JP6173882B2 - 送電用避雷装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、支持碍子に取り付けられた送電用避雷装置に関する。
送電系統においては、送電線を鉄塔等の支持物から絶縁して保持する支持碍子が設けられている。送電用避雷装置は、この支持碍子に取り付けられる装置であり、雷や過電圧によるサージに起因する支持碍子表面上の絶縁破壊や、絶縁破壊に続く交流アーク放電電流による支持碍子の損傷を防止する避雷要素を有する。
支持碍子は、上端が鉄塔に取り付けられ、下端で送電線を保持するように構成されている。避雷要素は、この支持碍子に連結支持されており、この支持碍子と避雷要素は並列に配置されている。近年では、支持碍子に連結支持して設けられた接地側放電電極と課電側放電電極とを、所定の放電間隙をもって対向させた構成を有する送電用避雷装置が主流となっている。このような送電用避雷装置において、放電電極を単なる棒状とせずに、先端形状を円弧状やリング状とすることで、安定した放電特性を得るとともに、アークホーンとの絶縁強調を図ることが試みられている。
特開2011−065785号公報
ところで、送電用避雷装置において、電気的特性や外形寸法を決めるためには、開閉サージ耐電圧性能が重要な要素の一つとなる。開閉サージ耐電圧性能とは、電流を開閉した際に生じる異常電圧への耐性性能である。開閉サージ耐電圧性能は、測定する機器に開閉サージ電圧を印加したときのフラッシオーバの有無から、昇降法などの手法により求める。開閉サージ耐電圧性能は、避雷器本体が故障して放電電極に高電圧が印加された状態でも、系統電圧によりフラッシオーバしないことを保証するために、より高い性能が求められる。
特に、送電用避雷装置は、開閉サージ電圧に対する耐性が高く、かつ雷インパルス電圧では確実に放電する必要がある。このように限定された放電領域特性が要求される送電用避雷装置では、高電界部の電界を緩和させることにより開閉サージ耐電圧性能を向上させる必要がある。
放電電極の先端形状を円弧状やリング状とした場合、放電電極への電界集中が緩和されることから、開閉サージ耐電圧性能が向上することが期待される。しかし、放電電極の形状を工夫したとしても開閉サージ耐電圧性能を向上できていないことがあった。
本発明の実施形態は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものである。その目的は、開閉サージ耐電圧性能を向上させた送電用避雷装置を提供することである。
上記のような目的を達成するための実施形態の送電用避雷装置は、鉄塔に取り付けられて送電線を支持する支持碍子に取り付けられる送電用避雷装置であって、前記支持碍子の一端に取り付けられた接地側放電電極と、前記支持碍子の他端に取り付けられた課電側放電電極と、を有し、前記接地側放電電極と、前記課電側放電電極とは、所定の空間を介して対向するように配置され、前記空間と、前記接地側放電電極の水平方向の長さと前記課電側放電電極の水平方向の長さの和との比の値が2.0以上であることを特徴とする。
第1の実施形態の送電用避雷装置の構成の一例を示す正面図である。 第1の実施形態の送電用避雷装置の放電電極の一例を示す正面図である。 放電間隙の距離と放電電極の形状を変化させた場合の耐電圧特性比を示すグラフである。 第2の実施形態の送電用避雷装置の構成の一例を示す正面図である。 第3の実施形態の送電用避雷装置のシールドの一例を示す正面図である。 第3の実施形態の送電用避雷装置のシールドの一例を示す正面図である。 他の実施形態の送電用避雷装置の一例を示す正面図である。
[第1の実施形態]
[1.構成]
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の送電用避雷装置の一例を示す正面図である。図1に示すように、送電用避雷装置Aは、送電線4を支持する支持碍子2に取り付けられる装置である。支持碍子2は大地に固定して設けられる鉄塔から延びる支持アーム1に吊下固定されている。以下の説明では、支持アーム1側を接地側、もしくは上と表現し、送電線4側を課電側、もしくは下と表現して説明する。
