JP2012182035A - 落雷抑制型避雷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】夏季雷に対する落雷抑制効果を発揮しつつ、冬季雷に対し十分に落雷抑制効果を発揮することができる、落雷抑制型避雷装置を提供すること。
【解決手段】落雷抑制型避雷装置は、最上部に配置された避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた導電性の突針部材2と、避雷極部材1および突針部材2を支持する支持部材3とを備えている。避雷極部材1は、上部電極体11と、下部電極体12と、それら上部電極体11および下部電極体12間に設けられた絶縁体13とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、落雷を抑制することで、雷害から建築物や設備機器等の被保護体を保護するための落雷抑制型避雷装置に関するものである。
従来の雷保護概念では、落雷は防止できないものとの観点から、落雷を突針形避雷針(フランクリンロッド)に受けて大地に流す方式が大半であった。
近年、雷保護の概念が改正され、角度法から回転球体法に移行する動き(新JIS A4201 2003年版)等もあるが、いずれにしても落雷による障害を完全に取り除くことは困難であった。特に、冬季雷のように雷撃規模(電流値や継続時間)が大きい場合、雷電流そのものや大地の電位上昇による各種の被害を起こしていた。
さらに、近年の機器はIC化のため異常電流に弱く、落雷による問題が大きくなる傾向となっている。
一方、落雷を防止する技術として、電荷放散型防雷システム(DAS)が開発されている(特許文献1参照)。しかし、このシステムは大規模な装備となるため価格が高く、特殊な設備にしか用いられていないのが実情である。
近年、落雷を抑制する技術として、消イオン容量型避雷針(PDCE)が現れ効果を見せている(特許文献2、特許文献3参照)。
落雷は大気中で起こる放電現象であり、雷放電には雲内放電、雲間放電、雲―大地間放電等がある。雷放電で大きな被害を出すのは雲―大地間放電(以下落雷)である。落雷は雷雲(雲底)と大地または大地等に建設された構造物との間の電界強度が非常に大きくなり、その電荷が飽和状態となって大気の絶縁を破壊したときに発生する現象である。
落雷の現象を詳細に観察すると、夏季に起こる一般的な落雷(夏季雷)の場合、雷雲が成熟すると雷雲からステップリーダが大気の放電しやすいところを選びながら大地に近づいてくる。
ステップリーダが大地とある程度の距離になると大地または建築物(避雷針)、木などからステップリーダに向かって、微弱電流の上向きストリーマ(お迎え放電)が伸びてくる。
このストリーマとステップリーダが結合すると、その経路を通って、雷雲と大地間に大電流(帰還電流)が流れる。これが落雷現象である。
特許文献2に記載の消イオン容量型避雷針(PDCE)は落雷抑制タイプの避雷針であり、上向きストリーマの発生を起こりにくくしたものである。そのため、このPDCEを最高部に取り付けた施設には落雷現象が起き難い。
このPDCEは、絶縁体を挟んで配置される上部電極体及び下部電極体を有し、下部電極体のみが接地される。したがって、例えばマイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、それが飽和状態に近づくにしたがい、下部電極体にもプラス電荷が集まるようになる。すると、絶縁体を介して配置されている上部電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。この作用により、PDCEとその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくし、落雷の発生を抑制する。
北陸でPDCEを設置し、5年にわたり雷観測カメラやLLS(Lightning Location System)を用いて落雷の有無を観測した結果、夏季には、PDCE設置箇所において落雷が観測されなかった。
これらの観測結果から、夏季雷に対して、PDCEは帰還電流を防止(落雷を防止)し、落雷による被害を抑制することが判った。
特開平8−273715号公報 特開2008−10241号公報 特開2010−205687号公報
本発明者らは、上記PDCEによる夏季雷の抑制のメカニズムを研究していく中で、PDCEの上下の電極体間の絶縁性を高めることにより、その抑制効果を増大させることができることを見出している。
ところで、冬季に見られる落雷(冬季雷)は、夏季雷とは逆の方向すなわち大地から上向きにステップリーダが発生する、いわゆる上向き放電現象が原因の一つとなって起こる。上向き放電の電流値が小さい場合には落雷につながらないが、これが大きい場合には落雷につながる。したがって、冬季雷を抑制するためには、上向き放電の電流値を低下させることが有効である。
