(発明者らが得た知見)
従来、マルチアンテナを用いた通信方法として例えばMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)と呼ばれる通信方法がある。MIMOに代表されるマルチアンテナ通信では、複数系列の送信データをそれぞれ変調し、各変調信号を異なるアンテナから同時に送信することで、データの通信速度を高めるようになっている。
図23は、送信アンテナ数2、受信アンテナ数2、送信変調信号(送信ストリーム)数2のときの送受信装置の構成の一例を示している。送信装置では、符号化されたデータをインタリーブし、インタリーブ後のデータを変調し、周波数変換等を行い送信信号が生成され、送信信号はアンテナから送信される。このとき、送信アンテナからそれぞれ異なる変調信号が同一時刻に同一周波数に送信する方式が空間多重MIMO方式である。
このとき、特許文献1では送信アンテナごとに異なるインタリーブパターンを具備する送信装置が提案されている。つまり、図23の送信装置において2つのインタリーブ(πa、πb)が互いに異なるインタリーブパターンを有していることになる。そして、受信装置において、非特許文献1、非特許文献2に示されているように、ソフト値を用いた検波方法(図23におけるMIMO detector)を、反復して行うことによって、受信品質が向上することになる。
ところで、無線通信における実伝搬環境のモデルとして、レイリーフェージング環境で代表されるNLOS(non−line of sight)環境、ライスフェージング環境で代表されるLOS(line of sight)環境が存在する。送信装置においてシングルの変調信号を送信し、受信装置において複数のアンテナで受信した信号に対して最大比合成を行い、最大比合成後の信号に対して復調、及び復号を行う場合、LOS環境、特に、散乱波の受信電力に対する直接波の受信電力の大きさを示すライスファクタが大きい環境では、良好な受信品質を得ることができる。しかし、伝送方式(例えば、空間多重MIMO伝送方式)によっては、ライスファクタが大きくなると受信品質が劣化するという問題が発生する。(非特許文献3参照)
図24の(A)(B)は、レイリ−フェージング環境、及びライスファクタK=3、10、16dBのライスフェージング環境において、LDPC(low−density parity−check)符号化されたデータを2×2(2アンテナ送信、2アンテナ受信)空間多重MIMO伝送した場合のBER(Bit Error Rate)特性(縦軸:BER、横軸:SNR(signal−to−noise power ratio))のシミュレーション結果の一例を示している。図24の(A)は、反復検波を行わないMax−log−APP(非特許文献1、非特許文献2参照)(APP:a posterior probability)のBER特性、図24の(B)は、反復検波を行ったMax−log−APP(非特許文献1、非特許文献2参照)(反復回数5回)のBER特性を示している。図24(A)(B)からわかるように、反復検波を行う、または行わないに関係なく、空間多重MIMOシステムでは、ライスファクタが大きくなると受信品質が劣化することが確認できる。このことから、「空間多重MIMOシステムでは、伝搬環境が安定的になると受信品質が劣化する」という従来のシングルの変調信号を送信するシステムにはない、空間多重MIMOシステム固有の課題をもつことがわかる。
放送やマルチキャスト通信は、いろいろな伝播環境に対応しなければならないサービスであり、ユーザが所持する受信機と放送局との間の電波伝搬環境はLOS環境であることは当然ありうる。前述の課題をもつ空間多重MIMOシステムを、放送やマルチキャスト通信に用いた場合、受信機において、電波の受信電界強度は高いが、受信品質の劣化によりサービスを受けることができない、という現象が発生する可能性がある。つまり、空間多重MIMOシステムを放送やマルチキャスト通信で用いるには、NLOS環境、及びLOS環境のいずれの場合においても、ある程度の受信品質が得られるMIMO伝送方式の開発が望まれる。
非特許文献8では、通信相手からのフィードバック情報からプリコーディングに用いるコードブック(プリコーディング行列(プリコーディングウェイト行列ともいう))を選択する方法について述べられているが、上記のように、放送やマルチキャスト通信のように、通信相手からのフィードバック情報が得られない状況において、プリコーディングを行う方法については全く記載されていない。
一方、非特許文献4では、フィードバック情報が無い場合にも適用することができる、時間とともに、プリコーディング行列を切り替える方法について述べられている。この文献では、プリコーディングに用いる行列として、ユニタリ行列を用いること、また、ユニタリ行列をランダムに切り替えることについて述べられているが、上記で示したLOS環境での受信品質の劣化に対する適用方法については全く記載されていなく、単にランダムに切り替えることのみが記載されている。当然であるが、LOS環境の受信品質の劣化を改善するためのプリコーディング方法、および、プリコーディング行列の構成方法に関する記述は一切されていない。
本発明の目的の一つとしては、LOS環境における受信品質を改善することが可能なMIMOシステムを提供することを目的とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の送信方法、送信装置、受信方法、受信装置について詳しく説明する。
本説明を行う前に、従来システムである空間多重MIMO伝送システムにおける、送信方法、復号方法の概要について説明する。
NtxNr空間多重MIMOシステムの構成を図1に示す。情報ベクトルzは、符号化およびインタリーブが施される。そして、インタリーブの出力として、符号化後ビットのベクトルu=(u1,…,uNt)が得られる。ただし、ui=(ui1,…,uiM)とする(M:シンボル当たりの送信ビット数)。送信ベクトルs=(s1,…,sNt)Tとすると送信アンテナ#iから送信信号si=map(ui)とあらわし、送信エネルギーを正規化するとE{|si|2}=Es/Ntとあらわされる(Es:チャネル当たりの総エネルギー)。そして、受信ベクトルをy=(y1,…,yNr)Tとすると、式(1)のようにあらわされる。
このとき、HNtNrはチャネル行列、n=(n1,…,nNr)Tはノイズベクトルであり、niは平均値0、分散σ2のi.i.d.複素ガウス雑音である。受信機で導入する送信シンボルと受信シンボルの関係から、受信ベクトルに関する確率は、式(2)のように多次元ガウス分布で与えることができる。
ここで、outer soft−in/soft−outデコーダとMIMO検波からなる図1のような反復復号を行う受信機を考える。図1における対数尤度比のベクトル(L−value)は式(3)−(5)のようにあらわされる。
<反復検波方法>
ここでは、NtxNr空間多重MIMOシステムにおけるMIMO信号の反復検波について述べる。
umnの対数尤度比を式(6)のように定義する。
ベイズの定理より、式(6)は、式(7)のようにあらわすことができる。
ただし、Umn,±1={u|umn=±1}とする。そして、lnΣaj〜max ln ajで近似すると式(7)は式(8)のように近似することができる。なお、上の「〜」の記号は近似を意味する。
式(8)におけるP(u|umn)とln P(u|umn)は以下のようにあらわされる。
ところで、式(2)で定義した式の対数確率は式(12)のようにあらわされる。
したがって、式(7),(13)から、MAP、または、APP(a posteriori probability)では、事後のL−valueは、以下のようにあらわされる。
以降では、反復APP復号と呼ぶ。また、式(8),(12)から、Max−Log近似に基づく対数尤度比(Max−Log APP)では、事後のL−valueは、以下のようにあらわされる。
以降では、反復Max−log APP復号と呼ぶ。そして、反復復号のシステムで必要とする外部情報は、式(13)または(14)から事前入力を減算することで、求めることができる。
<システムモデル>
図23に、以降の説明につながるシステムの基本構成を示す。ここでは、2×2空間多重MIMOシステムとし、ストリームA,Bではそれぞれにouterエンコーダがあり、2つのouterエンコーダは同一のLDPC符号のエンコーダとする(ここではouterエンコーダとしてLDPC符号のエンコーダを用いる構成を例に挙げて説明するが、outerエンコーダが用いる誤り訂正符号はLDPC符号に限ったものではなく、ターボ符号、畳み込み符号、LDPC畳み込み符号等の他の誤り訂正符号を用いても同様に実施することができる。また、outerエンコーダは、送信アンテナごとに有する構成としているがこれに限ったものではなく、送信アンテナが複数であっても、outerエンコーダは一つであってもよく、また、送信アンテナ数より多くのouterエンコーダを有していてもよい。)。そして、ストリームA,Bではそれぞれにインタリーバ(πa,πb)がある。ここでは、変調方式を2h−QAMとする(1シンボルでhビットを送信することになる。)。
受信機では、上述のMIMO信号の反復検波(反復APP(またはMax−log APP)復号)を行うものとする。そして、LDPC符号の復号としては、例えば、sum−product復号を行うものとする。
図2はフレーム構成を示しており、インタリーブ後のシンボルの順番を記載している。このとき、以下の式のように(ia,ja),(ib,jb)をあらわすものとする。
このとき、ia,ib:インタリーブ後のシンボルの順番、ja,jb:変調方式におけるビット位置(ja,jb=1,・・・,h)、πa,πb:ストリームA,Bのインタリーバ、Ωa ia,ja,Ωb ib,jb:ストリームA,Bのインタリーブ前のデータの順番、を示している。ただし、図2では、ia=ibのときのフレーム構成を示している。
<反復復号>
ここでは、受信機におけるLDPC符号の復号で用いるsum−product復号およびMIMO信号の反復検波のアルゴリズムについて詳しく述べる。
sum−product復号
2元MxN行列H={Hmn}を復号対象とするLDPC符号の検査行列とする。集合[1,N]={1,2,・・・,N}の部分集合A(m),B(n)を次式のように定義する。
このとき、A(m)は検査行列Hのm行目において、1である列インデックスの集合を意味し、B(n)は検査行列Hのn行目において1である行インデックスの集合である。sum−product復号のアルゴリズムは以下のとおりである。
Step A・1(初期化):Hmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して事前値対数比βmn=0とする。ループ変数(反復回数)lsum=1とし、ループ最大回数をlsum,maxと設定する。
Step A・2(行処理):m=1,2,・・・,Mの順にHmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式を用いて外部値対数比αmnを更新する。
このとき、fはGallagerの関数である。そして、λnの求め方については以降で詳しく説明する。
Step A・3(列処理):n=1,2,・・・,Nの順にHmn=1を満たす全ての組(m,n)に対して、以下の更新式を用いて外部値対数比βmnを更新する。
Step A・4(対数尤度比の計算):n∈[1,N]について対数尤度比Lnを以下のように求める。
Step A・5(反復回数のカウント):もしlsum<lsum,maxならばlsumをインクリメントして、step A・2に戻る。lsum=lsum,maxの場合、この回のsum−product復号は終了する。
以上が、1回のsum−product復号の動作である。その後、MIMO信号の反復検波が行われる。上述のsum−product復号の動作の説明で用いた変数m,n,αmn,βmn,λn,Lnにおいて、ストリームAにおける変数をma,na,αa mana,βa mana,λna,Lna、ストリームBにおける変数をmb,nb,αb mbnb,βb mbnb,λnb,Lnbであらわすものとする。
<MIMO信号の反復検波>
ここでは、MIMO信号の反復検波におけるλnの求め方について詳しく説明する。
式(1)から、次式が成立する。
図2のフレーム構成から、式(16)(17)から、以下の関係式が成立する。
このとき、na,nb∈[1,N]となる。以降では、MIMO信号の反復検波の反復回数kのときのλna,Lna,λnb,Lnbをそれぞれλk,na,Lk,na,λk,nb,Lk,nbとあらわすものとする。
Step B・1(初期検波;k=0):初期検波のとき、λ0,na,λ0,nbを以下のように求める。
反復APP復号のとき:
反復Max−log APP復号のとき:
ただし、X=a,bとする。そして、MIMO信号の反復検波の反復回数をlmimo=0とし、反復回数の最大回数をlmimo,maxと設定する。
Step B・2(反復検波;反復回数k):反復回数kのときのλk,na,λk,nbは、式(11)(13)−(15)(16)(17)から式(31)−(34)のようにあらわされる。ただし、(X,Y)=(a,b)(b,a)となる。
反復APP復号のとき:
反復Max−log APP復号のとき:
Step B・3(反復回数のカウント、符号語推定):もしlmimo<lmimo,maxならばlmimoをインクリメントして、step B・2に戻る。lmimo=lmimo,maxの場合、推定符号語を以下のようにもとめる。
ただし、X=a,bとする。
図3は、本実施の形態における送信装置300の構成の一例である。符号化部302Aは、情報(データ)301A、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313(符号化部302Aがデータの誤り訂正符号化に使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号313が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ303Aを出力する。
インタリーバ304Aは、符号化後のデータ303A、フレーム構成信号313を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ305Aを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部306Aは、インタリーブ後のデータ305A、フレーム構成信号313を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号307Aを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
図19は、QPSK変調におけるベースバンド信号を構成する同相成分Iと直交成分QのIQ平面におけるマッピング方法の一例としている。例えば、図19(A)のように、入力データが「00」の場合、I=1.0、Q=1.0が出力され、以下同様に、入力データが「01」の場合、I=―1.0、Q=1.0が出力され、・・・、が出力される。図19(B)は、図19(A)とは異なるQPSK変調のIQ平面におけるマッピング方法の例であり、図19(B)が図19(A)と異なる点は、図19(A)における信号点が、原点を中心に回転させることで図19(B)の信号点を得ることができる。このようなコンスタレーションの回転方法については、非特許文献9、非特許文献10に示されており、また、非特許文献9、非特許文献10に示されているCyclic Q Delayを適用してもよい。図19とは別の例として、図20に16QAMのときのIQ平面における信号点配置を示しており、図19(A)に相当する例が図20(A)であり、図19(B)に相当する例が図20(B)となる。
符号化部302Bは、情報(データ)301B、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313(使用する誤り訂正方式、符号化率、ブロック長等の情報が含まれており、フレーム構成信号313が指定した方式を用いることになる。また、誤り訂正方式は、切り替えても良い。)にしたがい、例えば、畳み込み符号、LDPC符号、ターボ符号等の誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ303Bを出力する。
インタリーバ304Bは、符号化後のデータ303B、フレーム構成信号313を入力とし、インタリーブ、つまり、順番の並び替えを行い、インタリーブ後のデータ305Bを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、インタリーブの方法は、切り替えても良い。)
マッピング部306Bは、インタリーブ後のデータ305B、フレーム構成信号313を入力とし、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation)等の変調を施し、ベースバンド信号307Bを出力する。(フレーム構成信号313に基づき、変調方式は、切り替えても良い。)
信号処理方法情報生成部314は、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313に基づいた信号処理方法に関する情報315を出力する。なお、信号処理方法に関する情報315は、どのプリコーディング行列を固定的に用いるのかを指定する情報と、位相を変更する位相変更パターンの情報を含む。
重み付け合成部308Aは、ベースバンド信号307A、ベースバンド信号307B、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bを重み付け合成し、重み付け合成後の信号309Aを出力する。なお、重み付け合成の方法の詳細については、後で詳しく説明する。
無線部310Aは、重み付け合成後の信号309Aを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号311Aを出力し、送信信号311Aは、アンテナ312Aから電波として出力される。
重み付け合成部308Bは、ベースバンド信号307A、ベースバンド信号307B、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315に基づいて、ベースバンド信号307Aおよびベースバンド信号307Bを重み付け合成し、重み付け合成後の信号316Bを出力する。
図21に重み付け合成部(308A、308B)の構成を示す。図21において点線で囲まれる領域が重み付け合成部となる。ベースバンド信号307Aは、w11と乗算し、w11・s1(t)を生成し、w21と乗算し、w21・s1(t)を生成する。同様に、ベースバンド信号307Bは、w12と乗算し、w12・s2(t)を生成し、w22と乗算し、w22・s2(t)を生成する。次に、z1(t)=w11・s1(t)+w12・s2(t)、z2(t)=w21・s1(t)+w22・s2(t)を得る。このとき、s1(t)およびs2(t)は、上記の説明からわかるように、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM、32QAM(32 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)等の変調方式のベースバンド信号となる。
ここで、両重み付け合成部は、固定のプリコーディング行列を用いて重み付けを実行するものとし、プリコーディング行列としては、一例として、下記式(37)又は式(38)の条件のもと、式(36)を用いる方法がある。但し、これは一例であり、αの値は、式(37)、式(38)に限ったものではなく、別の値、例えば、αを1、としてもよい。
なお、プリコーディング行列は、
但し、上記式(36)において、αは、
である。
あるいは、上記式(36)において、αは、
である。
なお、プリコーディング行列は、式(36)に限ったものではなく、式(39)に示すものを用いてもよい。
この式(39)において、a=Aejδ11、b=Bejδ12、c=Cejδ21、d=Dejδ22であらわされればよい。また、a、b、c、dのいずれか一つが「ゼロ」であってもよい。例えば、(1)aがゼロであり、b、c、dはゼロでない、(2)bがゼロであり、a、c、dはゼロでない、(3)cがゼロであり、a、b、dはゼロでない、(4)dがゼロであり、a、b、cはゼロでない、という構成であってもよい。
なお、変調方式、誤り訂正符号、その符号化率のいずれかを変更した時は、使用するプリコーディング行列を設定、変更し、そのプリコーディング行列を固定的に使用してもよい。
位相変更部317Bは、重み付け合成後の信号316B及び信号処理方法に関する情報315を入力とし、当該信号316Bの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、下記実施の形態4において説明する。
無線部310Bは、位相変更後の信号309Bを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号311Bを出力し、送信信号311Bは、アンテナ312Bから電波として出力される。
図4は、図3とは異なる送信装置400の構成例を示している。図4において、図3と異なる部分について説明する。
符号化部402は、情報(データ)401、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313に基づき、誤り訂正符号化を行い、符号化後のデータ402を出力する。
分配部404は符号化後のデータ403を入力とし、分配し、データ405Aおよびデータ405Bを出力する。なお、図4では、符号化部が一つの場合を記載したが、これに限ったものではなく、符号化部をm(mは1以上の整数)とし、各符号化部で作成された符号化データを分配部が、2系統のデータにわけて出力する場合についても、本発明は同様に実施することができる。
図5は、本実施の形態における送信装置の時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。シンボル500_1は、受信装置に、送信方法を通知するためのシンボルであり、例えば、データシンボルを伝送するために用いる誤り訂正方式、その符号化率の情報、データシンボルを伝送するために用いる変調方式の情報等を伝送する。
シンボル501_1は、送信装置が送信する変調信号z1(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_1は変調信号z1(t)が(時間軸における)シンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_1は変調信号z1(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル501_2は、送信装置が送信する変調信号z2(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_2は変調信号z2(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_2は変調信号z2(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
このとき、z1(t)におけるシンボルとz2(t)におけるシンボルにおいて、同一時刻(同一時間)のシンボルは、同一(共通)の周波数を用いて、送信アンテナから送信されることになる。
送信装置が送信する変調信号z1(t)と変調信号z2(t)、及び、受信装置における受信信号r1(t)、r2(t)の関係について説明する。
図5において、504#1、504#2は送信装置における送信アンテナ、505#1、505#2は受信装置における受信アンテナを示しており、送信装置は、変調信号z1(t)を送信アンテナ504#1、変調信号z2(t)を送信アンテナ504#2から送信する。このとき、変調信号z1(t)および変調信号z2(t)は、同一(共通の)周波数(帯域)を占有しているものとする。送信装置の各送信アンテナと受信装置の各アンテナのチャネル変動をそれぞれh11(t)、h12(t)、h21(t)、h22(t)とし、受信装置の受信アンテナ505#1が受信した受信信号をr1(t)、受信装置の受信アンテナ505#2が受信した受信信号をr2(t)とすると、以下の関係式が成立する。
図6は、本実施の形態における重み付け方法(プリコーディング(Precoding)方法)及び位相変更方法に関連する図であり、重み付け合成部600は、図3の重み付け合成部308Aと308Bの両者を統合した重み付け合成部である。図6に示すように、ストリームs1(t)およびストリームs2(t)は、図3のベースバンド信号307Aおよび307Bに相当する、つまり、QPSK、16QAM、64QAMなどの変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号の同相I成分、直交Q成分となる。そして、図6のフレーム構成のようにストリームs1(t)は、シンボル番号uの信号をs1(u)、シンボル番号u+1の信号をs1(u+1)、・・・とあらわす。同様に、ストリームs2(t)は、シンボル番号uの信号をs2(u)、シンボル番号u+1の信号をs2(u+1)、・・・とあらわす。そして、重み付け合成部600は、図3におけるベースバンド信号307A(s1(t))および307B(s2(t))、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315にしたがった重み付けを施し、図3の重み付け合成後の信号309A(z1(t))、316B(z2’(t))を出力する。位相変更部317Bは、重み付けされた信号316B(z2’(t))の位相を変更し、位相変更後の信号309B(z2(t))を出力する。
このとき、z1(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第1行のベクトルをW1=(w11,w12)とすると、以下の式(41)であらわすことができる。
一方、z2(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第2行のベクトルをW2=(w21,w22)とし、位相変更部による位相変更式をy(t)とすると、以下の式(42)であらわすことができる。
ここで、y(t)は、予め定められた方式に従って、位相を変更するための式であり、例えば、周期を4とすると、時刻uの位相変更式は、例えば、式(43)であらわすことができる。
同様に時刻u+1の位相変更式は、例えば、式(44)であらわすことができる。
即ち、時刻u+kの位相変更式は、式(45)であらわすことができる。
なお、式(43)〜(45)に示した規則的な位相変更例は一例に過ぎない。
規則的な位相変更の周期は4に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い。)。
また、上記式(43)〜(45)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、π/2ずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。例えば、y(t)は予め定められた周期に従って、式(46)や式(47)に示すような順に乗じる位相が変更されてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
このように、図6の重み付け合成部600は、予め定められた固定のプリコーディングウェイトを用いてプリコーディングを実行し、位相変更部317Bは、入力された信号の位相を、その変更度合いを規則的に変えながら、変更する。
LOS環境では、特殊なプリコーディング行列を用いると、受信品質が大きく改善する可能性があるが、直接波の状況により、その特殊なプリコーディング行列は受信した際の直接波の位相、振幅成分により異なる。しかし、LOS環境には、ある規則があり、この規則に従い送信信号の位相を規則的に変更すれば、データの受信品質が大きく改善する。本発明は、LOS環境を改善する信号処理方法を提案している。
図7は、本実施の形態における受信装置700の構成の一例を示している。無線部703_Xは、アンテナ701_Xで受信された受信信号702_Xを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Xを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部705_1は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(40)のh11に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部705_2は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(40)のh12に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_2を出力する。
無線部703_Yは、アンテナ701_Yで受信された受信信号702_Yを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Yを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部707_1は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(40)のh21に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部707_2は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(40)のh22に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_2を出力する。
制御情報復号部709は、ベースバンド信号704_Xおよび704_Yを入力とし、図5の送信方法を通知するためのシンボル500_1を検出し、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を出力する。
信号処理部711は、ベースバンド信号704_X、704_Y、チャネル推定信号706_1、706_2、708_1、708_2、及び、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を入力とし、検波、復号を行い、受信データ712_1および712_2を出力する。
次に、図7の信号処理部711の動作について詳しく説明する。図8は、本実施の形態における信号処理部711の構成の一例を示している。図8は、主にINNER MIMO検波部とsoft−in/soft−outデコーダ、係数生成部から構成されている。この構成における反復復号の方法については、非特許文献2、非特許文献3で詳細が述べられているが、非特許文献2、非特許文献3に記載されているMIMO伝送方式は空間多重MIMO伝送方式であるが、本実施の形態における伝送方式は、時間とともに信号の位相を規則的に変更し、かつ、プリコーディング行列が使用されているMIMO伝送方式である点が、非特許文献2、非特許文献3と異なる点である。式(36)における(チャネル)行列をH(t)、図6におけるプリコーディングウェイト行列をF(ここでプリコーディング行列は1の受信信号中においては変更されない固定のものである)、図6の位相変更部による位相変更式の行列をY(t)(ここでY(t)はtによって変化する)、受信ベクトルをR(t)=(r1(t),r2(t))T、ストリームベクトルS(t)=(s1(t),s2(t))Tとすると以下の関係式が成立する。
このとき、受信装置は、H(t)×Y(t)×Fを得ることで、受信ベクトルR(t)に対して非特許文献2、非特許文献3の復号方法を適用することができる。
したがって、図8の係数生成部819は、送信装置が通知した送信方法の情報(用いた固定のプリコーディング行列及び位相を変更していた場合の位相変更パターンを特定するための情報)に関する信号818(図7の710に相当)を入力とし、信号処理方法の情報に関する信号820を出力する。
INNER MIMO検波部803は、信号処理方法の情報に関する信号820を入力とし、この信号を利用して、式(48)の関係を利用することで、反復検波・復号を行うことになるがその動作について説明する。
図8に示す構成の信号処理部では、反復復号(反復検波)を行うため図10に示すような処理方法を行う必要がある。初めに、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の復号を行う。その結果、soft−in/soft−outデコーダから、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の各ビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)が得られる。そして、そのLLRを用いて再度、検波・復号が行われる。この操作が複数回行われる(この操作を反復復号(反復検波)と呼ぶ。)。以降では、1フレームにおける特定の時間のシンボルの対数尤度比(LLR)の作成方法を中心に説明する。
図8において、記憶部815は、ベースバンド信号801X(図7のベースバンド信号704_Xに相当する。)、チャネル推定信号群802X(図7のチャネル推定信号706_1、706_2に相当する。)、ベースバンド信号801Y(図7のベースバンド信号704_Yに相当する。)、チャネル推定信号群802Y(図7のチャネル推定信号708_1、708_2に相当する。)を入力とし、反復復号(反復検波)を実現するために、式(48)におけるH(t)×Y(t)×Fを実行(算出)し、算出した行列を変形チャネル信号群として記憶する。そして、記憶部815は、必要なときに上記信号を、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yとして出力する。
その後の動作については、初期検波の場合と反復復号(反復検波)の場合を分けて説明する。
<初期検波の場合>
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yを入力とする。ここでは、変調信号(ストリーム)s1、変調信号(ストリーム)s2の変調方式が16QAMとして説明する。
INNER MIMO検波部803は、まず、チャネル推定信号群802X、チャネル推定信号群802YからH(t)×Y(t)×Fを実行し、ベースバンド信号801Xに対応する候補信号点を求める。そのときの様子を図11に示す。図11において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点であり、変調方式が16QAMのため、候補信号点は256個存在する。(ただし、図11では、イメージ図を示しているため、256個の候補信号点全ては示していない。)ここで、変調信号s1で伝送する4ビットをb0、b1、b2、b3、変調信号s2で伝送する4ビットをb4、b5、b6、b7とすると、図11において(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点が存在することになる。そして、受信信号点1101(ベースバンド信号801Xに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2は、複素信号である。
同様に、チャネル推定信号群802X、チャネル推定信号群802YからH(t)×Y(t)×Fを実行し、ベースバンド信号801Yに対応する候補信号点をもとめ、受信信号点(ベースバンド信号801Yに相当する。)との2乗ユークリッド距離を求め、この2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)が求まることになる。
そして、EX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)+EY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)=E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。
INNER MIMO検波部803は、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(28)、式(29)、式(30)に示した通りであり、詳細については、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。
デインタリーバ(807A)は、対数尤度信号806Aを入力とし、インタリーバ(図3のインタリーバ(304A))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを出力する。
同様に、デインタリーバ(807B)は、対数尤度信号806Bを入力とし、インタリーバ(図3のインタリーバ(304B))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを出力する。
対数尤度比算出部809Aは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを入力とし、図3の符号化器302Aで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Aを出力する。
同様に、対数尤度比算出部809Bは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを入力とし、図3の符号化器302Bで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Bを出力する。
Soft−in/soft−outデコーダ811Aは、対数尤度比信号810Aを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Aを出力する。
同様に、Soft−in/soft−outデコーダ811Bは、対数尤度比信号810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Bを出力する。
<反復復号(反復検波)の場合、反復回数k>
インタリーバ(813A)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Aを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Aを出力する。このとき、インタリーブ(813A)のインタリーブのパターンは、図3のインタリーバ(304A)のインタリーブパターンと同様である。
インタリーバ(813B)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Bを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Bを出力する。このとき、インタリーブ(813B)のインタリーブのパターンは、図3のインタリーバ(304B)のインタリーブパターンと同様である。
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Y、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを入力とする。ここで、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yではなく、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yを用いているのは、反復復号のため、遅延時間が発生しているためである。
INNER MIMO検波部803の反復復号時の動作と、初期検波時の動作の異なる点は、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを信号処理の際に用いていることである。INNER MIMO検波部803は、まず、初期検波のときと同様に、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。加えて、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bから、式(11)、式(32)に相当する係数を求める。そして、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)の値をこの求めた係数を用いて補正し、その値をE’(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)とし、信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(31)、式(32)、式(33)、式(34)、式(35)に示した通りであり、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。デインタリーバ以降の動作は、初期検波と同様である。
なお、図8では、反復検波を行う場合の、信号処理部の構成について示したが、反復検波は必ずしも良好な受信品質を得る上で必須の構成ではなく、反復検波のみに必要とする構成部分、インタリーバ813A、813Bを有していない構成でもよい。このとき、INNER MIMO検波部803は、反復的な検波を行わないことになる。
そして、本実施の形態で重要な部分は、H(t)×Y(t)×Fの演算を行うことである。なお、非特許文献5等に示されているように、QR分解を用いて初期検波、反復検波を行ってもよい。
また、非特許文献11に示されているように、H(t)×Y(t)×Fに基づき、MMSE(Minimum Mean Square Error)、ZF(Zero Forcing)の線形演算を行い、初期検波を行ってもよい。
図9は、図8と異なる信号処理部の構成であり、図4の送信装置が送信した変調信号のための信号処理部である。図8と異なる点は、soft−in/soft−outデコーダの数であり、soft−in/soft−outデコーダ901は、対数尤度比信号810A、810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比902を出力する。分配部903は、復号後の対数尤度比902を入力とし、分配を行う。それ以外の部分については、図8と同様の動作となる。
以上のように、本実施の形態のように、MIMO伝送システムの送信装置が複数アンテナから複数の変調信号を送信する際、プリコーディング行列を乗算するとともに、時間とともに位相を変更し、この位相の変更を規則的に行うことで、直接波が支配的なLOS環境において、従来の空間多重MIMO伝送を用いるときと比べ、受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態において、特に、受信装置の構成については、アンテナ数を限定して、動作を説明したが、アンテナ数が増えても、同様に実施することができる。つまり、受信装置におけるアンテナ数は、本実施の形態の動作、効果に影響を与えるものではない。
また、本実施の形態では、特にLDPC符号を例に説明したがこれに限ったものではなく、また、復号方法についても、soft−in/soft−outデコーダとして、sum−product復号を例に限ったものではなく、他のsoft−in/soft−outの復号方法、例えば、BCJRアルゴリズム、SOVAアルゴリズム、Max−log−MAPアルゴリズムなどがある。詳細については、非特許文献6に示されている。
また、本実施の形態では、シングルキャリア方式を例に説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
以下では、マルチキャリア方式の一例として、OFDM方式を用いたときの例を説明する。
図12は、OFDM方式を用いたときの送信装置の構成を示している。図12において、図3と同様に動作するものについては、同一符号を付した。
OFDM方式関連処理部1201Aは、重み付け後の信号309Aを入力とし、OFDM方式関連の処理を施し、送信信号1202Aを出力する。同様に、OFDM方式関連処理部1201Bは、位相変更後の信号309Bを入力とし、送信信号1202Bを出力する。
図13は、図12のOFDM方式関連処理部1201A、1201B以降の構成の一例を示しており、図12の1201Aから312Aに関連する部分が、1301Aから1310Aであり、1201Bから312Bに関連する部分が1301Bから1310Bである。
シリアルパラレル変換部1302Aは、重み付け後の信号1301A(図12の重み付け後の信号309Aに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Aを出力する。
並び換え部1304Aは、パラレル信号1303Aを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Aを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Aは、並び換え後の信号1305Aを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Aを出力する。
無線部1308Aは、逆フーリエ変換後の信号1307Aを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Aを出力し、変調信号1309Aはアンテナ1310Aから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部1302Bは、重み付けされ位相が変更された後の信号1301B(図12の位相変更後の信号309Bに相当する)に対し、シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Bを出力する。
並び換え部1304Bは、パラレル信号1303Bを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Bを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Bは、並び換え後の信号1305Bを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Bを出力する。
無線部1308Bは、逆フーリエ変換後の信号1307Bを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Bを出力し、変調信号1309Bはアンテナ1310Bから電波として出力される。
図3の送信装置では、マルチキャリアを用いた伝送方式でないため、図6のように、4周期となるように位相を変更し、位相変更後のシンボルを時間軸方向に配置している。図12に示すようなOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、当然、図3のようにプリコーディングし、位相を変更した後のシンボルを時間軸方向に配置し、それを各(サブ)キャリアごとに行う方式が考えられるが、マルチキャリア伝送方式の場合、周波数軸方向、または、周波数軸・時間軸両者を用いて配置する方法が考えられる。以降では、この点について説明する。
図14は、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、周波数軸は、(サブ)キャリア0から(サブ)キャリア9で構成されており、変調信号z1とz2は、同一時刻(時間)に同一の周波数帯域を使用しており、図14(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図14(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。シリアルパラレル変換部1302Aが入力とする重み付けされた後の信号1301Aのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)が一周期分となる。
このとき、図14(a)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。なお、変調信号z1とz2は、複素信号である。
同様に、シリアルパラレル変換部1302Bが入力とする重み付けされ位相が変更された後の信号1301Bのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3が一周期分となる。
このとき、図14(b)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
そして、図14(B)に示すシンボル群1402は、図6に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルであり、シンボル#0は図6の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は図6の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は図6の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は図6の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 4が0(xを4で割ったときの余り、したがって、mod:modulo)のとき、シンボル#xは図6の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が1のとき、シンボル#xは図6の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が2のとき、シンボル#xは図6の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が3のとき、シンボル#xは図6の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。
なお、本実施の形態においては、図14(A)に示す変調信号z1は位相を変更されていない。
このように、OFDM方式などのマルチキャリア伝送方式を用いた場合、シングルキャリア伝送のときとは異なり、シンボルを周波数軸方向に並べることができるという特徴を持つことになる。そして、シンボルの並べ方については、図14のような並べ方に限ったものではない。他の例について、図15、図16を用いて説明する。
図15は、図14とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図15(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図15(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図15(A)(B)が図14と異なる点は、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2のシンボルの並び替え方法が異なる点であり、図15(B)では、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。このとき、図14(B)と同様に、図15(B)に示すシンボル群1502は、図6に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルである。
図16は、図14と異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図16(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図16(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図16(A)(B)が図14と異なる点は、図14では、シンボルをキャリアに順々に配置しているのに対し、図16では、シンボルをキャリアに順々に配置していない点である。当然であるが、図16において、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2の並び替え方法を異なるようにしてもよい。
図17は、図14〜16とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図17(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図17(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図14〜16では、シンボルを周波数軸方向に並べているが、図17ではシンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置している。
図6では、位相の変更を4スロットで切り替える場合の例を説明したが、ここでは、8スロットで切り替える場合を例に説明する。図17に示すシンボル群1702は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボル(したがって、8シンボル)であり、シンボル#0は時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#4は時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#5は時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#6は時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#7は時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 8が0のとき、シンボル#xは時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が1のとき、シンボル#xは時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が2のとき、シンボル#xは時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が3のとき、シンボル#xは時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が4のとき、シンボル#xは時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が5のとき、シンボル#xは時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が6のとき、シンボル#xは時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が7のとき、シンボル#xは時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。図17のシンボルの並べ方では、時間軸方向に4スロット、周波数軸方向で2スロットの計4×2=8スロットを用いて、1周期分のシンボルを配置しているが、このとき、1周期分のシンボルの数をm×nシンボル(つまり、乗じる位相はm×n種類存在する。)1周期分のシンボルを配置するのに使用する周波数軸方向のスロット(キャリア数)をn、時間軸方向に使用するスロットをmとすると、m>nとするとよい。これは、直接波の位相は、時間軸方向の変動は、周波数軸方向の変動と比較し、緩やかである。したがって、定常的な直接波の影響を小さくするために本実施の形態の規則的な位相の変更を行うので、位相の変更を行う周期では直接波の変動を小さくしたい。したがって、m>nとするとよい。また、以上の点を考慮すると、周波数軸方向のみ、または、時間軸方向のみにシンボルを並び替えるより、図17のように周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行うほうが、直接波は定常的になる可能性が高く、本発明の効果を得やすいという効果が得られる。ただし、周波数軸方向に並べると、周波数軸の変動が急峻であるため、ダイバーシチゲインを得ることが出来る可能性があるので、必ずしも周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行う方法が最適な方法であるとは限らない。
図18は、図17とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図18(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図18(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図18は、図17と同様、シンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置しているが、図17と異なる点は、図17では、周波数方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置しているのに対し、図18では、時間軸方向を優先し、その後、周波数軸方向にシンボルを配置している点である。図18において、シンボル群1802は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルである。
なお、図17、図18では、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの配置方法と変調信号z2のシンボル配置方法が異なるように配置しても同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。また、図17、図18において、図16のようにシンボルを順々に配置していなくても、同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。
図22は、上記とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における図13の並び替え部1301A、130Bにおけるシンボルの並び換え方法の一例を示している。図6の時刻u〜u+3のような4スロットを用いて規則的に位相を変更する場合を考える。図22において特徴的な点は、周波数軸方向にシンボルを順に並べているが、時間軸方向に進めた場合、サイクリックにn(図22の例ではn=1)シンボルサイクリックシフトさせている点である。図22における周波数軸方向のシンボル群2210に示した4シンボルにおいて、図6の時刻u〜u+3の位相の変更を行うものとする。
このとき、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#2では時刻u+2の位相を用いた位相変更、時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
周波数軸方向のシンボル群2220についても同様に、#4のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#5では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#6では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#7では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間$1のシンボルにおいて、上記のような位相の変更を行ったが、時間軸方向において、サイクリックシフトしているため、シンボル群2201、2202、2203、2204については以下のように位相の変更を行うことになる。
時間軸方向のシンボル群2201では、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#9では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#18では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#27では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2202では、#28のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#10では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#19では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2203では、#20のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#29では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#2では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#11では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2204では、#12のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#21では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#30では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#3では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
図22においての特徴は、例えば#11のシンボルに着目した場合、同一時刻の周波数軸方向の両隣のシンボル(#10と#12)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っているとともに、#11のシンボルの同一キャリアの時間軸方向の両隣のシンボル(#2と#20)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っていることである。そして、これは#11のシンボルに限ったものではなく、周波数軸方向および時間軸方向ともに両隣にシンボルが存在するシンボルすべてにおいて#11のシンボルと同様の特徴をもつことになる。これにより、効果的に位相を変更していることになり、直接波の定常的な状況に対する影響を受けづらくなるため、データの受信品質が改善される可能性が高くなる。
図22では、n=1として説明したが、これに限ったものではなく、n=3としても同様に実施することができる。また、図22では、周波数軸にシンボルを並べ、時間が軸方向にすすむ場合、シンボルの配置の順番をサイクリックシフトするという特徴を持たせることで、上記の特徴を実現したが、シンボルをランダム(規則的であってもよい)に配置することで上記特徴を実現するような方法もある。
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、重み付け合成された(固定のプリコーディング行列でプリコーディングされた)信号z(t)の位相を変更することとした。ここでは、上記実施の形態1と同等の効果を得られる位相変更方法の各種の実施形態について開示する。
上記実施の形態において、図3及び図6に示すように、位相変更部317Bは、重み付け合成部600からの一方の出力に対してのみ位相の変更を実行する構成となっている。
しかしながら、位相の変更を実行するタイミングとしては、重み付け合成部600によるプリコーディングの前に実行することとしてもよく、送信装置は、図6に示した構成に代えて、図25に示すように、位相変更部317Bを重み付け合成部600の前段に設ける構成としてもよい。
この場合、位相変更部317Bは、選択した変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号s2(t)に対して規則的な位相の変更を実行して、s2’(t)=s2(t)y(t)(但し、y(t)はtにより変更される)を出力し、重み付け合成部600は、s2’(t)に対してプリコーディングを実行して、z2(t)(=W2s2’(t))(式(42)参照)を出力し、これを送信する構成としてもよい。
また、位相の変更は、両変調信号s1(t)、s2(t)の双方に対して実行してもよく、送信装置は、図6に示した構成に代えて、図26に示すように、重み付け合成部600の両方の出力に対して位相変更部を設ける構成をとってもよい。
位相変更部317Aは、位相変更部317Bと同様に入力された信号の位相を規則的に変更するものであり、重み付け合成部からのプリコーディングされた信号z1’(t)の位相を変更し、位相を変更した信号z1(t)を送信部に出力する。
ただし、位相変更部317A及び位相変更部317Bは互いに位相を変更する位相の度合いは、同じタイミングにおいては、図26に示すような位相の変更を行う。(ただし、以下は一つの例であり、位相の変更方法はこれに限ったものではない。)時刻uにおいて、図26の位相変更部317Aは、z1(t)=y1(t)z1’(t)となるように、また、位相変更部317Bは、z2(t)=y2(t)z2’(t)となるように、位相の変更を行う。例えば、図26に示すように、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、y2(u)=e−jπ/2、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/4、y2(u+1)=e−j3π/4、・・・、時刻u+kにおいて、y1(u+k)=ejkπ/4、y2(u+k)=ej(−kπ/4−π/2)、として位相の変更を行う。なお、位相を規則的に変更する周期は、位相変更部317Aと位相変更部317Bとで同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、上述したとおり、位相を変更するタイミングは、重み付け合成部によるプリコーディングの実行前であってもよく、送信装置は、図26に示す構成に代えて、図27に示す構成としてもよい。
両変調信号の位相を規則的に変更する場合には、それぞれの送信信号には、例えば制御情報として、それぞれの位相変更パターンの情報が含まれることとし、受信装置は、この制御情報を得ることで、送信装置が規則的に切り替えた位相変更方法、つまり、位相変更パターンを知ることができ、これにより、正しい復調(検波)を実行することが可能となる。
次に、図6、図25の構成の変形例について図28、図29を用いて説明する。図28が図6と異なる点は、位相変更ON/OFFに関する情報2800が存在する点、および、位相変更をz1’(t)、z2’(t)のいずれかに位相変更を行う(同一時刻、または、同一周波数で、位相変更をz1’(t)、z2’(t)のいずれかに対し施す。)点である。したがって、位相変更をz1’(t)、z2’(t)のいずれかに位相変更を行うことになるため、図28の位相変更部317A、位相変更部317Bは、位相変更を行う(ON)場合と位相変更を行わない(OFF)場合がある。このON/OFFに関する制御情報が、位相変更ON/OFFに関する情報2800となる。この位相変更ON/OFFに関する情報2800は、図3に示す信号処理方法情報生成部314から出力される。
図28の位相変更部317Aは、z1(t)=y1(t)z1’(t)となるように、また、位相変更部317Bは、z2(t)=y2(t)z2’(t)となるように、位相の変更を行うことになる。
このとき、例えば、z1’(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、z2’(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、y2(u)=1、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/2、y2(u+1)=1、時刻u+2において、y1(u+2)=ejπ、y2(u+2)=1、時刻u+3において、y1(u+3)=ej3π/2、y2(u+3)=1とするものとする。
次に、例えば、z2’(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、z1’(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻u+4において、y1(u+4)=1、y2(u+4)=ej0、時刻u+5において、y1(u+5)=1、y2(u+5)=ejπ/2、時刻u+6において、y1(u+6)=1、y2(u+6)=ejπ、時刻u+7において、y1(u+7)=1、y2(u+7)=ej3π/2とするものとする。
したがって、上記の例では、
時刻8kのとき、y1(8k)=ej0、y2(8k)=1、
時刻8k+1のとき、y1(8k+1)=ejπ/2、y2(8k+1)=1、
時刻8k+2のとき、y1(8k+2)=ejπ、y2(8k+2)=1、
時刻8k+3のとき、y1(8k+3)=ej3π/2、y2(8k+3)=1、
時刻8k+4のとき、y1(8k+4)=1、y2(8k+4)=ej0、
時刻8k+5のとき、y1(8k+5)=1、y2(8k+5)=ejπ/2、
時刻8k+6のとき、y1(8k+6)=1、y2(8k+6)=ejπ、
時刻8k+7のとき、y1(8k+7)=1、y2(8k+7)=ej3π/2
となる。
上述のように、z1’(t)のみ位相変更する時間とz2’(t)のみ位相を変更する時間とが存在するようにする。また、z1’(t)のみ位相変更する時間とz2’(t)のみ位相を変更する時間とで、位相変更の周期を構成する。なお、上述では、z1’(t)のみ位相変更を行う場合の周期とz2’(t)のみ位相変更を行う場合の周期を同一にしているが、これに限ったものではなく、z1’(t)のみ位相変更を行う場合の周期とz2’(t)のみ位相変更を行う場合の周期が異なっていてもよい。また、上述の例では、z1’(t)を4周期で位相変更を行った後にz2’(t)を4周期で位相変更を行うように説明しているが、これに限ったものではなく、z1’(t)の位相変更とz2’(t)の位相変更の順番をどのようにしてもよい(例えば、z1’(t)の位相変更とz2’(t)の位相変更を交互に行っても良いし、ある規則にしたがった順番でもよいし、順番はランダムであってもよい。)
図29の位相変更部317Aは、s1’(t)=y1(t)s1(t)となるように、また、位相変更部317Bは、s2’(t)=y2(t)s2(t)となるように、位相の変更を行うことになる。
このとき、例えば、s1(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、s2(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻uにおいて、y1(u)=ej0、y2(u)=1、時刻u+1において、y1(u+1)=ejπ/2、y2(u+1)=1、時刻u+2において、y1(u+2)=ejπ、y2(u+2)=1、時刻u+3において、y1(u+3)=ej3π/2、y2(u+3)=1とするものとする。
次に、例えば、s2(t)は、周期4で位相変更を行うものとする。(このとき、s1(t)は位相変更を行わない。)したがって、時刻u+4において、y1(u+4)=1、y2(u+4)=ej0、時刻u+5において、y1(u+5)=1、y2(u+5)=ejπ/2、時刻u+6において、y1(u+6)=1、y2(u+6)=ejπ、時刻u+7において、y1(u+7)=1、y2(u+7)=ej3π/2とするものとする。
したがって、上記の例では、
時刻8kのとき、y1(8k)=ej0、y2(8k)=1、
時刻8k+1のとき、y1(8k+1)=ejπ/2、y2(8k+1)=1、
時刻8k+2のとき、y1(8k+2)=ejπ、y2(8k+2)=1、
時刻8k+3のとき、y1(8k+3)=ej3π/2、y2(8k+3)=1、
時刻8k+4のとき、y1(8k+4)=1、y2(8k+4)=ej0、
時刻8k+5のとき、y1(8k+5)=1、y2(8k+5)=ejπ/2、
時刻8k+6のとき、y1(8k+6)=1、y2(8k+6)=ejπ、
時刻8k+7のとき、y1(8k+7)=1、y2(8k+7)=ej3π/2
となる。
上述のように、s1(t)のみ位相変更する時間とs2(t)のみ位相を変更する時間とが存在するようにする。また、s1(t)のみ位相変更する時間とs2(t)のみ位相を変更する時間とで、位相変更の周期を構成する。なお、上述では、s1(t)のみ位相変更を行う場合の周期とs2(t)のみ位相変更を行う場合の周期を同一にしているが、これに限ったものではなく、s1(t)のみ位相変更を行う場合の周期とs2(t)のみ位相変更を行う場合の周期が異なっていてもよい。また、上述の例では、s1(t)を4周期で位相変更を行った後にs2(t)を4周期で位相変更を行うように説明しているが、これに限ったものではなく、s1(t)の位相変更とs2(t)の位相変更の順番をどのようにしてもよい(例えば、s1(t)の位相変更とs2(t)の位相変更を交互に行っても良いし、ある規則にしたがった順番でもよいし、順番はランダムであってもよい。)
これによって、受信装置側における送信信号z1(t)及びz2(t)を受信したときのそれぞれの受信状態を均等にすることができるとともに、受信した信号z1(t)及びz2(t)それぞれのシンボルにおいて位相が周期的に切り替えられることにより、誤り訂正復号後の誤り訂正能力を向上させることができるので、LOS環境における受信品質を向上させることができる。
以上、実施の形態2に示した構成でも、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態では、シングルキャリア方式を例、つまり、位相変更を時間軸に対して行う場合について説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更を行う場合で説明したが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行う、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更方法を、周波数方向に位相変更ことに適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更に対して、適用することも可能である。
したがって、図6、図25、図26、図27では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6、図25、図26、図27において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。
そして、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
