JP2008064914A - ホログラム露光方法、光学素子および映像表示装置 - Google Patents

ホログラム露光方法、光学素子および映像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い回折効率で複数のHOEを安定して作製するとともに、小型、コンパクトな設備で安価に複数のHOEを作製する。
【解決手段】レーザ光源1から射出された光を、ホログラム感光材料12aの同一領域に異なる入射角度で複数回入射させる。このとき、ホログラム感光材料12aに入射してそこを透過した光を、反射ミラー2〜7のいずれかで反射させてホログラム感光材料12aに入射させる。これにより、光路を分岐することなく、ホログラム感光材料12aに複数回光を入射させることができるので、光量を極端に低下させずに露光することができ、露光時間の短縮により複数のHOEを安定して作製することが容易となる。また、光路を分岐させるための光学部材が不要であり、露光光学系の小型化、低コスト化が可能となる。さらに、1個のレーザ光源で複数のHOEを作製できるので、低コストである。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子(以下、HOEとも称する)を多重記録するホログラム露光方法と、その露光方法によって複数のHOEが多重記録された光学素子と、その光学素子を備えた映像表示装置とに関するものである。
HOEは、干渉性を有する2光束でホログラム感光材料を干渉露光することによって作製される。このようなHOEは、入射光束を任意の方向に回折反射させることが可能であることから、従来から映像表示装置に多く用いられている。
HOEは、作製時に使用した2つの露光光束のうちの一方の光束と同じ入射角の光が入射すると、他方の光が再生するという特性を有しており、その再生波長は、作製時に使用した露光光束の波長と一致するか、それに近い。したがって、カラー対応のHOE、すなわち、赤(R)、緑(G)、青(B)の各波長域の光に対して作用するHOEを作製するためには、RGBの光をそれぞれ射出する3つのレーザ光源を用いてホログラム感光材料を露光するのが一般的である。例えば特許文献1では、RGBの各波長域の光を射出する3つのレーザ光源を用いてホログラム感光材料を露光する方法が開示されている。
これに対して、例えば特許文献2では、波長の異なる2つの光が再生される2つのHOEを1つのレーザ光源を用いて作製することで、全体として用いるレーザ光源の数を減らしている。
より具体的には、第1のレーザ光源から射出される光束を2光束に分岐し、さらにそのそれぞれを2光束に分岐することで、合計4つの露光光束を得るようにしている。これらのうちの2光束でホログラム感光材料を露光することにより、第1のHOEが作製される。一方、残りの2光束でホログラム感光材料を露光することにより、第2のHOEが作製される。ただし、一方の組の2光束はともにP偏光であり、他方の組の2光束はともにS偏光である。また、一方の組の2光束のホログラム感光材料への入射角度は、他方の組の2光束のホログラム感光材料への入射角度とは異なっている。これにより、単色光でホログラム感光材料を露光しても、波長の異なる2つの光でホログラム感光材料を露光したときと等価なHOE(第1および第2のHOE)を作製することができる。一方、第2のレーザ光源から射出される光束を2光束に分岐してホログラム感光材料を露光することにより、第3のHOEが作製される。
このように、特許文献2の露光方法によれば、2個のレーザ光源を用いて3つの波長に対応するHOEを作製することができ、全体として用いるレーザ光源の数を減らすことができる。
特開2002−258488号公報 特開平11−52826号公報
ところが、特許文献2の露光方法では、第1のレーザ光源から射出される光束が最終的に4つの光束に分離されるため、4光束のそれぞれの光量は、分離前の元の光束の略1/4となってしまう。この場合、2光束の干渉縞を記録するのに必要な光量でホログラム感光材料を露光しようとすると、単純に4倍の露光時間が必要となる。このことは、単に製造のタクトタイムが長くなるだけでなく、干渉縞の記録時間が長くなることで、記録中の振動などの影響が大きくなり、高い回折効率のHOEを安定して作製することが困難となる。また、元の光束を4光束に分離するために、多くの光学部材(例えばPBS)や、その光学部材の配置スペースおよび光の光路を確保するためのスペースが必要となり、設備が大掛かりで高コストなものとなる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、高い回折効率で複数のHOEを安定して作製するとともに、小型、コンパクトな設備で安価に複数のHOEを作製することができるホログラム露光方法と、その露光方法によって複数のHOEが多重記録された光学素子と、その光学素子を備えた映像表示装置とを提供することにある。
本発明のホログラム露光方法は、ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子を多重記録するホログラム露光方法であって、光源として、可干渉性の光を射出する1つのレーザ光源を用い、上記レーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、上記ホログラム感光材料の同一領域に異なる入射角度で複数回入射させて複数のホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴としている。
レーザ光源から射出された可干渉性の光は、途中で分岐されずに(すなわち、1本の光路のままで)、ホログラム感光材料の同一領域に複数回入射し、これによって複数のホログラフィック回折光学素子(HOE)が作製される。例えば、ホログラム感光材料の同一領域に1本の光路で光を4回入射させれば、最大で6個のHOEを作製することが可能である。このとき、ホログラム感光材料に複数回入射する光は、互いに異なる入射角度でホログラム感光材料に入射するので、単色光を射出するレーザ光源を1つだけ用いて、同一方向から入射する複数波長の光を反射させる複数のHOEを多重記録することができる。なお、ホログラム感光材料に入射する複数の光のうち、入射角の絶対値が異なる2つの光は勿論のこと、入射角の絶対値が同じでも入射方向が異なる2つの光も、互いに入射角度が異なるものとする。
本発明では、レーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなくホログラム感光材料に入射させるので、光路を分岐して得られる2光束を干渉させてHOEを作製する従来とは異なり、光量を極端に低下させずに、干渉に必要な2光束をホログラム感光材料に入射させることができる。これにより、露光時間を短縮することができ、複数のHOEを安定して作製することが容易となる。
また、レーザ光源から射出された光を途中で分岐させないので、光路を分岐させるための光学部材(例えばPBS)は不要であり、さらにその配置スペースや光の光路となるスペースを広く確保しなくても済む。したがって、HOEを作製するための露光光学系の小型化、低コスト化を図ることが可能となる。
さらに、複数のHOEを作製するにあたり、用いるレーザ光源は、可干渉性の光(例えば単色光)を射出する1個の光源であるので、例えばRGBの光を射出する3個の光源を用いて複数のHOEを作製する場合に比べて、低コストとなる。
また、本発明においては、上記ホログラム感光材料に入射してそこを透過した光の光路を光路折り曲げ部材によって折り曲げて再度上記ホログラム感光材料に入射させるようにしてもよい。この場合、レーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、ホログラム感光材料の同一領域に異なる入射角度で複数回確実に入射させることができる。
また、本発明においては、上記レーザ光源から射出された光から得られる第1の偏光方向の光を上記ホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)2回入射させた後、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光の偏光方向を偏光方向変換部材によって変換し、第2の偏光方向の光を上記ホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)2回入射させ、第1の偏光方向の2光束の干渉により第1のホログラフィック回折光学素子を、第2の偏光方向の2光束の干渉により第2のホログラフィック回折光学素子を作製するようにしてもよい。
