JP6178154B2 - 高圧ガス用ホース又は貯蔵容器 - Google Patents
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Description
はじめに本発明の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器のガスバリア層の原料となる樹脂組成物について説明する。
本発明のホース又は貯蔵容器のガスバリア層は、(A)特定構造を有するポリビニルアルコール系樹脂、及び(B)水酸基と反応又は水素結合を形成可能な極性官能基を有するフッ素樹脂(以下、「極性官能基含有フッ素樹脂(B)」と称する)を含有する樹脂組成物により構成される。以下、各成分について説明する。
上記(A)特定構造を有するポリビニルアルコール系樹脂とは、下記(1)式で示される側鎖1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂(以下、「側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂」又は「側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂」という)である。かかる樹脂は、必要に応じてその他の共重合モノマーに由来する構造単位を含有してもよい。
(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂は、a)側鎖1,2−ジオール構造単位と称する、下記式(1)で表される単位;b)ビニルエステル系モノマーに由来するビニルアルコール構造単位;c)必要に応じて共重合される共重合モノマー単位を含有する。以下、これらの構造単位について、順に説明する。
かかる共重合の際に、必要に応じて、c)共重合モノマーを系内に共存させることにより、c)共重合モノマーを共重合させることが可能である。
(i)、(ii)、及び(iii)の方法については、例えば、特開2002−284818、特開2004−075866、特開2004−285143等に記載の公知の方法を採用できる。
なお、側鎖1、2−ジオール構造単位の含有量は、1H−NMRの測定結果より算出することができる。
ビニルアルコール構造単位は、通常、ビニルエステル系重合体又は共重合体を構成するビニルエステル系モノマーに由来する構造単位がケン化されることにより生成される。したがって、ケン化度が100モル%未満の場合には、(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステル構造単位も含有する。
A成分である側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂は、上記側鎖1,2−ジオール構造単位を提供するモノマー、ビニルアルコール系モノマーの他、所望により他の共重合モノマーに由来する構造単位を含んでもよい。
本発明に用いられる極性官能基含有フッ素樹脂とは、フッ素樹脂に、水酸基と反応又は水素結合を形成可能な極性官能基が導入されたフッ素系重合体をいう。
また、極性官能基を有する連鎖移動剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、無水酢酸等のカルボン酸、チオグリコール酸、チオグリコール等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール;1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボン;1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン等の含フッ素ハイドロカーボンなどが挙げられる。
重合条件は特に限定しないが、例えば重合温度は通常0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。また重合圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。重合時間は重合温度及び重合圧力等により変わりうるが、通常1〜30時間が好ましく、2〜10時間がより好ましい。
本発明で用いられるガスバリア層用樹脂組成物には、上記(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂、(B)極性官能基含有フッ素樹脂の他、必要に応じて、本発明の効果を損なわない限り(例えば、樹脂組成物全体の5重量%未満にて)、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6・66等のポリアミド樹脂;上記一般式(1)の構造単位を有しない未変性ポリビニルアルコール系樹脂;他の熱可塑性樹脂;エチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコール等の可塑剤;飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン)等の滑剤;アンチブロッキング剤;酸化防止剤;着色剤;帯電防止剤;紫外線吸収剤;抗菌剤;不溶性無機塩(例えば、ハイドロタルサイト等);充填材(例えば無機フィラー等);酸素吸収剤(例えば、ポリオクテニレン等のシクロアルケン類の開環重合体や、ブタジエン等の共役ジエン重合体の環化物等);界面活性剤、ワックス;分散剤(ステアリン酸モノグリセリド等)、熱安定剤、光安定剤、乾燥剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、共役ポリエン化合物などの公知の添加剤を適宜配合することができる。
ガスバリア層用樹脂組成物は、上記(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂、(B)極性基含有フッ素樹脂、さらに必要に応じて添加される添加物(C)を、所定比率で配合し、溶融混練することにより調製できる。
