以下、本発明について実施形態をもって説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の通信システムの一実施形態を示す図である。通信システム100は、伝送端末10a〜10hと、表示装置20a〜20hと、中継装置30a〜30dと、通信管理装置40と、ルータ50a,ルータ50b,ルータ50ab,ルータ50c,ルータ50d,ルータ50cdとを含んで構成される。通常、1の拠点について1の伝送端末10a〜10hが設置される。
伝送端末10a〜10hは、他拠点の伝送端末10a〜10h、中継装置30a〜30dおよび通信管理装置40との間で、ルータ50a,ルータ50b,ルータ50ab,ルータ50c,ルータ50d,ルータ50cdおよびネットワーク60を介して画像データおよび音声データ等の種々のデータを相互に通信する通信装置である。伝送端末10a〜10hは、中継装置30a〜30dを介して画像データおよび音声データを相互に通信し、当該伝送端末10a〜10hに接続された表示装置20a〜20hや外部装置(図示せず)に画像を表示すると共に音声を出力する。
中継装置30a〜30dは、伝送端末10a〜10hおよび通信管理装置40の間のデータ通信を中継する装置である。中継装置30a〜30dは、伝送端末10a〜10hが送信する画像データや音声データを、通信方法(すなわち、公開通信や非公開通信)に応じて、他の伝送端末10a〜10hに振り分けて送信する。公開通信とは、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dの間でセッションが確立された後、データ通信が可能となった全ての伝送端末の間で、画像および音声を通信する通信方法である。非公開通信とは、セッションが確立された後、データ通信が可能となった全ての伝送端末のうち特定の伝送端末の間で、画像および音声を通信する通信方法である。
通信管理装置40は、通信システム100内のデータ通信を管理する装置である。通信管理装置40は、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dの間のセッションを確立し、複数の拠点間のデータ通信を可能にする。また、通信管理装置40は、他の拠点間との非公開通信を行うための準備処理を実行する。
図2は、伝送端末10aのハードウェア構成の一実施形態を示す図である。以下、図2を参照して、伝送端末10aのハードウェア構成について説明する。なお、他の伝送端末10b〜10hのハードウェア構成は、伝送端末10aと同様であるため、説明を省略する。
伝送端末10aは、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、SSD(Solid State Drive)204と、メディアドライブ206とを含んで構成される。これらの装置はデータバス209を介して接続されている。
CPU201は、伝送端末10aの動作を制御するプロセッサである。ROM202は、本発明のプログラムが記憶される記憶装置である。RAM203は、本発明のプログラムの実行空間を提供する記憶装置である。伝送端末10aは、WINDOWS(登録商標)シリーズ、Mac(登録商標)OS、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのOSの管理下でアセンブラ、C、C++、Java(登録商標)、Java Script(登録商標)、PERL、RUBY、PYTHONなどのプログラム言語で記述された本発明のプログラムを、RAM203に展開して実行することにより、後述する機能手段を伝送端末10a上に実現する。
SSD204は、画像や音声等の各種データを記憶するフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発メモリ(図示せず)を備えており、当該不揮発メモリに対する各種データの読み出しや書き込みを制御する。メディアドライブ206は、フラッシュメモリ等の記録メディア205を挿入可能な装置であり、記録メディア205に対するデータの読み出しまたは書き込みを制御する。
また、伝送端末10aは、操作ボタン207と、電源スイッチ208と、ネットワークインタフェース(I/F)210と、撮像素子I/F212と、音声入出力I/F215と、表示装置I/F216と、外部装置I/F217とを含んで構成される。これらの装置はデータバス209を介して接続される。
操作ボタン207は、セッションを確立する他拠点の伝送端末の選択や種々の設定を行う入出力装置である。電源スイッチ208は、伝送端末10aの電源のON/OFFを切り換えるスイッチである。ネットワークI/F210は、ルータ50aとの接続を提供するインタフェースであり、ネットワーク60を介したデータ通信を行う。
撮像素子I/F212は、被写体を撮像して画像を生成するCCD(Charge Coupled Device)211を接続するインタフェースであり、CCD211を制御して画像を生成する。本実施形態では、撮像素子としてCCDを採用するが、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の他の撮像素子を採用してもよい。
音声入出力I/F215は、マイク213およびスピーカ214を接続するインタフェースであり、マイク213およびスピーカ214との間で音声信号の入出力を行う。表示装置I/F216は、表示装置20aを接続するインタフェースであり、表示装置20aに画像を出力する。表示装置20aは、伝送端末10aが出力する種々の画像を表示する表示装置である。CCD211、マイク213、スピーカ214および表示装置20aは、入出力装置220aを構成する。
外部装置I/F217は、入出力装置230aを接続するインタフェースであり、入出力装置230aから画像および音声を受信すると共に、入出力装置230aに画像および音声を出力する。
入出力装置230aは、音声の再生や集音、撮影や画像の表示が可能な装置である。入出力装置230aは、例えば、ノート型PCやタブレット型PC、スマートフォン、ヘッドセット、ビデオカメラ等の外部装置が該当する。本実施形態では、入出力装置230aは非公開通信に利用される。また、図2に示す実施形態では、入力装置および出力装置が一体的に構成された入出力装置を採用するが、他の実施形態では、個別の装置である入力装置および出力装置を採用してもよい。
図3は、通信管理装置40のハードウェア構成の一実施形態を示す図である。以下、図3を参照して、通信管理装置40のハードウェア構成について説明する。なお、中継装置30a〜30dも同様の構成を有する。
