JP6174317B2 - 光学ガラス、光学素子及びプリフォーム - Google Patents

光学ガラス、光学素子及びプリフォーム Download PDF

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Description

本発明は、光学ガラス、光学素子及びプリフォームに関する。
光学機器のレンズ系は、通常、異なる光学的性質を持つ複数のガラスレンズを組み合わせて設計されている。近年、多様化する光学機器のレンズ系の設計の自由度をさらに広げるため、従来用いられなかった光学特性を有する光学ガラスが、球面及び非球面レンズ等の光学素子として用いられるようになった。特に、光学設計を行うに当たり、光学系全体での色収差を小さくする等の目的に沿って、屈折率や分散傾向の異なるものが開発されている。
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学素子の軽量化及び小型化を図ることが可能な、高い屈折率(nd)と高いアッベ数(νd)を有するガラスの需要が非常に高まっている。このような高屈折率低分散ガラスとしては、例えば1.53以上の屈折率を有し、60以上のアッベ数を有する光学ガラスとして、特許文献1に代表されるようなガラスが知られている。
特開2007−055883号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来の光学ガラスでは、屈折率の高さが不十分であった。すなわち、60以上の高いアッベ数を有しながらも、より屈折率の高い光学ガラスの開発が望まれている。
一方で、光学ガラスから光学素子を作製する方法としては、例えば、光学ガラスから形成されたゴブ又はガラスブロックに対して研削及び研磨を行って光学素子の形状を得る方法、光学ガラスから形成されたゴブ又はガラスブロックを再加熱して成形(リヒートプレス成形)して得られたガラス成形体を研削及び研磨する方法、及び、ゴブ又はガラスブロックから得られたプリフォーム材を超精密加工された金型で成形(精密モールドプレス成形)して光学素子の形状を得る方法が知られている。いずれの方法であっても、熔融したガラス原料からゴブ又はガラスブロックを形成する際に、安定なガラスが得られることが求められる。ここで、得られるゴブ又はガラスブロックを構成するガラスの失透に対する安定性(耐失透性)が低下してガラスの内部に結晶が発生した場合、もはや光学素子として好適なガラスを得ることができない。
本発明は、このような課題を解決することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、所望の高いアッベ数を有しながらも、より屈折率が高く、且つ耐失透性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成させた。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) カチオン成分としてP5+及びAl3+を含有し、Al3+の含有量が25.0%以下であり、アニオン成分としてO2−及びFを含有し、
屈折率(nd)が1.53以上である光学ガラス。
(2) カチオン%(モル%)表示で、P5+を10.0〜70.0%含有する(1)記載の光学ガラス。
(3) カチオン%(モル%)表示で、B3+を0.1〜15.0%さらに含有する(1)又は(2)記載の光学ガラス。
(4) カチオン%(モル%)表示で、
Mg2+の含有率が0〜20.0%
Ca2+の含有率が0〜30.0%、
Sr2+の含有率が0〜30.0%、
Ba2+の含有率が0〜50.0%、
である(1)から(3)のいずれか記載の光学ガラス。
(5) カチオン%(モル%)表示で、Ba2+を20.0%以上含有する(4)記載の光学ガラス。
(6) P5+、B3+及びBa2+の合計含有率(カチオン%)が30.0〜80.0%である(1)から(5)のいずれか記載の光学ガラス。
(7) P5+、B3+、Ba2+及びAl3+の合計含有率(カチオン%)が95.0%以下である(1)から(6)のいずれか記載の光学ガラス。
(8) アルカリ土類金属の合計含有率(R2+:カチオン%)が60.0%以下である(1)から(7)のいずれか記載の光学ガラス。
(9) カチオン%(モル%)表示で、
La3+の含有率が0〜10.0%、
Gd3+の含有率が0〜10.0%、
3+の含有率が0〜10.0%、
Yb3+の含有率が0〜20.0%、
Lu3+の含有率が0〜10.0%
である(1)から(8)のいずれか記載の光学ガラス。
(10) La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+及びLu3+の合計含有率(Ln3+:カチオン%)が20.0%以下である(1)から(9)のいずれか記載の光学ガラス。
(11) カチオン%(モル%)表示で、
Liの含有率が0〜20.0%、
Naの含有率が0〜10.0%、
の含有率が0〜10.0%
である(1)から(10)のいずれか記載の光学ガラス。
(12) アルカリ金属の合計含有率(Rn:カチオン%)が20%以下である(1)から(11)のいずれか記載の光学ガラス。
(13) カチオン%(モル%)表示で、
Si4+の含有率が0〜10.0%、
Zn2+の含有率が0〜30.0%、
Nb5+の含有率が0〜10.0%、
Ti4+の含有率が0〜10.0%、
Zr4+の含有率が0〜10.0%、
Ta5+の含有率が0〜10.0%、
6+の含有率が0〜10.0%、