かかる溶融混練は、(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂と(B)極性官能基含有フッ素樹脂とを一括投入して行ってもよいし、(A)側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂を二軸押出機で溶融混練しながら、(B)極性官能基含有フッ素樹脂を溶融状態、あるいは固体状態でサイドフィードして行ってもよい。
本発明の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器は、上記ガスバリア層用樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含むものである。好ましくは多層構造からなるホース又は貯蔵容器のうち、内側層(すなわち高圧ガスと接する層)又は中間層、より好ましくは中間層として、ガスバリア層用樹脂組成物の層を含むものである。さらに、内側層及び/又は外側層(すなわち外気と接する層)に、耐水性、水分不透過性の熱可塑樹脂層を含むことが好ましい。なお、中間層とは外側層と内側層の間にある層をいう。また、外側層に、さらに補強層を設けることが好ましい。補強層が設けられている場合、補強層が外気と接する層(最外層)となる。さらにまた、これらの層間に、接着性樹脂からなる接着層が設けられていてもよい。
ガスバリア層が薄すぎる場合、得られるホース又は貯蔵容器の高度なガスバリア性が得られにくい傾向がある。厚すぎる場合、耐屈曲性と経済性が低下する傾向がある。
また水分不透過性熱可塑性樹脂層が薄すぎる場合、得られるホース又は貯蔵容器の強度が低下する傾向があり、厚すぎる場合は耐屈曲性や柔軟性が低下する傾向がある。
尚、ホースの補強層の構造は、例えば、特開2010−31993号公報に記載の構造に準じて構成してもよい。ホースの補強層としては、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維を用いることが好ましい。貯蔵容器の補強層としては、炭素繊維が好適に使用される。
かかる平均線膨張係数の比は、同一条件で測定した平均線膨張係数を適用することが可能である。さらには、高圧ガス設備における実用的な温度範囲である、−60〜40℃における平均線膨張係数を用いることが好ましい。
尚、例中「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
はじめに、以下の実施例で採用した測定評価方法について説明する。
(1)平均重合度
JIS K6726に準じて分析した。
1H−NMR(300MHzプロトンNMR、d6−DMSO溶液、内部標準物質:テトラメチルシラン)にて測定した積分値より算出した。
残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量より算出した。
220℃、せん断速度122sec-1での溶融粘度を、東洋精機社製の「キャピログラフ1B」を用いて測定した。
厚み300μmのフィルム試験片を、図1に示す水素透過度測定装置のサンプル部分にセットし、41℃雰囲気下で、水素圧0.5MPa、0.9MPaの加圧水素をフィルムサンプルに向けて送り、透過した水素を回収し、透過係数(cc・20μm/m2・day・atm)を測定した。
図1中、TIは温度計(Temperature Indicator)、PIは圧力計(Pressure Indicator)、MFCは流量制御装置(Mass Flow Controller)を表す。
直径13mm×厚さ3mmの試験片を、60℃で70MPaの水素ガスに24時間曝露した後、試験片を昇温脱離ガス分析装置(TDA:Thermal desorption Gas Analysis)中で定温に保ち、水素放出量の経時変化をガスクロマトグラフィにより測定した。得られた残存水素量の経時変化について、下記に示す拡散方程式の多項式近似解を飽和水素量と拡散係数Dを未知定数として、最小二乗法によりフィッティングすることにより決定した。
得られた乾燥フィルムを使用し、ゲルボフレックステスター(理学工業社製)にて、23℃、50%RH条件下で捻じり試験を行った。25インチ水平に進んだ後に、3.5インチで440°の捻じりを100回(40サイクル/分)加えた後、該フィルムの中央部28cm×17cmあたりのピンホール発生数を数えた。かかるテストを5回試行し、その平均値を求めた。
(8−1)高圧水素ガス曝露−脱圧サイクル試験後のブリスタ発生の有無
図3に示すように構成された水素高圧ガス設備を用いて、「試験体」と記載された部分に、図2に示すダンベル状試験片(ISO 527-3に準拠し、b1=6、b2=25、L0=25、l1=33、L=80、l3=115、h=1、単位はいずれもmm)をセットして、図4に示す圧力パターン(0.5時間で水素ガスを70MPaまで昇圧し、かかる高圧水素環境下に20時間曝露し、30秒間で脱圧後0.5時間静置を1サイクルとして、20サイクル繰り返した(合計曝露時間400時間)。
高圧水素ガス曝露−脱圧サイクル試験後、試験片を取り出し、試験片の状態を目視で観察し、ブリスタの発生の有無(通常、ダンベル部分に発生)を観察した。ダンベル部分にブリスタが発生しなかった場合を「○」(ブリスタ個数:0個)、ブリスタ発生個数が50個以上300個未満の場合を「△」、ブリスタ発生個数が300個以上の場合を「×」として、評価した。
上記高圧水素ガス曝露−脱圧サイクル試験を行った後、引張試験を行った。弾性率、破断伸び(%)が、高圧水素ガス曝露−脱圧サイクル試験を行う前の弾性率、破断伸びと比べたときの変化度合が、10%以下であり、かつ亀裂が生じる等の水素脆化が認められなかった場合を「○」とし、10%を超える場合又は亀裂が生じる等の水素脆化が認められた場合を「×」とした。