支持アーム1の下端部には、課電側に向かって延びる支持碍子2の上端部が、図示しないボルトによって吊下固定されている。支持碍子2は複数の懸垂碍子からなり、下端部には、送電線4が絶縁支持されている。また、支持碍子2には、接地側固定金具3、課電側固定金具5、およびアークホーン6が取り付けられている。具体的には、接地側固定金具3は、支持碍子2の軸に対して垂直方向に延びる板状又は棒状の部材であり、その一端が支持碍子2の上端側に取り付けられている。
課電側固定金具5は、接地側固定金具3と平行かつ同一方向に延びる板状又は棒状の部材であり、その一端が支持碍子2の下端側に取り付けられている。一対のアークホーン6は、支持碍子2の上下端に取り付けられている。一対のアークホーン6はL字状の部材であり、間隙を挟んで対向するように取り付けられている。この一対のアークホーン6は、支持碍子2を挟んで固定金具3、5と対向するように延設されている。
接地側固定金具3の他端の下面には、避雷要素7aが接地側固定金具3に対して垂直に設けられている。避雷要素7aは円筒状の耐圧絶縁筒であり、内部には複数の酸化亜鉛素子が収容されている。避雷要素7aの上下端には金属フランジ8aおよび8bが設けられている。避雷要素7aは、上端の金属フランジ8bが接地側固定金具3に図示しないボルトで固定され、接地側固定金具3の下面から垂れ下がるように設けられている。避雷要素7aは、支持碍子2の軸と略平行に配置されている。
避雷要素7aの下端の金属フランジ8aには、接地側放電電極9が設けられている。接地側放電電極9は、金属フランジ8aの下面から垂れ下がるように、図示しないボルトによって固定されている。すなわち、接地側放電電極9は、金属フランジ8a、8b、避雷要素7a、接地側固定金具3を介して、支持碍子2の上端側に連結支持されている。従って、支持碍子2と電気的に接続されるとともに、支持碍子2の軸と略平行に配置されている。
課電側固定金具5の他端の上面には、課電側放電電極10が課電側固定金具5に対して垂直に設けられている。課電側放電電極10は、課電側固定金具5の上面から立ち上がるように、図示しないボルトによって固定されている。すなわち、課電側放電電極10は、課電側固定金具5を介して支持碍子2の下端側に連結支持されている。従って、支持碍子2と電気的に接続されるとともに、支持碍子2の軸と略平行に配置されている。
以上のように設置された接地側放電電極9と課電側放電電極10とは、所定の空間である放電間隙gを介して対向するように配置されている。放電間隙gは、雷に対してのみ放電し、開閉サージや交流対地電圧では放電しない距離となるように設定されている。
ここで、接地側放電電極9と課電側放電電極10(以下、放電電極9、10とする)および放電間隙gについて、さらに詳細に説明する。
(1)放電電極
放電電極9、10の一例を図2に示す。放電電極9、10は、導電体である先端部E1と、先端部E1を支持する棒状の導電体である軸部E2とを有する。先端部E1は、円弧状に形成されていることが好ましい。円弧状の先端部E1は、円柱または円筒の棒状の導電体を円弧状に加工して形成することができる。
円弧状の先端部E1を形成する円弧の中心角は、例えば10〜40度とすることができる。また、円弧の両端を結ぶ線である円弧の弦の長さが、例えば300mm以上となるように形成することができる。ただし、円弧の形状は、避雷装置Aの大きさ、開閉サージ耐電圧性能を考慮して適宜設計すれば良い。円弧状の先端部E1の両端部分E3は、角を有しておらず、曲面で形成されている。例えば、両端部分E3は、半球状に加工されていることが好ましい。
軸部E2は、円柱又は円筒の棒状の導電体を用いることができる。軸部E2の直径は、48mm以上に形成されていることが好ましい。軸部E2の直径を48mm以上とすると、通常電圧時におけるノイズを抑制することができる。接地側放電電極9の先端部E1は、軸部E2を介して金属フランジ8aに固定されている。課電側放電電極10の先端部E1は、軸部E2を介して課電側固定金具5に固定されている。