第1のHOEは、第1の偏光方向(例えばP偏光)の2光束の干渉によって作製され、第2のHOEは、第1の偏光方向の光が偏光方向変換部材(例えば1/2波長板)によって変換された後の第2の偏光方向(例えばS偏光)の2光束の干渉によって作製される。偏光方向の異なる光同士はほとんど干渉しないので、上記の方法によれば、第1のHOEの作製時に用いた光と、第2のHOEの作製時に用いた光とが干渉して、ノイズとなる不要な干渉縞(目的以外の干渉縞)がホログラム感光材料に記録されるのを抑制することができ、これによって、第1および第2のHOEを高い回折効率で作製することができる。
このとき、上記偏光方向変換部材は、入射光をそれとは直交する偏光方向の光に変換することが望ましい。例えば、第1のHOEの作製時に用いる光がP偏光であるとすると、第2のHOEの作製時に用いる光はS偏光となる。P偏光とS偏光とは偏光方向が90度異なり、互いに干渉しないので、上記のような変換を行う偏光方向変換部材を用いることにより、不要な干渉縞がホログラム感光材料に記録されるのを抑制できる効果を最大限に得ることができ、第1および第2のHOEを確実に高い回折効率で作製することができる。
また、最初に上記ホログラム感光材料に入射する第1の偏光方向の光は、P偏光であることが望ましい。この場合、第2のHOEは、第2の偏光方向の光であるS偏光同士の干渉露光によって作製される。
ところで、第2のHOEの作製に用いる上記光は、既にホログラム感光材料を2回透過しているため、その光量が若干低下している。また、一般的に、P偏光同士の干渉性は、S偏光同士の干渉性よりも良くはない。そのため、例えば、第1の偏光方向の光がS偏光であると、第2のHOEは、低下した光量でのP偏光同士の干渉によって作製されることになるため、その回折効率が大幅に低下しやすい。その結果、第1のHOEと第2のHOEとで、回折効率に極端に差が生じやすい。
しかし、上記のように、第1の偏光方向の光をP偏光とすることにより、第2のHOEを干渉性の良いS偏光で作製できるので、たとえ光量低下が生じても、第2のHOEの回折効率が大幅に低下するのを極力回避することができ、第1のHOEと第2のHOEとで、回折効率に極端に差が出るのを回避することができる。
また、本発明においては、上記レーザ光源を第1のレーザ光源とすると、上記第1のレーザ光源とは発振波長の異なるレーザ光を射出する第2のレーザ光源を併せて用い、上記第2のレーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、上記ホログラム感光材料の上記同一領域に(異なる入射角度で)2回入射させてホログラフィック回折光学素子を作製するようにしてもよい。
このように、第2のレーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、ホログラム感光材料の上記同一領域に(異なる入射角度で)2回入射させてHOEを作製することにより、第1のレーザ光源を用いて作製される複数のHOE(例えば第1および第2のHOE)と併せて、別のHOE(例えば第3のHOE)を同一領域に多重記録することが可能となる。
このとき、第2のレーザ光源と第1のレーザ光源とは、レーザ光の発振波長が互いに異なるので、第2のレーザ光源から射出されるレーザ光と第1のレーザ光源から射出されるレーザ光とは干渉しない。したがって、第1のレーザ光源を用いて作製される複数のHOEとは独立して、高い回折効率で別のHOEを作製することができる。
なお、上記の方法によれば、用いるレーザ光源の数は2つになるが、RGBに対応して3つの光源を用いて3つのHOEを作製する場合と比べると、光源の数が1つ少ない分だけ依然として低コストであることに変わりはない。
また、本発明においては、上記レーザ光源として、パルスレーザを射出する光源を用い、上記レーザ光源から射出される光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で上記ホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射させることにより、第1のホログラフィック回折光学素子を作製し、その後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射させることにより、第2のホログラフィック回折光学素子を作製するようにしてもよい。
光源から射出されるパルスレーザは、そのパルス時間幅よりも短い時間内でホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射するので、2光束干渉によって第1のHOEが確実に作製される。その後、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光(パルスレーザ)は、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射するので、2光束干渉によって第2のHOEが確実に作製される。
また、第1のHOEを作製した後、第2のHOEを作製するまでに、パルス時間幅よりも長い時間が経過しているので、第1のHOEの作製時に用いた光と、第2のHOEの作製時に用いた光とが干渉することはない。したがって、ノイズとなる不要な干渉縞がホログラム感光材料に記録されるのを防止することができ、これによって、高い回折効率の第1および第2のHOEを作製することができる。
また、上記第2のホログラフィック回折光学素子を作製した後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射させることにより、第3のホログラフィック回折光学素子を作製するようにしてもよい。
第2のHOEを作製した後、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光(パルスレーザ)は、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に(異なる入射角度で)2回入射するので、2光束干渉によって第3のHOEが確実に作製される。また、第2のHOEを作製した後、第3のHOEを作製するまでに、パルス時間幅よりも長い時間が経過しているので、第2のHOEの作製時に用いた光と、第3のHOEの作製時に用いた光とが干渉することはない。したがって、ノイズとなる不要な干渉縞がホログラム感光材料に記録されるのを防止することができ、これによって、第1および第2のHOEのみならず、第3のHOEを高い回折効率で作製することができる。
また、本発明において、上記ホログラム感光材料に入射させる光は、全て平行光であってもよい。平行光からなる2光束でホログラム感光材料を露光することにより、ホログラム感光材料では干渉縞が湾曲せずに記録されるので、この場合は、作製されるHOEを全て平面反射ミラーとして機能させることができる。
また、本発明においては、互いに平行な平面を有する導光部材の上記平面上の異なる位置に、上記ホログラム感光材料として第1および第2のホログラム感光材料を形成し、上記レーザ光源から射出された光を上記第1のホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射させた後、上記第1のホログラム感光材料を最後に透過した光を上記導光部材内での全反射により導光して、上記第2のホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射させ、その後、上記第2のホログラム感光材料を最後に透過した光を上記導光部材内での全反射により導光して、上記第1のホログラム感光材料の上記同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射させるようにしてもよい。
