以下に、本発明の実施の形態にかかる送信装置、受信装置、通信装置および衛星通信システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる送信装置が適用される通信システムの構成例を示す図である。
本実施の形態にかかる通信システムは、低軌道衛星(Low Earth Orbit satellite、以下、LEO)に設けられ、データを光信号に載せて送信する送信装置1と、地上局に設けられ、送信装置1から送信された光信号を受信してデータを復元する受信装置2とにより構成される。図1では、WDM(Wavelength Division Multiplex:波長多重)伝送を行う場合の構成例を示している。しかし、本発明はWDM伝送を行わない構成のシステムに対しても適用可能である。
送信装置1は、軌道情報を保持する軌道情報保持部18および時刻管理部19とともに、衛星側の通信装置を構成する。軌道情報は地上局側の受信装置2から見たLEOの位置に関する情報である。軌道情報と時刻管理部19で管理されている現在時刻の情報とを照らし合わせた場合、受信装置2から見たLEOの現在位置を示す天頂角を導き出すことができる。また、現在時刻以外の任意の時刻と照らし合わせた場合には、照らし合わせた任意の時刻におけるLEOの天頂角を導き出すことができる。天頂角が小さい場合、天頂角が大きい場合と比較して、送信装置1と受信装置2の間の伝送路の状態が良好であると推測できる。受信装置2は、軌道情報保持部18が保持している軌道情報と同じ軌道情報を保持する軌道情報保持部28および時刻管理部29とともに、地上局側の通信装置を構成する。送信装置1の時刻管理部19で管理されている時刻と受信装置2の時刻管理部29で管理されている時刻は同期しているものとする。
送信装置1は、地上局へ伝送するデータを光信号に変換して送信する複数の送信器10(送信器101,102,…,10n)と、地上局へ伝送するデータを複数の送信器10に振り分けるデータ振分部11と、複数の送信器10の各々から地上局へ向けて送信される光信号を合波する光合波部12と、合波された後の光信号を増幅する光増幅部13と、複数の送信器10の各々において生成する誤り訂正符号の冗長度の設定条件などが登録されたFEC(Forward Error Correction)符号設定テーブルを管理するFEC符号設定テーブル管理部14と、複数の送信器10、データ振分部11および光増幅部13を制御する制御部15と、を備える。また、複数の送信器10の各々は、データをフレーミングするフレーミング部101と、データを誤り訂正符号化する誤り訂正処理部102と、電気信号を光信号に変換して送信する光送信部103と、を備える。複数の送信器10の各々は異なる波長の光信号を送信する。なお、送信器101〜10nの光送信部103、光合波部12および光増幅部13は送信手段を構成する。本実施の形態では、冗長度は符号化率を示す情報とする。本実施の形態では、送信器101〜10nの各々が送信する光信号の波長をλ1〜λnとする。なお、図1では、軌道情報保持部18および時刻管理部19が送信装置1と別構成の場合の例を示しているが、軌道情報保持部18および時刻管理部19の一方または双方を送信装置1が備えた構成としてもよい。
受信装置2は、データが載せられた光信号を受信してデータを復元する複数の受信器20(受信器201,202,…,20n)と、波長多重された状態の光信号を受信して波長ごとの光信号に分波する光分波部21と、送信装置1のFEC符号設定テーブル管理部14が管理しているものと同一内容のFEC符号設定テーブルを管理するFEC符号設定テーブル管理部24と、複数の受信器20を制御する制御部25と、を備える。複数の受信器20の各々は、特定波長の光信号を受信して電気信号に変換する光受信部201と、電気信号に変換された後の受信信号を誤り訂正復号する誤り訂正処理部202と、誤り訂正復号後の受信信号からデータを取り出すデフレーミング部203と、を備える。受信器201〜20nの各々が受信する光信号の波長をλ1〜λnとする。なお、図1では、軌道情報保持部28および時刻管理部29が受信装置2と別構成の場合の例を示しているが、軌道情報保持部28および時刻管理部29の一方または双方を受信装置2が備えた構成としてもよい。
つづいて、図1に示した構成の通信システムにおいてLEOに設けられた送信装置1が地上局に設けられた受信装置2へデータを伝送する場合の動作を以下に説明する。
