JP6174918B2 - 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents

補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6174918B2
JP6174918B2 JP2013121812A JP2013121812A JP6174918B2 JP 6174918 B2 JP6174918 B2 JP 6174918B2 JP 2013121812 A JP2013121812 A JP 2013121812A JP 2013121812 A JP2013121812 A JP 2013121812A JP 6174918 B2 JP6174918 B2 JP 6174918B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing material
band
resin
rib
molding die
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013121812A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014238152A (ja
Inventor
重樹 藤井
重樹 藤井
将 中垣
将 中垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2013121812A priority Critical patent/JP6174918B2/ja
Publication of JP2014238152A publication Critical patent/JP2014238152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6174918B2 publication Critical patent/JP6174918B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

この発明は、老朽化した下水管路、上水管路、農業用水路、ガス管路などの既設管を更生する更生管を製管する際に用いられる補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置に関するものである。
従来より、更生管を製管する帯状部材として、樹脂製帯状部材のリブに鋼板等の金属製補強材を導入し、封入した補強材入り帯状部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような補強材入り帯状部材は、マンホール内に設置された製管機に供給され、製管機によってそのリブを外周側に位置して螺旋状に巻き回される。そして、螺旋状に巻き回されて隣接する補強材入り帯状部材の一方の側縁部、他方の側縁部の少なくとも一つに溶融樹脂が塗布されるとともに、隣接する補強材入り帯状部材の一方の側縁部及び他方の側縁部が重ね合わされて一体に融着されることにより、更生管が製管され、製管された更生管が回転させられて既設管内に挿入される。その後、更生管と既設管との間隙にモルタルが注入され、既設管が更生される(例えば、特許文献2参照)。
このように既設管が更生されると、モルタル中にリブに埋設された金属製補強材が立設状態で配設されることにより、土圧や外水圧などに対する強度を高めることができる。
特表2005−528243号公報 特表2008−536027号公報
ところで、前述した補強材入り帯状部材は、ポリエチレンを押出成形してポリエチレン製帯状部材を形成し、当該ポリエチレン製帯状部材のリブの溝に金属製補強材を連続的に導入した後、ポリエチレン製帯状部材のリブの頂部にポリエチレンを押出成形してポリエチレン製被覆部をリブと一体に融着し、金属製補強材を封入することにより製造される。
一方、補強材入り帯状部材を螺旋状に巻き回して更生管を製管すると、補強材入り帯状部材に曲げが作用し、その曲げによってポリエチレン製帯状部材及び金属製補強材は、外周側に引張力が作用するとともに、内周側に圧縮力が作用する。この際、金属製補強材の外周側と内周側とに伸び率に差が生じると、金属製補強材が波打って蛇行したり、ポリエチレン製帯状部材のリブ内において上方又は下方にめり込むように変形し、金属製補強材がポリエチレン製帯状部材から突き出るおそれがある。
また、補強材入り帯状部材を製造するには、ポリエチレン製帯状部材を成形する工程、ポリエチレン製帯状部材のリブの溝に金属製補強材を導入する工程、ポリエチレン製帯状部材のリブの頂部に樹脂製被覆部を成形する工程が必要となり、製造が複雑になるとともに、生産効率が低いという欠点があった。
