JP6179173B2 - ホログラフィック光学素子の製造方法並びに当該製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子を備えるホログラフィック光コンバイナ - Google Patents

ホログラフィック光学素子の製造方法並びに当該製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子を備えるホログラフィック光コンバイナ Download PDF

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Description

本発明は、干渉縞が形成されたホログラフィック光学素子の製造方法に係り、とりわけ、干渉縞における回折によって生成された再生光がホログラフィック光学素子の内部で全反射されるよう構成されたホログラフィック光学素子の製造方法に関する。また本発明は、当該製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子を備えるホログラフィック光コンバイナに関する。
近年、外界からの映像を含む外界光と、変調器などを用いて人工的に生成された映像などの情報を含む情報光とを合成する光コンバイナを備えたディスプレイ装置が注目されている。例えば特許文献1には、ハーフミラーを利用して外界光と情報光とを合成する、眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ装置が提案されている。また特許文献2には、フロントガラスの内面においてs偏光となる光を用いて構成された情報光を、フロントガラスの内面で反射させることによって、フロントガラスを透過した外界光と情報光とを合成する、ヘッドアップディスプレイ装置が提案されている。
特開平11−346336号公報 特開平2−141720号公報
光コンバイナを備えたディスプレイ装置の応用分野を広げるためには、光コンバイナが可能な限り高い効率で外界光と情報光とを合成することが求められている。しかしながら、特許文献1において提案されているように、光コンバイナとしてハーフミラーが利用される場合、観察者に到達する外界光の光量が光コンバイナにおいて大きく低減されてしまう。また、特許文献2において提案されているように、情報光をs偏光で構成する場合、フロントガラスの内面における情報光の反射率は20%程度である。すなわち、情報光の光量が光コンバイナによって大きく低減されてしまう。
ところで、上述したタイプの光コンバイナ以外にも、反射型ホログラムを用いるタイプの光コンバイナが知られている。反射型ホログラムは、高い波長選択性と、対象となる波長以外の波長からなる光に対する高い透過性とを備えている。このため、反射型ホログラムを利用してディスプレイ装置を構成することにより、外界光に対する高い透過率と、情報光に対する高い反射率とを両立させることができる。
一方、反射型ホログラムを用いて外界光と情報光とを合成する場合、通常は、反射型ホログラムに入射する再生照明光を生成する光源が、外界光および情報光の合成光を視認する観察者と同一の側で観察者の近傍に配置される。このため、上述のような眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ装置を作製する場合、着用者の眼の近傍に光源や変調器が配置されることになり、ディスプレイ装置の利便性や意匠性の観点からは好ましくない。
このような課題を解決するため、反射型ホログラムによって回折された情報光を、反射型ホログラム素子や光コンバイナの内部で全反射によって伝導させ、これによって、光源や変調器の位置を着用者から遠ざけることが考えられる。しかしながら、反射型ホログラム素子によって回折された情報光が反射型ホログラム素子や光コンバイナの内部で全反射するということは、再生光と同一波長の物体光および参照光を用いて感光材に反射型ホログラムを記録する工程のとき、感光材に対する物体光および参照光の入射角が、感光材の界面において物体光および参照光が全反射するような角度になっていることを意味する。このため、感光材を含む積層体に対いて物体光および参照光を大気から直接的に入射させることはできない。従って従来は、積層体の表面に取り付けられたプリズムブロック等を介して物体光または参照光を感光材に入射させることによって、所望の入射角が実現されてきた。しかしながら、干渉縞を記録する度にプリズムブロックの着脱を実施しなければならないため、高い効率で反射型ホログラムを生産することが困難であった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、高い効率でホログラフィック光学素子を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、nの屈折率を有する媒質を通って入射する波長λ1の第1再生照明光を回折するホログラフィック光学素子の製造方法であって、前記ホログラフィック光学素子は、前記第1再生照明光が入射する側から順に積層された第1基材およびホログラム層を備え、前記ホログラム層は、n0の屈折率を有する感光材と、前記感光材に間隔dで形成された干渉縞であって、前記ホログラフィック光学素子の法線方向に対して角度φを成す方向に延びる干渉縞と、を含み、前記干渉縞の前記角度φは、前記ホログラフィック光学素子の法線方向に沿って前記ホログラフィック光学素子の前記第1基材に入射した前記第1再生照明光が前記ホログラム層の前記干渉縞によって回折されることによって生成される第1再生光の、前記ホログラム層における進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ1が、以下の関係式