送信装置1に伝送するデータが入力されると、まず、データ振分部11が送信器101〜10nへデータを振り分ける。ここで、送信器101〜10nの各々において、符号化手段である誤り訂正処理部102は制御部15から個別に指示される冗長度となるようにデータを誤り訂正符号化してFEC符号を生成する。また、送信器101〜10nの各々が送信するフレームのサイズは同一である。そのため、データ振分部11は、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化で使用される符号化率を示す冗長度に基づいた振分量でデータを送信器101〜10nへ振り分ける。送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度は、FEC符号設定テーブル管理部14が管理しているFEC符号設定テーブル、軌道情報保持部18が保持している軌道情報および時刻管理部19が管理している時刻情報に基づいて決定される。図1に示した構成の場合、冗長度決定手段であるFEC符号設定テーブル管理部14が、FEC符号設定テーブル、軌道情報保持部18で保持されている軌道情報および時刻管理部19で管理されている時刻情報に基づいて、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度を決定する。具合的には、FEC符号設定テーブル管理部14は、FEC符号設定テーブル、軌道情報および時刻情報に基づき、自装置(送信装置1)から送信された光信号が受信装置2に到達するまでにどの程度減衰するか、すなわち、伝送路上における減衰量を推定し、減衰量に応じた冗長度を選択する。FEC符号設定テーブル管理部14は、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度を周期的に決定し、決定した冗長度を制御部15に通知する。制御部15は、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度がFEC符号設定テーブル管理部14から通知されると、通知された冗長度をデータ振分部11、送信器101〜10nおよび光増幅部13に通知する。なお、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度は制御部15が決定してもよい。制御部15が冗長度を決定する場合、制御部15は、FEC符号設定テーブル管理部14、軌道情報保持部18および時刻管理部19からFEC符号設定テーブル、軌道情報および時刻情報を取得し、送信器101〜10nの各々が実施する誤り訂正符号化での冗長度を決定する。
FEC符号設定テーブルの一例を図2に示す。図2に示したFEC符号設定テーブルは、時刻情報および軌道情報から計算される天頂角に応じて波長毎に冗長度を決定する構成となっている。また、図2は、送信装置1が送信器101〜104を備えた構成の場合の例を示している。図2に示したように、本実施の形態の送信装置1では、天頂角が小さいほど光信号の減衰量も小さいと推定し、誤り訂正符号の冗長度を小さな値に設定する。図2に示した内容に従って冗長度を設定する場合、FEC符号設定テーブル管理部14は、天頂角が50〜55度の範囲のとき、波長λ1の光信号を送信する送信器101の誤り訂正処理部102が生成する誤り訂正符号の冗長度を30%、波長λ2の光信号を送信する送信器102の誤り訂正処理部102が生成する誤り訂正符号の冗長度を25%、波長λ3の光信号を送信する送信器103の誤り訂正処理部102が生成する誤り訂正符号の冗長度を25%、波長λ4の光信号を送信する送信器104の誤り訂正処理部102が生成する誤り訂正符号の冗長度を20%とする。図2に示したFEC符号設定テーブルでは波長が異なると同じ空間を通過しても光の減衰量に差が生じることを考慮し、波長ごとに異なる冗長度としているが、波長ごとに異なる冗長度とすることは必須ではない。
なお、図2では、天頂角に応じて冗長度を変更する場合のテーブル構成の例を示したが、冗長度以外を変更する構成としてもよい。すなわち、使用する誤り訂正符号化方式そのものを天頂角に応じて変更してもよいし、光増幅部13での波長毎の増幅量を変更するようにしてもよい。また、天頂角に応じて冗長度と増幅量の双方を変更してもよいし、使用する誤り訂正符号化方式と増幅量の双方を変更してもよい。使用する誤り訂正符号化方式、冗長度および増幅量のすべてを変更してもよい。誤り訂正符号化方式、増幅量の決定は、例えば制御部15で行えばよいが、これらを決定するための機能処理部を別途設けてもよい。また、必ずしもテーブルを使用して冗長度などを決定する必要はなく、数式を用いて冗長度などを決定してもよい。さらに、軌道情報から得られる天頂角に加えて、地上局が設置されている地域の天候、すなわち、LEOと地上局の間の大気の状態など、伝送路状態の変動要因となり得るその他の要素も考慮して冗長度を決定するようにしてもよい。この場合、より的確な冗長度を使用したデータ伝送を実現できる。また、地上局の高度も加味して冗長度を決定するようにしてもよい。また、送信装置1は、位置が固定された地上局に設置された受信装置2へデータを送信するのではなく移動局に設置された受信装置2へデータを送信する形態でもよい。移動局には、航空機、気球など、地表からの距離(高度)を有する移動局も含まれる。データの送信先が移動局の場合、FEC符号設定テーブルは、移動局の位置情報および衛星の軌道情報に基づいて冗長度を決定する構成とする。移動局の位置情報は、データ伝送を開始する前に取得する。
