限定されるものではないが、通常0.5モル%以上、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは2モル%以上であり、かつ、通常40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため好ましい。なお、変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、下記に示すアイオノマー樹脂、シラン変性ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフト共重合体以外は公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸と、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸成分の少なくとも一部を金属イオンもしくは有機アミンのうち少なくともいずれか一方で中和することにより得ることができる。また、アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸エステルと、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸エステル成分の少なくとも一部を鹸化することによっても得ることができる。
シラン変性ポリオレフィンは、限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、後述するシランカップリング剤、及びラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
無水マレイン酸グラフト共重合体は、限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸、及びラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
本発明に用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の具体例として、EVAとしては、日本ポリエチレン(株)製の商品名「ノバテックEVA(NOVATECH−EVA)」、三井・デュポンポリケミカル(株)製の商品名「エバフレックス(EVAFLEX)」、日本ユニカー(株)製の「NUC」シリーズ、EVOHとしては日本合成化学(株)製の商品名「ソアノール(SOARNOL)」、(株)クラレ製の商品名「エバール(EVAL)」、E−MMAとしては住友化学(株)製の商品名「アクリフト(ACRYFT)」、E−EAAとしては日本ポリエチレン(株)製の商品名「レクスパール(REXPEARL EEA)」、E−GMAとしては住友化学(株)製の商品名「ボンドファスト(BONDFAST)」、アイオノマーとしては、三井デュポンポリケミカル(株)製の商品名「ハイミラン(HIMILAN)」、シラン架橋性ポリオレフィンとしては三菱化学(株)製の商品名「リンクロン(LINKLON)」、無水マレイン酸グラフト共重合体としては三井化学(株)製「アドマー(ADMER)」等を例示することができる。
これらの変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂と比較して大きいSP値を有する為、上述した変性ポリオレフィン系樹脂を混合する場合は、所望のSP値を超えない範囲であることが重要であり、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%中、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがさらに好ましい。
[粘着付与樹脂]
前記粘着付与樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、又はそれらの水素添加誘導体などが挙げられる。具体的には、石油樹脂としては、シクロペンタジエン又はその二量体からの脂環式石油樹脂やC9成分からの芳香族石油樹脂があり、テルペン樹脂としてはβ−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂が、クマロン−インデン樹脂としては、例えば、クマロン−インデン共重合体や、クマロン−インデン−スチレン共重合体があり、また、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジンなどのロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂などを例示することができる。また、該粘着付与樹脂は主に分子量により種々の軟化温度を有するものが得られるが、既述のポリエチレン系樹脂と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調や熱安定性などの点から軟化温度が好ましくは100以上、より好ましくは120℃以上で、かつ、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体が特に好ましい。
これらの粘着付与樹脂は、ポリエチレン系樹脂と比較して大きいSP値を有する為、上述した粘着付与樹脂を混合する場合は、所望のSP値を超えない範囲であることが重要であり、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%中、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがさらに好ましい。
<紫外線吸収剤(B)>
本発明の封止樹脂層は、封止樹脂層の劣化、後記の添加剤の分解を防止するため、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
紫外線吸収剤の化学構造は、一般的に、紫外線吸収機能を発現する為の機能部位として、ベンゾフェノン構造(ベンゾフェノン系)、ベンゾトリアゾール構造(ベンゾトリアゾール系)、トリアジン構造(トリアジン系)、サリチル酸エステル構造(サリチル酸エステル系)等の極性構造を有し、樹脂との相溶性を高める為の部位として飽和炭素構造(アルキル鎖)を有する。ここで、極性構造が多くなるほどSP値が大きくなり、飽和炭素構造が多くなるほど、SP値が小さくなる。