sin(φ1)≧n/n0
を満たすよう、設定されており、前記ホログラフィック光学素子の製造方法は、前記第1基材と、前記第1基材上に設けられた前記感光材と、を含む積層体を準備する工程と、前記波長λ1よりも長波長の波長λ2の物体光および参照光を前記積層体に入射させて、前記感光材に前記干渉縞を形成する記録工程と、を備え、前記物体光および前記参照光のうちの一方は、前記第1基材側から前記積層体に入射し、前記物体光および前記参照光のうちの他方は、前記第1基材の反対側から前記積層体に入射し、前記物体光および前記参照光のうち前記第1基材側から前記積層体に入射して前記感光材に到達した光の進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ3が、以下の関係式
sin(φ3)<n/n0
を満たしている、ホログラフィック光学素子の製造方法である。
本発明によるホログラフィック光学素子の製造方法において、前記ホログラフィック光学素子は、前記第1基材との間で前記ホログラム層を挟持するよう設けられた第2基材をさらに備えていてもよい。この場合、前記記録工程において、前記物体光および前記参照光のうち前記第2基材側から前記積層体に入射して前記感光材に到達した光の進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ4が、以下の関係式
sin(φ4)<n/n0
を満たしていてもよい。
本発明によるホログラフィック光学素子の製造方法において、前記物体光および前記参照光として、前記積層体と媒質との界面においてp偏光となる光が用いられてもよい。
本発明によるホログラフィック光学素子の製造方法において、前記物体光および前記参照光のうち前記積層体の前記第1基材に入射する光の入射角は、前記第1基材と前記媒質との界面における反射率が1%以下となるよう設定されていてもよい。
本発明は、上記記載の製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子と、前記ホログラフィック光学素子に取り付けられた光伝導媒体であって、前記干渉縞によって回折され、前記第1基材と前記媒質との界面において全反射した後に光伝導媒体に入射した前記第1再生照明光を伝導させる光伝導媒体と、前記光伝導媒体に取り付けられた光合成部であって、前記光伝導媒体から前記光合成部に入射した前記第1再生照明光をその他の光と合成する光合成部と、を備える、ホログラフィック光コンバイナである。
本発明によるホログラフィック光コンバイナにおいて、前記光合成部が、上記記載の製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子を含んでいてもよい。
本発明によれば、干渉縞における回折によって生成された再生光がホログラフィック光学素子の内部で全反射されるよう構成されたホログラフィック光学素子を、高い効率で製造することができる。
図1は、本発明の実施の形態によるホログラフィック光学素子において、第1再生照明光が干渉縞によって回折されることによって生成される第1再生光が全反射される様子を示す図。 図2は、図1のホログラフィック光学素子の干渉縞を記録する方法を示す図。 図3Aは、図1のホログラフィック光学素子を備えたホログラフィック光コンバイナを示す図。 図3Bは、ホログラフィック光コンバイナの変形例を示す図。 図4は、比較の形態において、ホログラフィック光学素子の干渉縞を記録する方法を示す図。
以下、図1乃至図3Aを参照して、本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
ホログラフィック光学素子
まず図1により、本実施の形態によるホログラフィック光学素子10について説明する。ここでは、ホログラフィック光学素子10に含まれる後述するホログラム層が、反射型体積ホログラムとして構成されている例について説明する。なお以下の説明において、ホログラフィック光学素子10のことを単に光学素子10と称することもある。
図1には、nの屈折率を有する媒質を通って光学素子10に入射する波長λ1の第1再生照明光L11が、ブラッグの回折条件に基づいて回折される様子が示されている。媒質は例えば大気であり、この場合、屈折率nは約1である。第1再生照明光L11を生成する光源としては、狭波長帯域の光を発生させるLED光源やレーザ光源等が用いられ得る。
図1に示すように、光学素子10は、第1再生照明光L11が入射する側から順に積層された第1基材20およびホログラム層30を備えている。また光学素子10は、第1基材20との間でホログラム層30を挟持するよう設けられた第2基材40をさらに備えていてもよい。図1において、光学素子10の表面のうち第1再生照明光L11が入射する側の表面が符号11で表されており、符号11で表される表面の反対側にある表面が符号12で表されている。以下の説明において、符号11で表される表面を第1表面11と称し、符号12で表される表面を第2表面12と称することもある。また図1および後述する図2,4においては、光学素子10の法線ndが点線で表されている。