データ振分部11により振り分けられたデータが送信器101〜10nに入力されると、送信器101〜10nの各々において、フレーミング部101が、入力されたデータをデータ伝送用のフレームのペイロードに格納し、誤り訂正処理部102がデータを誤り訂正符号化する。このとき、誤り訂正処理部102は、制御部15から通知された冗長度に従って符号化を行い、FECパリティを生成する。また、生成したFECパリティをデータに付加する形でフレームに格納する。誤り訂正処理部102が符号化処理を実施してフレームの生成が終了すると、光送信部103から光信号として出力される。送信器101〜10nの各々から出力された光信号は光合波部12において合波され、光増幅部13において増幅された後、地上局に向けて送信される。このときの光増幅部13による増幅量は固定としてもよいし、制御部15から指示された増幅量としてもよい。後者の場合、制御部15は、天頂角に応じた増幅量で光信号を増幅するよう、光増幅部13に指示する。
受信装置2において、光分波部21は、送信装置1から送信された光信号を受信すると、波長ごとの光信号に分波し、受信器201〜20nへ出力する。
光分波部21で分波された光信号が受信器201〜20nに入力されると、受信器201〜20nの各々において、受信手段である光受信部201が入力された光信号を電気信号に変換し、復号手段である誤り訂正処理部202が誤り訂正復号を行う。このとき、誤り訂正処理部202は、送信装置1側の誤り訂正処理部102が行った誤り訂正符号化に対応する手順で復号を行う。すなわち、送信装置1側の誤り訂正処理部102で生成された誤り訂正符号の冗長度に応じた復号処理を行う。上述したように、FEC符号設定テーブル管理部24は、送信装置1のFEC符号設定テーブル管理部14が管理しているものと同じFEC符号設定テーブルを管理している。また、冗長度特定手段である軌道情報保持部28が保持している軌道情報はLEO側の軌道情報保持部18が保持している軌道情報と同じであり、さらに、LEOと地上局は時刻同期している。そのため、FEC符号設定テーブル管理部24は、軌道情報保持部28が保持している軌道情報に基づいて、送信装置1側の誤り訂正処理部102で生成された誤り訂正符号の冗長度を知ることができる。すなわち、FEC符号設定テーブル管理部24は、保持しているFEC符号設定テーブル、軌道情報保持部28で保持されている軌道情報および時刻管理部29で管理されている時刻情報に基づいて、受信器201〜20nの各々が受信した誤り訂正符号の冗長度を特定することができる。FEC符号設定テーブル管理部24が特定した冗長度に従って受信器201〜20nの誤り訂正処理部202が誤り訂正復号を行うことによりデータを正しく復元できる。
なお、本実施の形態では、オーバヘッド、データを格納するペイロードおよび誤り訂正用のFECパリティから構成されているフレームを使用したデータ伝送を想定している。このフレームの構成は、「ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector:電気通信標準化部門) Recommendation G.709」に記載のOTN(Optical Transport Network)フレームに誤り訂正符号を適用し、光SNR(Signal to Noise Ratio)の劣化による信号品質劣化を補償して長距離大容量伝送を実現する技術で使用しているような、固定長フレームを想定している。しかし、本発明はフレーム構成に制限を受けるものではない。
受信器201〜20nにおいて、デフレーミング部203は、誤り訂正処理部202により誤り訂正復号された後の受信信号をデフレーミングしてデータを取り出し、出力する。
ここで、送信装置1および受信装置2がデータの符号化および復号で使用する冗長度を更新するタイミングについて説明する。図3は、冗長度の更新タイミングを説明するための図である。
送信装置1と受信装置2は時刻同期がとられており、図3に示すように、送信装置1はフレーム先頭から一定時間オフセットをつけて冗長度更新周期を設ける。なお、図3において、「OH」はフレームのオーバヘッドを示し、「Data」はデータを格納するペイロードを示し、「FEC」は冗長データであるFECパリティを示す。図3に示した例では、1フレームを送信するごとに冗長度、すなわちFECパリティのサイズを更新する場合の例を示しており、1冗長度更新周期は1フレームの送信周期に等しい。ただし、これらの周期は同期しておらず、冗長度更新周期の先頭にオフセットを設定してフレームの送信タイミングと冗長度を更新するタイミングをずらしている。冗長度の更新は冗長度更新周期の先頭において制御部15から送信器101〜10nの誤り訂正処理部102へ指示されるが、誤り訂正処理部102は次フレームに対する誤り訂正符号化を開始するまで冗長度の更新を行わない。図3では送信装置1における冗長度の更新タイミングについて示しているが、受信装置2における冗長度の更新タイミングも同様である。フレーム先頭から冗長度更新周期までのオフセット量は送信装置1と受信装置2の時刻同期精度を考慮して設定する。具体的には、通信中に冗長度を更新するタイミングが送信装置1と受信装置2とで異なることが無いように設定する。このように、オフセット期間を設けることにより、誤り訂正符号の冗長度をヒットレスで変更することが可能となる。すなわち、フレームロスを発生させることなく誤り訂正符号の冗長度を変更できる。