本発明者らの研究の過程で、PDCEがこの上向き放電現象を完全になくすことはできないばかりか、夏季雷に対して有効であるPDCEの上下の電極体間の絶縁性の強化が、一回あたりの上向き放電の電流値を増大させる場合があることが判明した。
すなわち、PDCEの性能において、夏季雷に対して十分な効果を実現しようとすると、反対に冬季雷の発生のリスクを増大させかねないという問題に直面したのである。
そこで、本発明は、夏季雷に対する落雷抑制効果を発揮しつつ、冬季雷に対して十分に落雷抑制効果を発揮することができる、落雷抑制型避雷装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る落雷抑制型避雷装置は、上部電極体と下部電極体とを絶縁する絶縁体を有する避雷極部材と、避雷極部材の下部に設けられた導電性の突針部材と、避雷極部材および突針部材を支持する支持部材と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、避雷極部材の下部に導電性の突針部材を設けたので、この突針部材と避雷極部材との相互作用により、上向き放電の電流値を小さくして、冬季雷に対する落雷抑制効果を高めることができる。
本発明において、前記突針部材は複数の突針部を含み、各突針部は放射状に配置されていることが好ましい。このように各突針部を放射状に配置することで、各突針部が避雷極部材に及ぼす電荷の影響を分散させて全体としてほぼ均一にすることができる。
本発明において、前記突針部の先端と、前記避雷極部材の中心を通る鉛直線との間の水平距離Lは、前記避雷極部材の頂点との高低差hの5倍以内であることが好ましい。このようにすることで、大きな上向き放電電流を抑制することができる。
本発明において、前記突針部材は、避雷極部材の直下に配置されていることが好ましい。突針部材を避雷極部材の直下に配置した場合、避雷極部材と突針部材との水平方向の距離を十分に近づけてコンパクトに構成することができる。また、上方からの投影面積が増大しないため、積雪等の影響を受け難い構成とすることができる。
本発明においては、前記避雷極部材の軸線と、前記突針部材の軸線と、前記支持部材の軸線とがほぼ同一軸線となるように配置されていることが好ましい。このように構成した場合、避雷極部材と突針部材を一本の接地線で接続できる上に全体をコンパクトに構成することができる。
本発明において、前記下部電極体と突針部材とが支持部材を介して接地されていることが好ましい。このように支持部材を介して接地した場合、接地線を一部省略及び簡略化することができる。
本発明によれば、避雷極部材と突針部材との相互作用により、上向き放電電流値を小さくして、夏季雷に対する落雷抑制効果を発揮しつつ、冬季雷に対して十分に落雷抑制効果を発揮することができる落雷抑制型避雷装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の一部断面正面図である。 本発明の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の突針部材の斜視図である。 本発明の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の他の突針部材の例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の実験例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の実験例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る落雷抑制型避雷装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図6を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明を消イオン容量型避雷針に適用した実施形態を示す図であり、特徴部分について断面で示している。
この実施形態に係る落雷抑制型避雷装置Aは、図1および図2に示すように、最上部に配置された避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた導電性の突針部材2と、避雷極部材1および突針部材2を支持する支持部材3とを備えている。
避雷極部材1は、上部電極体11と、下部電極体12と、それら上部電極体11および下部電極体12間に設けられた絶縁体13とを備え、全体として概略球体状に形成されている。上部電極体11、下部電極体12は、球体が上下に半割りされた若干扁平な半球状に形成されている。したがって、それらの表面は大気と接触する曲面部11a、12aとして形成されている。上部電極体11及び下部電極体12は、例えば図6に示すように、空洞に形成されている。また、上部電極体11の天面及び下部電極体12の内底面から互いに向き合う下向き凸部11bおよび上向き凸部12bが形成されている。
