JP6172329B1 - 眼球の光計測システム及び眼球用の装着部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、角膜の頂部よりも奥側に光出射手段及び受光手段を配置する構成と比較し、光出射手段又は受光手段を配置する空間の確保が容易な眼球の光計測システム等を提供することを目的とする。
請求項2に記載の発明は、前記装着部材は眼球の角膜に沿った形状を有し、角膜上に装着される請求項1に記載の眼球の光計測システムである。
請求項3に記載の発明は、前記装着部材が有する前記第1の反射部と前記第2の反射部との少なくとも一方は金属面で構成されている請求項1又は2に記載の眼球の光計測システムである。
請求項4に記載の発明は、前記装着部材は前記第1の反射部を有し、前記第1の反射部は、当該第1の反射部に入射する光のビーム径を包含する大きさである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項5に記載の発明は、前記装着部材が有する前記第1の反射部と前記第2の反射部との少なくとも一方は、複数の反射面で構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項6に記載の発明は、前記装着部材は前記第1の反射部及び前記第2の反射部を有し、前記第2の反射部は前記第1の反射部よりも面積が大きい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項7に記載の発明は、前記装着部材が有する前記第1の反射部及び前記第2の反射部の少なくとも一方は、当該装着部材の中心を軸とした円弧状の形状を有する請求項6に記載の眼球の光計測システムである。
請求項8に記載の発明は、前記装着部材は前記第1の反射部及び前記第2の反射部を有し、前記装着部材に設けられた円形状の連続した反射面が、前記第1の反射部及び前記第2の反射部として機能する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項9に記載の発明は、前記装着部材は、眼球に装着した場合に、当該装着部材の中心を軸とした回転方向における予め定めた向きとなる形状である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項10に記載の発明は、前記装着部材は、前記光出射手段から出射された光が入射する当該装着部材上の予め定められた入射領域以外の領域に、当該光が眼球に達することを遮る遮光領域を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼球の光計測システムである。
請求項11に記載の発明は、眼球の前方から入射した光を前眼房を横切るように反射する第1の反射部と、当該前眼房を横切った光を眼球の前方に反射する第2の反射部との少なくとも一方を備え、前記前眼房に向けて光を出射する光出射手段及び当該前眼房を横切った光を受光する受光手段とともに用いられ、当該光出射手段及び当該受光手段とは分離された状態で眼球面に装着される眼球用の装着部材である。
請求項2の発明によれば、角膜に沿っていない形状と比較し、角膜上に装着しやすい。
請求項3の発明によれば、樹脂材料による反射面と比較し、反射率を高めやすい。
請求項4の発明によれば、反射部がビーム径より小さい場合と比較し、多くの光を前眼房に向けて反射できる。
請求項5の発明によれば、単一の反射面で構成する場合と比較し、装着部材の形状に沿って反射面の面積を大きくしやすい。
請求項6の発明によれば、第1の反射部で反射される光の角度が変動した場合であっても、第2の反射部に光を入射しやすくなる。
請求項7の発明によれば、円弧状ではない構成と比較し、装着部材が眼球上で回転した場合であっても、光の入射位置が反射部からずれるのが抑制される。
請求項8の発明によれば、第1の反射部及び第2の反射部が分離して設けられている構成と比較し、装着部材が眼球上で回転した場合であっても、光の入射位置が反射部からずれるのが抑制される。
請求項9の発明によれば、眼球上で装着部材をあらかじめ定めた向きに維持しやすい。
請求項10の発明によれば、光出射手段から出射された光が装着部材上の予め定められた入射領域から外れた場合に、意図しない眼球の領域が照射されることが抑制される。
請求項11の発明によれば、角膜の頂部よりも奥側に光出射手段及び受光手段を配置する構成と比較し、光出射手段又は受光手段を配置する空間の確保が容易になる。
(眼球の光計測システム1)
図1は、第1の実施の形態が適用される眼球の光計測システム1の構成の一例を示す図である。図1(a)は、眼球10及び眼球の光計測システム1、図1(b)は、眼球10に装着される反射部付きコンタクト部材30の正面図である。なお、正面図とは、図1(b)に示す+y方向から見た場合の反射部付きコンタクト部材30の図である。そして、図1(a)は、図1(b)のIA−IA線での断面図である。