FEC符号設定テーブルは固定的に用意してもよいが、内容を更新する場合は、送信装置1と受信装置2で同一のものが共有される必要がある。FEC符号設定テーブルは送信装置1側で生成されても、受信装置2側で生成されてもよい。共有方法としては、通信開始時に誤り訂正能力が最大となる符号を用いて、FEC符号設定テーブルの内容を更新した装置が対向装置へ送信して共有する方法、通信誤り率の低い別回線にて、FEC符号設定テーブルの内容を更新した装置が対向装置へ送信して共有する方法、などが考えられる。また、通信誤り率が低くなると期待されるタイミング、すなわち、天頂角が最も小さくなるタイミング、天侯が良いタイミングにおいて、FEC符号設定テーブルの内容を更新した装置が対向装置へ送信して共有するようにしてもよい。FEC符号設定テーブルの内容を更新する場合、受信装置2は、最新のFEC符号設定テーブルが共有されるまではデータを復号すること無く保存し、FEC符号設定テーブルの更新が完了した後に、更新後のFEC符号設定テーブルに従って復号を行う。
また、FEC符号設定テーブルを複数準備しておき、天候、通信結果などに応じて切り替えるようにしてもよい。切り替える条件としては、天候が変化した場合、すなわち、地上局周辺の天候の変化により大気の状態が悪化した場合には、それまでよりも大きい冗長度を設定する内容のテーブルに切り替え、大気の状態が良化した場合には、それまでよりも小さい冗長度を設定する内容のテーブルに切り替える。この場合、天候の情報は地上局側で取得してLEO側へ送信してもよいし、LEOが天候の情報を取得する機能を有してもよい。また、他衛星等の地上局以外から取得してもよい。天候の情報を地上局側で取得してLEO側へ送信する場合においては、地上局は天候の情報を定期的に収集し、天候の変化により伝送路上における光信号の減衰量が大きく変化すると判断した場合、天候の情報をLEO側に通知するか、使用するFEC符号設定テーブルの情報をLEO側に通知する。通信エラーの発生率が高くなった場合、それまでよりも大きい冗長度を設定する内容のテーブルに切り替え、通信エラーの発生率が低くなった場合には、それまでよりも小さい冗長度を設定する内容のテーブルに切り替える。
図4にフレーム構造とFEC長の一例を示す。図4に示した例では、送信装置1は、天頂角が0度、35度および65度のそれぞれの場合において、異なる冗長度、すなわち異なるFECパリティ長を設定してデータを伝送する。冗長度を固定とする場合、所望の通信品質を満足できるよう、通信条件が悪い状態に合わせて冗長度を設定する必要がある。図4の例で考えると、仮に天頂角が0度であっても天頂角が65度の場合と同じ冗長度とする必要がある。しかし、本実施の形態にかかる送信装置1および受信装置2においては、FECパリティ長を天頂角等によって変更するため、データを実際に伝送する際の伝送路状態に適した冗長度でデータを伝送する。よって、データを送信する領域が増加し、通信可能時間中に伝送できるデータ量が増加する。
以上のように、本実施の形態にかかる通信システムにおいて、送信装置1は、データ伝送先の受信装置2との位置関係、すなわち、送信装置1が設けられているLEOと受信装置2が設けられている地上局の位置関係に基づいて、伝送される光信号の減衰量を推定し、推定した減衰量に応じた冗長度で伝送データを誤り訂正符号化して送信する。受信装置2は、送信装置1と同様の手順により、受信した信号が送信装置1で誤り訂正符号化される際に使用された冗長度を特定し、特定した冗長度に応じた誤り訂正復号を行うこととした。これにより、データ伝送時にユーザデータの伝送容量を向上させることができる。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2の通信システムの構成例を示す図である。なお、図5においては、図1に示した実施の形態1の通信システムと同様の構成要素に同一の符号を付している。実施の形態1の通信システムと同一の符号を付した部分については説明を省略する。
本実施の形態の送信装置1aは、実施の形態1で説明した送信装置1の送信器101〜10nを送信器10a1〜10anに置き換えたものである。送信器10a1〜10anは、送信器101〜10nのフレーミング部101をフレーミング部101aに置き換えたものである。
本実施の形態の受信装置2aは、実施の形態1で説明した受信装置2からFEC符号設定テーブル管理部24および制御部25を削除するとともに、受信器201〜20nを受信器20a1〜20anに置き換えたものである。受信器20a1〜20anは、受信器201〜20nに対して誤り訂正符号特定部204を追加したものである。
本実施の形態の通信システムにおいては、送信装置1aが冗長度を決定し、決定した冗長度をデータ伝送時に受信装置2aへ通知する。受信装置2aは、送信装置1aから通知された冗長度に従い復号処理を行う。送信装置1aが冗長度を決定する方法は実施の形態1の送信装置1と同様である。
送信装置1aの送信器10a1〜10anにおいて、フレーミング部101aは、データをフレームに格納する際に制御部15から通知された冗長度の情報も格納する。