(実施の形態3)
上記実施の形態1及び2においては、位相を規則的に変更することとした。本実施の形態3においては、送信装置から見て、各所に点在することになる受信装置において、受信装置がどこに配置されていても、各受信装置が良好なデータの受信品質を得るための手法について開示する。
本実施の形態3においては、位相を変更して得られる信号のシンボル配置を説明する。
図31は、規則的に位相を変更する送信方式において、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いたときの、時間−周波数軸における信号の一部のシンボルのフレーム構成の一例を示している。
はじめに、実施の形態1で説明した、2つのプリコーディング後のベースバンド信号のうち、一方のベースバンド信号(図6参照)に位相変更を行った場合の例で説明する。
(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)
図31は、図12に示した位相変更部317Bの入力である変調信号z2’のフレーム構成を示しており、1つの四角がシンボル(ただし、プリコーディングを行っているため、s1とs2の両者の信号を含んでいるのが通常であるが、プリコーディング行列の構成次第では、s1とs2の一方の信号のみであることもある。)を示している。
ここで、図31のキャリア2、時刻$2のシンボル3100について着目する。なお、ここではキャリアと記載しているが、サブキャリアと呼称することもある。
キャリア2において、時刻$2に時間的に最も隣接するシンボル、つまりキャリア2の時刻$1のシンボル3103と時刻$3のシンボル3101のそれぞれのチャネル状態は、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
同様に時刻$2において、周波数軸方向でキャリア2に最も隣接している周波数のシンボル、即ち、キャリア1、時刻$2のシンボル3104と時刻$2、キャリア3のシンボル3104とのチャネル状態は、ともに、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
上述したように、シンボル3101、3102、3103、3104のそれぞれのチャネル状態は、シンボル3100のチャネル状態との相関が非常に高い。
本明細書において、規則的に位相を変更する送信方法において、乗じる位相として、N種類の位相(但し、Nは2以上の整数)を用意しているものとする。図31に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図6における信号z2’に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。つまり、図31の各シンボルに記載している値は、式(42)におけるy(t)、および、実施の形態2で説明したz2(t)=y2(t)z2’(t)におけるy2(t)の値となる。
本実施の形態においては、この周波数軸方向で隣接しあうシンボル及び/又は時間軸方向で隣接しあうシンボルのチャネル状態の相関性が高いことを利用して受信装置側において、高いデータの受信品質が得られる位相が変更されたシンボルのシンボル配置を開示する。
この受信側で高いデータの受信品質が得られる条件として、<条件#1>、<条件#2>が考えられる。
<条件#1>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、これら3つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアY、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYにおけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
<条件#2>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら3つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアY、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
そして、<条件#1>を満たすデータシンボルが存在するとよい。同様に、<条件2>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
この<条件#1><条件#2>が導出される理由は以下の通りである。
送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、当該シンボルAに時間的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、時間的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
同様に、送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、このシンボルAに周波数的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、周波数的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
また、<条件#1>と<条件#2>を組み合わせると、受信装置において、より、データの受信品質を向上させることができる可能性がある。したがって、以下の<条件#3>を導くことができる。
<条件#3>
図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、かつ、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら5つのデータシンボルに対応するプリコーディング後のベースバンド信号z2’、つまり、時間X・キャリアYおよび時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYおよび時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれのプリコーディング後のベースバンド信号z2’では、いずれも異なる位相変更が行われる。
ここで、「異なる位相変更」について、補足を行う。位相変更は、0ラジアンから2πラジアンで定義されることになる。例えば、時間X・キャリアYにおいて、図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX,Y、時間X−1・キャリアYにおいて、図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX−1,Y、時間X+1・キャリアYにおいて、図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対して施す位相変更をejθX+1,Yとすると、0ラジアン≦θX,Y<2π、0ラジアン≦θX−1,Y<2π、0ラジアン≦θX+1,Y<2πとなる。したがって、<条件#1>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX+1,Y≠θX−1,Yが成立することになる。同様に考えると、<条件#2>では、θX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX−1,Y+1が成立することになり、<条件#3>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX−1,Y≠θX+1,YかつθX−1,Y≠θX,Y−1かつθX−1,Y≠θX,Y+1かつθX+1,Y≠θX,Y−1かつθX+1,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX,Y+1が成立することになる。
そして、<条件#3>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
図31は<条件#3>の例であり、シンボルAに該当するシンボル3100に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相と、そのシンボル3100に時間的に隣接するシンボル3101に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’、3103に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相と、周波数的に隣接するシンボル3102に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’、3104に相当する図6のプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗じられている位相が互いに異なるように配されており、これによって、受信側においてシンボル3100の受信品質が劣悪であろうとも、その隣接するシンボルの受信品質は非常に高くなるため、誤り訂正復号後の高い受信品質を確保できる。
この条件のもとで、位相を変更して得られるシンボルの配置例を図32に示す。
図32を見ればわかるように、いずれのデータシンボルにおいても、その位相が周波数軸方向及び時間軸方向の双方において隣接しあうシンボルに対して変更された位相の度合いは互いに異なる位相変更量となっている。このようにすることで、受信装置における誤り訂正能力を更に向上させることができる。
つまり、図32では、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#1>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#2>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在し、かつ、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#3>がすべてのX、すべてのYで成立している。
次に、実施の形態2で説明した、2つのプリコーディング後のベースバンド信号に位相変更を行った場合(図26参照)の例で説明する。
図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’、および、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の両者に位相変更を与える場合、位相変更方法について、いくつかの方法がある。その点について、詳しく説明する。
方法1として、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#1><条件#2><条件#3>を満たすようにするために、(サブ)キャリア1で、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図33のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とする。図33では、(プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の)1周期分を含む時刻$1において、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の値は、ej0としており、次の(プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の)1周期分を含む時刻$2において、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の値は、ejπ/9としており、・・・、としている。
なお、図33に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図26における信号z1’に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。つまり、図33の各シンボルに記載している値は、実施の形態2で説明したz1(t)=y1(t)z1’(t)におけるy1(t)の値となる。
プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図33ように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とし、位相変更する値は、1周期分の番号とともに変更するようにする。(上述のように、図33では、第1の1周期分では、ej0とし、第2の1周期分ではejπ/9、・・・としている。)
以上のようにすることで、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10であるが、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期は10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。
方法2として、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#1><条件#2><条件#3>を満たすようにするために、(サブ)キャリア1で、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更は、図30に示すように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10とは異なる周期3での位相変更を行う。
なお、図30に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図26における信号z1’に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。つまり、図30の各シンボルに記載している値は、実施の形態2で説明したz1(t)=y1(t)z1’(t)におけるy1(t)の値となる。
以上のようにすることで、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更は周期10であるが、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期は30となりプリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期を10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。方法2の一つの有効な方法としては、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更の周期をNとし、プリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の周期をMとしたとき、特に、NとMが互いに素の関係であると、プリコーディング後のベースバンド信号z1’の位相変更とプリコーディング後のベースバンド信号z2’の位相変更の両者を考慮したときの周期はN×Mと容易に大きな周期に設定することができるという利点があるが、NとMが互いに素の関係でも、周期を大きくすることは可能である。
なお、本実施の形態3の位相変更方法は一例であり、これに限ったものではなく、実施の形態1、実施の形態2で説明したように、周波数軸方向で位相変更を行ったり、時間軸方向で位相変更を行ったり、時間−周波数のブロックで位相変更を行っても同様に、受信装置におけるデータの受信品質を向上させることができるという効果を持つことになる。
上記で説明したフレーム構成以外にも、データシンボル間にパイロットシンボル(SP(Scattered Pilot))や制御情報を伝送するシンボルなどが挿入されることも考えられる。この場合の位相変更について詳しく説明する。
図47は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図47(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図47(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図47において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。
図47は、図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(プリコーディング後のベースバンド信号z1には位相変更を行わない)。(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図47のプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図47のプリコーディング後のベースバンド信号z1’(z1)のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図47において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図48は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図48(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図48(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図48において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、プリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。
図48は、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。(なお、図26では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図26において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図48のプリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図48において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z1’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している、また、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図49は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図49(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図49(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図49において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図49と図47の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図49は、図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(プリコーディング後のベースバンド信号z1には位相変更を行わない)。(なお、図6では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図49のプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図49のプリコーディング後のベースバンド信号z1’(z1)のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図49において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図50は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’および変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図50(a)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図50(b)は、変調信号(プリコーディング後のベースバンド信号)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図50において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図50と図48の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図50は、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。(なお、図26では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図26において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図50のプリコーディング後のベースバンド信号z1’およびプリコーディング後のベースバンド信号z2’のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図50において重要な点は、プリコーディング後のベースバンド信号z1’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している、また、プリコーディング後のベースバンド信号z2’に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図51は、図47、図49のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4と同様に動作するものについては、同一符号を付している。
図51において、重み付け合成部308A、308B、および、位相変更部317Bは、フレーム構成信号313がデータシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。
図51のパイロットシンボル(ヌルシンボル生成を兼ねるものとする)生成部5101は、フレーム構成信号313がパイロットシンボル(かつヌルシンボル)であることをしめしていた場合、パイロットシンボルのベースバンド信号5102A、および5102Bを出力する。
図47から図50のフレーム構成では示していなかったが、プリコーディング(および、位相回転を施さない)を施さない、例えば、1アンテナから変調信号を送信する方式、(この場合、もう一方のアンテナからは信号を伝送しないことになる)、または、時空間符号(特に時空間ブロック符号)を用いた伝送方式を用いて制御情報シンボルを送信する場合、制御情報シンボル5104は、制御情報5103、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313が制御情報シンボルであることを示している場合、制御情報シンボルのベースバンド信号5102A、5102Bを出力する。
図51の無線部310A、310Bは、入力となる複数のベースバンド信号のうち、フレーム構成信号313に基づき、複数のベースバンド信号から、所望のベースバンド信号を選択する。そして、OFDM関連の信号処理を施し、フレーム構成にしたがった変調信号311A、311Bをそれぞれ出力する。
図52は、図48、図50のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4、図51と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図51に対して追加した位相変更部317Aは、フレーム構成信号313がデータシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。その他については、図51と同様の動作となる。
図53は、図51とは異なる送信装置の構成方法である。以降では異なる点について説明する。位相変更部317Bは、図53のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
選択部5301は、複数のベースバンド信号を入力とし、フレーム構成信号313が示したシンボルのベースバンド信号を選択し、出力する。
図54は、図52とは異なる送信装置の構成方法である。以降では異なる点について説明する。位相変更部317Bは、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
同様に、位相変更部5201は、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部5201は、プリコーディング後のベースバンド信号309Aに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部5201は、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
上述の説明では、パイロットシンボルと制御シンボルとデータシンボルを例に説明したが、これに限ったものではなく、プリコーディングとは異なる伝送方法、例えば、1アンテナ送信、時空間ブロック符号を用いた伝送方式、等を用いて伝送するシンボルであれば、同様に、位相変更を与えない、ということが重要となり、これとは逆に、プリコーディングを行ったシンボルに対しては、位相変更を行うことが本発明では重要なこととなる。
したがって、時間−周波数軸におけるフレーム構成におけるすべてのシンボルで位相変更が行われるわけではなく、プリコーディングを行った信号のみに位相変更を与える点が、本発明の特徴となる。
(実施の形態4)
上記実施の形態1及び2においては、位相を規則的に変更すること、実施の形態3においては、隣り合うシンボルの位相の変更の度合いを異ならせることを開示した。
本実施の形態4では、位相変更方法が、送信装置が使用する変調方式、誤り訂正符号の符号化率により、異なっていてもよいことを示す。
以下の表1には、送信装置が設定した各種設定パラメータに応じて設定する位相変更方法の一例を示している。
表1における#1は上記実施の形態1の変調信号s1(送信装置が設定した変調方式のベースバンド信号s1)、#2は変調信号s2(送信装置が設定した変調方式のベースバンド信号s2)を意味する。表1における符号化率の列は、#1, #2の変調方式に対し、誤り訂正符号の設定した符号化率を示している。表1における位相変更パターンの列は、実施の形態1から実施の形態3で説明したように、プリコーディング後のベースバンド信号z1(z1’)、z2(z2’)に対して施す位相変更方法を示しており、位相変更パターンをA、B、C、D、E、・・・というように定めているが、これは、実際には、位相を変更する度合いの変化を示す情報であり、例えば、上記式(46)や式(47)に示すような変更パターンを示すものとする。なお、表1における位相変更パターンの例において「‐」と記載しているが、これは、位相変更を行わないことを意味している。
なお、表1に示した変調方式や符号化率の組み合わせは、一例であり、表1に示す変調方式以外の変調方式(例えば、128QAMや256QAM等)や、符号化率(例えば、7/8等)が含まれてもよい。また、実施の形態1で示したように、誤り訂正符号は、s1、s2別々に設定してもよい(なお、表1の場合は、図4のように、一つの誤り訂正符号の符号化を施している場合としている。)。また、同じ変調方式及び符号化率に、互いに異なる複数の位相変更パターンを対応付けることとしてもよい。送信装置は、各位相変更パターンを示す情報を受信装置に対して送信し、受信装置は当該情報と表1を参照することによって位相変更パターンを特定し、復調、および、復号を実行することとなる。なお、変調方式、および、誤り訂正方式に対し、位相変更パターンが一意に決定する場合、送信装置は、変調方式と誤り訂正方式の情報を受信装置に送信すれば、受信装置は、その情報を得ることで、位相変更パターンを知ることができるので、この場合は、位相変更パターンの情報は必ずしも必要としない。
実施の形態1から実施の形態3では、プリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合について説明したが、位相のみでなく、振幅を位相変更と同様に周期をもって規則的に変更することも可能である。したがって、当該表1に、規則的に変調信号の振幅を変更する振幅変更パターンも対応させてもよい。この場合、送信装置には、図3や図4の重み付け合成部308Aの後に振幅を変更する振幅変更部、また、重み付け合成部308Bの後に、振幅を変更する振幅変更部を備えればよい。なお、プリコーディング後のベースバンド信号z1(t)、z2(t)の一方に対し、振幅変更を施しても良いし(この場合、重み付け合成部308A、308Bのいずれかの後に振幅変更部を備えればよい。)、両方に対し、振幅変更を施してもよい。
更に、上記表1においては示していないが、位相を規則的に変更するのではなく、マッピング部により規則的にマッピング方法を変更する構成としてもよい。
即ち、変調信号s1(t)のマッピング方式を16QAM、変調信号s2(t)のマッピング方式を16QAMであったものを、例えば、変調信号s2(t)に適用するマッピング方式を規則的に、16QAM→16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)→I-Q平面において16QAM、16APSKとは異なる信号点配置となる第1のマッピング方法→I-Q平面において16QAM、16APSKとは異なる信号点配置となる第2のマッピング方法→・・・というように変更することで、上述してきたように位相を規則的に変更する場合と同様に、受信装置において、データの受信品質を向上する効果を得ることができる。
また、本発明は、位相を規則的に変更する方法、マッピング方法を規則的に変更する方法、振幅を変更する方法のいずれかの組み合わせであってもよく、また、その全てを考慮にいれて送信信号を送信する構成としてもよい。
本実施の形態では、シングルキャリア方式、マルチキャリア伝送いずれの場合でも実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)、SC−OFDM(Single Carrier Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更、振幅変更、マッピング変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更、振幅変更、マッピング変更を行う場合で説明したが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行うときと同様に、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更、振幅変更、マッピング変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更、振幅変更、マッピング変更を、周波数方向に位相変更、振幅変更、マッピング変更ことに適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更、振幅変更、マッピング変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更、振幅変更、マッピング変更に対して、適用することも可能である。
そして、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
(実施の形態A1)
本実施の形態では、非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic)LDPC(Low-Density Parity-Check)符号(QC−LDPC符号でない、LDPC符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号、テイルバイティングを用いたターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの規則的に位相を変更する方法について詳しく説明する。ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、図4の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図4の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図4の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする(実施の形態1から実施の形態4における「周期」となる)(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
同様に、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた750スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが150スロットである必要がある。
同様に、変調方式が64QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが100スロットである必要がある。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をN個(N個の異なる位相をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#A01>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#A01>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#A01>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#A01>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#A02>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
図35は、ブロック符号を用いたとき、2つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図35は、図3の送信装置および図12の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、2つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図35に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図3の送信装置および図12の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになり、また、2つの符号化器が存在するため、2つのストリームでは、異なる符号ブロックを伝送することになる。したがって、変調方式がQPSKのとき、s1、s2により、2つの符号化ブロックが同一区間内で送信されることから、例えば、s1により第1の符号化後のブロックが送信され、s2により、第2の符号化ブロックが送信されることになるので、第1、第2の符号化後のブロックを送信するために3000スロットが必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1500スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1000スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図3および図12の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする(実施の形態1から実施の形態4における「周期」となる)(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた3000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが600スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回であるとよい。
同様に、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回であるとよい。
同様に、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが200スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回であるとよい。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#A03>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,1, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,1、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,1(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,1としたとき、
<条件#A04>
K0,1=K1,1=・・・=Ki,1=・・・=KN-1,1、つまり、Ka,1=Kb,1、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,2, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,2、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,2(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,2としたとき、
<条件#A05>
K0,2=K1,2=・・・=Ki,2=・・・=KN-1,2、つまり、Ka,2=Kb,2、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#A03><条件#A04><条件#A05>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#A06>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#A07>
Ka,1とKb,1の差は0または1、つまり、|Ka,1―Kb,1|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#A08>
Ka,2とKb,2の差は0または1、つまり、|Ka,2―Kb,2|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
以上のように、符号化後のブロックと乗じる位相の関係付けを行うことで、符号化ブロックを伝送するために使用する位相にかたよりがなくなるため、受信装置において、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態では、規則的に位相を変更する方法において、周期Nの位相変更方法のためには、N個の位相変更値(または、位相変更セット)が必要となる。このとき、N個の位相変更値(または、位相変更セット)として、PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を用意することになるが、周波数軸方向にPHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]の順に並べる方法もあるが、必ずしもこれに限ったものではなく、N個の位相変更値(または、位相変更セット)PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を実施の形態1と同様に、時間軸、周波数―時間軸のブロックに対し、シンボルを配置することで、位相を変更することもできる。なお、周期Nの位相変更方法として説明しているが、N個の位相変更値(または、位相変更セット)をランダムに用いるようにしても同様の効果を得ることができる、つまり、必ずしも、規則的な周期を持つようにN個の位相変更値(または、位相変更セット)を用いる必要はないが、上記で説明した条件を満たすことは、受信装置において、高いデータの受信品質を得る上では、重要となる。
また、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法(実施の形態1から実施の形態4で説明した送信方法)のモードが存在し、送信装置(放送局、基地局)は、これらのモードから、いずれかの送信方法を選択することができるようにしてもよい。
なお、空間多重MIMO伝送方式とは、非特許文献3に示されているように、選択した変調方式でマッピングした信号s1、s2をそれぞれ異なるアンテナから送信する方法であり、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式とは、実施の形態1から実施の形態4において、プリコーディングのみを行う(位相変更を行わない)方式である。また、時空間ブロック符号化方式とは、非特許文献9、16、17に示されている伝送方式である。1ストリームのみ送信とは、選択した変調方式でマッピングした信号s1の信号を所定の処理を行いアンテナから送信する方法である。
また、OFDMのようなマルチキャリアの伝送方式を用いており、複数のキャリアで構成された第1キャリア群、複数のキャリアで構成された第1キャリア群とは異なる第2キャリア群、・・・というように複数のキャリア群でマルチキャリア伝送を実現しており、キャリア群ごとに、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のいずれかに設定してもよく、
特に、規則的に位相を変更する方法を選択した(サブ)キャリア群では、本実施の形態を実施するとよい。
なお、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、PHASE[i]の位相変更値を「Xラジアン」とした場合、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになる。そして、両者のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、PHASE[i]の位相変更セットを「Xラジアン」および「Yラジアン」とした場合、図26、図27、図28、図52、図54における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになり、ejYをプリコーディング後のベースバンド信号z1’に乗算することになる。
(実施の形態B1)
以下では、上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法の応用例とそれを用いたシステムの構成例を説明する。
図36は、上記実施の形態で示した送信方法及び受信方法を実行する装置を含むシステムの構成例を示す図である。上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法は、図36に示すような放送局と、テレビ(テレビジョン)3611、DVDレコーダ3612、STB(Set Top Box)3613、コンピュータ3620、車載のテレビ3641及び携帯電話3630等の様々な種類の受信機を含むデジタル放送用システム3600において実施される。具体的には、放送局3601が、映像データや音声データ等が多重化された多重化データを上記各実施の形態で示した送信方法を用いて所定の伝送帯域に送信する。
放送局3601から送信された信号は、各受信機に内蔵された、または外部に設置され当該受信機と接続されたアンテナ(例えば、アンテナ3660、3640)で受信される。各受信機は、アンテナにおいて受信された信号を上記各実施の形態で示した受信方法を用いて復調し、多重化データを取得する。これにより、デジタル放送用システム3600は、上記各実施の形態で説明した本願発明の効果を得ることができる。
ここで、多重化データに含まれる映像データは、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)2、MPEG4−AVC(Advanced Video Coding)、VC−1などの規格に準拠した動画符号化方法を用いて符号化されている。また、多重化データに含まれる音声データは例えばドルビーAC(Audio Coding)−3、Dolby Digital Plus、MLP(Meridian Lossless Packing)、DTS(Digital Theater Systems)、DTS−HD、リニアPCM(Pulse Coding Modulation)等の音声符号化方法で符号化されている。
図37は、上記各実施の形態で説明した受信方法を実施する受信機7900の構成の一例を示す図である。図37に示す受信機3700は、図36に示したテレビ(テレビジョン)3611、DVDレコーダ3612、STB(Set Top Box)3613、コンピュータ3620、車載のテレビ3641及び携帯電話3630等が備える構成に相当する。受信機3700は、アンテナ3760で受信された高周波信号をベースバンド信号に変換するチューナ3701と、周波数変換されたベースバンド信号を復調して多重化データを取得する復調部3702とを備える。上記各実施の形態で示した受信方法は復調部3702において実施され、これにより上記各実施の形態で説明した本願発明の効果を得ることができる。
また、受信機3700は、復調部3702で得られた多重化データから映像データと音声データとを分離するストリーム入出力部3720と、分離された映像データに対応する動画像復号方法を用いて映像データを映像信号に復号し、分離された音声データに対応する音声復号方法を用いて音声データを音声信号に復号する信号処理部3704と、復号された音声信号を出力するスピーカ等の音声出力部3706と、復号された映像信号を表示するディスプレイ等の映像表示部3707とを有する。
例えば、ユーザは、リモコン(リモートコントローラ)3750を用いて、選局したチャネル(選局した(テレビ)番組、選局した音声放送)の情報を操作入力部3710に送信する。すると、受信機3700は、アンテナ3760で受信した受信信号において、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信機3700は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(上記の実施の形態で述べた伝送方式、変調方式、誤り訂正方式等)(これについては、図5、図41に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。上述では、ユーザは、リモコン3750によって、チャネルを選局する例を説明したが、受信機3700が搭載している選局キーを用いて、チャネルを選局しても、上記と同様の動作となる。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した番組を視聴することができる。
また、本実施の形態の受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データ(場合によっては、復調部3702で復調されて得られる信号に対して誤り訂正復号を行わないこともある。また、受信機3700は、誤り訂正復号後に他の信号処理が施されることもある。以降について、同様の表現を行っている部分についても、この点は同様である。)に含まれるデータ、または、そのデータに相当するデータ(例えば、データを圧縮することによって得られたデータ)や、動画、音声を加工して得られたデータを、磁気ディスク、光ディスク、不揮発性の半導体メモリ等の記録メディアに記録する記録部(ドライブ)3708を備える。ここで光ディスクとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu−ray Disc)等の、レーザ光を用いて情報の記憶と読み出しがなされる記録メディアである。磁気ディスクとは、例えばFD(Floppy Disk)(登録商標)やハードディスク(Hard Disk)等の、磁束を用いて磁性体を磁化することにより情報を記憶する記録メディアである。不揮発性の半導体メモリとは、例えばフラッシュメモリや強誘電体メモリ(Ferroelectric Random Access Memory)等の、半導体素子により構成された記録メディアであり、フラッシュメモリを用いたSDカードやFlash SSD(Solid State Drive)などが挙げられる。なお、ここで挙げた記録メディアの種類はあくまでその一例であり、上記の記録メディア以外の記録メディアを用いて記録を行っても良いことは言うまでもない。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した番組を記録して保存し、番組の放送されている時間以降の任意の時間に記録されたデータを読み出して視聴することが可能になる。
なお、上記の説明では、受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを記録部3708で記録するとしたが、多重化データに含まれるデータのうち一部のデータを抽出して記録しても良い。例えば、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに映像データや音声データ以外のデータ放送サービスのコンテンツ等が含まれる場合、記録部3708は、復調部3702で復調された多重化データから映像データや音声データを抽出して多重した新しい多重化データを記録しても良い。また、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データ及び音声データのうち、どちらか一方のみを多重した新しい多重化データを記録しても良い。そして、上記で述べた多重化データに含まれるデータ放送サービスのコンテンツを記録部3708は、記録してもよい。
さらには、テレビ、記録装置(例えば、DVDレコーダ、Blu−rayレコーダ、HDDレコーダ、SDカード等)、携帯電話に、本発明で説明した受信機3700が搭載されている場合、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに、テレビや記録装置を動作させるのに使用するソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータや個人情報や記録したデータの流出を防ぐためのソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータが含まれている場合、これらのデータをインストールすることで、テレビや記録装置のソフトウェアの欠陥を修正してもよい。そして、データに、受信機3700のソフトウェアの欠陥(バグ)を修正するためのデータが含まれていた場合、このデータにより、受信機3700の欠陥を修正することもできる。これにより、受信機3700が搭載されているテレビ、記録装置、携帯電話が、より安定的の動作させることが可能となる。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる複数のデータから一部のデータを抽出して多重する処理は、例えばストリーム入出力部3703で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、図示していないCPU等の制御部からの指示により、復調部3702で復調された多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離し、分離後のデータから指定されたデータのみを抽出して多重し、新しい多重化データを生成する。なお、分離後のデータからどのデータを抽出するかについては、例えばユーザが決定してもよいし、記録メディアの種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は記録された番組を視聴する際に必要なデータのみを抽出して記録することができるので、記録するデータのデータサイズを削減することができる。
また、上記の説明では、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを記録するとしたが、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データを、当該映像データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換し、変換後の映像データを多重した新しい多重化データを記録してもよい。このとき、元の映像データに施された動画像符号化方法と変換後の映像データに施された動画像符号化方法とは、互いに異なる規格に準拠していてもよいし、同じ規格に準拠して符号化時に使用するパラメータのみが異なっていてもよい。同様に、記録部3708は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる音声データを、当該音声データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換し、変換後の音声データを多重した新しい多重化データを記録してもよい。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データや音声データをデータサイズまたはビットレートが異なる映像データや音声データに変換する処理は、例えばストリーム入出力部3703及び信号処理部3704で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、CPU等の制御部からの指示により、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離する。信号処理部3704は、制御部からの指示により、分離後の映像データを当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換する処理、及び分離後の音声データを当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換する処理を行う。ストリーム入出力部3703は、制御部からの指示により、変換後の映像データと変換後の音声データとを多重し、新しい多重化データを生成する。なお、信号処理部3704は制御部からの指示に応じて、映像データと音声データのうちいずれか一方に対してのみ変換の処理を行っても良いし、両方に対して変換の処理を行っても良い。また、変換後の映像データ及び音声データのデータサイズまたはビットレートは、ユーザが決定してもよいし、記録メディアの種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は、記録メディアに記録可能なデータサイズや記録部3708がデータの記録または読み出しを行う速度に合わせて映像データや音声データのデータサイズまたはビットレートを変更して記録することができる。これにより、記録メディアに記録可能なデータサイズが復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データのデータサイズよりも小さい場合や、記録部がデータの記録または読み出しを行う速度が復調部3702で復調された多重化データのビットレートよりも低い場合でも記録部が番組を記録することが可能となるので、ユーザは番組の放送されている時間以降の任意の時間に記録されたデータを読み出して視聴することが可能になる。
また、受信機3700は、復調部3702で復調された多重化データを外部機器に対して通信媒体3730を介して送信するストリーム出力IF(Interface:インターフェース)3709を備える。ストリーム出力IF3709の一例としては、Wi−Fi(登録商標)(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等)、WiGiG、WirelessHD、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信方法を用いて変調した多重化データを、無線媒体(通信媒体3730に相当)を介して外部機器に送信する無線通信装置が挙げられる。また、ストリーム出力IF3709は、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)、PLC(Power Line Communication)、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)等の有線通信規格に準拠した通信方法を用いて変調された多重化データを当該ストリーム出力IF3709に接続された有線伝送路(通信媒体3730に相当)を介して外部機器に送信する有線通信装置であってもよい。
上記の構成により、ユーザは、受信機3700が上記各実施の形態で示した受信方法により受信した多重化データを外部機器で利用することができる。ここでいう多重化データの利用とは、ユーザが外部機器を用いて多重化データをリアルタイムで視聴することや、外部機器に備えられた記録部で多重化データを記録すること、外部機器からさらに別の外部機器に対して多重化データを送信すること等を含む。
なお、上記の説明では、受信機3700は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データをストリーム出力IF3709が出力するとしたが、多重化データに含まれるデータのうち一部のデータを抽出して出力しても良い。例えば、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに映像データや音声データ以外のデータ放送サービスのコンテンツ等が含まれる場合、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データから映像データや音声データを抽出して多重した新しい多重化データを出力しても良い。また、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調された多重化データに含まれる映像データ及び音声データのうち、どちらか一方のみを多重した新しい多重化データを出力しても良い。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる複数のデータから一部のデータを抽出して多重する処理は、例えばストリーム入出力部3703で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、図示していないCPU(Central Processing Unit)等の制御部からの指示により、復調部3702で復調された多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離し、分離後のデータから指定されたデータのみを抽出して多重し、新しい多重化データを生成する。なお、分離後のデータからどのデータを抽出するかについては、例えばユーザが決定してもよいし、ストリーム出力IF3709の種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は外部機器が必要なデータのみを抽出して出力することができるので、多重化データの出力により消費される通信帯域を削減することができる。
また、上記の説明では、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを出力するとしたが、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データを、当該映像データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換し、変換後の映像データを多重した新しい多重化データを出力してもよい。このとき、元の映像データに施された動画像符号化方法と変換後の映像データに施された動画像符号化方法とは、互いに異なる規格に準拠していてもよいし、同じ規格に準拠して符号化時に使用するパラメータのみが異なっていてもよい。同様に、ストリーム出力IF3709は、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる音声データを、当該音声データよりもデータサイズまたはビットレートが低くなるよう、当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換し、変換後の音声データを多重した新しい多重化データを出力してもよい。
ここで、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データに含まれる映像データや音声データをデータサイズまたはビットレートが異なる映像データや音声データに変換する処理は、例えばストリーム入出力部3703及び信号処理部3704で行われる。具体的には、ストリーム入出力部3703が、制御部からの指示により、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを映像データ、音声データ、データ放送サービスのコンテンツ等の複数のデータに分離する。信号処理部3704は、制御部からの指示により、分離後の映像データを当該映像データに施された動画像符号化方法とは異なる動画像符号化方法で符号化された映像データに変換する処理、及び分離後の音声データを当該音声データに施された音声符号化方法とは異なる音声符号化方法で符号化された音声データに変換する処理を行う。ストリーム入出力部3703は、制御部からの指示により、変換後の映像データと変換後の音声データとを多重し、新しい多重化データを生成する。なお、信号処理部3704は制御部からの指示に応じて、映像データと音声データのうちいずれか一方に対してのみ変換の処理を行っても良いし、両方に対して変換の処理を行っても良い。また、変換後の映像データ及び音声データのデータサイズまたはビットレートは、ユーザが決定してもよいし、ストリーム出力IF3709の種類毎に予め決められていてもよい。
上記の構成により、受信機3700は、外部機器との間の通信速度に合わせて映像データや音声データのビットレートを変更して出力することができる。これにより、外部機器との間の通信速度が、復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データのビットレートよりも低い場合でもストリーム出力IFから外部機器新しい多重化データを出力することが可能となるので、ユーザは他の通信装置において新しい多重化データを利用することが可能になる。
また、受信機3700は、外部機器に対して信号処理部3704で復号された映像信号及び音声信号を外部の通信媒体に対して出力するAV(Audio and Visual)出力IF(Interface)3711を備える。AV出力IF3711の一例としては、Wi−Fi(登録商標)(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等)、WiGiG、WirelessHD、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信方法を用いて変調した映像信号及び音声信号を、無線媒体を介して外部機器に送信する無線通信装置が挙げられる。また、ストリーム出力IF3709は、イーサネット(登録商標)やUSB、PLC、HDMI等の有線通信規格に準拠した通信方法を用いて変調された映像信号及び音声信号を当該ストリーム出力IF3709に接続された有線伝送路を介して外部機器に送信する有線通信装置であってもよい。また、ストリーム出力IF3709は、映像信号及び音声信号をアナログ信号のまま出力するケーブルを接続する端子であってもよい。
上記の構成により、ユーザは、信号処理部3704で復号された映像信号及び音声信号を外部機器で利用することができる。
さらに、受信機3700は、ユーザ操作の入力を受け付ける操作入力部3710を備える。受信機3700は、ユーザの操作に応じて操作入力部3710に入力される制御信号に基づいて、電源のON/OFFの切り替えや、受信するチャネルの切り替え、字幕表示の有無や表示する言語の切り替え、音声出力部3706から出力される音量の変更等の様々な動作の切り替えや、受信可能なチャネルの設定等の設定の変更を行う。
また、受信機3700は、当該受信機3700で受信中の信号の受信品質を示すアンテナレベルを表示する機能を備えていてもよい。ここで、アンテナレベルとは、例えば受信機3700が受信した信号のRSSI(Received Signal Strength Indication、Received Signal Strength Indicator、受信信号強度)、受信電界強度、C/N(Carrier−to−noise power ratio)、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報(Channel State Information)等に基づいて算出される受信品質を示す指標であり、信号レベル、信号の優劣を示す信号である。この場合、復調部3702は受信した信号のRSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等を測定する受信品質測定部を備え、受信機3700はユーザの操作に応じてアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)をユーザが識別可能な形式で映像表示部3707に表示する。アンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)の表示形式は、RSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等に応じた数値を表示するものであっても良いし、RSSI、受信電界強度、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャネル状態情報等に応じて異なる画像を表示するようなものであっても良い。また、受信機3700は、上記各実施の形態で示した受信方法を用いて受信して分離された複数のストリームs1、s2、・・・毎に求めた複数のアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を表示しても良いし、複数のストリームs1、s2、・・・から求めた1つのアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を表示しても良い。また、番組を構成する映像データや音声データが階層伝送方式を用いて送信されている場合は、階層毎に信号のレベル(信号の優劣を示す信号)を示しても可能である。
上記の構成により、ユーザは上記各実施の形態で示した受信方法を用いて受信する場合のアンテナレベル(信号レベル、信号の優劣を示す信号)を数値的に、または、視覚的に把握することができる。
なお、上記の説明では受信機3700が、音声出力部3706、映像表示部3707、記録部3708、ストリーム出力IF3709、及びAV出力IF3711を備えている場合を例に挙げて説明したが、これらの構成の全てを備えている必要はない。受信機3700が上記の構成のうち少なくともいずれか一つを備えていれば、ユーザは復調部3702で復調し、誤り訂正の復号を行うことで得られた多重化データを利用することができるため、各受信機はその用途に合わせて上記の構成を任意に組み合わせて備えていれば良い。
(多重化データ)
次に、多重化データの構造の一例について詳細に説明する。放送に用いられるデータ構造としてはMPEG2−トランスポートストリーム(TS)が一般的であり、ここではMPEG2−TSを例に挙げて説明する。しかし、上記各実施の形態で示した送信方法及び受信方法で伝送される多重化データのデータ構造はMPEG2−TSに限られず、他のいかなるデータ構造であっても上記の各実施の形態で説明した効果を得られることは言うまでもない。
図38は、多重化データの構成の一例を示す図である。図38に示すように多重化データは、各サービスで現在提供されている番組(programまたはその一部であるevent)を構成する要素である、例えばビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム(PG)、インタラクティブグラファイックスストリーム(IG)などのエレメンタリーストリームのうち、1つ以上を多重化することで得られる。多重化データで提供されている番組が映画の場合、ビデオストリームは映画の主映像および副映像を、オーディオストリームは映画の主音声部分と当該主音声とミキシングする副音声を、プレゼンテーショングラフィックスストリームとは映画の字幕をそれぞれ示している。ここで主映像とは画面に表示される通常の映像を示し、副映像とは主映像の中に小さな画面で表示する映像(例えば、映画のあらすじを示したテキストデータの映像など)のことである。また、インタラクティブグラフィックスストリームは、画面上にGUI部品を配置することにより作成される対話画面を示している。
多重化データに含まれる各ストリームは、各ストリームに割り当てられた識別子であるPIDによって識別される。例えば、映画の映像に利用するビデオストリームには0x1011が、オーディオストリームには0x1100から0x111Fまでが、プレゼンテーショングラフィックスには0x1200から0x121Fまでが、インタラクティブグラフィックスストリームには0x1400から0x141Fまでが、映画の副映像に利用するビデオストリームには0x1B00から0x1B1Fまで、主音声とミキシングする副音声に利用するオーディオストリームには0x1A00から0x1A1Fが、それぞれ割り当てられている。
図39は、多重化データがどのように多重化されているかの一例を模式的に示す図である。まず、複数のビデオフレームからなるビデオストリーム3901、複数のオーディオフレームからなるオーディオストリーム3904を、それぞれPESパケット列3902および3905に変換し、TSパケット3903および3906に変換する。同じくプレゼンテーショングラフィックスストリーム3911およびインタラクティブグラフィックス3914のデータをそれぞれPESパケット列3912および3915に変換し、さらにTSパケット3913および3916に変換する。多重化データ3917はこれらのTSパケット(3903、3906、3913、3916)を1本のストリームに多重化することで構成される。
図40は、PESパケット列に、ビデオストリームがどのように格納されるかをさらに詳しく示している。図40における第1段目はビデオストリームのビデオフレーム列を示す。第2段目は、PESパケット列を示す。図40の矢印yy1,yy2,yy3,yy4に示すように、ビデオストリームにおける複数のVideo Presentation UnitであるIピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャは、ピクチャ毎に分割され、PESパケットのペイロードに格納される。各PESパケットはPESヘッダを持ち、PESヘッダには、ピクチャの表示時刻であるPTS(Presentation Time−Stamp)やピクチャの復号時刻であるDTS(Decoding Time−Stamp)が格納される。
図41は、多重化データに最終的に書き込まれるTSパケットの形式を示している。TSパケットは、ストリームを識別するPIDなどの情報を持つ4ByteのTSヘッダとデータを格納する184ByteのTSペイロードから構成される188Byte固定長のパケットであり、上記PESパケットは分割されTSペイロードに格納される。BD−ROMの場合、TSパケットには、4ByteのTP_Extra_Headerが付与され、192Byteのソースパケットを構成し、多重化データに書き込まれる。TP_Extra_HeaderにはATS(Arrival_Time_Stamp)などの情報が記載される。ATSは当該TSパケットのデコーダのPIDフィルタへの転送開始時刻を示す。多重化データには図41下段に示すようにソースパケットが並ぶこととなり、多重化データの先頭からインクリメントする番号はSPN(ソースパケットナンバー)と呼ばれる。
また、多重化データに含まれるTSパケットには、ビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリームなどの各ストリーム以外にもPAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)、PCR(Program Clock Reference)などがある。PATは多重化データ中に利用されるPMTのPIDが何であるかを示し、PAT自体のPIDは0で登録される。PMTは、多重化データ中に含まれる映像・音声・字幕などの各ストリームのPIDと各PIDに対応するストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)を持ち、また多重化データに関する各種ディスクリプタを持つ。ディスクリプタには多重化データのコピーを許可・不許可を指示するコピーコントロール情報などがある。PCRは、ATSの時間軸であるATC(Arrival Time Clock)とPTS・DTSの時間軸であるSTC(System Time Clock)の同期を取るために、そのPCRパケットがデコーダに転送されるATSに対応するSTC時間の情報を持つ。
図42は、PMTのデータ構造を詳しく説明する図である。PMTの先頭には、そのPMTに含まれるデータの長さなどを記したPMTヘッダが配置される。その後ろには、多重化データに関するディスクリプタが複数配置される。上記コピーコントロール情報などが、ディスクリプタとして記載される。ディスクリプタの後には、多重化データに含まれる各ストリームに関するストリーム情報が複数配置される。ストリーム情報は、ストリームの圧縮コーデックなどを識別するためのストリームタイプ、ストリームのPID、ストリームの属性情報(フレームレート、アスペクト比など)が記載されたストリームディスクリプタから構成される。ストリームディスクリプタは多重化データに存在するストリームの数だけ存在する。