Ge4+の含有率が0〜10.0%、
Bi3+の含有率が0〜10.0%、
Te4+の含有率が0〜15.0%
である(1)から(12)のいずれか記載の光学ガラス。
(14) アニオン%(モル%)表示で、
の含有率が20.0〜70.0%、
2−の含有率が30.0〜80.0%、
である(1)から(13)のいずれか記載の光学ガラス。
(15) 60以上のアッベ数(νd)を有する(1)から(14)のいずれか記載の光学ガラス。
(16) 屈折率(nd)がアッベ数(νd)との間でnd≧−0.00254×νd+1.760の関係を満たす(1)から(15)のいずれか記載の光学ガラス。
(17) (1)から(16)のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
(18) (1)から(16)のいずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
(19) (18)記載のプリフォームを精密プレスしてなる光学素子。
本発明によれば、所望の高いアッベ数を有しながらも、より高い屈折率を有し、且つ耐失透性の高い光学ガラスと、これを用いたプリフォーム及び光学素子を提供することができる。
本発明の光学ガラスは、カチオン成分としてP5+及びAl3+を含有し、Al3+の含有量が25.0%以下であり、アニオン成分としてO2−及びFを含有し、屈折率(nd)が1.53以上である。カチオン成分であるAl3+の含有量を低減することで、ガラスの屈折率及びアッベ数が高められる。また、カチオン成分としてP5+を含有し、且つアニオン成分としてFを含有することで、所望の高いアッベ数が得られながらも、ガラスの耐失透性が高められる。そのため、所望の高いアッベ数を有しながらも、より高い屈折率を有し、且つ耐失透性の高い光学ガラスを得ることができる。
以下、本発明の光学ガラスについて説明する。本発明は、以下の態様に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所について説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
<ガラス成分>
本発明の光学ガラスを構成する各成分について説明する。
本明細書中において、各成分の含有率は特に断りがない場合は、全てモル比に基づくカチオン%又はアニオン%で表示されるものとする。ここで、「カチオン%」及び「アニオン%」(以下、「カチオン%(モル%)」及び「アニオン%(モル%)」と表記することがある)は、本発明の光学ガラスのガラス構成成分をカチオン成分及びアニオン成分に分離し、それぞれにおいて合計割合を100モル%として、ガラス中に含有される各成分の含有率を表記した組成である。
なお、各成分のイオン価は便宜的に代表値を用いているに過ぎないため、他のイオン価のものと区別するものではない。光学ガラス中に存在する各成分のイオン価は、代表値以外である可能性がある。例えば、Pは、通常イオン価が5価の状態でガラス中に存在するので、本明細書中では「P5+」と表しているが、他のイオン価の状態で存在する可能性がある。このように、厳密には他のイオン価の状態で存在するものであっても、本明細書では、各成分が代表値のイオン価でガラス中に存在するものとして扱う。
[カチオン成分について]
5+は、ガラス形成成分であるため、必須成分として0%超含有すべきである。特に、P5+を10.0%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められる。そのため、P5+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは30.0%を下限とする。
一方で、P5+の含有量を70.0%にすることで、P5+による屈折率やアッベ数の低下を抑えられる。従って、P5+の含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%を上限とする。
5+は、原料としてAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、Zn(PO、BPO、HPO等を用いることができる。
Al3+は、ガラスの微細構造の骨格形成に寄与することで耐失透性を高められるため、必須成分として0%超含有すべきである。従って、Al3+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは10.0%を下限とする。
一方で、Al3+の含有量を25.0%以下にすることで、Al3+による屈折率やアッベ数の低下を抑えられる。従って、Al3+の含有率の上限は、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、さらに好ましくは20.0%を上限とし、さらに好ましくは17.0%未満とする。
Al3+は、原料としてAl(PO、AlF、Al等を用いることができる。
3+は、それ自体が屈折率を高める成分であり、且つ、他の屈折率を高める成分であるYb3+やBa2+成分を用いた場合に耐失透性を高められる任意成分である。すなわち、B3+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率と耐失透性を高められる。従って、B3+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは1.0%、さらに好ましくは3.0%を下限としてもよい。