図6は、本実施の形態で使用するフレームの構成例を示す図である。図6に示したように、フレーミング部101aは、フレームを生成する際、冗長度の情報をペイロード内の特定領域に格納する。冗長度の情報を格納する領域は固定の領域であり、受信装置2aはペイロード内のどの領域に冗長度の情報が格納されているかを予め分かっているものとする。図6に示したフレームでは、パリティ量通知領域が冗長度の情報が格納される領域に相当する。図6に示したフレーム構成を用いて冗長度を通知する場合、最初に伝送されるフレームに適用される冗長度は受信装置2a側で既知としておく必要がある。最初に伝送されるフレームに適用される冗長度は設定可能な最大値とすることが望ましいが、必須ではない。送信装置1aは、受信装置2aに通知した冗長度を次に伝送するフレームに対して適用する。受信装置2aは通知された冗長度を次に伝送されてきたフレームの復号で使用する。
図7は、本実施の形態で使用するフレームの他の構成例を示す図である。図7に示したように、冗長度の情報を格納するためのパリティ量通知領域をオーバヘッド(OH)内に確保したフレームを使用してもよい。図7に示した構成例では、パリティ量通知領域の誤りを発生させないために、ペイロードの誤り訂正パリティとは別にオーバヘッド用の既知の誤り訂正符号を用いる目的でOH用FEC領域を設けている。このOH用FEC領域は必須ではない。OH用FEC領域を省略した構成としてもよい。図7に示した構成のフレームを使用する場合、次に伝送するフレームに格納された誤り訂正符号の冗長度の情報を格納するのではなく、現フレームに格納された誤り訂正符号の冗長度の情報を格納してもよい。
受信装置2aにおいては、受信器20a1〜20anの誤り訂正符号特定部204が、受信したフレームのあらかじめ決められた領域に格納されている冗長度の情報を取り出し、次回の受信フレームに適用される冗長度または今回の受信フレームに適用されている冗長度を特定する。そして、特定した冗長度を誤り訂正処理部202へ通知するとともに、受信フレームを誤り訂正処理部202へ出力する。誤り訂正処理部202は、誤り訂正符号特定部204から通知された冗長度に従い、受信フレームを復号する。これにより、受信装置2aでは、実施の形態1と同様に、誤り訂正符号の冗長度をヒットレスで変更してデータを復元することができる。
以上のように、本実施の形態にかかる通信システムにおいて、送信装置1aは、実施の形態1の送信装置1と同様に、LEOと地上局の位置関係に基づいて、誤り訂正符号化処理で使用する冗長度を決定する。また、送信装置1aは、誤り訂正符号化で使用した冗長度の情報をフレームに挿入して送信し、受信装置2aは、受信フレームに挿入されている冗長度の情報に従い復号処理を行うこととした。これにより、実施の形態1の通信システムと同様の効果が得られる。また、地上局に設けられる受信装置2aの構成を単純化できる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3の通信システムの構成例を示す図である。なお、図8においては、図1に示した実施の形態1の通信システムと同様の構成要素に同一の符号を付している。実施の形態1の通信システムと同一の符号を付した部分については説明を省略する。
本実施の形態の通信システムは、LEOに設けられた送信装置1b、受信装置2b、制御部15bおよび軌道情報保持部18と、地上局に設けられた送信装置1b、受信装置2b、制御部25bおよび軌道情報保持部28とにより構成される。LEOに設けられた送信装置1b、受信装置2b、制御部15bおよび軌道情報保持部18はLEO側の通信装置を構成する。地上局に設けられた送信装置1b、受信装置2b、制御部25bおよび軌道情報保持部28は地上局側の通信装置を構成する。ここで、制御部15bと制御部25bは同じ機能を有し、軌道情報保持部18および軌道情報保持部28は同じ軌道情報を保持している。すなわち、LEO側の通信装置と地上局側の通信装置とは同様の構成となっており、同様の動作を行う。
送信装置1bは、データ振分部11、送信器101〜10n、光合波部12および光増幅部13を備えている。これらの各構成要素は、図1に示した実施の形態1の送信装置1が備えているデータ振分部11、送信器101〜10n、光合波部12および光増幅部13と同様であるため、詳細説明は省略する。受信装置2bは、受信器201〜20nおよび光分波部21を備えている。これらの各構成要素は、図1に示した実施の形態1の受信装置2が備えている受信器201〜20nおよび光分波部21と同様であるため、詳細説明は省略する。
LEOに設けられている制御部15bは、対向装置からBER(Bit Error Rate)を取得するBER取得部151と、BER取得部151が取得したBERに基づいて誤り訂正符号の冗長度を決定するFEC符号決定部152とを備える。地上局に設けられている制御部25bは、対向装置からBERを取得するBER取得部251と、BER取得部251が取得したBERに基づいて誤り訂正符号の冗長度を決定するFEC符号決定部252とを備える。BER取得部151とBER取得部251は同じものであり、FEC符号決定部152とFEC符号決定部252は同じものである。