レーザ光源から射出された光は、第1のホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射するので、第1のホログラム感光材料には、HOEが少なくとも1つ作製される。続いて、第1のホログラム感光材料を最後に透過した光は、導光部材内での全反射により導光され、第2のホログラム感光材料の同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射する。これにより、第2のホログラム感光材料には、HOEが少なくとも1つ作製される。なお、第2のホログラム感光材料に対する光の入射回数を増やすことで、第2のホログラム感光材料に複数のHOEを作製することが可能である。その後、第2のホログラム感光材料を最後に透過した光は、導光部材内での全反射により導光され、第1のホログラム感光材料の上記同一領域に(異なる入射角度で)複数回入射する。これにより、第1のホログラム感光材料には、複数のHOEが確実に作製される。
このように、導光部材の平面上の異なる位置に複数のホログラム感光材料(第1および第2のホログラム感光材料)が形成されている場合であっても、上記の方法によれば、各ホログラム感光材料に、複数のHOEを多重記録することが可能となる。しかも、一方のホログラム感光材料の露光に用いた光を導光部材内で導光して、他方のホログラム感光材料を露光するので、各ホログラム感光材料の露光を、途中で光路を分岐することなく、1本の光路のままで行うことが可能となる。
本発明の光学素子は、上述した本発明のホログラム露光方法によって、ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子が多重記録されていることを特徴としている。
上述した本発明のホログラム露光方法によれば、複数のHOEを安定して、かつ、低コストで作製することができ、本発明の光学素子は、その露光方法で複数のHOEが多重記録されたものであるので、光学性能の良好な光学素子を安価に実現することができる。
また、本発明の光学素子においては、複数のホログラフィック回折光学素子の干渉縞は、互いに平行で、かつ、ピッチが異なっていてもよい。
ここで、複数のHOEの干渉縞が互いに平行とは、複数のHOE間で、干渉縞が湾曲した状態で互いに平行である場合も含むし、干渉縞が湾曲せずに互いに平行である場合も含む。前者は、発散光同士の干渉露光によって各HOEが作製された場合であり、各HOEは光学的パワーを有する。一方、後者は、平行光同士の干渉露光によって各HOEが作製された場合であり、各HOEは光学的パワーを有しない。
このように、複数のHOEの干渉縞が互いに平行である場合、干渉縞のピッチが互いに異なっていれば、複数のHOEは、光学的パワー(レンズ特性)が同じで(光学的パワーがゼロの場合も含む)、回折波長だけが異なるものとなり、複数のHOEに一方向から光を入射させた場合に、複数波長の光を同じ方向に反射させる光学素子を実現することができる。
また、本発明の光学素子においては、上述したホログラム露光方法によって、ホログラム感光材料の同一領域に3つのホログラフィック回折光学素子が多重記録されている場合に、上記3つのホログラフィック回折光学素子は、一方向からの入射光に対して、赤(R)、緑(G)、青(B)の波長域の光をそれぞれ反射させる構成であってもよい。この場合、RGBの3色について再生可能な光学素子を実現することができる。
本発明の映像表示装置は、映像を表示する映像表示素子と、上述した本発明の光学素子と、互いに平行な平面を有し、内部に入射した光を全反射により導光する導光部材とを備え、上記光学素子は、上記導光部材の上記平面上に保持されており、上記導光部材内を全反射によって導光されてきた上記映像表示素子からの映像光を、回折反射によって観察者の瞳に導くことを特徴としている。
映像表示素子からの映像光を導光部材内での全反射によって導光する構成とすることで、導光部材として薄型のものを用いることができ、薄型でコンパクトな映像表示装置を実現することができる。また、映像表示素子からの映像光は、複数のHOEが多重記録された光学素子での回折反射によって観察者の瞳に導かれるので、観察者は、少なくとも2色の映像を観察することが可能となる。
本発明によれば、レーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなくホログラム感光材料に入射させるので、光量を極端に低下させずに、干渉に必要な2光束をホログラム感光材料に入射させることができ、露光時間を短縮して複数のHOEを安定して作製することが容易となる。また、光路を分岐させるための光学部材は不要であり、さらにその配置スペースや光の光路となるスペースを広く確保しなくても済むので、HOEを作製するための露光光学系の小型化、低コスト化を図ることが可能となる。さらに、RGBの光を射出する3個の光源を用いて複数のHOEを作製する場合に比べて、用いるレーザ光源の数を減らして複数のHOEを作製することができ、低コストである。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(1.露光光学系について)
図1は、本実施形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。この露光光学系は、レーザ光源1(第1のレーザ光源)と、複数の反射ミラー2〜7と、1/2波長板8とを有している。
レーザ光源1は、可干渉性の光を射出するものであり、例えば波長532nmの緑色レーザ光を射出する。反射ミラー2〜7は、入射光をこの順で反射させる光学素子であり、ホログラム感光材料12aに入射してそこを透過した光の光路を折り曲げて再度ホログラム感光材料12aに入射させる光路折り曲げ部材として機能している。なお、反射ミラー2〜7の代わりにプリズムを用いて入射光の光路を折り曲げてもよい。反射ミラー2〜7の位置および傾き角を適切に設定することにより、反射ミラー2〜7を介してホログラム感光材料12aに入射する光の入射角度を適切に設定することが可能である。1/2波長板8は、入射光をこれとは垂直な偏光方向の光に変換する偏光方向変換部材であり、反射ミラー4・5間の光路中に配置されている。
(2.露光方法について)
次に、上記構成の露光光学系を用いて行うホログラム露光方法について説明する。まず、透明な基板11上にホログラム感光材料12aを貼り付けたものを、露光光学系の所定の位置に配置する。なお、ホログラム感光材料12aとしては、フォトポリマー、銀塩材料、重クロム酸ゼラチンなどが挙げられるが、中でもドライプロセスで製造できるフォトポリマーが望ましい。そして、このホログラム感光材料12aをレーザ光源1から射出される光で露光する。
なお、ここでは、レーザ光源1から射出されて最初にホログラム感光材料12aに入射する光R1は、P偏光とする。また、図1では、模式的にレーザ光源1から射出される光線を線で表しているが、実際には、上記光線をビームエキスパンダを通して必要なビーム径に広げてホログラム感光材料12aに照射する。
光R1は、ホログラム感光材料12aに基板11とは反対側から入射してそこを透過し、反射ミラー2・3で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aにおける光R1の入射領域と同一の領域に、光R1とは異なる入射角度で基板11側から光R2として入射する。なお、光R1と光R2とでは、ホログラム感光材料12aに対する入射角の絶対値は同じであるが、入射方向が互いに異なるので、ホログラム感光材料12aに対する入射角度は互いに異なるものとする。つまり、ホログラム感光材料12aに対する光R1の入射角度が例えば10度であれば、光R2の入射角度は例えば−10度と考えて、これらを区別する。以下、光R1・R2以外の光についても同様に考える。
ホログラム感光材料12aに入射した光R2は、そこを透過し、反射ミラー4で反射された後、1/2波長板8にてS偏光に変換され、反射ミラー5で反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1・R2とは異なる入射角度で基板11とは反対側から光R3として入射する。光R3は、ホログラム感光材料12aを透過し、反射ミラー6・7で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1・R2・R3とは異なる入射角度で基板11側から光R4として入射する。ホログラム感光材料12aに入射した光R4は、そこを透過した後、適切に処理される。
このようなホログラム感光材料12aの露光の結果、光R1・R2の2光束干渉により、体積位相型で反射型の第1のHOE21(図2参照)が作製され、光R3・R4の2光束干渉により、同じく体積位相型で反射型の第2のHOE22(図2参照)が作製される。つまり、ホログラム感光材料12aの同一領域に複数のHOE(第1のHOE21、第2のHOE22)が多重記録されて光学素子12が得られる。