なお図1に示す例においては、第1表面11、第1基材20とホログラム層30との界面、ホログラム層30と第2基材40との界面および第2表面12がいずれも平行になっているが、これに限られることはない。第1表面11および第1基材20とホログラム層30との界面が平行である限りにおいて、様々な層構成の光学素子10が考えられる。
第1基材20および第2基材40はそれぞれ、n1およびn2の屈折率を有する透明材料から構成されている。またホログラム層30は、n0の屈折率を有する感光材と、感光材に間隔dで形成された干渉縞35と、を含んでいる。屈折率n0、屈折率n1および屈折率n2は、3つ全てが同一であってもよく、3つのうち2つが同一であってもよく、若しくは全てが異なっていてもよい。なお図1および後述する図2においては、第1基材20とホログラム層30との界面における光の屈折、およびホログラム層30と第2基材40との界面における光の屈折の描写を省略している。
以下、干渉縞35について説明する。図1に示すように、干渉縞35は、光学素子10の法線方向に対して角度φを成す方向に延びるよう構成されている。ここで角度φ、すなわち干渉縞35が延びる方向は、光学素子10の法線方向に沿って第1基材20に入射してホログラム層30の干渉縞35に到達した第1再生照明光L11がブラッグの回折条件を満たすよう、設定されている。具体的には、第1再生照明光L11および第1再生光L12と干渉縞35とが成す角を符号δ1で表す場合に、以下の関係式が満たされるよう、角度δ1が設定されている。
(2d)×sin(δ1)=k×λ1…(式1)
ここでkは任意の整数である。なお本実施の形態において、干渉縞35に到達する第1再生照明光L11の進行方向は予め定められており、例えば上述のように光学素子10の法線方向に平行な方向となっている。従って、角度φが定まれば角度δ1を算出することができる。具体的には、本実施の形態において、角度δ1は角度φに等しい。このように、角度φと角度δ1とは一対一の関係にある。このため、上記の式1を満たすように角度δ1を設定することは、上記の式1を満たすように角度φを設定することと同義である。
上記の式1を満たすよう角度φが設定されている場合、第1再生照明光L11は、干渉縞35によって高い回折効率で回折され、これによって第1再生光L12が生成される。生成された第1再生光L12は、第1基材20に向かって進むようになる。
次に、干渉縞35の角度φに対して課される更なる条件について説明する。本実施の形態において、光学素子10は、干渉縞35における回折によって生成された第1再生光L12が、光学素子10の内部で全反射されるよう構成されている。具体的には、干渉縞35によって回折された第1再生光L12が第1基材20と大気との界面に到達するときの入射角θ1が全反射条件を満たすよう、設定される。より具体的には、入射角θ1は、以下の関係式が満たされるよう設定されている。
sin(θ1)≧n/n1…(式2)
なお図1に示すように、干渉縞35に到達するときに第1再生照明光L11と干渉縞とが成す角、および、干渉縞35による回折によって生成された第1再生光L12と干渉縞とが成す角は、いずれも上述の角度δ1である。また本実施の形態において、干渉縞35に到達する第1再生照明光L11の進行方向は予め定められており、例えば上述のように光学素子10の法線方向に平行な方向となっている。従って、角度φが定まれば、角度φと、第1基材の屈折率n1およびホログラム層30の感光材の屈折率n0とに基づいて、入射角θ1を算出することができる。すなわち、角度φと入射角θ1とは一対一の関係にある。このため、上記の式2を満たすように入射角θ1を設定することは、上記の式2を満たすように角度φを設定することと同義である。
上記の式2を満たすよう角度φが設定されている場合、図1に示すように、光学素子10の第1表面11において第1再生光L12が全反射される。また図示はしないが、第1表面11において全反射された後に第2基材40に入射した第1再生光L12は、第2表面12においても同様に全反射される。本実施の形態によれば、このように第1再生光L12が光学素子10の内部で全反射を繰り返すことにより、光学素子10の内部で第1再生光L12を低損失で伝導させることができる。すなわち、光学素子10は、反射型ホログラムとして機能するだけでなく、光学素子10が延びる方向に沿って第1再生光L12を伝導させる光伝導体としても機能することができる。このため、第1再生照明光L11の光源から離れた任意の箇所において第1再生光L12を光学素子10から取り出すことが可能になる。このことにより、光学素子10の利便性を高め、光学素子10の応用分野を広げることができる。
なお、第1基材20とホログラム層30との界面における第1再生光L12の屈折がスネルの法則に従うことを考慮すると、上記の式1は、以下のように表すこともできる。
sin(φ1)≧n/n0…(式3)