放電電極9、10は、それぞれの先端部E1が、互いに平行となるように配置されていることが好ましい。放電電極9、10の先端部E1が円弧状に加工されている場合には、接地側放電電極9の先端部E1の弦と、課電側放電電極10の先端部E1の弦とが平行となるように配置すれば良い。なお、接地側放電電極9の先端部E1の弦と、課電側放電電極10の先端部E1の弦とが、90℃の角度で交差する方向に配置することもできる。
放電電極9、10の一方の電極の水平方向の長さが、他方の放電電極の水平方向の長さより短く形成されていることが好ましい。先端部E1が円弧状に形成されている場合には、弦の長さを水平方向の長さとして設計すれば良い。各先端部E1を、接地側放電電極9の弦の長さ(以下、L1とする)と、課電側放電電極10の弦の長さ(以下、L2とする)が、異なる長さとなるように形成する。
すなわち、接地側放電電極9の水平方向の長さに対して、課電側放電電極10の水平方向の長さを短くなるように各先端部E1を形成しても良い。また、課電側放電電極10の水平方向の長さに対して、接地側放電電極9の水平方向の長さを短くなるように各先端部E1を形成しても良い。なお、各先端部E1の水平方向の長さが同一となるように各先端部E1を形成しても良い。接地側放電電極9と課電側放電電極10のどちらを短く形成するかは、後述する電界集中の緩和の作用効果を考慮して、適宜決定すれば良い。
(2)放電間隙の距離と放電電極の形状の関係
送電用避雷装置Aは、放電間隙gの距離Lgと、接地側放電電極9の水平方向の長さと課電側放電電極10の水平方向の長さの和との比(Lg/(L1+L2))の値が2.0以上となるように構成されている。放電間隙gの距離Lgは、接地側放電電極9と課電側放電電極10の間の距離である。放電電極9,10を円弧状に形成した場合には、互いが最も近くなる部分の距離を放電間隙gとする。
図3に、この比の値を変化させて開閉サージ耐電圧特性を試験した結果を示す。この試験結果は、電圧階級が500Vの送電用避雷装置Aに対して試験した結果を示している。図3から明らかな通り、(Lg/(L1+L2))の値が2.0以上となるように送電用避雷装置Aを構成した場合、耐電圧特性比が1を超えており、開閉サージ耐電圧特性が向上している。
[2.作用]
(送電用避雷装置)
以上のような構成を有する本実施形態の作用について、まず送電用避雷装置Aの作用を以下に説明する。落雷等に起因する雷サージ電圧が送電線4に侵入すると、避雷要素7aおよび放電間隙gにかかる電圧が上昇し、放電電圧に達したときに放電間隙gにおいて放電電流が流れる。そして、電流は、接地側固定金具3および支持アーム1を介して鉄塔から大地に放電される。
また、その後に生じる続流については、放電間隙gおよび避雷碍子7a内の酸化亜鉛素子の電圧−電流特性により遮断されて、正常な交流電圧波形に自復させる。なお、一対のアークホーン6は、2つのアークホーンの間に設定された間隙において、支持碍子2の放電電圧よりも低い電圧で放電することにより、支持碍子2に放電電流が流れて破壊されることを防いでいる。
(放電間隙の距離と放電電極の形状の関係)
次に、放電間隙の距離と放電電極の形状の関係を上記のように構成することの作用について、従来例と対比して説明する。従来の送電線用避雷装置では、放電電極の形状と放電間隙の距離との関係は、考慮されていなかった。従って、放電電極の形状を円弧状にしても、放電間隙の距離の設定が不適当であるために、開閉サージ耐電圧性能が向上しない場合があった。
一方、本実施形態では、放電間隙gの距離Lgと放電電極の形状の関係が(Lg/(L1+L2))≧2.0となるように構成されている。すなわち、放電間隙gの距離Lgが、放電電極9、10の水平方向の長さよりも長くなるように構成されており、放電電極9、10の先端部E1の電界が緩和される。従って、耐電圧特性比が1を超え、開閉サージ耐電圧性能が向上する。
(放電電極)
放電電極9、10の先端部E1を円弧状とした場合、放電電極9、10への電界集中が緩和される。また、放電電極9、10は、少なくとも先端部E1が曲面で形成されているため、曲面で形成されなかった場合のように角に電解集中が生じて放電の起点となる可能性がない。