本実施の形態の通信システムにおいて、各通信装置は、対向装置との間の大気の状態の推定結果、すなわち伝送路状態の推定結果に応じて誤り訂正符号の冗長度を変更する。図8に示した通信システムにおいて、LEO側および地上局側の双方の通信装置は、データを受信すると大気の状態に応じて変動する伝送路状態を対向装置へフィードバックする。本実施の形態では、伝送路の状態を示す情報としてBERを使用して説明するが、伝送路の状態を示す情報をBERに限定するものではない。BERに代えて、受信した光信号の強度、SNRなどを使用してもよい。また、LEO側および地上局側の双方の通信装置は、伝送路の状態を示すBERがフィードバックされてきた場合、フィードバックされてきたBERに基づいて大気の状態を推定し、推定結果に基づいて誤り訂正符号の冗長度を決定する。具体的には、BERが悪化した場合は大気の状態も悪化し、光信号の減衰量が大きくなったと推定できるので、この場合は誤り訂正符号の冗長度を大きくする。一方、BERが良化した場合は光信号の減衰量が小さくなったと推定し、誤り訂正符号の冗長度を小さくする。LEO側および地上局側の双方の通信装置において、BER取得部151および251がフィードバックされてきたBERを取得し、FEC符号決定部152および252が冗長度を決定する。冗長度の決定は、実施の形態1,2と同様に、FEC符号設定テーブルを用いて行ってもよいし、BERから冗長度を求める数式を用いて決定してもよい。FEC符号設定テーブルを用いる場合、図2に示したFEC符号設定テーブルの天頂角の項目をBERに置き換え、冗長度をBERに応じた値に置き換えたものを使用すればよい。
各通信装置は、対向装置から受信したデータのBERを、オーバヘッドまたはペイロードにBERの情報が挿入されたフレームを生成して送信することにより、対向装置に通知する。この場合、LEO側の通信装置の制御部15bは、受信装置2bを構成している受信器201〜20nの誤り訂正処理部202からBERを取得し、各誤り訂正処理部202から取得したBERの情報を送信装置1bのデータ振分部11を介して送信器101〜10nに受け渡す。送信器101〜10nは、BERの情報を受け取ると、フレーミング部101において、BERの情報が挿入されたフレームを生成する。LEO側の通信装置の動作について説明したが、地上局側の通信装置の動作も同様である。
ここでは対向装置からフィードバックされてきたBERに基づいて冗長度を決定することとしたが、対向装置から受信したデータのBERに基づいて冗長度を決定する構成としてもよい。この場合、対向装置へのBERのフィードバックは行わない。対向装置から受信したデータのBERに基づいて冗長度を決定する構成については実施の形態4で説明する。
また、LEO側の通信装置と地上局側の通信装置の双方において冗長度を決定するのではなく、一方が冗長度を決定し、決定した冗長度を他方へ通知するようにしてもよい。LEO側の通信装置が冗長度を決定する場合、実施の形態2で説明した方法と同様の方法を使用して冗長度の情報を地上局側の通信装置へ通知する。すなわち、LEO側の通信装置は、オーバヘッドまたはペイロードに冗長度の情報が挿入されたフレームを使用してデータを伝送する。一方、地上局側の通信装置が冗長度を決定する場合の通信手順は図9に示したものとなる。図9においては、LEO側の通信装置を「LEO」、地上局側の通信装置を「地上局」と記載している。
図9に示したように、地上局側の通信装置が冗長度を決定する構成の場合、LEO側の通信装置は、データ伝送の開始後に最初に送信するフレームでは設定可能な最大の冗長度を使用してデータを伝送する(ステップS1)。図9の例では、ペイロード内にパリティ量通知領域を設けた構成のフレームを使用し、パリティ量通知領域に冗長度の情報を格納する。地上局側の通信装置は、フレームを受信すると、パリティ量通知領域に格納されている冗長度の情報に従ってデータを復号するとともに、BERに基づいて冗長度を決定する(ステップS2)。そして、決定した冗長度の情報をパリティ量通知領域に格納したフレームをLEO側の通信装置へ送信して冗長度を通知し、通知した冗長度に従ってデータを誤り訂正符号化するよう指示する(ステップS3)。地上局側の通信装置が冗長度を通知する際に使用するフレームの構成は、実施の形態2で説明したフレームの構成と同様とする。すなわち、図6または図7に示した構成のフレームとする。ステップS3で送信されたフレームを受信したLEO側の通信装置は、通知された冗長度に従いデータを符号化して、次のフレームを送信する(ステップS4)。ステップS4で送信されたフレームを受信した地上局側の通信装置は、上記のステップS2と同様の手順で復号および冗長度の決定を行い(ステップS5)、決定した冗長度をLEO側の通信装置へ通知する(ステップS6)。以下、同様の手順で、冗長度を変更しながらデータを伝送する。なお、地上局側の通信装置において、FEC符号決定部252が冗長度決定手段を構成する。