記録媒体などに記録する場合には、上記多重化データは、多重化データ情報ファイルと共に記録される。
図43は、その多重化データ情報ファイルの構成を示す図である。多重化データ情報ファイルは、図43に示すように多重化データの管理情報であり、多重化データと1対1に対応し、多重化データ情報、ストリーム属性情報とエントリマップから構成される。
多重化データ情報は図43に示すようにシステムレート、再生開始時刻、再生終了時刻から構成されている。システムレートは多重化データの、後述するシステムターゲットデコーダのPIDフィルタへの最大転送レートを示す。多重化データ中に含まれるATSの間隔はシステムレート以下になるように設定されている。再生開始時刻は多重化データの先頭のビデオフレームのPTSであり、再生終了時刻は多重化データの終端のビデオフレームのPTSに1フレーム分の再生間隔を足したものが設定される。
図44は、多重化データ情報ファイルに含まれるストリーム属性情報の構成を示す図である。ストリーム属性情報は図44に示すように、多重化データに含まれる各ストリームについての属性情報が、PID毎に登録される。属性情報はビデオストリーム、オーディオストリーム、プレゼンテーショングラフィックスストリーム、インタラクティブグラフィックスストリーム毎に異なる情報を持つ。ビデオストリーム属性情報は、そのビデオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、ビデオストリームを構成する個々のピクチャデータの解像度がどれだけであるか、アスペクト比はどれだけであるか、フレームレートはどれだけであるかなどの情報を持つ。オーディオストリーム属性情報は、そのオーディオストリームがどのような圧縮コーデックで圧縮されたか、そのオーディオストリームに含まれるチャンネル数は何であるか、何の言語に対応するか、サンプリング周波数がどれだけであるかなどの情報を持つ。これらの情報は、プレーヤが再生する前のデコーダの初期化などに利用される。
本実施の形態においては、上記多重化データのうち、PMTに含まれるストリームタイプを利用する。また、記録媒体に多重化データが記録されている場合には、多重化データ情報に含まれる、ビデオストリーム属性情報を利用する。具体的には、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置において、PMTに含まれるストリームタイプ、または、ビデオストリーム属性情報に対し、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成された映像データであることを示す固有の情報を設定するステップまたは手段を設ける。この構成により、上記各実施の形態で示した動画像符号化方法または装置によって生成した映像データと、他の規格に準拠する映像データとを識別することが可能になる。
図45は、放送局(基地局)から送信された、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータを含む変調信号を受信する受信装置4504を含む映像音声出力装置4500の構成の一例を示している。なお、受信装置4504の構成は、図37の受信装置3700に相当する。映像音声出力装置4500には、例えば、OS(Operating System:オペレーティングシステム)が搭載されており、また、インターネットに接続するための通信装置4506(例えば、無線LAN(Local Area Network)やイーザーネットのための通信装置)が搭載されている。これにより、映像を表示する部分4501では、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータにおける映像4502、および、インターネット上で提供されるハイパーテキスト(World Wide Web(ワールド ワイド ウェブ:WWW))4503を同時に表示することが可能となる。そして、リモコン(携帯電話やキーボードであってもよい)4507を操作することにより、データ放送のためのデータにおける映像4502、インターネット上で提供されるハイパーテキスト4503のいずれかを選択し、動作を変更することになる。例えば、インターネット上で提供されるハイパーテキスト4503が選択された場合、表示しているWWWのサイトを、リモコンを操作することにより、変更することになる。また、映像および音声のデータ、または、データ放送のためのデータにおける映像4502が選択されている場合、リモコン4507により、選局したチャネル(選局した(テレビ)番組、選局した音声放送)の情報を送信する。すると、IF4505は、リモコンで送信された情報を取得し、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(これについては、図5に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。上述では、ユーザは、リモコン4507によって、チャネルを選局する例を説明したが、映像音声出力装置4500が搭載している選局キーを用いて、チャネルを選局しても、上記と同様の動作となる。
また、インターネットを用い、映像音声出力装置4500を操作してもよい。例えば、他のインターネット接続している端末から、映像音声出力装置4500に対し、録画(記憶)の予約を行う。(したがって、映像音声出力装置4500は、図37のように、記録部3708を有していることになる。)そして、録画を開始する前に、チャネルを選局することになり、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号を復調、誤り訂正復号等の処理を行い、受信データを得ることになる。このとき、受信装置4504は、選局したチャネルに相当する信号に含まれる伝送方法(上記の実施の形態で述べた伝送方式、変調方式、誤り訂正方式等)(これについては、図5に記載のとおりである。)の情報を含む制御シンボルの情報を得ることで、受信動作、復調方法、誤り訂正復号等の方法を正しく設定することで、放送局(基地局)で送信したデータシンボルに含まれるデータを得ることが可能となる。
(その他補足)
本明細書において、送信装置を具備しているのは、例えば、放送局、基地局、アクセスポイント、端末、携帯電話(mobile phone)等の通信・放送機器であることが考えられ、このとき、受信装置を具備しているのは、テレビ、ラジオ、端末、パーソナルコンピュータ、携帯電話、アクセスポイント、基地局等の通信機器であることが考えられる。また、本発明における送信装置、受信装置は、通信機能を有している機器であって、その機器が、テレビ、ラジオ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等のアプリケーションを実行するための装置に何らかのインターフェース(例えば、USB)を介して接続できるような形態であることも考えられる。
また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(パイロットシンボルをプリアンブル、ユニークワード、ポストアンブル、リファレンスシンボル、スキャッタードパイロット等と呼んでもよい。)、制御情報用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。そして、ここでは、パイロットシンボル、制御情報用のシンボルと名付けているが、どのような名付け方を行ってもよく、機能自身が重要となっている。
パイロットシンボルは、例えば、送受信機において、PSK変調を用いて変調した既知のシンボル(または、受信機が同期をとることによって、受信機は、送信機が送信したシンボルを知ることができてもよい。)であればよく、受信機は、このシンボルを用いて、周波数同期、時間同期、(各変調信号の)チャネル推定(CSI(Channel State Information)の推定)、信号の検出等を行うことになる。
また、制御情報用のシンボルは、(アプリケーション等の)データ以外の通信を実現するための、通信相手に伝送する必要がある情報(例えば、通信に用いている変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化方式の符号化率、上位レイヤーでの設定情報等)を伝送するためのシンボルである。
なお、本発明はすべての実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、通信装置として行う場合について説明しているが、これに限られるものではなく、この通信方法をソフトウェアとして行うことも可能である。
また、上記では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信する方法における位相変更方法について説明したが、これに限ったものではなく、4つのマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行うとともに位相を変更して、4つの変調信号を生成し、4つのアンテナから送信する方法、つまり、N個のマッピング後の信号に対し、プリコーディングを行い、N個の変調信号を生成し、N個のアンテナから送信する方法においても同様に位相を規則的に変更する、位相変更方法としても同様に実施することができる。
また、上記実施の形態に示したシステム例では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信し、それぞれを2つのアンテナで受信するMIMO方式の通信システムを開示したが、本発明は、当然にMISO(Multiple Input Single Output)方式の通信システムにも適用できる。MISO方式の場合、受信装置は、図7に示す構成のうち、アンテナ701_Y、無線部703_Y、変調信号z1のチャネル変動推定部707_1、変調信号z2のチャネル変動推定部707_2がない構成となるが、この場合であっても、上記実施の形態1に示した処理を実行することで、r1、r2それぞれを推定することができる。なお、同一周波数帯、同一時間において、送信された複数の信号を1つのアンテナで受信して復号できることは周知のことであり、本明細書においては、信号処理部における送信側で変更された位相を戻すための処理が従来技術に追加される処理となる。
また、本発明の説明で示したシステム例では、2つの変調信号を2つのアンテナから送信し、それぞれを2つのアンテナで受信するMIMO方式の通信システムを開示したが、本発明は、当然にMISO(Multiple Input Single Output)方式の通信システムにも適用できる。MISO方式の場合、送信装置において、プリコーディングと位相変更を適用している点は、これまでの説明のとおりである。一方で、受信装置は、図7に示す構成のうち、アンテナ701_Y、無線部703_Y、変調信号z1のチャネル変動推定部707_1、変調信号z2のチャネル変動推定部707_2がない構成となるが、この場合であっても、本明細書の中で示した処理を実行することで、送信装置が送信したデータを推定することができる。なお、同一周波数帯、同一時間において、送信された複数の信号を1つのアンテナで受信して復号できることは周知のこと(1アンテナ受信において、ML演算等(Max-log APP等)の処理を施せばよい。)であり、本発明では、図7の信号処理部711において、送信側で用いたプリコーディングと位相変更を考慮した復調(検波)を行えばよいことになる。
本明細書では、「プリコーディング」「プリコーディングウェイト」「プリコーディング行列」等の用語を用いているが、呼び方自身は、どのようなものでもよく(例えば、コードブック(codebook)と呼んでもよい。)、本発明では、その信号処理自身が重要となる。
また、本明細書では、送信方法としてOFDM方式を用いた場合を中心に説明したが、これに限ったものではなく、OFDM方式以外のマルチキャリア方式、シングルキャリア方式を用いた場合にも同様に実施することは可能である。このとき、スペクトル拡散通信方式を用いていてもよい。なお、シングルキャリア方式を用いている場合、位相変更は時間軸方向で位相変更が行われることになる。
また、本明細書において、受信装置で、ML演算、APP、Max-log APP、ZF、MMSE等を用いて説明しているが、この結果、送信装置が送信したデータの各ビットの軟判定結果(対数尤度、対数尤度比)や硬判定結果(「0」または「1」)を得ることになるが、これらを総称して、検波、復調、検出、推定、分離と呼んでもよい。
ストリームs1(t)、s2(t)(s1(i)、s2(i))により、異なるデータを伝送してもよいし、同一のデータを伝送してもよい。
また、2ストリームのベースバンド信号s1(i)、s2(i)(ただし、iは、(時間、または、周波数(キャリア)の)順番をあらわす)に対し、規則的な位相変更およびプリコーディングを行い(順番はどちらが先であってもよい)生成された、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)、z2(i)において、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)の同相I成分をI1(i)、直交成分をQ1(i)とし、両者の信号処理後のベースバンド信号z2(i)の同相I成分をI2(i)、直交成分をQ2(i)とする。このとき、ベースバンド成分の入れ替えを行い、
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
とし、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)に相当する変調信号を送信アンテナ1、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)に相当する変調信号を送信アンテナ2から、同一時刻に同一周波数を用いて送信する、というように、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)に相当する変調信号と入れ替え後のベースバンド信号r2(i)を異なるアンテナから、同一時刻に同一周波数を用いて送信するとしてもよい。また、
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をQ2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をI2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i)、直交成分をQ2(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i)、直交成分をQ1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i)、直交成分をI1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i)、直交成分をI2(i)
としてもよい。また、上述では、2ストリームの信号に対し両者の信号処理を行い、両者の信号処理後の信号の同相成分と直交成分の入れ替えについて説明したが、これに限ったものではなく、2ストリームより多い信号に対し両者の信号処理後を行い、両者の信号処理後の信号の同相成分と直交成分の入れ替えを行うことも可能である。
また、上記の例では、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))のベースバンド信号の入れ替えを説明しているが、同一時刻のベースバンド信号の入れ替えでなくてもよい。例として、以下のように記述することができる
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をI2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をI1(i+v)、直交成分をQ2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をI2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をI2(i+w)、直交成分をQ1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号r2(i)の同相成分をQ2(i+w)、直交成分をI1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)の同相成分をQ1(i+v)、直交成分をI2(i+w)
図55は、上記の記載を説明するためのベースバンド信号入れ替え部5502を示す図である。図55に示すように、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)5501_1、z2(i)5501_2において、両者の信号処理後のベースバンド信号z1(i)5501_1の同相I成分をI1(i)、直交成分をQ1(i)とし、両者の信号処理後のベースバンド信号z2(i)5501_2の同相I成分をI2(i)、直交成分をQ2(i)とする。そして、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)5503_1の同相成分をIr1(i)、直交成分をQr1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)5503_2の同相成分をIr2(i)、直交成分をQr2(i)とすると、入れ替え後のベースバンド信号r1(i)5503_1の同相成分Ir1(i)、直交成分Qr1(i)、入れ替え後のベースバンド信号r2(i)5503_2の同相成分Ir2(i)、直交成分をQr2(i)は上述で説明したいずれかであらわされるものとする。なお、この例では、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))の両者の信号処理後のベースバンド信号の入れ替えについて説明したが、上述のように、異なる時刻(異なる周波数((サブ)キャリア))の両者の信号処理後のベースバンド信号の入れ替えであってもよい。
送信装置の送信アンテナ、受信装置の受信アンテナ、共に、図面で記載されている1つのアンテナは、複数のアンテナにより構成されていても良い。
本明細書において、「∀」は全称記号(universal quantifier)をあらわしており、「∃」は存在記号(existential quantifier)をあらわしている。
また、本明細書において、複素平面における、例えば、偏角のような、位相の単位は、「ラジアン(radian)」としている。
複素平面を利用すると、複素数の極座標による表示として極形式で表示できる。複素数 z = a + jb (a、bはともに実数であり、jは虚数単位である)に、複素平面上の点 (a, b) を対応させたとき、この点が極座標で[r, θ] とあらわされるなら、
a=r×cosθ、
b=r×sinθ
が成り立ち、r は z の絶対値 (r = |z|) であり、θ が偏角 (argument)となる。そして、z = a + jbは、rejθとあらわされる。
本発明の説明において、ベースバンド信号、s1、s2、z1、z2は複素信号となるが、複素信号とは、同相信号をI、直交信号をQとしたとき、複素信号はI + jQ(jは虚数単位)とあらわされることになる。このとき、Iがゼロとなってもよいし、Qがゼロとなってもよい。
本明細書で説明した位相変更方法を用いた放送システムの一例を図46に示す。図46において、映像符号化部4601は、映像を入力とし、映像符号化を行い、映像符号化後のデータ4602を出力する。音声符号化部4603は、音声を入力とし、音声符号化を行い、音声符号化後のデータ4604を出力する。データ符号化部4605は、データを入力とし、データの符号化(例えば、データ圧縮)を行い、データ符号化後のデータ4606を出力する。これらをまとめて、情報源符号化部4600とする。
送信部4607は、映像符号化後のデータ4602、音声符号化後のデータ4604、データ符号化後のデータ4606を入力とし、これらのデータのいずれか、または、これらのデータ全てを送信データとし、誤り訂正符号化、変調、プリコーディング、位相変更等の処理(例えば、図3の送信装置における信号処理)を施し、送信信号4608_1から4608_Nを出力する。そして、送信信号4608_1から4608_Nはそれぞれアンテナ4609_1から4609_Nにより、電波として送信される。
受信部4612は、アンテナ4610_1から4610_Mで受信した受信信号4611_1から4611_Mを入力とし、周波数変換、位相変更、プリコーディングのデコード、対数尤度比算出、誤り訂正復号等の処理(例えば、図7の受信装置における処理)を施し、受信データ4613、4615、4617を出力する。情報源復号部4619は、受信データ4613、4615、4617を入力とし、映像復号化部4614は、受信データ4613を入力とし、映像用の復号を行い、映像信号を出力し、映像は、テレビ、ディスプレーに表示される。また、音声復号化部4616は、受信データ4615を入力とし。音声用の復号を行い、音声信号を出力し、音声は、スピーカーから流れる。また、データ復号化部4618は、受信データ4617を入力とし、データ用の復号を行い、データの情報を出力する。
また、本発明の説明を行っている実施の形態において、以前にも説明したようにOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式において、送信装置が保有している符号化器の数は、いくつであってもよい。したがって、例えば、図4のように、送信装置が、符号化器を1つ具備し、出力を分配する方法を、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式にも適用することも当然可能である。このとき、図4の無線部310A、310Bを図12のOFDM方式関連処理部1301A、1301Bに置き換えればよいことになる。このとき、OFDM方式関連処理部の説明は、実施の形態1のとおりである。
また、実施の形態1において、プリコーディング行列の例として、式(36)を与えたが、これとは別にプリコーディング行列として以下の式を用いる方法が考えられる。
なお、プリコーディング式(36)、式(50)において、αの値として、式(37)、式(38)を設定することを記載したが、これに限ったものではなく、α=1と設定すると、簡単なプリコーディング行列となるので、この値も有効な値の一つである。
また、実施の形態A1において、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、周期Nのための位相変更値(図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53では、一方のベースバンド信号にのみ、位相変更を与えることになるので、位相変更値となる。)として、PHASE[i](i=0,1,2,・・・,N-2,N-1(iは0以上N−1以下の整数)と表現した。そして、本明細書において、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合(つまり、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53)、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を与えている。このとき、PHASE[k]を以下のように与える。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1(kは0以上N−1以下の整数)とする。そして、N=5, 7, 9, 11, 15とすると受信装置において、良好なデータの受信品質を得ることができる。
また、本明細書では、2つの変調信号を複数のアンテナで送信する場合における位相変更方法について詳しく説明したが、これに限ったものでは、なく、3つ以上の変調方式のマッピングを行ったベースバンド信号に対し、プリコーディング、位相変更を行い、プリコーディング、位相変更後のベースバンド信号に対し、所定の処理を行い、複数のアンテナから送信する場合についても、同様に実施することができる。
なお、例えば、上記通信方法を実行するプログラムを予めROM(Read Only Memory)に格納しておき、そのプログラムをCPU(Central Processor Unit)によって動作させるようにしても良い。
また、上記通信方法を実行するプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、記憶媒体に格納されたプログラムをコンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録して、コンピュータをそのプログラムにしたがって動作させるようにしても良い。
そして、上記の各実施の形態などの各構成は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成または一部の構成を含むように1チップ化されてもよい。 ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現しても良い。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行っても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
(実施の形態C1)
本実施の形態では、実施の形態1で、送信パラメータを変更した際、使用するプリコーディング行列を切り替える場合について説明したが、本実施の形態では、その詳細の例について、上述の(その他の補足)で述べたように、送信パラメータとして、ストリームs1(t)、s2(t)において、異なるデータを伝送する場合と同一のデータを伝送する場合で切り替えるときに、使用するプリコーディング行列を切り替える方法、および、これに伴う位相変更方法について説明する。
本実施の形態の例では、異なる2つの送信アンテナからそれぞれ変調信号を送信する場合、それぞれの変調信号において同一のデータを含んでいる場合と、それぞれの変調信号において異なるデータを送信する場合を切り替えるときについて説明する。
図56は、前述のように送信方法を切り替える場合の送信装置の構成の一例を示している。図56において、図54と同様に動作するものについては同一符号を付している。図56において、分配部404は、フレーム構成信号313を入力としていることが、図54と異なる点となる。分配部404の動作について、図57を用いて説明する。
図57に、同一データを送信する場合と異なるデータを送信する場合の分配部404の動作を示している。図57に示すように、符号化後のデータをx1、x2、x3、x4、x5、x6、・・・とすると、同一データを送信する場合、分配後のデータ405Aは、x1、x2、x3、x4、x5、x6、・・・とあらわされ、同様に、分配後のデータ405Bは、x1、x2、x3、x4、x5、x6、・・・とあらわされる。
一方、異なるデータを送信する場合、分配後のデータ405Aは、x1、x3、x5、x7、x9、・・・とあらわされ、分配後のデータ405Bは、x2、x4、x6、x8、x10、・・・とあらわされる。
なお、分配部404は、入力信号であるフレーム構成信号313により、送信モードが、同一データを送信する場合、異なるデータを送信する場合を判断することになる。
上記の別の方法としては、図58のように、同一データ送信を行う場合、分配部404は、分配後のデータ405Aとしてx1、x2、x3、x4、x5、x6、・・・を出力し、分配後のデータ405Bには、出力を行わない。したがって、フレーム構成信号313が、「同一データ送信」を示している場合、分配部404の動作は上述のとおりであり、また、図56におけるインタリーバ304B、マッピング部306Bは動作しないことになる。そして、図56におけるマッピング部306Aの出力であるベースバンド信号307Aのみが有効となり、重み付け合成部308Aおよび308Bの両者の入力信号となる。
本実施の形態において、一つの特徴となる点は、送信モードを、同一データを送信する場合と異なるデータを送信する場合の切り替えを行う場合に、プリコーディング行列を切り替える点である。実施の形態1の式(36)、式(39)で示したように、w11、w12、w21、w22で構成される行列であらわした場合、同一データを送信する場合のプリコーディング行列は、以下のようにあらわすとよい。
式(52)において、aは実数とする(aは複素数であってもよいが、プリコーディングにより、入力するベースバンド信号に位相変更を与えることになるので、回路規模がなるべく大きく、複雑にならないようにすることを考慮すると、実数であったほうがよい。)また、aが1の場合、重み付け合成部308A、308Bは、重み付け合成の動作をせずに、入力信号をそのまま出力することになる。
したがって、「同一データを送信する」場合、重み付け合成部308A、308Bの出力信号となる、重み付け合成後のベースバンド信号309Aと重み付け合成後のベースバンド信号316Bは同一の信号となる。
そして、位相変更部5201は、フレーム構成信号313が「同一データを送信する」であることを示している場合、重み付け合成後のベースバンド信号309Aに位相変更を施し、位相変更後のベースバンド信号5202を出力する。そして、位相変更部317Bは、フレーム構成信号313が「同一データを送信する」であることを示している場合、重み付け合成後のベースバンド信号316Bに位相変更を施し、位相変更後のベースバンド信号309Bを出力する。なお、位相変更部5201で施す位相変更をejA(t)(または、ejA(f)または、ejA(t、f))(ただし、tは時間、fは周波数)とし(したがって、ejA(t)(または、ejA(f)または、ejA(t、f))は、入力されたベースバンド信号に乗算する値である。)、位相変更部317Bで施す位相変更をejB(t)(または、ejB(f)または、ejB(t、f))(ただし、tは時間、fは周波数)とすると(したがって、ejB(t)(または、ejB(f)または、ejB(t、f))は、入力されたベースバンド信号に乗算する値である。)、以下の条件を満たすことが重要となる。
このようにすることで、送信信号は、マルチパスの影響を軽減することができるため、受信装置において、データの受信品質を向上させることができる。(ただし、位相変更は、重み付け合成後のベースバンド信号309Aと重み付け合成後のベースバンド信号316Bのうち、一方のみに行う構成としてもよい。)
なお、図56において、位相変更後のベースバンド信号5202は、OFDMを用いている場合、IFFT、周波数変換等の処理を施し、送信アンテナから送信される。(図13参照)(したがって、位相変更後のベースバンド信号5202は、図13の信号1301Aであると考えればよい。)同様に、位相変更後のベースバンド信号309Bは、OFDMを用いている場合、IFFT、周波数変換等の処理を施し、送信アンテナから送信される。(図13参照)(したがって、位相変更後のベースバンド信号309Bは、図13の信号1301Bであると考えればよい。)
一方、送信モードとして、「異なるデータを送信する」が選択されている場合、実施の形態1で示したように、式(36)、式(39)、式(50)のいずれかであらわされるものとする。このとき、図56の位相変更部5201、317Bは、「同一のデータを送信」する場合とは異なる位相変更方法を行うことが重要となる。特に、この場合、実施の形態1で述べたように、例えば、位相変更部5201は位相変更を行い、位相変更部317Bは位相変更を行わない、または、位相変更部5201は位相変更を行わず、位相変更部317Bは位相変更を行う、というように、2つの位相変更部のうち、いずれか一方のみ位相変更を行う、というようにすれば、LOS環境、NLOS環境の両者で、受信装置は、良好なデータの受信品質を得ることができる。
なお、送信モードとして、「異なるデータを送信する」が選択されている場合、プリコーディング行列として、式(52)を用いてもよいが、式(36)、式(50)、または、式(39)であらわされ、かつ、式(52)と異なるプリコーディング行列を用いると、受信装置において、特に、LOS環境におけるデータの受信品質をさらに向上させることができる可能性がある。
また、本実施の形態は、送信方法としてOFDM方式を用いた場合を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDM方式以外のマルチキャリア方式、シングルキャリア方式を用いた場合にも同様に実施することは可能である。このとき、スペクトル拡散通信方式を用いていてもよい。なお、シングルキャリア方式を用いている場合、位相変更は時間軸方向で位相変更が行われることになる。
なお、実施の形態3で説明したように、「異なるデータを送信する」送信方法の場合、データシンボルのみに対し、位相変更を行うものとした。しかし、本実施の形態において説明した「同一データを送信する」の送信方法のとき、位相変更は、データシンボルに限らず、送信信号の送信フレームに挿入されているパイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行うことになる。(ただし、パイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行わないようにしてもよいが、ダイバーシチゲインを得るためには、位相変更を行うとよい。)
(実施の形態C2)
本実施の形態では、実施の形態C1を応用した基地局の構成方法について説明する。
図59に基地局(放送局)と端末の関係を示している。端末P(5907)は、基地局A(5902A)のアンテナ5904Aから送信された送信信号5903Aとアンテナ5906Aから送信された送信信号5905Aを受信し、所定の処理を行い、受信データを得ているものとする。
端末Q(5908)は、基地局A(5902A)のアンテナ5904Aから送信された送信信号5903Aと基地局B(5902B)のアンテナ5904Bから送信された送信信号5903Bを受信し、所定の処理を行い、受信データを得ているものとする。
図60および図61は、基地局A(5902A)がアンテナ5904A、アンテナ5906Aから送信する送信信号5903A、送信信号5905Aの周波数割り当て、および、基地局B(5902B)がアンテナ5904B、アンテナ5906Bから送信する送信信号5903B、送信信号5905Bの周波数割り当て、を示している。図60、図61における図では、横軸を周波数、縦軸を送信パワーとする。
図60に示すように、基地局A(5902A)が送信する送信信号5903A、送信信号5905A、および、基地局B(5902B)が送信する送信信号5903B、送信信号5905Bは少なくとも周波数帯域Xと周波数帯域Yを使用しており、周波数帯域Xを用いて、第1のチャネルのデータの伝送を行っており、また、周波数帯域Yを用いて、第2のチャネルのデータの伝送を行っているものとする。
したがって、端末P(5907)は、基地局A(5902A)のアンテナ5904Aから送信された送信信号5903Aとアンテナ5906Aから送信された送信信号5905Aを受信し、周波数帯域Xを抽出し、所定の処理を行い、第1のチャネルのデータを得ることになる。そして、端末Q(5908)は、基地局A(5902A)のアンテナ5904Aから送信された送信信号5903Aと基地局B(5902B)のアンテナ5904Bから送信された送信信号5903Bを受信し、周波数帯域Yを抽出し、所定の処理を行い、第2のチャネルのデータを得ることになる。
このときの基地局A(5902A)および基地局B(5902B)の構成および動作について説明する。
基地局A(5902A)および基地局B(5902B)いずれも、実施の形態C1で説明したように、図56および図13で構成された送信装置を具備している。そして、基地局A(5902A)は、図60のように送信する場合、周波数帯域Xにおいては、実施の形態C1で説明したように、異なる2つの変調信号を生成し(プリコーディング、位相変更を行う)、2つの変調信号をそれぞれ図59のアンテナ5904Aおよび5906Aから送信する。周波数帯域Yにおいては、基地局A(5902A)は、図56において、インタリーバ304A、マッピング部306A、重み付け合成部308A、位相変更部5201を動作させ、変調信号5202を生成し、変調信号5202に相当する送信信号を図13のアンテナ1310A、つまり、図59のアンテナ5904Aから送信する。同様に、基地局B(5902B)は、図56において、インタリーバ304A、マッピング部306A、重み付け合成部308A、位相変更部5201を動作させ、変調信号5202を生成し、変調信号5202に相当する送信信号を図13のアンテナ1310A、つまり、図59のアンテナ5904Bから送信する。
なお、周波数帯域Yの符号化後のデータの作成については、図56のように、基地局が個別に符号化後のデータを生成してもよいが、いずれかの基地局で作成した符号化後のデータを、別の基地局に転送してもよい。また、別の方法としては、変調信号をいずれかの基地局が生成し、生成した変調信号を、別の基地局に渡すような構成としてもよい。
また、図59において、信号5901は、送信モード(「同一のデータを送信」または「異なるデータを送信」)に関する情報を含んでいることになり、基地局は、この信号を取得することで、各周波数帯域における変調信号の生成方法を切り替えることになる。ここでは、信号5901は、図59のように他の機器あるいはネットワークから入力しているが、例えば、基地局A(5902A)がマスタ局となり、基地局B(5902B)に信号5901に相当する信号をわたすようにしてもよい。
以上の説明のように、基地局が「異なるデータを送信」する場合、その送信方法に適した、プリコーディング行列、および、位相変更方法を設定し、変調信号を生成することになる。
一方、「同一のデータを送信」する場合、2つの基地局がそれぞれ、変調信号を生成し、送信することになる。このとき、各基地局は、一つのアンテナから送信するための変調信号を生成することは、2つの基地局を併せて考えた場合、2つの基地局で、式(52)のプリコーディング行列を設定したことに相当する。なお、位相変更方法については、実施の形態C1で説明したとおりであり、例えば、(数53)の条件を満たすとよい。
また、周波数帯域Xと周波数帯域Yは時間とともに、送信する方法を変更してもよい。したがって、図61のように、時間が経過し、図60のような周波数割り当てから図61のような周波数割り当てに変更してもよい。
本実施の形態のようにすることで、「同一のデータを送信」「異なるデータを送信」いずれの場合についても、受信装置において、データの受信品質を向上させることができるという効果を得ることができるとともに、送信装置において、位相変更部の共有化を行うことができるという利点がある。
また、本実施の形態は、送信方法としてOFDM方式を用いた場合を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDM方式以外のマルチキャリア方式、シングルキャリア方式を用いた場合にも同様に実施することは可能である。このとき、スペクトル拡散通信方式を用いていてもよい。なお、シングルキャリア方式を用いている場合、位相変更は時間軸方向で位相変更が行われることになる。
なお、実施の形態3で説明したように、「異なるデータを送信する」送信方法の場合、データシンボルのみに対し、位相変更を行うものとした。しかし、本実施の形態において説明した「同一データを送信する」の送信方法のとき、位相変更は、データシンボルに限らず、送信信号の送信フレームに挿入されているパイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行うことになる。(ただし、パイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行わないようにしてもよいが、ダイバーシチゲインを得るためには、位相変更を行うとよい。)
(実施の形態C3)
本実施の形態では、実施の形態C1を応用した中継器の構成方法について説明する。なお、中継器は、中継局と呼称されることもある。
図62に、基地局(放送局)、中継器と端末の関係を示している。基地局6201は、図63に示すように、少なくとも周波数帯域Xと周波数帯域Yの変調信号を送信する。基地局6201は、アンテナ6202Aおよびアンテナ6202Bからそれぞれ変調信号を送信する。このときの送信方法については、図63を用いて後に説明する。
中継器A(6203A)は、受信アンテナ6204Aで受信した受信信号6205A、および、受信アンテナ6206Aで受信した受信信号6207Aを復調等の処理を施し、受信データを得る。そして、その受信データを端末に伝送するため、送信処理を施し、変調信号6209Aおよび、6211Aを生成し、それぞれ、アンテナ6210Aおよび6212Aから送信する。
同様に、中継器B(6203B)は、受信アンテナ6204Bで受信した受信信号6205B、および、受信アンテナ6206Bで受信した受信信号6207Bを復調等の処理を施し、受信データを得る。そして、その受信データを端末に伝送するため、送信処理を施し、変調信号6209Bおよび6211Bを生成し、それぞれ、アンテナ6210Bおよび6212Bから送信する。なお、ここでは、中継器B(6203B)は、マスタ中継器であるとし、制御信号6208を出力し、中継器A(6203A)は、この信号を入力とする。なお、必ずしも、マスタ中継器を設ける必要はなく、基地局6201が、中継器A(6203A)、中継器B(6203B)に個別に制御情報を伝送することとしてもよい。
端末P(5907)は、中継器A(6203A)が送信した変調信号を受信し、データを得ることになる。端末Q(5908)は、中継器A(6203A)および中継器B(6203B)が送信した信号を受信し、データを得ることになる。端末R(6213)は、中継器B(6203B)が送信した変調信号を受信し、データを得ることになる。
図63は、基地局が送信する送信信号のうち、アンテナ6202Aから送信する変調信号の周波数割り当て、および、アンテナ6202Bから送信する変調信号の周波数割り当て、を示している。図63において、横軸を周波数、縦軸を送信パワーとする。
図63に示すように、アンテナ6202Aから送信する変調信号、および、アンテナ6202Bから送信する変調信号は少なくとも周波数帯域Xと周波数帯域Yを使用しており、周波数帯域Xを用いて、第1のチャネルのデータの伝送を行っており、また、周波数帯域Yを用いて、第1のチャネルとは異なる第2のチャネルのデータの伝送を行っているものとする。
そして、第1のチャネルのデータは、実施の形態C1で説明したように、周波数帯域Xを用いて、「異なるデータを送信」するモードで、伝送する。したがって、図63に示すように、アンテナ6202Aから送信する変調信号、および、アンテナ6202Bから送信する変調信号は、周波数帯域Xの成分を含んでいることになる。そして、周波数帯域Xの成分は、中継器Aおよび中継器Bで受信されることになる。したがって、周波数帯域Xの変調信号は、実施の形態1、実施の形態C1で説明したように、マッピング後の信号に対し、プリコーディング(重み付け合成)、および、位相変更が施されることになる。
第2のチャネルのデータは、図63では、図62のアンテナ6202Aから送信される周波数帯域Yの成分によりデータが伝送される。そして、周波数帯域Yの成分は、中継器Aおよび中継器Bで受信されることになる。
図64は、中継器A、中継器Bが送信する送信信号のうち、中継器Aのアンテナ6210Aから送信する変調信号6209A、アンテナ6212Aから送信する変調信号6211Aの周波数割り当て、および、中継器Bのアンテナ6210Bから送信する変調信号6209B、アンテナ6212Bから送信する変調信号6211Bの周波数割り当て、を示している。図64において、横軸を周波数、縦軸を送信パワーとする。
図64に示すように、アンテナ6210Aから送信する変調信号6209A、および、アンテナ6212Aから送信する変調信号6211Aは少なくとも周波数帯域Xと周波数帯域Yを使用しており、また、アンテナ6210Bから送信する変調信号6209B、および、アンテナ6212Bから送信する変調信号6211Bは少なくとも周波数帯域Xと周波数帯域Yを使用しており、周波数帯域Xを用いて、第1のチャネルのデータの伝送を行っており、また、周波数帯域Yを用いて、第2のチャネルのデータの伝送を行っているものとする。
そして、第1のチャネルのデータは、実施の形態C1で説明したように、周波数帯域Xを用いて、「異なるデータを送信」するモードで、伝送する。したがって、図64に示すように、アンテナ6210Aから送信する変調信号6209A、および、アンテナ6212Aから送信する変調信号6211Aは、周波数帯域Xの成分を含んでいることになる。そして、周波数帯域Xの成分は、端末Pで受信されることになる。同様に、図64に示すように、アンテナ6210Bから送信する変調信号6209B、および、アンテナ6212Bから送信する変調信号6211Bは、周波数帯域Xの成分を含んでいることになる。そして、周波数帯域Xの成分は、端末Rで受信されることになる。したがって、周波数帯域Xの変調信号は、実施の形態1、実施の形態C1で説明したように、マッピング後の信号に対し、プリコーディング(重み付け合成)、および、位相変更が施されることになる。
第2のチャネルのデータは、図64では、図62の中継器A(6203A)のアンテナ6210Aおよび中継器B(6203B)のアンテナ6210Bから送信される変調信号の周波数帯域Yの成分を用いて、伝送されることになる。このとき、図62の中継器A(6203A)のアンテナ6210Aから送信される変調信号6209Aの周波数帯域Yの成分および中継器B(6203B)のアンテナ6210Bから送信される変調信号6209Bの周波数帯域Yの成分により、実施の形態C1で説明した「同一データを送信する」送信モードを使用することになる。そして、周波数帯域Yの成分は、端末Qで受信されることになる。
次に、図62における中継器A(6203A)と中継器B(6203B)の構成を、図65を用いて説明する。
図65は、中継器の受信部と送信部の構成の一例を示しており、図56と同様に動作するものについては、同一符号を付した。受信部6203Xは、受信アンテナ6501aで受信した受信信号6502a、および、受信アンテナ6501bで受信した受信信号6502bを入力とし、周波数帯域Xの成分に対し、信号処理(信号の分離または合成、誤り訂正復号等の処理)を施し、基地局が周波数帯域Xを用いて伝送したデータ6204Xを得て、これを分配部404に出力するとともに、制御情報に含まれる送信方法の情報を得(中継器が送信する際の送信方法の情報も得る)、フレーム構成信号313を出力する。
なお、受信部6203X以降は、周波数帯域Xで送信するための変調信号を生成するための処理部となる。また、受信部については、図65で示しているように、周波数帯域Xの受信部のみだけではなく、他の周波数帯域の受信部を他に具備しており、各受信部では、その周波数帯域を用いて送信するための変調信号を生成するための処理部を具備することになる。
分配部404の動作の概要は、実施の形態C2で述べた基地局における分配部の動作と同様になる。
中継器A(6203A)と中継器B(6203B)は、図64のように送信する場合、周波数帯域Xにおいては、実施の形態C1で説明したように、異なる2つの変調信号を生成し(プリコーディング、位相変更を行う)、2つの変調信号をそれぞれ、中継器A(6203A)は図62のアンテナ6210Aおよび6212Aから、中継器B(6203B)は図62のアンテナ6210Bおよび6212Bから送信する。
周波数帯域Yにおいては、中継器A(6203A)は、図65において、周波数帯域Xに関連する信号処理部6500に対応する周波数帯域Yに関連する処理部6500において(6500は、周波数帯域X関連の信号処理部であるが、周波数帯域Yについても同様の信号処理部を具備するので、6500内の付加した番号で説明する。)、インタリーバ304A、マッピング部306A、重み付け合成部308A、位相変更部5201を動作させ、変調信号5202を生成し、変調信号5202に相当する送信信号を図13のアンテナ1310A、つまり、図62のアンテナ6210Aから送信する。同様に、中継器B(6203B)は、図62において、周波数帯域Yにおける、インタリーバ304A、マッピング部306A、重み付け合成部308A、位相変更部5201を動作させ、変調信号5202を生成し、変調信号5202に相当する送信信号を図13のアンテナ1310A、つまり、図62のアンテナ6210Bから送信する。
なお、基地局は、図66に示すように(図66は、基地局が送信する変調信号のフレーム構成であり、横軸時間、縦軸周波数である。)、送信方法に関する情報6601、中継器が施す位相変更に関する情報6602、データシンボル6603を送信し、中継器は、送信方法に関する情報6601、中継器が施す位相変更に関する情報6602を得ることで、送信信号に施す、位相変更の方法を決定することができる。また、図66における中継器が施す位相変更に関する情報6602が、基地局が送信した信号に含まれていない場合は、図62に示すように、中継器B(6203B)がマスタとなり、中継器A(6203A)に位相変更方法の指示をしてもよい。
以上の説明のように、中継器が「異なるデータを送信」する場合、その送信方法に適した、プリコーディング行列、および、位相変更方法を設定し、変調信号を生成することになる。
一方、「同一のデータを送信」する場合、2つの中継器がそれぞれ、変調信号を生成し、送信することになる。このとき、各中継器は、一つのアンテナから送信するための変調信号を生成することは、2つの中継器を併せて考えた場合、2つの中継器で、式(52)のプリコーディング行列を設定したことに相当する。なお、位相変更方法については、実施の形態C1で説明したとおりであり、例えば、(数53)の条件を満たすとよい。
また、実施の形態C1で説明したように、周波数帯域Xのように、基地局、中継器ともに、2つのアンテナからそれぞれ変調信号を送信し、2つのアンテナから、同一のデータを送信するようにしてもよい。このときの基地局及び中継器の動作については実施の形態C1で説明したとおりである。
本実施の形態のようにすることで、「同一のデータを送信」「異なるデータを送信」いずれの場合についても、受信装置において、データの受信品質を向上させることができるという効果を得ることができるとともに、送信装置において、位相変更部の共有化を行うことができるという利点がある。
また、本実施の形態は、送信方法としてOFDM方式を用いた場合を例に説明したが、これに限ったものではなく、OFDM方式以外のマルチキャリア方式、シングルキャリア方式を用いた場合にも同様に実施することは可能である。このとき、スペクトル拡散通信方式を用いていてもよい。なお、シングルキャリア方式を用いている場合、位相変更は時間軸方向で位相変更が行われることになる。
なお、実施の形態3で説明したように、「異なるデータを送信する」送信方法の場合、データシンボルのみに対し、位相変更を行うものとした。しかし、本実施の形態において説明した「同一データを送信する」の送信方法のとき、位相変更は、データシンボルに限らず、送信信号の送信フレームに挿入されているパイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行うことになる。(ただし、パイロットシンボルや制御シンボル等のシンボルに対しても位相変更を行わないようにしてもよいが、ダイバーシチゲインを得るためには、位相変更を行うとよい。)
(実施の形態C4)
本実施の形態では、「実施の形態1」、「その他補足」で説明した位相変更方法とは異なる位相変更方法について説明する。
実施の形態1において、プリコーディング行列の例として、式(36)を与え、その他補足において、プリコーディング行列の例として、式(50)を与えた。そして、実施の形態A1において、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、周期Nのための位相変更値(図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53では、一方のベースバンド信号にのみ、位相変更を与えることになるので、位相変更値となる。)として、PHASE[i](i=0,1,2,・・・,N-2,N-1(iは0以上N−1以下の整数))と表現した。そして、本明細書において、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合(つまり、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53)、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を与えている。このとき、PHASE[k]を以下のように与える。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1(kは0以上N−1以下の整数)とする。
このようにすると、受信装置において、特に、電波伝搬環境が、LOS環境のとき、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。これは、LOS環境において、位相変更を行わなかった場合、定常的な位相関係であったものが、位相変更を行うことで、位相関係の変更が行われ、これにより、バースト的に伝搬環境が悪い状況が回避されるからである。また、式(54)とは別の方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1(kは0以上N−1以下の整数)とする。
また、別の位相変更方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1(kは0以上N−1以下の整数)とし、Zは固定値とする。
また、別の位相変更方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,N-2,N-1(kは0以上N−1以下の整数)とし、Zは固定値とする。
以上のように、本実施の形態のような位相変更を行うことで、受信装置は、良好な受信品質を得ることができる可能性が高くなる、という効果を得ることができる。
本実施の形態の位相変更は、シングルキャリア方式への適用に限ったものではなく、マルチキャリア伝送の場合も適用することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM方式、SC−FDMA、SC−OFDM方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更を行う場合があるが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行うときと同様に、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更変更を、周波数方向に位相変更に適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更に対して、適用することも可能である。また、本実施の形態で説明した位相変更方法は、実施の形態A1で示した内容を満たすと、受信装置において、良好なデータ品質を得ることができる可能性が高い。
(実施の形態C5)
本実施の形態では、「実施の形態1」、「その他補足」、「実施の形態C4」で説明した位相変更方法とは異なる位相変更方法について説明する。
実施の形態1において、プリコーディング行列の例として、式(36)を与え、その他補足において、プリコーディング行列の例として、式(50)を与えた。そして、実施の形態A1において、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、周期Nのための位相変更値(図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53では、一方のベースバンド信号にのみ、位相変更を与えることになるので、位相変更値となる。)として、PHASE[i](i=0,1,2,・・・,N-2,N-1(iは0以上N−1以下の整数))と表現した。そして、本明細書において、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合(つまり、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53)、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53において、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を与えている。
本実施の形態における位相変更方法の特徴的な点は、周期N=2n+1とあらわされる点である。そして、周期N=2n+1を実現するために用意する異なる位相変更値は、n+1個となる。そして、n+1個の異なる位相変更値のうち、n個の位相変更値は、1周期内で、それぞれ2回用いられ、1個の位相変更値は、1回用いられることで、周期N=2n+1が実現される。以下では、このときの位相変更値について詳しく説明する。
周期N=2n+1の規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を実現するために必要となるn+1個の異なる位相変更値をPHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]とする(i=0,1,2,・・・,n-2,n-1,n(iは0以上n以下の整数)))。このとき、n+1個の異なる位相変更値PHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]の例を以下のようにあらわす。
このとき、k=0,1,2,・・・,n-2,n-1,n(kは0以上n以下の整数)とする。式(58)のn+1個の異なる位相変更値PHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]において、PHASE[0]を1回用い、かつ、PHASE[1]〜PHASE[n]をそれぞれ2回用いる(PHASE[1]を2回用い、PHASE[2]を2回用い、・・・、PHASE[n-1]を2回用い、PHASE[n]を2回用いる)ことで、周期N=2n+1の規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法とすることで、少ない位相変更値で規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を実現することができ、受信装置は、良好なデータの受信品質を得ることができる。用意する位相変更値が少ないため、送信装置、受信装置の効果を削減できる効果を得ることができる。以上のように、受信装置において、特に、電波伝搬環境が、LOS環境のとき、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。これは、LOS環境において、位相変更を行わなかった場合、定常的な位相関係であったものが、位相変更を行うことで、位相関係の変更が行われ、これにより、バースト的に伝搬環境が悪い状況が回避されるからである。また、式(58)とは別の方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,n-2,n-1,n(kは0以上n以下の整数)とする。
式(59)のn+1個の異なる位相変更値PHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]において、PHASE[0]を1回用い、かつ、PHASE[1]〜PHASE[n]をそれぞれ2回用いる(PHASE[1]を2回用い、PHASE[2]を2回用い、・・・、PHASE[n-1]を2回用い、PHASE[n]を2回用いる)ことで、周期N=2n+1の規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法とすることで、少ない位相変更値で規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を実現することができ、受信装置は、良好なデータの受信品質を得ることができる。用意する位相変更値が少ないため、送信装置、受信装置の効果を削減できる効果を得ることができる。
また、別の方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,n-2,n-1,n(kは0以上n以下の整数)とし、Zは固定値とする。
式(60)のn+1個の異なる位相変更値PHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]において、PHASE[0]を1回用い、かつ、PHASE[1]〜PHASE[n]をそれぞれ2回用いる(PHASE[1]を2回用い、PHASE[2]を2回用い、・・・、PHASE[n-1]を2回用い、PHASE[n]を2回用いる)ことで、周期N=2n+1の規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法とすることで、少ない位相変更値で規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を実現することができ、受信装置は、良好なデータの受信品質を得ることができる。用意する位相変更値が少ないため、送信装置、受信装置の効果を削減できる効果を得ることができる。
また、別の方法として、PHASE[k]を以下のように与えてもよい。
このとき、k=0,1,2,・・・,n-2,n-1,n(kは0以上n以下の整数)とし、Zは固定値とする。
式(61)のn+1個の異なる位相変更値PHASE[0], PHASE[1],・・・, PHASE[i],・・・, PHASE[n-1], PHASE[n]において、PHASE[0]を1回用い、かつ、PHASE[1]〜PHASE[n]をそれぞれ2回用いる(PHASE[1]を2回用い、PHASE[2]を2回用い、・・・、PHASE[n-1]を2回用い、PHASE[n]を2回用いる)ことで、周期N=2n+1の規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法とすることで、少ない位相変更値で規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を実現することができ、受信装置は、良好なデータの受信品質を得ることができる。用意する位相変更値が少ないため、送信装置、受信装置の効果を削減できる効果を得ることができる。
以上のように、本実施の形態のような位相変更を行うことで、受信装置は、良好な受信品質を得ることができる可能性が高くなる、という効果を得ることができる。
本実施の形態の位相変更は、シングルキャリア方式をへの適用に限ったものではなく、マルチキャリア伝送の場合も適用することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM方式、SC−FDMA、SC−OFDM方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。前述したように、本実施の形態では、位相変更を行う説明として、時間t軸方向で位相変更を行う場合があるが、実施の形態1と同様に、周波数軸方向に位相変更を行うときと同様に、つまり、本実施の形態において、t方向での位相変更の説明において、tをf(f:周波数((サブ)キャリア))に置き換えて、考えることで、本実施の形態で説明した位相変更変更を、周波数方向に位相変更に適用することができることになる。また、本実施の形態の位相変更方法は、実施の形態1の説明と同様に、時間−周波数方向に対する位相変更に対して、適用することも可能である。
(実施の形態C6)
本実施の形態では、非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic)LDPC(Low-Density Parity-Check)符号(ただし、QC−LDPC符号でないLDPC(ブロック)符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号等のブロック符号、ターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの、特に、実施の形態C5で述べた規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法を用いたときについて詳しく説明する。ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、図4の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図4の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと位相との関係について説明する。
ここでは、周期5の規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図4の送信装置の位相変更部のために、周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする。ただし、実施の形態C5で述べたように、異なる位相変更値は3つ存在することになる。したがって、周期5のための5つの位相変更値の中には、同一の位相変更値が存在することになる。(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)をP[0], P[1], P [2], P [3], P [4]とあらわすものとする。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと位相の関係について説明する。
変調方式がQPSKのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。これは、使用する位相変更値にかたよりがあると、多くの数を使用した位相変更値の影響が大きいデータの受信品質となるからである。
同様に、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた750スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが150スロットである必要がある。
同様に、変調方式が64QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが100スロットである必要がある。
以上のように、実施の形態C5で述べた規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法において、周期N=2n+1を実現するための位相変更値P[0], P[1],・・・, P[2n-1], P[2n](ただし、P[0], P[1],・・・, P[2n-1], P[2n]は、PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[n-1]、PHASE[n]で構成されている。(実施の形態C5参照))としたとき、1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用するスロット数をK0, 位相変更値P[1]を使用するスロット数をK1、位相変更値P[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,2n-1,2n(iは0以上2n以下の整数))、 位相変更値P[2n] を使用するスロット数をK2nとしたとき、
<条件#C01>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=K2n、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
実施の形態C5で述べた規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法において、周期N=2n+1を実現するための異なる位相変更値PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[n-1]、PHASE[n]において、1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値PHASE[0]を使用するスロット数をG0, 位相変更値PHASE[1]を使用するスロット数をG1、位相変更値PHASE[i]を使用するスロット数をGi(i=0,1,2,・・・,n-1,n(iは0以上n以下の整数))、 位相変更値PHASE[n] を使用するスロット数をGnとしたとき、<条件#C01>は、以下のようにあらわすことができる。
<条件#C02>
2×G0=G1=・・・=Gi=・・・=Gn、つまり、2×G0=Ga、(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#C01>(<条件#C02>)が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#C01>(<条件#C02>)を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#C01>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#C03>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
<条件#C03>を別の表現にすると、以下の条件となる。
<条件#C04>
GaとGbの差は0または1または2、つまり、|Ga―Gb|は0または1または2
(for∀a、∀b、ただし、a, b=1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数、bは1以上n以下の整数)、a≠b)
および
2×G0とGaの差は0または1または2、つまり、|2×G0―Ga|は0または1または2
(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
図35は、ブロック符号を用いたとき、2つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図35は、図3の送信装置および図12の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、2つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図35に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図3の送信装置および図12の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになり、また、2つの符号化器が存在するため、2つのストリームでは、異なる符号ブロックを伝送することになる。したがって、変調方式がQPSKのとき、s1、s2により、2つの符号化ブロックが同一区間内で送信されることから、例えば、s1により第1の符号化後のブロックが送信され、s2により、第2の符号化ブロックが送信されることになるので、第1、第2の符号化後のブロックを送信するために3000スロットが必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1500スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、2ブロックを構成するすべてのビットを送信するために1000スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと位相との関係について説明する。
ここでは、周期5の規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図4の送信装置の位相変更部のために、周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする。ただし、実施の形態C5で述べたように、異なる位相変更値は3つ存在することになる。したがって、周期5のための5つの位相変更値の中には、同一の位相変更値が存在することになる。(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)をP[0], P[1], P [2], P [3], P [4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた3000スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが600スロットである必要がある。これは、使用する位相変更値にかたよりがあると、多くの数を使用した位相変更値の影響が大きいデータの受信品質となるからである。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが600回、位相変更値P[1]を使用するスロットが600回、位相変更値P[2]を使用するスロットが600回、位相変更値P[3]を使用するスロットが600回、プ位相変更値P[4]を使用するスロットが600回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが600回、位相変更値P[1]を使用するスロットが600回、位相変更値P[2]を使用するスロットが600回、位相変更値P[3]を使用するスロットが600回、位相変更値P[4]を使用するスロットが600回であるとよい。
同様に、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが300回、位相変更値P[1]を使用するスロットが300回、位相変更値P[2]を使用するスロットが300回、位相変更値P[3]を使用するスロットが300回、位相変更値P[4]を使用するスロットが300回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが300回、位相変更値P[1]を使用するスロットが300回、位相変更値P[2]を使用するスロットが300回、位相変更値P[3]を使用するスロットが300回、位相変更値P[4]を使用するスロットが300回であるとよい。
同様に、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1000スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが200スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが200回、位相変更値P[1]を使用するスロットが200回、位相変更値P[2]を使用するスロットが200回、位相変更値P[3]を使用するスロットが200回、位相変更値P[4]を使用するスロットが200回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが200回、位相変更値P[1]を使用するスロットが200回、位相変更値P[2]を使用するスロットが200回、位相変更値P[3]を使用するスロットが200回、位相変更値P[4]を使用するスロットが200回であるとよい。