ここでφ1は、干渉縞35における回折によって生成された第1再生光L12のホログラム層30における進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度を表している。
また上述のように、第1再生照明光L11は、光学素子10の法線方向に沿って干渉縞35に入射する。この場合、角度φ1と角度φとの間には以下の関係式が成立している。
φ1=180−2×φ…(式4)
従って、上記の式3は、以下のように表すこともできる。
sin(180−2×φ)≧n/n0…(式5)
本実施の形態によれば、上記の式1および式5を満たす干渉縞35を形成することにより、反射型ホログラムとして機能するだけでなく、光伝導体としても機能する光学素子10を得ることができる。
なお、図1に示すように第2基材40が設けられており、かつ、第2基材40によって構成される光学素子10の第2表面12が第1表面11に平行である場合、光学素子10の法線方向に沿って第2表面12から光学素子10に入射した波長λ1の第2再生照明光L21を干渉縞35によって回折することにより得られる第2再生光L22についても、大気と第2基材40との間における全反射条件が満たされることになる。すなわち光学素子10は、光学素子10の法線方向に沿って第2表面12から入射した光に対しても、光伝導体として機能することができるようになる。
以下、このような光学素子10を製造する方法について説明する。ここでは、物体光および参照光を用いた干渉露光法によって感光材に干渉縞35を記録する方法について、図2を参照して説明する。
ホログラフィック光学素子の製造方法
はじめに、第1基材20と、第1基材20上に設けられた感光材と、第1基材20との間で感光材を挟持する第2基材40と、を含む積層体を準備する。また、感光材に干渉縞35を形成するための物体光L31および参照光L41を、積層体に入射させる。ここでは、物体光L31が、第1基材20によって構成される第1表面11に入射角θ5で入射し、参照光L41が、第2基材40によって構成される第2表面12に入射角θ6で入射する。
物体光L31および参照光L41は、いずれも波長λ2を有する光となっている。また物体光L31および参照光L41は、干渉性を有するよう構成されており、例えば、同一光源から放射された光を分岐させることによって構成されている。このため、積層体に入射した物体光L31および参照光L41は、感光材において干渉する。これによって、干渉縞35が記録された感光材を含むホログラム層30を第1基材20と第2基材40との間に生成することができる。
以下、物体光L31および参照光L41の入射角並びに波長λ2に関する条件について説明する。
はじめに、第1基材20に対する物体光L31の入射角θ5に関する条件について説明する。本実施の形態において、第1基材20に対する物体光L31の入射角θ5は、第1基材20と感光材との界面に平行な第1表面11において物体光L31がスネルの法則に従って屈折して第1基材20に入射することができるよう、設定されている。具体的には、第1基材20に入射した物体光L31の進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度θ3が、第1表面11における全反射条件を満たさないよう、入射角θ5が設定されている。より具体的には、角度θ5は、以下の関係式が満たされるよう設定されている。
n×sin(θ5)=n1×sin(θ3)…(式6)
sin(θ3)<n/n1…(式7)
なお、第1基材20と感光材との界面における物体光L31の屈折がスネルの法則に従うことを考慮すると、上記の式7は、以下のように表すこともできる。
sin(φ3)<n/n0…(式8)
ここでφ3は、第1基材20から感光材に入射した物体光L31の感光材における進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度を表している。式8を満たすことができるよう、光学素子10の第1表面11に対する物体光L31の入射角を設定することにより、プリズムブロックなどの治具を用いることなく、簡易な設備で干渉縞35を記録することができるようになる。
次に、第2基材40に対する参照光L41の入射角θ6に関する条件について説明する。第2基材40に対する参照光L41の入射角θ6は、物体光L31の入射角θ5の場合と同様に、第2基材40と感光材との界面に平行な第2表面12において参照光L41がスネルの法則に従って屈折して第2基材40に入射することができるよう、設定されていてもよい。具体的には、第2基材40に入射した参照光L41の進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度θ4が、第2表面12における全反射条件を満たさないよう、入射角θ6が設定されている。より具体的には、角度θ6は、以下の関係式が満たされるよう設定されていてもよい。
n×sin(θ6)=n2×sin(θ4)…(式9)
sin(θ4)<n/n2…(式10)
なお、第2基材40と感光材との界面における参照光L41の屈折がスネルの法則に従うことを考慮すると、上記の式10は、以下のように表すこともできる。
sin(φ4)<n/n0…(式11)