接地側放電電極9と課電側放電電極10の先端部E1が、平行に配置した場合には、送電線4の振動等により放電電極9、10に揺れ等が生じても、放電間隙gの距離Lgが一定に保たれる。放電間隙gの距離Lgが等しい場合、放電電極9、10の配置の変化によって開閉サージ耐電圧性能が変化することはない。また、接地側放電電極9と課電側放電電極10の先端部E1を、90℃の角度で交差する方向に配置した場合も、放電間隙gの距離Lgが一定に保たれやすく、開閉サージ耐電圧性能の変動が抑制される。
また、例えば課電側放電電極10の弦の長さL2を長くすると、従来の棒状の電極と比較して、電極先端部分の電界集中が抑制され、課電側放電電極10の周囲の空間電界が低減する。接地側放電電極9の弦の長さL1を短くすると、接地側放電電極9において電界集中が起こり、接地側放電電極9の周囲の電位分布が接地側放電電極9に集中する。従って、課電側放電電極10側の電界が、相対的に緩和される。
[3.効果]
以上のような本実施形態の効果は以下の通りである。
(1)放電間隙gの距離Lgと放電電極の形状の関係が(Lg/(L1+L2))≧2.0となるように構成されているため、放電電極9、10の先端部E1の電界が緩和され、開閉サージ耐電圧性能を向上させることができる。
(2)放電電極9、10の先端形状が円弧状に形成されているため、放電電極9、10への電界集中が緩和される。また、放電電極9、10は、少なくとも先端部E1が曲面で形成されているため電解集中が生じて放電の起点となる可能性がない。従って、開閉サージ耐電圧性能を向上させることができる。
(3)放電電極9、10の先端部E1が平行に配置されているため、放電間隙gの距離Lgが一定に保たれる。従って、振動等が生じても安定した開閉サージ耐電圧性能を得ることができる。
(4)接地側放電電極9と課電側放電電極10の一方の電極の水平方向の長さを、他方の放電電極の水平方向の長さより短く形成した場合には、短く形成した電極に意図的に電界を集中させることができる。従って、長く形成された電極の周囲の空間電界を低減することができる。従って、開閉サージ耐電圧性能を向上させることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態の送電用避雷装置Aについて以下に説明する。第2の実施形態は、接地側放電電極9および課電側放電電極10の少なくとも一方の先端部E1において、表面の少なくとも一部が放電安定化膜によりコーティングされているものである。
放電電極9、10の先端部E1にコーティングされる放電安定化膜は、例えば非線形抵抗材料を用いたコーティングとすることができる。非線形抵抗材料は、動作電界を超えると、電圧が高い部分で抵抗が低下する。従って、電圧が高い部分では電圧分担が低減され、電界が弱くなる。このような非線形抵抗材料としては、酸化亜鉛や炭化珪素を用いることができる。
放電安定化膜は、放電電極9、10の先端部E1の表面にコーティングされている。放電安定化膜は、先端部E1の表面の全体に設けることもできるが、一部に設けることが好ましい。特に、放電電極9、10の先端部E1を円弧上に形成した場合には、放電の起点となりやすい両端部分E3に塗布することが好ましい。放電安定化膜は、放電電極9、10の一方にコーティングしても良いし、両方にコーティングしても良い。
放電安定化膜を設けた本実施形態特有の作用効果を以下に説明する。放電電極9、10の先端部E1において、放電安定化膜がコーティングされた部分では、放電安定化膜による電界均等化の作用が働く。すなわち、電圧が強い部分の電圧分担を、電圧が低い部分が負担することとなる。よって、電界集中を緩和することができる。これにより、電界集中による放電の開始を抑制することができるため、放電特性の低下を防止することができる。
また、放電電極9、10の先端部E1において、放電安定化膜を表面の一部に設けた場合には、コーティングを行わなかった面では、コーティングを行った面と比べて放電が発生しやすくなる。従って、放電発生箇所としたい部分を予め決定することができるため、放電箇所のバラつきが少ない、安定した放電特性を得ることができる。
[第3の実施形態]
[1.構成]