下記方法により得られた樹脂ペレット(No.4,5,7)をエポキシ樹脂で包埋し、ウルトラークライオミクロトームを用いて切断した。かかる切断面をイオンエッチング処理し、Osコーターを用いて導電処理し、走査電子顕微鏡で観察(10000倍)し、ドメインの平均サイズを求めた。
内径8.3mm、外径10.3mmの押出成形品であるホースを作成し、ホース内に70MPaで1000時間、水素を通過させ、ホース外に漏出した水素量を測定し、同一厚みで1時間当たりの水素透過量(cc/m・hr)に換算した。
(1)側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂(PVA1,2,3)
還流冷却器、攪拌機を備えた反応容器に、酢酸ビニル68.0部、メタノール23.8部、3,4−ジアセトキシ−ブテン8.2部を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.3モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し、共重合体のメタノール溶液とした。
次いで、上記メタノール溶液を、さらにメタノールで希釈し、濃度45%に調整して、ニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して11.5ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。
ケン化が進行するとともに、ケン化物が析出し、粒子状となった時点で濾別した。得られたケン化物をメタノールでよく洗浄して熱風乾燥機で乾燥し、上記(1a)式の側鎖1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂(PVA2)を得た。
内容積が430リットルの撹拌機付き重合槽を脱気し、溶媒として、1−ヒドロトリデカフルオロヘキサン200.7kg及び1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK225cb、以下「AK225cb」という。)55.8kgを仕込み、さらに、重合モノマーとして、1.3kgのCH2=CH(CF2)4Fを仕込んだ。次いで、重合モノマーとして、122.2kgのヘキサフルオロプロピレン(HFP)、36.4kgのテトラフルオロエチレン(TFE)、1.2kgのエチレン(E)を圧入し、重合槽内を66℃に昇温し、重合開始剤としてtert−ブチルペルオキシピバレート85.8gを仕込み、重合を開始させた。重合中圧力が一定になるように組成TFE/E=54/46(モル比)のモノマー混合ガスを連続的に仕込み、TFE/Eのモノマー混合ガスに対して、1.0モル%となるようにCH2=CH(CF2)4Fを、0.35モル%となるように極性官能基含有化合物である無水イタコン酸を、それぞれ連続的に仕込んだ。重合開始3.6時間後、モノマー混合ガスの29kgを仕込んだ時点で、重合槽内温を室温まで降温するとともに常圧までパージした。
以下に示すポリアミド樹脂を用いた。
・ナイロン11:アルケマ社の「Rilsan BESN P40」(商標)、溶融粘度(220℃、せん断速度122sec-1)は1557Pa・s
・ナイロン6・66:三菱エンジニアリング社製の「Novamid2420J」(商標)、溶融粘度(220℃、せん断速度122sec-1)は1368Pa・s、SP値25.8である。
使用した樹脂及び樹脂組成物は、二軸押出機(テクノベル社製)を用いて、下記条件でペレット化した。尚、樹脂組成物の調製は、各樹脂をドライブレンドした後、二軸押出機で押し出した。
スクリュー径:15mm
L/D=60mm
回転方向:同方向
スクリューパターン:3か所練り
スクリーンメッシュ:90/90メッシュ
スクリュー回転数 :200rpm
温度パターン:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D=180/200/210/210/215/215/220/220/220℃
樹脂温度:225℃
吐出量:1.5kg/hr
直径(D)15mm
L/D=60
スクリュー:練り3か所
ベント :C7オーブン
設定温度:C1/C2/C3/C4/C5/C6/C7/C8/D=180/200/210/210/215/215/220/220/220℃
スクリーンメッシュ:90/90メッシュ
スクリュー回転数:200rpm
樹脂温度:225℃
吐出量:1.5kg/hr
ダイ:幅300mm、コートハンガータイプ
引取速度:2.6m/min
ロール温度:50℃
エアーギャップ:1cm
上記で調製した側鎖1,2−ジオール含有率が異なるPVA1、PVA2、PVA3、及びナイロン11の水素透過係数を測定し、比較した。結果を表1に示す。
表2に示した組成(重量比率)を有する樹脂組成物について、上記方法によりペレット及びフィルムを作成し、水素溶解量、耐屈曲性、耐水素脆性を測定評価した。結果を表2、表3に示す。また、樹脂組成物No.4、5、及び7の走査電子顕微鏡写真(10000倍)を、それぞれ図5−図7に示す。写真右下の白線の長さが1μmである。
また、組成物におけるA成分である側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂とB成分である極性官能基含有フッ素樹脂の混合比率と溶融粘度との関係を図8に示す。
また、No.4、No.5(図5,6)とNo.7(図7)の顕微鏡写真からも明らかなように、側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂と極性官能基含有フッ素樹脂との組合せのドメインサイズは、側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂とポリアミド系樹脂との組合せのドメインサイズよりも小さく、微細な海島構造を形成できることがわかる。側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂と極性官能基含有フッ素樹脂との組合せのドメインサイズは、極性官能基含有フッ素樹脂の含有率により異なるが、いずれも平均ドメインサイズは1μm未満であった。