以上のように、1個のレーザ光源1からの光を、途中で分岐することなく、ホログラム感光材料12aに複数回入射させることにより、複数のHOEを多重露光によって一度に作製することが可能となる。しかも、複数のHOEの作製の際に、光R1〜R4は、互いに異なる入射角度でホログラム感光材料12aに入射するので、単色光を射出するレーザ光源1を1つだけ用いて、同一方向から入射する複数波長の光を反射させる複数のHOEを多重記録することができる。
また、本実施形態では、レーザ光源1から射出された光を、途中で分岐することなく、1本の光路のままでホログラム感光材料12aに入射させている。この場合、光路中の反射ミラー2〜7での反射ロスおよびホログラム感光材料12aでの光吸収により、若干光量が低下することを加味したとしても、同じ強度の光を射出するレーザ光源を用いて光路を分岐させる構成と比較して、必要露光量を得るための露光時間が短くて済む。したがって、記録中の振動などの影響が小さくて済み、高い回折効率で複数のHOEを容易にかつ安定して作製することが可能となる。
また、光路を分岐させるための光学部材(例えばPBS)は不要であり、さらにその配置スペースや光の光路となるスペースを広く確保しなくても済むので、露光光学系の小型化、低コスト化を図ることが可能となる。さらに、第1のHOE21および第2のHOE22を作製するにあたり、用いる光源は、可干渉性の光を射出する1個のレーザ光源1であるので、光源を2つ用いる場合に比べて、低コストである。
また、本実施形態では、光路折り曲げ部材として反射ミラー2〜7を用い、ホログラム感光材料12aに入射してそこを透過した光の光路を反射ミラー2〜7によって折り曲げて再度ホログラム感光材料12aに入射させている。このように反射ミラー2〜7を用いるという簡単な構成で、レーザ光源1から射出された光を、途中で分岐することなく、ホログラム感光材料12aの同一領域に異なる入射角度で複数回確実に入射させることができる。
(3.偏光方向の変換について)
ところで、4つの光をホログラム感光材料の同一領域に入射させて複数のHOEを多重記録する場合、原理的には、ホログラム感光材料に、最大で、2光束の組み合わせの全てに対応する6種類のHOEを作製することが可能である。つまり、本実施形態において、光R1〜R4の偏光方向が全て同じであると仮定して考えた場合には、ホログラム感光材料12aには、光R1と光R2、光R1と光R3、光R1と光R4、光R2と光R3、光R2と光R4、光R3と光R4、の2光束干渉による6種類のHOEを作製することが可能である。
しかし、作製したいHOEが、光R1と光R2、光R3と光R4、の2光束干渉による2種類のHOEだけである場合、他の4種類のHOEは全て不要なものとなり、却って、これらが作製されているとノイズとなる。
そこで、本実施形態では、反射ミラー4・5の間の光路中に1/2波長板8を配置し、レーザ光源1から射出された光から得られる第1の偏光方向の光(P偏光)をホログラム感光材料12aの同一領域に2回(光R1・R2として順に)入射させた後、ホログラム感光材料12aを最後に透過した光(光R2)の偏光方向を1/2波長板8によって変換し、その変換によって得られる第2の偏光方向の光(S偏光)をホログラム感光材料12aの同一領域に2回(光R3・R4として順に)入射させている。そして、第1の偏光方向の2光束の干渉により第1のHOE21を作製し、第2の偏光方向の2光束の干渉により第2のHOE22を作製している。
偏光方向の異なる光同士はほとんど干渉しないので、上記のようにホログラム感光材料12aを露光することで、第1のHOE21の作製時に用いた光と、第2のHOE22の作製時に用いた光とが干渉して、ノイズとなる不要な干渉縞(目的以外の干渉縞)がホログラム感光材料12aに記録されるのを抑制することができ、不要なHOEが作製されるのを抑制することができる。その結果、第1のHOE21および第2のHOE22を高い回折効率で作製することができる。
特に、1/2波長板8は、入射光をそれとは直交する偏光方向の光に変換するので、第1のHOE21の作製時に用いる光がP偏光であれば、第2のHOE22の作製時に用いる光は必ずS偏光となる。P偏光とS偏光とは偏光方向が90度異なり、互いに干渉しないので、1/2波長板8を用いることにより、不要な干渉縞がホログラム感光材料12aに記録されるのを抑制できる効果を最大限に得ることができる。その結果、第1のHOE21および第2のHOE22を確実に高い回折効率で作製することができる。
また、ホログラム感光材料12aに入射した光は、そこを透過する際に若干吸収され、その光量が若干低下する。一方、P偏光同士の干渉性は、S偏光同士の干渉性よりも良くはなく、P偏光同士の干渉露光によって作製されるHOEにおいては、S偏光同士の干渉露光によって作製されるHOEに比べて、高い回折効率を得にくい。そのため、例えば、第1のHOE21をS偏光同士の干渉露光によって作製し、第2のHOE22をP偏光同士の干渉露光によって作製すると、第2のHOE22の作製時は、第1のHOE21の作製によって低下した光量でのさらにP偏光同士の干渉となるため、作製される第2のHOE22の回折効率が大幅に低下しやすい。その結果、第1のHOE21と第2のHOE22とで、回折効率に極端に差が生じやすい。
しかし、本実施形態では、最初にホログラム感光材料12aに入射する第1の偏光方向の光R1をP偏光としている。この場合、第1のHOE21をP偏光同士の干渉露光によって作製し、第2のHOE22を干渉性の良いS偏光同士の干渉露光によって作製することができる。これにより、たとえ第1のHOE21の作製時に光量低下が生じても、第2のHOE22の回折効率が大幅に低下するのを極力回避することができ、第1のHOE21と第2のHOE22とで、回折効率に極端に差が出るのを回避することができる。
(4.干渉縞の記録状態について)
本実施形態では、ホログラム感光材料12aに入射する光R1〜R4を全て平行光としている。ここで、図2は、光学素子12を構成する第1のHOE21および第2のHOE22の一構成例を模式的に示す断面図である。なお、同図のハッチングは、それぞれのHOEに記録される干渉縞を示している。
第1のHOE21は、光R1と光R2との2光束干渉により作製され、第2のHOE22は、光R3と光R4との2光束干渉により作製されることは上述の通りであるが、第1のHOE21および第2のHOE22のそれぞれの作製時に、平行光からなる2光束でホログラム感光材料12aを露光することにより、ホログラム感光材料12aでは干渉縞が湾曲せずに記録される。したがって、この場合は、作製される第1のHOE21および第2のHOE22を平面反射ミラーとして機能させることができる。
ここで、光R1と光R2、光R3と光R4とが、それぞれホログラム感光材料12aの表面に対して対称、すなわちホログラム感光材料12aの両面から同一入射角(絶対値)で入射したとすると、図2に示すように、第1のHOE21および第2のHOE22に記録される干渉縞は、ともにホログラム感光材料の表面に対して平行となる。このとき、第1のHOE21と第2のHOE22とでは、干渉縞は互いに平行であるが、そのピッチが異なることとなる。
このようにして作製された第1のHOE21および第2のHOE22に再生光を同一方向から入射させると、第1のHOE21と第2のHOE22とでは、回折反射される波長が異なるが、反射方向は等しいということになる。例えば、図3は、ホログラム感光材料12a(光学素子12)の表面に対して垂直方向から光を入射させた場合に、第1のHOE21および第2のHOE22での回折反射により同一方向に再生される光の波長と、第1のHOE21および第2のHOE22の回折効率との関係を示すグラフである。同図に示すように、第1のHOE21での回折反射により再生される光の波長λ1は、露光時に用いた光の波長λ0よりも長波長側に現れ、第2のHOE22での回折反射により再生される光の波長λ2は、波長λ1よりもさらに長波長側に現れる。
このように、第1のHOE21および第2のHOE22の干渉縞が互いに平行で、かつ、ピッチが異なっていることにより、第1のHOE21および第2のHOE22に一方向から光を入射させた場合に、2つの波長の光を同じ方向に反射させる2色再生可能な光学素子12を実現することができる。