絶縁体13は、図1に示すように厚肉の円筒状やドーナツ状に形成され、上下の電極体11、12間の電気的な絶縁状態を保持するように設けられるものである。したがって、上部電極体11および下部電極体12間の絶縁材としての機能を発揮できれば良く、形状等は任意である。但し、この実施形態における避雷極部材1は、落雷抑制効果を高めるために、絶縁体の厚さや外径等を大きくして、上下の電極体11、12間の絶縁性を強化した構造となっている。上下の電極体11、12は、絶縁体13を介して連結されている。連結にはボルト結合、溶接、接着、嵌め合わせ等の締結手段や結合手段を用いることができる。なお、この避雷極部材1については、特許文献2や特許文献3に記載の避雷極部材等を適宜採用することもできる。
避雷極部材1の上部電極体11、下部電極体12、突針部材2および支持部材3は、ステンレス等の耐久性および導電性のある金属で形成されている。下部電極体12は、支持部材3および図示しない接地用導電体(接地線)を介して大地に電気的に接続されている。これにより、この落雷抑制型避雷装置Aを鉛直に設置した状態において、雷雲等の影響により大地や構造物等が正電荷に帯電すると、上部電極体11の表面は負電荷に帯電し、大地や構造物等が負電荷に帯電すると、上部電極体の表面は正電荷に帯電するように設計されている。なお、この帯電機能自体は既存のPDCEと同様の原理に基づいている。
突針部材2は、円柱状の取付部21と、その取付部21から放射状に延びる複数の突針部22とを備えている。突針部22の本数としては特に限定されないが、本実施形態では、図2に示すように水平回りに等間隔で4本、あるいは図3に示すように3本程度に設定される。勿論、突針部22の本数については4本以上設けることもできる。
円筒状の取付部21の外周面には、突針部材2の本数に対応する数の螺子穴21aが周方向に等間隔で設けられている。そして、これらの螺子穴21aに対して、突針部22の基端部がねじ込まれて固定されている。この場合、螺子結合に代えて、溶接により取り付けても良いし、併用しても良い。
この突針部材2は、その全体が避雷極部材1の直下(絶縁体13よりも下方)に配置されている。突針部22の水平方向の長さは、図1に示すように、絶縁体13の半径よりも短く形成され、絶縁体13の外周面よりも外側へ突出しないように配慮されている。突針部材2の取付部21の上端面21b(図1、図2参照)は、下部電極体12の湾曲した下面に対応する曲面に形成されている。これにより、取付部21の上端面21bが下部電極体12の下面に緊密に接触している。突針部材2の取付部21の中央には螺子穴21cが設けられている。
支持部材3は中心に位置する支持棒31と、その外側に同軸に配置された支持パイプ32とを備えている。支持棒31には、突針部材2の螺子穴21cにねじ込む雄螺子31aが形成されている。支持部材3は、この雄螺子31aにねじ込んだナット33の締め込みにより固定されている。支持パイプ32の下部にはパイプフランジ34が設けられ、ここを貫通する支持棒31の雄螺子部分にナット35、35がねじ込まれている。したがって、本実施形態では、図1に示すように、避雷極部材1の軸線と、突針部材2の軸線と、支持部材3の軸線とがほぼ同一軸線となるように構成されている。このように構成することで、避雷極部材1と突針部材2を一本の接地線で接続できる上に全体をコンパクトに構成することができる。
また、突針部22の先端と、避雷極部材1の中心を通る鉛直線(軸線)yとの間の水平距離Lは、避雷極部材1の頂点との高低差hの5倍以内に設定されている。これは、後述する実験結果に基づいたもので、水平距離Lを高低差hの5倍以上とした場合、それにより拡大した領域内での落雷抑制効果が低下することに配慮したものである。
本発明に係る落雷抑制型避雷装置については、次のようなフィールド試験や屋内実験等により、その効果を確認することができた。
即ち、冬季雷に対して、PDCEの特性を上げるために、避雷極部材の上部電極体及び下部電極体間の絶縁性を強化すると、一回あたりの上向き放電電流値が大きくなり、その影響を考慮する必要があった。この場合の対策として、避雷極部材の近傍下部に小さな突針を設けた場合、一回あたりの上向き放電電流値をある範囲内にコントロールできることが、フィールド試験より確認できたのである。
(1)フィールド試験
フィールド試験では、PDCEの中心より20cm離れた箇所で、10cm以上低い位置に突針部が位置するように、突針部材を設け、5年間確認した。
このフィールド試験では冬季雷発生地域で、PDCE単体では最大8kAの上向き放電電流が確認されたが、突針部材を設けた場合、すべて4kA以下の上向き放電電流しか確認されなかった。また、機器および周辺に目立った被害も見られなかった。