眼球の光計測システム1は、眼球10に向けて光を出射する発光系21と、眼球10からの光を受光する受光系22とを備える光計測装置20と、眼球10の角膜上(眼球面)に装着される装着部材(眼球用の装着部材)の一例としての反射部付きコンタクト部材30とを備える。光計測装置20における発光系21が、光出射手段の一例であり、受光系22が、受光手段の一例である。
ここで、図1(a)において、+x方向が顔(眼球10)の右方向、−x方向が顔(眼球10)の左方向、+y方向が顔(眼球10)の前方向(前方、手前側)、−y方向が顔(眼球10)の後方向(後方、奥側)、+z方向が顔(眼球10)の上方向、−z方向が顔(眼球10)の下方向とする。図1(a)の眼球10部分は、眼球10を下方向から見た図である。
光計測装置20について、後に詳述する。
そして、反射部付きコンタクト部材30は、基体31と、二つの反射部33、34とを備える。二つの反射部33、34は、反射部付きコンタクト部材30が眼球10の表面に装着された際に、前眼房13を挟む位置に設けられている。ここでは、反射部33、34は、x方向に並んで設けられている。
反射部付きコンタクト部材30については、後に詳述する。
第1の実施の形態では、反射部付きコンタクト部材30を眼球10に装着することで、発光系21及び受光系22が眼球10の前方(手前側)に設けられる。すなわち、発光系21及び受光系22を設ける空間が確保しやすい。また、発光系21又は受光系22を眼球10から離すことで発光系21又は受光系22が眼球10に接触する可能性が低減される。
なお、光計測装置20は、発光系21と受光系22とが逆に構成されていてもよい。
ここで、前眼房13における眼房水を計測し、グルコース濃度の算出に眼球の光計測システム1を用いる例を説明する。
糖尿病患者は、血液内のグルコース濃度により、投与するインスリンの量が制御される。よって、糖尿病患者には、血液内のグルコース濃度を常に把握することが求められる。そして、血液中のグルコース濃度の計測は、指先などを注射針で穿刺し、微量な血液を採取する方法によるのが主流である。しかし、微量の血液でも採血時の痛みによる苦痛が伴う。そこで、穿刺などの侵襲式検査法に代わる非侵襲式検査法の要求が高まっている。
血清とほぼ同じ成分である前眼房13における眼房水にはタンパク質、グルコース、アスコルビン酸等が含まれている。そして、血液中のグルコース濃度と眼房水中のグルコース濃度とは相関関係があることが知られている。さらに、眼房水中には、血液中の細胞物質が存在せず、光散乱の影響が小さい。そして、眼房水に含まれるタンパク質、グルコース、アスコルビン酸等は光学活性物質であって、旋光性を有している。すなわち、眼房水は、旋光性を利用して光学的にグルコースなどの濃度を計測する部位として有利である。
図2には、眼球の光計測システム1において、光計測装置20における発光系21の発光部211、偏光子212、眼球10における前眼房13、光計測装置20における受光系22の補償子221、検光子222、受光部223のそれぞれの間において、光の進行方向から見た偏光の様子を円内の矢印で示している。
また、少なくとも2以上の波長の光を出射するものであってもよい。
受光部223は、シリコンダイオードなどの受光素子であって、光の強度に対応したデ電気信号を出力する。
偏光子212を通過した直線偏光は、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質により、振動方向が回転する。図2においては、振動方向が角度αM(旋光度αM)回転するとする。
そして、検光子222を通過した直線偏光を受光部223により受光し、光の強度に対応した出力信号に変換する。
まず、発光部211から出射した光が前眼房13を通過しない状態において、発光部211、偏光子212、補償子221、検光子222、受光部223からなる光計測装置20において、受光部223の出力信号が最小になるように、補償子221及び検光子222を設定する。図2に示すように、光が前眼房13を通過しない状態においては、偏光子212を通過した直線偏光の振動方向は、検光子222を通過する直線偏光の振動方向と直交している。
なお、図2では、偏光子212と検光子222を通過する前の直線偏光の振動方向が共に、紙面に平行であるとする。しかし、補償子221によって予め振動方向が回転する場合には、検光子222を通過する前の直線偏光の振動方向が紙面に平行な面から傾いていてもよい。すなわち、光が前眼房13を通過しない状態において、受光部223の出力信号が最小になるように、補償子221と検光子222とが設定される。
すなわち、補償子221によって回転させた直線偏光の振動方向が、眼房水に含まれる光学活性物質によって発生した旋光度αMに対応する。補償子221に印加した磁場の大きさと回転した直線偏光の振動方向の角度との関係は、事前に知られているので、補償子221に印加した磁場の大きさから、旋光度αMが分かる。