また、図4は、第1のHOE21および第2のHOE22の他の構成例を模式的に示す断面図である。同図の第1のHOE21および第2のHOE22では、干渉縞が湾曲した状態で互いに平行であり、かつ、両者でピッチが異なっている。このような干渉縞を有する第1のHOE21および第2のHOE22は、発散光同士の干渉露光によって作製することができる。
図4の構成の場合、第1のHOE21および第2のHOE22において、干渉縞が湾曲した状態で記録されていることにより、第1のHOE21および第2のHOE22は、光学的パワーを有することになるが、干渉縞が互いに平行で、干渉縞のピッチが互いに異なっていれば、光学的パワー(レンズ特性)が同じで、回折波長だけが異なるものとなる。したがって、図4の構成であっても、第1のHOE21および第2のHOE22に一方向から光を入射させた場合に、2つの波長の光を同じ方向に反射させる2色再生可能な光学素子12を実現することができる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、実施の形態1の露光光学系を利用して、ホログラム感光材料12aの同一領域に3つのHOEを多重記録して3色再生可能な光学素子を作製する場合について説明する。
図5は、本実施形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。この露光光学系は、図1の構成に加えて、レーザ光源31と、複数の反射ミラー32・33とを有している。レーザ光源31は、レーザ光源1とは発振波長の異なるレーザ光(例えば赤色レーザ光)を射出する第2のレーザ光源である。反射ミラー32・33は、入射光(レーザ光源31から射出された光)をこの順で反射させる光学素子であり、ホログラム感光材料12aに入射してそこを透過した光の光路を折り曲げて再度ホログラム感光材料12aに入射させる光路折り曲げ部材として機能している。
このような露光光学系においては、実施の形態1と同様の手法で第1のHOE21および第2のHOE22が作製される。一方、レーザ光源31から射出された光R5(例えばS偏光)は、ホログラム感光材料12aの同一領域(レーザ光源1から射出される光の入射領域)に基板11とは反対側から入射してそこを透過し、反射ミラー32・33で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aにおける光R5の入射領域と同一の領域に、光R5とは異なる入射角度で基板11側から光R6として入射する。ホログラム感光材料12aに入射した光R6は、そこを透過した後、適切に処理される。光R5・R6の2光束干渉により、体積位相型で反射型の第3のHOE23(図6参照)が作製される。
このように、レーザ光源31から射出された光を、途中で分岐することなく、ホログラム感光材料12aの同一領域(レーザ光源1から射出される光の入射領域)に異なる入射角度で2回入射させることにより、ホログラム感光材料12aの同一領域に第1のHOE21および第2のHOE22のみならず、第3のHOE23を多重記録することができる。
また、ゴーストとなるHOEの作製を防ぐため、実施の形態1で述べたような方法、つまり、P偏光同士を干渉させるとともにS偏光同士を干渉させて2つのHOEを多重記録する方法では、原理的に1本のレーザ光を用いてHOEを2種類までしか多重記録することができない。そこで、偏光方向の異なる2光束を用いて複数のHOEを多重記録する場合には、レーザ光源1に加えて、さらにそれとは発振波長の異なる光源、すなわち、レーザ光源1とは別の光源で干渉性のない光を射出するレーザ光源31を併せて用いることにより、レーザ光源1を用いて作製される第1のHOE21および第2のHOE22とは独立して、高い回折効率で第3のHOE23を作製することができる。
また、3つのHOEを多重記録する場合、レーザ光源1・31から射出される光の波長、ホログラム感光材料12aに対する入射光(光R1〜R6)の入射角度、入射光の状態(平行光か発散光か)を適切に設定することで、図6に示すように、干渉縞が互いに平行で、かつ、ピッチが異なる第1のHOE21、第2のHOE22および第3のHOE23を作製することができる。これにより、一方向からの入射光に対して、RGBの各波長域の光をそれぞれ反射させる3つのHOEを有し、RGBの3色について再生可能な光学素子12を実現することができる。このような光学素子12は、例えば映像表示装置のコンバイナ、すなわち、表示映像の光を反射させて観察者の瞳に導く一方、外界像の光を透過させて観察者の瞳に導くコンバイナに好適となる。
なお、本実施形態の露光方法によれば、用いるレーザ光源の数は2つになるが、RGBに対応して3つの光源を用いて3つのHOEを作製する場合と比べると、光源の数が1つ少ない分だけ依然として低コストであることに変わりはない。したがって、本実施形態の露光方法によれば、少ない露光光源でカラー表示が可能な光学素子12を安価に実現することができると言える。
なお、レーザ光源31から射出される光でホログラム感光材料12aを露光する際に、実施の形態1と同様にP偏光同士およびS偏光同士を干渉させて2つのHOEを作製すれば、レーザ光源1から射出される光を用いて作製される2つのHOEとともに、合計で4つのHOEを多重記録することも可能である。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1・2と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。この露光光学系は、レーザ光源1の代わりにレーザ光源41を用い、1/2波長板8を削除した以外は、実施の形態1と同様の構成である。レーザ光源41は、パルスレーザを射出する光源である。以下、本実施形態のホログラム露光方法について説明する。なお、ここでは、レーザ光源41から射出されて最初にホログラム感光材料12aに入射する光R1は、S偏光とする。
レーザ光源41から射出された光(パルスレーザ)は、ホログラム感光材料12aに基板11とは反対側から光R1として入射してそこを透過し、反射ミラー2・3で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aにおける光R1の入射領域と同一の領域に、光R1とは異なる入射角度で基板11側から光R2として入射する。このとき、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R1として入射してから次に光R2として入射するまでの時間は、パルスレーザの1パルスの時間幅よりも短い時間とする。この結果、光R1・R2の2光束干渉により、図2と同様の第1のHOE21が作製される。
ホログラム感光材料12aに入射した光R2は、そこを透過し、反射ミラー4・5で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1・R2とは異なる入射角度で基板11とは反対側から光R3として入射する。ただし、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R2として入射してから次に光R3として入射するまでの光路長を十分に確保し、光R2として入射してから光R3として入射するまでに、1パルスの時間幅よりも長い時間経過させる。
ホログラム感光材料12aに入射した光R3は、そこを透過し、反射ミラー6・7で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1・R2・R3とは異なる入射角度で基板11側から光R4として入射する。このとき、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R3として入射してから光R4として入射するまでの時間は、パルスレーザの1パルスの時間幅よりも短い時間とする。この結果、光R3・R4の2光束干渉により、図2と同様の第2のHOE22が作製される。ホログラム感光材料12aに入射した光R4は、そこを透過した後、適切に処理される。