一方で、B3+の含有率を15.0%以下にすることで、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B3+の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは12.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
3+は、原料としてHBO、Na、BPO等を用いることができる。
Mg2+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
一方で、Mg2+の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられる。従って、Mg2+の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Mg2+は、原料としてMgO、MgF等を用いることができる。
Ca2+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高められ、且つ屈折率の低下を抑えられる任意成分である。従って、Ca2+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは2.0%を下限としてもよい。
一方で、Ca2+の含有率を30.0%以下にすることで、Ca2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性や屈折率の低下を抑えられる。従って、Ca2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
Ca2+は、原料としてCa(PO、CaCO、CaF等を用いることができる。
Sr2+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高められ、且つ屈折率の低下を抑えられる任意成分である。
一方で、Sr2+の含有率を30.0%以下にすることで、Sr2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性や屈折率の低下を抑えられる。従って、Sr2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは20.0%、さらに好ましくは10.0%を上限とする。
Sr2+は、原料としてSr(NO、SrF等を用いることができる。
Ba2+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高めながらも、低い分散性を維持し、且つ屈折率を高められる任意成分である。従って、Ba2+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは25.0%超、さらに好ましくは29.0%を下限としてもよい。
一方で、Ba2+の含有率を50.0%以下にすることで、Ba2+の過剰な含有によるガラスの耐失透性の低下を抑えられる。従って、Ba2+の含有率は、好ましくは50.0%、より好ましくは40.0%、より好ましくは37.0%を上限とする。
Ba2+は、原料としてBa(PO、BaCO、Ba(NO、BaF等を用いることができる。
本発明の光学ガラスは、P5+、B3+及びBa2+の合計含有率が30.0%以上80.0%以下であることが好ましい。
特に、この合計含有率を30.0%以上にすることで、Al3+の含有量を低減しても耐失透性を高めることが可能である。従って、合計含有率(P5++B3++Ba2+)は、好ましくは30.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは55.0%、さらに好ましくは60.0%を下限とし、さらに好ましくは65.0%超とする。
一方で、この合計含有率を80.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による耐失透性の低下を抑えられる。従って、合計含有率(P5++B3++Ba2+)は、好ましくは80.0%、より好ましくは78.0%、さらに好ましくは76.0%を上限とする。
また、本発明の光学ガラスは、P5+、B3+、Ba2+及びAl3+の合計含有率が95.0%以下であることが好ましい。これにより、所望の高屈折率を有しながらも、高い耐失透性を維持できる。従って、合計含有率(P5++B3++Ba2++Al3+)は、好ましくは95.0%、より好ましくは93.0%、さらに好ましくは91.0%を上限とする。
一方で、この合計含有率を30.0%以上にすることで、これらの成分によって耐失透性を向上できる。従って、合計含有率(P5++B3++Ba2++Al3+)は、好ましくは30.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは70.0%、さらに好ましくは80.0%、さらに好ましくは85.0%を下限としてもよい。
アルカリ土類金属は、Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+からなる群から選ばれる1種以上を意味する。また、Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+からなる群から選ばれる1種以上をR2+と表す場合がある。
また、R2+の合計含有率とは、これら4つのイオンのうち1種以上の合計含有率(例えばMg2++Ca2++Sr2++Ba2+)を意味するものとする。