なお、特開平2−502555号公報に記載されるように、金型に鋼板等の補強材を挿入するとともに、塩化ビニル樹脂を押し出して補強材を埋設し、補強材入り成形体を成形することも提案されているが、溶融した塩化ビニル樹脂が補強材に接触して固着し、冷却過程において、固着した樹脂と補強材との線膨張率の差に基づいて成形体に波打ち現象を発生させるため、採用することはできない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、曲げが作用しても金属製補強材の突き出しを抑えて剛性の高い更生管を円滑に製管することのできる補強材入り帯状部材を提供するとともに、波打ち現象の発生を抑えて樹脂製帯状部材に金属製補強材を埋設することのできる補強材入り帯状部材の製造方法及びその製造装置を提供するものである。
本発明の補強材入り帯状部材は、旋状に巻き回されるとともに側縁部が接合されて更生管となされる補強材入り帯状部材であって、帯板状の基板、該基板に立設された複数本のリブ、並びに基板の一側縁部及び他側縁部にそれぞれ形成された接合部を有する樹脂製帯状部材と、樹脂製帯状部材の各リブに埋設された金属製補強材とを備え前記リブの立設方向を上下方向とするとき、前記樹脂製帯状部材のリブの内部は、該リブの全長にわたり、金属製補強材の上下少なくとも一方の端面との間に隙間を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、補強材入り帯状部材を、リブを立設した側が外周面側に位置するように螺旋状に巻き回し、隣接する補強材入り帯状部材の接合部同士を直接、又は、間接的に接合して更生管を製管すると、補強材入り帯状部材に曲げが作用し、その曲げによって金属製補強材が樹脂製帯状部材のリブの上下方向に変形しようとする。ここで、樹脂製帯状部材の各リブの内部に金属製補強材が上下方向に隙間を有して埋設されているため、金属製補強材の上下方向の変形をリブの隙間内で吸収でき、リブからの金属製補強材の突き出しを抑えて剛性の高い更生管を円滑に製管することができる。一方、金属製補強材の左右各側面は樹脂製帯状部材の各リブの内部に密着状態で埋設されており、金属製補強材の倒れを防止することができる。
なお、樹脂製帯状部材の成形樹脂としては、硬質塩化ビニルやポリエチレン等を挙げることができる。
本発明の補強材入り帯状部材の製造方法は、成形金型を用いた製造方法であって、前記成形金型は、補強材を挿通させる貫通口と前記補強材に接触せずに溶融樹脂を流動させる樹脂流路とを備え、前記成形金型に溶融樹脂を押し出して帯板状の基板、該基板から直立するリブ、並びに基板の一側縁部及び他側縁部に接合部を有する形状に成形するとともに前記リブ内に前記補強材を溶融樹脂と非接触状態で導入前記溶融樹脂と前記補強材とを非接触状態で冷却金型を通過させた後、冷却水槽に導入して冷却水により冷却し、前記リブの内部に前記補強材の左右側面を密着させるとともに前記リブの内部と前記補強材の上下一方の端面との間に隙間を設けることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融樹脂を押し出して樹脂製帯状部材を成形する際、樹脂製帯状部材の各リブ内に金属製補強材を溶融樹脂と非接触状態で導入するとともに、成形された樹脂製帯状部材を金属製補強材と非接触状態で冷却することにより、溶融樹脂は、金属製補強と接触することなく冷却できる。したがって、溶融樹脂が金属製補強材と固着することを防止できることから、固着に伴う溶融樹脂と金属製補強材との線膨張率の差に基づく波打ち現象の発生を防止して樹脂製帯状部材の各リブに金属製補強材を埋設した補強材入り帯状部材を連続的に製造することができ、生産効率を大幅に向上させることができる。
本発明の補強材入り帯状部材の製造装置は、成形金型を備えた製造装置であって、前記帯状部材は、帯板状の基板、該基板に立設されるリブ、並びに該基板の一側縁部及び他側縁部の接合部を有し、前記リブには補強材が埋設されてなり、前記成形金型には溶融樹脂を供給する押出機が接続されるとともに、前記帯状部材に対応する樹脂流路が設けられ、前記リブに対応する樹脂流路には、溶融樹脂と補強材との間に間隔を設ける保護部材が配設され、該保護部材は、溶融樹脂に接触させることなく補強材を挿通させる貫通口を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融樹脂を押し出して樹脂製帯状部材を成形する際に、保護部材によって溶融樹脂に接触することなく樹脂製帯状部材の各リブ内に金属製補強材を導入することができることから、溶融樹脂が金属製補強材と接触して固着することを防止できる。このため、固着に伴う溶融樹脂と金属製補強材との線膨張率の差に基づく波打ち現象の発生を防止して各リブ内に金属製補強材を埋設した補強材入り帯状部材を連続的に製造することができ、生産効率を大幅に向上させることができる。