以上のように、実施の形態C5で述べた規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法において、周期N=2n+1を実現するための位相変更値P[0], P[1],・・・, P[2n-1], P[2n](ただし、P[0], P[1],・・・, P[2n-1], P[2n]は、PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[n-1]、PHASE[n]で構成されている。(実施の形態C5参照))としたとき、2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用するスロット数をK0, 位相変更値P[1]を使用するスロット数をK1、位相変更値P[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,2n-1,2n(iは0以上2n以下の整数))、位相変更値P[2n] を使用するスロット数をK2nとしたとき、
<条件#C05>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=K2n、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用する回数をK0,1, 位相変更値P[1]を使用する回数をK1,1、位相変更値P[i]を使用する回数をKi,1(i=0,1,2,・・・,2n-1,2n(iは0以上2n以下の整数))、位相変更値P[2n] を使用する回数をK2n,1としたとき、
<条件#C06>
K0,1=K1,1=・・・=Ki,1=・・・=K2n,1、つまり、Ka,1=Kb,1、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用する回数をK0,2, 位相変更値P[1]を使用する回数をK1,2、位相変更値P[i]を使用する回数をKi,2(i=0,1,2,・・・,2n-1,2n(iは0以上2n以下の整数))、 位相変更値P[2n] を使用する回数をK2n,2としたとき、
<条件#C07>
K0,2=K1,2=・・・=Ki,2=・・・=K2n,2、つまり、Ka,2=Kb,2、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
実施の形態C5で述べた規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法において、周期N=2n+1を実現するための異なる位相変更値PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[n-1]、PHASE[n]において、2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値PHASE[0]を使用するスロット数をG0, 位相変更値PHASE[1]を使用するスロット数をG1、位相変更値PHASE[i]を使用するスロット数をGi(i=0,1,2,・・・,n-1,n)、 位相変更値PHASE[n] を使用するスロット数をGnとしたとき、<条件#C05>は、以下のようにあらわすことができる。
<条件#C08>
2×G0=G1=・・・=Gi=・・・=Gn、つまり、2×G0=Ga、(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値PHASE[0]を使用する回数をG0,1, 位相変更値PHASE[1]を使用する回数をK1,1、位相変更値PHASE[i]を使用する回数をGi,1(i=0,1,2,・・・,n-1,n(iは0以上n以下の整数))、位相変更値PHASE[n] を使用する回数をGn,1としたとき、
<条件#C09>
2×G0,1=G1,1=・・・=Gi,1=・・・=Gn,1、つまり、2×G0,1=Ga,1、(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値PHASE[0]を使用する回数をG0,2, 位相変更値PHASE[1]を使用する回数をG1,2、位相変更値PHASE[i]を使用する回数をGi,2(i=0,1,2,・・・,n-1,n(iは0以上n以下の整数))、位相変更値PHASE[n] を使用する回数をGn,2としたとき、
<条件#C10>
2×G0,2=G1,2=・・・=Gi,2=・・・=Gn,2、つまり、2×G0,2=Ga,2、(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#C05><条件#C06><条件#C07>(<条件#C08><条件#C09><条件#C10>)が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#C05><条件#C06><条件#C07>(<条件#C08><条件#C09><条件#C10>)を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#C05><条件#C06><条件#C07>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#C11>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
<条件#C12>
Ka,1とKb,1の差は0または1、つまり、|Ka,1―Kb,1|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
<条件#C13>
Ka,2とKb,2の差は0または1、つまり、|Ka,2―Kb,2|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・, 2n-1,2n(aは0以上2n以下の整数、bは0以上2n以下の整数)、a≠b)
<条件#C11><条件#C12><条件#C13>を別の表現にすると、以下の条件となる。
<条件#C14>
GaとGbの差は0または1または2、つまり、|Ga―Gb|は0または1または2
(for∀a、∀b、ただし、a, b=1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数、bは1以上n以下の整数)、a≠b)
および
2×G0とGaの差は0または1または2、つまり、|2×G0―Ga|は0または1または2
(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数))
<条件#C15>
Ga,1とGb,1の差は0または1または2、つまり、|Ga,1―Gb,1|は0または1または2
(for∀a、∀b、ただし、a, b=1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数、bは1以上n以下の整数)、a≠b)
および
2×G0,1とGa,1の差は0または1または2、つまり、|2×G0,1―Ga,1|は0または1または2
(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは、1以上n以下の整数))
<条件#C16>
Ga,2とGb,2の差は0または1または2、つまり、|Ga,2―Gb,2|は0または1または2
(for∀a、∀b、ただし、a, b=1,2,・・・, n-1,n(aは1以上n以下の整数、bは1以上n以下の整数)、a≠b)
および
2×G0,2とGa,2の差は0または1または2、つまり、|2×G0,2―Ga,2|は0または1または2
(for∀a、ただし、a =1,2,・・・, n-1,n(aは、1以上n以下の整数))
以上のように、符号化後のブロックと位相変更値の関係付けを行うことで、符号化ブロックを伝送するために使用する位相変更値にかたよりがなくなるため、受信装置において、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態では、規則的に位相を変更する方法において、周期Nの位相変更方法のためには、N個の位相変更値(または、位相変更セット)が必要となる。このとき、N個の位相変更値(または、位相変更セット)として、P[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]を用意することになるが、周波数軸方向にP[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]の順に並べる方法もあるが、必ずしもこれに限ったものではなく、N個の位相変更値(または、位相変更セット)P[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]を実施の形態1と同様に、時間軸、周波数―時間軸のブロックに対し、シンボルを配置することで、位相を変更することもできる。なお、周期Nの位相変更方法として説明しているが、N個の位相変更値(または、位相変更セット)をランダムに用いるようにしても同様の効果を得ることができる、つまり、必ずしも、規則的な周期を持つようにN個の位相変更値(または、位相変更セット)を用いる必要はないが、上記で説明した条件を満たすことは、受信装置において、高いデータの受信品質を得る上では、重要となる。
また、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のモードが存在し、送信装置(放送局、基地局)は、これらのモードから、いずれかの送信方法を選択することができるようにしてもよい。
なお、空間多重MIMO伝送方式とは、非特許文献3に示されているように、選択した変調方式でマッピングした信号s1、s2をそれぞれ異なるアンテナから送信する方法であり、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式とは、プリコーディングのみを行う(位相変更を行わない)方式である。また、時空間ブロック符号化方式とは、非特許文献9、16、17に示されている伝送方式である。1ストリームのみ送信とは、選択した変調方式でマッピングした信号s1の信号を所定の処理を行いアンテナから送信する方法である。
また、OFDMのようなマルチキャリアの伝送方式を用いており、複数のキャリアで構成された第1キャリア群、複数のキャリアで構成された第1キャリア群とは異なる第2キャリア群、・・・というように複数のキャリア群でマルチキャリア伝送を実現しており、キャリア群ごとに、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のいずれかに設定してもよく、特に、規則的に位相を変更する方法を選択した(サブ)キャリア群では、本実施の形態を実施するとよい。
なお、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、P[i]の位相変更値を「Xラジアン」とした場合、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになる。そして、両者のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、P[i]の位相変更セットを「Xラジアン」および「Yラジアン」とした場合、図26、図27、図28、図52、図54における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになり、ejYをプリコーディング後のベースバンド信号z1’に乗算することになる。
(実施の形態C7)
本実施の形態では、非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic)LDPC(Low-Density Parity-Check)符号(ただし、QC−LDPC符号でないLDPC(ブロック)符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号等のブロック符号、ターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの、実施の形態A1、実施の形態C6を一般化させた場合について説明する。ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、図4の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図4の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと位相との関係について説明する。
ここでは、周期5の規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。周期5の規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)をP[0], P[1], P[2], P[3], P[4]とする。ただし、P[0], P[1], P[2], P[3], P[4]には、少なくとも2つ以上の異なる位相変更値が含まれていればよい(P[0], P[1], P[2], P[3], P[4]に同一の位相変更値が含まれていてもよい。)。(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。
変調方式がQPSKのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。これは、使用する位相変更値にかたよりがあると、多くの数を使用した位相変更値の影響が大きいデータの受信品質となるからである。
同様に、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた750スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが150スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが150スロットである必要がある。
同様に、変調方式が64QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが100スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが100スロットである必要がある。
以上のように、周期Nの規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法における位相変更値P[0], P[1],・・・, P[N-2] , P[N-1]とあらわすものとする。ただし、P[0], P[1],・・・, P[N-2] , P[N-1]は少なくとも2つ以上の異なる位相変更値で構成されているものとする。(P[0], P[1],・・・, P[N-2] , P[N-1]に同一の位相変更値が含まれていてもよい。)1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用するスロット数をK0, 位相変更値P[1]を使用するスロット数をK1、位相変更値P[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、位相変更値P[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#C17>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#C17>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#C17>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#C17>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#C18>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
図35は、ブロック符号を用いたとき、2つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図35は、図3の送信装置および図12の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、2つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図35に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図3の送信装置および図12の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになり、また、2つの符号化器が存在するため、2つのストリームでは、異なる符号ブロックを伝送することになる。したがって、変調方式がQPSKのとき、s1、s2により、2つの符号化ブロックが同一区間内で送信されることから、例えば、s1により第1の符号化後のブロックが送信され、s2により、第2の符号化ブロックが送信されることになるので、第1、第2の符号化後のブロックを送信するために3000スロットが必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1500スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、2ブロックを構成するすべてのビットを送信するために1000スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと位相との関係について説明する。
ここでは、周期5の規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図4の送信装置の位相変更部のために、周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)P[0], P[1], P[2],P[3], P[4]を用意するものとする。ただし、P[0], P[1], P[2],P[3], P[4]には、少なくとも2つ以上の異なる位相変更値が含まれていればよい(P[0], P[1], P[2],P[3], P[4]に同一の位相変更値が含まれていてもよい。)。(図6のように、プリコーディング後のベースバンド信号z2’のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、図26のように、プリコーディング後のベースバンド信号z1’およびz2’の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)。周期5のための5つの位相変更値(または、位相変更セット)をP[0], P[1], P [2], P [3], P [4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた3000スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが600スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが600スロットである必要がある。これは、使用する位相変更値にかたよりがあると、多くの数を使用した位相変更値の影響が大きいデータの受信品質となるからである。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが600回、位相変更値P[1]を使用するスロットが600回、位相変更値P[2]を使用するスロットが600回、位相変更値P[3]を使用するスロットが600回、プ位相変更値P[4]を使用するスロットが600回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが600回、位相変更値P[1]を使用するスロットが600回、位相変更値P[2]を使用するスロットが600回、位相変更値P[3]を使用するスロットが600回、位相変更値P[4]を使用するスロットが600回であるとよい。
同様に、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが300スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが300回、位相変更値P[1]を使用するスロットが300回、位相変更値P[2]を使用するスロットが300回、位相変更値P[3]を使用するスロットが300回、位相変更値P[4]を使用するスロットが300回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが300回、位相変更値P[1]を使用するスロットが300回、位相変更値P[2]を使用するスロットが300回、位相変更値P[3]を使用するスロットが300回、位相変更値P[4]を使用するスロットが300回であるとよい。
同様に、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1000スロットにおいて、位相変更値P[0]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[1]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[2]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[3]を使用するスロットが200スロット、位相変更値P[4]を使用するスロットが200スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが200回、位相変更値P[1]を使用するスロットが200回、位相変更値P[2]を使用するスロットが200回、位相変更値P[3]を使用するスロットが200回、位相変更値P[4]を使用するスロットが200回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相変更値P[0]を使用するスロットが200回、位相変更値P[1]を使用するスロットが200回、位相変更値P[2]を使用するスロットが200回、位相変更値P[3]を使用するスロットが200回、位相変更値P[4]を使用するスロットが200回であるとよい。
以上のように、周期Nの規則的に位相変更値を切り替える位相変更方法における位相変更値をP[0], P[1], P[2],・・・, P[N-2] , P[N-1]とあらわすものとする。ただし、P[0], P[1], P[2],・・・, P[N-2] , P[N-1]は少なくとも2つ以上の異なる位相変更値で構成されているものとする。(P[0], P[1], P[2],・・・, P[N-2] , P[N-1]に同一の位相変更値が含まれていてもよい。)2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用するスロット数をK0, 位相変更値P[1]を使用するスロット数をK1、位相変更値P[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、位相変更値P[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#C19>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用する回数をK0,1, 位相変更値P[1]を使用する回数をK1,1、位相変更値P[i]を使用する回数をKi,1(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、位相変更値P[N-1] を使用する回数をKN-1,1としたとき、
<条件#C20>
K0,1=K1,1=・・・=Ki,1=・・・=KN-1,1、つまり、Ka,1=Kb,1、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相変更値P[0]を使用する回数をK0,2, 位相変更値P[1]を使用する回数をK1,2、位相変更値P[i]を使用する回数をKi,2(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、位相変更値P[N-1] を使用する回数をKN-1,2としたとき、
<条件#C21>
K0,2=K1,2=・・・=Ki,2=・・・=KN-1,2、つまり、Ka,2=Kb,2、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#C19><条件#C20><条件#C21>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#C19><条件#C20><条件#C21>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#C19><条件#C20><条件#C21>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#C22>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#C23>
Ka,1とKb,1の差は0または1、つまり、|Ka,1―Kb,1|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#C24>
Ka,2とKb,2の差は0または1、つまり、|Ka,2―Kb,2|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
以上のように、符号化後のブロックと位相変更値の関係付けを行うことで、符号化ブロックを伝送するために使用する位相変更値にかたよりがなくなるため、受信装置において、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態では、規則的に位相を変更する方法において、周期Nの位相変更方法のためには、N個の位相変更値(または、位相変更セット)が必要となる。このとき、N個の位相変更値(または、位相変更セット)として、P[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]を用意することになるが、周波数軸方向にP[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]の順に並べる方法もあるが、必ずしもこれに限ったものではなく、N個の位相変更値(または、位相変更セット)P[0]、P[1]、P[2]、・・・、P[N-2]、P [N-1]を実施の形態1と同様に、時間軸、周波数―時間軸のブロックに対し、シンボルを配置することで、位相を変更することもできる。なお、周期Nの位相変更方法として説明しているが、N個の位相変更値(または、位相変更セット)をランダムに用いるようにしても同様の効果を得ることができる、つまり、必ずしも、規則的な周期を持つようにN個の位相変更値(または、位相変更セット)を用いる必要はないが、上記で説明した条件を満たすことは、受信装置において、高いデータの受信品質を得る上では、重要となる。
また、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のモードが存在し、送信装置(放送局、基地局)は、これらのモードから、いずれかの送信方法を選択することができるようにしてもよい。
なお、空間多重MIMO伝送方式とは、非特許文献3に示されているように、選択した変調方式でマッピングした信号s1、s2をそれぞれ異なるアンテナから送信する方法であり、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式とは、プリコーディングのみを行う(位相変更を行わない)方式である。また、時空間ブロック符号化方式とは、非特許文献9、16、17に示されている伝送方式である。1ストリームのみ送信とは、選択した変調方式でマッピングした信号s1の信号を所定の処理を行いアンテナから送信する方法である。
また、OFDMのようなマルチキャリアの伝送方式を用いており、複数のキャリアで構成された第1キャリア群、複数のキャリアで構成された第1キャリア群とは異なる第2キャリア群、・・・というように複数のキャリア群でマルチキャリア伝送を実現しており、キャリア群ごとに、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のいずれかに設定してもよく、特に、規則的に位相を変更する方法を選択した(サブ)キャリア群では、本実施の形態を実施するとよい。
なお、一方のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、P[i]の位相変更値を「Xラジアン」とした場合、図3、図4、図6、図12、図25、図29、図51、図53における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになる。そして、両者のプリコーディング後のベースバンド信号に対し、位相変更を行う場合、例えば、P[i]の位相変更セットを「Xラジアン」および「Yラジアン」とした場合、図26、図27、図28、図52、図54における位相変更部において、ejXをプリコーディング後のベースバンド信号z2’に乗算することになり、ejYをプリコーディング後のベースバンド信号z1’に乗算することになる。
(実施の形態D1)
本実施の形態では、まず、実施の形態1の変形例について説明する。図67は、本実施の形態における送信装置の構成の一例であり、図3と同様に動作するものについては、同一符号を付しており、また、以降では、図3での説明と同様に動作素部部分については、説明を省略する。そして、図67が図3と異なる点は、重み付け合成部の直後にベースバンド信号入れ替え部6702が挿入されている部分である。したがって、以降では、ベースバンド信号入れ替え部6702周辺の動作の動作を中心に説明を行う。
図21に重み付け合成部(308A、308B)の構成を示す。図21において点線で囲まれる領域が重み付け合成部となる。ベースバンド信号307Aは、w11と乗算し、w11・s1(t)を生成し、w21と乗算し、w21・s1(t)を生成する。同様に、ベースバンド信号307Bは、w12と乗算し、w12・s2(t)を生成し、w22と乗算し、w22・s2(t)を生成する。次に、z1(t)=w11・s1(t)+w12・s2(t)、z2(t)=w21・s1(t)+w22・s2(t)を得る。このとき、s1(t)およびs2(t)は、実施の形態1の説明からわかるように、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、8PSK(8 Phase Shift Keying)、16QAM、32QAM(32 Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM、16APSK(16 Amplitude Phase Shift Keying)等の変調方式のベースバンド信号となる。ここで、両重み付け合成部は、固定のプリコーディング行列を用いて重み付けを実行するものとし、プリコーディング行列としては、一例として、下記、式(63)又は式(64)の条件のもと、式(62)を用いる方法がある。ただし、これは一例であり、αの値は、式(63)、式(64)に限ったものではなく、別の値、例えば、αを1、としてもよいし、αは0であってもよい(αは0以上の実数であってよいし、αは虚数でもよい。)。
なお、プリコーディング行列は、
但し、上記式(62)において、αは、
である。
あるいは、上記式(62)において、αは、
である。
また、プリコーディング行列は、式(62)に限ったものではなく、
a=Aejδ11、b=Bejδ12、c=Cejδ21、d=Dejδ22であらわされればよい。また、a、b、c、dのいずれか一つが「ゼロ」であってもよい。例えば、(1)aがゼロであり、b、c、dはゼロでない、(2)bがゼロであり、a、c、dはゼロでない、(3)cがゼロであり、a、b、dはゼロでない、(4)dがゼロであり、a、b、cはゼロでない、であってもよい。
また、a、b、c、dのうち、2つの値をゼロとしてもよい。例えば、(1)aおよびdがゼロであり、b、cはゼロでない、(2)bおよびcがゼロであり、a、dはゼロでないという方法が有効である。
なお、変調方式、誤り訂正符号、その符号化率のいずれかを変更したときは、使用するプリコーディング行列を設定、変更し、そのプリコーディング行列を固定的に使用してもよい。
次に、図67における、ベースバンド信号入れ替え部6702について説明する。ベースバンド信号入れ替え部6702は、重み付け合成後の信号309Aおよび重み付け合成後の信号316Bを入力とし、ベースバンド信号入れ替えを行い、入れ替え後ベースバンド信号6701A、および、入れ替え後ベースバンド信号6701Bを出力する。なお、ベースバンド信号の入れ替えの詳細については、図55を用いて説明したとおりである。本実施の形態のベースバンド信号の入れ替えは、ベースバンド信号の入れ替えするための信号が図55と異なる。以下では、本実施の形態のベースバンド信号の入れ替えについて、図68を用いて説明する。
図68において、重み付け合成後の信号309A(p1(i))の同相I成分Ip1(i)、直交Q成分をQp1(i)とあらわし、重み付け合成後の信号316B(p2(i))の同相I成分Ip2(i)、直交Q成分をQp2(i)とあらわす。そして、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))の同相I成分Iq1(i)、直交Q成分をQq1(i)とあらわし、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))の同相I成分Iq2(i)、直交Q成分をQq2(i)とあらわす。(ただし、iは、(時間、または、周波数(キャリア)の)順番をあらわす。図67の例では、iは時間となるが、図67を図12のようにOFDM方式を用いている場合に適用した場合、iは周波数(キャリア)であってもよい。後に、この点について説明する。)
このとき、ベースバンド信号入れ替え部6702は、ベースバンド成分の入れ替えを行い、
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をQp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をQp1(i)
とし、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)に相当する変調信号を送信アンテナ1、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)に相当する変調信号を送信アンテナ2から、同一時刻に同一周波数を用いて送信する、というように、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)に相当する変調信号と入れ替え後のベースバンド信号q2(i)を異なるアンテナから、同一時刻に同一周波数を用いて送信するとしてもよい。また、
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をIp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をQp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をQp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をIp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をQp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をIp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をIp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をIp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をQp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をQp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をIp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をQp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i)、直交成分をQp2(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をIp2(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i)、直交成分をQp1(i)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i)、直交成分をIp1(i)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i)、直交成分をIp2(i)
としてもよい。また、上述では、重み付け合成後の信号309Aおよび重み付け合成後の信号316Bの同相成分と直交成分の入れ替えについて説明したが、これに限ったものではなく、2つの信号より多い信号同相成分と直交成分の入れ替えを行うことも可能である。
また、上記の例では、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))のベースバンド信号の入れ替えを説明しているが、同一時刻(同一周波数((サブ)キャリア))のベースバンド信号の入れ替えでなくてもよい。例として、以下のように記述することができる。
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をIp1(i+v)、直交成分をQp2(i+w)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をIp2(i+w)、直交成分をQp1(i+v)
・入れ替え後のベースバンド信号q2(i)の同相成分をQp2(i+w)、直交成分をIp1(i+v)、入れ替え後のベースバンド信号q1(i)の同相成分をQp1(i+v)、直交成分をIp2(i+w)
重み付け合成後の信号309A(p1(i))の同相I成分Ip1(i)、直交Q成分をQp1(i)とあらわし、重み付け合成後の信号316B(p2(i))の同相I成分Ip2(i)、直交Q成分をQp2(i)とあらわす。そして、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))の同相I成分Iq1(i)、直交Q成分をQq1(i)とあらわし、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))の同相I成分Iq2(i)、直交Q成分をQq2(i)とあらわす。
図68は、上記の記載を説明するための図であり、前述に記載したとおり、重み付け合成後の信号309A(p1(i))の同相I成分Ip1(i)、直交Q成分をQp1(i)とあらわし、重み付け合成後の信号316B(p2(i))の同相I成分Ip2(i)、直交Q成分をQp2(i)とあらわす。そして、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))の同相I成分Iq1(i)、直交Q成分をQq1(i)とあらわし、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))の同相I成分Iq2(i)、直交Q成分をQq2(i)とあらわす。
すると、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))の同相I成分Iq1(i)、直交Q成分をQq1(i)、および、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))の同相I成分Iq2(i)、直交Q成分をQq2(i)上述で説明したいずれかであらわされるものとする。
そして、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))に相当する変調信号を送信アンテナ312A、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))に相当する変調信号を送信アンテナ312Bから、同一時刻に同一周波数を用いて送信する、というように、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))に相当する変調信号と入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))相当する変調信号を異なるアンテナから、同一時刻に同一周波数を用いて送信することになる。
位相変更部317Bは、入れ替え後ベースバンド信号6701B及び信号処理方法に関する情報315を入力とし、当該信号入れ替え後ベースバンド信号6701Bの位相を規則的に変更して出力する。規則的に変更するとは、予め定められた周期(例えば、n個のシンボル毎(nは1以上の整数)あるいは予め定められた時間毎)で、予め定められた位相変更パターンに従って位相を変更する。位相変更パターンの詳細については、実施の形態4において説明したとおりである。
無線部310Bは、位相変更後の信号309Bを入力とし、直交変調、帯域制限、周波数変換、増幅等の処理を施し、送信信号311Bを出力し、送信信号311Bは、アンテナ312Bから電波として出力される。
なお、図67は、図3のように、符号化器が複数ある場合で説明したが、図67に対し、図4のように符号化器と分配部を具備し、分配部が出力する信号をそれぞれ、インタリーバの入力信号とするようにし、それ以降は、図67の構成を踏襲する場合についても、上述と同様に動作させることができる。
図5は、本実施の形態における送信装置の時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。シンボル500_1は、受信装置に、送信方法を通知するためのシンボルであり、例えば、データシンボルを伝送するために用いる誤り訂正方式、その符号化率の情報、データシンボルを伝送するために用いる変調方式の情報等を伝送する。
シンボル501_1は、送信装置が送信する変調信号z1(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_1は変調信号z1(t)が(時間軸における)シンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_1は変調信号z1(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
シンボル501_2は、送信装置が送信する変調信号z2(t){ただし、tは時間}のチャネル変動を推定するためのシンボルである。シンボル502_2は変調信号z2(t)がシンボル番号uに送信するデータシンボル、シンボル503_2は変調信号z2(t)がシンボル番号u+1に送信するデータシンボルである。
このとき、z1(t)におけるシンボルとz2(t)におけるシンボルにおいて、同一時刻(同一時間)のシンボルは、同一(共通)の周波数を用いて、送信アンテナから送信されることになる。
送信装置が送信する変調信号z1(t)と変調信号z2(t)、及び、受信装置における受信信号r1(t)、r2(t)の関係について説明する。
図5において、504#1、504#2は送信装置における送信アンテナ、505#1、505#2は受信装置における受信アンテナを示しており、送信装置は、変調信号z1(t)を送信アンテナ504#1、変調信号z2(t)を送信アンテナ504#2から送信する。このとき、変調信号z1(t)および変調信号z2(t)は、同一(共通の)周波数(帯域)を占有しているものとする。送信装置の各送信アンテナと受信装置の各アンテナのチャネル変動をそれぞれh11(t)、h12(t)、h21(t)、h22(t)とし、受信装置の受信アンテナ505#1が受信した受信信号をr1(t)、受信装置の受信アンテナ505#2が受信した受信信号をr2(t)とすると、以下の関係式が成立する。
図69は、本実施の形態における重み付け方法(プリコーディング(Precoding)方法)、ベースバンド信号の入れ替え及び位相変更方法に関連する図であり、重み付け合成部600は、図67の重み付け合成部308Aと308Bの両者を統合した重み付け合成部である。図69に示すように、ストリームs1(t)およびストリームs2(t)は、図3のベースバンド信号307Aおよび307Bに相当する、つまり、QPSK、16QAM、64QAMなどの変調方式のマッピングにしたがったベースバンド信号の同相I成分、直交Q成分となる。そして、図69のフレーム構成のようにストリームs1(t)は、シンボル番号uの信号をs1(u)、シンボル番号u+1の信号をs1(u+1)、・・・とあらわす。同様に、ストリームs2(t)は、シンボル番号uの信号をs2(u)、シンボル番号u+1の信号をs2(u+1)、・・・とあらわす。そして、重み付け合成部600は、図67におけるベースバンド信号307A(s1(t))および307B(s2(t))、信号処理方法に関する情報315を入力とし、信号処理方法に関する情報315にしたがった重み付けを施し、図67の重み付け合成後の信号309A(p1(t))、316B(p2(t))を出力する。
このとき、p1(t)は、固定のプリコーディング行列Fにおける第1行のベクトルをW1=(w11,w12)とすると、以下の式(67)であらわすことができる。
一方、p2(t)は、プリコーディング行列Fにおける第2行のベクトルをW2=(w21,w22)とすると、以下の式(68)であらわすことができる。
したがって、プリコーディング行列Fは、次式であらわすことができる。
ベースバンド信号の入れ替えを行った後の、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))の同相I成分Iq1(i)、直交Q成分をQq1(i)、および、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))の同相I成分Iq2(i)、直交Q成分をQq2(i)と、p1(t)およびp2(t)の関係は、上述説明したとおりである。そして、位相変更部による位相変更式をy(t)とすると、位相変更後のベースバンド信号309B(q2’(i))は、以下の式(70)であらわすことができる。
ここで、y(t)は、予め定められた方式に従って、位相を変更するための式であり、例えば、周期を4とすると、時刻uの位相変更式は、例えば、式(71)であらわすことができる。
同様に時刻u+1の位相変更式は、例えば、式(72)であらわすことができる。
即ち、時刻u+kの位相変更式は、式(73)であらわすことができる。
なお、式(71)〜(73)に示した規則的な位相変更例は一例に過ぎない。
規則的な位相変更の周期は4に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い。)。
また、上記式(71)〜(73)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、π/2ずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。例えば、y(t)は予め定められた周期に従って、式(74)や式(75)に示すような順に乗じる位相が変更されてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
このように、図6の重み付け合成部600は、予め定められた固定のプリコーディングウェイトを用いてプリコーディングを実行し、ベースバンド信号入れ替え部は、上述のベースバンド信号の入れ替えを行い、位相変更部は、入力された信号の位相を、その変更度合いを規則的に変えながら、変更する。
LOS環境では、特殊なプリコーディング行列を用いると、受信品質が大きく改善する可能性があるが、直接波の状況により、その特殊なプリコーディング行列は受信した際の直接波の位相、振幅成分により異なる。しかし、LOS環境には、ある規則があり、この規則に従い送信信号の位相を規則的に変更すれば、データの受信品質が大きく改善する。本発明は、LOS環境を改善する信号処理方法を提案している。
図7は、本実施の形態における受信装置700の構成の一例を示している。無線部703_Xは、アンテナ701_Xで受信された受信信号702_Xを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Xを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部705_1は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(66)のh11に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部705_2は、ベースバンド信号704_Xを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(66)のh12に相当する値を推定し、チャネル推定信号706_2を出力する。
無線部703_Yは、アンテナ701_Yで受信された受信信号702_Yを入力とし、周波数変換、直交復調等の処理を施し、ベースバンド信号704_Yを出力する。
送信装置で送信された変調信号z1におけるチャネル変動推定部707_1は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_1を抽出し、式(66)のh21に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_1を出力する。
送信装置で送信された変調信号z2におけるチャネル変動推定部707_2は、ベースバンド信号704_Yを入力とし、図5におけるチャネル推定用のリファレンスシンボル501_2を抽出し、式(66)のh22に相当する値を推定し、チャネル推定信号708_2を出力する。
制御情報復号部709は、ベースバンド信号704_Xおよび704_Yを入力とし、図5の送信方法を通知するためのシンボル500_1を検出し、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を出力する。
信号処理部711は、ベースバンド信号704_X、704_Y、チャネル推定信号706_1、706_2、708_1、708_2、及び、送信装置が通知した送信方法の情報に関する信号710を入力とし、検波、復号を行い、受信データ712_1および712_2を出力する。
次に、図7の信号処理部711の動作について詳しく説明する。図8は、本実施の形態における信号処理部711の構成の一例を示している。図8は、主にINNER MIMO検波部とsoft−in/soft−outデコーダ、係数生成部から構成されている。この構成における反復復号の方法については、非特許文献2、非特許文献3で詳細が述べられているが、非特許文献2、非特許文献3に記載されているMIMO伝送方式は空間多重MIMO伝送方式であるが、本実施の形態における伝送方式は、時間とともに信号の位相を規則的に変更し、かつ、プリコーディング行列が使用、また、ベースバンド信号の入れ替えを行っているMIMO伝送方式である点が、非特許文献2、非特許文献3と異なる点である。式(66)における(チャネル)行列をH(t)、図69におけるプリコーディングウェイト行列をF(ここでプリコーディング行列は1の受信信号中においては変更されない固定のものである)、図69の位相変更部による位相変更式の行列をY(t)(ここでY(t)はtによって変化する)、ベースバンド信号の入れ替えから、受信ベクトルをR(t)=(r1(t),r2(t))T、とストリームベクトルS(t)=(s1(t),s2(t))Tの関係を導き、受信ベクトルをR(t)に対して非特許文献2、非特許文献3の復号方法を適用することができる、MIMO検波を行うことができる。
したがって、図8の係数生成部819は、送信装置が通知した送信方法の情報(用いた固定のプリコーディング行列及び位相を変更していた場合の位相変更パターンを特定するための情報)に関する信号818(図7の710に相当)を入力とし、信号処理方法の情報に関する信号820を出力する。
INNER MIMO検波部803は、信号処理方法の情報に関する信号820を入力とし、この信号を利用して、反復検波・復号を行うことになるがその動作について説明する。
図8に示す構成の信号処理部では、反復復号(反復検波)を行うため図10に示すような処理方法を行う必要がある。初めに、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の復号を行う。その結果、soft−in/soft−outデコーダから、変調信号(ストリーム)s1の1符号語(または、1フレーム)、および、変調信号(ストリーム)s2の1符号語(または、1フレーム)の各ビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)が得られる。そして、そのLLRを用いて再度、検波・復号が行われる。この操作が複数回行われる(この操作を反復復号(反復検波)と呼ぶ。)。以降では、1フレームにおける特定の時間のシンボルの対数尤度比(LLR)の作成方法を中心に説明する。
図8において、記憶部815は、ベースバンド信号801X(図7のベースバンド信号704_Xに相当する。)、チャネル推定信号群802X(図7のチャネル推定信号706_1、706_2に相当する。)、ベースバンド信号801Y(図7のベースバンド信号704_Yに相当する。)、チャネル推定信号群802Y(図7のチャネル推定信号708_1、708_2に相当する。)を入力とし、反復復号(反復検波)を実現するために、算出した行列を変形チャネル信号群として記憶する。そして、記憶部815は、必要なときに上記信号を、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yとして出力する。
その後の動作については、初期検波の場合と反復復号(反復検波)の場合を分けて説明する。
<初期検波の場合>
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yを入力とする。ここでは、変調信号(ストリーム)s1、変調信号(ストリーム)s2の変調方式が16QAMとして説明する。
INNER MIMO検波部803は、まず、チャネル推定信号群802X、チャネル推定信号群802Yからベースバンド信号801Xに対応する候補信号点を求める。そのときの様子を図11に示す。図11において、●(黒丸)は、IQ平面における候補信号点であり、変調方式が16QAMのため、候補信号点は256個存在する。(ただし、図11では、イメージ図を示しているため、256個の候補信号点全ては示していない。)ここで、変調信号s1で伝送する4ビットをb0、b1、b2、b3、変調信号s2で伝送する4ビットをb4、b5、b6、b7とすると、図11において(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点が存在することになる。そして、受信信号点1101(ベースバンド信号801Xに相当する。)と候補信号点それぞれとの2乗ユークリッド距離を求める。そして、それぞれの2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)が求まることになる。なお、各ベースバンド信号、変調信号s1、s2は、複素信号である。
同様に、チャネル推定信号群802X、チャネル推定信号群802Yから、ベースバンド信号801Yに対応する候補信号点をもとめ、受信信号点(ベースバンド信号801Yに相当する。)との2乗ユークリッド距離を求め、この2乗ユークリッド距離をノイズの分散σ2で除算する。したがって、(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)に対応する候補信号点と受信信号点2乗ユークリッド距離をノイズの分散で除算した値をEY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)が求まることになる。
そして、EX(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)+EY(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)=E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。
INNER MIMO検波部803は、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(28)、式(29)、式(30)に示した通りであり、詳細については、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。
デインタリーバ(807A)は、対数尤度信号806Aを入力とし、インタリーバ(図67のインタリーバ(304A))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを出力する。
同様に、デインタリーバ(807B)は、対数尤度信号806Bを入力とし、インタリーバ(図67のインタリーバ(304B))に対応するデインタリーブを行い、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを出力する。
対数尤度比算出部809Aは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Aを入力とし、図67の符号化器302Aで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Aを出力する。
同様に、対数尤度比算出部809Bは、デインタリーブ後の対数尤度信号808Bを入力とし、図67の符号化器302Bで符号化されたビットの対数尤度比(LLR:Log−Likelihood Ratio)を算出し、対数尤度比信号810Bを出力する。
Soft−in/soft−outデコーダ811Aは、対数尤度比信号810Aを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Aを出力する。
同様に、Soft−in/soft−outデコーダ811Bは、対数尤度比信号810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比812Bを出力する。
<反復復号(反復検波)の場合、反復回数k>
インタリーバ(813A)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Aを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Aを出力する。このとき、インタリーブ(813A)のインタリーブのパターンは、図67のインタリーバ(304A)のインタリーブパターンと同様である。
インタリーバ(813B)は、k−1回目のsoft−in/soft−outデコードで得られた復号後の対数尤度比812Bを入力とし、インタリーブを行い、インタリーブ後の対数尤度比814Bを出力する。このとき、インタリーブ(813B)のインタリーブのパターンは、図67のインタリーバ(304B)のインタリーブパターンと同様である。
INNER MIMO検波部803は、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Y、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを入力とする。ここで、ベースバンド信号801X、チャネル推定信号群802X、ベースバンド信号801Y、チャネル推定信号群802Yではなく、ベースバンド信号816X、変形チャネル推定信号群817X、ベースバンド信号816Y、変形チャネル推定信号群817Yを用いているのは、反復復号のため、遅延時間が発生しているためである。
INNER MIMO検波部803の反復復号時の動作と、初期検波時の動作の異なる点は、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比814Bを信号処理の際に用いていることである。INNER MIMO検波部803は、まず、初期検波のときと同様に、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)を求める。加えて、インタリーブ後の対数尤度比814A、インタリーブ後の対数尤度比914Bから、式(11)、式(32)に相当する係数を求める。そして、E(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)の値をこの求めた係数を用いて補正し、その値をE’(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)とし、信号804として出力する。
対数尤度算出部805Aは、信号804を入力とし、ビットb0およびb1およびb2およびb3の対数尤度(log likelihood)を算出し、対数尤度信号806Aを出力する。ただし、対数尤度の算出では、“1”のときの対数尤度および“0”のときの対数尤度が算出される。その算出方法は、式(31)、式(数32)、式(33)、式(34)、式(35)に示したとおりであり、非特許文献2、非特許文献3に示されている。
同様に、対数尤度算出部805Bは、信号804を入力とし、ビットb4およびb5およびb6およびb7の対数尤度を算出し、対数尤度信号806Bを出力する。デインタリーバ以降の動作は、初期検波と同様である。
なお、図8では、反復検波を行う場合の、信号処理部の構成について示したが、反復検波は必ずしも良好な受信品質を得る上で必須の構成ではなく、反復検波のみに必要とする構成部分、インタリーバ813A、813Bを有していない構成でもよい。このとき、INNER MIMO検波部803は、反復的な検波を行わないことになる。
なお、非特許文献5等に示されているように、QR分解を用いて初期検波、反復検波を行ってもよい。また、非特許文献11に示されているように、MMSE(Minimum Mean Square Error)、ZF(Zero Forcing)の線形演算を行い、初期検波を行ってもよい。
図9は、図8と異なる信号処理部の構成であり、図67に対し、図4の符号化器、分配部を適用した送信装置が送信した変調信号のための信号処理部である。図8と異なる点は、soft−in/soft−outデコーダの数であり、soft−in/soft−outデコーダ901は、対数尤度比信号810A、810Bを入力とし、復号を行い、復号後の対数尤度比902を出力する。分配部903は、復号後の対数尤度比902を入力とし、分配を行う。それ以外の部分については、図8と同様の動作となる。
以上のように、本実施の形態のように、MIMO伝送システムの送信装置が複数アンテナから複数の変調信号を送信する際、プリコーディング行列を乗算するとともに、時間とともに位相を変更するし、当該位相の変更を規則的に行うことで、直接波が支配的なLOS環境において、従来の空間多重MIMO伝送を用いるときと比べ、受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
本実施の形態において、特に、受信装置の構成については、アンテナ数を限定して、動作を説明したが、アンテナ数が増えても、同様に実施することができる。つまり、受信装置におけるアンテナ数は、本実施の形態の動作、効果に影響を与えるものではない。
また、本実施の形態では、符号化として、特にLDPC符号に限ったものではなく、また、復号方法についても、soft−in/soft−outデコーダとして、sum−product復号を例に限ったものではなく、他のsoft−in/soft−outの復号方法、例えば、BCJRアルゴリズム、SOVAアルゴリズム、Max−log−MAPアルゴリズムなどがある。詳細については、非特許文献6に示されている。
また、上述では、シングルキャリア方式を例に説明したが、これに限ったものではなく、マルチキャリア伝送を行った場合でも同様に実施することができる。したがって、例えば、スペクトル拡散通信方式、OFDM方式、SC−FDMA、SC−OFDM方式、非特許文献7等で示されているウェーブレットOFDM方式等を用いた場合についても同様に実施することができる。また、本実施の形態では、データシンボル以外のシンボル、例えば、パイロットシンボル(プリアンブル、ユニークワード等)、制御情報の伝送用のシンボルなどが、フレームにどのように配置されていてもよい。
次に、マルチキャリア方式の一例として、OFDM方式を用いたときの例を説明する。
図70は、OFDM方式を用いたときの送信装置の構成を示している。図70において、図3、図12、図67と同様に動作するものについては、同一符号を付した。
OFDM方式関連処理部1201Aは、重み付け後の信号309Aを入力とし、OFDM方式関連の処理を施し、送信信号1202Aを出力する。同様に、OFDM方式関連処理部1201Bは、位相変更後の信号309Bを入力とし、送信信号1202Bを出力する。
図13は、図70のOFDM方式関連処理部1201A、1201B以降の構成の一例を示しており、図70の1201Aから312Aに関連する部分が、1301Aから1310Aであり、1201Bから312Bに関連する部分が1301Bから1310Bである。
シリアルパラレル変換部1302Aは、入れ替え後のベースバンド信号1301A(図70の入れ替え後のベースバンド信号6701Aに相当する)シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Aを出力する。
並び換え部1304Aは、パラレル信号1303Aを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Aを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Aは、並び換え後の信号1305Aを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Aを出力する。
無線部1308Aは、逆フーリエ変換後の信号1307Aを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Aを出力し、変調信号1309Aはアンテナ1310Aから電波として出力される。
シリアルパラレル変換部1302Bは、位相が変更された後の信号1301B(図12の位相変更後の信号309Bに相当する)に対し、シリアルパラレル変換を行い、パラレル信号1303Bを出力する。
並び換え部1304Bは、パラレル信号1303Bを入力とし、並び換えを行い、並び換え後の信号1305Bを出力する。なお、並び換えについては、後で詳しく述べる。
逆高速フーリエ変換部1306Bは、並び換え後の信号1305Bを入力とし、逆高速フーリエ変換を施し、逆フーリエ変換後の信号1307Bを出力する。
無線部1308Bは、逆フーリエ変換後の信号1307Bを入力とし、周波数変換、増幅等の処理を行い、変調信号1309Bを出力し、変調信号1309Bはアンテナ1310Bから電波として出力される。
図67の送信装置では、マルチキャリアを用いた伝送方式でないため、図69のように、4周期となるように位相を変更し、位相変更後のシンボルを時間軸方向に配置している。図70に示すようなOFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、当然、図67のようにプリコーディング、ベースバンド信号の入れ替えをし、位相を変更した後のシンボルを時間軸方向に配置し、それを各(サブ)キャリアごとに行う方式が考えられるが、マルチキャリア伝送方式の場合、周波数軸方向、または、周波数軸・時間軸両者を用いて配置する方法が考えられる。以降では、この点について説明する。
図14は、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、周波数軸は、(サブ)キャリア0から(サブ)キャリア9で構成されており、変調信号z1とz2は、同一時刻(時間)に同一の周波数帯域を使用しており、図14(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図14(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。シリアルパラレル変換部1302Aが入力とする入れ替え後のベースバンド信号1301Aのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)が一周期分となる。
このとき、図14(a)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。なお、変調信号z1とz2は、複素信号である。
同様に、シリアルパラレル変換部1302Bが入力とする位相が変更された後の信号1301Bのシンボルに対し、順番に、#0、#1、#2、#3、・・・と番号をふる。ここでは、周期4の場合を考えているので、#0、#1、#2、#3はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#0、#1、#2、#3が一周期分となる。同様に考えると、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3(nは0以上の整数)はそれぞれ異なる位相変更を行っていることになり、#4n、#4n+1、#4n+2、#4n+3が一周期分となる。
このとき、図14(b)のように、シンボル#0、#1、#2、#3、・・・をキャリア0から順番に配置し、シンボル#0から#9を時刻$1に配置し、その後、シンボル#10から#19を時刻$2に配置するというように規則的に配置するものとする。
そして、図14(B)に示すシンボル群1402は、図69に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルであり、シンボル#0は図69の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は図69の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は図69の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は図69の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 4(xを4で割ったときの余り、したがって、mod:modulo)が0のとき、シンボル#xは図69の時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が1のとき、シンボル#xは図69の時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が2のとき、シンボル#xは図69の時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 4が3のとき、シンボル#xは図69の時刻u+3の位相を用いたときのシンボルである。
なお、本実施の形態においては、図14(A)に示す変調信号z1は位相を変更されていない。
このように、OFDM方式などのマルチキャリア伝送方式を用いた場合、シングルキャリア伝送のときとは異なり、シンボルを周波数軸方向に並べることができるという特徴を持つことになる。そして、シンボルの並べ方については、図14のような並べ方に限ったものではない。他の例について、図15、図16を用いて説明する。
図15は、図14とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図15(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図15(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図15(A)(B)が図14と異なる点は、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2のシンボルの並び替え方法が異なる点であり、図15(B)では、シンボル#0から#5をキャリア4からキャリア9に配置し、シンボル#6から#9をキャリア0から3に配置し、その後、同様の規則で、シンボル#10から#19を各キャリアに配置する。このとき、図14(B)と同様に、図15(B)に示すシンボル群1502は、図6に示す位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルである。
図16は、図14と異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図16(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図16(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図16(A)(B)が図14と異なる点は、図14では、シンボルをキャリアに順々に配置しているのに対し、図16では、シンボルをキャリアに順々に配置していない点である。当然であるが、図16において、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの並び替え方法と変調信号z2の並び替え方法を異なるようにしてもよい。
図17は、図14〜16とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図17(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図17(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図14〜16では、シンボルを周波数軸方向に並べているが、図17ではシンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置している。