2+の合計含有率は60.0%以下であることが好ましい。これにより、R2+の過剰な含有による失透を低減できる。従って、R2+の合計含有率は、好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、さらに好ましくは41.0%を上限とする。
一方で、R2+の合計含有率は、0%超にしてもよい。これにより、より耐失透性の高いガラスを得ることができる。従って、R2+の合計含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは30.0%を下限としてもよい。
La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+及びLu3+は、少なくともいずれかを0%超含有する場合に、高屈折率及び高アッベ数を維持しながらも、耐失透性を高められる任意成分である。特に、La3+を0%超含有することで耐失透性を高め易くできるため、La3+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.5%、さらに好ましくは1.0%を下限としてもよい。また、Yb3+を0%超含有することで、屈折率を高め、且つ熔解時におけるF等の揮発を低減できるため、Yb3+の含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.7%、さらに好ましくは2.0%を下限としてもよい。
一方で、La3+、Gd3+、Y3+及びLu3+の各々の含有量を10.0%以下にすること、及び/又は、Yb3+の含有量を20.0%以下にすることで、これら成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、La3+、Gd3+、Y3+及びLu3+の各々の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。また、Yb3+の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+及びLu3+は、原料としてLa、LaF、Gd、GdF、Y、YF、Yb、Lu等を用いることができる。
Ln3+は、Y3+、La3+、Gd3+、Yb3+及びLu3+からなる群から選ばれる少なくとも1つを意味する。また、Ln3+の合計含有率は、これらの5つのイオンの合計含有率(Y3++La3++Gd3++Yb3++Lu3+)を表す場合がある。
特に、Ln3+の合計含有率を20.0%以下にすることで、Ln3+の過剰な含有による失透を低減できる。従って、Ln3+の合計含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは6.0%を上限とする。
一方で、Ln3+は含有しなくてもよいが、Ln3+を0%超含有することで、高屈折率及び高アッベ数を維持しながらも、耐失透性を高められる。そのため、Ln3+の合計含有率を、好ましくは0.1%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは3.0%を下限としてもよい。
Li、Na及びKは、0%超含有する場合に、ガラス形成時の耐失透性を高く維持しつつ、ガラス転移点を下げられる任意成分である。特にLiは耐失透性を高める作用が強いため、Liの含有率は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.3%を下限としてもよい。
一方で、Liの含有率を20.0%以下含有すること、及び/又は、Na及びKのうち1種以上の含有率を10.0%以下にすることで、屈折率の低下や、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、Liの含有率は、より好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。また、NaびKの各々の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Li、Na及びKは、原料としてLiCO、LiNO、LiF、NaCO、NaNO、NaF、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる。
本発明においてRnは、Li、Na及びKからなる群から選ばれる少なくとも1つを意味する。また、Rnの合計含有率は、これらの3つのイオンの合計含有率(Li+Na+K)を表す場合がある。
特に、Rnの合計含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下や、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、Rnの合計含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
一方で、Rnは含有しなくてもよいが、Rnを0%超含有することで、耐失透性を高め、且つガラス転移点を低くできる。そのため、Rnの合計含有率を、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.3%を下限としてもよい。
Si4+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高め、屈折率を高め、磨耗度を低下できる任意成分である。