この場合、成形された補強材入り帯状部材が常温まで冷却された際、樹脂製帯状部材の各リブの内部において金属製補強材の上下方向に隙間を有する一方、左右方向に隙間が発生しないように、樹脂の線膨張率、成形温度、押出速度等に基づいて溶融樹脂と金属製補強材との間隔、すなわち、保護部材の外周面とその貫通口の内周面との間隔が設定される。
本発明において、前記成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における保護部材の外面及びその貫通口の対向する内面の間隔が、1mm以上、30mm以下であることが好ましい。前記間隔が1mmに満たない場合は、成形金型から押し出された溶融樹脂が金属製補強材に接触して固着する可能性が大きくなるため、波打ち現象の発生を防止する効果が小さくなる。また、同間隔が30mmを越えると、溶融樹脂が常温まで冷却した際に、収縮した樹脂と金属製補強材の側面とを隙間なく密着させることが困難となる。したがって、補強材入り帯状部材を螺旋状に巻き回して更生管を製管すると、補強材入り帯状部材に作用する曲げを受けて金属製補強材が倒れるおそれがあり、その際、複合管の強度低下を招くとともに、施工性を低下させるものとなる。
本発明において、前記保護部材の上端外面及びその貫通口の対向する上端内面の間隔が、成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における保護部材の外面及びその貫通口の対向する内面の間隔よりも大きいことが好ましい。これにより、溶融樹脂が常温まで冷却した際に、収縮した樹脂と金属製補強材の上端面との間に隙間を確実に形成することができる。
本発明において、前記成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における樹脂流路の一方側面及び保護部材の対向する外面との間隔の5倍以上保護部材が成形金型の出口を越えて突出されることが好ましい。これにより、成形金型から押し出された溶融樹脂が金属製補強材と接触することを設定長さにわたって防止でき、金属製補強材との固着を防止できる。
本発明において、前記成形金型の後段に該成形金型から押し出された樹脂製帯状部材に対応する樹脂流路を有する冷却金型が配置されることが好ましい。これにより、成形金型から押し出された溶融樹脂を冷却金型において樹脂製帯状部材形状に賦形しつつ冷却することができる。
本発明において、前記冷却金型のリブに対応する樹脂流路内に、金属製補強材を挿通可能な貫通口が形成されるとともに、成形金型の保護部材と連結材を介して連結された第2保護部材が配設されることが好ましい。これにより、成形金型から押し出された溶融樹脂を冷却金型から引き出されるまでの間、すなわち、金属製補強材に対する熱影響を解消し得る温度まで金属製補強材と接触することを防止して冷却することができる。
本発明の補強材入り帯状部材によれば、曲げが作用しても金属製補強材の突き出しを抑えて剛性の高い更生管を円滑に製管することができる。
また、本発明の補強材入り帯状部材の製造方法及びその製造装置によれば、波打ち現象の発生を抑えて樹脂製帯状部材に金属製補強材を埋設した補強材入り帯状部材を連続的に製造することができる。
本発明の補強材入り帯状部材の一実施形態を示す断面図である。 図1の補強材入り帯状部材の製造装置を模式的に示す概略図である。 図2の成形金型の出口側端面図である。 図2の成形金型及び冷却金型における1リブに対応する樹脂流路を模式的に説明する横断面図である。 図4の成形金型の保護部材の変形例を冷却金型とともに模式的に説明する横断面図である。 図4の冷却金型におけるリブに対応する樹脂流路の変形例を成形金型とともに模式的に説明する横断面図である。 本発明の補強材入り帯状部材の他の実施形態を示す断面図及び接合状態を一部省略して示す分解斜視図である。 本発明の補強材入り帯状部材のもう一つの実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の補強材入り帯状部材1の一実施形態が示されている。
この補強材入り帯状部材1は、硬質塩化ビニル製帯状部材2と、この硬質塩化ビニル製帯状部材2のリブ22に埋設された鋼板等の金属製補強材3とから構成されている。