SP値が大きくなると、紫外線吸収効果が大きくなり、添加量を抑制できる為好ましい。一方、SP値が小さくなると、樹脂との相溶性が高くブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制できる為好ましいが、本発明においては、前記したポリエチレン系樹脂(A)と紫外線吸収剤(B)とのSP値の差の絶対値が6.0(cal/cm1/2以下になるように選択することが重要である。SP値の差の絶対値は、好ましくは5.0(cal/cm1/2以下であり、より好ましくは4.5(cal/cm1/2以下であり、更に好ましくは4.0(cal/cm1/2以下である。SP値の差の絶対値がこの範囲であれば、紫外線吸収剤がブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制できる為好ましい。
また、下限値は特に規定されないが、好ましくは1.0(cal/cm1/2以上であり、より好ましくは1.5(cal/cm1/2以上であり、更に好ましくは2.0(cal/cm1/2以上である。SP値の差の絶対値がこの範囲であれば、紫外線吸収効果が充分に発現でき、添加量を抑制できる為、好ましい。
紫外線吸収剤の融点は、40℃以上であることが好ましく、より好ましくは60℃以上である。
一般に、太陽電池モジュールは朝から日中にかけては発電時の発熱や太陽光の輻射熱などで温度が上昇し、85〜90℃程度まで達することがある。夕方から夜にかけては温度が低下し、外気温と同様の温度になる。一日毎にこのような温度サイクルを繰り返す。
ここで、紫外線吸収剤の融点以上の環境下に太陽電池モジュールが晒されると、紫外線吸収剤が液状成分として存在する為、ポリエチレン系樹脂からブリードアウトし、太陽電池素子の金属部位付近の樹脂成分の残渣への移行が促進されやすくなるものと考えられるが、融点がこの範囲であれば、太陽電池モジュールとして保管或いは使用(発電)中に固体として存在する時間が長くなり、ブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制できる為好ましい。
紫外線吸収剤の融点の更に好ましい範囲は90℃以上であり、より好ましくは100℃以上である。融点がこの範囲であれば、使用(発電)中に固体として存在することができ、ブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制できる為好ましい。
又、上限値は特に規定されないが、押出キャスト法での成形温度を考慮すると、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは150℃以下である。融点がこの範囲であれば、成形時に溶解し、樹脂中に十分に分散することができ、紫外線吸収効果を十分に発揮できる為、好ましい。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。
紫外線吸収剤の添加量の下限値は、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。紫外線吸収剤の添加量がこの範囲であれば、紫外線吸収効果が充分に発現できる為、好ましい。
一方、上限値は、通常2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下の範囲である。紫外線吸収剤の添加量がこの範囲であれば、紫外線吸収剤がブリードアウトし難くなり、太陽電池素子表面の金属部位の変色(黄変)を抑制できる為好ましい。
[添加剤]
また、本発明に用いられる封止樹脂層には、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、酸化防止剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、顔料(例えば白色顔料)、難燃剤、変色防止剤などが挙げられる。本発明においては、シランカップリング剤、酸化防止剤、耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が添加されていることが後述する理由などから好ましい。
また、本発明においては、封止材を構成する樹脂組成物に架橋剤や架橋助剤を添加する必要はないが、添加することを排除するものではなく、例えば、高度の耐熱性を要求される場合は架橋剤及び/又は架橋助剤を配合することができる。
本発明においては、用いる封止材は実質的に架橋しない封止材であることが好ましい。ここで、実質的に架橋しないとは、ASTM 2765−95で測定したキシレン可溶物が、通常70質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは95質量%以上であることを言う。
また、架橋剤を含有していると、それに起因するアウトガスが発生するものと考えられる。封止材からアウトガスが発生すると、太陽電池モジュールのバックシートに膨れを引き起こし、太陽電池モジュールの品質や外観を劣化させる。そのため、本発明において用いられる封止材は、150℃で10分間加熱した後、測定したアウトガス量が1×10−5g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは5×10−6g/cm以下であり、更に好ましくは1×10−6g/cm以下である。
ここで、アウトガス量は以下の方法で得ることが出来る。
日本分析工業(株)製の加熱脱着装置、商品名「P&TオートサンプラーJTD−505III」を用いて、封止材のシート(縦2mm、横2mm)を150℃で10分間加熱し、発生したアウトガスを、キャリアーガスとしてHeガスを用いて、島津工業(株)製の質量分析装置、商品名「ガスクロマトグラフGC−17A」に移送、定量し、得られたデータから、150℃におけるアウトガス量(g/cm)を求める。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤は、封止樹脂層の保護材(ガラス、樹脂製のフロントシート、バックシートなど)や太陽電池素子などに対する接着性を向上させるのに有用であり、その例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤の具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。本発明においては、接着性が良好であり、黄変などの変色が少ないことなどからγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。該シランカップリング剤の添加量は、押出成形時の樹脂圧の増加やゲル、フィッシュアイなどの異物の発生を抑制するため、また、成形品からのブリードアウトなどの不具合を抑制するためには、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、限定されるものではないが、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。また、接着性を発現させるためには0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。