通信管理装置40は、CPU300、ROM301、RAM302、ハードディスク装置(HDD)303およびネットワークインタフェース(I/F)304を備えている。通信管理装置40は、WINDOWS(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)、Mac OS(登録商標)などの適切なOSの下で、本発明のプログラムを実行することにより、後述する機能手段を通信管理装置40上で実現する。本発明では、通信管理装置40として、デスクトップ型PC等の種々の情報処理装置を採用することができる。
図4は、伝送端末10aの機能構成の一実施形態を示す図である。以下、図4を参照して、伝送端末10aの機能構成について説明する。なお、他の伝送端末10b〜10hの機能構成は、伝送端末10aと同様であるため、説明を省略する。
伝送端末10aは、制御部400と、送受信部402と、操作受付部404と、撮像部406と、メモリ制御部408と、記憶部410と、表示制御部412と、音声入力部414と、音声出力部416と、画像入力部418とを含んで構成される。
制御部400は、伝送端末10aが実行する処理の全体制御を行う機能手段である。制御部400は、後述する機能手段を用いて種々の処理を実行する。
送受信部402は、通信管理装置40および中継装置30a〜30dと通信を行う機能手段であり、ネットワークI/F210および外部装置I/F217によって実現される。送受信部402は、制御部400の制御下で、撮像部406が生成する画像や画像入力部418に入力される画像データと、音声入力部414に入力される音声データとを中継装置30a〜30dに送信する。また、中継装置30a〜30dから他の伝送端末の画像データや音声データを受信すると、メモリ制御部408を介して記憶部410にバッファリングする。
操作受付部404は、ユーザによる各種の操作指示を受け付ける機能手段である。例えば、ユーザが電源スイッチ208をONにすると電源投入指示が発行される。操作受付部404は、当該指示を受け付けると、伝送端末10aの電源をONにする。
撮像部406は、被写体を撮像して画像を生成する機能手段であり、CCD211および撮像素子I/F212によって実現される。撮像部406は、伝送端末10aが起動すると撮影を開始し、画像データを生成する。
メモリ制御部408は、記憶部410を制御する手段である。メモリ制御部408は、各種データを記憶部410に保存し、また、記憶部410に保存された各種データを読み出す。メモリ制御部408は、送受信部402が中継装置30a〜30dから画像データや音声データを受信すると、これらの画像データや音声データを記憶部410にバッファリングする。
表示制御部412は、表示装置20aを制御する機能手段である。表示制御部412は、撮像部406が生成した画像データや、記憶部410にバッファリングされている画像データを表示装置20aや入出力装置230aに出力して表示させる。また、表示制御部412は、遠隔通信の開始時に通信先の伝送端末を選択する画面、非公開通信の開始を指示する画面、非公開通信の通信先を指定する画面、非公開通信の要求があったことを通知する画面等の種々の画面を表示装置20aに表示させる。
音声入力部414は、マイク213や入出力装置230aが生成した音声信号を入力する機能手段である。音声入力部414は、音声入出力I/F215および外部装置I/F217によって実現される。
音声出力部416は、音声信号を出力する機能手段であり、音声入出力I/F215および外部装置I/F217によって実現される。音声出力部416は、記憶部410にバッファリングされている音声信号を取得し、スピーカ214や入出力装置230aに出力する。
画像入力部418は、入出力装置230aの提供する画像データが入力される機能手段であり、外部装置I/F217によって実現される。画像入力部418には、例えば、ノート型PCやタブレット型PC、スマートフォン、ビデオカメラ等の提供する画像データが入力される。
図5は、通信管理装置40の機能構成の一実施形態を示す図である。以下、図5を参照して、通信管理装置40の機能構成について説明する。
通信管理装置40は、送受信部500と、認証部501と、状態管理部502と、端末状態取得部503と、公開通信先特定部504と、非公開通信先特定部505と、メモリ制御部506と、記憶部507と、非公開通信先通知部508とを含んで構成される。
送受信部500は、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dとの間でデータ通信を行う機能手段であり、ネットワークI/F304によって実現される。送受信部500は、他の機能手段の要求に応じて、種々のデータを伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dに送信すると共に、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dから受信したデータを、当該データを処理する通信管理装置40内の機能手段に提供する。
認証部501は、伝送端末10a〜10hを認証する機能手段である。認証部501は、伝送端末10a〜10hが電源投入時に送信するログイン要求情報(すなわち、当該伝送端末の端末IDおよびIPアドレス並びにパスワード)を受信すると、記憶部507に保存されている端末認証管理テーブルを参照し、ログイン要求情報を送信した伝送端末の認証を行う。
端末認証管理テーブルには、伝送端末10a〜10hの端末IDと、当該伝送端末にそれぞれ割り当てられたパスワードとが関連付けて登録されており、認証部501は、ログイン要求情報に含まれる伝送端末の端末IDおよびパスワードと、端末認証管理テーブルに登録された伝送端末の端末IDおよびパスワードとを照合して、ログイン要求情報を送信した伝送端末の認証を行う。
状態管理部502は、伝送端末の通信状態を登録するデータテーブルである端末管理テーブルを更新して伝送端末の通信状態を管理する機能手段である。図8に示す端末管理テーブル800には、伝送端末の識別情報である端末IDと、伝送端末の名称である端末名と、伝送端末の通信状態と、伝送端末が通信管理装置40にログインした時刻を示す受信日時と、伝送端末のIPアドレスとが登録される。
状態管理部502は、認証部501による伝送端末の認証が成功すると、図8に示すような端末管理テーブルを参照して、ログイン要求情報に含まれる端末IDに関連付けられている通信状態、受信日時および端末のIPアドレスを更新し、端末管理テーブルを更新する。本実施形態では、認証された伝送端末の通信状態は、「ONライン(伝送可能)」となる。