硬質塩化ビニル製帯状部材2は、硬質塩化ビニルを押出成形して形成され、帯板状の基板21と、該基板21の裏面に基板21に直交して立設された複数本(実施例においては3本)の断面略I字状のリブ22と、基板21の一側縁部の裏面に立設された接合凸部23と、基板21の他側縁部の裏面に立設され、接合凸部23が嵌入し得る接合凹部24とを備え、接合凹部24が設けられた基板21の他側縁部が、隣接する硬質塩化ビニル製帯状部材2における基板21の一側縁部を配置できるように、基板21の厚みだけ裏面側に段落ちした段落ち部25に形成されるとともに、段落ち部25に連続して、基板21から離れるにつれて接合凹部24の突出側に位置するように傾斜された傾斜リブ26が形成されている。そして、硬質塩化ビニル製帯状部材2の各リブ22の内部には、金属製補強材3が左右各側面が密着し、上下一方端面との間に隙間22xを有する状態で埋設されている。
なお、基板21の一側縁部の裏面にゴム等のエラストマー4が配設されており、後述するように、補強材入り帯状部材1を螺旋状に巻き回し、隣接する補強材入り帯状部材1の他側縁部に形成された段落ち部25に一側縁部を配置した際、隣接する補強材入り帯状部材1,1における基板21,21の一側縁部と他側縁部との重ね合わせ部をエラストマー4によって密封することができる。
金属製補強材3は、リブ22に対応して鋼板等を切断して形成され、硬質塩化ビニル製帯状部材2の各リブ22内部にその全長にわたって埋設されている。
この場合、金属製補強材3としては、設定厚みの1枚の板材の他、薄板材を1回あるいは複数回折り畳んで設定厚みに形成したものでも構わない。
このような補強材入り帯状部材1によって更生管を製管する場合は、補強材入り帯状部材1を巻き重ねた輸送用ドラムを施工現場に輸送し、輸送用ドラムに巻き重ねられた補強材入り帯状部材1を引き出してマンホールに導くとともに、マンホールにおいて螺旋状に巻き回して更生管を製管する。具体的には、輸送用ドラムから引き出した補強材入り帯状部材1を基板21の裏面側、すなわち、リブ22を立設した側が外周面側に位置するように、既設管に臨んでマンホールに設置された製管機に供給すれば、補強材入り帯状部材1が螺旋状に巻き回され、隣接する補強材入り帯状部材1,1のうち、一方の補強材入り帯状部材1の接合凸部23に他方の補強材入り帯状部材1の接合凹部24を外側(先行する補強材入り帯状部材1の外周側)から嵌め込み、隣接する補強材入り帯状部材1,1を相互に接合して所定の管径の更生管を製管することができる。この際、先行する補強材入り帯状部材1の接合凸部23を設けた基板21の一側縁部に後続する補強材入り帯状部材1の段落ち部25が配置される。
あるいは、輸送用ドラムから引き出した補強材入り帯状部材1を基板21の裏面側、すなわち、リブ22が立設された側が外周面側に位置するように、既設管に設置された製管機に供給すれば、補強材入り帯状部材1が螺旋状に巻き回され、隣接する補強材入り帯状部材1,1のうち、一方の補強材入り帯状部材1の接合凸部23を他方の補強材入り帯状部材1の接合凹部24に内側(先行する補強材入り帯状部材1の内周側)から嵌め込み、隣接する補強材入り帯状部材1,1を相互に接合して所定の管径の更生管を製管することができる。この際、後続する補強材入り帯状部材1の接合凸部23を設けた基板21の一側縁部が先行する補強材入り帯状部材1の段落ち部25に配置される。
このような更生管においては、螺旋状に巻き回された補強材入り帯状部材1に曲げが作用することにより、金属製補強材3が引張応力と圧縮応力を受け、硬質塩化ビニル製帯状部材2の基板21あるいはリブ22から突出しようとする。この場合、硬質塩化ビニル製帯状部材2のリブ22には、金属製補強材3が突出しようとする上下一方端面との間に隙間22xが形成されていることにより、金属製補強材3は隙間22xの範囲を変形でき、基板21やリブ22に金属製補強材3が接触することを防止できる。しかも、更生管を構成する補強材入り帯状部材1は、剛性の大きな硬質塩化ビニルによって帯状部材2が形成されており、更生管は、リブ22に埋設された金属製補強材3と相俟ってより高剛性の特性を有している。
このような補強材入り帯状部材1は、図2に示す製造装置10によって製造される。この製造装置10は、成形金型(クロスヘッドダイ)11と、冷却金型12と、冷却水槽13と、図示しない引取機とからなり、成形金型11に押出機14のヘッドが接続されるとともに、金属製補強材3が導入されている。
成形金型11は、図3及び図4に示すように、前述した補強材入り帯状部材1の硬質塩化ビニル製帯状部材2に略対応する樹脂流路11aが形成されている他、硬質塩化ビニル製帯状部材2の各リブ22に対応する樹脂流路11aには、ブリッジ(図示せず)を介して保護部材111が配設されている。すなわち、成形金型11の、リブ22に対応する樹脂流路11aの内周面と、保護部材111の外周面との間にリブ22を形成するための流路が形成されるとともに、保護部材111に金属製補強材3を挿通可能な貫通口111aが形成されている。これにより、押出機14によって溶融され、成形金型11の樹脂流路11aに押し出された溶融樹脂(硬質塩化ビニル)は、保護部材111によって金属製補強材3と接触することなく流動する。