また、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物などのカップリング剤も有効に活用できる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としては、限定されるものではないが、種々の市販品が適用でき、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系等のフェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の各種タイプのものを挙げることができる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン等を挙げることができる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール(ビタミンE)などを挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートなどを挙げることができる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/又はジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を挙げることができる。
本発明においては、酸化防止剤の効果、熱安定性、経済性などからフェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることが、添加量に対する酸化防止剤としての効果を高めることができるためさらに好ましい。
酸化防止剤の添加量は、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、限定されるものではないが、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、かつ、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
[耐侯安定剤]
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。ヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く、本発明における封止樹脂層には好ましくない。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などを挙げることができる。
ヒンダードアミン系光安定化剤の添加量は、本発明における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、限定されるものではないが、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上であり、かつ、0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
上記の酸化防止剤及び耐侯安定剤は、一般的に添加量が多くなるほど黄変を引き起こしやすいため、必要最少量の添加にとどめることが好ましく、無添加であることも好ましい実施形態である。
本発明の封止樹脂層を構成する封止材又は封止樹脂層の物性としては、柔軟性、耐熱性及び透明性に優れているのが好ましい。
[柔軟性]
本発明に用いられる封止材の柔軟性は、適用される太陽電池の形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整すれば良いが、例えば、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が1〜2000MPaであることが好ましい。太陽電池素子の保護の観点からは貯蔵弾性率(E’)は、より低い方が好ましいが、シート形状で前記した封止材を採取した場合のハンドリング性やシート表面同士のブロッキング防止などを考慮すると、3〜1000MPaであることがより好ましく、5〜500MPaであることがさらに好ましく、10〜100MPaであることが特に好ましい。貯蔵弾性率(E’)は、粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzで所定温度で測定し、温度20℃における値を求めることで得られる。
[耐熱性]
本発明に用いられる封止樹脂層の耐熱性は、封止樹脂層を構成する樹脂の諸特性(結晶融解ピーク温度、結晶融解熱量、MFR、分子量など)により影響されるが、とくに、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)を含有する場合、その結晶融解ピーク温度が強く影響する。一般に、太陽電池モジュールは発電時の発熱や太陽光の輻射熱などで85〜90℃程度まで昇温するが、結晶融解ピーク温度が100℃以上であれば、封止樹脂層の耐熱性を確保することが出来るため好ましい。耐熱性の評価は、例えば、厚み3mmの白板ガラス(サイズ;縦75mm、横25mm)と厚み5mmのアルミ板(サイズ;縦120mm、横60mm)の間に厚みが0.5mmのシート状の封止材を重ね、真空プレス機を用いて150℃、15分の条件で積層プレスした試料を作製し、該試料を100℃の恒温槽内で60度に傾斜して設置し500時間経過後の状態を観察し、ガラスが初期の基準位置からずれなかったものを○、ガラスが初期の基準位置からずれたり、シートが溶融したものを×として優劣を評価することができる。