公開通信先特定部504は、公開通信が許可されている伝送端末を特定する機能手段である。公開通信先特定部504は、通信要求元の伝送端末との通信が許可されている伝送端末の端末IDを登録するデータテーブルである宛先管理テーブルを参照して、公開通信の要求元の伝送端末との公開通信が許可されている伝送端末の端末IDを特定する。
図8に示す宛先管理テーブル810では、通信要求元の伝送端末の端末IDと、通信先の伝送端末の端末IDとが関連付けて登録される。公開通信先特定部504は、宛先管理テーブル810を参照し、認証が成功した伝送端末の端末IDに関連付けられている伝送端末の端末IDを特定する。
非公開通信先特定部505は、非公開通信可能が許可されている参加者および入出力装置を特定する機能手段である。非公開通信先特定部505は、非公開通信グループ管理テーブルおよび参加者情報管理テーブルを使用して、非公開通信可能な参加者および入出力装置を特定する非公開通信先特定処理を実行し、その結果を非公開通信の要求元の伝送端末に提供する。
非公開通信グループ管理テーブルは、非公開通信が許可されているグループである非公開通信グループと、当該非公開通信グループに所属する参加者を管理するデータテーブルである。図8に示す非公開通信グループ管理テーブル820では、非公開通信グループのIDと、当該IDが示す非公開通信グループに属する参加者の参加者IDとが関連付けて登録される。
参加者情報管理テーブルは、通信システム100のユーザである参加者の情報を管理するデータテーブルである。図8に示す参加者情報管理テーブル830では、参加者の識別情報である参加者IDと、参加者の名称である参加者名と、参加者が使用する外部装置である入出力装置の識別情報であるデバイスIDとが関連付けて登録される。
非公開通信先特定部505は、図8に示すような参加者情報管理テーブルを参照し、伝送端末に接続される外部装置である入出力装置のデバイスIDに関連付けられている参加者ID、すなわち、入出力装置を使用するユーザの参加者IDを特定する。
また、非公開通信先特定部505は、図8に示すような参加者情報管理テーブルを参照し、当該特定した参加者IDに関連付けられているデバイスID、すなわち、当該参加者IDの示す参加者が使用する入出力装置のデバイスIDを特定し、特定したデバイスIDから成るデバイスIDリストを生成する。
さらに、非公開通信先特定部505は、図8に示すような参加者情報管理テーブルを参照し、当該特定した参加者IDに関連付けられている参加者名を特定し、特定した参加者名から成る参加者名リストを生成する。
メモリ制御部506は、記憶手段である記憶部507を制御する手段である。記憶部507には、端末認証管理テーブル、端末管理テーブル800、宛先管理テーブル810、非公開通信グループ管理テーブル820および参加者情報管理テーブル830が保存されており、メモリ制御部506は、他の機能手段の要求に応じて、これらのデータテーブルを処理する。
非公開通信先通知部508は、ユーザが選択した非公開通信の通信先の入出力装置の情報を中継装置30a〜30dに通知する機能手段である。非公開通信先通知部508は、ユーザが選択した非公開通信の通信先である入出力装置のデバイスIDを受信すると、通信先の伝送端末のIPアドレスを中継装置30a〜30dに送信する。このとき、非公開通信先通知部508は、参加者情報管理テーブルを参照し、非公開通信の通信先である入出力装置のデバイスIDと共に受信する非公開通信の要求元の伝送端末のIPアドレスを用いて当該要求元の伝送端末の端末名を特定し、非公開通信の要求元の伝送端末の端末名およびIPアドレスと、通信先の入出力装置のデバイスIDおよび参加者名を、通信先の伝送端末のIPアドレスと共に中継装置30a〜30dに送信する。
以下、伝送端末10a〜10hの間のセッションが確立するまでの処理について説明する。通信管理装置40は、電源を投入された公開通信の要求元の伝送端末からログイン要求情報を受信すると、端末認証管理テーブルを参照し、ログイン要求情報を送信した伝送端末の認証を行う。
伝送端末の認証が成功すると、通信管理装置40は、ログイン要求情報を使用して端末管理テーブルを更新する。次いで、通信管理装置40は、宛先管理テーブルを参照して、認証された要求元の伝送端末と公開通信が許可されている伝送端末の端末IDを特定する。そして、通信管理装置40は、端末管理テーブルを参照し、当該端末IDによって識別される伝送端末の通信状態を取得し、公開通信の通信先の伝送端末の端末IDおよび通信状態を要求元の伝送端末に送信する。
そして、通信管理装置40は、端末管理テーブルを参照して、認証された要求元の伝送端末の通信状態を取得し、当該伝送端末と公開通信が許可されている伝送端末のうち通信状態が「ONライン」となっている伝送端末、すなわち、公開通信が可能な伝送端末に対し、認証された伝送端末の通信状態および端末IDを送信する。
次いで、通信管理装置40は、当該セッションを処理する中継装置のIPアドレスを、認証された要求元の伝送端末および公開通信が可能な通信先の伝送端末に送信すると共に、認証された要求元の伝送端末のIPアドレスおよび通信先の伝送端末のIPアドレスを当該中継装置に送信する。これにより、これらの伝送端末は、中継装置を介してデータ通信を行うことが可能となり、公開通信の要求元の伝送端末、中継装置および通信先の伝送端末との間のセッションが確立される。セッションが確立されると、伝送端末10a〜10hの間の公開通信が可能となると共に、非公開通信の準備処理が実行可能となる。
公開通信を行う場合、伝送端末は、画像および音声に、公開通信であることを示す付属情報を付加し、中継装置を介して、当該画像、音声および付属情報を通信先の伝送端末に送信する。
非公開通信の準備処理では、通信管理装置40は、非公開通信グループ管理テーブルおよび参加者情報管理テーブルを使用して、非公開通信可能な入出力装置を特定する非公開通信先特定処理を実行し、その結果を非公開通信の要求元の伝送端末に提供する。そして、非公開通信を行う伝送端末は、画像および音声に、非公開通信であることを示す付属情報を付加し、中継装置を介して、当該画像、音声および付属情報を通信先の伝送端末に送信する。なお、非公開通信先特定処理については、図7を参照して詳述する。
図6は、中継装置30a〜30dの機能構成の一実施形態を示す図である。以下、図6を参照して、中継装置30aの機能構成について説明する。なお、他の中継装置30b〜30dの機能構成は、中継装置30aと同様であるため、説明を省略する。
中継装置30aは、送受信部600と、メモリ制御部601と、記憶部602と、非公開通信準備処理部603と、振分部604とを含んで構成される。