この場合、成形金型11の、リブ22に対応する樹脂流路11aの高さ方向略中間部における樹脂流路11aの一方側面と、対向する保護部材111の貫通口111aの一方側面との間隔Aが、1mm以上、30mm以下であることが好ましい。間隔Aが1mmに満たない場合、成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂が金属製補強材3と接触し、金属製補強材3と固着するおそれがある。一方、間隔Aが30mmを越えると、略帯状部材形状の溶融樹脂が冷却して収縮した際に金属製補強材3の左右側面と密着させることができなくなる。金属製補強材3の左右側面に隙間が生じると、更生管を製管した際に金属製補強材3の倒れを引き起こすおそれがある。
また、成形金型11の、リブ22に対応する樹脂流路11aの上端面と、対向する保護部材111の貫通口111aの上端面との間隔Bは、前述した間隔Aよりも大きいことが好ましい。これにより、成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂が冷却して収縮した際に、リブの上端部に対応する部分に金属製補強材3の上端面との間に隙間22xを確保することができる。
一方、保護部材111は、成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂が金属製補強材3と接触しないように、成形金型11の樹脂流路11aの出口から設定長さ突出されている。この突出長さLとしては、リブ22に対応する樹脂流路11aの高さ方向略中間部において、該樹脂流路11aの内側面と、対向する保護部材111の外側面との間隔Tの5倍以上であることが好ましい。突出長さLが間隔Tの5倍に満たない場合は、略帯状部材形状の溶融樹脂が金属製補強材3と接触するおそれがある。
なお、詳細には図示しないが、成形金型11には、エラストマー4を形成する溶融樹脂を押し出す押出機のヘッドが接続されるとともに、その溶融樹脂を対応する位置に導く樹脂流路が形成されており、エラストマー4の溶融樹脂を略帯状部材形状の溶融樹脂とともに押し出すことができる。
冷却金型12は、硬質塩化ビニル製帯状部材2に対応する樹脂流路12aが形成され、詳細には図示しないが、内部を冷却水が循環するとともに、樹脂流路12aに負圧が作用して溶融樹脂が樹脂流路12aに沿うように吸引されている。これにより、成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂を設定された寸法の樹脂製帯状部材形状に賦形しつつ冷却し、固化させることができる。
この製造装置10を用いて補強材入り帯状部材1を製造するには、硬質塩化ビニル樹脂材料を押出機14に供給して溶融させ、成形金型11の樹脂流路11aに溶融樹脂を供給し、押し出す。この際、成形金型11の樹脂流路11aのうち、リブ22に対応する樹脂流路11aに配設された保護部材111の貫通口111aに金属製補強材3が導入されており、成形金型11に押し出された溶融樹脂のうち、リブ22に対応する樹脂流路11aの溶融樹脂は、該樹脂流路11aの内周面と保護部材111の外周面によって形成された流路を流動することから、溶融樹脂は保護部材111内に導入された金属製補強材3と接触することなく成形金型11から略帯状部材形状に押し出される。
この際、保護部材111は成形金型11の出口を越えて設定長さLだけ突出されており、成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂が設定長さLだけ移動する間金属製補強材3と接触することが防止される。
成形金型11から押し出された略帯状部材形状の溶融樹脂が冷却金型12の樹脂流路12aに導入されると、冷却金型12によって積極的に冷却されて固化するとともに、樹脂流路12aに沿うように吸引されて設定寸法の帯状部材形状に賦形される。この際、冷却金型12の樹脂流路12aのうち、リブ22に対応する樹脂流路12aには金属製補強材3が導入されており、固化を開始した溶融樹脂は、金属製補強材3に接触することなく樹脂流路12aを通過する。
この場合、冷却による溶融樹脂の収縮を見込んで樹脂流路12aが形成される。すなわち、常温まで冷却された際に金属製補強材3の左右側面に密着するように、樹脂流路12aの幅が設定されている。
冷却金型12から引き出されて冷却固化した高温の帯状部材形状の樹脂は、金属製補強材3とともに冷却水槽13に導入され、循環する冷却水によってほぼ常温に冷却され、引取機によって引き出された後、図示しない巻取り機によって巻き取られる。冷却水槽13から引き出された樹脂製帯状部材2は、そのリブ22の内部に側面が密着されるとともに、上下方向に隙間22xが形成されて金属製補強材3を埋設することにより、補強材入り帯状部材1が製造される。