[透明性]
本発明に用いられる封止樹脂層の全光線透過率は、適用する太陽電池の種類、例えばアモルファスの薄膜系シリコン型などや太陽電子素子に届く太陽光を遮らない部位に適用する場合には、あまり重視されないこともあるが、太陽電池の光電変換効率や各種部材を重ね合わせる時のハンドリング性などを考慮し、85%以上であることが好ましく、87%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
[封止材の製膜方法]
次に、シート状の封止材の製膜方法について説明する。封止材の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.03mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、かつ、1mm程度以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下であればよい。
製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法などを採用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好適に用いられる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性などによって適宜調整されるが、概ね80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上であり、かつ、概ね300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下であり、シランカップリング剤などを添加する場合は反応に伴う樹脂圧の増加やフィッシュアイの増加を抑制するために成形温度を低下させることが好ましい。シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの各種添加剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。また、必要に応じて、シートを巻物とした場合のシート同士のブロッキング防止や太陽電池素子の封止工程でのハンドリング性やエア抜きのしやすさ向上などの目的のためエンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行うことができる。さらに、シートを製膜する際に、シート製膜時のハンドリング性を向上するなどの目的のため、別の基材フィルム(延伸ポリエステルフィルム(OPET)や延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)など)と押出ラミネート法やサンドラミネート法などの方法で積層することができる。
<太陽電池素子>
太陽電池素子としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルルなどのIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
本発明における金属部位を有する太陽電池素子の金属部位とは、金属材料からなる導電部位を表す。
太陽電池素子表面には、発生した電気(電荷)を集電する為の導電部位が設けられる。尚、太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線は、この導電部位に接触するようにして形成される。
この導電部位の材料は、通常金属や、無機及び有機導電材料から選択されるが、本発明においては、導電部位が金属材料からなるものを使用し、その際に本発明の効果を奏し得る。
この金属部位は、銀等の金属成分とバインダーとなる樹脂成分とを有機溶媒(例えば、酢酸エチル)に分散させた金属ペーストを常温で塗布し、高温で溶媒除去と焼成を行うことにより設けられることが一般的であり、樹脂成分として主に用いられる材料は、有機溶媒に対する溶解性の観点から、SP値が比較的高い(10〜15(cal/cm1/2)材料(例えば、セルロース樹脂やエポキシ樹脂)が選択されている。尚、この樹脂成分は、高温での焼成において大部分が太陽電池素子表面から除去されるが、一部分は残渣として残ることが推測され、前述した通り、この残渣と紫外線吸収剤との作用により金属部位の外観変化(黄変)が引き起こされているものと思われる。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、前記した太陽電池素子と、前記した封止樹脂層とを含むが、より詳細には前記封止材(封止樹脂層)を用い、太陽電池素子を上下の保護材で固定することにより製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができ、好ましくは、前記封止材と、上部保護材と、太陽電池素子と、下部保護材とを用いて作製された太陽電池モジュールが挙げられ、具体的には、上部保護材/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/下部保護材のように太陽電池素子の両側から封止材で挟むような構成のもの、下部保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と上部保護材を形成させるような構成のもの、上部保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のものなどを挙げることができる。