一方で、Si4+の含有率を10.0%以下にすることで、Si4+の過剰な含有による失透を低減できる。従って、Si4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Si4+は、原料としてSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
Zn2+は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
一方で、Zn2+の含有率は30.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えられる。従って、Zn2+の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Zn2+は、原料としてZn(PO、ZnO、ZnF等を用いることができる。
Nb5+、Ti4+及びW6+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められる任意成分である。加えて、Nb5+は、0%超含有する場合に化学的耐久性を高められる。また、W6+は、0%超含有する場合にガラス転移点を低くできる。
一方で、Nb5+、Ti4+及びW6+の各々の含有率を10.0%以下にすることで、アッベ数の低下を抑えられ、且つガラスの着色による可視光透過率の低下を抑えられる。従って、Nb5+、Ti4+及びW6+の各々の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Nb5+、Ti4+及びW6+は、原料としてNb、TiO、WO等を用いることができる。
Zr4+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められる任意成分である。
一方で、Zr4+の含有率を10.0%以下にすることで、ガラス中の成分の揮発によるガラスの脈理を抑えられる。従って、Zr4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Zr4+は、原料としてZrO、ZrF等を用いることができる。
Ta5+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められる任意成分である。
一方で、Ta5+の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの失透を低減できる。従って、Ta5+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。
Ta5+は、原料としてTa等を用いることができる。
Ge4+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、耐失透性を高められる任意成分である。
一方で、Ge4+の含有率を10.0%以下にすることで、高価なGe4+の含有量が減少することで、ガラスの材料コストを低減できる。そのため、Ge4+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%とする。
Ge4+は、原料としてGeO等を用いることができる。
Bi3+及びTe4+は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、ガラス転移点を低くできる任意成分である。
一方で、Bi3+の含有率は10.0%以下にし、及び/又は、Te4+の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの失透や、着色による可視光透過率の低下を抑えられる。従って、Bi3+の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%を上限とする。また、Te4+の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは5.0%を上限とする。
Bi3+及びTe4+は、原料としてBi、TeO等を用いることができる。
[アニオン成分について]
本発明の光学ガラスはFを含有する。Fの含有率は、例えば20.0%〜70.0%にすることが好ましい。
特に、Fを20.0%以上含有することで、ガラスの異常分散性やアッベ数を高め、且つガラスの耐失透性を高められる。従って、Fの含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは23.0%、さらに好ましくは26.0%とする。
一方で、Fの含有率を70.0%以下にすることで、ガラスの磨耗度の低下を抑えられる。従って、Fの含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは60.0%、より好ましくは50.0%、さらに好ましくは40.0%を上限とする。
は、原料としてAlF、MgF、BaF等の各種カチオン成分のフッ化物を用いることができる。
本発明の光学ガラスはO2−を含有する。O2−の含有率は、例えば30.0%〜80.0%にすることが好ましい。
特に、O2−を30.0%以上含有することで、ガラスの失透や、磨耗度の上昇を抑制できる。従って、O2−の含有率の下限は、好ましくは30.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは50.0%、さらに好ましくは60.0%とする。
一方で、O2−の含有率を80.0%以下にすることで、他のアニオン成分による効果を得易くできる。従って、O2−の含有率の上限は、好ましくは80.0%、より好ましくは77.0%、さらに好ましくは74.0%とする。