送受信部600は、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dとの間でデータ通信を行う機能手段であり、ネットワークI/F304によって実現される。送受信部600は、他の機能手段の要求に応じて、種々のデータを伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dに送信すると共に、伝送端末10a〜10hおよび中継装置30a〜30dから受信したデータを、当該データを処理する機能手段に送信する。
メモリ制御部601は、記憶手段である記憶部602を制御する手段である。メモリ制御部601は、他の機能手段の要求に応じて、記憶部602に種々の情報を書き込み、または、記憶部602から種々の情報を読み出す。
記憶部602には、図9に示すような公開通信管理情報900、接続デバイス管理情報910および非公開通信管理情報920が保存される。公開通信管理情報900は、中継装置30a〜30dが公開通信を管理するための情報であり、セッションの確立時に記憶部602に保存される。
より詳細には、セッションの確立時に送受信部600が、通信管理装置40からデータ通信を行う伝送端末10a〜10hのIPアドレスを受信すると、セッションの識別情報であるセッションIDを生成し、当該セッションIDと関連付けて、当該データ通信を行う伝送端末10a〜10hのIPアドレスを、公開通信管理情報として記憶部602に保存する。
接続デバイス管理情報910は、伝送端末に接続されている入出力装置を管理するための情報である。中継装置30aは、伝送端末が提供する当該伝送端末に接続されている入出力装置のデバイスIDを、当該伝送端末のIPアドレスと関連付けて記憶部602に保存する。
非公開通信管理情報920は、中継装置30a〜30dが非公開通信を管理するための情報であり、非公開通信の開始時に記憶部602に保存される。より詳細には、非公開通信の開始時に伝送端末から非公開通信を行う入出力装置のデバイスIDを受信すると、中継装置30a〜30dの非公開通信準備処理部603が、これらの入出力装置が接続されている伝送端末のIPアドレスを関連付けて、非公開通信管理情報として記憶部602に保存する。
非公開通信準備処理部603は、非公開通信を行うために必要な処理を実行する機能手段である。非公開通信準備処理部603は、伝送端末から非公開通信要求を受信すると、通信管理装置40に対し、非公開通信の要求元の参加者が非公開通信可能な参加者の情報を、要求元の伝送端末に提供するよう要求する。
また、非公開通信準備処理部603は、ユーザが指定した参加者が使用する入出力装置が伝送端末に接続されているか確認する指定デバイス接続確認処理を実行する。指定デバイス接続確認処理の結果、ユーザの指定した入出力装置が伝送端末に接続されていると判断した場合には、非公開通信準備処理部603は、ユーザの指定した入出力装置が接続されている伝送端末に対し、非公開通信要求を当該デバイスIDおよび参加者名と共に送信する。一方、指定デバイス接続確認処理の結果、ユーザの指定した入出力装置が伝送端末に接続されていないと判断した場合には、非公開通信準備処理部603は、非公開通信要求元の伝送端末とのセッションが確立されている総ての伝送端末に当該デバイスIDを送信する。
さらに、非公開通信準備処理部603は、非公開通信先を管理するための非公開通信管理情報を記憶部602に保存する。
振分部604は、伝送端末10a〜10hが送信する画像データおよび音声データの送信先を振り分ける機能手段である。振分部604は、伝送端末10a〜10hから受信した画像データおよび音声データに付加されている公開通信である旨を示す情報または非公開通信である旨を示す情報に基づいて、画像データおよび音声データの送信先を決定する。
公開通信が指定されている場合、振分部604は、記憶部602に保存されている公開通信管理情報を参照し、画像データおよび音声データを送信した伝送端末のIPアドレスと関連付けて登録されている他の伝送端末のIPアドレスを取得し、送受信部600を介して、当該他の伝送端末に画像データおよび音声データを送信する。
例えば、図9に示す公開通信管理情報900を使用する実施形態では、画像データおよび音声データを送信した伝送端末のIPアドレスが「1.2.1.3」である場合、振分部604は、当該IPアドレスが関連付けられているセッションID「S001」に関連付けて登録されている伝送端末のIPアドレス「1.2.2.4」および「1.3.2.3」を取得し、当該IPアドレス宛に画像データおよび音声データを送信する。
非公開通信が指定されている場合、振分部604は、記憶部602に保存されている非公開通信管理情報を参照し、画像データおよび音声データを送信した伝送端末のIPアドレスと関連付けて登録されている他の伝送端末のIPアドレスを取得する。そして、振分部604は、送受信部600を介して、当該他の伝送端末に画像および音声を送信する。
例えば、図9に示す非公開通信管理情報920を使用する実施形態では、画像データおよび音声データを送信した伝送端末のIPアドレスが「1.2.1.3」である場合、振分部604は、当該IPアドレスに関連付けて登録されている伝送端末のIPアドレス「1.3.2.3」を取得し、当該IPアドレス宛に画像および音声を送信する。
なお、図9に示す非公開通信管理情報920では、非公開通信の要求元の伝送端末のIPアドレスおよび通信先の伝送端末のIPアドレスが、一対一で関連付けて登録されているが、他の実施形態では、非公開通信の要求元の伝送端末のIPアドレスおよび通信先の伝送端末のIPアドレスを一対多で関連付けて登録してもよい。
図7は、本発明の通信システムが実行する処理の一実施形態を示すシーケンス図である。以下、図7を参照して、伝送端末10a,10d,10gの間でセッションが確立された後に実行される非公開通信の準備処理の一実施形態について説明する。
ステップS700では、伝送端末10aのユーザが外部装置である非公開通信用の入出力装置230aを伝送端末10aに接続する。ステップS701では、伝送端末10gのユーザが外部装置である非公開通信用の入出力装置230gを伝送端末10gに接続する。入出力装置230aが伝送端末10aに接続されると、ステップS702で伝送端末10aの制御部400が、送受信部402を介して、非公開通信要求を、非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスおよび入出力装置203aのデバイスIDと共に、当該セッションを処理する中継装置30aに送信する。
本実施形態では、非公開通信用の入出力装置230aが伝送端末10aに接続されると、伝送端末10aが非公開通信要求を中継装置30aに送信するが、他の実施形態では、非公開通信用の入出力装置230aが伝送端末10aに接続された状態で、ユーザが伝送端末10aを操作したときに、伝送端末10aが非公開通信要求を中継装置30aに送信してもよい。