なお、図9に示したシーケンスにおいて、地上局側の通信装置は、LEO側の通信装置への冗長度の通知を毎回行う必要はない。地上局側の通信装置は、フレームを受信するごとに決定する冗長度が前回と同じ場合、冗長度をLEO側の通信装置へ通知しなくてもよい。すなわち、冗長度を変更する必要性が生じた場合にのみ、通知すればよい。この場合、LEO側の通信装置は、新たな冗長度が通知されてくるまで、同じ冗長度を使用してフレームを送信する。
また、地上局側からLEO側への方向に伝送されるデータのデータ量が逆方向に伝送されるデータと比較して少ない場合、地上局側からLEO側への方向では冗長度を固定としてもよい。すなわち、冗長度が最も大きく、誤り訂正能力が高いものに固定してもよい。
また、データ伝送開始後に最初に送信するフレームの冗長度を実施の形態1と同様に決定してもよい。すなわち、軌道情報を用いて天頂角を算出し、天頂角に対応する冗長度を使用するようにしてもよい。
図9に示した例ではLEO側の通信装置が送信するフレームがパリティ量通知領域を含んでいるものとしたが、パリティ量通知領域を含まないフレーム構成としてもよい。ただし、この場合、地上局側の通信装置は、冗長度の変更を通知する際、新たな冗長度の適用を開始するフレームの情報を併せて通知する。通知するフレームの情報はフレーム番号などである。
以上のように、本実施の形態にかかる通信システムにおいて、LEO側の通信装置および地上局側の通信装置は、対向装置で測定されたBERまたは自装置で測定したBERに基づいて、誤り訂正符号の冗長度を決定することとした。これにより、データ伝送時にユーザデータの伝送容量を向上させることができる。また、誤り訂正符号の冗長度をヒットレスで変更することが可能となり、冗長度変更によりフレームロスが発生するのを防止できる。
実施の形態4.
実施の形態3にかかる通信システムでは、LEO側の通信装置および地上局側の通信装置が、BERなどの、伝送路の状態を示す情報を対向装置から取得し、取得した情報に基づいて冗長度を決定することとした。これに対して、本実施の形態にかかる通信システムでは、LEO側の通信装置および地上局側の通信装置は、対向装置から受信したデータのBERに基づいて冗長度を決定する。
図10は、実施の形態4の通信システムの構成例を示す図である。なお、図10においては、図8に示した実施の形態3の通信システムと同様の構成要素に同一の符号を付している。実施の形態3の通信システムと同一の符号を付した部分については説明を省略する。
本実施の形態にかかる通信システムのLEO側の通信装置は、実施の形態3で説明したLEO側の通信装置の制御部15bを制御部15cに置き換えた構成となっている。制御部15cは、FEC符号決定部152cを備えている。本実施の形態にかかる通信システムの地上局側の通信装置は、実施の形態3で説明した地上局側の通信装置の制御部25bを制御部25cに置き換えた構成となっている。制御部25cは、FEC符号決定部252cを備えている。FEC符号決定部152cおよび252cは冗長度決定手段を構成する。LEO側の通信装置と地上局側の通信装置は同様の構成となっており、同様の動作を行う。本実施の形態では、LEO側の通信装置について説明を行い、地上局側の通信装置については説明を省略する。
制御部15cのFEC符号決定部152cは、自装置であるLEO側の通信装置と対向装置である地上局側の通信装置との間の伝送路の状態を示す情報を受信装置2bから取得し、取得した情報に基づいて、送信装置1bで生成する誤り訂正符号の冗長度を決定する。伝送路の状態を示す情報は、実施の形態3と同様に、BER、受信した光信号の強度、SNRなどである。本実施の形態では、伝送路の状態を示す情報としてBERを使用する場合について説明する。
図11は、実施の形態4の通信装置が冗長度を決定する動作の一例を示すフローチャートである。
実施の形態4にかかる通信装置における冗長度の決定動作では、まず、受信装置2bの光受信部201の各々が信号を受信し(ステップS11)、誤り訂正処理部202の各々が誤り訂正処理を実行する(ステップS12)。
次に、制御部15cのFEC符号決定部152cが、誤り訂正処理部202の各々から、誤り訂正処理を実行して得られたBERを取得し、取得したBERに基づいて冗長度を決定する。すなわち、FEC符号決定部152cがステップS13〜S16を実行する。具体的には、FEC符号決定部152cは、まず、BERが規定範囲の上限よりも大きいか否かを確認し(ステップS13)、BERが規定範囲の上限よりも大きい場合(ステップS13:Yes)、冗長度を大きくする(ステップS14)。すなわち、現在の冗長度よりも大きい冗長度に変更する。例えば、現在の冗長度が5%であれば、10%に変更する。変更幅は固定値(5%など)としてもよいし、規定範囲の上限とBERとの差に基づいて可変としてもよい。変更幅を可変とする場合、例えば、規定範囲の上限とBERとの差がどれくらいの場合にどの変更幅とするのかを予め決定しておき、テーブル化してFEC符号決定部152cなどで保持しておく。