また、ガラスの失透を抑制する観点から、O2−の含有率とFの含有率の合計は、好ましくは98.0%、より好ましくは99.0%を下限とし、さらに好ましくは100%とする。
2−は、原料としてAl、MgO、BaO等の各種カチオン成分の酸化物や、Al(PO)、Mg(PO)、Ba(PO)等の各種カチオン成分の燐酸塩等を用いることができる。
[その他の成分について]
本発明の光学ガラスには、他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加できる。
[含有すべきでない成分について]
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の遷移金属のカチオンは、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
Pb、Th、Cd、Tl、Os、Be及びSeのカチオンは、近年有害な化学物質として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、これらを実質的に含有しないことが好ましい。これにより、光学ガラスに環境を汚染する物質が実質的に含まれなくなる。そのため、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、この光学ガラスを製造し、加工し、及び廃棄できる。
SbやAsのカチオンは、脱泡剤として有用ではあるが、環境に不利益を及ぼす成分として、近年光学ガラスに含めないようにする傾向がある。そのため、本発明の光学ガラスは、このような点からSbやAsを含まないことが好ましい。
[製造方法]
本発明の光学ガラスの製造方法は特に限定されない。例えば、上記原料を各成分が所定の含有率の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を石英坩堝又はアルミナ坩堝又は白金坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて900〜1200℃の温度範囲で2〜10時間溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、850℃以下の温度に下げてから仕上げ攪拌を行って脈理を除去し、金型に鋳込んで徐冷することにより製造することができる。
[物性]
本発明の光学ガラスは、高屈折率を有する。また、本発明の光学ガラスは、高アッベ数(低分散)を有することが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスの屈折率(nd)は、好ましくは1.53、より好ましくは1.57、さらに好ましくは1.59、さらに好ましくは1.60、さらに好ましくは1.607を下限とする。この屈折率の上限は、好ましくは2.00、より好ましくは1.90、さらに好ましくは1.80であってもよい。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、好ましくは60、より好ましくは63、さらに好ましくは66を下限とし、好ましくは90、より好ましくは85、さらに好ましくは80を上限とする。
また、本発明の光学ガラスのアッベ数(νd)は、屈折率(nd)との間で、nd≧−0.00254×νd+1.760の関係を満たすことが好ましく、nd≧−0.00254×νd+1.770の関係を満たすことがより好ましく、nd≧−0.00254×νd+1.790の関係を満たすことが最も好ましい。
このような高屈折率を有することで、光学素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。また、このような低分散を有することで、単レンズであっても光の波長による焦点のずれ(色収差)が小さくなる。また、屈折率及びアッベ数がこのような関係を有することで、近年発表されている高屈折・高分散の光学特性を有する光学ガラスと組み合わせたときに、高パワーの光学設計を行うことが可能な光学ガラスを得ることができる。
従って、本発明の光学ガラスは、光学設計上有用であり、光学系の高精度化及び小型化を図ることができるため、光学設計の自由度を広げることができる。
なお、屈折率(nd)及びアッベ数(νd)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01−2003に基づいて測定して得た値を意味するものとする。
本発明の光学ガラスは、溶融状態からガラスを形成したときの耐失透性が高いことが好ましい。これにより、ガラスの安定性が高められて結晶化が低減されるため、ガラスから作製される光学素子の光学特性、特に透過率への悪影響を低減できる。
耐失透性の指標として、後述する失透析出開始温度(Tx)を用いることができる。本発明の光学ガラスの失透析出開始温度(Tx)は、好ましくは1200℃、より好ましくは1100℃以下、さらに好ましくは1000℃以下、さらに好ましくは950℃以下である。
本発明の光学ガラスは、ガラス原料を熔解する際における、F成分をはじめとする各種成分の揮発が少ないことが好ましい。これにより、環境に対して有害なガスの発生が低減されるため、光学ガラスを製造する際の作業環境をより改善し易くできる。より具体的には、ガラス原料を熔解する際の揮発量(原料熔解時の揮発量)は、好ましくは3.00%以下、より好ましくは2.50%以下、さらに好ましくは2.30%以下である。
ここで、各種成分の揮発量は、例えば以下の方法で測定できる。