中継装置30aは、伝送端末10aから非公開通信要求を受信すると、ステップS703で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、送受信部600を介して非公開通信先情報の提供要求を、伝送端末10aのIPアドレスおよび入出力装置203aのデバイスIDと共に通信管理装置40に送信する。
通信管理装置40は、中継装置30aから非公開通信先情報の提供要求を受信すると、ステップS704で非公開通信先特定処理を実行する。具体的には、通信管理装置40の非公開通信先特定部505が、図8に示すような参加者情報管理テーブル830を参照し、入出力装置203aのデバイスIDに関連付けられている参加者ID、すなわち、入出力装置203aを使用するユーザの参加者IDを特定する。
次に、非公開通信先特定部505は、図8に示すような非公開通信グループ管理テーブル820を参照し、当該特定した参加者IDに関連付けられている非公開通信グループのIDに関連付けられている総ての参加者ID、すなわち、当該非公開通信グループのIDが示すグループに属するユーザのうち伝送端末10aのユーザ以外のユーザの参加者IDを特定する。
そして、非公開通信先特定部505は、参加者情報管理テーブル830を参照し、当該特定した参加者IDに関連付けられているデバイスID、すなわち、当該参加者IDの示す参加者が使用する入出力装置のデバイスIDを特定し、特定したデバイスIDから成るデバイスIDリストを生成する。また、非公開通信先特定部505は、参加者情報管理テーブル830を参照し、当該特定した参加者IDに関連付けられている参加者名を特定し、特定した参加者名から成る参加者名リストを生成する。
ステップS705では、通信管理装置40の送受信部500が、上述した非公開通信先特定処理で特定した参加者名およびデバイスIDを関連付けて、非公開通信先情報として伝送端末10aに送信する。
伝送端末10aは、通信管理装置40から非公開通信先情報を受信すると、ステップS706で伝送端末10aが、非公開通信先情報に含まれる参加者名を伝送端末10aのユーザに通知し、ユーザからの指示を待機する。本実施形態では、伝送端末10aの表示制御部412が、非公開通信対象の候補である参加者名を伝送端末10aの表示装置20aまたは入出力装置230aに表示することによってユーザに通知する。ユーザは、提示された参加者の中から1以上の参加者を、非公開通信対象として指定することができる。
ユーザが伝送端末10aを操作して、非公開通信の対象である参加者名を選択すると、ステップS707で伝送端末10aの制御部400は、送受信部402を介して、ユーザが指定した参加者名と、当該参加者名に関連付けられているデバイスID、すなわち、当該参加者が使用するデバイスのデバイスIDと、入出力装置230aのデバイスIDと、伝送端末10aのIPアドレスとを通信管理装置40に送信する。
他の実施形態では、ユーザが非公開通信対象の参加者を指定するのではなく、非公開通信先情報に含まれる参加者IDが示す総ての参加者を非公開通信対象とし、当該参加者の参加者名と、当該参加者が使用するデバイスのデバイスIDとを通信管理装置40に送信してもよい。これにより、ユーザの操作負担を軽減することができる。
ステップS708では、通信管理装置40が、伝送端末10aから受信したデバイスID、すなわち、ユーザが指定した非公開通信対象の入出力装置のデバイスIDおよび参加者名と、入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスとを中継装置30aに送信する。
一方、ステップS709では、通信管理装置40は、伝送端末に接続されている入出力装置の問い合わせ(以下、「接続デバイスの問い合わせ」とする。)を中継装置30aに要求する。
中継装置30aは、通信管理装置40から接続デバイスの問い合わせの要求を受信すると、ステップS710で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、非公開通信の要求元の伝送端末10aとセッションが確立されている伝送端末を特定する。具体的には、非公開通信準備処理部603は、公開通信管理情報900を参照し、接続デバイスの問い合わせの要求と共に受信する非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスに関連付けられているセッションIDに関連付けられている伝送端末のIPアドレスのうち、伝送端末10aのIPアドレス以外のIPアドレスを特定する。
そして、ステップS711で非公開通信準備処理部603は、送受信部600を介して、当該特定したIPアドレスで識別される伝送端末に対し、接続デバイスの問い合わせを行う。本実施形態では、伝送端末10d,10gに対して接続デバイスの問い合わせを行う。
中継装置30aから接続デバイスの問い合わせを受信した伝送端末10d,10gは、外部装置である入出力装置が接続されているか否か判断する。入出力装置が接続されている場合には、伝送端末10d,10gは、接続されている入出力装置のデバイスIDを中継装置30aに送信する。一方、入出力装置が接続されていない場合には、伝送端末10d,10gは、入出力装置が接続されていない旨の通知を中継装置30aに送信する。
本実施形態では、伝送端末10dは、外部装置である入出力装置が接続されていないため、ステップS712で入出力装置が接続されていない旨の通知を中継装置30aに送信する。一方、伝送端末10gは、入出力装置230gが接続されているため、ステップS713で入出力装置230gのデバイスIDと伝送端末10gとを中継装置30aに送信する。
中継装置30aは、伝送端末10gからデバイスIDを受信すると、ステップS714で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、伝送端末10gのIPアドレスと入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、接続デバイス管理情報として記憶部602に保存する。
ステップS715では、非公開通信準備処理部603は、指定デバイス接続確認処理を実行する。具体的には、指定デバイス接続確認処理では、非公開通信準備処理部603は、ステップS708で受信したユーザの指定した参加者が使用する入出力装置のデバイスIDと、記憶部602に保存されている接続デバイス管理情報であるデバイスIDとを比較し、ユーザの指定した入出力装置が、中継装置30aとのセッションが確立されている伝送端末に接続されているか確認する。非公開通信準備処理部603は、これらのデバイスIDが一致する場合は、ユーザの指定した参加者が使用する入出力装置が伝送端末に接続されていると判断する。