上記フィールド試験で、PDCE単体の場合に比して、PDCE近傍に突針部材を設けた場合に、上向き放電電流値を4kA以下に制御することができたのは、突針部材がいわゆる容量型コンデンサ構造となったPDCEと雷雲との放電特性に影響を与えるためであると考察された。すなわち、PDCE近傍の突針部材は、その周囲に電荷を放散して、PDCEの放電特性を適正化する現象が起きるためであると考察された。
上記考察が確かであれば、突針部材の突針部とPDCEの水平距離が近いほど、1回あたりの上向き放電電流を小さくする作用が大きくなると考えられる。
(2)屋内試験
そこで、次に、突針部材の突針部とPDCEの水平距離がどの程度近づいた場合に、上向き放電電流が小さくなり落雷をほぼ完全に防ぐことができるか、屋内試験を行った。
実験1(対照例)
従来の避雷針(突針)20を用いて放電が起こる環境を作った。図4(a)
実験2(参考例)
実験1で作った環境にPDCE10を単体で設置した場合、PDCE10には放電しなかった。図4(b)
実験3(比較例)
実験1で作った環境に、PDCE10と突針20を両者の高さが同一になるように設置した場合、PDCE10には放電せず、突針20にのみ放電した。図5(a)
実験4(実施例)
実験1で作った環境に、PDCE10と突針20を突針20の高さがPDCE10よりh1=10cm低くなるように設置し、PDCE10と突針20との水平距離L1を種々変更し、どの程度の距離とした場合に放電が起きなくなるか試験した。図5(b)
その結果、PDCEと突針との水平距離L1が50cmである場合には、少なくとも放電が起こらないことを確認した。
この結果から、少なくとも、突針部材2の突針部22の水平距離Lを避雷極部材1の頂点と突針部22との高低差hの5倍以内とすることで、大きな上向き放電電流を抑制することができることが判った。
これらの試験結果から、PDCE単体の場合に比して、PDCE近傍に突針部材を設けた場合に、上向き放電電流値を低めに制御することができたのは、突針部材がPDCEの絶縁性を低下させる場合と同様の現象が起きたためであること、および、上向き放電電流値の低下には、突針部材の突針部とPDCEとの距離が重要であることが明らかとなった。
上記の試験のように突針部がひとつであると、避雷極部材の絶縁体の各ポイントにおいて突針部との距離にばらつきが生じる。
実際の気象条件においては、大気の荷電状態は均一でないため、絶縁部のうち突針部から遠い距離のポイントが放電しやすい状況におかれることとなる。
この問題を解決するためには、絶縁体の各ポイントにおいて突針部との距離をできるだけ均一にすることが重要である。
突針部22を避雷極部材1の下部周辺に複数設けた本発明の落雷抑制型避雷装置は、絶縁体13の各ポイントにおいて突針部22との距離をできるだけ均一にしたものである。このように配置することで、各突針部が避雷極部材に及ぼす電荷の影響を分散させて全体としてほぼ均一にすることができる。
また、このような構成とすることで、突針部材2に対する積雪や着雪等の影響も排除することができ、突針部材2の作用を存分に発揮することが可能となった。
図6は、本発明に係る落雷抑制型避雷装置の他の実施形態を示す縦断面図である。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態にかかる落雷抑制型避雷装置Bも、最上部に配置された避雷極部材1と、避雷極部材1の下部に設けられた導電性の突針部材2と、避雷極部材1および突針部材2を支持する支持部材3とを備えている。
避雷極部材1は、上部電極体11と、下部電極体12と、それら上部電極体11および下部電極体12間に設けられた絶縁体13とを備え、全体として概略球体状に形成されている。上部電極体11、下部電極体12は、球体が上下に半割りされた若干扁平な半球状に形成されている。したがって、それらの表面は大気と接触する曲面部11a、12aとして形成されている。上部電極体11及び下部電極体12は空洞に形成されている。また、上部電極体11の天面及び下部電極体12の内底面から互いに向き合う、放電用の下向き凸部11b、上向き凸部12bが形成されている。
絶縁体13は、筒状の外側絶縁体13aと、その内側に嵌め込まれた内側絶縁体13bとにより構成されている。内側絶縁体13bは厚肉の円筒状に形成され、上下の電極体11、12間の電気的な絶縁状態を強化するために設けられている。外側絶縁体13aは内側絶縁体よりも長くかつ薄肉に形成されている。上部電極体11と下部電極体12とが相対する面(下面と上面)には周方向に一周する環状溝11c、12cが形成され、この環状溝11c、12cに外側絶縁体13の上下端が嵌め込まれて一体化されている。
この絶縁体13は、外側絶縁体13aと内側絶縁体13bとを一体成形により形成してもよい。また、外側絶縁体13aのみを用いた構成としてもよい。