すなわち、調合したガラス原料を約200mg量り取り、アルミナ製のDTA坩堝に入れ、昇温速度40℃/分で1100℃まで加熱し、30分間保持した。この30分保持したときを開始点として、1100℃でさらに60分間保持した。開始点と開始点から60分間後の質量変化量を揮発量と定義し、その量を求めた。
また、各種成分の揮発量は、以下の方法で評価することもできる。
すなわち、100cmのガラス原料を、蓋をした300ccの白金るつぼで1000〜1200℃で十分に熔解させた後、得られた融液を熔解容器ごと炉外に取り出し、蓋を外した直後に発生する白煙の量を目視により確認した。このとき、白煙が少ない場合を「◎非常に良い」又は「○良い」と評価し、白煙が多い場合を「△悪い」又は「×非常に悪い」と評価した。ここで、白煙が少ない場合の中でも特に白煙が少ない場合を「◎非常に良い」と評価し、白煙が多い場合の中でも特に白煙が多い場合を「×非常に悪い」と評価した。
[プリフォーム及び光学素子]
本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用であるが、その中でも特に、本発明の光学ガラスからプリフォームを形成し、このプリフォームに対して研磨加工や精密プレス成形等の手段を用いて、レンズやプリズム、ミラー等の光学素子を作製することが好ましい。これにより、カメラやプロジェクタ等のような光学素子に可視光を透過させる光学機器に用いたときに、高精細で高精度な結像特性を実現することができる。特に、本発明の光学ガラスは温度変化による屈折率の変動が小さいため、例えばプロジェクタのように使用時に高温になる用途に用いても、高精細で高精度な結像特性を実現することができる。ここで、プリフォーム材を製造する方法は特に限定されるものではなく、例えば特開平8−319124に記載のガラスゴブの成形方法や特開平8−73229に記載の光学ガラスの製造方法及び製造装置のように溶融ガラスから直接プリフォーム材を製造する方法を用いることもできる。また、光学ガラスから形成したストリップ材に対して研削研磨等の冷間加工を行って製造する方法を用いることもできる。
本発明の光学ガラスである実施例(No.1〜No.38)及び比較例(No.A)のガラスの組成(カチオン%表示又はアニオン%表示のモル%で示す)、屈折率(nd)、アッベ数(νd)、及び、原料熔解時の揮発の度合い(表中では単に「揮発の度合い」とする)を表1〜表5に示す。また、実施例及び比較例のガラスの、原料熔解時の揮発量と耐失透性を表6に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例の光学ガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、メタ燐酸化合物等の通常の弗燐酸塩ガラスに使用される高純度原料を選定し、表1〜表5に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の溶融難易度に応じて電気炉で900〜1200℃の温度範囲で2〜10時間溶解し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、850℃以下に温度を下げてから金型に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。
ここで、実施例及び比較例の光学ガラスの屈折率及びアッベ数は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01−2003に基づいて測定した。そして、求められた屈折率及びアッベ数の値について、関係式nd≧−0.00254×νd+bにおける切片bを求めた。(切片bは、表中では「nd+0.00254*νd」と表した。)なお、本測定に用いたガラスとして、アニール条件は徐冷降下速度を−25℃/hrとして、徐冷炉にて処理を行ったものを用いた。
また、実施例及び比較例のガラスの原料熔解時の揮発の度合いは、100cmのガラス原料を、白金又は耐火物からなる蓋をした、内法の直径85mm、高さ65mmの白金るつぼ(300cc)で1000〜1200℃で十分に熔解させた後、得られた融液を熔解容器ごと炉外に取り出し、るつぼの背面に30cm×30cmの黒板を設置し、蓋を外した直後に発生する白煙の量を目視により確認した。このとき、黒板の水平方向の中心線がるつぼの水平方向の中心線と重なるように設置した。
このとき、白煙が少ない場合を「◎非常に良い」又は「○良い」と評価し、白煙が多い場合を「△悪い」又は「×非常に悪い」と評価した。ここで、白煙が少ない場合の中でも特に白煙が少ない場合を「◎非常に良い」と評価し、白煙が多い場合の中でも特に白煙が多い場合を「×非常に悪い」と評価した。
また、実施例及び比較例のガラスの原料熔解時の揮発性は、以下の方法でも測定した。
調合したガラス原料を約200mg量り取り、アルミナ製のDTA坩堝に入れ、昇温速度40℃/分で1100℃まで加熱し、30分間保持した。この30分保持したときを開始点として、1100℃でさらに60分間保持した。開始点と開始点から60分間後の質量変化量を揮発量と定義し、その量を求めた。