以上のように、本実施形態においても、レーザ光源41から射出された光を、途中で分岐することなく(1本の光路のままで)、ホログラム感光材料12aの同一領域に異なる入射角度で複数回入射させて複数のHOE(第1のHOE21、第2のHOE22)を作製しているので、高い回折効率で複数のHOEを容易にかつ安定して作製することができるなど、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、レーザ光源41から射出される光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内でホログラム感光材料12aに異なる入射角度で2回入射させることにより、第1のHOE21を作製し、その後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、ホログラム感光材料12aを最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度ホログラム感光材料12aに異なる入射角度で2回入射させることにより、第2のHOE22を作製している。
このように、第1のHOE21を作製した後、第2のHOE22を作製するまでに、パルス時間幅よりも長い時間が経過しているので、第1のHOE21の作製時に用いた光と、第2のHOE22の作製時に用いた光とが干渉することはない。したがって、ノイズとなる不要な干渉縞がホログラム感光材料12aに記録されるのを防止することができ、これによって、高い回折効率で第1のHOE21および第2のHOE22を作製することができる。しかも、実施の形態1のような偏光方向変換部材としての1/2波長板8を用いなくても、目的とする第1のHOE21および第2のHOE22のみを作製できるため(不要なHOEが作製されないため)、露光光学系の構成を簡素化することができる。
ここで、レーザ光源41を用いて複数のHOEを作製するための条件についてまとめると以下のようになる。図8は、光R1〜R4がホログラム感光材料12aに入射するタイミングを模式的に示す説明図である。なお、Lpは、1パルスの光路長(m)を示し、PWは、1パルスの時間幅(s)を示し、cは、光速(=3×108m/s)を示す。また、L12は、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R1として入射してから次に光R2として入射するまでの光路長(m)を示し、L23は、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R2として入射してから次に光R3として入射するまでの光路長(m)を示し、L34は、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R3として入射してから次に光R4として入射するまでの光路長(m)を示す。
まず、Lp>L12であれば、光R1と光R2とは干渉するため、第1のHOE21を作製することはできるが、Lp<L12であれば、光R1と光R2とは干渉しないので、第1のHOE21を作製することができない。また、Lp>L34であれば、光R3と光R4とは干渉するため、第2のHOE22を作製することはできるが、Lp<L34であれば、光R3と光R4とは干渉しないので、第2のHOE22を作製することができない。さらに、Lp<L23であれば、光R2と光R3とは干渉しないため、目的以外のHOE(ゴーストとなるHOE)は作製されないが、Lp>L23であれば、光R2と光R3とが干渉するため、目的以外のHOEが作製される。
以上のことから、目的とする第1のHOE21および第2のHOE22のみを作製するためには、Lp>L12、Lp>L34、Lp<L23であることが必要と言える。逆に、Lp<L12、Lp<L34、Lp>L23の場合には、目的とする複数のHOEを多重記録することができないと言える。
なお、レーザ光源41として、例えば1パルス時間幅が200nsのQスイッチパルスレーザを用いた場合、1パルス光路長は、1パルス時間幅(200×10-9s)×光速(3×108m/s)=60mとなる。光路長60mは、光ファイバ束を用いることで、コンパクトに実現することが可能である。したがって、この場合は、Lp<L23となるような露光光学系を容易に実現することが可能となる。なお、レーザ光源41として、より短パルスのレーザ光を射出するものを用いれば、上記光路長をさらに短く構成することができる。
ところで、図9は、本実施形態の露光光学系の他の構成例を模式的に示す説明図である。図9の露光光学系は、図7の露光光学系に、さらに反射ミラー42〜45を光路折り曲げ部材として加えたものである。この構成では、レーザ光源41から射出された光を光R1〜R4として1本の光路でホログラム感光材料12aに入射させ、第1のHOE21および第2のHOE22を作製するまでは、上記と同様である。
ホログラム感光材料12aに入射した光R4は、そこを透過し、反射ミラー42・43で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1〜R4とは異なる入射角度で基板11とは反対側から光R5として入射する。ただし、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R4として入射してから次に光R5として入射するまでの光路長を十分に確保し、光R4として入射してから光R5として入射するまでに、1パルスの時間幅よりも長い時間経過させる。
ホログラム感光材料12aに入射した光R5は、そこを透過し、反射ミラー44・45で順に反射された後、再度ホログラム感光材料12aの上記同一領域に、光R1〜R5とは異なる入射角度で基板11側から光R6として入射する。このとき、ホログラム感光材料12aへの入射光が光R5として入射してから光R6として入射するまでの時間は、パルスレーザの1パルスの時間幅よりも短い時間とする。この結果、光R5・R6の2光束干渉により、図6と同様の第3のHOE23が作製される。ホログラム感光材料12aに入射した光R6は、そこを透過した後、適切に処理される。
以上のように、第2のHOE22を作製した後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、ホログラム感光材料12aを最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度ホログラム感光材料12aに異なる入射角度で2回入射させて第3のHOE23を作製することで、第2のHOE22の作製時に用いた光と、第3のHOE23の作製時に用いた光とが干渉するのを防止することができる。したがって、ノイズとなる不要な干渉縞がホログラム感光材料12aに記録されるのを防止することができ、これによって、第1のHOE21および第2のHOE22のみならず、第3のHOE23を高い回折効率で作製することができる。その結果、1個のレーザ光源41だけを用いてRGBの3色について再生可能な光学素子12、すなわち、一方向からの入射光に対して、RGBの各波長域の光をそれぞれ反射させる3つのHOEを有する光学素子12を容易に得ることができる。
なお、以上では、1個のレーザ光源41を用いて、2つのHOEおよび3つのHOEを多重記録する場合について説明したが、前段のHOEを作製した後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、ホログラム感光材料12aを最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度ホログラム感光材料12aに異なる入射角度で2回入射させるという工程を繰り返すことにより、原理的には、1本のレーザ光で4つ以上の複数のHOEを作製することも可能となる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1〜3と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、一度に2つのホログラム感光材料に複数のHOEをそれぞれ多重記録する方法について説明する。
図10は、本実施形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。本実施形態では、まず、透明基板である導光部材51の異なる平面上に第1のホログラム感光材料52aおよび第2のホログラム感光材料53aをそれぞれ貼り付ける。より具体的には、導光部材51は、互いに平行な平面51a・51bを有しており、平面51a上に第1のホログラム感光材料52aを貼り付け、平面51b上に第2のホログラム感光材料53aを貼り付ける。