なお、本発明の太陽電池モジュールにおいて、封止材が2箇所以上の部位に使用される場合、全ての部位に本発明の封止材を用いても、1箇所のみの部位に本発明の太陽電池封止材を用いて、他の箇所には別の封止材を用いてもよい。また、封止材が2箇所以上の部位に使用される場合、各々の部位に使用される本発明の太陽電池封止材を構成する樹脂組成物は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明の太陽電池モジュールを構成する各部材については、特に限定されるものではないが、上部保護材としては、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などの板材やフィルムの単層もしくは多層の保護材を挙げることができる。下部保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルムなどの単層もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレスなどの金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィンなどの単層もしくは多層の保護材を挙げることができる。これらの上部および/又は下部の保護材の表面には、本発明の太陽電池封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理など公知の表面処理を施すことができる。また、本発明の太陽電池封止材は、太陽電池素子を保護することが主な使用目的であるが、柔軟性の向上、厚みの調整あるいは太陽電池モジュール全体としての絶縁破壊電圧の確保などの目的で太陽電池素子に密着しない部位に使用することも可能である。
本発明の太陽電池封止材を用いて作製された太陽電池モジュールを、既述した上部保護材/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/下部保護材のように太陽電池素子の両側から封止材で挟むような構成のものを例としてさらに詳細に説明する。太陽光受光側から順に、透明基板、本発明の太陽電池封止材を用いた封止樹脂層、太陽電池素子、本発明の太陽電池封止材を用いた封止樹脂層、バックシートが積層されてなり、さらに、バックシートの下面にジャンクションボックス(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
太陽電池モジュールの製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、上部保護材、封止樹脂層、太陽電池素子、封止樹脂層、下部保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程を有する。また、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備なども適用することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状により、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池など屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
本実施例に用いた紫外線吸収剤を下記に示す。
2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ709、SP値:11.2(cal/cm1/2、融点:102℃)(以下、UVA−1と略する)
2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ703、SP値:11.6(cal/cm1/2、融点:137℃)(以下、UVA−2と略する)
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ107、SP値:13.5(cal/cm1/2、融点:129℃)(以下、UVA−3と略する)
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ101、SP値:12.1(cal/cm1/2、融点:63℃)(以下、UVA−4と略する)
2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ102、SP値:10.7(cal/cm1/2、融点:47℃)(以下、UVA−5と略する)
4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ103、SP値:10.3(cal/cm1/2、融点:47℃)(以下、UVA−6と略する)
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ100、SP値:14.3(cal/cm1/2、融点:142℃)(以下、UVA−7と略する)
2,2’、4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(シプロ化成(株)製、商品名:シーソーブ106、SP値:18.0(cal/cm1/2、融点:195℃)(以下、UVA−8と略する)
実施例1
エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(I)として、エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:エンゲージ8200、オクテン含有量:10.1モル%(31質量%)、MFR:5、Tm:65℃、ΔHm:53J/g)を95質量部と、エチレン−α−オレフィンブロック共重合体(II)として、エチレン−オクテンブロック共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:インフューズ9100、オクテン含有量:12.8モル%(37質量%)、MFR:1、Tm:119℃、ΔHm:38J/g)を5質量部の割合で混合した樹脂組成物(III)(SP値:8.1(cal/cm1/2)(以下、PE−1と略する)に、更に紫外線吸収剤としてUVA−1を0.2質量%と、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−503)を0.5質量%添加し、Tダイを備えた40mmφ単軸押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより厚みが0.5mmのシート状の封止材を得た。
次いで、真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:LM30×30)を用いて、熱板温度:150℃、真空引き:5分、プレス:5分の条件で、熱板側から順に、上部保護材として厚みが3mmの白板ガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト)、上記で得られた封止材、太陽電池素子(Qセルズジャパン(株)製結晶シリコン太陽電池素子、商品名:Q6LTT−200(6インチ、2バスバータイプ))、太陽電池用配線(日立電線ファインテック(株)製PVワイヤー、商品名:NoWarp、SSA−SPS 0.2×2.0)、上記で得られた封止材、及び離型フィルムの順に重ね、5層を真空プレスした。常温まで冷却後、離型フィルムを除去し、サイズが縦250mm、横250mmの太陽電池モジュールを作製した。