第3の実施形態の送電用避雷装置Aについて以下に説明する。第3の実施形態は、放電電極9、10の周囲の少なくとも一部に、シールド11が設けられている。放電電極が避雷要素を介して固定金具に連結支持されている場合には、避雷要素の周囲にシールド11を設けても良い。以下では、図4を参照して、接地側放電電極9が避雷要素7aを介して接地側固定金具3に連結支持されるとともに、課電側放電電極10が避雷要素7bを介して課電側固定金具5に連結支持される構成において、シールド11を設けた例を説明する。なお、図4では、説明の便宜上、接地側放電電極9および課電側放電電極10を棒状の部材として示す。また、他の構成は第1の実施形態と同様のため、同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の避雷装置Aには、避雷要素7a周囲の少なくとも一部に、接地側シールド11aが設けられている。また、避雷要素7bの周囲の少なくとも一部に、課電側シール11bが設けられている。接地側シールド11aおよび課電側シールド電極11b(以下、シールド11a、11b)は、避雷要素7a、7bの周囲、すなわち避雷要素7a、7bと所定の間隔を有して配置されている。
このシールド11a、11bと、避雷要素7a、7bとの間の空間には、何も配置しないことが好ましい。シールド11a、11bは、避雷要素7a、7bの周囲のうち、支持碍子2と対向する面の少なくとも一部の周りに配置されていることが好ましい。また、シールド11a、11bは、避雷要素7a、7bにおいて、支持碍子2と対向する面のうち、支持碍子2に最も近い位置の周りに配置されていることが好ましい。シールド11a、11bは、放電電極9、10との間で放電が起きない長さ、かつ、後述する電位分布の変化を充分に防止することができる長さに設定されている。
接地側シールド11aは、中空または中実の棒状の導電体であり、その一端が、接地側固定金具3に固定され、他端は課電側に向かって伸びている。また、課電側シールド11bは、中空または中実の棒状の導電体であり、その一端が、課電側固定金具5に固定され、他端は接地側に向かって伸びている。シールド電極11a、11bは、少なくとも先端形状が、角を有しておらず、曲面で形成されている。
シールド11a、11bとしては、金属を用いることができる。金属を用いる場合には、上記実施形態に記載の非線形抵抗材料などを用いた放電安定化膜を、シールド11a、11bの表面全体にコーティングすると、シールド11a、11b自体の電界を抑制できるので良い。また、金属以外にも、導電性を有するプラスチック材を用いてシールド11a、11bを形成することもできる。導電性を有するプラスチック材としては、カーボンを含むプラスチック材を用いることができる。
[2.作用効果]
以上のような構成を有する本実施形態では、放電電極9,10の周囲の少なくとも一部にシールド11a、11bが設けられているため、電界集中が抑制され、放電電極9、10の周囲の電位分布が平等に近い電界となる。例えば、支持碍子2の存在により、課電側に押し下げられて集中する電界を緩和できる。従って、開閉サージ耐電圧性能を向上させることができる。また、シールド11a、11bを、支持碍子2と対向する面や、支持碍子2に最も近い部分に配置すれば、シールド機能が高められ、電界集中緩和の作用を向上させることができる。
シールド11a、11bを棒状の部材で形成した場合には、複雑な形状の放電電極を用いずとも、電界集中を緩和して開閉サージ耐電圧性能を向上させることができる。また、棒状のシールド11a、11bを形成する場合には、コストや加工工程を少なくできる。シールド11a、11bは、少なくとも先端形状を曲面で形成した場合には、先端部分が曲面で形成されなかった場合のように角に電解集中が生じて放電の起点となる可能性がない。
シールド11a、11bは、周囲の電界を緩和するものであり、放電の起点となることは好ましくない。シールド11a、11bが金属で形成される場合には、放電安定化膜がコーティングされているため、仮にシールド11a、11bで放電が起こった場合であっても、高抵抗状態になるため大電流が流れ続けることはない。また、シールド11a、11bが、カーボンを含むプラスチック材で形成される場合には、周囲の電界を緩和することに加えて、放電の起点となることを抑制することができる。