次に、第1のホログラム感光材料52a上にマッチングオイルを介してプリズム61を密着配置し、第2のホログラム感光材料53a上にマッチングオイルを介してプリズム62を密着配置する。プリズム61・62は、その表面がミラーコートされたものであり、さらにその内部には、反射型偏光板61a・62aがそれぞれ埋め込まれている。反射型偏光板61a・62aは、偏光方向が90度異なるS偏光とP偏光とのうち、一方を反射させ、一方を透過する特性を有しているもので、例えばワイヤーグリッド素子や、輝度上昇フィルム(例えば住友スリーエム株式会社製のDBEF;Dual Brightness Enhancement Film)などで構成されている。本実施形態では、反射型偏光板61a・62aは、S偏光を透過させ、P偏光を反射するように配置されている。
レーザ光源1から射出された光は、光R1(例えばS偏光)として導光部材51の平面51b側から第1のホログラム感光材料52aに入射した後、プリズム61の反射型偏光板61aを透過し、ミラー61bで反射された後、再度反射型偏光板61aを透過し、光R2(S偏光)として再び第1のホログラム感光材料52aにおける光R1の入射領域と同一の領域に、光R1とは異なる角度で入射する。第1のホログラム感光材料52aに入射した光R2は、そこを透過し、導光部材51内を全反射によって導光された後、光R3(S偏光)として第2のホログラム感光材料53aに入射する。
第2のホログラム感光材料53aに入射した光R3は、そこを透過した後、プリズム62の反射型偏光板62aを透過し、ミラー62bで反射された後、再度反射型偏光板62aを透過し、光R4(S偏光)として再び第2のホログラム感光材料53aにおける光R3の入射領域と同一の領域に、光R3とは異なる角度で入射する。
第2のホログラム感光材料53aに入射した光R4は、そこを透過した後、1/4波長板63を透過し、ミラー64・65で順次反射された後、再度1/4波長板63を透過する。このように、1/4波長板63を光が2回往復で透過することにより、入射光の偏光方向は90度回転し、S偏光がP偏光に変換される。
1/4波長板63を介して得られるP偏光は、光R5として第2のホログラム感光材料53aにおける光R3・R4の入射領域と同一の領域に、光R3・R4とは異なる角度で入射する。第2のホログラム感光材料53aに入射した光R5は、そこを透過し、反射型偏光板62aで反射された後、光R6(P偏光)として再び第2のホログラム感光材料53aの上記同一領域に、光R3〜R5とは異なる角度で入射する。
第2のホログラム感光材料53aに入射した光R6は、そこを透過し、導光部材51内を全反射により導光され、光R7(P偏光)として第1のホログラム感光材料52aにおける光R1・R2の入射領域と同一の領域に、光R1・R2とは異なる角度で入射する。第1のホログラム感光材料52aに入射した光R7は、そこを透過し、反射型偏光板61aで反射された後、光R8(P偏光)として再び第1のホログラム感光材料52aに、光R1・R2・R7とは異なる角度で入射する。第1のホログラム感光材料52aを透過した光R8は、その後適切に処理される。
この結果、光R1・R2の2光束干渉により、第1のホログラム感光材料52aに第1のHOEが作製され、光R3・R4の2光束干渉により、第2のホログラム感光材料53aに第2のHOEが作製される。また、光R5・R6の2光束干渉により、第2のホログラム感光材料53aに第3のHOEが第2のHOEと多重記録され、光R7・R8の2光束干渉により、第1のホログラム感光材料52aに第4のHOEが第1のHOEと多重記録される。第1のHOEと第4のHOEとにより光学素子52が構成され、第2のHOEと第3のHOEとにより光学素子53が構成される。
以上のように、本実施形態では、レーザ光源1から射出された光を第1のホログラム感光材料52aの同一領域に複数回入射させた後、第1のホログラム感光材料52aを最後に透過した光を導光部材51内での全反射により導光して、第2のホログラム感光材料53aの同一領域に複数回入射させ、その後、第2のホログラム感光材料53aを最後に透過した光を導光部材51内での全反射により導光して、第1のホログラム感光材料52aの上記同一領域に複数回入射させている。これにより、導光部材51の異なる平面上に複数のホログラム感光材料(第1のホログラム感光材料52aおよび第2のホログラム感光材料53a)が形成されている場合であっても、一度に複数のホログラム感光材料に2つのHOEを多重記録することが可能となる。しかも、一方のホログラム感光材料の露光に用いた光を導光部材51内で導光して、他方のホログラム感光材料を露光するので、各ホログラム感光材料の露光を、途中で光路を分岐することなく、1本の光路のままで行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、1/4波長板63を用いてS偏光からP偏光への変換を行っているが、1/2波長板を用いて行ってもよい。つまり、1/4波長板63に対して光を2回透過させる代わりに、1/2波長板に対して光を1回透過させることで、偏光方向の変換を行ってもよい。
また、本実施形態では、偏光方向変換部材(1/4波長板63)を用い、P偏光同士およびS偏光同士の干渉により、複数のホログラム感光材料に複数のHOEを作製しているが、実施の形態3のように、偏光方向変換部材の代わりに、パルスレーザを射出するレーザ光源を用い、複数のホログラム感光材料に複数のHOEを作製することも勿論可能である。この場合、第2のホログラム感光材料53aへの入射光が光R4として入射してから次に光R5として入射するまでの光路長を十分に確保することが必要である。また、本実施形態の手法と実施の形態2または3の手法とを組み合わせ、複数のホログラム感光材料のそれぞれに3つ以上のHOEを作製することも勿論可能である。
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下での説明の便宜上、実施の形態1〜4と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。本実施形態では、実施の形態4の方法で作製した光学素子52・53を、映像表示装置に適用した場合について説明する。
図11は、本実施形態の映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。この映像表示装置は、導光部材51と、光学素子52・53と、映像表示素子71と、接眼光学系72とを備えている。
導光部材51は、互いに平行な平面を有し、内部に入射した光を全反射により導光する透明な基板である。光学素子52・53は、導光部材51の平面上の異なる位置に保持されている。光学素子52は、映像表示素子71から出射されて導光部材51内に入射した映像光を、導光部材51内で全反射される角度で回折反射させる。光学素子53は、導光部材51内を全反射によって導光されてきた映像表示素子71からの映像光を回折反射によって観察者の瞳に導く。
映像表示素子71は、映像を表示するものであり、光源71aと、光源71aから出射された光を変調して映像光を出射する光変調素子71b(例えばLCD)とを有している。接眼光学系72は、映像表示素子71からの映像光を略平行光に変換して導光部材51に導く。
このような映像表示装置の構成において、映像表示素子71からの映像光は、接眼光学系72により拡大されて略平行光となり、導光部材51内に入射する。そして、その入射光は、光学素子52にて回折反射され、導光部材51内を全反射を繰り返しながら導光され、光学素子53にて観察瞳方向に回折反射される。なお、図11では、光軸上の光線のみを図示している。また、上記の光軸とは、光変調素子71bにおける映像表示領域の中心と観察瞳中心とを光学的に結ぶ軸を指す。
このように、映像表示素子71からの映像光を導光部材51内での全反射によって導光する構成とすることで、導光部材51として薄型のものを用いることができ、薄型でコンパクトな映像表示装置を実現することができる。また、映像表示素子71からの映像光は、複数のHOEが多重記録された光学素子52・53での回折反射によって観察者の瞳に導かれるので、観察者は2色の映像を観察することが可能となる。
また、図12は、3つのHOEが多重記録された光学素子の光学特性を模式的に示す説明図である。この光学素子は、光軸上の入射光線に対して、それぞれRGBの光線を回折反射する3種のHOEが多重記録されたものとして作製されている。このような光学素子は、実施の形態4と実施の形態2または3の手法とを組み合わせることによって作製可能である。
したがって、光学素子52・53として、図12の光学特性を有するものを用いれば、映像表示素子71にて表示されたカラー映像の光を光学素子52・53を介して観察者の瞳に導くことができ、観察者は良好なカラー映像を観察することが可能となる。