絶縁体13の外側には、同じく絶縁材からなるセパレータ14を介して絶縁カバー15が装着されている。この絶縁カバー15は、内筒部15aと、外筒部15bとを備えている。内筒部15aと、外筒部15bは上部で一体に形成されている。内筒部15aの内径はセパレータ14の外径とほぼ同じに形成されているが、外筒部15bは、その上端から下端に向かうにしたがい次第に拡径する円錐台状に形成されている。この外筒部15bの下端は下部電極体12の上面よりも下方に位置するように長く形成されている。
避雷極部材1の上部電極体11、下部電極体12、突針部材2および支持部材3は、ステンレス等の耐久性および導電性のある金属で形成されている。下部電極体12は、支持部材3および図示しない接地用導電体(接地線)を介して大地に電気的に接続されている。これにより、この落雷抑制型避雷装置Bを鉛直に設置した状態において、雷雲等の影響により大地や構造物等が正電荷に帯電すると、上部電極体11の表面は負電荷に帯電し、大地や構造物等が負電荷に帯電すると、上部電極体の表面は正電荷に帯電するように設計されている。下部電極体12の底部には空気孔12eが設けられている。
突針部材2は、有底円筒状の取付部21と、その取付部21から放射状に延びる複数の突針部22とを備えている。各突針部22は、この実施形態では円筒状の取付部21の外周面に溶接止めされて固定されている。円筒状の取付部21の底部には、前記空気孔12eと連通する空気孔21eが形成されている。
この突針部材2は、その全体が避雷極部材1の直下(絶縁体13よりも下方)に配置されている。突針部22の水平方向の長さは、図6に示すように、絶縁カバー15の半径よりも短く形成され、絶縁カバー15の外周面よりも外側へ突出しないように配慮されている。また、突針部22の先端と、避雷極部材1の中心を通る鉛直線(軸線)との間の水平距離は、避雷極部材1の頂点との高低差の5倍以内に設定されている。
支持部材3は中心に位置する支持棒31と、その外側に同軸に配置された支持パイプ32とを備えている。支持棒31には、突針部材2の取付部21を貫通して下部電極体12の螺子穴12dにねじ込む雄螺子31aが形成されている。支持部材3は、この雄螺子31aにねじ込んだナット33、33の締め込みにより固定されている。したがって、この実施形態においても、図6に示すように、避雷極部材1の軸線と、突針部材2の軸線と、支持部材3の軸線とがほぼ同一軸線となるように構成されている。
支持パイプ32の下部にはパイプフランジ34が設けられ、ここを貫通する支持棒31の雄螺子部分にナット35、35がねじ込まれている。支持棒31は、このナット35、ナット36等を利用して取り付けプレート37等に取り付けられる。
この実施形態に係る落雷抑制型避雷装置においても、避雷極部材と突針部材との相互作用により、上向き放電電流値を小さくして、夏季雷に対しても冬季雷に対しても、十分に落雷抑制効果を高めることができる。
また、円筒状の絶縁体13の外側にセパレータ14を介して絶縁カバー15を設けたので、絶縁部の液密性も併せて向上させることができる。
また、突針部材2として、有底筒状の取付部21に突針部22を溶接止めする構造としたので、構造の簡素化や製作コストの低減を図ることができる。
1 避雷極部材
11 上部電極体
12 下部電極体
13 絶縁体
14 セパレータ
15 絶縁カバー
2 突針部材
21 取付部
22 突針部
3 支持部材
31 支持棒
32 支持パイプ
A、B 落雷抑制型避雷装置

Claims (6)

  1. 上部電極体と下部電極体とを絶縁する絶縁体を有する避雷極部材と、
    前記避雷極部材の下部に設けられた導電性の突針部材と、
    前記避雷極部材および突針部材を支持する支持部材と、
    を備えていることを特徴とする落雷抑制型避雷装置。
  2. 前記突針部材は複数の突針部を含み、各突針部は放射状に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の落雷抑制型避雷装置。
  3. 前記突針部の先端と、前記避雷極部材の中心を通る鉛直線との間の水平距離Lが、前記避雷極部材の頂点との高低差hの5倍以内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の落雷抑制型避雷装置。
  4. 前記突針部材は、前記避雷極部材の直下に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の落雷抑制型避雷装置。
  5. 前記避雷極部材の軸線と、前記突針部材の軸線と、前記支持部材の軸線とがほぼ同一軸線となるように配置されている、請求項1〜4の何れかに記載の落雷抑制型避雷装置。
  6. 前記下部電極体と前記突針部材とが前記支持部材を介して接地されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の落雷抑制型避雷装置。
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