ナイロン6・66(SP値:25.8)は、ナイロン11(SP値:20.8)よりも側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂との相溶性が高い。No.6とNo.7との比較から、側鎖1,2−ジオール含有ポリビニルアルコール系樹脂と相溶性の高いポリアミド系樹脂を用いることで、ブリスタの発生を改善できることがわかるが、相溶性の高いナイロン6・66を用いた場合でも、未だブリスタの発生が認められた(No.7)。これに対して、極性官能基含有フッ素樹脂と組み合わせたNo.3−5では、いずれもブリスタの発生が認められなかった。
表3に示すような樹脂(組成物)及び層構造を有するホース(内径8.3mm、外径10.3mm、長さ1m)を、押出成形により作製した。作製したホースの外側面に高強度繊維であるポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)を用いた補強繊維層(厚み2mm)を設け、ホース(内径8.3mm、外径16mm、長さ1m)を得た。
得られた補強繊維層有りのホースNo.20−22内に70MPaで1000時間、水素を通過させ、ホース外に漏出した水素量を測定し、同一厚みで1時間あたりの水素透過量(cc/m・hr)に換算した。結果を表3に示す。なお、No.22では、ガスバリア層として、側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂とナイロン6・66の混合物(樹脂組成物No.7)を使用し、内側層は設けなかった。
したがって、本発明のホースNo.21は、ビニルアルコール系樹脂を含有するガスバリア層を有しない従来のホースNo.20に対してだけでなく、側鎖1,2−ジオール含有PVA系樹脂を含むが極性官能基含有フッ素樹脂を含有しない樹脂組成物をガスバリア層とするホースNo.22と比べても、はるかに優れた水素ガスバリア性を有する。
Claims (12)
- (A)下記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を含有するポリビニルアルコール系樹脂、及び(B)水酸基と反応又は水素結合を形成する極性官能基を有するフッ素樹脂を含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有する、分子量10未満の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(A)ポリビニルアルコール系樹脂と前記(B)極性官能基含有フッ素樹脂との含有重量比(A/B)が9.5/0.5〜5/5である請求項1に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(B)フッ素樹脂の極性官能基がカルボニル含有基又は水酸基である請求項1又は2に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記カルボニル含有基が、カーボネート基、ハロホルミル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸無水物基、及びイソシアナト基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(B)極性官能基含有フッ素樹脂は、構成モノマーとして、少なくとも、テトラフルオロエチレンを含む共重合体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(B)極性官能基含有フッ素樹脂は、構成モノマーとして、さらにエチレンを含む請求項5に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(B)極性官能基含有フッ素樹脂を構成するフッ素樹脂は、エチレン/テトラフルオロエチレン系共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/CH2=CH−Rf(Rfは炭素数2〜6のペルフルオロアルキル基)系共重合体、及びエチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/CH2=CH−Rf(Rfは炭素数2〜6のペルフルオロアルキル基)系共重合体からなる群より選択される一種である請求項6に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(B)極性官能基含有フッ素樹脂の融点が120〜240℃である請求項1〜7のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(A)ポリビニルアルコール系樹脂における、前記側鎖1,2−ジオール構造単位の含有率は、0.1〜30モル%である請求項1〜8のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 外側層、中間層、及び内側層を有し、前記樹脂組成物からなる層が中間層又は内側層である請求項1〜9のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホースまたは貯蔵容器。
- 前記樹脂組成物からなる層以外の少なくともいずれか1層の構成材料が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、及び極性基含有フッ素系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
- 前記(A)ポリビニルアルコール系樹脂のα−オレフィン構造単位の含有率は0〜10モル%である請求項1〜11のいずれか1項に記載の高圧ガス用ホース又は貯蔵容器。
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