なお、各実施の形態で説明した手法や構成を適宜組み合わせてホログラム感光材料を露光したり、光学素子や映像表示装置を構成することも勿論可能である。
本発明は、例えばヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイに利用可能である。
本発明の実施の一形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。 上記ホログラム露光方法によって作製される第1および第2のHOEの一構成例を模式的に示す断面図である。 再生される光の波長と、第1および第2のHOEの回折効率との関係を示すグラフである。 第1および第2のHOEの他の構成例を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。 第1、第2および第3のHOEの一構成例を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。 複数の光がホログラム感光材料に入射するタイミングを模式的に示す説明図である。 上記露光光学系の他の構成例を模式的に示す説明図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係るホログラム露光方法を適用可能な露光光学系を模式的に示す説明図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る映像表示装置の概略の構成を示す断面図である。 3つのHOEが多重記録された光学素子の光学特性を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 レーザ光源(第1のレーザ光源)
2〜7 反射ミラー(光路折り曲げ部材)
8 1/2波長板(偏光方向変換部材)
12 光学素子
12a ホログラム感光材料
21 第1のHOE
22 第2のHOE
23 第3のHOE
31 レーザ光源(第2のレーザ光源)
32〜33 反射ミラー(光路折り曲げ部材)
41 レーザ光源
42〜45 反射ミラー(光路折り曲げ部材)
51 導光部材
51a 平面
51b 平面
52 光学素子
52a 第1のホログラム感光材料
53 光学素子
53a 第2のホログラム感光材料
71 映像表示素子

Claims (14)

  1. ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子を多重記録するホログラム露光方法であって、
    光源として、可干渉性の光を射出する1つのレーザ光源を用い、
    上記レーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、上記ホログラム感光材料の同一領域に異なる入射角度で複数回入射させて複数のホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴とするホログラム露光方法。
  2. 上記ホログラム感光材料に入射してそこを透過した光の光路を光路折り曲げ部材によって折り曲げて再度上記ホログラム感光材料に入射させることを特徴とする請求項1に記載のホログラム露光方法。
  3. 上記レーザ光源から射出された光から得られる第1の偏光方向の光を上記ホログラム感光材料の同一領域に2回入射させた後、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光の偏光方向を偏光方向変換部材によって変換し、第2の偏光方向の光を上記ホログラム感光材料の同一領域に2回入射させ、第1の偏光方向の2光束の干渉により第1のホログラフィック回折光学素子を、第2の偏光方向の2光束の干渉により第2のホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴とする請求項1または2に記載のホログラム露光方法。
  4. 上記偏光方向変換部材は、入射光をそれとは直交する偏光方向の光に変換することを特徴とする請求項3に記載のホログラム露光方法。
  5. 最初に上記ホログラム感光材料に入射する第1の偏光方向の光は、P偏光であることを特徴とする請求項4に記載のホログラム露光方法。
  6. 上記レーザ光源を第1のレーザ光源とすると、
    上記第1のレーザ光源とは発振波長の異なるレーザ光を射出する第2のレーザ光源を併せて用い、
    上記第2のレーザ光源から射出された光を、途中で分岐することなく、上記ホログラム感光材料の上記同一領域に2回入射させてホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のホログラム露光方法。
  7. 上記レーザ光源として、パルスレーザを射出する光源を用い、
    上記レーザ光源から射出される光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で上記ホログラム感光材料に2回入射させることにより、第1のホログラフィック回折光学素子を作製し、その後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に2回入射させることにより、第2のホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴とする請求項1または2に記載のホログラム露光方法。
  8. 上記第2のホログラフィック回折光学素子を作製した後、パルス時間幅よりも長い時間が経過してから、上記ホログラム感光材料を最後に透過した光を、そのパルス時間幅よりも短い時間内で再度上記ホログラム感光材料に2回入射させることにより、第3のホログラフィック回折光学素子を作製することを特徴とする請求項7に記載のホログラム露光方法。
  9. 上記ホログラム感光材料に入射させる光は、全て平行光であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のホログラム露光方法。
  10. 互いに平行な平面を有する導光部材の上記平面上の異なる位置に、上記ホログラム感光材料として第1および第2のホログラム感光材料を形成し、
    上記レーザ光源から射出された光を上記第1のホログラム感光材料の同一領域に複数回入射させた後、上記第1のホログラム感光材料を最後に透過した光を上記導光部材内での全反射により導光して、上記第2のホログラム感光材料の同一領域に複数回入射させ、その後、上記第2のホログラム感光材料を最後に透過した光を上記導光部材内での全反射により導光して、上記第1のホログラム感光材料の上記同一領域に複数回入射させることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のホログラム感光材料の露光方法。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のホログラム露光方法によって、ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子が多重記録されていることを特徴とする光学素子。
  12. 請求項1から8、10のいずれかに記載のホログラム露光方法によって、ホログラム感光材料の同一領域に複数のホログラフィック回折光学素子が多重記録されており、
    複数のホログラフィック回折光学素子の干渉縞は、互いに平行で、かつ、ピッチが異なっていることを特徴とする光学素子。
  13. 請求項6または8に記載のホログラム露光方法によって、ホログラム感光材料の同一領域に3つのホログラフィック回折光学素子が多重記録されており、
    上記3つのホログラフィック回折光学素子は、一方向からの入射光に対して、赤、緑、青の波長域の光をそれぞれ反射させることを特徴とする光学素子。
  14. 映像を表示する映像表示素子と、
    請求項11から13のいずれかに記載の光学素子と、
    互いに平行な平面を有し、内部に入射した光を全反射により導光する導光部材とを備え、
    上記光学素子は、上記導光部材の上記平面上に保持されており、上記導光部材内を全反射によって導光されてきた上記映像表示素子からの映像光を、回折反射によって観察者の瞳に導くことを特徴とする映像表示装置。
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