ここでφ4は、第2基材40から感光材に入射した参照光L41の感光材における進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度を表している。式11を満たすことができるよう、光学素子10の第2表面12に対する参照光L41の入射角を設定することにより、プリズムブロックなどの治具を用いることなく、簡易な設備で干渉縞35を記録することができるようになる。
感光材に入射角φ3で入射した物体光L31と、感光材に入射角φ4で入射した参照光L41とが干渉することにより、感光材の感光材に干渉縞35が形成される。以下、感光材に対する物体光L31の入射角φ3および参照光L41の入射角φ4、並びに物体光L31および参照光L41の波長λ2に関する条件について説明する。
物体光L31および参照光L41の干渉露光を用いて干渉縞35を形成する場合、形成される干渉縞35の延びる方向は、物体光L31および参照光L41の進行方向の垂直二等分線の方向に一致する。ここで、物体光L31および参照光L41と干渉縞35とが成す角をδ2とすると、角度δ2、波長λ2および干渉縞35の間隔dの間には、以下の関係式が満たされている。
(2d)×sin(δ2)=l×λ2…(式12)
ここでlは任意の整数である。この式12および上述の式1を満たすよう、感光材に対する物体光L31の入射角φ3および参照光L41の入射角φ4、並びに物体光L31および参照光L41の波長λ2を設定することにより、光学素子10の内部で全反射することができる第1再生光L12を生成することができる干渉縞35を、大気から第1表面11を介して光学素子10に入射した物体光L31を用いて記録することができるようになる。
なお、上記の式1のkおよび式9のlがいずれも1である場合、式1および式12を以下のように表すこともできる。
sin(δ1)/λ1=sin(δ2)/λ2…(式13)
ここで上述のように、角度δ1は、干渉縞35が光学素子10の法線方向との間で成す角φに等しい。
また図2に示されている幾何学的な関係から、角度φ、φ3、δ2の間には以下の関係式が成立している。
δ2=180−φ−φ3…(式14)
同様に図2に示されている幾何学的な関係から、角度φ、φ4、δ2の間には以下の関係式が成立している。
δ2=φ+φ4…(式15)
これらの関係式を考慮すると、本実施の形態において、第1再生照明光L11の波長λ1と、物体光L31および参照光L41の波長λ2との間の関係を、以下のように表すこともできる。
sin(φ)/λ1=sin((180−φ3+φ4)/2)/λ2…(式16)
上述の各式を満たす限りにおいて、波長λ1と波長λ2との関係は特には限られないが、波長λ1および波長λ2の組み合わせとして、例えば以下のような組合せが考えられる。
・波長λ1:550nm、波長λ2:647nm
・波長λ1:460nm、波長λ2:532nm
これらの組合せや、上述の各式から明らかなように、通常は、物体光L31および参照光L41の波長λ1は、第1再生照明光L11の波長λ1よりも長波長のものとなっている。
本実施の形態によれば、光学素子10の法線方向に沿って光学素子10に入射した波長λ1の第1再生照明光L11を、干渉縞35を用いて回折することによって得られる第1再生光L12は、光学素子10の内部で全反射することができる。このため、光学素子10の内部で第1再生光L12を低損失で伝導させることができる。また本実施の形態によれば、そのような回折を実現する干渉縞35を、第1基材20と感光材との界面に平行な第1表面11に大気から直接的に入射した波長λ2の物体光L31を用いて記録することができる。すなわち、プリズムブロック等の治具を用いることなく、物体光L31を所望の角度で感光材に入射させることができる。このため、干渉縞35が記録された光学素子10を効率良く生産することができる。
比較の形態
次に、本実施の形態の効果を、比較の形態と比較して説明する。図4は、比較の形態において、感光材に干渉縞35を形成する方法を示す図である。
図4に示す比較の形態においては、波長λ1の物体光L31’および参照光L41’を用いることによって干渉縞35が記録される。他の構成は、図2に示す本実施の形態と略同一である。図4に示す比較の形態において、図2に示す本実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
比較の形態においては、干渉縞35を記録するための物体光L31’および参照光L41’として、第1再生照明光L11と同一の波長λ1を有する光が用いられる。この場合、物体光L31’は通常、物体光L31’ と干渉縞35とが成す角δ2’が、図1に示す角度δ1と等しくなるよう、感光材内を進行する必要がある。このことは、第1基材20に入射した物体光L31’の進行方向と、光学素子10の法線方向との間の角度θ3’が、図1に示す角度θ1と等しくなることを意味している。一方、角度θ1は、第1基材20と大気との界面において光が全反射するよう設定された角度である。従って、図4に示す比較の形態においては、大気などの媒質から直接的に物体光L31’を第1基材20の第1表面11に入射させることが不可能である。従って比較の形態においては、何らかの治具を介して物体光L31’を第1表面11に入射させる必要がある。例えば図4に示すように、第1基材20の第1表面11に対して傾斜した傾斜面81を有するプリズムブロック80を第1基材20に取り付けた状態で、干渉縞35を記録する記録工程を実施することになる。このため比較の形態の記録工程においては、本実施の形態の記録工程に比べて、プリズムブロック80を第1基材20に着脱する作業が余分に必要になる。