[第3の実施形態の変形例]
(変形例1)
上記実施形態の変形例の構成は、基本的には上記実施形態と同様である。ただし、棒状の部材であるシールド11a、11bの先端に、拡張部20が設けられている。拡張部20の一例を、図5に示して説明する。
図5に示すように、シールド11a、11bの先端に、球形状の拡張部20を設けても良い。拡張部20は球形状に限られず、半円の円環状のでも良いし、1/4円の円環状としても良い。拡張部20の形状は適宜選択されればよく、これらに限定されるものではない。拡張部20は、少なくとも先端形状を、角を有さない曲面形状とすることが好ましい。拡張部20は、棒状の部材と同じ材料にて形成することができる。
棒状の部材であるシールド11a、11bにおいて、拡張部20を設けることでより広範な範囲でシールド効果を発揮することができる。したがって、より確実に電位分布の変化を抑制することができ、実施形態の効果を更に向上させることができる。
(変形例2)
他にも、棒状の部材であるシールド11a、11bに変えて、円環状のシールド21を設けることもできる。円環状のシールド21の例を、図6に示して説明する。シールド21は、放電電極の周囲に設けられた円環部21aを有し、円環部21aを支柱21bが支持している。円環部21aは、少なくとも先端形状を、角を有さない曲面形状とすることが好ましい。円環部21aと支柱21bは、棒状のシールド11a、11bと同じ材料にて形成することができる。
円環部21aを有するシールド21によれば、放電電極の周囲一周をシールドで囲むことができる。従って、例えば予測していなかった範囲の電位分布の変化も含めて、送電用避雷装置Aの電位分布の変化を最も効果的に抑制することができ、実施形態の効果を更に向上させることができる。
[他の実施形態]
(1)上記の実施形態においては、放電電極9は避雷要素7aを介して接地側固定金具3に接続されている。また、放電電極10は課電側固定金具5に接続されているか、避雷要素7bを介して課電側固定金具5に接続されている。しかし、避雷装置Aの構成はこれらに限定されるものではなく、例えば図7に示す通り、2つの避雷要素7を金属フランジを介して直列に接続しても良い。
上記の実施形態における、各部材の垂直・水平および配置方向は実施形態を説明するための例に過ぎず、上記の内容に限定されるものではない。すなわち、固定金具3、5は、支持碍子2から必ずしも垂直方向に延設される必要はない。固定金具3,5を垂直方向以外に延設した場合であっても、避雷要素7a、7b、放電電極9、10の角度を変更し、各部材を支持碍子2の軸と略平行に配置することもできる。
同様に、避雷要素7a、7b、放電電極9、10は、必ずしも支持碍子2の軸と略平行に配置する必要はない。避雷要素7a、7bを支持碍子と平行とならないように配置した場合であっても、放電電極9、10の角度を変更して支持碍子2の軸と略平行に配置することもできる。また、放電電極9、10も必ずしも支持碍子2の軸と略平行に配置する必要はなく、適宜変更可能である。すなわち、避雷装置Aの構成は適宜選択可能であり、上記実施形態に示したI字吊りの装柱形態であるが、それ以外にも耐張吊りやV字吊り等の形態にも適用することができる。
(2)上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。すなわち、第1〜3の実施形態の全てを組み合わせて用いることもできる。
(3)上記の実施形態においては、放電電極9、10を円弧状としたが、放電電極9、10はリング状であっても良い。放電電極9、10をリング状とした場合には、水平方向の長さは直径として上記のように設計することができる。また、リング状の放電電極9、10においては、放電の起点となりやすい放電電極9、10が対向する面に、放電安定化膜をコーティングすることが好ましい。