指定デバイス接続確認処理の結果、ユーザの指定した入出力装置が伝送端末に接続されていると判断した場合には、ステップS716で非公開通信準備処理部603は、接続デバイス管理情報910を参照し、当該デバイスIDと関連付けられている伝送端末のIPアドレス、すなわち、ユーザの指定した参加者が使用する入出力装置が接続されている伝送端末10gのIPアドレスを特定し、非公開通信要求を、当該デバイスIDおよび参加者名と、入出力装置230aのデバイスIDと共に、伝送端末10gに送信する。
ステップS717では、非公開通信準備処理部603は、非公開通信管理情報を記憶部602に保存する。具体的には、非公開通信準備処理部603は、通信管理装置40から受信した非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスと、非公開通信の通信先の伝送端末10gのIPアドレスとを関連付け、非公開通信管理情報として保存する。
伝送端末10gは、中継装置30aから非公開通信要求通知を受信すると、ステップS718で伝送端末10gの表示制御部412が、非公開通信要求を受信したことを、ユーザの指定した参加者名および入出力装置のデバイスIDと共に、伝送端末10gのユーザに通知する。本実施形態では、伝送端末10gの表示制御部412は、非公開通信の要求元の伝送端末10aから非公開通信要求を受信した旨の通知と、ユーザが指定した参加者名および入出力装置のデバイスIDとを表示装置20aに表示することによりユーザに通知する。
そして、ステップS719で伝送端末10gの制御部400が、非公開通信の要求元のユーザが使用する入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信元のユーザが指定した参加者が使用する入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、デバイス管理情報として記憶部410に保存する。
ステップS720では、伝送端末10gの制御部400が、送受信部402を介して、非公開通信を開始する旨の応答(以下、「非公開通信開始応答」とする。)を、伝送端末10gの端末名と共に中継装置30aに送信する。中継装置30aは、伝送端末10gから非公開通信開始応答を受信すると、ステップS721で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、非公開通信の要求元の伝送端末10aに対し、非公開通信開始応答および伝送端末10gの端末名を送信する。
伝送端末10aは、中継装置30aから非公開通信開始応答を受信すると、ステップS722で伝送端末10aの表示制御部412は、非公開通信開始応答および伝送端末10gの端末名を表示装置20aに表示してユーザに通知する。ステップS723では、制御部400が、非公開通信の要求元のユーザが使用する入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信元のユーザが指定した参加者が使用する入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、デバイス管理情報として記憶部410に保存する。
上述した実施形態では、非公開通信を行う伝送端末がデバイス管理情報を保持するが、他の実施形態では、中継装置がデバイス管理情報を保持してもよい。
図10は、本発明の通信システムが実行する公開通信処理および非公開通信処理の一実施形態を示す図である。以下、図10を参照して、公開通信処理および非公開通信処理について説明する。
ステップS1000〜ステップS1004は、公開通信処理の一実施形態を示す。この処理は、ステップS1000で伝送端末10aの公開通信用の入出力装置220aが、画像データおよび音声データの少なくとも一方を生成する。伝送端末10aの制御部400は、入出力装置220aが画像データおよび音声データの少なくとも一方を生成すると、ステップS1001で送受信部402を介して、当該画像データおよび音声データの少なくとも一方を、公開通信である旨を示す情報と共に中継装置30aに送信する。
中継装置30aは、伝送端末10aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1002で中継装置30aの振分部604が振分処理を実行する。具体的には、振分部604は、図9に示すような公開通信管理情報900を参照し、画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信した伝送端末10aのIPアドレスが属するセッションに関連する他の伝送端末のIPアドレスを取得し、当該IPアドレスが示す伝送端末10d,10gに対して画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信する。
伝送端末10gは、中継装置30aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1003で伝送端末10gの制御部400が、画像データおよび音声データの少なくとも一方の出力先を決定する出力先決定処理を実行する。具体的には、制御部400は、非公開通信である旨を示す情報が画像データおよび音声データの少なくとも一方に付加されているか否か判断する。当該情報が付加されていない場合には、ステップS1004で制御部400は、表示制御部412および音声出力部416を介して、画像データおよび音声データの少なくとも一方を、公開通信用の入出力装置220gに出力する。そして、入出力装置220gは、当該画像データによって形成される画像を表示すると共に、当該音声データによって生成される音声を出力する。
ステップS1005〜ステップS1014は、非公開通信処理の一実施形態を示す。ステップS1005〜ステップS1009は、非公開通信の要求元の伝送端末から非公開通信対象の伝送端末へデータを送信する非公開通信処理の一実施形態を示す。
この処理は、ステップS1005で入出力装置230aが生成した画像データおよび音声データの少なくとも一方が伝送端末10aに入力されることにより開始する。伝送端末10aは、入出力装置230aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1006で伝送端末10aの制御部400が、記憶部410に保存されているデバイス管理情報を参照し、通信元の入出力装置230aのデバイスIDと関連付けられている通信先の入出力装置230gのデバイスIDを特定し、画像データおよび音声データの少なくとも一方と、非公開通信である旨を示す情報と、通信先の入出力装置230gのデバイスIDとを中継装置30aに送信する。