これに対して本実施の形態によれば、上述の各式を満たすよう設定された波長λ2の光を物体光L31および参照光L41として用いることにより、物体光L31を大気などの媒質直接的に第1基材20の第1表面11に入射させ、かつ、参照光L41を大気などの媒質直接的に第2基材40の第2表面12に入射させることができる。このため、プリズムブロック80などの治具を用いることなく、容易に干渉縞35を感光材に記録してホログラム層30を得ることができる。
次に、このようにして得られた光学素子10の用途について、図3Aを参照して説明する。ここでは、用途の一例として、光学素子10を備えたホログラフィック光コンバイナ50について説明する。なお以下の説明において、ホログラフィック光コンバイナ50のことを単に光コンバイナ50と称することもある。
ホログラフィック光コンバイナ
図3Aに示すように、光コンバイナ50は、光伝導媒体55と、光伝導媒体55の長手方向の両端に設けられた一対の光学素子10と、を備えている。なお、以下の説明において、光伝導媒体55の長手方向における一方の端部、具体的には図3Aに示す左側の端部に取り付けられている光学素子10を、第1光学素子10Aと称し、光伝導媒体55の長手方向における他方の端部、具体的には図3Aに示す右側の端部に取り付けられている光学素子10を、第2光学素子10Bと称することもある。また図3Aにおいて、光伝導媒体55の長手方向に平行に延びる光伝導媒体55の一対の表面がそれぞれ符号51,52で表されている。
光伝導媒体55は、光伝導媒体55の内部で全反射によって光を伝導させることができるよう構成されたものである。例えば光伝導媒体55は、約1.5の屈折率を有する材料から構成されている。
第1光学素子10Aは、大気などの媒質と光伝導媒体55との間での全反射条件を満たす角度で波長λ1の光を光伝導媒体55に入射させるよう、配置されている。例えば図3Aに示すように、第1光学素子10Aは、干渉縞35によって第1再生照明光L11を回折することによって得られる第1再生光L12が、媒質と第1基材20との間の界面で1回全反射した後に光伝導媒体55に入射するよう、配置されている。なお図3Aに示すように第1光学素子10Aが第2基材40を備えている場合、第1再生光L12は、媒質と第1基材20との界面で1回全反射した後、媒質と第2基材40との界面においてもう1回全反射した後に光伝導媒体55に入射してもよい。
第2光学素子10Bは、光伝導媒体55から第2光学素子10Bに入射した光が、干渉縞35によって回折された後に第2光学素子10Bから出射されるよう、配置されている。なお、第1光学素子10Aおよび第2光学素子10Bとして、同一の干渉縞35を有する光学素子10が用いられる場合、図3Aに示すように、第2光学素子10Bから出射される際の第1再生光L12は、第2光学素子10Bの法線方向に沿って進むようになる。
なお図3Aに示す例においては、第1光学素子10Aが光伝導媒体55の長手方向における端部に取り付けられる例を示したが、これに限られることはない。光伝導媒体55の内部で全反射することができる角度で第1再生光L12を光伝導媒体55に入射させることができる限りにおいて、第1光学素子10Aと光伝導媒体55との様々な組み合わせ方法が考えられる。例えば図3Bに示すように、第1光学素子10Aが光伝導媒体55の第1表面51または第2表面52に取り付けられていてもよい。
同様に、光伝導媒体55から入射した第1再生光L12を適切に外部に取り出すことができる限りにおいて、第2光学素子10Bと光伝導媒体55との組み合わせ方法が限られることはない。例えば図3Bに示すように、第2光学素子10Bが光伝導媒体55の第1表面51または第2表面52に取り付けられていてもよい。
以下、光コンバイナ50の使い方の一例について、図3Aを参照して説明する。ここでは、光コンバイナ50が、車載用のディスプレイ装置として利用される場合について説明する。
はじめに、図示しない光源を用いて、波長λ1の第1再生照明光L11を生成する。次に、SLMなどの変調器60を用いて、車を運転する上で有用な情報、例えば速度情報を第1再生照明光L11に重畳する。所定の情報が重畳された第1再生照明光L11は、図3Aに示すように、第1光学素子10Aの法線方向に沿って第1光学素子10Aの第1基材20に入射する。
第1光学素子10Aに入射した第1再生照明光L11は、干渉縞35によって回折されて第1再生光L12となった後、光伝導媒体55に入射する。ここで第1光学素子10Aの干渉縞35は、第1再生光L12が、第1光学素子10Aの第1表面11および第2表面12、並びに、第1表面11および第2表面12と平行に延びる表面において全反射するよう、構成されている。このため光伝導媒体55は、第1表面11および第2表面12に平行な第1表面51および第2表面52において第1再生光L12を全反射することができ、これによって、光伝導媒体55の長手方向に沿って第1再生光L12を伝導することができる。