(4)上記の実施形態においては、シールドは、支持碍子2による電位分布の変化を緩和するように配置されているが、シールドの位置はこの範囲に限定されるものではない。すなわち、実際の送電用避雷装置Aの構成、配置位置を考慮して、シールドを配置すれば良い。つまり、支持碍子2以外の部材が電位分布に変化をもたらす場合には、その変化を緩和するように配置すればよい。
(5)上記の実施形態では、棒状、拡張部を有する棒状、および円環状のシールドをそれぞれ配置した例を説明したが、シールドは複数設けても良い。すなわち、棒状のシールドを複数設けても良いし、円環状の部材を分割した拡張部を有するシールドを複数用いて、円環状の拡張部を形成しても構わない。また、各シールドの組み合わせも自由である。すなわち、複数の棒状のシールド電極のうち、一部に拡張部を設けても良い。
(6)本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
A…送電用避雷装置
E1…先端部
E2…軸部
E3…両端部
1…支持アーム
2…支持碍子
3…接地側固定金具
4…送電線
5…課電側固定金具
6…アークホーン
7a、7b…避雷要素
8a、8b、8c、8d…金属フランジ
9…接地側放電電極
10…課電側放電電極
11a、11b…シールド
20…拡張部
21…円環状のシールド
21a…円環部
21b…支柱

Claims (12)

  1. 鉄塔に取り付けられて送電線を支持する支持碍子に取り付けられる送電用避雷装置であって、
    前記支持碍子の一端側に設けられた接地側放電電極と、
    前記支持碍子の他端側に設けられた課電側放電電極と、を有し、
    前記接地側放電電極と、前記課電側放電電極とは、所定の空間を介して対向するように配置され、
    前記接地側放電電極と前記課電側放電電極の間の距離と、前記接地側放電電極の水平方向の長さと前記課電側放電電極の水平方向の長さの和との比の値が2.0以上であることを特徴とする送電用避雷装置。
  2. 前記接地側放電電極と前記課電側放電電極の先端部が、円弧状であることを特徴とする請求項1記載の送電用避雷装置。
  3. 前記接地側放電電極と前記課電側放電電極は、少なくとも先端部が曲面で形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の送電用避雷装置
  4. 前記接地側放電電極と前記課電側放電電極の先端部が、平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の送電用避雷装置。
  5. 前記接地側放電電極と前記課電側放電電極の一方の水平方向の長さが、他方の長さより短く形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の送電用避雷装置。
  6. 前記接地側放電電極と前記課電側放電電極の少なくとも一方の先端部において、表面の少なくとも一部が放電安定化膜によりコーティングされていることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の送電用避雷装置。
  7. 前記課電側放電電極と前記接地側放電電極の少なくとも一方において、周囲の少なくとも一部に、シールドが設けられていることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載の送電用避雷装置。
  8. 前記シールドが、前記放電電極の前記支持碍子と対向する面の少なくとも一部の面の周囲に配置されていることを特徴とする請求項7記載の送電用避雷装置。
  9. 前記シールドが、棒状の部材であることを特徴とする請求項7又は8記載の送電用避雷装置。
  10. 前記棒状のシールドの先端に、拡張部が設けられていることを特徴とする請求項9記載の送電用避雷装置。
  11. 前記シールドが、円環状の部材であることを特徴とする請求項7又は8いずれか一項記載の送電用避雷装置。
  12. 前記シールドは、少なくとも先端が曲面で形成されたことを特徴とする請求項7〜11いずれか一項記載の送電用避雷装置。
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