この結果、硬質塩化ビニル製帯状部材2の溶融樹脂を金属製補強材3に熱影響を与えない温度まで冷却する間、溶融樹脂は金属製補強材3と接触して固着することがなく、固着に伴う溶融樹脂と金属製補強材3との線膨張率の差に基づく波打ち現象を発生させることなく補強材入り帯状部材1を連続的に製造することができ、生産効率を大幅に向上させることができる。
なお、成形金型11から押し出された溶融樹脂が冷却金型12に導入される際、保護部材111の、成形金型11の出口を越えて突出する先端に膨出部111xを形成し、略帯状部材形状の溶融樹脂と金属製補強材3との間隔をより大きく拡大するようにしてもよい(図5参照)。
また、図6に示すように、冷却金型12の樹脂流路12aのうち、リブ22に対応する樹脂流路12aに、成形金型11の保護部材111と連結材122を介して第2保護部材121を浮動状に配設することが好ましい。これにより、固化を開始した略帯状部材形状の溶融樹脂を冷却金型12の樹脂流路12aに導入し、冷却金型12から引き出されるまでの間リブ22に対応する溶融樹脂を、リブ22に対応する樹脂流路12aの内周面と第2保護部材121の外周面との流路に導入することができるとともに、金属製補強材3を第2保護部材121の貫通口121aに導入することができる。したがって、リブに対応する溶融樹脂を金属製補強材3に接触させることなく冷却金型12を通過させて冷却することができる。
ところで、前述した実施形態においては、基板21の一側縁部及び他側縁部にそれぞれ接合凸部23及び接合凹部24を立設した硬質塩化ビニル製帯状部材2の基板21の一側縁部及び他側縁部にそれぞれ接合凸部23及び接合凹部24を立設し、補強材入り帯状部材1を螺旋状に巻き回し、隣接する補強材入り帯状部材1,1の接合凸部23及び接合凹部24を直接接合して更生管を製管する場合を説明したが、このような補強材入り帯状部材1に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、補強材入り帯状部材1Aにおける硬質塩化ビニル製帯状部材2Aの基板21の各側縁部に接合部27,27を形成し、補強材入り帯状部材1Aを螺旋状に巻き回し、隣接する補強材入り帯状部材1A,1Aの接合部27,27をコネクタ1Bによって間接的に接合して更生管を製管するものでもよい。
すなわち、補強材入り帯状部材1Aにおける硬質塩化ビニル製帯状部材2Aの基板21の各側縁部に接合凹部27,27が形成されることに対応して、コネクタ1Bには、補強材入り帯状部材1Aを螺旋状に巻き回し、突き合わされた隣接する補強材入り帯状部材1A,1Aの接合凹部27,27に接合可能な接合凸部28,28が形成されている。これにより、螺旋状に巻き回して隣接する補強材入り帯状部材1A,1Aの一端縁部と他端縁部を突き合わせ、先行する補強材入り帯状部材1Aの一端縁側接合凹部27及び後続する補強材入り帯状部材1Aの他端縁側接合凹部27にわたってコネクタ1Bの接合凸部28,28を内周側から嵌め込んで接合することにより、更生管を製管することができる。
このような補強材入り帯状部材1Aを成形する場合は、詳細には図示しないが、樹脂製帯状部材2Aに対応する樹脂流路11aを有する成形金型11を採用すればよい。すなわち、成形金型11の樹脂流路11aのうち、リブ22に対応する樹脂流路11aに金属製補強材3を挿通可能な貫通口111aを形成した保護部材111をブリッジを介して配設し、リブ22に対応する樹脂流路11aと保護部材111の外周面との間にリブ22に対応する溶融樹脂の流路を形成する点は先の実施形態と同じである。
また、前述した実施形態においては、樹脂製帯状部材に硬質塩化ビニルを採用したが、硬質塩化ビニルに限るものではなく、可撓性を有する樹脂、例えば、ポリエチレンから成形することもできる。この場合は、螺旋状に巻き回して更生管を製管する際、隣接する補強材入り帯状部材1,1を溶融樹脂を介して融着することを考慮して、図8に示すように、一方の側縁部に他方の側縁部を配置可能な段落ち部25に形成し、一方の側縁部と他方の側縁部を重ね合わせて接合する接合部であることが好ましい。
1,1A 補強材入り帯状部材
2,2A 樹脂製帯状部材
21 基板
22 リブ
23,24 接合部
3 金属製補強材
10 製造装置
11 成形金型
111 保護部材
12 冷却金型
121 第2保護部材

Claims (8)

  1. 旋状に巻き回されるとともに側縁部が接合されて更生管となされる補強材入り帯状部材であって、
    帯板状の基板、該基板に立設された複数本のリブ、並びに基板の一側縁部及び他側縁部にそれぞれ形成された接合部を有する樹脂製帯状部材と、樹脂製帯状部材の各リブに埋設された金属製補強材とを備え