また、実施例及び比較例のガラスの耐失透性は、得られたガラスを粒度425〜600μmに破砕し、粉砕したガラス試料を約200mg量り取ってアルミナ製のDTA坩堝に入れ、昇温速度10℃/分で950℃まで加熱した。加熱温度が950℃に達した後、降温速度5℃/分で600℃まで冷却したときに検出される示唆熱曲線の最も高い発熱開始温度Tx(−5)を測定した。また、同様に加熱温度が950℃に達した後、降温速度2.5℃/分で600℃まで冷却したときに検出される示唆熱曲線の最も高い発熱開始温度Tx(−2.5)を測定した。測定されたTx(−5)とTx(−2.5)の値から、降温速度0℃/分に外挿した温度を失透析出開始温度(Tx)と定義し、その温度を求めた。
Figure 0006174317
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表1〜表6に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率が1.53以上、より詳細には1.59以上であり、所望の範囲内であった。一方、比較例(No.A)は、屈折率が1.53を下回っていた。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、比較例のガラスに比べて屈折率が高いことが明らかになった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数が60以上、より詳細には65以上であるとともに、このアッベ数は80以下、より詳細には70以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスのアッベ数(νd)は、屈折率(nd)との間で、nd≧−0.00254×νd+1.760の関係、より詳細にはnd≧−0.00254×νd+1.767の関係を満たしており、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、表中の「揮発の度合い」が「◎」又は「○」であり、熔解時における白煙の発生が少ないことが明らかになった。また、本発明の実施例の光学ガラスは、揮発量が3.00%以下、より具体的には2.15%以下であった。その一方で、本発明の比較例のガラスは、揮発量が3.15%であった。そのため、本発明の光学ガラスは、比較例のガラスに比べて、熔解時におけるF成分をはじめとする各成分の揮発が少ないことが推察される。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、失透析出開始温度が1200℃以下、より具体的には940℃以下であり、所望の範囲内であった。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、アッベ数が所望の範囲内にありながらも、屈折率及び耐失透性が高く、且つ、熔解時における成分の揮発が少ないことが明らかになった。
さらに、本発明の実施例の光学ガラスを用いて、ガラスブロックを形成し、このガラスブロックに対して研削及び研磨を行い、レンズ及びプリズムの形状に加工した。その結果、安定に様々なレンズ及びプリズムの形状に加工することができた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (6)

  1. カチオン成分として、カチオン%(モル%)表示で
    5+30.045.0%、
    Al3+を13.663〜20.0
    Ca2+の含有率が1.0〜10.0%及び
    Ba2+の含有率が25.0超37.0
    含有し、
    Mg2+の含有率が0〜3.0%、
    Sr2+の含有率が0〜10.0%、
    3+の含有率が0〜10.0%
    であり、
    5+、B3+、Ba2+及びAl3+の合計含有率(カチオン%)が70.0%〜91.0%以下
    であり、
    アルカリ金属の合計含有率(Rn:カチオン%)が0超〜5.0%であり、
    La3+、Gd3+、Y3+、Yb3+及びLu3+の合計含有率(Ln3+:カチオン%)が1.0〜10.0%であり、
    アニオン成分としてO2− を60.0〜77.0%、 を23.0〜40.0%含有し、
    失透析出開始温度(Tx)が950℃以下であり、
    屈折率(nd)が1.59以上であり、60以上のアッベ数(νd)を有する光学ガラス(但し、他の成分の合計100重量部に対してCuOを0.2重量部以上含むものを除く)。
  2. カチオン%(モル%)表示で、
    Si4+の含有率が0〜10.0%、
    Zn2+の含有率が0〜5.0%、
    Nb5+の含有率が0〜10.0%、
    Ti4+の含有率が0〜10.0%、
    Zr4+の含有率が0〜10.0%、
    Ta5+の含有率が0〜10.0%、
    6+の含有率が0〜10.0%、
    Ge4+の含有率が0〜10.0%、
    Bi3+の含有率が0〜10.0%、
    Te4+の含有率が0〜15.0%
    である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 屈折率(nd)がアッベ数(νd)との間でnd≧−0.00254×νd+1.760の関係を満たす請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. 請求項1から3のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
  5. 請求項1から4のいずれか記載の光学ガラスからなる研磨加工用及び/又は精密プレス成形用のプリフォーム。
  6. 請求項5記載のプリフォームからなる光学素子。
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