図69では、位相の変更を4スロットで切り替える場合の例を説明したが、ここでは、8スロットで切り替える場合を例に説明する。図17に示すシンボル群1702は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボル(したがって、8シンボル)であり、シンボル#0は時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#1は時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#2は時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#3は時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#4は時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#5は時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#6は時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、シンボル#7は時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。したがって、シンボル#xにおいて、x mod 8が0のとき、シンボル#xは時刻uの位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が1のとき、シンボル#xは時刻u+1の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が2のとき、シンボル#xは時刻u+2の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が3のとき、シンボル#xは時刻u+3の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が4のとき、シンボル#xは時刻u+4の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が5のとき、シンボル#xは時刻u+5の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が6のとき、シンボル#xは時刻u+6の位相を用いたときのシンボルであり、x mod 8が7のとき、シンボル#xは時刻u+7の位相を用いたときのシンボルである。図17のシンボルの並べ方では、時間軸方向に4スロット、周波数軸方向で2スロットの計4×2=8スロットを用いて、1周期分のシンボルを配置しているが、このとき、1周期分のシンボルの数をm×nシンボル(つまり、乗じる位相はm×n種類存在する。)1周期分のシンボルを配置するのに使用する周波数軸方向のスロット(キャリア数)をn、時間軸方向に使用するスロットをmとすると、m>nとするとよい。これは、直接波の位相は、時間軸方向の変動は、周波数軸方向の変動と比較し、緩やかである。したがって、定常的な直接波の影響を小さくするために本実施の形態の規則的な位相の変更を行うので、位相の変更を行う周期では直接波の変動を小さくしたい。したがって、m>nとするとよい。また、以上の点を考慮すると、周波数軸方向のみ、または、時間軸方向のみにシンボルを並び替えるより、図17のように周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行うほうが、直接波は定常的になる可能性が高く、本発明の効果を得やすいという効果が得られる。ただし、周波数軸方向に並べると、周波数軸の変動が急峻であるため、ダイバーシチゲインを得ることが出来る可能性があるので、必ずしも周波数軸と時間軸の両者を用いて並び換えを行う方法が最適な方法であるとは限らない。
図18は、図17とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における、図13の並び替え部1301A、1301Bにおけるシンボルの並び替え方法の一例を示しており、図18(A)は変調信号z1のシンボルの並び替え方法、図18(B)は変調信号z2のシンボルの並び替え方法を示している。図18は、図17と同様、シンボルを周波数、時間軸の両者を利用して配置しているが、図17と異なる点は、図17では、周波数方向を優先し、その後、時間軸方向にシンボルを配置しているのに対し、図18では、時間軸方向を優先し、その後、周波数軸方向にシンボルを配置している点である。図18において、シンボル群1802は、位相変更方法を用いたときの1周期分のシンボルである。
なお、図17、図18では、図15と同様に、変調信号z1のシンボルの配置方法と変調信号z2のシンボル配置方法が異なるように配置しても同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。また、図17、図18において、図16のようにシンボルを順々に配置していなくても、同様に実施することができ、また、高い受信品質を得ることができるという効果を得ることができる。
図22は、上記とは異なる、横軸周波数、縦軸時間における図13の並び替え部1301A、130Bにおけるシンボルの並び換え方法の一例を示している。図69の時刻u〜u+3のような4スロットを用いて規則的に位相を変更する場合を考える。図22において特徴的な点は、周波数軸方向にシンボルを順に並べているが、時間軸方向に進めた場合、サイクリックにn(図22の例ではn=1)シンボルサイクリックシフトさせている点である。図22における周波数軸方向のシンボル群2210に示した4シンボルにおいて、図69の時刻u〜u+3の位相の変更を行うものとする。
このとき、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#2では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#3では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
周波数軸方向のシンボル群2220についても同様に、#4のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#5では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#6では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#7では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間$1のシンボルにおいて、上記のような位相の変更を行ったが、時間軸方向において、サイクリックシフトしているため、シンボル群2201、2202、2203、2204については以下のように位相の変更を行うことになる。
時間軸方向のシンボル群2201では、#0のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#9では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#18では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#27では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2202では、#28のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#1では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#10では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#19では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2203では、#20のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#29では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#2では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#11では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
時間軸方向のシンボル群2204では、#12のシンボルでは時刻uの位相を用いた位相変更、#21では時刻u+1の位相を用いた位相変更、#30では時刻u+2の位相を用いた位相変更、#3では時刻u+3の位相を用いた位相変更を行うものとする。
図22においての特徴は、例えば#11のシンボルに着目した場合、同一時刻の周波数軸方向の両隣のシンボル(#10と#12)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っているとともに、#11のシンボルの同一キャリアの時間軸方向の両隣のシンボル(#2と#20)は、ともに#11とは異なる位相を用いて位相の変更を行っていることである。そして、これは#11のシンボルに限ったものではなく、周波数軸方向および時間軸方向ともに両隣にシンボルが存在するシンボルすべてにおいて#11のシンボルと同様の特徴をもつことになる。これにより、効果的に位相を変更していることになり、直接波の定常的な状況に対する影響を受けづらくなるため、データの受信品質が改善される可能性が高くなる。
図22では、n=1として説明したが、これに限ったものではなく、n=3としても同様に実施することができる。また、図22では、周波数軸にシンボルを並べ、時間が軸方向にすすむ場合、シンボルの配置の順番をサイクリックシフトするという特徴を持たせることで、上記の特徴を実現したが、シンボルをランダム(規則的であってもよい)に配置することで上記特徴を実現するような方法もある。
なお、本実施の形態では、実施の形態1の変形例として、位相変更前に、ベースバンド信号入れ替え部を挿入する構成を示したが、本実施の形態と実施の形態2を組み合わせ、図26、図28において、位相変更を行う前に、ベースバンド信号の入れ替え部を挿入して、実施してもよい。したがって、図26において、位相変更部317Aは、入れ替え後ベースバンド信号6701A(q1(i))を入力とし、位相変更部317Bは、入れ替え後ベースバンド信号6701B(q2(i))を入力とすることになる。また、図28の位相変更部317Aおよび位相変更部317Bについても同様となる。
次に、送信装置から見て、各所に点在することになる受信装置において、受信装置がどこに配置されていても、各受信装置が良好なデータの受信品質を得るための手法について開示する。
図31は、規則的に位相を変更する送信方式において、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いたときの、時間−周波数軸における信号の一部のシンボルのフレーム構成の一例を示している。
図31は、図67に示した位相変更部317Bの入力である入れ替え後のベースバンド信号に対応する変調信号z2’のフレーム構成を示しており、1つの四角がシンボル(ただし、プリコーディングを行っているため、s1とs2の両者の信号を含んでいるのが通常であるが、プリコーディング行列の構成しだいでは、s1とs2の一方の信号のみであることもある。)を示している。
ここで、図31のキャリア2、時刻$2のシンボル3100について着目する。なお、ここではキャリアと記載しているが、サブキャリアと呼称することもある。
キャリア2において、時刻$2に時間的に最も隣接するシンボル、つまりキャリア2の時刻$1のシンボル3103と時刻$3のシンボル3101のそれぞれのチャネル状態は、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
同様に時刻$2において、周波数軸方向でキャリア2に最も隣接している周波数のシンボル、即ち、キャリア1、時刻$2のシンボル3104と時刻$2、キャリア3のシンボル3104とのチャネル状態は、ともに、キャリア2、時刻$2のシンボル3100のチャネル状態と、非常に相関が高い。
上述したように、シンボル3101、3102、3103、3104のそれぞれのチャネル状態は、シンボル3100のチャネル状態との相関が非常に高い。
本明細書において、規則的に位相を変更する送信方法において、乗じる位相として、N種類の位相(但し、Nは2以上の整数)を用意しているものとする。図31に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図6における信号z2’に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。つまり、図31の各シンボルに記載している値は、式(70)におけるy(t)の値となる。
本実施の形態においては、この周波数軸方向で隣接しあうシンボル及び/または時間軸方向で隣接しあうシンボルのチャネル状態の相関性が高いことを利用して受信装置側において、高いデータの受信品質が得られる位相が変更されたシンボルのシンボル配置を開示する。
この受信側で高いデータの受信品質が得られる条件として、条件#D1−1、条件#D1−2が考えられる。
<条件#D1−1>
図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、これら3つのデータシンボルに対応する入れ替え後のベースバンド信号q2、つまり、時間X・キャリアY、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYにおけるそれぞれの入れ替え後のベースバンド信号q2では、いずれも異なる位相変更が行われる。
<条件#D1−2>
図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら3つのデータシンボルに対応する入れ替え後のベースバンド信号q2、つまり、時間X・キャリアY、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれの入れ替え後のベースバンド信号q2では、いずれも異なる位相変更が行われる。
そして、<条件#D1−1>を満たすデータシンボルが存在するとよい。同様に、<条件#D1−2>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
当該<条件#D1−1><条件#D1−2>が導出される理由は以下の通りである。
送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、当該シンボルAに時間的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、時間的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
同様に、送信信号においてあるシンボル(以降、シンボルAと呼称する)があり、当該シンボルAに周波数的に隣接したシンボルそれぞれのチャネル状態は、上述したとおり、シンボルAのチャネル状態との相関が高い。
したがって、周波数的に隣接した3シンボルで、異なる位相を用いていると、LOS環境において、シンボルAが劣悪な受信品質(SNRとしては高い受信品質を得ているものの、直接波の位相関係が劣悪な状況であるため受信品質が悪い状態)であっても、残りのシンボルAに隣接する2シンボルでは、良好な受信品質を得ることができる可能性が非常に高く、その結果、誤り訂正復号後は良好な受信品質を得ることができる。
また、<条件#D1−1>と<条件#D1−2>を組み合わせると、受信装置において、より、データの受信品質を向上させることができる可能性がある。したがって、以下の条件を導くことができる。
<条件#D1−3>
図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、規則的に位相を変更する送信方法において、OFDMのようなマルチキャリア伝送方式を用いている場合、時間X・キャリアYがデータ伝送用のシンボル(以下、データシンボルと呼称する)であり、時間軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYがいずれもデータシンボルであり、かつ、周波数軸方向で隣接するシンボル、即ち、時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1がいずれもデータシンボルである場合、これら5つのデータシンボルに対応する入れ替え後のベースバンド信号q2、つまり、時間X・キャリアYおよび時間X−1・キャリアYおよび時間X+1・キャリアYおよび時間X・キャリアY−1および時間X・キャリアY+1におけるそれぞれの入れ替え後のベースバンド信号q2では、いずれも異なる位相変更が行われる。
ここで、「異なる位相変更」について、補足を行う。位相変更は、0ラジアンから2πラジアンで定義されることになる。例えば、時間X・キャリアYにおいて、図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に対して施す位相変更をejθX,Y、時間X−1・キャリアYにおいて、図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に対して施す位相変更をejθX−1,Y、時間X+1・キャリアYにおいて、図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に対して施す位相変更をejθX+1,Yとすると、0ラジアン≦θX,Y<2π、0ラジアン≦θX−1,Y<2π、0ラジアン≦θX+1,Y<2πとなる。したがって、<条件#D1−1>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX+1,Y≠θX−1,Yが成立することになる。同様に考えると、<条件#D1−2>では、θX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX−1,Y+1が成立することになり、<条件#D1−3>では、θX,Y≠θX−1,YかつθX,Y≠θX+1,YかつθX,Y≠θX,Y−1かつθX,Y≠θX,Y+1かつθX−1,Y≠θX+1,YかつθX−1,Y≠θX,Y−1かつθX−1,Y≠θX,Y+1かつθX+1,Y≠θX,Y−1かつθX+1,Y≠θX,Y+1かつθX,Y−1≠θX,Y+1が成立することになる。
そして、<条件#D1−3>を満たすデータシンボルが存在するとよい。
図31は<条件#D1−3>の例であり、シンボルAに該当するシンボル3100に相当する図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に乗じられている位相と、そのシンボル3100に時間的に隣接するシンボル3101に相当する図69の入れ替え後のベースバンド信号q2、3103に相当する図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に乗じられている位相と、周波数的に隣接するシンボル3102に相当する図69の入れ替え後のベースバンド信号q2、3104に相当する図69の入れ替え後のベースバンド信号q2に乗じられている位相が互いに異なるように配されており、これによって、受信側においてシンボル3100の受信品質が劣悪であろうとも、その隣接するシンボルの受信品質は非常に高くなるため、誤り訂正復号後の高い受信品質を確保できる。
この条件のもとで、位相を変更して得られるシンボルの配置例を図32に示す。
図32を見ればわかるように、いずれのデータシンボルにおいても、その位相が周波数軸方向及び時間軸方向の双方において隣接しあうシンボルに対して変更された位相の度合いは互いに異なる位相変更量となっている。このようにすることで、受信装置における誤り訂正能力を更に向上させることができる。
つまり、図32では、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#D1−1>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#D1−2>がすべてのX、すべてのYで成立している。
同様に、図32では、周波数方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在し、かつ、時間軸方向で隣接するシンボルにデータシンボルが存在していた場合、<条件#D1−3>がすべてのX、すべてのYで成立している。
次に、上述で説明した、2つの入れ替え後のベースバンド信号q2に位相変更を行った場合(図68参照)の例で説明する。
入れ替え後のベースバンド信号q1、および、入れ替え後のベースバンド信号q2の両者に位相変更を与える場合、位相変更方法について、いくつかの方法がある。その点について、詳しく説明する。
方法1として、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#D1−1><条件#D1−2><条件#D1−3>を満たすようにするために、(サブ)キャリア1で、入れ替え後のベースバンド信号q2に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更は、図33ように、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とする。図33では、(入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の)1周期分を含む時刻$1において、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更の値は、ej0としており、次の(入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の)1周期分を含む時刻$2において、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更の値は、ejπ/9としており、・・・、としている。
なお、図33に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける図26における信号q1に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。
入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更は、図33ように、プリコーディング後の入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10の1周期分の位相変更する値は一定とし、位相変更する値は、1周期分の番号とともに変更するようにする。(上述のように、図33では、第1の1周期分では、ej0とし、第2の1周期分ではejπ/9、・・・としている。)
以上のようにすることで、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10であるが、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更と入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の両者を考慮したときの周期は10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。
方法2として、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は、前述のように、図32のように位相変更を行うものとする。図32において、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10としている。しかし、前述で述べたように、<条件#D1−1><条件#D1−2><条件#D1−3>を満たすようにするために、(サブ)キャリア1で、入れ替え後のベースバンド信号q2に施す位相変更を時間とともに変更している。(図32では、このような変更をほどこしているが、周期10をとし、別の位相変更方法であってもよい)そして、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更は、図30ように、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10とは異なる周期3での位相変更を行う。
なお、図30に示したシンボルには、例えば、「ej0」という記載を付しているが、これは、このシンボルにおける入れ替え後のベースバンド信号q1に対し、「ej0」が乗じられて位相が変更されたことを意味する。
以上のようにすることで、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更は周期10であるが、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更と入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の両者を考慮したときの周期は30となり入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更と入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の両者を考慮したときの周期を10より大きくすることができるという効果を得ることができる。これにより、受信装置のデータの受信品質が向上する可能性がある。方法2の一つの有効な方法としては、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更の周期をNとし、入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の周期をMとしたとき、特に、NとMが互いに素の関係であると、入れ替え後のベースバンド信号q1の位相変更と入れ替え後のベースバンド信号q2の位相変更の両者を考慮したときの周期はN×Mと容易に大きな周期に設定することができるという利点があるが、NとMが互いに素の関係でも、周期を大きくすることは可能である。
なお、上述の位相変更方法は一例であり、これに限ったものではなく、周波数軸方向で位相変更を行ったり、時間軸方向で位相変更を行ったり、時間−周波数のブロックで位相変更を行っても同様に、受信装置におけるデータの受信品質を向上させることができるという効果を持つことになる。
上記で説明したフレーム構成以外にも、データシンボル間にパイロットシンボル(SP(Scattered Pilot))や制御情報を伝送するシンボルなどが挿入されることも考えられる。この場合の位相変更について詳しく説明する。
図47は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’および変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図47(a)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図47(b)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図47において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、入れ替え後のベースバンド信号または入れ替え後のベースバンド信号と位相変更を施したシンボルとなる。
図47は、図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(入れ替え後のベースバンド信号q1には位相変更を行わない)。(なお、図69では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図69において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図47の入れ替え後のベースバンド信号q2のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図47の入れ替え後のベースバンド信号q1(z1)のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図47において重要な点は、入れ替え後のベースバンド信号q2に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図48は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’および変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図48(a)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’ の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図48(b)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図48において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボルを示しており、データシンボル4702は、プリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。
図48は、入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。したがって、図48の入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図48において重要な点は、入れ替え後のベースバンド信号q1に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号の入れ替えを施したシンボルに対して施している、また、入れ替え後のベースバンド信号q2に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号の入れ替えを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図49は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’および変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図49(a)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図49(b)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図49において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図49と図47の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図49は、図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している(入れ替え後のベースバンド信号q1には位相変更を行わない)。(なお、図69では時間軸方向で位相変更を行う場合を示しているが、図6において、時間tをキャリアfに置き換えて考えることで、周波数方向での位相変更を行うことに相当し、時間tを時間t、周波数f、つまり(t)を(t、f)に置き換えて考えることで、時間周波数のブロックで位相変更を行うことに相当する。)したがって、図49の入れ替え後のベースバンド信号q2のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。なお、図49の入れ替え後のベースバンド信号q1のシンボルは、位相変更を行わないので、数値を記載していない。
図49において重要な点は入れ替え後のベースバンド信号q2に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図50は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’および変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成を示しており、図50(a)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q1)z1またはz1’の時間―周波数軸におけるフレーム構成、図50(b)は、変調信号(入れ替え後のベースバンド信号q2)z2’の時間―周波数軸におけるフレーム構成である。図50において、4701はパイロットシンボル、4702はデータシンボル、4901はヌルシンボルであり、ベースバンド信号の同相成分I=0であり、直交成分Q=0となる。このとき、データシンボル4702は、プリコーディングまたはプリコーディングと位相変更を施したシンボルとなる。図50と図48の違いは、データシンボル以外のシンボルの構成方法であり、変調信号z1’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z2’はヌルシンボルとなっており、逆に、変調信号z2’でパイロットシンボルが挿入されている時間とキャリアにおいて、変調信号z1’はヌルシンボルとなっている点である。
図50は、入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2に対し、位相変更を行う場合のシンボル配置を示している。したがって、図50の入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2のシンボルに記載されている数値は、位相の変更値を示している。
図50において重要な点は、入れ替え後のベースバンド信号q1に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを施したシンボルに対して施している、また、入れ替え後のベースバンド信号q2に対する位相変更は、データシンボル、つまり、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを施したシンボルに対して施している点である。(ここで、シンボルと記載しているが、ここで記載しているシンボルには、プリコーディングが施されているため、s1のシンボルとs2のシンボルの両者を含んでいることになる。)したがって、z1’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さず、また、z2’に挿入されたパイロットシンボルに対しては、位相変更を施さないことになる。
図51は、図47、図49のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4と同様に動作するものについては、同一符号を付している。なお、図51では、図67や図70で示したベースバンド信号入れ替え部を図示していないが、図51に対し、図67や図70と同様、重み付け合成部と位相変更部の間にベースバンド信号入れ替え部を挿入すればよい。
図51において、重み付け合成部308A、308B、および、位相変更部317B、および、ベースバンド信号入れ替え部は、フレーム構成信号313がデータシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。
図51のパイロットシンボル(ヌルシンボル生成を兼ねるものとする)生成部5101は、フレーム構成信号313がパイロットシンボル(かつヌルシンボル)であることをしめしていた場合、パイロットシンボルのベースバンド信号5102A、および5102Bを出力する。
図47から図50のフレーム構成では示していなかったが、プリコーディング(および、位相回転を施さない)を施さない、例えば、1アンテナから変調信号を送信する方式、(この場合、もう一方のアンテナからは信号を伝送しないことになる)、または、時空間符号(特に、時空間ブロック符号)を用いた伝送方式を用いて制御情報シンボルを送信する場合、制御情報シンボル5104は、制御情報5103、フレーム構成信号313を入力とし、フレーム構成信号313が制御情報シンボルであることを示している場合、制御情報シンボルのベースバンド信号5102A、5102Bを出力する。
図51の無線部310A、310Bは、入力となる複数のベースバンド信号のうち、フレーム構成信号313に基づき、複数のベースバンド信号から、所望のベースバンド信号を選択する。そして、OFDM関連の信号処理を施し、フレーム構成にしたがった変調信号311A、311Bをそれぞれ出力する。
図52は、図48、図50のフレーム構成の変調信号を生成し、送信する送信装置の構成の一例を示しており、図4、図51と同様に動作するものについては、同一符号を付している。図51に対して追加した位相変更部317Aは、フレーム構成信号313がデータシンボルであるタイミングを示しているときのみ動作することになる。その他については、図51と同様の動作となる。なお、図52では、図67や図70で示したベースバンド信号入れ替え部を図示していないが、図52に対し、図67や図70と同様、重み付け合成部と位相変更部の間にベースバンド信号入れ替え部を挿入すればよい。
図53は、図51とは異なる送信装置の構成方法である。なお、図53では、図67や図70で示したベースバンド信号入れ替え部を図示していないが、図53に対し、図67や図70と同様、重み付け合成部と位相変更部の間にベースバンド信号入れ替え部を挿入すればよい。以降では異なる点について説明する。位相変更部317Bは、図53のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
選択部5301は、複数のベースバンド信号を入力とし、フレーム構成信号313が示したシンボルのベースバンド信号を選択し、出力する。
図54は、図52とは異なる送信装置の構成方法である。なお、図54では、図67や図70で示したベースバンド信号入れ替え部を図示していないが、図54に対し、図67や図70と同様、重み付け合成部と位相変更部の間にベースバンド信号入れ替え部を挿入すればよい。以降では異なる点について説明する。位相変更部317Bは、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、プリコーディング後のベースバンド信号316Bに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部317Bは、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
同様に、位相変更部5201は、図54のように、複数のベースバンド信号を入力とする。そして、フレーム構成信号313が、データシンボルであることを示していた場合、位相変更部5201は、プリコーディング後のベースバンド信号309Aに対し、位相変更を施す。そして、フレーム構成信号313が、パイロットシンボル(またはヌルシンボル)、または、制御情報シンボルであることを示していた場合、位相変更部5201は、位相変更の動作を停止し、各シンボルのベースバンド信号をそのまま出力する。(解釈としては、「ej0」に相当する位相回転を強制的に行っていると考えればよい。)
上述の説明では、パイロットシンボルと制御シンボルとデータシンボルを例に説明したが、これに限ったものではなく、プリコーディングとは異なる伝送方法、例えば、1アンテナ送信、時空間ブロック符号を用いた伝送方式、等を用いて伝送するシンボルであれば、同様に、位相変更を与えない、ということが重要となり、これとは逆に、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを行ったシンボルに対しては、位相変更を行うことが本発明では重要なこととなる。
したがって、時間−周波数軸におけるフレーム構成におけるすべてのシンボルで位相変更が行われるわけではなく、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替えを行った信号のみに位相変更を与える点が、本発明の特徴となる。
次に、非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic) LDPC(Low-Density Parity-Check)符号(QC−LDPC符号でない、LDPC符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号、テイルバイティングを用いたターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの規則的に位相を変更する方法について詳しく説明する。ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、図69、図70の送信装置に対し、図4のような符号器と分配部を適用し、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、上述の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、上述の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする。(図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
同様に、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた750スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが150スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが150スロットである必要がある。
同様に、変調方式が64QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するビット数6000ビットを送信するための上記で述べた500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが100スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが100スロットである必要がある。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をN個(N個の異なる位相をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、1つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#D1−4>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#D1−4>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#D1−4>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#D1−4>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#D1−5>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
図35は、ブロック符号を用いたとき、2つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図35は、図67の送信装置および図70の送信装置に示したように、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、2つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図35に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、図67の送信装置および図70の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになり、また、2つの符号化器が存在するため、2つのストリームでは、異なる符号ブロックを伝送することになる。したがって、変調方式がQPSKのとき、s1、s2により、2つの符号化ブロックが同一区間内で送信されることから、例えば、s1により第1の符号化後のブロックが送信され、s2により、第2の符号化ブロックが送信されることになるので、第1、第2の符号化後のブロックを送信するために3000スロットが必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1500スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために1000スロットが必要となる。
次に、規則的に位相を変更する方法において、上述で定義したスロットと乗じる位相との関係について説明する。
ここでは、規則的に位相を変更する方法のために用意する位相変更値(または、位相変更セット)の数を5とする。つまり、図67の送信装置および図70の送信装置の位相変更部のために、5つの位相変更値(または、位相変更セット)を用意するものとする。(図69のように、入れ替え後のベースバンド信号q2のみに位相変更を行う場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更値を用意すればよい。また、入れ替え後のベースバンド信号q1および入れ替え後のベースバンド信号q2の両者に対し位相変更を行う場合、1スロットのために、2つの位相変更値が必要となる。この2つの位相変更値を位相変更セットとよぶ。したがって、この場合、周期5の位相変更を行うためには、5つの位相変更セットを用意すればよい)この5つの位相変更値(または、位相変更セット)をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],PHASE[3], PHASE[4]とあらわすものとする。
変調方式がQPSKのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた3000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが600スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが600スロットである必要がある。これは、使用する位相にかたよりがあると、多くの数を使用した位相の影響が大きく、受信装置において、この影響に依存したデータの受信品質となるからである。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが600回、位相PHASE[1]を使用するスロットが600回、位相PHASE[2]を使用するスロットが600回、位相PHASE[3]を使用するスロットが600回、位相PHASE[4]を使用するスロットが600回であるとよい。
同様に、変調方式が16QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1500スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが300スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが300スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが300回、位相PHASE[1]を使用するスロットが300回、位相PHASE[2]を使用するスロットが300回、位相PHASE[3]を使用するスロットが300回、位相PHASE[4]を使用するスロットが300回であるとよい。
同様に、変調方式が64QAMのとき、2つの符号化後のブロックを構成するビット数6000×2ビットを送信するための上記で述べた1000スロットにおいて、位相PHASE[0]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[1]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[2]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[3]を使用するスロットが200スロット、位相PHASE[4]を使用するスロットが200スロットである必要がある。
また、第1の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回である必要があり、また、第2の符号化ブロックを送信するために、位相PHASE[0]を使用するスロットが200回、位相PHASE[1]を使用するスロットが200回、位相PHASE[2]を使用するスロットが200回、位相PHASE[3]を使用するスロットが200回、位相PHASE[4]を使用するスロットが200回であるとよい。
以上のように、規則的に位相を変更する方法において、用意する位相変更値(または、位相変更セット)をN個(N個の異なる位相をPHASE[0], PHASE[1], PHASE[2],・・・, PHASE[N-2] , PHASE[N-1]とあらわすものとする)としたとき、2つの符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用するスロット数をK0, 位相PHASE[1]を使用するスロット数をK1、位相PHASE[i]を使用するスロット数をKi(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用するスロット数をKN-1としたとき、
<条件#D1−6>
K0=K1=・・・=Ki=・・・=KN-1、つまり、Ka=Kb、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第1の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,1, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,1、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,1(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,1としたとき、
<条件#D1−7>
K0,1=K1,1=・・・=Ki,1=・・・=KN-1,1、つまり、Ka,1=Kb,1、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であり、第2の符号化後のブロックを構成するビットをすべて送信する際に、位相PHASE[0]を使用する回数をK0,2, 位相PHASE[1]を使用する回数をK1,2、位相PHASE[i]を使用する回数をKi,2(i=0,1,2,・・・,N-1(iは0以上N−1以下の整数))、 位相PHASE[N-1] を使用する回数をKN-1,2としたとき、
<条件#D1−8>
K0,2=K1,2=・・・=Ki,2=・・・=KN-1,2、つまり、Ka,2=Kb,2、(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
であるとよい。
そして、通信システムが、複数の変調方式をサポートしており、サポートしている変調方式から選択して使用する場合、サポートしている変調方式において、<条件#D1−6><条件#D1−7><条件#D1−8>が成立するとよいことになる。
しかし、複数の変調方式をサポートしている場合、各変調方式により1シンボルで送信することができるビット数が異なるのが一般的であり(場合によっては、同一となることもあり得る。)、場合によっては、<条件#D1−6><条件#D1−7><条件#D1−8>を満たすことができない変調方式が存在することもある。この場合、<条件#D1−6><条件#D1−7><条件#D1−8>にかわり、以下の条件を満たすとよい。
<条件#D1−9>
KaとKbの差は0または1、つまり、|Ka―Kb|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#D1−10>
Ka,1とKb,1の差は0または1、つまり、|Ka,1―Kb,1|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
<条件#D1−11>
Ka,2とKb,2の差は0または1、つまり、|Ka,2―Kb,2|は0または1
(for∀a、∀b、ただし、a, b=0,1,2,・・・,N-1(aは0以上N−1以下の整数、bは0以上N−1以下の整数)、a≠b)
以上のように、符号化後のブロックと乗じる位相の関係付けを行うことで、符号化ブロックを伝送するために使用する位相にかたよりがなくなるため、受信装置において、データの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
上述では、規則的に位相を変更する方法において、周期Nの位相変更方法のためには、N個の位相変更値(または、位相変更セット)が必要となる。このとき、N個の位相変更値(または、位相変更セット)として、PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を用意することになるが、周波数軸方向にPHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]の順に並べる方法もあるが、必ずしもこれに限ったものではなく、N個の位相変更値(または、位相変更セット)PHASE[0]、PHASE[1]、PHASE[2]、・・・、PHASE[N-2]、PHASE[N-1]を時間軸、周波数―時間軸のブロックに対し、シンボルを配置することで、位相を変更することもできる。なお、周期Nの位相変更方法として説明しているが、N個の位相変更値(または、位相変更セット)をランダムに用いるようにしても同様の効果を得ることができる、つまり、必ずしも、規則的な周期を持つようにN個の位相変更値(または、位相変更セット)を用いる必要はないが、上記で説明した条件を満たすことは、受信装置において、高いデータの受信品質を得る上では、重要となる。
また、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のモードが存在し、送信装置(放送局、基地局)は、これらのモードから、いずれかの送信方法を選択することができるようにしてもよい。
なお、空間多重MIMO伝送方式とは、非特許文献3に示されているように、選択した変調方式でマッピングした信号s1、s2をそれぞれ異なるアンテナから送信する方法であり、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式とは、プリコーディングのみを行う(位相変更を行わない)方式である。また、時空間ブロック符号化方式とは、非特許文献9、16、17に示されている伝送方式である。1ストリームのみ送信とは、選択した変調方式でマッピングした信号s1の信号を所定の処理を行いアンテナから送信する方法である。
また、OFDMのようなマルチキャリアの伝送方式を用いており、複数のキャリアで構成された第1キャリア群、複数のキャリアで構成された第1キャリア群とは異なる第2キャリア群、・・・というように複数のキャリア群でマルチキャリア伝送を実現しており、キャリア群ごとに、空間多重MIMO伝送方式、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式、時空間ブロック符号化方式、1ストリームのみ送信、規則的に位相を変更する方法のいずれかに設定してもよく、特に、規則的に位相を変更する方法を選択した(サブ)キャリア群では、上述を実施するとよい。
なお、本実施の説明した、プリコーディング、ベースバンド信号の入れ替え、位相変更を施す、送信装置と、本明細書で説明した内容は、組み合わせて使用することができ、特に、本実施の形態で説明した位相変更部に対し、本明細書で説明した全ての位相変更に関する内容を組み合わせて使用することは可能である。
(実施の形態D2)
本実施の形態では、図4の送信装置の場合、図4の送信装置に対しOFDM方式のようなマルチキャリア方式に対応した場合、図67、図70の送信装置に対し図4のように、一つの符号化器と分配部を適用した場合において、本明細書の中で説明した規則的に位相変更を行った場合の位相変更のイニシャライズ方法について説明する。
非特許文献12〜非特許文献15に示されているように、QC(Quasi Cyclic) LDPC(Low-Density Parity-Check)符号(QC−LDPC符号でない、LDPC符号であってもよい)、LDPC符号とBCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem code)の連接符号、テイルバイティングを用いたターボ符号またはDuo-Binary Turbo Code等のブロック符号を用いたときの規則的に位相を変更する場合を考える。
ここでは、一例として、s1、s2の2つのストリームを送信する場合を例に説明する。ただし、ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等が必要でないとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数(ただし、この中に、以下で記載するような制御情報等が含まれていてもよい。)と一致する。ブロック符号を用いて符号化を行った際、制御情報等(例えば、CRC(cyclic redundancy check)、伝送パラメータ等)が必要であるとき、符号化後のブロックを構成するビット数は、ブロック符号を構成するビット数と制御情報等のビット数の和であることもある。
図34は、ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図である。図34は、例えば、上述の送信装置に対し、s1、s2の2つのストリームを送信し、かつ、送信装置が、1つの符号化器を有している場合の「ブロック符号を用いたとき、1つの符号化後のブロックに必要なシンボル数、スロット数の変化を示した図」である。(このとき、伝送方式としては、シングルキャリア伝送、OFDMのようなマルチキャリア伝送、いずれを用いてもよい。)
図34に示すように、ブロック符号における1つの符号化後のブロックを構成するビット数を6000ビットであるとする。この6000ビットを送信するためには、変調方式がQPSKのとき3000シンボル、16QAMのとき1500シンボル、64QAMのとき1000シンボルが必要となる。
そして、上述の送信装置では、2つのストリームを同時に送信することになるため、変調方式がQPSKのとき、前述の3000シンボルは、s1に1500シンボル、s2に1500シンボル割り当てられることになるため、s1で送信する1500シンボルとs2で送信する1500シンボルを送信するために1500スロット(ここでは「スロット」と名付ける。)が必要となる。
同様に考えると、変調方式が16QAMのとき、1つの符号化後のブロックを構成するすべてのビットを送信するために750スロットが必要となり、変調方式が64QAMのとき、1ブロックを構成するすべてのビットを送信するために500スロットが必要となる。
次に、図71のようなフレーム構成で、送信装置が、変調信号を送信する場合を考える。図71(a)は、変調信号z1’またはz1(アンテナ312Aで送信)の時間および周波数軸におけるフレーム構成を示している。また、図71(b)は、変調信号z2(アンテナ312Bで送信)の時間および周波数軸におけるフレーム構成を示している。このとき、変調信号z1’またはz1が用いている周波数(帯)と変調信号z2が用いている周波数(帯)は同一であるものとし、同一時刻に変調信号z1’またはz1、と、変調信号z2が存在することになる。
図71(a)に示すように、送信装置は区間Aではプリアンブル(制御シンボル)を送信しており、通信相手に制御情報を伝送するためのシンボルであり、特に、ここでは、第1、第2符号化ブロックを伝送するための変調方式の情報が含まれているものとする。送信装置は、区間Bで、第1符号化ブロックを送信することになる。送信装置は区間Cで、第2符号化ブロックを送信することになる。
送信装置は区間Dではプリアンブル(制御シンボル)を送信しており、通信相手に制御情報を伝送するためのシンボルであり、特に、ここでは、第3、第4、・・・、符号化ブロックを伝送するための変調方式の情報が含まれているものとする。送信装置は、区間Eで、第3符号化ブロックを送信することになる。送信装置は区間Fで、第4符号化ブロックを送信することになる。
図71(b)に示すように、送信装置は区間Aではプリアンブル(制御シンボル)を送信しており、通信相手に制御情報を伝送するためのシンボルであり、特に、ここでは、第1、第2符号化ブロックを伝送するための変調方式の情報が含まれているものとする。送信装置は、区間Bで、第1符号化ブロックを送信することになる。送信装置は区間Cで、第2符号化ブロックを送信することになる。
送信装置は区間Dではプリアンブル(制御シンボル)を送信しており、通信相手に制御情報を伝送するためのシンボルであり、特に、ここでは、第3、第4、・・・、符号化ブロックを伝送するための変調方式の情報が含まれているものとする。送信装置は、区間Eで、第3符号化ブロックを送信することになる。送信装置は区間Fで、第4符号化ブロックを送信することになる。
図72は、図34のように符号化ブロックを伝送する場合において、特に、第1符号化ブロックでは、変調方式として16QAMを用いた場合に使用するスロット数を示しており、第1符号化ブロックを伝送するためには、750スロットが必要となる。
同様に、第2符号化ブロックでは、変調方式としてQPSKを用いた場合に使用するスロット数を示しており、第2符号化ブロックを伝送するためには、1500スロットが必要となる。
図73は、図34のように符号化ブロックを伝送する場合において、特に、第3符号化ブロックでは、変調方式としてQPSKを用いた場合に使用するスロット数を示しており、第3符号化ブロックを伝送するためには、1500スロットが必要となる。
そして、本明細書で説明したように、変調信号z1、つまり、アンテナ312Aで送信する変調信号に対しては、位相変更を行わず、変調信号z2、つまり、アンテナ312Bで送信する変調信号に対しては、位相変更を行う場合を考える。このとき、図72、図73では、位相変更を行う方法について示している。
まず、前提として、位相変更するために、異なる位相変更値を7つ用意し、7つの位相変更値を#0、#1、#2、#3、#4、#5、#6と名付ける。また、位相変更は規則的、且つ周期的に用いるものとする。つまり、位相変更値は、#0、#1、#2、#3、#4、#5、#6、#0、#1、#2、#3、#4、#5、#6、#0、#1、#2、#3、#4、#5、#6、・・・というように規則的にかつ、周期的に変更を行うものとする。
図72に示すように、まず、第1ブロック符号化ブロックでは、750スロット存在するので、位相変更値を#0から使用を開始すると、#0、#1、#2、#3、#4、#5、#6、#0、#1、#2、・・・、#4、#5、#6、#0となり、750番目のスロットは#0を用いて終了することになる。
次に、第2符号化ブロックの各スロットに対し、位相変更を適用することになる。本明細書では、マルチキャスト通信、放送に適用する場合を想定しているので、ある受信端末は、第1符号化ブロックを必要とせず、第2符号化ブロックのみ抽出する場合が考えられる。この場合、第1符号化ブロックの最後のスロットを送信するために位相変更値#0を用いたからといって、第2符号化ブロックを伝送するために、最初に位相変更値#1を用いたものとする。すると、
(a):前述の端末は、第1符号化ブロックがどのように送信されたかを監視、つまり、第1符号化ブロックの最後のスロットの送信に位相変更値がどのパターンであるかを監視し、第2符号化ブロックの最初のスロットに使用する位相変更値を推定する、
(b):(a)を行わないために、送信装置は、第2符号化ブロックの最初のスロットに使用する位相変更値の情報を伝送する
という方法が考えられる。(a)の場合、端末は第1符号化ブロックの伝送を監視する必要があるため消費電力が増大してしまい、(b)の場合、データの伝送効率の低下を招くことになる。
したがって、上述のような位相変更値の割り当てには改善の余地がある。そこで、各符号化ブロックの最初のスロットを伝送するために使用する位相変更値を固定とする方法を提案する。したがって、図72に示すように、第2符号化ブロックの最初のスロットを伝送するために使用する位相変更値は、第1符号化ブロックの最初のスロットを伝送するために用いた位相変更値と同様に、#0とする。
同様に、図73に示すように、第3符号化ブロックの最初のスロットを伝送するために使用する位相変更値は、#3とするのではなく、第1、第2符号化ブロックの最初のスロットを伝送するために使用する位相変更値と同様に、#0とする。
以上のようにすることで、(a)、(b)で発生する課題を抑制することができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、符号化ブロックごとに位相変更値をイニシャライズする方法、つまり、いずれの符号化ブロックの最初のスロットに使用する位相変更値は、#0と固定と方法について述べたが、別の方法として、フレーム単位で行うことも可能である。例えば、プリアンブルや制御シンボル伝送後の情報を伝送するためのシンボルにおいて、最初のスロットで使用する位相変更値は#0と固定としてもよい。
(実施の形態D3)
なお、上述の各実施の形態では、重み付け合成部がプリコーディングに使用するプリコーディング行列を複素数で表現しているが、プリコーディング行列を実数で表現することもできる。
つまり、例えば、2つのマッピング後の(使用した変調方式の)ベースバンド信号をs1(i)、s2(i)(ただし、iは時間、または、周波数)とし、プリコーディングに得られる2つのプリコーディング後のベースバンド信号をz1(i)、z2(i)とする。そして、マッピング後の(使用した変調方式の)ベースバンド信号をs1(i)の同相成分をIs1(i)、直交成分をQs1(i)、マッピング後の(使用した変調方式の)ベースバンド信号をs2(i)の同相成分をIs2(i)、直交成分をQs2(i)、プリコーディング後のベースバンド信号をz1(i)の同相成分をIz1(i)、直交成分をQz1(i)、プリコーディング後のベースバンド信号をz2(i)の同相成分をIz2(i)、直交成分をQz2(i)とすると、実数で構成されたプリコーディング行列Hrを用いると以下の関係式が成立する。
ただし、実数で構成されたプリコーディング行列Hrは以下のようにあらわされる。
このとき、a11、a12、a13、a14、a21、a22、a23、a24、a31、a32、a33、a34、a41、a42、a43、a44は実数である。ただし、{a11=0かつa12=0かつa13=0かつa14=0}が成立してはならず、{a21=0かつa22=0かつa23=0かつa24=0}が成立してはならず、{a31=0かつa32=0かつa33=0かつa34=0}が成立してはならず、{a41=0かつa42=0かつa43=0かつa44=0}が成立してはならない。そして、{a11=0かつa21=0かつa31=0かつa41=0}が成立してはならず、{a12=0かつa22=0かつa32=0かつa42=0}が成立してはならず、{a13=0かつa23=0かつa33=0かつa43=0}が成立してはならず、{a14=0かつa24=0かつa34=0かつa44=0}が成立してはならない。
(実施の形態E1)
本実施の形態では、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を、DVB(Digital Video Broadcasting)−T2(T:Terrestrial)規格を用いた放送システムに適用する場合について説明する。はじめに、DVB―T2規格を用いた放送システムのフレーム構成について説明する。
図74は、DVB−T2規格における、放送局が送信する信号のフレーム構成の概要を示している。DVB−T2規格では、OFDM方式を用いているため、時間―周波数軸にフレームが構成されている。図74は、時間−周波数軸におけるフレーム構成を示しており、フレームは、P1 Signalling data(7401)、L1 Pre-Signalling data(7402)、L1 Post-Signalling data(7403)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)で構成されている(PLP:Physical Layer Pipe)。 (ここで、L1 Pre-Signalling data(7402)、L1 Post-Signalling data(7403)をP2シンボルと呼ぶ。)このように、P1 Signalling data(7401)、L1 Pre-Signalling data(7402)、L1 Post-Signalling data(7403)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)で構成されているフレームをT2フレームと名付けており、フレーム構成の一つの単位となっている。
P1 Signalling data(7401)により、受信装置が信号検出、周波数同期(周波数オフセット推定も含む)を行うためのシンボルであると同時に、フレームにおけるFFT(Fast Fourier Transform)サイズの情報、SISO(Single-Input Single-Output)/MISO(Multiple-Input Single-Output)のいずれの方式で変調信号を送信するかの情報等を伝送する。(SISO方式の場合、一つの変調信号を送信する方式で、MISO方式の場合、複数の変調信号を送信する方法であり、かつ、非特許文献9、16、17に示されている時空間ブロック符号を用いている。)
L1 Pre-Signalling data(7402)により、送信フレームで使用するガードインターバルの情報、PAPR(Peak to Average Power Ratio)を削減するために行う信号処理方法に関する情報、L1 Post-Signalling dataを伝送する際の変調方式、誤り訂正方式(FEC: Forward Error Correction)、誤り訂正方式の符号化率の情報、L1 Post-Signalling dataのサイズおよび情報サイズの情報、パイロットパターンの情報、セル(周波数領域)固有番号の情報、ノーマルモードおよび拡張モード(ノーマルモードと拡張モードでは、データ伝送に用いるサブキャリア数が異なる。)のいずれの方式を用いているかの情報等を伝送する。
L1 Post-Signalling data(7403)により、PLPの数の情報、使用する周波数領域に関する情報、各PLPの固有番号の情報、各PLPを伝送するのに使用する変調方式、誤り訂正方式、誤り訂正方式の符号化率の情報、各PLPの送信するブロック数の情報等を伝送する。
Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)は、データを伝送するための領域である。
図74のフレーム構成では、P1 Signalling data(7401)、L1 Pre-Signalling data(7402)、L1 Post-Signalling data(7403)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜6105_N)は時分割で送信されているように記載しているが、実際は、同一時刻に2種類以上の信号が存在している。その例を図75に示す。図75に示すように、同一時刻に、L1 Pre-Signalling data、L1 Post-Signalling data、Common PLPが存在していたり、同一時刻に、PLP#1、PLP#2が存在したりすることもある。つまり、各信号は、時分割および周波数分割を併用し、フレームが構成されている。
図76は、DVB−T2規格における(例えば、放送局)の送信装置に対し、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用した送信装置の構成の一例を示している。
PLP信号生成部7602は、PLP用の送信データ7601(複数PLP用のデータ)、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれる各PLPの誤り訂正符号化の情報、変調方式の情報等の情報に基づき、誤り訂正符号化、変調方式に基づくマッピングを行い、PLPの(直交)ベースバンド信号7603を出力する。
P2シンボル信号生成部7605は、P2シンボル用送信データ7604、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるP2シンボルの誤り訂正の情報、変調方式の情報等の情報に基づき、誤り訂正符号化、変調方式に基づくマッピングを行い、P2シンボルの(直交)ベースバンド信号7606を出力する。
制御信号生成部7608は、P1シンボル用の送信データ7607、P2シンボル用送信データ7604を入力とし、図74における各シンボル群(P1 Signalling data(7401)、L1 Pre-Signalling data(7402)、L1 Post-Signalling data(7403)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N))の送信方法(誤り訂正符号、誤り訂正符号の符号化率、変調方式、ブロック長、フレーム構成、規則的にプリコーディング行列を切り替える送信方法を含む選択した送信方法、パイロットシンボル挿入方法、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)/FFTの情報等、PAPR削減方法の情報、ガードインターバル挿入方法の情報)の情報を制御信号7609として出力する。
フレーム構成部7610は、PLPのベースバンド信号7603、P2シンボルのベースバンド信号7606、制御信号7609を入力とし、制御信号に含まれるフレーム構成の情報に基づき、周波数、時間軸における並び替えを施し、フレーム構成にしたがった、ストリーム1の(直交)ベースバンド信号7611_1(マッピング後の信号、つまり、使用する変調方式に基づくベースバンド信号)、ストリーム2の(直交)ベースバンド信号7611_2(マッピング後の信号、つまり、使用する変調方式に基づくベースバンド信号)を出力する。
信号処理部7612は、ストリーム1のベースバンド信号7611_1、ストリーム2のベースバンド信号7611_2、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれる送信方法に基づいた信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)を出力する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。