    前記リブの立設方向を上下方向とするとき、前記樹脂製帯状部材のリブの内部は、該リブの全長にわたり、金属製補強材の上下少なくとも一方の端面との間に隙間を有することを特徴とする補強材入り帯状部材。
  2. 成形金型を用いた補強材入り帯状部材の製造方法であって、
    前記成形金型は、補強材を挿通させる貫通口と前記補強材に接触せずに溶融樹脂を流動させる樹脂流路とを備え、
    前記成形金型に溶融樹脂を押し出して帯板状の基板、該基板から直立するリブ、並びに該基板の一側縁部及び他側縁部に接合部を有する形状に成形するとともに前記リブ内に前記補強材を溶融樹脂と非接触状態で導入
    前記溶融樹脂と前記補強材とを非接触状態で冷却金型を通過させた後、冷却水槽に導入して冷却水により冷却し、前記リブの内部に前記補強材の左右側面を密着させるとともに前記リブの内部と前記補強材の上下一方の端面との間に隙間を設けることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造方法。
  3. 成形金型を備えた、補強材入り帯状部材の製造装置であって、
    前記帯状部材は、帯板状の基板、該基板に立設されるリブ、並びに該基板の一側縁部及び他側縁部の接合部を有し、前記リブには補強材が埋設されてなり、
    前記成形金型には溶融樹脂を供給する押出機が接続されるとともに、前記帯状部材に対応する樹脂流路が設けられ、前記リブに対応する樹脂流路には、溶融樹脂と補強材との間に間隔を設ける保護部材が配設され、該保護部材は、溶融樹脂に接触させることなく補強材を挿通させる貫通口を備えることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
  4. 請求項3に記載の補強材入り帯状部材の製造装置において、前記成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における保護部材の外面及びその貫通口の対向する内面の間隔が、1mm以上、30mm以下であることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
  5. 請求項4に記載の補強材入り帯状部材の製造装置において、前記保護部材の上端外面及びその貫通口の対向する上端内面の間隔が、成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における保護部材の外面及びその貫通口の対向する内面の間隔よりも大きいことを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
  6. 請求項3乃至5の何れか一つに記載の補強材入り帯状部材の製造装置において、前記成形金型のリブに対応する樹脂流路の高さ方向略中間部における樹脂流路の一方側面及び保護部材の対向する外面との間隔の5倍以上保護部材が成形金型の出口を越えて突出されることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
  7. 請求項3乃至6の何れか一つに記載の補強材入り帯状部材の製造装置において、前記成形金型の後段に該成形金型から押し出された樹脂製帯状部材に対応する樹脂流路を有する冷却金型が配置されることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
  8. 請求項7に記載の補強材入り帯状部材の製造装置において、前記冷却金型のリブに対応する樹脂流路内に、金属製補強材を挿通可能な貫通口が形成されるとともに、成形金型の保護部材と連結材を介して連結された第2保護部材が配設されることを特徴とする補強材入り帯状部材の製造装置。
JP2013121812A 2013-06-10 2013-06-10 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置 Active JP6174918B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013121812A JP6174918B2 (ja) 2013-06-10 2013-06-10 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013121812A JP6174918B2 (ja) 2013-06-10 2013-06-10 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014238152A JP2014238152A (ja) 2014-12-18