光伝導媒体55によって所定距離だけ伝導された後の第1再生光L12は、第2光学素子10Bに入射する。第2光学素子10Bには、第1光学素子10Aの干渉縞35と同様の干渉縞35が形成されており、このため干渉縞35によって回折された第1再生光L12は、第2光学素子10Bの第2表面12から出射することができる角度で進むようになる。この結果、第1再生光L12は、第2光学素子10Bの第2表面12から取り出されて、観察者、この場合は車の運転者に到達する。
また第2光学素子10Bには、図3Aにおいて符号L51で表されているように、車の外部から車内に入射した外界光L51も入射している。ここ外界光L51は、様々な波長の光を含む白色光である。一方、第2光学素子10Bは、所定の波長の光のみを選択的に回折する反射型体積ホログラムとして構成されている。このため、第2光学素子10Bに入射した外界光L51の大部分は、第2光学素子10Bを透過して観察者に到達する。このように、第2光学素子10Bは、第1再生光L12と外界光L51とを高い効率で合成する光合成部70として機能することができる。
このように本実施の形態によれば、光学素子10の干渉縞35における回折と、光学素子10の内部や光伝導媒体55の内部における全反射とを利用することにより、人工的に生成された情報を含む情報光を低損失で観察者まで伝導させることができる。このため、情報光を生成するための光源や変調器を、観察者から離れた所望の位置に設置することができる。また、光学素子10における高い波長選択性のため、外界からの映像を含む外界光を低損失で情報光に合成することができる。これらのことにより、本実施の形態によれば、高い利便性を有し、かつ低損失で光を合成することができる光コンバイナ50を提供することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
屈折率の異なる2つの物質の界面に光が入射するとき、p偏光とs偏光では界面における反射率が異なることが知られている。具体的には、p偏光の反射率は、入射角を0度から増加するにつれて減少し、ブリュースター角と呼ばれる所定の角度で0になる。ブリュースター角を超えて入射角をさらに増加させると、p偏光の反射率は増加していく。一方、s偏光の反射率は、入射角を0度から増加するにつれて単調に増加する。
ところで、上述の本実施の形態においては、第1表面11から第1基材20に入射して感光材に到達した物体光L31と、第2表面12から第2基材40に入射して感光材に到達した参照光L41とが干渉することによって干渉縞35が形成されることが想定されている。従って、仮に感光材を透過した後に第2基材40と大気との界面において反射された物体光L31が再び感光材に戻ってきてしまうと、想定されていない干渉が感光材において生じ、この結果、意図しない干渉縞が形成されることが考えられる。従って、好ましくは、第1基材20に対する物体光L31の入射角θ5は、第2基材40と大気との界面における物体光L31の反射を防ぐまたは抑制することができるよう、設定されている。
ここで上述のように、p偏光における反射率は、所定の角度において0になる。このような特性を利用して、物体光L31の反射を防ぐまたは抑制するため、好ましくは物体光L31として、第2基材40と大気との界面においてp偏光となる光が用いられる。この場合、第2基材40と大気との界面における物体光L31の入射角θ7がブリュースター角またはブリュースター角近傍の角度になるよう、第1表面11に対する物体光L31の入射角θ5を設定することにより、第2基材40と大気との界面での物体光L31の反射を防ぐまたは抑制することができる。これによって、意図しない干渉縞が形成されることを防ぐことができる。
第1表面11に対する物体光L31の入射角θ5の具体的な値は特には限られないが、例えば入射角θ5は、第2基材40と大気との界面での物体光L31の反射率が1%以下になるよう、設定されている。例えば、第2基材40の屈折率n2が1.55であり、大気などの媒質nの屈折率が1である場合、第2基材40と大気との界面でのブリュースター角は約57度になる。従って、入射角θ7が46度〜64度の範囲内になるよう、第1表面11に対する物体光L31の入射角θ5が設定されていてもよい。なお、第1基材20の屈折率n1と第2基材40の屈折率n2とが同一である場合、第2基材40と大気との界面での物体光L31の入射角θ7がブリュースター角になっていると、同様に大気と第1基材20との界面での物体光L31の入射角θ5もブリュースター角になる。従って、第2基材40と大気との界面での物体光L31の反射を防ぐだけでなく、大気と第1基材20との界面での物体光L31の反射を防ぐこともできる。
物体光L31の場合と同様に、参照光L41としても好ましくは、第1基材20と大気との界面においてp偏光となる光が用いられる。この場合、第1基材20と大気との界面における参照光L41の入射角θ8がブリュースター角またはブリュースター角近傍の角度になるよう、第2表面12に対する参照光L41の入射角θ6を設定することにより、第1基材20と大気との界面での参照光L41の反射を防ぐまたは抑制することができ、これによって、意図しない干渉縞が形成されることを防ぐことができる。例えば、入射角θ8が27.5度〜35.5度の範囲内になるよう、第2表面12に対する参照光L41の入射角θ6が設定されていてもよい。