中継装置30aは、伝送端末10aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1007で振分処理を実行する。具体的には、中継装置30aの振分部604が、図9に示すような非公開通信管理情報を参照し、画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信した伝送端末10aのIPアドレスに関連付けられている他の伝送端末のIPアドレスを取得する。そして、送受信部600が、当該IPアドレスの示す伝送端末10gに画像データおよび音声データの少なくとも一方を、非公開通信である旨を示す情報および通信先の入出力装置230gのデバイスIDと共に送信する。
伝送端末10gは、中継装置30aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1008で伝送端末10gの制御部400が、出力先決定処理を実行する。出力先決定処理の結果、非公開通信である旨を示す情報が画像データおよび音声データの少なくとも一方に付加されていると判断した場合には、ステップS1009で制御部400は、表示制御部412および音声出力部416を介して、当該デバイスIDが示す入出力装置230gに画像データおよび音声データの少なくとも一方を出力する。そして、入出力装置230gは、当該画像データによって形成される画像を表示すると共に、当該音声データによって生成される音声を出力する。
ステップS1010〜ステップS1014は、非公開通信対象の伝送端末10gから非公開通信の要求元の伝送端末10aへデータを送信する非公開通信処理の一実施形態を示す。この処理は、ステップS1010で入出力装置230gが生成した画像データおよび音声データの少なくとも一方が伝送端末10gに入力されることにより開始する。伝送端末10gは、入出力装置230gから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1011で伝送端末10gの制御部400が、記憶部410に保存されているデバイス管理情報を参照し、入出力装置230gのデバイスIDと関連付けられている入出力装置230aのデバイスIDを特定し、画像データおよび音声データの少なくとも一方と、非公開通信である旨を示す情報と、通信先の入出力装置230aのデバイスIDとを中継装置30aに送信する。
中継装置30aは、伝送端末10gから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1012で振分処理を実行する。具体的には、中継装置30aの振分部604が、図9に示すような非公開通信管理情報を参照し、画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信した伝送端末10gのIPアドレスに関連付けられている他の伝送端末のIPアドレスを取得する、そして、送受信部600が、当該IPアドレスの示す伝送端末10aに対し、画像データおよび音声データの少なくとも一方と、非公開通信である旨を示す情報と、通信先の入出力装置230aのデバイスIDとを送信する。
伝送端末10gは、中継装置30aから画像データおよび音声データの少なくとも一方を受信すると、ステップS1013で伝送端末10gの制御部400が、出力先決定処理を実行する。出力先決定処理の結果、非公開通信である旨を示す情報が画像データおよび音声データの少なくとも一方に付加されていると判断した場合には、ステップS1014で制御部400は、表示制御部412および音声出力部416を介して、当該デバイスIDが示す入出力装置230aに画像データおよび音声データの少なくとも一方を出力する。そして、入出力装置230aは、当該画像データによって形成される画像を表示すると共に、当該音声データによって生成される音声を出力する。
上述した実施形態では、非公開通信で画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信する伝送端末が、通信先の非公開通信用の入出力装置のデバイスIDを送信するが、他の実施形態では、画像データおよび音声データの少なくとも一方を送信する伝送端末が、当該伝送端末に接続されている非公開通信用の入出力装置のデバイスIDを送信し、中継装置が、デバイス管理情報を参照して、当該デバイスIDに関連付けられている通信先の入出力装置のデバイスIDを特定し、通信先の入出力装置のデバイスIDを、画像データおよび音声データの少なくとも一方と共に、通信先の伝送端末に送信してもよい。
図11は、本発明の通信システムが実行する処理の別の実施形態を示すシーケンス図である。以下、図11を参照して、非公開通信の準備処理の別の実施形態について説明する。なお、図7に示す実施形態との相違点を中心に説明する。
ステップS1100では、伝送端末10aのユーザが外部装置である非公開通信用の入出力装置230aを伝送端末10aに接続する。入出力装置230aが伝送端末10aに接続されると、ステップS1101で伝送端末10aの制御部400が、送受信部402を介して、非公開通信要求を、非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスおよび入出力装置203aのデバイスIDと共に、当該セッションを処理する中継装置30aに送信する。
中継装置30aは、伝送端末10aから非公開通信要求を受信すると、ステップS1102で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、送受信部600を介して非公開通信先情報の提供要求を、伝送端末10aのIPアドレスおよび入出力装置203aのデバイスIDと共に通信管理装置40に送信する。
通信管理装置40は、中継装置30aから非公開通信先情報の提供要求を受信すると、ステップS1103で、非公開通信先特定処理を実行し、非公開通信先情報である参加者名およびデバイスIDを特定する。ステップS1104では、通信管理装置40の送受信部500が、上述した非公開通信先特定処理で特定した参加者名およびデバイスIDを関連付けて、非公開通信先情報として伝送端末10aに送信する。
伝送端末10aは、通信管理装置40から非公開通信先情報を受信すると、ステップS1105で伝送端末10aの表示制御部412が、非公開通信先情報に含まれる参加者名を伝送端末10aのユーザに通知し、ユーザからの指示を待機する。
ユーザが伝送端末10aを操作して非公開通信対象である参加者名を選択すると、ステップS1106で伝送端末10aの制御部400は、送受信部402を介して、ユーザが指定した参加者名と、当該参加者名に関連付けられているデバイスID、すなわち、当該参加者が使用するデバイスのデバイスIDと、入出力装置230aのデバイスIDと、伝送端末10aのIPアドレスとを通信管理装置40に送信する。