パイロット挿入部7614_1は、信号処理後の変調信号1(7613_1)、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるパイロットシンボルの挿入方法に関する情報に基づき、信号処理後の変調信号1(7613_1)にパイロットシンボルを挿入し、パイロットシンボル挿入後の変調信号7615_1を出力する。
パイロット挿入部7614_2は、信号処理後の変調信号2(7613_2)、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるパイロットシンボルの挿入方法に関する情報に基づき、信号処理後の変調信号2(7613_2)にパイロットシンボルを挿入し、パイロットシンボル挿入後の変調信号7615_2を出力する。
IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部7616_1は、パイロットシンボル挿入後の変調信号7615_1、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるIFFTの方法の情報に基づき、IFFTを施し、IFFT後の信号7617_1を出力する。
IFFT部7616_2は、パイロットシンボル挿入後の変調信号7615_2、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるIFFTの方法の情報に基づき、IFFTを施し、IFFT後の信号7617_2を出力する。
PAPR削減部7618_1は、IFFT後の信号7617_1、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるPAPR削減に関する情報に基づき、IFFT後の信号7617_1にPAPR削減のための処理を施し、PAPR削減後の信号7619_1を出力する。
PAPR削減部7618_2は、IFFT後の信号7617_2、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるPAPR削減に関する情報に基づき、IFFT後の信号7617_2にPAPR削減のための処理を施し、PAPR削減後の信号7619_2を出力する。
ガードインターバル挿入部7620_1は、PAPR削減後の信号7619_1、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるガードインターバルの挿入方法に関する情報に基づき、PAPR削減後の信号7619_1にガードインターバルを挿入し、ガードインターバル挿入後の信号7621_1を出力する。
ガードインターバル挿入部7620_2は、PAPR削減後の信号7619_2、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれるガードインターバルの挿入方法に関する情報に基づき、PAPR削減後の信号7619_2にガードインターバルを挿入し、ガードインターバル挿入後の信号7621_2を出力する。
P1シンボル挿入部7622は、ガードインターバル挿入後の信号7621_1、ガードインターバル挿入後の信号7621_2、P1シンボル用の送信データ7607を入力とし、P1シンボル用の送信データ7607からP1シンボルの信号を生成し、ガードインターバル挿入後の信号7621_1に対し、P1シンボルを付加し、P1シンボルを付加した後の信号7623_1と、および、ガードインターバル挿入後の信号7621_2に対し、P1シンボルを付加し、P1シンボルを付加した後の信号7623_2とを出力する。なお、P1シンボルの信号は、P1シンボルを付加した後の信号7623_1、P1シンボルを付加した後の信号7623_2両者に付加されていてもよく、また、いずれもか一方に付加されていてもよい。一方に付加されている場合、付加されている信号の付加されている区間では、付加されていない信号には、ベースバンド信号としてゼロの信号が存在することになる。
無線処理部7624_1は、P1シンボルを付加した後の信号7623_1、制御信号7609を入力とし、周波数変換、増幅等の処理が施され、送信信号7625_1を出力する。そして、送信信号7625_1は、アンテナ7626_1から電波として出力される。
無線処理部7624_2は、P1シンボル用処理後の信号7623_2、制御信号7609を入力とし、周波数変換、増幅等の処理が施され、送信信号7625_2を出力する。そして、送信信号7625_2は、アンテナ7626_2から電波として出力される。
図77は、P1シンボル、P2シンボル、Common PLPを送信後、複数のPLPを送信する場合の周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。図77において、ストリームs1(マッピング後の信号、つまり、使用する変調方式に基づくベースバンド信号)は、周波数軸において、サブキャリア#1〜サブキャリア#Mを用いており、同様にストリームs2(マッピング後の信号、つまり、使用する変調方式に基づくベースバンド信号)も、周波数軸において、サブキャリア#1〜サブキャリア#Mを用いている。したがって、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図77に示すように、区間1は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#1のシンボル群7701を伝送しており、図23に示した空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式(位相変更は行わないものとする)を用いてデータを伝送するものとする。
区間2は、ストリームs1を用いてPLP#2のシンボル群7702を伝送しており、一つの変調信号を送信することでデータを伝送するものとする。
区間3は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#3のシンボル群7703を伝送しており、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。
区間4は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#4のシンボル群7704を伝送しており、非特許文献9、16、17に示されている時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
放送局が、図77のように各PLPを送信した場合、図77の送信信号を受信する受信装置では、各PLPの送信方法を知る必要がある。したがって、前述で述べたように、P2シンボルであるL1 Post-Signalling data(図74の7403)を用いて、各PLPの送信方法の情報を伝送する必要がある。以下では、このときのP1シンボルの構成方法、および、P2シンボルの構成方法の一例について説明する。
表2にP1シンボルを用いて送信する制御情報の具体例を示す。
DVB−T2規格では、S1の制御情報(3ビットの情報)により、DVB−T2の規格を用いているかどうか、また、DVB−T2規格を用いている場合、用いている送信方法を受信装置が判断できるようになっている。
上記表2に示されるように、3ビットのS1情報として、“000”を設定した場合、送信する変調信号が、「DVB−T2規格の一つの変調信号送信」に準拠していることになる。
また、3ビットのS1情報として、“001”を設定した場合、送信する変調信号が、「DVB−T2規格の時空間ブロック符号を用いた送信」に準拠していることになる。
DVB−T2規格では、“010”〜“111”は将来のために「Reserve」となっている。ここで、DVB−T2との互換性があるように本発明を適用するために、3ビットのS1情報として、例えば“010”と設定した場合(“000”“001”以外であればよい。)、送信する変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠しているを示すことにし、端末の受信装置は、この情報が“010”であることがわかると、放送局が送信した変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠していることを知ることができる。
次に、放送局が送信した変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠している場合のP2シンボルの構成方法の例を説明する。最初の例では、DVB−T2規格におけるP2シンボルを利用した方法について説明する。
表3に、P2シンボルのうち、L1 Post-Signalling dataにより送信する、制御情報の第1の例を示す。
なお、上記表3において、各略語は以下の意味で用いられている。
SISO: Single-Input Single-Output (一つの変調信号送信、一つのアンテナで受信)
SIMO: Single-Input Multiple-Output(一つの変調信号送信、複数のアンテナで受信)
MISO: Multiple-Input Single-Output(複数の変調信号を複数アンテナで送信、一つのアンテナで受信)
MIMO: Multiple-Input Multiple-Output(複数の変調信号を複数アンテナで送信、複数のアンテナで受信)
表3に示した2ビットの情報である「PLP_MODE」は、図77に示したように、各PLP(図77ではPLP#1のシンボル群から#4のシンボル群で示される。以下、簡略のために「のシンボル群」は省略して記載する。)の送信方法を端末に通知するための制御情報であり、PLP_MODEの情報は、PLPごとに存在することになる。つまり、図77の場合、PLP#1のためのPLP_MODEの情報、PLP#2のためのPLP_MODEの情報、PLP#3のためのPLP_MODEの情報、PLP#4のためのPLP_MODEの情報・・・が、放送局から送信されることになる。当然であるが、端末は、この情報を復調(また、誤り訂正復号も行う)することで、放送局がPLPに用いた伝送方式を認識することができる。
「PLP_MODE」として、“00”と設定した場合、そのPLPは、「一つの変調信号を送信」する方式で、データが伝送される。“01”と設定した場合、そのPLPは、「時空間ブロック符号化を行った複数の変調信号を送信」する方式で、データが伝送される。“10”と設定した場合、そのPLPは、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」を用いて、データが伝送される。“11”と設定した場合、そのPLPは、「プリコーディング行列が固定的なMIMO方式、または、空間多重MIMO伝送方式」を用いて、データが伝送される。
なお、「PLP_MODE」として、“01”〜“11”のいずれかに設定された場合、放送局が具体的にどのような処理を施したか(例えば、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における具体的な切り替え方法、使用した時空間ブロック符号化方法、プリコーディング行列として使用した行列の構成)を端末に伝送する必要がある。このときの制御情報の構成を含めた、表3とは異なる制御情報の構成方法について以下に説明する。
表4は、P2シンボルのうち、L1 Post-Signalling dataにより送信する、制御情報の表3とは異なる第2の例である。
表4のように、1ビットの情報である「PLP_MODE」、1ビットの情報である「MIMO_MODE」、2ビットの情報である「MIMO_PATTERN#1」、2ビットの情報である「MIMO_PATTERN#2」が存在し、これら4つの制御情報は、図77に示したように、各PLP(図77ではPLP#1から#4)の送信方法を端末に通知するための情報であり、したがって、これら4つの制御情報は、PLPごとに存在することになる。つまり、図77の場合、PLP#1のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#2のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#3のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#4のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報・・・が、放送局から送信されることになる。当然であるが、端末は、この情報を復調(また、誤り訂正復号も行う)することで、放送局がPLPに用いた伝送方式を認識することができる。
「PLP_MODE」として、“0”と設定した場合、そのPLPは、「一つの変調信号を送信」することにより、データが伝送される。“1”と設定した場合、そのPLPは、「時空間ブロック符号化を行った複数の変調信号を送信」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「プリコーディング行列が固定的なMIMO方式」、「空間多重MIMO伝送方式」のいずれかの方式で、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」と設定された場合、「MIMO_MODE」の情報は有効な情報となり、「MIMO_MODE」として、“0”と設定した場合、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を使用しないで、データが伝送される。「MIMO_MODE」として、“1”と設定した場合、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を使用して、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」、「MIMO_MODE」が「0」と設定された場合、「MIMO_PATTERN#1」の情報は有効な情報となり、「MIMO_PATTERN#1」として、“00”と設定した場合、時空間ブロック符号を用いて、データが伝送される。“01”と設定した場合、プリコーディング行列#1を固定的に用いて重み付け合成を行うプリコーディング方法を用いて、データが伝送される。“10”と設定した場合、プリコーディング行列#2を固定的に用いて重み付け合成を行うプリコーディング方法を用いて、データが伝送される。(ただし、プリコーディング行列#1とプリコーディング行列#2は異なる行列である。)“11”と設定した場合、空間多重MIMO伝送方式を用いて、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」、「MIMO_MODE」が「1」と設定された場合、「MIMO_PATTERN#2」の情報は有効な情報となり、「MIMO_PATTERN#2」として、“00”と設定した場合、位相変更#1のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“01”と設定した場合、位相変更#2のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“10”と設定した場合、位相変更#3のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“11”と設定した場合、位相変更#4のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。ここで、位相変更#1〜#4はそれぞれ異なる方法となるが、このとき、異なる方法とは、例えば、#Aと#Bが異なる方法とすると、
・#Aに用いる複数の位相変更と#Bに用いる複数の位相変更の中に、同一の位相変更を含むが、周期が異なる、
・#Aには含まれているが#Bには含まれていない位相変更値が存在する、
・#Aで使用する複数の位相変更を、#Bの方法では使用する位相変更に含まない
という3つの方法がある。
上述では、表3、表4の制御情報を、P2シンボルのうち、L1 Post-Signalling dataにより送信するものとして説明した。ただし、DVB−T2規格では、P2シンボルとして送信できる情報量に制限がある。したがって、DVB−T2規格におけるP2シンボルで伝送する必要がある情報に加え、表3、表4の情報を加えることで、P2シンボルとして送信できる情報量の制限を超えた場合、図78に示すように、Signalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送すればよい。なお、図78では、図74と同様のフレーム構成としているが、このようなフレーム構成に限ったものではなく、図75のL1 Pre-signalling data等のように、Signalling PLPを時間−周波数軸において、特定の時間−特定のキャリアの領域に割り当てるようにしてもよい、つまり、時間−周波数軸において、Signalling PLPをどのように割り当ててもよい。
以上のように、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用い、かつ、DVB−T2規格に対し、互換性を保ちながら、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を選択できるようにすることで、LOS環境に対し、高い受信品質を得ることができるとともに、高い伝送速度を得ることができる、という利点を得ることができる。なお、本実施の形態では、キャリア群が設定可能な伝送方式として、「空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式」をあげたがこれに限ったものではない。
そして、「空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式」を放送局が選択可能としている例で説明したが、これらすべての送信方法が選択可能な送信方法でなくてもよく、例えば、
・ 固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・ 固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化が選択可能な送信方法
・ 固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・ プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・ 固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法
・ プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化が選択可能な送信方法
・ プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
のように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を含むことで、LOS環境で、高速なデータ伝送を行うことができ、かつ、受信装置の受信データ品質を確保することができるという効果を得ることができる。
このとき、上記で述べたようにP1シンボルにおけるS1を設定する必要があるとともに、P2シンボルとして、表3とは異なる制御情報の設定方法(各PLPの伝送方式の設定方法)として、例えば、表5が考えられる。
表5が表3とは異なる点は、「PLP_MODE」を“11”としたときはReserveとしている点である。このように、PLPの伝送方式として、選択可能な伝送方式が上記で示した例のような場合、選択可能な伝送方式の数によって、例えば、表3、表5のPLP_MODEを構成するビット数を大きく、または、小さくすればよい。
表4についても同様で、例えば、MIMO伝送方式として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法しかサポートしていない場合は、「MIMO_MODE」の制御情報は必要ないことになる。また、「MIMO_PATTERN#1」において、例えば、プリコーディング行列が固定的なMIMO方式をサポートしていない場合、「MIMO_PATTERN#1」の制御情報を必要としない場合もあり、また、プリコーディング行列が固定的なMIMO方式に用いるプリコーディング行列が複数必要としない場合、2ビットの制御情報ではなく、1ビットの制御情報としてもよいし、さらに、複数のプリコーディング行列を設定可能とする場合は、2ビット以上の制御情報としてもよい。
「MIMO_PATTERN#2」について同様に考えることができ、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法として位相変更の切り替え方法が複数必要としない場合、2ビットの制御情報ではなく、1ビットの制御情報としてもよいし、さらに、複数の位相変更の切り替え方法を設定可能とする場合は、2ビット以上の制御情報としてもよい。
また、本実施の形態では、送信装置のアンテナ数を2の場合で説明したがこれに限ったものではなく、2より大きい場合においても、同様に、制御情報を送信すればよい。このとき、2アンテナを用いて変調信号を送信する場合に加え、4アンテナを用いて変調信号を送信する場合を実施するために、各制御情報を構成するビット数を増やす必要がある場合が発生する。このとき、P1シンボルで制御情報を送信する、P2シンボルで制御情報を送信する、という点は、上記で説明した場合と同様である。
放送局が送信するPLPのシンボル群のフレーム構成について、図77のように時分割で送信する方法を説明したが、以下では、その変形例について説明する。
図79は、図77とは異なる、P1シンボル、P2シンボル、Common PLPを送信した後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。図79において、「#1」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#1のシンボル群のうちの1シンボルを示している。同様に、「#2」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#2のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#3」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#3のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#4」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#4のシンボル群のうちの1シンボルを示している。そして、図77と同様、PLP#1は、図23に示した、空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式を用いてデータを伝送するものとする。そして、PLP#2は、一つの変調信号を送信することでデータを伝送するものとする。PLP#3は、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。PLP#4は、時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
図79において、s1、s2、両者で、同一サブキャリア(図79では、キャリアと記載)の同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図79が図77と異なる点は、前述のように、図77では、複数のPLPを時分割に配置する例を示したが、図79では、図77と異なり、時分割、および、周波数分割を併用して、複数のPLPを存在させている。つまり、例えば、時刻1では、PLP#1のシンボルとPLP#2のシンボルが存在しており、時刻3では、PLP#3のシンボルとPLP#4のシンボルが存在している。このように、(1時刻、1サブキャリアで構成される)シンボルごとに、異なるインデックス(#X; X=1、2、・・・)のPLPのシンボルを割り当てることができる。
なお、図79では、簡略的に、時刻1では、「#1」「#2」しか存在していないが、これに限ったものではなく、「#1」「#2」のPLP以外のインデックスのPLPのシンボルが時刻1に存在してもよく、また、時刻1におけるサブキャリアとPLPのインデックスの関係は、図79に限ったものではなく、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。また、同様に、他の時刻においても、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。
図80は、図77とは異なるP1シンボル、P2シンボル、Common PLPを送信した後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。図80における特徴的な部分は、T2フレームにおいて、PLPの伝送方式として、複数アンテナ送信を基本とした場合、「ストリームs1のみ送信する伝送方式」を選択できないという点である。
したがって、図80において、PLP#1のシンボル群8001は、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」により、データが伝送されるものとする。PLP#2のシンボル群8002は、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」により、データが伝送されるものとする。PLP#3のシンボル群8003は、「時空間ブロック符号」により、データが伝送されるものとする。そして、PLP#3のシンボル群8003以降のT2フレーム内でのPLPシンボル群は、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」のいずれかの送信方法により、データが伝送されることになる。
図81は、図79とは異なる、P1シンボル、P2シンボル、Common PLPを送信した後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。図81において、「#1」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#1のシンボル群のうちの1シンボルを示している。同様に、「#2」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#2のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#3」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#3のシンボル群のうちの1シンボルを示している。そして、図80と同様、PLP#1は、図23に示した、空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式を用いてデータを伝送するものとする。そして、PLP#2は、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。PLP#3は、時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
図81において、s1、s2、両者で、同一サブキャリア(図81ではキャリアと記載)の同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図81では、図80と異なり、時分割、および、周波数分割を併用して、複数のPLPを存在させている。つまり、例えば、時刻1では、PLP#1のシンボルとPLP#2のシンボルが存在している。このように、(1時刻、1サブキャリアで構成される)シンボルごとに、異なるインデックス(#X; X=1、2、・・・)のPLPのシンボルを割り当てることができる。
なお、図81では、簡略的に、時刻1では、「#1」「#2」しか存在していないが、これに限ったものではなく、「#1」「#2」のPLP以外のインデックスのPLPのシンボルが時刻1に存在してもよく、また、時刻1におけるサブキャリアとPLPのインデックスの関係は、図81に限ったものではなく、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。また、同様に、他の時刻においても、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。一方で、時刻3のように、ある時刻において、一つのPLPのシンボルのみを割り当ててもよい。つまり、PLPのシンボルを時間―周波数におけるフレーム方法において、どのように割り当ててもよい。
このように、T2フレーム内において、「ストリームs1のみ送信する伝送方式」を用いたPLPが存在しないため、端末が受信する受信信号のダイナミックレンジを抑えることができるため、良好な受信品質を得る可能性を高くすることができという効果を得ることができる。
なお、図81で説明するにあたって、送信方法として、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」をいずれかを選択する例で説明したが、これらの送信方法をすべて選択可能であるとする必要がなく、例えば、
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」、「固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択可能
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」を選択可能
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択可能
としてもよい。
上述では、T2フレーム内に複数のPLPが存在する場合について説明したが、以降では、T2フレーム内に一つのPLPのみ存在する場合について説明する。
図82は、T2フレーム内に一つのみPLPが存在する場合の、時間―周波数軸におけるストリームs1およびs2のフレーム構成の一例を示している。図82において、「制御シンボル」と記載しているが、これは、上述で説明したP1シンボル、および、P2シンボル等のシンボルを意味している。そして、図82では、区間1を用いて第1のT2フレームを送信しており、同様に、区間2を用いて第2のT2フレームを送信しており、区間3を用いて第3のT2フレームを送信しており、区間4を用いて第4のT2フレームを送信している。
また、図82において、第1のT2フレームでは、PLP#1−1のシンボル群8101を送信しており、送信方法としては、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択している。
第2のT2フレームでは、PLP#2−1のシンボル群8102を送信しており、送信方法としては、「一つの変調信号を送信する方法」を選択している。
第3のT2フレームでは、PLP#3−1のシンボル群8103を送信しており、送信方法としては、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」を選択している。
第4のT2フレームでは、PLP#4−1のシンボル群8104を送信しており、送信方法としては、「時空間ブロック符号」を選択している。
図82において、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
このようにすることで、PLPごとに、データの伝送速度、端末のデータ受信品質を考慮して、送信方法を設定できるので、データの伝送速度の向上とデータの受信品質の確保の両立を図ることが可能となる。なお、P1シンボル、P2シンボル(場合によっては、Signalling PLP)の伝送方法等の制御情報の構成方法の例は、上記の表2から表5のように構成すれば、同様に実施することができる。図82が図77と異なる点は、図77等のフレーム構成では、一つのT2フレームに、複数のPLPを有しているため、複数のPLPに対する伝送方法等の制御情報を必要としていたが、図82のフレーム構成の場合、一つのT2フレームには、一つのPLPしか存在しないため、その一つのPLPに対する伝送方法等の制御情報のみ必要となるという点である。
上述では、P1シンボル、P2シンボル(場合によっては、Signalling PLP)を用いて、PLPの伝送方法に関する情報を伝送する方法について述べたが、以降では、特に、P2シンボルを用いずにPLPの伝送方法に関する情報を伝送する方法について説明する。
図83は、放送局がデータを伝送する相手である端末が、DVB−T2規格でない規格に対応している場合の、時間−周波数軸におけるフレーム構成である。図83において、図74と同様の構成については、同一符号を付している。図83のフレームは、P1 Signalling data(7401)、第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)で構成されている(PLP:Physical Layer Pipe)。このように、P1 Signalling data(7401)、第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)で構成されているフレームが一つのフレームの単位となっている。
P1 Signalling data(7401)により、受信装置が信号検出、周波数同期(周波数オフセット推定も含む)を行うためのシンボルであると同時に、この場合、DVB−T2規格のフレームであるかどうかを識別するためのデータ、例えば、表2で示したS1により、DVB−T2規格の信号であること/信号でないことを伝送する必要がある。
第1 Signalling data(8301)により、例えば、送信フレームで使用するガードインターバルの情報、PAPR(Peak to Average Power Ratio)を削減するために行う信号処理方法に関する情報、第2 Signalling dataを伝送する際の変調方式、誤り訂正方式、誤り訂正方式の符号化率の情報、第2 Signalling dataのサイズおよび情報サイズの情報、パイロットパターンの情報、セル(周波数領域)固有番号の情報、ノーマルモードおよび拡張モードのいずれの方式を用いているかの情報等を伝送する方法が考えられる。このとき、第1 Signalling data(8301)は、DVB−T2規格に準拠したデータを必ずしも伝送する必要はない。
第2 Signalling data(8302)により、例えば、PLPの数の情報、使用する周波数領域に関する情報、各PLPの固有番号の情報、各PLPを伝送するのに使用する変調方式、誤り訂正方式、誤り訂正方式の符号化率の情報、各PLPの送信するブロック数の情報等を伝送する。
図83のフレーム構成では、第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)、L1 Post-Signalling data(7403)、Common PLP(7404)、PLP#1〜#N(7405_1〜7405_N)は時分割で送信されているように記載いるが、実際は、同一時刻に2種類以上の信号が存在している。その例を図84に示す。図84に示すように、同一時刻に、第1 Signalling data、第2 Signalling data、Common PLPが存在していたり、同一時刻に、PLP#1、PLP#2が存在したりすることもある。つまり、各信号は、時分割および周波数分割を併用し、フレームが構成されている。
図85は、DVB−T2とは異なる規格における(例えば、放送局)の送信装置に対し、これまでに説明してきたプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用した送信装置の構成の一例を示している。図85において、図76と同様に動作するものについては、同一符号を付しており、その動作についての説明は、上述と同様となる。
制御信号生成部7608は、第1、第2 Signalling data用の送信データ8501、P1シンボル用の送信データ7607を入力とし、図83における各シンボル群の送信方法(誤り訂正符号、誤り訂正符号の符号化率、変調方式、ブロック長、フレーム構成、規則的にプリコーディング行列を切り替える送信方法を含む選択した送信方法、パイロットシンボル挿入方法、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)/FFTの情報等、PAPR削減方法の情報、ガードインターバル挿入方法の情報)の情報を制御信号7609として出力する。
制御シンボル信号生成部8502は、第1、第2 Signalling data用の送信データ8501、制御信号7609を入力とし、制御信号7609に含まれる第1、第2 Signalling dataの誤り訂正の情報、変調方式の情報等の情報に基づき、誤り訂正符号化、変調方式に基づくマッピングを行い、第1、第2 Signalling dataの(直交)ベースバンド信号8503を出力する。
図85の場合、フレーム構成部7610は、図76に示したP2シンボル信号生成部7605が生成したベースバンド信号7606の代わりに、制御シンボル信号生成部8502が生成したベースバンド信号8503を入力とする。
次に、DVB−T2とは異なる規格のシステムに対し、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したときの放送局(基地局)の送信信号のフレーム構成、制御情報(P1シンボルおよび、第1、第2 Signalling dataにより送信する情報)の伝送方法について、図77を用いて、詳しく説明する。
図77は、P1シンボル、第1、第2 Signalling data、Common PLPを送信した後に、複数のPLPを送信する場合の周波数−時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。図77において、ストリームs1は、周波数軸において、サブキャリア#1〜サブキャリア#Mを用いており、同様にストリームs2も、周波数軸において、サブキャリア#1〜サブキャリア#Mを用いている。したがって、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図77に示すように、区間1は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#1のシンボル群7701を伝送しており、図23に示した空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式を用いてデータを伝送するものとする。
区間2は、ストリームs1を用いてPLP#2のシンボル群7702を伝送しており、一つの変調信号を送信することでデータを伝送するものとする。
区間3は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#3のシンボル群7703を伝送しており、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。
区間4は、ストリームs1、ストリームs2を用いてPLP#4のシンボル群7704を伝送しており、時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
放送局が、図77のように各PLPを送信した場合、図64の送信信号を受信する受信装置では、各PLPの送信方法を知る必要がある。したがって、前述で述べたように、第1、第2 Signalling dataを用いて、各PLPの送信方法の情報を伝送する必要がある。以下では、このときのP1シンボルの構成方法、および、第1、第2 Signalling dataの構成方法の一例について説明する。P1シンボルを用いて送信する制御情報の具体例は表2のとおりである。
DVB−T2規格では、S1の制御情報(3ビットの情報)により、DVB−T2の規格を用いているかどうか、また、DVB−T2規格を用いている場合、用いている送信方法を受信装置が判断できるようになっている。3ビットのS1情報として、“000”を設定した場合、送信する変調信号が、「DVB−T2規格の一つの変調信号送信」に準拠していることになる。
また、3ビットのS1情報として、“001”を設定した場合、送信する変調信号が、「DVB−T2規格の時空間ブロック符号を用いた送信」に準拠していることになる。
DVB−T2規格では、“010”〜“111”は将来のために「Reserve」となっている。ここで、DVB−T2との互換性があるように本発明を適用するために、3ビットのS1情報として、例えば“010”と設定した場合(“000”“001”以外であればよい。)、送信する変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠しているを示すことにし、端末の受信装置は、この情報が“010”であることがわかると、放送局が送信した変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠していることを知ることができる。
次に、放送局が送信した変調信号がDVB−T2以外の規格に準拠している場合の第1、第2 Signalling dataの構成方法の例を説明する。第1、第2 Signalling dataの制御情報の第1の例は表3のとおりである。
表3に示した2ビットの情報である「PLP_MODE」は、図77に示したように、各PLP(図77ではPLP#1から#4)の送信方法を端末に通知するための制御情報であり、PLP_MODEの情報は、PLPごとに存在することになる。つまり、図77の場合、PLP#1のためのPLP_MODEの情報、PLP#2のためのPLP_MODEの情報、PLP#3のためのPLP_MODEの情報、PLP#4のためのPLP_MODEの情報・・・が、放送局から送信されることになる。当然であるが、端末は、この情報を復調(また、誤り訂正復号も行う)することで、放送局がPLPに用いた伝送方式を認識することができる。
「PLP_MODE」として、“00”と設定した場合、そのPLPは、「一つの変調信号を送信」することにより、データが伝送される。“01”と設定した場合、そのPLPは、「時空間ブロック符号化を行った複数の変調信号を送信」することにより、データが伝送される。“10”と設定した場合、そのPLPは、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」を用いて、データが伝送される。“11”と設定した場合、そのPLPは、「プリコーディング行列が固定的なMIMO方式、または、空間多重MIMO伝送方式」を用いて、データが伝送される。
なお、「PLP_MODE」として、“01”〜“11”のいずれかに設定された場合、放送局が具体的にどのような処理を施したか(例えば、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における具体的な位相切り替え方法、使用した時空間ブロック符号化方法、プリコーディング行列として使用した行列の構成)を端末に伝送する必要がある。このときの制御情報の構成を含めた、表3とは異なる制御情報の構成方法について以下では説明する。
第1、第2 Signalling dataの制御情報の第2の例は表4のとおりである。
表4のように、1ビットの情報である「PLP_MODE」、1ビットの情報である「MIMO_MODE」、2ビットの情報である「MIMO_PATTERN#1」、2ビットの情報である「MIMO_PATTERN#2」が存在し、これら4つの制御情報は、図77に示したように、各PLP(図77ではPLP#1から#4)の送信方法を端末に通知するための情報であり、したがって、これら4つの制御情報は、PLPごとに存在することになる。つまり、図77の場合、PLP#1のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#2のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#3のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報、PLP#4のためのPLP_MODEの情報/MIMO_MODEの情報/MIMO_PATTERN#1の情報/MIMO_PATTERN#2の情報・・・が、放送局から送信されることになる。当然であるが、端末は、この情報を復調(また、誤り訂正復号も行う)することで、放送局がPLPに用いた伝送方式を認識することができる。
「PLP_MODE」として、“0”と設定した場合、そのPLPは、「一つの変調信号を送信」することにより、データが伝送される。“1”と設定した場合、そのPLPは、「時空間ブロック符号化を行った複数の変調信号を送信」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「プリコーディング行列が固定的なMIMO方式」、「空間多重MIMO伝送方式」のいずれかの方式で、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」と設定された場合、「MIMO_MODE」の情報は有効な情報となり、「MIMO_MODE」として、“0”と設定した場合、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を使用しないで、データが伝送される。「MIMO_MODE」として、“1”と設定した場合、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を使用して、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」、かつ、「MIMO_MODE」が「0」と設定された場合、「MIMO_PATTERN#1」の情報は有効な情報となる。このとき、「MIMO_PATTERN#1」として、“00”と設定した場合、時空間ブロック符号を用いて、データが伝送される。“01”と設定した場合、プリコーディング行列#1を固定的に用いて重み付け合成を行うプリコーディング方法を用いて、データが伝送される。“10”と設定した場合、プリコーディング行列#2を固定的に用いて重み付け合成を行うプリコーディング方法を用いて、データが伝送される。(ただし、プリコーディング行列#1とプリコーディング行列#2は異なる行列である。)“11”と設定した場合、空間多重MIMO伝送方式を用いて、データが伝送される。
「PLP_MODE」が「1」、かつ、「MIMO_MODE」が「1」と設定された場合、「MIMO_PATTERN#2」の情報は有効な情報となる。このとき、「MIMO_PATTERN#2」として、“00”と設定した場合、位相変更#1のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“01”と設定した場合、位相変更#2のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“10”と設定した場合、位相変更#3のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。“11”と設定した場合、位相変更#4のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いて、データが伝送される。ここで、位相変更#1〜#4はそれぞれ異なる方法となるが、このとき、異なる方法とは、例えば、#Aと#Bが異なる方法とすると、
・#Aに用いる複数の位相変更と#Bに用いる複数の位相変更の中に、同一の位相変更を含むが、周期が異なる、
・#Aには含まれるいるが#Bには含まれていない位相変更値が存在する、
・#Aで使用する複数の位相変更を、#Bの方法では使用する位相変更に含まない
という3つの方法がある。
上述では、表3、表4の制御情報を、第1、第2 Signalling dataにより送信するものとして説明した。この場合、制御情報を伝送するために、特に、PLPを利用する必要がないという利点がある。
以上のように、OFDM方式のようなマルチキャリア伝送方式を用い、かつ、DVB−T2規格との識別が可能でありながら、DVB−T2とは異なる規格に対し、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を選択できるようにすることで、LOS環境に対し、高い受信品質を得ることができるとともに、高い伝送速度を得ることができる、という利点を得ることができる。なお、本実施の形態では、キャリア群が設定可能な伝送方式として、「空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式」をあげたがこれに限ったものではない。
そして、「空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式」を放送局が選択可能としている例で説明したが、これらすべての送信方法が選択可能な送信方法でなくてもよく、例えば、
・固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化が選択可能な送信方法
・固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
・固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法
・プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、時空間ブロック符号化が選択可能な送信方法
・プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、ストリームs1のみ送信する伝送方式が選択可能な送信方法
のように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を含むことで、LOS環境で、高速なデータ伝送を行うことができ、かつ、受信装置の受信データ品質を確保することができるという効果を得ることができる。
このとき、上記で述べたようにP1シンボルにおけるS1を設定する必要があるとともに、第1、第2 Signalling dataとして、表3とは異なる制御情報の設定方法(各PLPの伝送方式の設定方法)として、例えば、表5が考えられる。
表5が表3とは異なる点は、「PLP_MODE」を“11”としたときはReserveとしている点である。このように、PLPの伝送方式として、選択可能な伝送方式が上記で示した例のような場合、選択可能な伝送方式の数によって、例えば、表3、表5のPLP_MODEを構成するビット数を大きく、または、小さくすればよい。
表4についても同様で、例えば、MIMO伝送方式として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法しかサポートしていない場合は、「MIMO_MODE」の制御情報は必要ないことになる。また、「MIMO_PATTERN#1」において、例えば、プリコーディング行列が固定的なMIMO方式をサポートしていない場合、「MIMO_PATTERN#1」の制御情報を必要としない場合もあり、また、プリコーディング行列が固定的なMIMO方式に用いるプリコーディング行列が複数必要としない場合、2ビットの制御情報ではなく、1ビットの制御情報としてもよいし、さらに、複数のプリコーディング行列を設定可能とする場合は、2ビット以上の制御情報としてもよい。
「MIMO_PATTERN#2」について同様に考えることができ、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法として位相変更方法を複数必要としない場合、2ビットの制御情報ではなく、1ビットの制御情報としてもよいし、さらに、複数の位相変更方法を設定可能とする場合は、2ビット以上の制御情報としてもよい。
また、本実施の形態では、送信装置のアンテナ数を2の場合で説明したがこれに限ったものではなく、2より大きい場合においても、同様に、制御情報を送信すればよい。このとき、2アンテナを用いて変調信号を送信する場合に加え、4アンテナを用いて変調信号を送信する場合を実施するために、各制御情報を構成するビット数を増やす必要がある場合が発生する。このとき、P1シンボルで制御情報を送信する、第1、第2 Signalling dataで制御情報を送信する、という点は、上記で説明した場合と同様である。
放送局が送信するPLPのシンボル群のフレーム構成について、図77のように時分割で送信する方法を説明したが、以下では、その変形例について説明する。
図79は、図77とは異なる、P1シンボル、第1、第2 Signalling data、Common PLPを送信後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。
図79において、「#1」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#1のシンボル群のうちの1シンボルを示している。同様に、「#2」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#2のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#3」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#3のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#4」と記載されているシンボルは、図77におけるPLP#4のシンボル群のうちの1シンボルを示している。そして、図77と同様、PLP#1は、図23に示した、空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式を用いてデータを伝送するものとする。そして、PLP#2は、一つの変調信号を送信することでデータを伝送するものとする。PLP#3は、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。PLP#4は、時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
図79において、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図79が図77と異なる点は、前述のように、図77では、複数のPLPを時分割に配置する例を示したが、図79では、図77と異なり、時分割、および、周波数分割を併用して、複数のPLPを存在させている。つまり、例えば、時刻1では、PLP#1のシンボルとPLP#2のシンボルが存在しており、時刻3では、PLP#3のシンボルとPLP#4のシンボルが存在している。このように、(1時刻、1サブキャリアで構成される)シンボルごとに、異なるインデックス(#X; X=1、2、・・・)のPLPのシンボルを割り当てることができる。
なお、図79では、簡略的に、時刻1では、「#1」「#2」しか存在していないが、これに限ったものではなく、「#1」「#2」のPLP以外のインデックスのPLPのシンボルが時刻1に存在してもよく、また、時刻1におけるサブキャリアとPLPのインデックスの関係は、図79に限ったものではなく、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。また、同様に、他の時刻においても、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。
図80は、図77とは異なるP1シンボル、第1、第2 Signalling data、Common PLPを送信後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。図80における特徴的な部分は、T2フレームにおいて、PLPの伝送方式として、複数アンテナ送信を基本とした場合、「ストリームs1のみ送信する伝送方式」を選択できないという点である。
したがって、図80において、PLP#1のシンボル群8001は、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」により、データが伝送されるものとする。PLP#2のシンボル群8002は、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」により、データが伝送されるものとする。PLP#3のシンボル群8003は、「時空間ブロック符号」により、データが伝送されるものとする。そして、PLP#3のシンボル群8003以降の単位フレーム内でのPLPシンボル群は、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」のいずれかの送信方法により、データが伝送されることになる。
図81は、図79とは異なる、P1シンボル、第1、第2 Signalling data、Common PLPを送信後の、周波数−時間軸における、ストリームs1およびs2のシンボルの配置方法の一例を示している。
図81において、「#1」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#1のシンボル群のうちの1シンボルを示している。同様に、「#2」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#2のシンボル群のうちの1シンボルを示しており、「#3」と記載されているシンボルは、図80におけるPLP#3のシンボル群のうちの1シンボルを示している。そして、図80と同様、PLP#1は、図23に示した空間多重MIMO伝送方式、または、プリコーディング行列が固定のMIMO伝送方式を用いてデータを伝送するものとする。そして、PLP#2は、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いてデータを伝送するものとする。PLP#3は、時空間ブロック符号を用いてデータを伝送するものとする。
図81において、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。なお、他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
図81が図80と異なる点は、前述のように、図80では、複数のPLPを時分割に配置する例を示したが、図81では、図80と異なり、時分割、および、周波数分割を併用して、複数のPLPを存在させている。つまり、例えば、時刻1では、PLP#1のシンボルとPLP#2のシンボルが存在している。このように、(1時刻、1サブキャリアで構成される)シンボルごとに、異なるインデックス(#X; X=1、2、・・・)のPLPのシンボルを割り当てることができる。
なお、図81では、簡略的に、時刻1では、「#1」「#2」しか存在していないが、これに限ったものではなく、「#1」「#2」のPLP以外のインデックスのPLPのシンボルが時刻1に存在してもよく、また、時刻1におけるサブキャリアとPLPのインデックスの関係は、図81に限ったものではなく、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。また、同様に、他の時刻においても、サブキャリアにどのインデックスのPLPのシンボルを割り当てても良い。一方で、時刻3のように、ある時刻において、一つのPLPのシンボルのみを割り当ててもよい。つまり、PLPのシンボルを時間―周波数におけるフレーム方法において、どのように割り当ててもよい。
このように、単位フレーム内において、「ストリームs1のみ送信する伝送方式」を用いたPLPが存在しないため、端末が受信する受信信号のダイナミックレンジを抑えることができるため、良好な受信品質を得る可能性を高くすることができという効果を得ることができる。
なお、図81で説明するにあたって、送信方法として、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」をいずれかを選択する例で説明したが、これらの送信方法をすべて選択可能であるとする必要がなく、例えば、
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」、「固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択可能
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「時空間ブロック符号」を選択可能
・「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」、「固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択可能
としてもよい。
上述では、単位フレーム内に複数のPLPが存在する場合について説明したが、以降では、単位フレーム内に一つのPLPのみ存在する場合について説明する。
図82は、単位フレーム内に一つのみPLPが存在する場合の、時間―周波数軸におけるストリームs1およびs2のフレーム構成の一例を示している。
図82において、「制御シンボル」と記載しているが、これは、上述で説明したP1シンボル、および、第1、第2 Signalling data等のシンボルを意味している。そして、図82では、区間1を用いて第1の単位フレームを送信しており、同様に、区間2を用いて第2の単位フレームを送信しており、区間3を用いて第3の単位フレームを送信しており、区間4を用いて第4の単位フレームを送信している。
また、図82において、第1の単位フレームでは、PLP#1−1のシンボル群8101を送信しており、送信方法としては、「空間多重MIMO伝送方式、または、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式」を選択している。
第2の単位フレームでは、PLP#2−1のシンボル群8102を送信しており、送信方法としては、「一つの変調信号を送信する方法」を選択している。
第3の単位フレームでは、PLP#3−1のシンボル群8103を送信しており、送信方法としては、「プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法」を選択している。
第4の単位フレームでは、PLP#4−1のシンボル群8104を送信しており、送信方法としては、「時空間ブロック符号」を選択している。
図82において、s1、s2、両者で、同一サブキャリアの同一時刻にシンボルが存在している場合、同一周波数に2つのストリームのシンボルが存在していることになる。プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、s1、s2は、プリコーディング行列を用いて重み付け、および、合成が行われ、(また、場合によっては、その後ベースバンド信号入れ替えが行われ)、加えて、位相変更が行われる。これにより、得られる信号をここでは、z1、z2とすると、z1、z2が、それぞれ、アンテナから出力されることになる。
このようにすることで、PLPごとに、データの伝送速度、端末のデータ受信品質を考慮して、送信方法を設定できるので、データの伝送速度の向上とデータの受信品質の確保の両立を図ることが可能となる。なお、P1シンボル、第1、第2 Signalling dataの伝送方法等の制御情報の構成方法の例は、上記の表2から表5のように構成すれば、同様に実施することができる。異なる点は、図77等のフレーム構成では、一つの単位フレームに、複数のPLPを有しているため、複数のPLPに対する伝送方法等の制御情報を必要としていたが、図82のフレーム構成の場合、一つの単位フレームには、一つのPLPしか存在しないため、その一つのPLPに対する伝送方法等の制御情報のみ必要となるという点である。
本実施の形態では、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を、DVB規格を用いたシステムに適用した場合の適用方法について述べた。このとき、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の例は、本明細書で示したとおりである。また、本実施の形態では、制御情報を特別な呼び方をしているが、呼び方は、本発明に影響を与えるものではない。
次に、本実施の形態を含む本明細書で述べた時空間ブロック符号について説明する。
図94は、時空間ブロック符号を用いたときの変調信号の構成を示している。図94の時空間ブロック符号化部(9402)は、ある変調信号に基づくベースバンド信号が入力とする。例えば、時空間ブロック符号化部(9402)は、シンボルs1、シンボルs2、・・・を入力とする。すると、図94のように、時空間ブロック符号化が行われ、z1(9403A)は、「シンボル#0としてs1」「シンボル#1として−s2*」「シンボル#2としてs3」「シンボル#3として−s4*」・・・となり、z2(9403B)は、「シンボル#0としてs2」「シンボル#1としてs1*」「シンボル#2としてs4」「シンボル#3としてs3*」・・・となる。このとき、z1におけるシンボル#X、z2におけるシンボル#Xは同一時間に同一周波数によりそれぞれ異なるアンテナから送信されることになる。なお、時空間ブロック符号のシンボルの配置は、時間方向に限ったものではなく、周波数軸方向に配置してもよいし、時間―周波数で形成したシンボル群に適宜配置してもよい。また、時空間ブロック符号は、図94は時空間ブロック符号化方法の一例である、他の時空間ブロック符号を用いて、本明細書の各実施の形態を実施してもよい。
(実施の形態E2)
本実施の形態では、実施の形態E1で説明した、DVB−T2規格を用いた通信システムに、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用した方法を用いた時の受信方法、および、受信装置の構成について詳しく説明する。
図86は、図76の放送局の送信装置が、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したときの、端末の受信装置の構成の一例を示しており、図7と同様に動作するものについては同一符号を付している。
図86において、P1シンボル検出、復号部8601は、放送局が送信した信号を受信し、ベースバンド信号704_X、704_Yを入力とし、P1シンボルを検出することで、信号検出、時間周波数同期を行うと同時に、P1シンボルに含まれる制御情報を(復調、および、誤り訂正復号を行うことで)得、P1シンボル制御情報8602を出力する。
OFDM方式関連処理部8600_X、および、8600_Yは、P1シンボル制御情報8602を入力としており、この情報に基づき、OFDM方式のための信号処理方法(フーリエ変換等の信号処理)を変更する。(実施の形態E1に記載したように、放送局が送信する信号の伝送方法の情報が、P1シンボルに含まれているからである。)OFDM方式関連処理部8600_X、および、8600_Yは、設定された信号処理方法に基づいて復調したベースバンド信号704_X、および、704_Yを出力する。
P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603は、ベースバンド信号704_X、704_Y、および、P1シンボル制御情報8602を入力とし、P1シンボル制御情報に基づき、信号処理を行い、復調(誤り訂正復号を含む)を行い、P2シンボル制御情報8604を出力する。
制御情報生成部8605は、P1シンボル制御情報8602、および、P2シンボル制御情報8604を入力とし、(受信動作に関係する)制御情報をたばね、制御信号8606として出力する。そして、制御信号8606は、図86に示したように、各部に入力されることになる。
信号処理部711は、信号706_1、706_2、708_1、708_2、704_X、704_Y、および、制御信号8606を入力とし、制御信号8606に含まれている、各PLPを伝送するために用いた伝送方式・変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化の符号化率・誤り訂正符号のブロックサイズ等の情報に基づき、復調、復号の処理を行い、受信データ712を出力する。
このとき、PLPを伝送するために、空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法のいずれかの伝送方式を用いている場合、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)の出力結果と受信(ベースバンド)信号から送信信号の関係を利用し、受信(ベースバンド)信号を得、復調を行うことになる。なお、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)の出力結果と受信(ベースバンド)信号、および、式(48)の関係を利用し、復調を行うことになる。
図87は、図85の放送局の送信装置が、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したときの、端末の受信装置の構成の一例を示しており、図7、図86と同様に動作するものについては同一符号を付している。
図87の受信装置と図86の受信装置の異なる点は、図86の受信装置は、DVB−T2規格とそれ以外の規格の信号を受信し、データを得ることができるに対し、図87の受信装置は、DVB−T2規格以外の信号のみ受信し、データを得ることができる点である。
図87において、P1シンボル検出、復号部8601は、放送局が送信した信号を受信し、ベースバンド信号704_X、704_Yを入力とし、P1シンボルを検出することで、信号検出、時間周波数同期を行うと同時に、P1シンボルに含まれる制御情報を(復調、および、誤り訂正復号を行うことで)得、P1シンボル制御情報8602を出力する。
OFDM方式関連処理部8600_X、および、8600_Yは、P1シンボル制御情報8602を入力としており、この情報に基づき、OFDM方式のための信号処理方法を変更する。(実施の形態E1に記載したように、放送局が送信する信号の伝送方法の情報が、P1シンボルに含まれているからである。)OFDM方式関連処理部8600_X、および、8600_Yは、設定された信号処理方法に基づいて復調したベースバンド信号704_X、および、704_Yを出力する。
第1、第2 Signalling data復調部8701は、ベースバンド信号704_X、704_Y、および、P1シンボル制御情報8602を入力とし、P1シンボル制御情報に基づき、信号処理を行い、復調(誤り訂正復号を含む)を行い、第1、第2 Signalling data制御情報8702を出力する。
制御情報生成部8605は、P1シンボル制御情報8602、および、第1、第2 Signalling data制御情報8702を入力とし、(受信動作に関係する)制御情報をたばね、制御信号8606として出力する。そして、制御信号8606は、図86に示したように、各部に入力されることになる。
信号処理部711は、信号706_1、706_2、708_1、708_2、704_X、704_Y、および、制御信号8606を入力とし、制御信号8606に含まれている、各PLPを伝送するために用いた伝送方式・変調方式・誤り訂正符号化方式・誤り訂正符号化の符号化率・誤り訂正符号のブロックサイズ等の情報に基づき、復調、復号の処理を行い、受信データ712を出力する。
このとき、PLPを伝送するために、空間多重MIMO伝送方式、固定的なプリコーディング行列を用いるMIMO方式、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法のいずれかの伝送方式を用いている場合、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)の出力結果と受信(ベースバンド)信号から送信信号の関係を利用し、受信(ベースバンド)信号を得、復調を行うことになる。なお、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)の出力結果と受信(ベースバンド)信号、および、式(48)の関係を利用し、復調を行うことになる。
図88は、DVB−T2規格に対応し、かつ、DVB−T2以外の規格に対応した、端末の受信装置の構成を示しており、図7、図86と同様に動作するものについては同一符号を付している。
図88の受信装置と図86、図87の受信装置の異なる点は、図88の受信装置は、DVB−T2規格とそれ以外の規格の信号の両者に対し、復調が可能となるように、P2シンボル、または、第1、第2 Signalling data復調部8801を具備している点である。
P2シンボル、または、第1、第2 Signalling data復調部8801は、ベースバンド信号704_X、704_Y、および、P1シンボル制御情報8602を入力とし、P1シンボル制御情報に基づき、受信した信号が、DVB−T2規格に対応した信号か、または、それ以外の規格に対応した信号なのか、を判断し(例えば、表2により判断が可能である。)、信号処理を行い、復調(誤り訂正復号を含む)を行い、受信信号が対応している規格が何であるかの情報を含んだ制御情報8802を出力する。それ以外の部分については、図86、図87と同様の動作となる。
以上のように、本実施の形態で示したような受信装置の構成とすることで、実施の形態E1で記載した放送局の送信装置が送信した信号を受信し、適切な信号処理を施すことで、受信品質の高いデータを得ることができる。特に、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の信号を受信したときは、LOS環境において、データの伝送効率の向上とデータ受信品質の向上の両立を実現することができる。
なお、本実施の形態において、実施の形態E1で述べた放送局の送信方法に対応する受信装置の構成について説明したため、受信アンテナ数を2本のときの受信装置の構成について説明したが、受信装置のアンテナ数は2本に限ったものではなく、3本以上としても同様に実施することができ、このとき、ダイバーシチゲインが向上するため、データの受信品質を向上させることができる。また、放送局の送信装置の送信アンテナ数を3本以上とし、送信変調信号数を3以上としたときも、端末の受信装置の受信アンテナ数を増加させることで、同様に実施することができる。また、受信装置のアンテナ数が1本でも、最尤検波(Maximum Likelihood detection)、または、近似的な最尤検波を適用することが可能である。このとき、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用していることが望ましい。
また、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法については、本明細書で記載した具体的な例に限らず、プリコーディングを行い、その後に位相変更を行う、または、その前で位相変更を行う構成を取っていれば、同様に本実施の形態を実施することが可能である。