BERが規定範囲の上限以下の場合(ステップS13:No)、FEC符号決定部152cは、BERが規定範囲の下限よりも小さいか否かを確認する(ステップS15)。BERが規定範囲の下限よりも小さい場合(ステップS15:Yes)、FEC符号決定部152cは、冗長度を小さくする(ステップS16)。すなわち、現在の冗長度よりも小さい冗長度に変更する。例えば、現在の冗長度が20%であれば、15%に変更する。変更幅は固定値(5%など)としてもよいし、規定範囲の下限とBERとの差に基づいて可変としてもよい。一方、BERが規定範囲の下限以上の場合(ステップS15:No)、FEC符号決定部152cは、処理を終了する。すなわち、FEC符号決定部152cは、現在の冗長度を使用し続けることに決定する。
FEC符号決定部152cは、送信装置1bの送信器101〜10nの各々が送信するデータ(誤り訂正符号)が同じ冗長度となるように調整してもよいし、送信器ごと、すなわち波長ごとに異なる冗長度となるように調整してもよい。
FEC符号決定部152cは、送信器101〜10nの各々が送信するデータが同じ冗長度となるように調整する場合、例えば、受信器201〜20nの誤り訂正処理部202から取得したBERの平均値を求め、平均値を使用して上記のステップS13〜S16を実行する。
FEC符号決定部152cは、波長ごとに異なる冗長度となるように調整する場合、例えば、受信器201〜20nの誤り訂正処理部202から取得したBERの各々を使用して、上記のステップS13〜S16を実行する。すなわち、FEC符号決定部152cは、上記のステップS13〜S16を、受信器201〜20nの誤り訂正処理部202から取得したBERの数と同じ回数実行する。この場合、受信装置2bが受信する光信号の波長をλ11〜λ1n、かつλ11<λ12<λ13<・・・<λ1n、とし、送信装置1bが送信する光信号の波長λ1〜λnがλ1<λ2<λ3<・・・<λn、とすると、FEC符号決定部152cは、送信装置1bが送信するデータのうち、波長λi(i=1,2,…,n)で送信するデータの冗長度を、受信装置2bが受信したデータのBERのうち、波長λ1i(i=1,2,…,n)で受信したデータのBERを使用して調整する。
また、通信システムに割り当てられた全波長を複数に分割して複数のユーザに割り当てて使用する場合が考えられる。このような場合、FEC符号決定部152cは、同じユーザに割り当てられている波長を1つのグループとして取り扱い、グループごとに異なる冗長度となるように、送信器101〜10nの各々が送信するデータの冗長度を調整してもよい。例えば、ユーザA、BおよびCに対して波長が割り当てられている場合、FEC符号決定部152cは、ユーザAに送信するデータの冗長度をユーザAから受信したデータのBERを使用して調整する。
通信システムに割り当てられた波長を複数のユーザが使用する場合、ユーザごとに要求される通信品質すなわちデータ誤り率が異なる可能性がある。上述した、波長ごと、または、同じユーザに割り当てられた波長グループごとに冗長度を調整する構成とすることにより、ユーザごとに適切な冗長度を使用してデータを伝送することが可能となり、効率的なデータ伝送を実現できる。
上述した実施の形態3の通信システムにおいても本実施の形態と同様に、波長ごと、または、同じユーザに割り当てられた波長グループごとに冗長度を調整する構成としてもよい。
以上のように、本実施の形態にかかる通信システムにおいて、LEO側の通信装置および地上局側の通信装置は、対向装置から受信したデータのBERに基づいて、誤り訂正符号の冗長度を決定することとした。これにより、データ伝送時にユーザデータの伝送容量を向上させることができる。また、誤り訂正符号の冗長度をヒットレスで変更することが可能となり、冗長度変更によりフレームロスが発生するのを防止できる。また、対向装置からBERがフィードバックされてくるのを待つことなく冗長度を変更できるため、伝送路の状態変動が発生した場合に状態に合わせた冗長度への切り替えを短時間で行うことができ、その結果、ユーザデータの伝送容量をさらに向上させることができる。
各実施の形態で説明した通信装置の各構成要素は、専用の処理回路、または、プログラムを実行するプロセッサおよびメモリなどからなる汎用の処理回路により実現することが可能である。
専用の処理回路は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、等が該当する。汎用の処理回路は、例えば、図12に示したような、プロセッサ101およびメモリ102を含んだ処理回路100が該当する。プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等である。
処理回路100により通信装置の構成要素を実現する場合、処理回路100で実現する構成要素のそれぞれに対応するプログラムをメモリ102から読み出してプロセッサ101が実行することにより実現する。メモリ102は、プロセッサ101で実行されるプログラムの他、通信装置が必要としている情報、通信装置が他の通信装置から取得した情報などを記憶する。また、メモリ102は、プロセッサ101が各種演算を実行する際のワークメモリとしても使用される。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。