<評価>
上記で得られた太陽電池モジュールを、300mm×300mmの金属製バットに静置し、85℃のオーブンに入れ、液面が評価用サンプルを下回らないように蒸留水を加えながら、30日経過後の外観を確認し、下記基準で評価した結果を表1に示す。
(1)変色評価
◎:セル表面の金属部位が変色していない。
○:セル表面の金属部位の一部分が変色している。
△:セル表面の金属部位全体が変色している。
×:セル表面の金属部位全体が著しく変色している。
(2)腐食評価
◎:配線表面が変化していない。
○:配線表面の一部が曇っている。
△:配線表面の全体が曇っている。
×:配線表面の全体が著しく曇っている。或いは配線表面に錆びや腐蝕が確認できる。
実施例2〜3、参考例7〜9、比較例1〜2
実施例1において、添加する紫外線吸収剤を表1に示した通りに変更した以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。上記と同様に評価した結果も表1に併せて示す。
参考例1
エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン(株)製、商品名:エバフレックスEV150、酢酸ビニル含有量:14モル%(33質量%)、MFR:30)(SP値:8.4(cal/cm1/2)(以下、EVA−1と略する)に、紫外線吸収剤としてUVA−5を0.2質量%、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−503)を0.5質量%、及び架橋剤(アルケマ吉富(株)製、商品名:ルペロックスTBEC)を1質量%添加し、Tダイを備えた40mmφ単軸押出機を用いて設定温度100℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより厚みが0.5mmのシート状の封止材を得た。得られた封止材を用い、実施例1と同様に太陽電池モジュールを作製し、評価した。結果を表1に示す。
参考例2〜5
表2に示す構成に変更した以外は、実施例5と同様にして太陽電池モジュール作製した。これらの太陽電池モジュールを、下記X〜Zの処理条件によって処理した後、前記基準で、変色評価及び腐食評価を行った。結果を表2に示す。
(処理条件)
X)300mm×300mmの金属製バットに静置し、85℃のオーブンに入れ、液面が評価用サンプルを下回らないように蒸留水を加えながら、30日経過後の外観を確認し、前記基準で評価した。
Y)85℃のオーブンに入れ、30日経過後の外観を確認し、前記基準で評価した。
Z)85℃85%RHの恒温恒湿槽に入れ、30日経過後の外観を確認し、前記基準で評価した。
Figure 0006179243
実施例1〜3、参考例7〜9に示すように、ポリエチレン系樹脂を使用し、SP値の差の絶対値が所望の値にあるものは、変色、腐蝕とも抑制されていた。特に、紫外線吸収剤の融点が90℃を超えるものは、変色が顕著に抑制されていた。一方、SP値の差の絶対値が所望の値よりも大きい比較例1〜2では、変色が見られた。又、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた参考例1では、腐蝕が見られた。
Figure 0006179243
参考例2に示すように、下部保護材を設けた以外は、参考例8と同様にして太陽電池モジュールを作製し、同様な処理条件(前記Xの処理条件)によって処理した後評価した場合、参考例8と同様な変色評価結果は確認されなかった。
参考例3〜6に示すように、前記参考例8と同様な太陽電池モジュールを前記Yの処理条件によって処理した後評価した場合や(参考例3)、前記参考例8と同様な太陽電池モジュールを前記Zの処理条件によって処理した後評価した場合や(参考例4)、前記比較例1と同様な太陽電池モジュールを前記Yの処理条件によって処理した後評価した場合や(参考例5)、又は前記比較例1と同様な太陽電池モジュールを前記Zの処理条件によって処理した後評価した場合(参考例6)、参考例8又は比較例1と同様な変色評価結果は確認されなかった。
このように、評価用太陽電池モジュールが下部保護材を有するまま評価した場合や、又は異なる処理条件によって処理した後評価した場合、SP値の差の絶対値が所望の値を超えても変色評価または腐食評価が確認できない場合がある。
評価用太陽電池モジュールに下部保護材を設けず、85℃の温水で処理して評価することは、より短時間で変色を促進させるができ、変色評価又は腐食評価が確認しやすいため、好ましい。

Claims (5)

  1. 表面に金属部位を有する太陽電池素子と、少なくとも前記金属部位側面に配される封止樹脂層とを含む太陽電池モジュールであって、前記封止樹脂層が、ポリエチレン系樹脂(A)及び融点が100℃以上150℃以下である紫外線吸収剤(B)を含有し、かつ、前記ポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)と、前記紫外線吸収剤(B)の溶解度パラメータ(SP値)との差の絶対値が6.0(cal/cm1/2以下であり、前記ポリエチレン系樹脂(A)がエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記ポリエチレン系樹脂(A)の溶解度パラメータ(SP値)が7.8〜8.2(cal/cm1/2であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記紫外線吸収剤(B)がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記封止樹脂層が、ASTM 2765−95で測定したキシレン可溶物が70質量%以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記請求項1乃至のいずれか1項に記載の封止樹脂層に用いられる太陽電池用封止材。
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