(実施の形態E3)
実施の形態E1で記載した、DVB−T2規格に、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したシステムにおいて、L1 Pre-Signallingで、パイロットの挿入パターンを指定する制御情報が存在する。本実施の形態では、L1 pre-signallingでパイロット挿入パターンを変更するときの、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の適用方法について説明する。
図89、図90は、同一周波数帯域を用いて、複数の変調信号を複数アンテナから送信する送信方法を用いているときの、DVB−T2規格の周波数―時間軸におけるフレーム構成の一例を示している。図89、図90において、横軸は周波数、つまり、キャリア番号を示しており、縦軸は、時間を示しており、(A)は、これまで説明した実施の形態における、変調信号z1のフレーム構成、(B)は、これまで説明した実施の形態における、変調信号z2のフレーム構成を示している。キャリア番号として、「f0、f1、f2、・・・」、時間として、「t1、t2、t3、・・・」というインデックスを付している。そして、図89、図90において、同一キャリア番号、同一時間のシンボルは、同一周波数、同一時刻に存在しているシンボルとなる。
図89、図90は、DVB−T2規格におけるパイロットシンボルの挿入位置の例である。(DVB−T2規格において、複数アンテナを用いて複数の変調信号を送信する場合、パイロットの挿入位置に関する方法は、8種類存在するが、図89、図90は、そのうちの2つを示している。)図89、図90において、パイロットのためのシンボル、データ伝送のためのシンボルの2種類のシンボルが記載されている。他の実施の形態で説明したように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法、または、プリコーディング行列が固定的なプリコーディング方法を用いているとき、変調信号z1のデータ伝送のためのシンボルは、ストリームs1とストリームs2の重み付け後合成後のシンボルとなり、また、変調信号z2のデータ伝送のためのシンボルも、ストリームs1とストリームs2の重み付け合成後のシンボルとなる。(ただし、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、さらに位相変更を行っていることもある)時空間ブロック符号、空間多重MIMO伝送方式を用いている場合、変調信号z1のデータ伝送のためのシンボルは、ストリームs1またはストリームs2のいずれかのシンボルとなり、また、変調信号z2のデータ伝送のためのシンボルも、ストリームs1またはストリームs2のいずれかのシンボルとなる。図89、図90において、パイロットのためのシンボルには、「PP1」または「PP2」のインデックスのいずれかが付されており、「PP1」と「PP2」では異なる構成方法のパイロットシンボルとなる。前述でも述べたように、DVB−T2規格では、8種類のパイロット挿入方法(パイロットシンボルのフレームにおける挿入頻度が異なる)のいずれかの挿入方法を放送局が指定することができるようになっており、図89、図90は、前述の8種類のうちの2種類のパイロット挿入方法を示している。そして、放送局が8種類のうちから選択したパイロット挿入方法に関する情報は、実施の形態E1で述べた、P2シンボルのうちのL1 Pre-Signalling dataとして、送信相手である端末に、伝送される。
次に、パイロット挿入方法に伴う、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の適用方法について説明する。例として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における用意する複数の異なる位相変更値を10種類とし、位相変更値をF[0],F[1],F[2],F[3],F[4],F[5],F[6],F[7],F[8],F[9]とあらわすものとする。図89の周波数―時間軸におけるフレーム構成において、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したときの位相変更値の割り当てを行ったときの状況を図91に、図90の周波数−時間におけるフレーム構成において、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用したときの位相変更値の割り当てを行ったときの状況を図92に示す。例えば、図91の(A)の変調信号z1のフレーム構成、(B)の変調信号z2のフレーム構成、いずれにおいても、f1,t1のシンボルにおいて「#1」と記載されているが、これは、f1,t1のシンボルは、F[1]の位相変更値を用いて位相変更が行われることを意味している。したがって、図91、図92において、キャリアfx(x=0、1、2、・・・)、ty(y=1、2、3、・・・)のシンボルにおいて「#Z」と記載されていた場合、fx,tyのシンボルは、F[Z]の位相変更値を用いて位相変更が行われることを意味している。
当然であるが、図91、図92の周波数―時間軸におけるフレーム構成において、パイロットシンボルの挿入方法(挿入間隔)は異なる。また、パイロットシンボルに対しては、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法は適用しない。このため、図91、図92において、ともに同一周期(プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法として用意する異なる位相変更値の数)のプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を適用しても、図91、図92からわかるように、図91、図92において、同一キャリア、同一時間のシンボルでも、割り当てられる位相変更値は異なる場合が発生する。例えば、図91のf5,t2のシンボルは、「#7」と示されており、F[7]の位相変更値により位相変更が行われることになる。一方、図92のf5,t2のシンボルは、「#8」と示されており、F[8] の位相変更値により位相変更が行われることになる。
したがって、L1 Pre-Signalling dataにより、パイロットパターン(パイロット挿入方法)を示す制御情報を放送局は送信することになるが、このパイロットパターンを示す制御情報は、パイロット挿入方法を示すと同時に、表3または表4の制御情報により、放送局がPLPを伝送する伝送方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を選択した場合、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における位相変更値の割り当て方法を示すようにしてもよい。したがって、放送局が送信した変調信号を受信する端末の受信装置は、L1 Pre-Signaling dataにおけるパイロットパターンを示す制御情報を得ることで、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における位相変更値の割り当て方法を知ることができる。(このとき、表3または表4の制御情報により、放送局がPLPを伝送する伝送方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を選択していることが前提となる。)なお、ここでは、L1 Pre-Signalling dataを用いて説明しているが、P2シンボルが存在しない図83のフレーム構成の場合は、パイロットパターン、および、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法における位相変更値の割り当て方法を示す制御情報は、第1、第2 Signalling dataに存在することになる。
以下では、さらなる別の例を説明する。表6は、変調方式に応じた位相変更パターン例を示している。
例えば、表6のように、変調方式が指定されると同時にプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法で使用する位相変更値が決定される場合、上述の説明と同様に考えることができ、P2シンボルの、パイロットパターンの制御情報とPLPの伝送方法の制御情報と変調方式の制御情報のみを伝送することで、端末の受信装置は、これらの制御情報を得ることで、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法を推定することができる。なお、表6において、位相変更パターンの列において、「-」は位相変更を行わないことを示しており、「#A」「#B」「#C」は、それぞれ、#A, #B, #Cの位相変更を行うことを示している。同様に、表1のように、変調方式および誤り訂正符号の方法が指定されると同時にプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法で使用する位相変更値が決定される場合、P2シンボルの、パイロットパターンの制御情報とPLPの伝送方法の制御情報と変調方式の制御情報、誤り訂正符号の方法のみを伝送することで、端末の受信装置は、これらの制御情報を得ることで、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法を推定することができる。
しかし、表1、表6と異なり、変調方式を決定しても、2種類以上の異なるプリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法のいずれかを選択できる(例えば、周期が異なる、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法から選択できる、または、位相変更値自身が異なる、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法から選択できる)、または、変調方式・誤り訂正方式を決定しても、2種類以上の異なる、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法のいずれかを選択できる、または、誤り訂正方式を決定しても、2種類以上の異なる、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法から選択できる場合、表4のように、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の位相変更値の切り替え方法を伝送することになるが、これに加え、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更の位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法に関する情報を伝送してもよい。
そのときの、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法に関する情報に関する制御情報の構成例を表7に示す。
例えば、放送局の送信装置が、パイロットの挿入パターンとして、図89を選択したものとし、かつ、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法として、Aという方法を選択したものとする。このとき、放送局の送信装置は、位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法として、図91,図93のいずれかを選択可能であるとする。例えば、放送局の送信装置が、図91を選択した場合、表7の「PHASE _FRAME_ARRANGEMENT」を「00」と設定し、図93を選択した場合、表7の「PHASE _FRAME_ARRANGEMENT」を「01」と設定するものとする。そして、端末の受信装置は、表7の制御情報を得ることで、位相変更値の(周波数―時間軸における)割り当て方法を知ることができる。なお、表7の制御情報は、P2シンボルにより伝送することが可能であり、また、第1、第2、Signalling dataにより、伝送することも可能である。
以上のように、パイロット挿入方法に基づいた、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法の位相変更値の割り当て方法を実現し、かつ、その割り当て方法の情報を的確に送信相手に伝送することで、送信相手である端末の受信装置は、データの伝送効率の向上と、データの受信品質の向上の両立を図ることができるという効果を得ることができる。
なお、本実施の形態において、放送局の送信信号数を2とした場合を説明したが、放送局の送信装置の送信アンテナ数を3本以上とし、送信変調信号数を3以上としたときも、同様に実施することができる。また、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法については、本明細書で記載した具体的な例に限らず、プリコーディングを行い、その後に位相変更を行う、または、その前で位相変更を行う構成を取っていれば、同様に本実施の形態を実施することが可能である。
そして、パイロット信号の構成方法は、本実施の形態に限ったものではなく、受信装置において、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を用いている場合、式(48)の関係が導きだせる信号であればよい(例えば、受信装置は、送信装置が送信したパイロット信号を事前に知っている、既知信号であるとよい。)。なお、これについては、本発明に関する明細書すべてに渡って適用することができる。
なお、本明細書の発明に関連する送信装置の図面、図3、図4、図12、図13、図51、図52、図67、図70、図76、図85等で、2つの送信アンテナから送信される変調信号をそれぞれ、変調信号#1、変調信号#2としたとき、変調信号#1の平均送信電力と変調信号#2の平均送信電力はどのように設定しても良い。例えば、両変調信号の平均送信電力を異なるように設定する場合、一般的な無線通信システムで用いられている、送信電力制御の技術を適用することで、変調信号#1の平均送信電力と変調信号#2の平均送信電力を異なるように設定できる。このとき、送信電力制御は、ベースバンド信号の状態(例えば、用いる変調方式のマッピング時点で、送信電力制御を行う)で、信号の電力制御を行ってもよいし、アンテナの手前の電力増幅器(パワーアンプ)で、送信電力制御を行ってもよい。
(cyclic Q delayについて)
本明細書の中で記載したCyclic Q Delayの適用について述べている。非特許文献10において、Cyclic Q Delay(サイクリックQディレイ)の概要が記載されている。以下では、Cyclic Q Delayを用いたときのs1,s2の生成方法の具体的な例について説明する。
図95は、変調方式が16QAMのときの同相I―直交Q平面における信号点の配置の一例を示している。入力ビットをb0、b1、b2、b3としたとき、b0 b1 b2 b3は0000から1111の値のいずれかとなり、例えば、b0 b1 b2 b3が0000であらわされるとき、図95の信号点9501を選択し、信号点9501に基づく同相成分の値をベースバンド信号の同相成分とし、信号点9501に基づく直交成分の値をベースバンド信号の直交成分とする。b0 b1 b2 b3が他の値であるときも同様にして、ベースバンド信号の同相成分と直交成分を生成する。
図96は、サイクリックQディレイを適用したときの(バイナリー)データから変調信号s1(t)(t:時間)(または、s1(f)、f:周波数)およびs2(t)(t:時間)(または、s2(f)、f:周波数)を生成するための信号生成部の構成の一例を示している。
マッピング部9602は、データ9601、および、制御信号9606を入力とし、制御信号9606に基づく変調方式、例えば、変調方式として16QAMが選択されている場合、図95の規則にしたがって、マッピングを行い、マッピング後のベースバンド信号の同相成分9603_Aおよび直交成分9603_Bを出力する。なお、変調方式は16QAMに限ったものではなく、他の変調方式の場合も同様に実施することができる。
このとき、図95におけるb0、b1、b2、b3に対応する時点1のデータをb01、b11、b21、b31であらわすものとする。マッピング部9602は、時点1のデータをb01、b11、b21、b31に基づき、時点1のベースバンド信号の同相成分I1および直交成分Q1を出力する。同様に、マッピング部9602は、時点2のべースバンド信号の同相成分I2および直交成分Q2、・・・を出力する。
記憶および信号入れ替え部9604は、ベースバンド信号の同相成分9603_Aおよび直交成分9603_B、制御信号9606を入力とし、制御信号9606に基づき、ベースバンド信号の同相成分9603_Aおよび直交成分9603_Bを記憶、信号の組み替えを行い、変調信号s1(t)(9605_A)および変調信号s2(t)(9605_B)を出力する。なお、変調信号s1(t)、s2(t)の生成方法については、以下で詳細に説明を行う。
明細書で記載したように、変調信号s1(t)、s2(t)に対し、プリコーディングおよび位相変更を施すことになる。このとき、本明細書で示したように、いずれかの段階で、位相変更、パワー変更、信号入れ替え等の信号処理を施してもよい。そして、変調信号s1(t)、s2(t)に対し、プリコーディングおよび位相変更を行うことにより得られた変調信号r1(t)およびr2(t)は、同一(共通)時間に、同一周波数帯域を用いて送信される。
なお、上述では、時間軸tで説明したが、OFDM等のマルチキャリア伝送方式を用いたときは、s1(t)、s2(t)をs1(f)、s2(f)(f:(サブ)キャリア)と考えることができる。このとき、変調信号s1(f)、s2(f)に対し、規則的にプリコーディング行列を切り替えるプリコーディング方法を適用することで得られた変調信号r1(f)およびr2(f)は、同一(共通)時間に送信される(当然、r1(f)、r2(f)は同一周波数帯域の信号である。)。また、本明細書で示したように、s1(t)、s2(t)をs1(t,f)、s2(t,f)と考えることもできる。
次に、変調信号s1(t)、s2(t)の生成方法について説明する。図97は、サイクリックQディレイを用いたときの、s1(t)、s2(t)の生成方法の第1の例である。
図97(a)は、図96のマッピング部9602で得られた、ベースバンド信号の同相成分および直交成分を示している。図97(a)に示されているように、また、図96のマッピング部9602の説明を行ったように、時点1のベースバンド信号の同相成分I1および直交成分Q1、時点2のべースバンド信号の同相成分I2および直交成分Q2、時点3のべースバンド信号の同相成分I3および直交成分Q3、・・・の順に、マッピング部9602はベースバンド信号の同相成分および直交成分を出力する。
図97(b)は、図96の記憶および信号入れ替え部9604において、信号入れ替えを行ったときのベースバンド信号の同相成分と直交成分のセットの例を示している。図97(b)では、時点1と時点2、時点3と時点4、時点5と時点6、つまり、時点2i+1と時点2i+2(iは0以上の整数)をセットとし、セット内、例えば、時点1と時点2において、ベースバンド信号の直交成分の入れ替えを行っている。
したがって、ベースバンド信号の同相成分は信号の入れ替えを行っていないため、時点1のベースバンド信号の同相成分はI1、時点2のベースバンド信号の同相成分はI2、時点3のベースバンド信号の同相成分はI3、・・・となっている。
そして、ベースバンド信号の直交成分はセット内内で信号の入れ替えを行っているので、時点1のベースバンド信号の直交成分はQ2、時点2のベースバンド信号の直交成分はQ1、時点3のベースバンド信号の直交成分はQ4、時点4のベースバンド信号の直交成分はQ3、・・・となる。
図97(c)は、プリコーディングおよび位相変更を施す方法を適用する際、プリコーディング前の変調信号s1(t)、s2(t)の構成の一例を示している。例えば、図97(c)に示すように、図97(b)のように生成したベースバンド信号を交互に、s1(t)、s2(t)に割り当てる。したがって、s1(t)の第1スロットは(I1,Q2)、s2(t)の第1スロットは(I2,Q1)となる。s1(t)の第2スロットは(I3,Q4)、s2(t)の第2スロットは(I4,Q3)、・・・となる。
なお、図97は、時間軸方向を例に説明しているが、周波数軸方向であっても同様に実施することができる(上述で説明したとおりである)。このとき、s1(f)、s2(f)と記述することになる。
そして、第Nスロットのs1(t)と第Nスロットのs2(t)に対し、プリコーディングおよび位相変更が行われ、第Nスロットのプリコーディング・位相変更後の信号r1(t)、r2(t)を得るになる。この点については、本明細書の中で説明したとおりである。
図98は、図97の第Nスロットのs1(t)、s2(t)を得るための、図96とは異なる構成方法を示している。マッピング部9802は、データ9801、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図97の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s1(t)(9803_A)および変調信号s2(t)(9803_B)を生成し、出力する。なお、変調信号s1(t)(9803_A)は、図96の変調信号9605_Aと同一であり、また、変調信号s2(t)(9803_B)は、図96の変調信号9605_Bと同一であり、図97(c)に示したとおりである。したがって、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロットは(I1,Q2)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I2,Q1)となり、変調信号s1(t)(9803_A)の第2スロットは(I3,Q4)、変調信号s2(t)(9803_B)の第2スロットは(I4,Q3)、・・・となる。
補足のために、図98のマッピング部9802における、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロット(I1,Q2)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロット(I2,Q1)の生成方法について説明する。
図98において、9801はデータとなるが、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31、時点2のデータをb02、b12、b22、b32とする。図98のマッピング部9802は、b01、b11、b21、b31およびb02、b12、b22、b32から、上記で説明したI1、Q1、I2、Q2を生成する。そして、図98のマッピング部9802は、I1、Q1、I2、Q2から変調信号s1(t)、s2(t)を生成することができる。
図99は、図97の第Nスロットのs1(t)、s2(t)を得るための、図96、図98とは異なる構成方法を示している。マッピング部9901_Aは、データ9801、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図97の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s1(t)(9803_A)を生成し、出力する。マッピング部9901_Bは、データ9801、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図97の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s2(t)(9803_B)を生成し、出力する。
なお、マッピング部9901_Aの入力であるデータ9801とマッピング部9901_Bの入力であるデータ9801は、当然、同一のデータである。また、変調信号s1(t)(9803_A)は、図96の変調信号9605_Aと同一であり、また、変調信号s2(t)(9803_B)は、図96の変調信号9605_Bと同一であり、図97(c)に示したとおりである。
したがって、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロットは(I1,Q2)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I2,Q1)となり、変調信号s1(t)(9803_A)の第2スロットは(I3,Q4)、変調信号s2(t)(9803_B)の第2スロットは(I4,Q3)、・・・となる。
補足のために、図99のマッピング部9901_Aにおける、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロット(I1,Q2)の生成方法について説明する。図99において、9801はデータとなるが、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31、時点2のデータをb02、b12、b22、b32とする。図99のマッピング部9901_Aは、b01、b11、b21、b31およびb02、b12、b22、b32から、上記で説明したI1、Q2を生成する。そして、図99のマッピング部9901_Aは、I1、Q2から変調信号s1(t)を生成することができる。
図99のマッピング部9901_Bにおける、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロット(I2,Q1)の生成方法について説明する。図99において、9801はデータとなるが、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31、時点2のデータをb02、b12、b22、b32とする。図99のマッピング部9901_Bは、b01、b11、b21、b31およびb02、b12、b22、b32から、上記で説明したI2、Q1を生成する。そして、図99のマッピング部9901_Bは、I2、Q1からs2(t)を生成することができる。
次に、サイクリックQディレイを用いたときのs1(t)、s2(t)の生成方法の図97とは異なる、第2の例を図100に示す。なお、図100において、図97と同一のもの(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)については、同一の記号を付している。
図100(a)は、図96のマッピング部9602で得られた、ベースバンド信号の同相成分および直交成分を示している。図100(a)は、図97(a)と同一であるので、説明は省略する。
図100(b)は、信号入れ替えを行う前のs1(t)、s2(t)のベースバンド信号の同相成分および直交成分の構成を示しており、図100(b)では、時点2i+1のベースバンド信号はs1(t)に割り当てられ、時点2i+2のベースバンド信号はs2(t)に割り当てられている(iは0以上の整数)。
図100(c)は、図96の記憶および信号入れ替え部9604において、信号入れ替えを行ったときのベースバンド信号の同相成分と直交成分のセットの例を示している。図100(c)の特徴(図97と異なる点)は、s1(t)内で信号入れ替え、および、s2(t)内で信号入れ替えを行っている点である。
したがって、図100(c)では、図100(b)に対し、s1(t)において、Q1とQ3の入れ替えを行っており、Q5とQ7の入れ替えを行っており、以降同様の入れ替えを行う。また、図100(c)では、図100(b)に対し、s2(t)において、Q2とQ4の入れ替えを行っており、Q6とQ8の入れ替えを行っており、以降同様の入れ替えを行う。
よって、s1(t)の第1スロットのベースバンド信号の同相成分はI1、直交成分はQ3となり、s2(t)の第1スロットのベースバンド信号の同相成分はI2、直交成分はQ4となる。また、s1(t)の第2スロットのベースバンド信号の同相成分はI3、直交成分はQ1となり、s2(t)の第2スロットのベースバンド信号の同相成分はI4、直交成分はQ2となる。第3、第4スロットは図100(c)のようにあらわされることになり、以降のスロットも同様となる。
そして、第Nスロットのs1(t)と第Nスロットのs2(t)に対し、プリコーディングおよび位相変更が行われ、第Nスロットのプリコーディング・位相変更後の信号r1(t)、r2(t)を得るになる。この点については、本明細書の中で説明したとおりである。
図101は、図100の第Nスロットのs1(t)、s2(t)を得るための、図96とは異なる構成方法を示している。マッピング部9802は、データ9801、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図100の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s1(t)(9803_A)および変調信号s2(t)(9803_B)を生成し、出力する。なお、変調信号s1(t)(9803_A)は、図96の変調信号9605_Aと同一であり、また、変調信号s2(t)(9803_B)は、図96の変調信号9605_Bと同一であり、図100(c)に示したとおりである。したがって、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロットは(I1,Q3)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I2,Q4)となり、変調信号s1(t)(9803_A)の第2スロットは(I3,Q1)、変調信号s2(t)(9803_B)の第2スロットは(I4,Q2)、・・・となる。
補足のために、図101のマッピング部9802における、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロットは(I1,Q3)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I2,Q4)、変調信号s1(t)(9803_A)の第2スロットは(I3,Q1)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I4,Q2)、の生成方法について説明する。
図101において、9801はデータとなるが、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31、時点2のデータをb02、b12、b22、b32、時点3のデータをb03、b13、b23、b33、時点4のデータをb04、b14、b24、b34とする。図101のマッピング部9802は、b01、b11、b21、b31およびb02、b12、b22、b32およびb03、b13、b23、b33およびb04、b14、b24、b34から、上記で説明したI1、Q1、I2、Q2、I3、Q3、I4、Q4を生成する。そして、図101のマッピング部9802は、I1、Q1、I2、Q2、I3、Q3、I4、Q4から変調信号s1(t)、s2(t)を生成することができる。
図102は、図100の第Nスロットのs1(t)、s2(t)を得るための、図96、図101とは異なる構成方法を示している。分配部10201は、データ9801、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づき、データを分配し、第1データ10202_Aおよび第2データ10202_Bを出力する。マッピング部9901_Aは、第1データ10202_A、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図100の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s1(t)(9803_A)を生成し、出力する。マッピング部9901_Bは、第2データ10202_B、制御信号9804を入力とし、制御信号9804に基づく変調方式に基づく、例えば、図100の入れ替えを考慮したマッピングを行い、マッピング後の信号(ベースバンド信号の同相成分および直交成分)を生成し、マッピング後の信号から変調信号s2(t)(9803_B)を生成し、出力する。
変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロットは(I1,Q3)、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロットは(I2,Q4)となり、変調信号s1(t)(9803_A)の第2スロットは(I3,Q1)、変調信号s2(t)(9803_B)の第2スロットは(I4,Q2)、・・・となる。
補足のために、図102のマッピング部9901_Aにおける、変調信号s1(t)(9803_A)の第1スロット(I1,Q3)、第2スロット(I3,Q1)の生成方法について説明する。図102において、9801はデータとなるが、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31、時点2のデータをb02、b12、b22、b32、時点3のデータをb03、b13、b23、b33、時点4のデータをb04、b14、b24、b34とする。分配部10201は、時点1におけるデータをb01、b11、b21、b31および時点3のデータをb03、b13、b23、b33を第1データ10202_Aとして出力し、時点2のデータをb02、b12、b22、b32および時点4のデータをb04、b14、b24、b34を第2データ802_Bとして出力する。図102のマッピング部9901_Aは、b01、b11、b21、b31およびb03、b13、b23、b33から、第1スロットは(I1,Q3)、第2スロット(I3,Q1)を生成することになる。第3スロット以降も同様の操作が行われる。
図102のマッピング部9901_Bにおける、変調信号s2(t)(9803_B)の第1スロット(I2,Q4)、第2スロット(I4,Q2)の生成方法について説明する。図102のマッピング部9901_Bは、時点2のデータをb02、b12、b22、b32および時点4のデータをb04、b14、b24、b34から、第1スロットは(I2,Q4)、第2スロット(I4,Q2)を生成することになる。第3スロット以降も同様の操作が行われる。
以上、2つのサイクリックQディレイの方法について説明したが、図97のように、スロット内で信号入れ替えを行った場合、受信装置の復調(検波)部において、候補信号点の数を抑えることができるので、演算規模(回路規模)を少なくすることができる、という利点がある。一方、図100のように、s1(t)の信号内、s2(t)の信号内で信号入れ替えを行った場合、受信装置の復調(検波)部において、候補信号点の数が多くなるが、時間ダイバーシチゲイン(周波数軸上で入れ替えを行った場合、周波数ダイバーシチゲイン)を得ることができ、データの受信品質がさらに向上する可能性があるという利点がある。
なお、上述の説明では、変調方式を16QAMとしたときを例に説明しているが、これに限ったものではなく、QPSK、8QAM、32QAM、64QAM、128QAM、256QAM等の変調方式の場合についても同様に実施することができる。
また、サイクリックQディレイの方法は、上述の2つの方法に限ったものではない。例えば、上述の2つの例では、いずれも、ベースバンド信号の直交成分について入れ替えを行っているが、同相成分を入れ替えてもよい。また、2つの時点で入れ替えを行っている(例えば、時点1と時点2でベースバンド信号の直交成分を入れ替える)を行っているが、複数の時点で、ベースバンド信号の同相成分または(「および」であってもよい)直交成分の信号入れ替えを行ってもよい。したがって、図97(a)のようにベースバンド信号の同相成分と直交成分を発生させ、サイクリックQディレイを行った場合、「時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の同相成分はIi、時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の直交成分はQj(i≠j)とあらわせるシンボルが存在する」、または、「時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の同相成分はIj、時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の直交成分はQi(i≠j)とあらわせるシンボルが存在する」、または、「時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の同相成分はIj、時点iのサイクリックQディレイ後のベースバンド信号の直交成分はQk(i≠j、i≠k、j≠k)とあらわせるシンボルが存在する」、ことになる。
そして、上述で述べたサイクリックQディレイを施すことにより得られた変調信号s1(t)(または、s1(f)、または、s1(t、f))、変調信号s2(t)(または、s2(f)、または、s2(t、f))に対し、プリコーディングおよび位相変更を施すことになる。(ただし、本明細書で示したように、いずれかの段階で、位相変更、パワー変更、信号入れ替え等の信号処理を施してもよい。)このとき、サイクリックQディレイを施すことにより得られた変調信号に対して適用するプリコーディングおよび位相変更を施す方法として、本明細書で説明したすべてのプリコーディングおよび位相変更を施す方法を適用することが可能である。
(実施の形態F1)
実施の形態E1において、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法を、DVB−T2規格を用いた放送システムに適用する場合、及びDVB−T2規格とは異なる規格を用いた放送システムに適用する場合に関して説明した。本実施の形態では、実施の形態E1に対して、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明する。
図103(a)は、DVB−T2規格における1アンテナ送信(SISO)と、複数アンテナ送信(MISO(STBC:時空間ブロック符号))に関する制約を示す図である。非特許文献9に示されている通り、DVB−T2規格では、フレーム全体で1アンテナ送信または複数アンテナ送信が選択可能であり、複数アンテナ送信の場合には、P1シンボルは全アンテナから同一信号を送信する。すなわち、P2シンボルで送信されるL1シグナリングデータと全PLP一括で、1アンテナ送信または複数アンテナ送信が選択可能である。
図103(b)は、今後の規格に望まれることを示している。DVB−T2規格は、一世代前のDVB−T規格と比較して、PLP毎に独立に変調方式、符号化率、時間インタリーブ深さなどの伝送パラメータが選択可能であることを大きな特徴としている。よって、PLP毎に独立に1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすることが望まれる。更に、P2シンボルで送信されるL1シグナリングデータも、1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすることが望まれる。
図103(b)に示す通りに、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在可能とするための課題として、パイロットシンボルの挿入位置(配置パターン)がある。非特許文献9に示されている通り、パイロットシンボルの一種であるSP(Scattered Pilot)の配置パターンは、1アンテナ送信(SISO)と複数アンテナ送信(MISO)で互いに異なる。よって、図75に示す通り同一時刻(同一OFDMシンボル)に複数のPLP#1、PLP#2が存在し、図77に示す通りPLP#1が複数アンテナ送信、PLP#2が1アンテナ送信である場合には、SPの配置パターンが定義不可能となる。
この課題に対する解決策として、図104に送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を示す。図104に示す通り、フレーム内に複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレームと、1アンテナ送信(SISO)サブフレームを設ける。具体的にはMISOおよび/またはMIMOのPLP(例:Common PLP、PLP #1)を集めて、複数アンテナ送信サブフレームを設け、複数アンテナ送信用SP配置パターンを適用する(送信アンテナ数が同じであれば、MISOとMIMOの共通SP配置パターンが可能である)。一方SISOのPLP(例: PLP #2〜PLP #N)を集めて、1アンテナ送信サブフレームを設け、1アンテナ送信用SP配置パターンを適用する。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、図105に示す通りに送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造により、SPの配置パターンを定義可能となり、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信の混在を実現可能とする。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)が適切にチャネル変動を推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態F2)
実施の形態F1において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態F1に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図106は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態F1の図104で示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
図107は、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolの一例を示す図である。図107に示す通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolに対して、他のOFDMシンボルよりSP密度を高くする。具体的には、SPが存在するサブキャリア位置全てにSPを配置する。
sub-frame starting symbolの前とsub-frame closing symbolの後は、別のサブフレームまたはP2シンボルまたはP1シンボルであり、それらは異なるSP配置パターンを有している(P1シンボルはSP配置パターン自体が存在しない)。よって受信装置における伝送路(チャネル変動)推定処理において、サブフレームをまたいで時間方向(OFDMシンボル方向)に補間処理を行うことはできない。よってサブフレーム先頭と最終OFDMシンボルに対して、他のOFDMシンボルと同じ規則でSP配置パターンを定義する場合、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度が悪くなってしまう。
図107に示す通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態F1で示した図105のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF1で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態F3)
実施の形態F1において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、送信アンテナのコンフィギュレーションに関して、更に送信アンテナの偏波を考慮する場合について説明する。
図108A〜図108Dは、各種の放送ネットワークの形態を示す図である。特に図108Aの(a)は、現在英国で運用されているDVB−T2実サービスネットワーク(SISO)を示す図である。送信・受信アンテナとしてはそれぞれ1本ずつ、V (Vertical:垂直)偏波を用いている。
図108Bの(b)は、既存の送信アンテナを活用したDistributed-MISOを示す図である。図108Aの(a)のV偏波を用いたSISO放送ネットワークに対して、異なる送信局をペアとしてV偏波を用いたMISO放送ネットワークを構築する。この構成では、SISOのサポートも可能である。
図108Cの(c)は、Co-sited-MIMOの構成を示す図である。図108Aの(a)のV偏波を用いたSISO放送ネットワークに対して、送信・受信アンテナとしてH (Horizontal:水平)偏波のアンテナを追加して、V・H偏波を用いたMIMO放送ネットワークを構築する。この構成では、MISO及びSISOのサポートも可能である。
図108Dの(d)は、Distributed-MISOとCo-sited-MIMOを組み合わせた構成を示す図である。
以上のように、今後の放送ネットワークは偏波も含めていくつかの形態が考えられる。各放送事業者に対して、これらの形態を自由に選択、好きな時期に導入可能とすることが望まれる。よって今後の放送規格においては、これらの放送ネットワーク形態を全てサポートすべきである。
ところで図108Dの(d)に示すように、複数アンテナ送信で同じ送信アンテナ数であっても、V/H送信とV/V送信は伝送路特性が異なる。よってこれらを同一OFDMシンボルで混在させると、受信側で伝送路推定が行えないという課題がある。
この課題に対する解決策として、図109に送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を示す。図109に示す通り、フレーム内にV/H−MIMOサブフレーム、V/V−MISOサブフレームと、V−SISOサブフレームを設ける。具体的にはV/H−MIMOのPLP(例:Common PLP)を集めてV/H−MIMOサブフレームを設け、V/H−MIMO用SP配置パターンを適用する。また、V/V−MISOのPLP(例: PLP#1)を集めてV/V−MISOサブフレームを設け、V/V−MISO用SP配置パターンを適用する。また、V−SISOのPLP(例: PLP #2〜PLP #N)を集めてV−SISOサブフレームを設け、V−SISO用SP配置パターンを適用する。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、受信側での伝送路推定を可能とする。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2で説明した点に加えて、フレーム内に偏波の異なる送信方法が混在した場合でも、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)が適切にチャネル変動を推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図109をサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態F4)
実施の形態F3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態F3に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図110は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態F3の図109で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態F1で示した図105のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF3で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF3で説明した点に加えて、フレーム内に偏波の異なる送信方法が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図110を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
なお、以上の実施の形態F1〜F4において、フレームに対するサブフレーム構造を示した。同様にして、スーパーフレームに対するフレーム構造など、長いフレームに対する短いフレーム構造に対して、以上の実施の形態F1〜F4の内容を適用してもよい。
実施の形態F1〜F4の内容をスーパーフレームに対して適用するとは、当業者であれば当然に理解できるものであるが、具体的に一例を説明すると、DVB−T2規格におけるスーパーフレームを構成する各T2フレームおよびFEF(Future Extension Frames)を、上記実施の形態F1〜F4に示したサブフレームとみなし、一つのT2フレームあるいはFEFとして送信するデータは、SISO用、MISOおよび/またはMIMO用のいずれかに固定することを意味する。そして、各フレームで送信する送信データは、SISO用データを集めたもの、あるいは、MISOおよび/またはMIMO用データを集めたものから生成されたフレームであることとしてもよい。
なお、上記実施の形態F1〜F4においてはサブフレーム間の区切りを明確にするためにstarting symbolとclosing symbolとを挿入することとした。フレーム単位でみた場合には、受信側がフレームの先頭を特定しやすいP1シンボルがフレームの先頭に挿入され、続いて他のOFDMシンボルよりSP密度の高いPSシンボルが挿入されているため、starting symbolの挿入が不要となることは、本発明に係る分野において通常の知識を有するものであれば、理解できることは言うまでもない。ただし、不要とは言うものの、これは、十分にフレーム間の区別が可能であるために不要であると記載しているに過ぎず、通信の確実性や安定性を鑑みて、挿入することとしても不都合はない。その場合には、フレームの先頭(P1シンボルの前)にstarting symbolを挿入すればよい。
(実施の形態G1)
実施の形態F1において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、送信アンテナのコンフィギュレーションに関して、更に送信電力を考慮する場合について説明する。
図111の右下の表に示す通り、同じ複数アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンを考える。送信電力が異なると、伝送路特性が異なる。よってこれらを同一OFDMシンボルで混在させると、受信側で伝送路推定が行えないという課題がある。
この課題に対する解決策として、図111に送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を示す。図111に示す通り、フレーム内に複数アンテナ送信(MISO、MIMO)-pwr1サブフレーム、複数アンテナ送信(MISO、MIMO)-pwr2サブフレームと、1アンテナ送信(SISO)サブフレームを設ける。具体的にはMISOおよび/またはMIMOのPLPの内、送信アンテナ1と2の電力がともにP/2のPLP(例:Common PLP)を集めて、複数アンテナ送信-pwr1サブフレームを設け、複数アンテナ送信-pwr1用SP配置パターンを適用する(送信アンテナ数と送信電力が同じであれば、MISOとMIMOの共通SP配置パターンが可能である)。またMISOおよび/またはMIMOのPLPの内、送信アンテナ1と2の電力がそれぞれ3P/4、P/4のPLP(例: PLP#1)を集めて、複数アンテナ送信-pwr2サブフレームを設け、複数アンテナ送信-pwr2用SP配置パターンを適用する。一方SISOのPLP(例: PLP #2〜PLP #N)を集めて、1アンテナ送信サブフレームを設け、1アンテナ送信用SP配置パターンを適用する。但しこの例では、SISOのPLPの送信電力は全て同じとしているが、異なる場合には、それぞれ異なるサブフレームに分ける必要がある。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、受信側での伝送路推定を可能とする。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2で説明した点に加えて、同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンが存在する場合において、送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)が適切にチャネル変動を推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また図111をサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態G2)
実施の形態G1において、送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態G1に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図112は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態G1の図110で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びG1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びG1で説明した点に加えて、同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンが存在する場合において、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンを含む送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図112を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態G3)
実施の形態F3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に関して、更に送信電力を考慮する場合について説明する。
図113の右下の表に示す通り、例えば同じV/V−MISO送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンを考える。送信電力が異なると、伝送路特性が異なる。よってこれらを同一OFDMシンボルで混在させると、受信側で伝送路推定が行えないという課題がある。
この課題に対する解決策として、113に送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を示す。図113に示す通り、フレーム内にV/H−MIMOサブフレーム、V−SISOサブフレーム、V/V−MISO-pwr1サブフレーム、V/V−MISO-pwr2サブフレームを設ける。具体的にはV/V−MISOのPLPの内、送信アンテナ1と2の電力がともにP/2のPLP(例: PLP#2)を集めて、V/V−MISO-pwr1サブフレームを設け、V/V−MISO-pwr1用SP配置パターンを適用する。またV/V−MISOのPLPの内、送信アンテナ1と2の電力がそれぞれ3P/4、P/4のPLP(例: PLP#3〜PLP#N)を集めて、V/V−MISO-pwr2サブフレームを設け、V/V−MISO-pwr2用SP配置パターンを適用する。一方V/H−MIMOのPLP(例:Common PLP)を集めてV/H−MIMOサブフレームを設け、V/H−MIMO用SP配置パターンを適用する。V−SISOのPLP(例: PLP #1)を集めてV−SISOサブフレームを設け、V−SISO用SP配置パターンを適用する。但しこの例では、V/H−MIMO及びV−SISOのPLPはそれぞれ1つのみ存在するとしているが、それぞれ異なる送信電力のPLPが存在する場合には、それぞれ異なるサブフレームに分ける必要がある。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を設けることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、受信側での伝送路推定を可能とする。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2で説明した点に加えて、偏波まで含めて同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンが存在する場合において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)が適切にチャネル変動を推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波まで含めて同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンを含む送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図113をサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態G4)
実施の形態G3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態G3に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図114は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態G3の図113で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波と送信電力も考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びG3で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びG3で説明した点に加えて、偏波まで含めて同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンが存在する場合において、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波まで含めて同じ複数アンテナ送信あるいは単一アンテナ送信でも、各アンテナからの送信電力が異なるパターンを含む送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図114を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
なお、以上の実施の形態G1〜G4において、フレームに対するサブフレーム構造を示した。同様にして、スーパーフレームに対するフレーム構造など、長いフレームに対する短いフレーム構造に対して、以上の実施の形態G1〜G4の内容を適用してもよい。
実施の形態G1〜G4の内容をスーパーフレームに対して適用するとは、当業者であれば当然に理解できるものであるが、具体的に一例を説明すると、DVB−T2規格におけるスーパーフレームを構成する各T2フレームおよびFEF(Future Extension Frames)を、上記実施の形態G1〜G4に示したサブフレームとみなし、一つのT2フレームあるいはFEFとして送信するデータは、SISO用、MISOおよび/またはMIMO用のいずれかに固定することを意味する。そして、各フレームで送信する送信データは、SISO用データを集めたものであってアンテナから送信する際に用いる送信電力が同一のものから生成されたフレーム、あるいは、MISOおよび/またはMIMO用データを集めたものであってアンテナから送信する際に用いる送信電力が同一のデータから生成されたフレームであることとしてもよい。
なお、上記実施の形態G1〜G4においてはサブフレーム間の区切りを明確にするためにstarting symbolとclosing symbolとを挿入することとしたが、フレーム単位でみた場合には、受信側がフレームの先頭を特定しやすいP1シンボルがフレームの先頭に挿入され、続いて他のOFDMシンボルよりSP密度の高いP2シンボルが挿入されているため、starting symbolの挿入が不要となることは、本発明に係る分野において通常の知識を有するものであれば、理解できることは言うまでもない。ただし、不要とは言うものの、これは、十分にフレーム間の区別が可能であるために不要であると記載しているに過ぎず、通信の確実性や安定性を鑑みて、挿入することとしても不都合はない。その場合には、フレームの先頭(P1シンボルの前)にstarting symbolを挿入すればよい。
(実施の形態H1)
実施の形態F1において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、更にフレーム内の適切なサブフレーム順序について説明する。
図115は、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を示し、特にフレーム内の適切なサブフレーム順序を考慮した場合を示す。実施の形態F1の図104と比較して、複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレームと、1アンテナ送信(SISO)サブフレームの順序が入れ替わっていることが分かる。これはL1シグナリングデータを送信するP2シンボルが1アンテナ送信(SISO)であり、後続するサブフレームをP2シンボルと同じ1アンテナ送信(SISO)サブフレームとしている。
フレームの途中で送信アンテナ数が変化すると、受信側にとってはその変化点で瞬時的に各アンテナの受信電力が大きく変化することになる。受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGC(Automatic Gain Control)処理がその変化点で瞬時的に追従するのは困難である。よって、受信性能の劣化につながる。
実施の形態F1の図104に示すサブフレーム構造では、このような送信アンテナ数の変化点は2つある。一方図115のサブフレーム構造では、このような送信アンテナ数の変化点は1つに削減されている。よって、受信性能の劣化を抑圧することができる。
また、図115のサブフレーム構造では、P2シンボルに後続するサブフレームをP2シンボルと同じ1アンテナ送信(SISO)サブフレームとしていることにより、P2シンボルの残り領域で、SISOのPLPを伝送可能である。実施の形態F1の図104に示すサブフレーム構造では、P2シンボルの残り領域をパディングして、次のシンボルから複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレームとするしかなかった。よって、パディングによるオーバーヘッドを削減することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、図116に示す通りにフレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
なお、図115のサブフレーム構造では、L1シグナリングデータを送信するP2シンボルが1アンテナ送信(SISO)である例を示した。一方P2シンボルが複数アンテナ送信(MISO、MIMO)である場合、図117に示す通り、後続するサブフレームをP2シンボルと同じ複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレームとすることで、図115のサブフレーム構造の例と同じ効果を得ることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造における適切なサブフレーム順序により、送信アンテナ数の変化点を削減して受信性能の劣化を抑圧するとともに、パディングによるオーバーヘッドを削減することができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造(適切なサブフレーム順序)を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造(適切なサブフレーム順序)を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2で説明した点に加えて、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、特にAGC処理が追従困難な受信電力の瞬時的変化の頻度が削減されている。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態H2)
実施の形態H1において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H1に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図118は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H1の図115で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態H1で示した図116のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH1で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また、図118を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態H3)
実施の形態F3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、更にフレーム内の適切なサブフレーム順序について説明する。
図119は、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を示し、特にフレーム内の適切なサブフレーム順序を考慮した場合を示す。実施の形態F3の図109と比較して、V/H−MIMOサブフレームと、V−SISOサブフレームの順序が入れ替わっていることが分かる。これはL1シグナリングデータを送信するP2シンボルがV−SISO送信であり、後続するサブフレームをP2シンボルと同じV−SISOサブフレームとしている。
フレームの途中で送信アンテナ数が変化したり、送信アンテナ数が同じでも偏波が変化したりすると、受信側にとってはその変化点で瞬時的に各アンテナの受信電力が大きく変化することになる。受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGC(Automatic Gain Control)処理がその変化点で瞬時的に追従するのは困難である。よって、受信性能の劣化につながる。
実施の形態F3の図109に示すサブフレーム構造では、このような送信アンテナ数または偏波の変化点は3つある。一方図119のサブフレーム構造では、このような送信アンテナ数または偏波の変化点は2つに削減されている。よって、受信性能の劣化を抑圧することができる。
また、図119のサブフレーム構造では、後続するサブフレームをP2シンボルと同じV−SISOサブフレームとしていることにより、P2シンボルの残り領域で、V―SISOのPLPを伝送可能である。実施の形態F3の図109に示すサブフレーム構造では、P2シンボルの残り領域をパディングして、次のシンボルから複V/H−MIMOサブフレームとするしかなかった。よって、パディングによるオーバーヘッドを削減することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
なお、図119のサブフレーム構造では、L1シグナリングデータを送信するP2シンボルがV−SISO送信である例を示した。一方P2シンボルが例えばV/V−MISO送信である場合、図120に示す通り、後続するサブフレームをP2シンボルと同じV/V−MISOサブフレームとすることで、図119のサブフレーム構造の例と同じ効果を得ることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造における適切なサブフレーム順序により、送信アンテナ数や偏波の変化点を削減して受信性能の劣化を抑圧するとともに、パディングによるオーバーヘッドを削減することができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2で説明した点に加えて、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、特にAGC処理が追従困難な受信電力の瞬時的変化の頻度が削減されている。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図119及び図120をサブフレーム構造の例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態H4)
実施の形態H3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H3に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図121は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H3の図119で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH3で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH3で説明した点に加えて、フレーム内に偏波の異なる送信方法が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図121を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態H5)
実施の形態H1において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)ンに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、更に送信電力切替パターンも考慮したフレーム内の適切なサブフレーム順序について説明する。
図122は、SISOとMISO/MIMOの送信電力切替パターンの例を示す図である。特に図122(a)は、SISOとMISO/MIMOの送信電力に差があるパターンの例を示す図である。このパターンでは、SISOでは送信アンテナ−1のみ送信電力Pが割り当てられ、MISO/MIMOでは送信アンテナ−1と2にそれぞれ送信電力P/2ずつが割り当てられる。
一方、図122(b)は、SISOとMISO/MIMOの送信電力に差がないパターンの例を示す図である。このパターンでは、SISOでは送信アンテナ−1と2にそれぞれ送信電力P、P/4が割り当てられ、MISO/MIMOでも同じ送信電力が割り当てられる。SISOにおいて送信アンテナ−2から、例えば送信アンテナ−1と同一信号を送信してもよい。あるいはストリームs1(t)、s2(t)(s1(i)、s2(i))により同一のデータを伝送し、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69に示すような位相変更を行う処理を行ってもよい。この場合、この信号処理を行われた信号は、図76または図85において、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。
図122(a)の送信電力に差があるパターンの例では、MISO/MIMOにおいて送信アンテナ−1と2に等電力を与えるため、MISO/MIMOの性能を十分に引き出す構成である。しかしながら、SISOとMISO/MIMOの間の切替時に、送信アンテナ−1と2とも送信電力が変化してしまう。
一方、図122(b)に示す送信電力に差がないパターンは、MISO/MIMOにおいて送信アンテナ−1と2に与える電力に差があるため、MISO/MIMOの性能に多少の劣化を生じる可能性がある。しかしながら、SISOとMISO/MIMOとの間の切替時に、送信アンテナ−1と2とも送信電力を一定に保つことができる。また既存SISO送信局において、SISOにおける既存送信アンテナ−1の送信電力を保ちながら、送信アンテナ−2を追加することによる電力増加を約1dBに抑えることができる。
以下、特に図122(b)に示す送信電力に差がないパターンの場合について説明する。
図123は、実施の形態H1の図115に示すサブフレーム構造の場合を示す。SISOサブフレームとMISO/MISOサブフレームの切替時においても、送信電力の変化なしになることが分かる。
図124は、図123のサブフレーム構造に対して、SISOサブフレームとMISO/MISOサブフレームの順序を入れ替えた場合を示す。引き続き、フレーム内において送信電力の変化が発生しないことが分かる。よって、受信側で特にAGC処理に対する影響を防止するためには、SISOとMISO/MIMOに無関係に、送信電力に差がないものどうしを前後のサブフレームとすればよいことが分かる。これにより、サブフレーム順序の自由度が上がる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、更に送信電力切替パターンも考慮して、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、更に送信電力切替パターンも考慮して、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、図125は、実施の形態H1の図117に示すサブフレーム構造の場合を示す。MISO/MISOサブフレームとSISOサブフレームの切替時においても、送信電力の変化なしになることが分かる。
図126は、図125のサブフレーム構造に対して、MISO/MISOサブフレームとSISOサブフレームの順序を入れ替えた場合を示す。引き続き、フレーム内において送信電力の変化が発生しないことが分かる。よって、受信側で特にAGC処理に対する影響を防止するためには、SISOとMISO/MIMOに無関係に、送信電力に差がないものどうしを前後のサブフレームとすればよいことが分かる。これにより、サブフレーム順序の自由度が上がる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造における適切なサブフレーム順序により、送信電力の変化点を削減して受信性能の劣化を抑圧することができる。また、サブフレーム順序の自由度を上げることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2で説明した点に加えて、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、特にAGC処理が追従困難な受信電力の瞬時的変化の頻度が削減されている。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態H6)