ステップS1107では、通信管理装置40が、伝送端末10aから受信したデバイスID、すなわち、ユーザが指定した非公開通信対象の入出力装置のデバイスIDおよび参加者名と、入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスとを中継装置30aに送信する。
一方、ステップS1108では、通信管理装置40は、接続デバイスの問い合わせを中継装置30aに要求する。中継装置30aは、通信管理装置40から接続デバイスの問い合わせの要求を受信すると、ステップS1109で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、非公開通信の要求元の伝送端末10aとセッションが確立されている伝送端末を特定する。
具体的には、非公開通信準備処理部603は、公開通信管理情報900を参照し、接続デバイスの問い合わせの要求と共に受信する非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスに関連付けられているセッションIDに関連付けられている伝送端末のIPアドレスのうち、伝送端末10aのIPアドレス以外のIPアドレスを特定する。そして、ステップS1110で非公開通信準備処理部603は、送受信部600を介して、当該特定したIPアドレスで識別される伝送端末に対し、接続デバイスの問い合わせを行う。
中継装置30aから接続デバイスの問い合わせを受信した伝送端末10d,10gは、外部装置である入出力装置が接続されているか否か判断する。入出力装置が接続されている場合、伝送端末10d,10gは、接続されている入出力装置のデバイスIDを中継装置30aに送信する。一方、入出力装置が接続されていない場合には、伝送端末10d,10gは、入出力装置が接続されていない旨の通知を中継装置30aに送信する。
本実施形態では、接続デバイスの問い合わせを受信した時点で伝送端末10gおよび伝送端末10dの双方に入出力装置が接続されていないため、伝送端末10d,10gは、ステップS1111,ステップS1112で、入出力装置が接続されていない旨の通知を中継装置30aに送信する。
ステップS1113では、中継装置30aの非公開通信準備処理部603は、指定デバイス接続確認処理を実行する。指定デバイス接続確認処理の結果、ユーザの指定した入出力装置が伝送端末に接続されていないと判断した場合には、ステップS1114,ステップS1116で非公開通信準備処理部603は、ユーザが指定した入出力装置のデバイスIDを伝送端末10d,10gに送信し、伝送端末10d,10gからの応答を待機する。ステップS1115,ステップS1117では、伝送端末10d,10gが、ユーザの指定した入出力装置のデバイスIDを表示装置20d,20gに表示する。
ステップS1118では、伝送端末10gのユーザが、外部装置である非公開通信用の入出力装置230gを伝送端末10gに接続する。入出力装置230gが接続されると、ステップS1119で伝送端末10gは、入出力装置230gが提供する入出力装置230gのデバイスIDと、伝送端末10gのIPアドレスとを中継装置30aに送信する。
中継装置30aは伝送端末10gからデバイスIDを受信すると、ステップS1120で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、伝送端末10gのIPアドレスと入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、接続デバイス管理情報として記憶部602に保存する。次いで、ステップS1121で非公開通信準備処理部603は、当該接続デバイス管理情報を使用して指定デバイス接続確認処理を実行する。
指定デバイス接続確認処理の結果、ユーザの指定した入出力装置が伝送端末に接続されていると判断した場合には、ステップS1122で中継装置30aの非公開通信準備処理部603は、接続デバイス管理情報を参照し、当該デバイスIDと関連付けられている伝送端末のIPアドレス、すなわち、ユーザの指定した入出力装置が接続されている伝送端末10gのIPアドレスを特定し、非公開通信要求を、当該デバイスIDおよび参加者名と、入出力装置230aのデバイスIDと共に、伝送端末10gに送信する。
ステップS1123では、非公開通信準備処理部603は、ステップS1107で通信管理装置40から受信した非公開通信の要求元の伝送端末10aのIPアドレスと、非公開通信の通信先の伝送端末10gのIPアドレスとを関連付け、非公開通信管理情報として記憶部602に保存する。
伝送端末10gは、中継装置30aから非公開通信要求通知を受信すると、ステップS1124で伝送端末10gの表示制御部412が、非公開通信要求を受信したことを、ユーザが指定した参加者名および入出力装置230gのデバイスIDと共に、伝送端末10gのユーザに通知する。そして、ステップS1125で伝送端末10gの制御部400が、非公開通信の要求元のユーザが使用する入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信元のユーザが指定した参加者が使用する入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、デバイス管理情報として記憶部410に保存する。
ステップS1126では、制御部400が、送受信部402を介して、非公開通信開始応答を、伝送端末10gの端末名と共に中継装置30aに送信する。中継装置30aは、伝送端末10gから非公開通信開始応答を受信すると、ステップS1127で中継装置30aの非公開通信準備処理部603が、非公開通信の要求元の伝送端末10aに対し、非公開通信開始応答および伝送端末10gの端末名を送信する。
そして、伝送端末10aは、図7を参照して説明した実施形態と同様に、非公開通信開始応答および伝送端末10gの端末名を表示装置20aに表示してユーザに通知すると共に、非公開通信の要求元のユーザが使用する入出力装置230aのデバイスIDと、非公開通信元のユーザが指定した参加者が使用する入出力装置230gのデバイスIDとを関連付け、デバイス管理情報として記憶部410に保存する。
これまで本実施形態につき説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成要素を変更若しくは削除し、または本実施形態の構成要素に他の構成要素を追加するなど、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。