JP6174918B2 true JP6174918B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=52135449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013121812A Active JP6174918B2 (ja) 2013-06-10 2013-06-10 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6174918B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA3097151C (en) 2016-08-30 2023-01-31 Sekisui Chemical Co., Ltd. Pipe-forming apparatus for spiral pipe

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3657056B2 (ja) * 1996-05-23 2005-06-08 積水化学工業株式会社 既設管ライニング用プロファイル
JP2006248116A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Sekisui Chem Co Ltd 既設管ライニング用帯状体
CN1308134C (zh) * 2005-07-07 2007-04-04 哈尔滨工业大学星河实业有限公司 一种钢带增强塑料排水管道及其制造方法和装置
JP5358399B2 (ja) * 2009-10-30 2013-12-04 積水化学工業株式会社 更生管製管用補強材入り帯状体
JP2011094753A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Sekisui Chem Co Ltd 更生管製管用補強材入り帯状体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014238152A (ja) 2014-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6038719B2 (ja) 補強材入り帯状部材及びその製造方法
US9079353B2 (en) Flexible pipe
RU2013102597A (ru) Способ изготовления армированных одноосно ориентированных профилей
CN101718375B (zh) 用于螺旋波纹形塑钢缠绕管的钢带增强复合带材
JP2005180609A (ja) 耐圧複合管
JP2017219150A (ja) 複合管
JP6174918B2 (ja) 補強材入り帯状部材及びその製造方法並びに製造装置
KR20060081070A (ko) 원주방향의 강도를 향상시킨 사중 복층 하수관
WO2016082024A1 (en) Method for forming inline triple wall coupling connector
JP4832251B2 (ja) 合成樹脂製ホースの製造方法
JP2015006744A (ja) 補強材入り帯状部材及びその製造方法
JP2008014326A (ja) 合成樹脂製可撓管
JP5770536B2 (ja) 製管用部材
JP2010255671A (ja) 合成樹脂製可撓管
JP6415207B2 (ja) 合成樹脂製ホースの製造方法
JP2012016847A (ja) 二重管の製造方法、及び二重管の製造装置
JP2016003745A (ja) 断熱ホース
JP5340798B2 (ja) 地中埋設管の製造方法
JP2009270608A (ja) 合成樹脂パイプ及びパイプ接続構造
JP2005016580A (ja) 合成樹脂管
JP4842053B2 (ja) 管路の内張り材の製造方法
TW202001058A (zh) 建築充氣式帶管、混凝土構件生產方法及管道排布方法
KR101095653B1 (ko) 보강 구조를 갖는 프로파일 및 이를 이용한 다층 벽 하수관
US20220221087A1 (en) Helically wound pipe and related method
KR101057634B1 (ko) 복합 단면 구조를 이루는 코러게이트 합성 수지관

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170707

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6174918

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250