(第2の変形例)
また上述の本実施の形態において、第1基材20の第1表面11と平行な第2表面12を有する第2基材40が光学素子10に設けられる例を示したが、これに限られることはない。感光材における進行方向と光学素子10の法線方向とが成す角度φ4が上述の各式を満たすよう、参照光L41を感光材に入射させることができる限りにおいて、様々な層構成の光学素子10を採用することができる。
(第3の変形例)
また上述の本実施の形態において、物体光L31が第1表面11から入射され、参照光L41が第2表面12から入射される例を示したが、これに限られることはない。例えば、参照光L41を第1表面11から入射させ、物体光L31を第2表面12から入射させることによって、感光材に干渉縞35を形成する記録工程を実施してもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 光学素子
20 第1基材
30 ホログラム層
35 干渉縞
40 第2基材
50 ホログラフィック光コンバイナ
55 光伝導媒体
60 変調器
70 光合成部
L11 第1再生照明光
L12 第1再生光
L21 第2再生照明光
L22 第2再生光
L31 物体光
L41 参照光
L51 外界光

Claims (5)

  1. nの屈折率を有する媒質を通って入射する波長λ1の第1再生照明光を回折するホログラフィック光学素子の製造方法であって、
    前記ホログラフィック光学素子は、前記第1再生照明光が入射する側から順に積層された第1基材およびホログラム層を備え、
    前記ホログラム層は、n0の屈折率を有する感光材と、前記感光材に間隔dで形成された干渉縞であって、前記ホログラフィック光学素子の法線方向に対して角度φを成す方向に延びる干渉縞と、を含み、
    前記干渉縞の前記角度φは、前記ホログラフィック光学素子の法線方向に沿って前記ホログラフィック光学素子の前記第1基材に入射した前記第1再生照明光が前記ホログラム層の前記干渉縞によって回折されることによって生成される第1再生光の、前記ホログラム層における進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ1が、以下の関係式
    sin(φ1)≧n/n0
    を満たすよう、設定されており、
    前記ホログラフィック光学素子の製造方法は、
    前記第1基材と、前記第1基材上に設けられた前記感光材と、を含む積層体を準備する工程と、
    前記波長λ1よりも長波長の波長λ2の物体光および参照光を前記積層体に入射させて、前記感光材に前記干渉縞を形成する記録工程と、を備え、
    前記物体光および前記参照光のうちの一方は、前記第1基材側から前記積層体に入射し、前記物体光および前記参照光のうちの他方は、前記第1基材の反対側から前記積層体に入射し、
    前記物体光および前記参照光のうち前記第1基材側から前記積層体に入射して前記感光材に到達した光の進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ3が、以下の関係式
    sin(φ3)<n/n0
    を満たしており、
    前記ホログラフィック光学素子は、前記第1基材との間で前記ホログラム層を挟持するよう設けられた第2基材をさらに備え、
    前記記録工程において、前記物体光および前記参照光のうち前記第2基材側から前記積層体に入射して前記感光材に到達した光の進行方向と、前記ホログラフィック光学素子の法線方向との間の角度φ4が、以下の関係式
    sin(φ4)<n/n0
    を満たしており、
    前記角度φ4は、前記ホログラフィック光学素子の法線方向に対して前記角度φ3とは反対の側に形成されている、ホログラフィック光学素子の製造方法。
  2. 前記物体光および前記参照光として、前記積層体と媒質との界面においてp偏光となる光が用いられる、請求項1に記載のホログラフィック光学素子の製造方法。
  3. 前記物体光および前記参照光のうち前記積層体の前記第1基材に入射する光の入射角は、前記第1基材と前記媒質との界面における反射率が1%以下となるよう設定されている、請求項2に記載のホログラフィック光学素子の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法によってホログラフィック光学素子を製造する工程と、
    記干渉縞によって回折され、記第1基材と前記媒質との界面において全反射した後に光伝導媒体に入射した前記第1再生照明光を伝導させる光伝導媒体を前記ホログラフィック光学素子に取り付ける工程と、
    記光伝導媒体から入射した前記第1再生照明光をその他の光と合成する光合成部を前記光伝導媒体に取り付ける工程と、を備える、ホログラフィック光コンバイナの製造方法
  5. 前記光合成部が、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたホログラフィック光学素子を含む、請求項4に記載のホログラフィック光コンバイナの製造方法
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