実施の形態H5において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H5に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図127は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H5の図124で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH5で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH5で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また、図127を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態H7)
実施の形態H3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、更に送信電力切替パターンも考慮したフレーム内の適切なサブフレーム順序について説明する。
図128は、SISOとMISO/MIMOの送信電力切替パターン(偏波も考慮)の例を示す図である。特に図128(a)は、SISOとMISO/MIMOの送信電力に差があるパターンの例を示す図である。このパターンでは、SISOでは送信アンテナ−1のみ送信電力Pが割り当てられ、MISO/MIMOでは送信アンテナ−1と2にそれぞれ送信電力P/2ずつが割り当てられる。
一方、図128(b)は、SISOとMISO/MIMOの送信電力に差がないパターンの例を示す図である。このパターンでは、SISOでは送信アンテナ−1と2にそれぞれ送信電力P、P/4が割り当てられ、MISO/MIMOでも同じ送信電力が割り当てられる。SISOにおいて送信アンテナ−2から、例えば送信アンテナ−1と同一信号を送信してもよい。あるいはストリームs1(t)、s2(t)(s1(i)、s2(i))により同一のデータを伝送し、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69に示すような位相変更を行う処理を行ってもよい。この場合、この信号処理を行われた信号は、図76または図85において、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。
図128(a)の送信電力に差があるパターンの例では、MISO/MIMOにおいて送信アンテナ−1と2に等電力を与えるため、MISO/MIMOの性能を十分に引き出す構成である。しかしながら、SISOとMISO/MIMOの間の切替時に、送信アンテナ−1と2とも送信電力が変化してしまう。
一方、図128(b)に示す送信電力に差がないパターンは、MISO/MIMOにおいて送信アンテナ−1と2に与える電力に差があるため、MISO/MIMOの性能に多少の劣化を生じる可能性がある。しかしながら、SISOとMISO/MIMOの間の切替時に、送信アンテナ−1と2とも送信電力を一定に保つことができる。また既存SISO送信局において、SISOにおける既存送信アンテナ−1の送信電力を保ちながら、送信アンテナ−2を追加することによる電力増加を約1dBに抑えることができる。
以下、特に図128(b)に示す送信電力に差がないパターンの場合について説明する。
図129は、実施の形態H3の図119に示すサブフレーム構造の場合を示す。V−SISOサブフレームとV/V−MISOサブフレームの切替時においても、偏波一定・送信電力の変化なしになることが分かる。
図130は、図129のサブフレーム構造に対して、V−SISOサブフレームとV/V−MISOサブフレームの順序を入れ替えた場合を示す。引き続き、フレーム内において偏波または送信電力の変化が発生するのは、V/H−MIMOサブフレームへの切替点のみであることが分かる。よって、受信側で特にAGC処理に対する影響を防止するためには、SISOとMISO/MIMOに無関係に、偏波一定かつ送信電力に差がないものどうしを前後のサブフレームとすればよいことが分かる。これにより、サブフレーム順序の自由度が上がる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、更に送信電力切替パターンも考慮して、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、更に送信電力切替パターンも考慮して、フレーム内の適切なサブフレーム順序を有したサブフレーム構造を設けることができる。
また、図131は、実施の形態H3の図120に示すサブフレーム構造の場合を示し、V/V−MISOサブフレームとV/H−MIMOサブフレームとの順序を入れ替えている。これにより、フレーム内において偏波または送信電力の変化が発生するのは、V/H−MIMOサブフレームへの切替点のみになる。
図132は、図131のサブフレーム構造に対して、V/V−MISOサブフレームとV−SISOサブフレームとの順序を入れ替えた場合を示す。引き続き、フレーム内において偏波または送信電力の変化が発生するのは、V/H−MIMOサブフレームへの切替点のみになることが分かる。
よって、受信側で特にAGC処理に対する影響を防止するためには、SISOとMISO/MIMOに無関係に、偏波一定かつ送信電力に差がないものどうしを前後のサブフレームとすればよいことが分かる。これにより、サブフレーム順序の自由度が上がる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造における適切なサブフレーム順序により、偏波及び送信電力の変化点を削減して受信性能の劣化を抑圧することができる。また、サブフレーム順序の自由度を上げることができる。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2で説明した点に加えて、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、特にAGC処理が追従困難な受信電力の瞬時的変化の頻度が削減されている。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図129〜図132をサブフレーム構造の例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態H8)
実施の形態H7において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H7に対して、受信側で伝送路推定向上を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図133は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H7の図130で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、各サブフレーム先頭OFDMシンボルにsub-frame starting symbolを、各サブフレーム最終OFDMシンボルにsub-frame closing symbolを適用した送信フレーム構造である。但し、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolはサブフレーム毎に独立に設定する、しないを選択してもよいし、各サブフレーム内においてsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを互いに独立に設定する、しないを選択してもよい。
実施の形態F2の図107に示した通り、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けると、これらのOFDMシンボルには、SPが存在するサブキャリア位置、すなわち時間方向の補間処理を行うサブキャリア位置全てにSPが存在する。よって、サブフレームの先頭部分と最終部分の補間精度を改善することができる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを設けてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH7で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH7で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造により、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)がサブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図133を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態H9)
実施の形態H1において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H1に対して、受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGCの高速追従を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図134は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H1の図115で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造である。
AGC同期用プリアンブルに求められる性質は、好ましくは以下の4点である。
(1)短い時間長の信号(オーバーヘッド削減のため)
(2)サブフレームに対して、できるだけ多くの周波数域の成分を含む信号
(3)時間領域で振幅ができるたけ一定である信号(AGC高速同期のため)
(4)相関性の高い信号(マルチパス環境でも、相関による高いマッチング性のため)
これらの性質を満たす信号として、例えば、チャープ信号が挙げられる。具体的には、位相特性が周波数及び時間の2次関数で表されるチャープ信号である。但し、AGC同期用プリアンブルはチャープ信号に限らない。
このAGC同期用プリアンブルにより、送信アンテナ数が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
実施の形態H1で示した図116のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
なお、図134の送信フレーム構造では、L1シグナリングデータを送信するP2シンボルが1アンテナ送信(SISO)である例を示した。一方P2シンボルが複数アンテナ送信(MISO、MIMO)である場合も同様にして、図134の送信フレーム構造の例と同じ効果を得ることができる。具体的には、実施の形態H1の図117で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造である。これを図135に示す。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、受信側におけるAGC性能の向上を可能とする。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH1で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH1で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、AGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、送信アンテナ数が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また、図134、図135を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態H10)
実施の形態H3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H3に対して、受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGCの高速追従を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図136は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H3の図119で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数や偏波の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造である。AGC同期用プリアンブルとしては実施の形態H9と同じく、チャープ信号が挙げられるが、これに限らない。
このAGC同期用プリアンブルにより、送信アンテナ数や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
なお、図136の送信フレーム構造では、L1シグナリングデータを送信するP2シンボルがV−SISO送信である例を示した。一方P2シンボルが例えばV/V−MISO送信である場合も同様にして、図136の送信フレーム構造の例と同じ効果を得ることができる。具体的には、実施の形態H3の図120で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮、適切なサブフレーム順序)に基づいたサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数や偏波の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造である。これを図137に示す。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、受信側におけるAGC性能の向上を可能とする。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH3で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH3で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、AGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、送信アンテナ数や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図136、図137を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態H11)
実施の形態H5において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H5に対して、受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGCの高速追従を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図123〜図126は、実施の形態H5における送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造である。これらの図より、送信電力の変化点が存在しないことが分かる。よって、実施の形態H9〜H10のようなAGC同期用プリアンブルが不要であることが分かる。
以上より、送信電力の変化点が存在しない場合には、AGC同期用プリアンブルを適用しなくてもよい。但し、送信電力の変化点が存在する場合には、AGC同期用プリアンブルを適用してもよい。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、送信電力の変化点が存在しない場合には、AGC同期用プリアンブルを適用しなくてもよい。但し、送信電力の変化点が存在する場合には、AGC同期用プリアンブルを適用してもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、送信電力の変化点が存在しない場合には、AGC同期用プリアンブルを適用しなくてもよい。但し、送信電力の変化点が存在する場合には、AGC同期用プリアンブルを適用してもよい。
以上に示した送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH5で説明した点に加えて、フレーム構成部7610は、送信アンテナ数の変化点が存在しない場合には、AGC同期用プリアンブルを適用しなくてもよい。但し、送信電力の変化点が存在する場合には、AGC同期用プリアンブルを適用してもよい。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH5で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、以上に示した送信フレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、送信電力が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また、図123〜図126を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態H12)
実施の形態H7において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H7に対して、受信電力の瞬時的変化に対して、受信側で特にAGCの高速追従を可能とする送信フレーム構造に関して説明する。
図138は、本実施の形態における送信フレーム構造を示す図である。具体的には、実施の形態H7の図129で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造に対して、送信電力や偏波の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造である。AGC同期用プリアンブルとしては実施の形態H9と同じく、チャープ信号が挙げられるが、これに限らない。
このAGC同期用プリアンブルにより、送信電力や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
実施の形態E1で示した図78のようにSignalling PLP(7801)を設け、DVB−T2規格以外の規格で必要となる制御情報(一部でもよい、つまり、L1 Post-Signalling dataとSignalling PLPの両者で伝送する)を伝送する場合も同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
また、実施の形態E1で示した図83のように第1 Signalling data(8301)、第2 Signalling data(8302)を用いるフレーム構成の場合でも同様にして、AGC同期用プリアンブルを設けてもよい。
なお、実施の形態H7の図130〜図132で示した送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造に対しても、それぞれ送信電力や偏波の変化点となるサブフレーム先頭OFDMシンボルにAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造とすることで、それぞれ図138の送信フレーム構造の例と同じ効果を得ることができる。これらをそれぞれ、図139〜図141に示す。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、受信側におけるAGC性能の向上を可能とする。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し、実施の形態E1及びH7で説明した点に加えて、フレーム構成部7610が以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したAGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し、実施の形態E2及びH7で説明した点に加えて、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、AGC同期用プリアンブルを用いた送信フレーム構造により、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y)において、送信電力や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
なお、本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また、図138〜図141を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また、異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
なお、以上の実施の形態H1〜H12において、フレームに対するサブフレーム構造を示した。同様にして、スーパーフレームに対するフレーム構造など、長いフレームに対する短いフレーム構造に対して、以上の実施の形態H1〜H12の内容を適用してもよい。
実施の形態H1〜H12の内容をスーパーフレームに対して適用するとは、当業者であれば当然に理解できるものであるが、具体的に一例を説明すると、DVB−T2規格におけるスーパーフレームを構成する各T2フレームおよびFEF(Future Extension Frames)を、上記実施の形態H1〜H12に示したサブフレームとみなし、一つのT2フレームあるいはFEFとして送信するデータは、SISO用、MISOおよび/またはMIMO用のいずれかに固定することを意味する。そして、送信装置は、SISO用のデータを集めたSISOフレーム、MISOおよび/またはMIMO用のデータを集めたMISO/MIMOフレームのいずれであっても、各フレームを構成する制御シンボルとこれに続くデータシンボルについて、両シンボルの送信に用いる、(1)アンテナの本数、(2)アンテナの偏波極性、(3)アンテナの送信電力、(4)アンテナの偏波極性と送信電力のいずれかが一致するように設定して、送信する。
なお、上記実施の形態H1〜H12においてはサブフレーム間の区切りを明確にするためにstarting symbolとclosing symbolとを挿入することとした。フレーム単位でみた場合には、受信側がフレームの先頭を特定しやすいP1シンボルがフレームの先頭に挿入され、続いて他のOFDMシンボルよりSP密度の高いP2シンボルが挿入されているため、starting symbolの挿入が不要となることは、本発明に係る分野において通常の知識を有するものであれば、理解できることは言うまでもない。ただし、不要とは言うものの、これは、十分にフレーム間の区別が可能であるために不要であると記載しているに過ぎず、通信の確実性や安定性を鑑みて、挿入することとしても不都合はない。その場合には、フレームの先頭(P1シンボルの前)にstarting symbolを挿入すればよい。
(実施の形態J1)
実施の形態F1の図103(b)に示すように、今後の規格に望まれることとして、
・PLP毎に独立に1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすること
・更に、P2シンボルで送信されるL1シグナリングデータも、1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすること
を挙げた。これを実現するためには、制御情報を伝送するL1シグナリングデータが新たに必要である。本実施の形態では、実施の形態F1に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態E1の表2に示すように、DVB−T2規格ではP1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により、
・フレーム全体で1アンテナ送信 (T2_SISO)
・フレーム全体で複数アンテナ送信 (T2_MISO)
・DVB−T2規格以外の信号 (NOT_T2)
が定義されている。
現在の規格から今後の規格へスムーズに移行するためには、DVB−T2規格と今後の規格(例えばDVB−T3、DVB−T4)を時分割多重で伝送可能とし、P1シンボルを用いてこれらを識別できるようにする必要がある。例えばDVB−T3において、実施の形態F1の図103(b)に示す伝送方法を満たすためには、DVB−T2規格の定義とは異なり、S1の制御情報がフレーム全体の送信アンテナ数を示すことはできない。
この課題に対する解決策として、図142(a)にS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータが1アンテナ送信 (T3_L1_SISO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(MISO)送信 (T3_L1_MISO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(MIMO)送信 (T3_L1_MIMO)
を新たに設ける。そして、実施の形態E1の表3〜表5に示すように、PLP毎の送信方法(SISO、MISO、MIMO)をL1シグナリングデータで伝送する。
更に、実施の形態F1の図104〜図105に示すようなサブフレーム構造に関する制御情報を図142(b)に示す。サブフレーム数(NUM_SUB-FRAME)と、各サブフレームのタイプ(SUB-FRAME_TYPE)、各サブフレームのOFDMシンボル数(SUB-FRAME_NUM_SYMBOLS)、各サブフレームのSP配置パターン(SUB-FRAME_PILOT_PATTERN)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、サブフレーム構造を示すことができる。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータの定義により、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信の混在を実現可能とする。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF1で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608、P1シンボル挿入部7622が以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF1で説明した点に以下の処理が加わる。フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在した場合でも、P1シンボル検出、復調部8601がS1を復号し、L1シグナリングデータの送信方法(SISO、MISO、MIMO)を得る。得られたL1シグナリングデータの送信方法に基づき、L1シグナリングデータを復号して、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はPLP毎の送信方法(SISO、MISO、MIMO)及びサブフレーム構造に関する情報を得る。
得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、復調と選局されたPLPの復号が行われる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態J2)
実施の形態F2において、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造について説明した。本実施の形態では、実施の形態F2に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態F2の図106に示すようなsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いたサブフレーム構造に関する制御情報を図143(b)に示す。サブフレーム数(NUM_SUB-FRAME)と、各サブフレームのsub-frame starting symbolの有無(SUB-FRAME_STARTING_SYMBOL)、各サブフレームのsub-frame closing symbolの有無(SUB-FRAME_CLOSING_SYMBOL)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いたサブフレーム構造を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、受信側における伝送路推定精度の向上を可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF2で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF2で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのsub-frame starting symbolの有無とsub-frame closing symbolの有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)はsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを活用して、サブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態J3)
実施の形態F1において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態F1に対して、受信側で送信アンテナ数の変化点を容易に検出可能とするL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態F1の図104に示すサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数の変化点を追記した図を図144に示す。図144より、複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレーム先頭と、1アンテナ送信(SISO)サブフレーム先頭が送信アンテナ数の変化点である。
図145(a)に、これに対するL1シグナリングデータを示す。このL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_XIXO_MIXTURE)は、L1シグナリングデータと全PLPが
・SISOのみ存在 (= 0)
・MISO/MIMOのみ存在 (= 1)
・SISOとMISO/MIMO混在 (= 2)
であることを示す。よってL1_ALLPLPS_XIXO_MIXTURE = 0, 1は、送信アンテナ数の変化点が存在しないことを示す。
一方図144に示すサブフレーム構造の場合には、ALLPLPS_XIXO_MIXTURE = 2であり、送信アンテナ数の変化点が存在することを示す。この場合には、実施の形態J2の図142(b)に示すサブフレームに関する制御情報により、送信アンテナ数の変化点である複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレーム先頭及び1アンテナ送信(SISO)サブフレーム先頭位置が分かる。
なお、以上のL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_XIXO_MIXTURE)を、P1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により送信してもよい。例えば、L1シグナリングデータの送信方法(SISO、MISO、MIMO)が一意に決まっている場合が好適である。図145(b)に、これに対するS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータと全PLPが1アンテナ送信 (T3_SISO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPが複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_MIXO_only)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、1アンテナ送信と複数アンテナ(MISO/MIMO)送信が混在 (T3_SISO & MIXO_mixed)
を新たに設ける。よってT3_SISO_only, T3_MIXO_onlyは、送信アンテナ数の変化点が存在しないことを示す。一方図144に示すサブフレーム構造の場合には、T3_SISO & MIXO_mixedであり、送信アンテナ数の変化点が存在することを示す。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報の定義により、受信側における送信アンテナ数の変化点を容易に検出可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF1で説明した点に加えて、制御信号生成部7608、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)またはP1シンボル挿入部7622が、以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF1で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、またはP1シンボル検出、復調部8601がS1を復号し、送信アンテナ数の変化点有無に関する情報を得る。送信アンテナ数の変化点が存在する場合、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603は更に図142(b)に示すサブフレームに関する制御情報を得て、送信アンテナ数の変化点(タイミング)を検出することができる。得られた送信アンテナ数の変化点(タイミング)において、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)は、特にAGC処理を高速化してもよい。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態J4)
実施の形態F3において、送信アンテナのコンフィギュレーション(偏波も考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態F3に対して、受信側で送信アンテナ数または偏波の変化点を容易に検出可能とするL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態F3の図109に示すサブフレーム構造に対して、送信アンテナ数または偏波の変化点を追記した図を図146に示す。図146より、V/H−MIMOサブフレーム先頭、V/V−MISOサブフレーム先頭、V−SISOサブフレーム先頭が送信アンテナ数または偏波の変化点である。
図147(a)に、これに対するL1シグナリングデータを示す。このL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_Y/Z_XIXO_MIXTURE)は、L1シグナリングデータと全PLPが
・SISOのみ存在 (= 0)
・V/V−MIXOのみ存在 (= 1)
・V/H−MIXOのみ存在 (= 2)
・SISO、V/V−MIXO、V/H−MIXOの内、2つ以上混在 (= 3)
であることを示す。ここで、MIXOはMISOあるいはMIMOを示す。よってL1_ALLPLPS_Y/Z_XIXO_MIXTURE = 0, 1, 2は、送信アンテナ数及び偏波の変化点が存在しないことを示す。
一方図146に示すサブフレーム構造の場合には、ALLPLPS_XIXO_Y/Z_MIXTURE = 3であり、送信アンテナ数または偏波の変化点が存在することを示す。この場合には、L1シグナリングデータにサブフレーム構造に関する制御情報が含まれていれば、送信アンテナ数または偏波の変化点であるV/H−MIMOサブフレーム先頭、V/V−MISOサブフレーム先頭、V−SISOサブフレーム先頭位置が分かる。
なお、以上のL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_Y/Z_XIXO_MIXTURE)を、P1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により送信してもよい。例えば、L1シグナリングデータの送信方法(V―SISO、H−SISO、V/V−MISO、V/H−MISO、V/V−MIMO、V/H−MIMO)が一意に決まっている場合が好適である。図147(b)に、これに対するS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータと全PLPが1アンテナ送信 (T3_SISO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPがV/Vによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_V/V-MIXO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPがV/Hによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_V/H-MIXO_only)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、1アンテナ送信、V/Vによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信、V/Hによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信が混在 (T3_SISO & V/V-MIXO & V/H-MIXO_mixed)
を新たに設ける。よってT3_SISO_only, T3_V/V-MIXO_only, T3_V/H-MIXO_onlyは、送信アンテナ数及び偏波の変化点が存在しないことを示す。一方図146に示すサブフレーム構造の場合には、T3_SISO & V/V-MIXO & V/H-MIXO_mixedであり、送信アンテナ数または偏波の変化点が存在することを示す。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報の定義により、受信側における送信アンテナ数または偏波の変化点を容易に検出可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF3で説明した点に加えて、制御信号生成部7608、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)またはP1シンボル挿入部7622が、以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF3で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、またはP1シンボル検出、復調部8601がS1を復号し、送信アンテナ数または偏波の変化点有無に関する情報を得る。送信アンテナ数または偏波の変化点が存在する場合、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603は更にサブフレーム構造に関する情報を得て、送信アンテナ数または偏波の変化点(タイミング)を検出することができる。得られた送信アンテナ数または偏波の変化点(タイミング)において、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)は、特にAGC処理を高速化してもよい。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図146をサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態J5)
実施の形態H5において、送信アンテナのコンフィギュレーションに基づいたサブフレーム構造(適切なサブフレーム順序、送信電力切替パターンも考慮)を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H5に対して、受信側で送信電力の変化点を容易に検出可能とするL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態H5の図124に示すサブフレーム構造に対して、図122(a)に示すパターン1(SISOとMISO/MIMOの送信電力に差あり)の場合について、送信電力の変化点を追記した図を図148Aに示す。図148Aより、複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレーム先頭と、1アンテナ送信(SISO)サブフレーム先頭が送信電力の変化点である。
一方、実施の形態H5の図124は、図122(b)に示すパターン2(SISOとMISO/MIMOの送信電力に差なし)の場合について、送信電力の変化点を追記した図である。これを再度、図148Bに示す。図148Bより、複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレーム先頭と、1アンテナ送信(SISO)サブフレーム先頭においても、送信電力が変化しないことが分かる。
図149A(a)に、これらに対するL1シグナリングデータを示す。このL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF)は、L1シグナリングデータと全PLPが
・SISOのみ存在 (= 0)
・MISO/MIMOのみ存在 (= 1)
・SISOとMISO/MIMO混在(送信電力差なし)(= 2)
・SISOとMISO/MIMO混在(送信電力差あり)(= 3)
であることを示す。よってL1_ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 0, 1, 2は、送信電力の変化点が存在しないことを示す。図148Bに示すサブフレーム構造の場合には、L1_ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 2である。
一方図148Aに示すサブフレーム構造の場合には、ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 3であり、送信電力の変化点が存在することを示す。この場合には、実施の形態J2の図142(b)に示すサブフレームに関する制御情報により、送信電力の変化点になり得る複数アンテナ送信(MISO、MIMO)サブフレーム先頭及び1アンテナ送信(SISO)サブフレーム先頭位置が分かる。
図149A(b)に、サブフレームに関する制御情報を示す。実施の形態J1の図142(b)と比較して、各サブフレームのタイプ(SUB-FRAME_TYPE)が異なる。具体的には、SUB-FRAME_TYPEに送信電力に関する情報を含めて、L1シグナリングデータで伝送する。これにより、各サブフレームの先頭位置が送信電力の変化点か否かが識別可能となる。
なお、図149A(a)のL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF)を、P1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により送信してもよい。例えば、L1シグナリングデータの送信方法(SISO、MISO、MIMO)が一意に決まっている場合が好適である。図149B(c)に、これに対するS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータと全PLPが1アンテナ送信 (T3_SISO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPが複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_MIXO_only)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、1アンテナ送信と複数アンテナ(MISO/MIMO)送信が混在(送信電力差なし)(T3_SISO & MIXO_mixed_nopwrdiff)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、1アンテナ送信と複数アンテナ(MISO/MIMO)送信が混在(送信電力差あり)(T3_SISO & MIXO_mixed_pwrdiff)
を新たに設ける。よってT3_SISO_only, T3_MIXO_only, T3_SISO & MIXO_mixed_nopwrdiffは、送信電力の変化点が存在しないことを示す。図148Bに示すサブフレーム構造の場合には、T3_SISO & MIXO_mixed_nopwrdiffである。
一方図148Aに示すサブフレーム構造の場合には、T3_SISO & MIXO_mixed_pwrdiffであり、送信電力の変化点が存在することを示す。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報の定義により、受信側における送信電力の変化点を容易に検出可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH5で説明した点に加えて、制御信号生成部7608、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)またはP1シンボル挿入部7622が、以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH5で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、またはP1シンボル検出、復調部8601がS1を復号し、送信電力の変化点有無に関する情報を得る。送信電力の変化点が存在する場合、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603は更に図149A(b)に示すサブフレーム構造に関する情報を得て、送信電力の変化点(タイミング)を検出することができる。得られた送信電力の変化点(タイミング)において、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)は、特にAGC処理を高速化してもよい。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態J6)
実施の形態H7において、送信アンテナのコンフィギュレーション(適切なサブフレーム順序、偏波を考慮、送信電力切替パターンも考慮)に基づいたサブフレーム構造を適用する場合について説明した。本実施の形態では、実施の形態H7に対して、受信側で送信電力または偏波の変化点を容易に検出可能とするL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態H7の図130に示すサブフレーム構造に対して、図128(a)に示すパターン
1(SISOとMISO/MIMOの送信電力に差あり、偏波も考慮)の場合について、送信電力または偏波の変化点を追記した図を図150Aに示す。図150Aより、V/V−MISOサブフレーム先頭、V−SISOサブフレーム先頭、V/H−MIMOサブフレーム先頭が送信電力または偏波の変化点である。
一方、実施の形態H7の図130は、図128(b)に示すパターン2(SISOとMISO/MIMOの送信電力に差なし、偏波も考慮)の場合について、送信電力または偏波の変化点を追記した図である。これを再度、図150Bに示す。図150Bより、V/H−MIMOサブフレーム先頭のみが送信電力または偏波の変化点であることが分かる。
図151(a)に、これらに対するL1シグナリングデータを示す。このL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_Y/Z_XIXO_PWRDIFF)は、L1シグナリングデータと全PLPが
・SISOのみ存在 (= 0)
・V/V−MIXOのみ存在 (= 1)
・V/H−MIXOのみ存在 (= 2)
・SISOと、V/V-MIXOあるいはV/H-MIXOの2つが混在 (送信電力差なし) (= 3)
・SISOと、V/V-MIXOあるいはV/H-MIXOの2つが混在 (送信電力差あり) (= 4)
・少なくとも、V/V-MIXOとV/H-MIXOの2つが混在 (= 5)
であることを示す。ここで、MIXOはMISOあるいはMIMOを示す。よってL1_ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 0, 1, 2, 3は、送信電力及び偏波の変化点が存在しないことを示す。
一方ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 4, 5は送信電力及び偏波の変化点が存在することを示し、図150A及び図150Bに示すサブフレーム構造の場合には、ALLPLPS_XIXO_PWRDIFF = 5である。この場合には、L1シグナリングデータにサブフレーム構造に関する制御情報が含まれていれば、送信電力または偏波の変化点であるサブフレーム先頭位置が分かる。
なお、図151(a)のL1シグナリングデータ(L1_ALLPLPS_Y/Z_XIXO_PWRDIFF)をP1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により送信してもよい。例えば、L1シグナリングデータの送信方法(V―SISO、H−SISO、V/V−MISO、V/H−MISO、V/V−MIMO、V/H−MIMO)が一意に決まっている場合が好適である。図151(b)に、これに対するS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータと全PLPが1アンテナ送信 (T3_SISO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPがV/Vによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_V/V-MIXO_only)
・L1シグナリングデータと全PLPがV/Hによる複数アンテナ(MISO/MIMO)送信 (T3_V/H-MIXO_only)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、一つの変調信号送信と、V/V-MIXOあるいはV/H-MIXOを用いた送信の2つが混在、それらの送信電力差なし (T3_SISO & V/V or V/H-MIXO_mixed_nopwrdiff)
・L1シグナリングデータ及びPLPにより、以下の送信
(1)少なくとも、V/V-MIXOとV/H-MIXOの2つが混在(2)一つの変調信号送信と、V/V-MIXOあるいはV/H-MIXOを用いた送信の2つが混在、それらの送信電力差あり (T3_V/V- & V/H-MIXO_mixed OR T3_SISO & V/V- or V/H-MIXO_mixed_pwrdiff)
を新たに設ける。よってT3_SISO_only, T3_V/V-MIXO_only, T3_V/H-MIXO_only, T3_SISO & V/V or V/H-MIXO_mixed_nopwrdiffは、送信電力または偏波の変化点が存在しないことを示す。
一方図150A及び図150Bに示すサブフレーム構造の場合には、T3_V/V- & V/H-MIXO_mixed OR T3_SISO & V/V- or V/H-MIXO_mixed_pwrdiffであり、送信電力または偏波の変化点が存在することを示す。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報の定義により、受信側における送信電力の変化点を容易に検出可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH7で説明した点に加えて、制御信号生成部7608、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)またはP1シンボル挿入部7622が、以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータまたはS1の制御情報を生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH7で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、またはP1シンボル検出、復調部8601がS1を復号し、送信電力または偏波の変化点有無に関する情報を得る。送信電力または偏波の変化点が存在する場合、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603は更にサブフレーム構造に関する情報を得て、送信電力または偏波の変化点(タイミング)を検出することができる。得られた送信電力の変化点(タイミング)において、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)は、特にAGC処理を高速化してもよい。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図150A及び図150Bをサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態J7)
実施の形態H9において、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造について説明した。本実施の形態では、実施の形態H9に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態H9の図134〜図135に示すようなAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造に関する制御情報を図152(a)に示す。AGC同期用プリアンブル有無(AGC_PREAMBLE)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、送信アンテナ数が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH9で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH9で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのAGC同期用プリアンブル有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)はAGC同期用プリアンブルを活用して、送信アンテナ数の変化点(タイミング)において、AGCの高速追従を行うことができる
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
(実施の形態J8)
実施の形態H10において、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮)について説明した。本実施の形態では、実施の形態H10に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態H10の図136〜図137に示すようなAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮)に関する制御情報は、実施の形態J7と同じく図152(a)に示される。AGC同期用プリアンブル有無(AGC_PREAMBLE)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮)を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、送信アンテナ数や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH10で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH10で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのAGC同期用プリアンブル有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)はAGC同期用プリアンブルを活用して、送信アンテナ数や偏波の変化点(タイミング)において、AGCの高速追従を行うことができる
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図136、図137を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態J9)
実施の形態H11において、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(送信電力切替パターンも考慮)について説明した。本実施の形態では、実施の形態H11に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
図123〜図126に示すように、実施の形態H11においては送信電力の変化点が存在せず、AGC同期用プリアンブルを適用しなくてもよい例を示した。しかしながら送信電力の変化点が存在する場合には、AGC同期用プリアンブルの適用が必要である。AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(送信電力切替パターンも考慮)に関する制御情報は、実施の形態J7と同じく図152(a)に示される。AGC同期用プリアンブル有無(AGC_PREAMBLE)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(送信電力切替パターンも考慮)を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、送信電力が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH11で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH11で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのAGC同期用プリアンブル有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)はAGC同期用プリアンブルを活用して、送信電力の変化点(タイミング)において、AGCの高速追従を行うことができる
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、1アンテナ送信と複数アンテナ送信を混在させて送信、受信する場合に適用可能である。
また図123〜図126を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らない。
(実施の形態J10)
実施の形態H12において、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮、送信電力切替パターンも考慮)について説明した。本実施の形態では、実施の形態H12に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータにについて説明する。
実施の形態H12の図138〜図141に示すようなAGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮、送信電力切替パターンも考慮)に関する制御情報は、実施の形態J7と同じく図152(a)に示される。AGC同期用プリアンブル有無(AGC_PREAMBLE)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、AGC同期用プリアンブルを適用した送信フレーム構造(偏波も考慮、送信電力切替パターンも考慮)を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、送信電力や偏波が変化した場合でもAGCの高速追従が可能となる。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びH12で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びH12で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのAGC同期用プリアンブル有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、OFDM方式関連処理部(8600_X、8600_Y、8601_X、8601_Y)はAGC同期用プリアンブルを活用して、送信電力や偏波の変化点(タイミング)において、AGCの高速追従を行うことができる
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図138〜図141を送信フレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
なお、以上の実施の形態J1〜J10において、フレームに対する
サブフレーム構造を示した。同様にして、スーパーフレームに対する
フレーム構造など、長いフレームに対する短いフレーム構造に対して、
以上の実施の形態J1〜J10の内容を適用してもよい。
実施の形態J1〜J10の内容をスーパーフレームに対して適用するとは、当業者であれば当然に理解できるものであるが、具体的に一例を説明すると、DVB−T2規格におけるスーパーフレームを構成する各T2フレームおよびFEF(Future Extension Frames)を、上記実施の形態J1〜J10に示したサブフレームとみなし、一つのT2フレームあるいはFEFとして送信するデータは、SISO用、MISOおよび/またはMIMO用のいずれかに固定することを意味する。そして、各フレームで送信する送信データは、SISO用データを集めたもの、あるいは、MISOおよび/またはMIMO用データを集めたものから生成されたフレームであることとしてもよい。
(実施の形態K1)
実施の形態F1の図103(b)に示すように、今後の規格に望まれることとして、
・PLP毎に独立に1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすること
・更に、P2シンボルで送信されるL1シグナリングデータも、1アンテナ送信または複数アンテナ送信を選択可能とすること
を挙げた。これを実現するためには、制御情報を伝送するL1シグナリングデータが新たに必要である。本実施の形態では、実施の形態F3(偏波も考慮)に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータについて説明する。
実施の形態E1の表2に示すように、DVB−T2規格ではP1シンボルを用いて、S1の制御情報(3ビットの情報)により、
・フレーム全体で1アンテナ送信 (T2_SISO)
・フレーム全体で複数アンテナ送信 (T2_MISO)
・DVB−T2規格以外の信号 (NOT_T2)
が定義されている。
現在の規格から今後の規格へスムーズに移行するためには、DVB−T2規格と今後の規格(例えばDVB−T3、DVB−T4)を時分割多重で伝送可能とし、P1シンボルを用いてこれらを識別できるようにする必要がある。例えばDVB−T3において、実施の形態F1の図103(b)に示す伝送方法を満たすためには、DVB−T2規格の定義とは異なり、S1の制御情報がフレーム全体の送信アンテナ数を示すことはできない。
この課題に対する解決策として、図153A(a)にS1の制御情報(3ビットの情報)を示す。実施の形態E1の表2に加えて、例えばDVB−T3規格の定義として、
・L1シグナリングデータが1アンテナ送信 (T3_L1_SISO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(V/V-MISO)送信 (T3_L1_V/V-MISO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(V/H-MISO)送信 (T3_L1_V/V-MISO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(V/V-MIMO)送信 (T3_L1_V/V-MIMO)
・L1シグナリングデータが複数アンテナ(V/H-MIMO)送信 (T3_L1_V/H-MIMO)
を新たに設ける。そして、PLP毎の送信方法(V−SISO、H−SISO、V/V−MISO、V/H−MISO、V/V−MIMO、V/H−MIMO)として、実施の形態E1の表3〜表5と、図153B(c)に示す制御情報をL1シグナリングデータで伝送する。
更に、実施の形態F3の図109に示すようなサブフレーム構造に関する制御情報を図153A(b)に示す。サブフレーム数(NUM_SUB-FRAME)と、各サブフレームのタイプ(SUB-FRAME_TYPE)、各サブフレームのOFDMシンボル数(SUB-FRAME_NUM_SYMBOLS)、各サブフレームのSP配置パターン(SUB-FRAME_PILOT_PATTERN)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、サブフレーム構造(偏波も考慮)を示すことができる。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータの定義により、フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信の混在(偏波も考慮)を実現可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF3で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608、P1シンボル挿入部7622が以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF3で説明した点に以下の処理が加わる。フレーム内に1アンテナ送信と複数アンテナ送信が混在(偏波も考慮)した場合でも、P1シンボル検出、復号部8601がS1を復号し、L1シグナリングデータの送信方法(SISO、MISO、MIMO)を得る。得られたL1シグナリングデータの送信方法に基づき、L1シグナリングデータを復号して、P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はPLP毎の送信方法(SISO、MISO、MIMO)及びサブフレーム構造に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、復調と選局されたPLPの復号が行われる。
図154A(b)は、実施の形態F3の図108B(b)で示した既存の送信アンテナを活用したDistributed-MISOにおいて、V/H受信機にとってのV/V−MISO送信を示す。両送信アンテナともV偏波で送信されるため、V/H受信機においてH偏波アンテナで受信した系統は受信レベルが極めて低い。よってV/V−MISO送信を受信する際には、H偏波アンテナで受信した系統の処理を停止することにより、消費電力低減を図ることが望まれる。本実施の形態に示したS1の制御情報とL1シグナリングデータにより、それが可能となる。
図86〜図88で示される受信装置において、S1の制御情報を復号し、L1シグナリングデータがV/V−MISO送信である場合には、L1シグナリングデータの復号処理において、H偏波アンテナで受信した系統(例えば、アンテナ701_Yの系統)の処理を停止する。また選局されたPLPがV/V−MISO送信である場合には、その選局PLPの復号処理において、H偏波アンテナで受信した系統(例えば、アンテナ701_Yの系統)の処理を停止する。以上により、消費電力を低減できる。
なお、V/H受信機において、V偏波アンテナを接続する端子と、H偏波アンテナを接続する端子とで、コネクタの色、形状等を変更し、受信アンテナの系統と偏波特性とを対応付けるとしてもよい。
また、V/H受信機は、S1の制御情報またはL1シグナリングデータがV/V−MISO送信であると示しているデータを受信する場合に、受信アンテナの系統のそれぞれの受信レベル、S/N比等の受信品質を比較するとしてもよい。このようにすることで、V/H受信機は、H偏波アンテナで受信する系統を判定することができる。
なお、V/H受信機は、S1の制御情報およびL1シグナリングデータによらず、受信アンテナの系統のそれぞれの受信品質の比較によって、受信しているMISO送信がV/V−MISO送信であるか否かの判定を行ってもよい。
一方図154B(c)は、実施の形態F3の図108C(c)で示したCo-sited-MIMOにおいて、V/H受信機にとってのV/H−MISO送信を示す。送受信2アンテナともV/H偏波であるため、偏波ダイバーシティ効果を得られるという効果を有する。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図109をサブフレーム構造の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
(実施の形態K2)
実施の形態F4において、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いた送信フレーム構造(偏波も考慮)について説明した。本実施の形態では、実施の形態F4に対して、新たに必要となるL1シグナリングデータについて説明する。
実施の形態F4の図110に示すようなsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いたサブフレーム構造(偏波も考慮)に関する制御情報は、実施の形態J2と同じく図143(b)で示される。サブフレーム数(NUM_SUB-FRAME)と、各サブフレームのsub-frame starting symbol有無(SUB-FRAME_STARTING_SYMBOL)、各サブフレームのsub-frame closing symbol有無(SUB-FRAME_CLOSING_SYMBOL)をL1シグナリングデータで伝送する。これにより、sub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを用いたサブフレーム構造(偏波も考慮)を示すことができる。
以上に示したL1シグナリングデータの定義により、受信側における伝送路推定向上を可能とする。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信装置の構成は、図76または図85で示される。但し実施の形態E1及びF4で説明した点に加えて、P2シンボル信号生成部7605(制御シンボル信号生成部8502)、制御信号生成部7608が以上に示したL1シグナリングデータを生成する。
ここで特徴的な点は、送信方法として、プリコーディング後(または、プリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う送信方法が選択されたとき、信号処理部7612は、図6、図25、図26、図27、図28、図29、図69と同様に、プリコーディング後(またはプリコーディングおよびベースバンド信号入れ替え後)の信号に位相変更を行う処理を行い、この信号処理を行われた信号が、信号処理後の変調信号1(7613_1)および信号処理後の変調信号2(7613_2)となる。但し、この送信方法を選択しなくてもよい。
以上に示したL1シグナリングデータを生成する送信方法及び送信装置に対する受信装置の構成は、図86〜図88で示される。但し実施の形態E2及びF4で説明した点に以下の処理が加わる。P2シンボル(Signalling PLPを含む場合もある。)復調部8603はL1シグナリングデータを復号して、各サブフレームのsub-frame starting symbol有無とsub-frame closing symbol有無に関する情報を得る。得られたこれらのL1シグナリングデータに基づき、チャネル変動推定部(705_1、705_2、707_1、707_2)はsub-frame starting symbolとsub-frame closing symbolを活用して、サブフレームの先頭部分と最終部分のチャネル変動を精度よく推定することができる。
なお本実施の形態において、DVB−T2規格をベースに説明したが、これに限らず、偏波の異なる送信方法をサポートする場合に適用可能である。
また図110をサブフレーム構造(偏波も考慮)の一例として示したが、これに限らず、H−SISOサブフレーム、V/V−MIMOサブフレーム、V/H−MISOサブフレームを含んで構成してもよい。
また異なる偏波として、V偏波とH偏波で説明したが、これに限らない。
なお、以上の実施の形態K1〜K2において、フレームに対するサブフレーム構造を示した。同様にして、スーパーフレームに対するフレーム構造など、長いフレームに対する短いフレーム構造に対して、以上の実施の形態K1〜K2の内容を適用してもよい。
実施の形態K1〜K2の内容をスーパーフレームに対して適用するとは、当業者であれば当然に理解できるものであるが、具体的に一例を説明すると、DVB−T2規格におけるスーパーフレームを構成する各T2フレームおよびFEF(Future Extension Frames)を、上記実施の形態K1〜K2に示したサブフレームとみなし、一つのT2フレームあるいはFEFとして送信するデータは、SISO用、MISOおよび/またはMIMO用のいずれかに固定することを意味する。そして、各フレームで送信する送信データは、SISO用データを集めたもの、あるいは、MISOおよび/またはMIMO用データを集めたものから生成されたフレームであることとしてもよい。