なお、旋光度αMを求める方法として補償子221を用いた例を述べたが、補償子221以外により旋光度αMを求めてもよい。また、図1(a)、図2では、直線偏光の振動方向の回転角(旋光度αM)を測定する最も基本的な測定法である直交偏光子法(ただし補償子221を使用)について示したが、回転検光子法やファラデー変調法、光学遅延変調法といった他の測定方法を適用してもよい。
求めたい光学活性物質の濃度の算出は、例えば、特開平09−138231号公報に開示されているような公知の方法を用いればよいので、説明を省略する。
図3は、第1の実施の形態の眼球の光計測システム1における反射部付きコンタクト部材30の反射部33、34を説明する断面図である。図3(a)は、封止されていない反射部33、図3(b)は、表面が平坦に封止された反射部33、図3(c)は、入射光に対して垂直な面で封止された反射部33である。
なお、図3(a)、(b)、(c)は、図1(a)に示す反射部33を示すが、反射部34も同様である。
ここで、ミラー33bは、空気と樹脂で構成された基体31との間の屈折率差による反射を利用して構成したものであってもよく、金やアルミニウムなどの金属材料や誘電体多層膜などを用いて構成してもよい。ミラー33bとして、金やアルミニウムなどによる金属材料(金属面)を用いると反射率が高まる。
なお、ミラー33bを空気と樹脂で構成された基体31との間の屈折率差による反射を利用して構成する場合、ミラー33bは、基体31の切欠き部33aの一部である。
この場合、ミラー33bに空気と基体31との間の屈折率差を利用しにくいため、ミラー33bには、金属材料や誘電体多層膜を用いることがよい。
この場合も、ミラー33bに空気と基体31との間の屈折率差を利用しにくいため、ミラー33bには、金属材料や誘電体多層膜を用いることがよい。
図4は、反射部付きコンタクト部材30の製造方法を説明する図である。図4(a)は、スピンキャスト法(遠心成型法)による製造方法、図4(b)は、モールド法(鋳型法)による製造方法を説明する図である。
そして、型50を回転させながら、凹部51に反射部付きコンタクト部材30の基体31を構成する材料と触媒とを投入する。すると、凹部51の形状により、反射部付きコンタクト部材30の外側の表面形状が設定される。そして、突起53、54の形状が切欠き部33a、34aとして転写される。また、型50の回転による遠心力により、反射部付きコンタクト部材30の内側の表面形状が設定される。そして、添加された触媒によって基体31を構成する材料の重合が行われ、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン共重合体、フッ素含有化合物などの樹脂による基体31が製造される。
なお、重合は、触媒を添加する代わりに、加熱によって行ってもよく、触媒の添加と加熱とを併用してもよい。
一方、形成された基体31の切欠き部33a、34bのミラー33b、34bとして、金やアルミニウムなどの金属材料の膜や誘電体多層膜を形成してもよい。この場合、切欠き部33a、34aのミラー33b、34bの部分以外を覆った状態で、金やアルミニウムなどの金属材料や誘電体多層膜を真空蒸着すればよい。
なお、重合は、触媒を添加する代わりに、加熱によって行ってもよく、触媒の添加と加熱とを併用してもよい。
金やアルミニウムなどの金属材料や誘電体多層膜によるミラー33b、34bについては、図4(a)で説明したスピンキャスト法と同様である。
図5(a)、(b)に示す転写法による製造方法では、反射部付きコンタクト部材30の基体31の製造とともに、金やアルミニウムなどの金属材料や誘電体多層膜によるミラー33b、34bを切欠き部33a、34aに転写する。ここでは、スピンキャスト法の型50又はモールド法の雌型61、雄型65を用いる。なお、転写法では、これらの型50、雌型61に、真空吸引口が設けられている。
図5(a)、(b)は、スピンキャスト法で用いた型50と同様の型50′で説明する。型50′の凹部51には、反射部33、34が形成される切欠き部33a、34aに相当する突起53、54が設けられている。なお、図4(a)で説明したスピンキャスト法と異なり、型50′には、真空吸引口55(図5(a)、(b)では、3本)が設けられている。
そして、ミラー33b、34bとなる金やアルミニウムなどの金属材料又は誘電体多層膜などを設けた転写シート56を用いる。
なお、転写シート56からミラー33b、34bを剥離しやすくするために、転写シート56とミラー33b、34bとの間に離形層を設けてもよい。離形層の材料としては、メラニン、シリコーン、フッ素、セルロースなどの樹脂が挙げられる。
なお、この金属部材や誘電体多層部材などは、転写後に反射面となるように、転写シート56から浮き上がるように設けられている。例えば、反射面を斜めに保持するように、側面に三角形状の支持部などが設けられていてもよい。
この場合、ミラー33b、34bの周囲が反射部付きコンタクト部材30の基体31で埋め込まれるので、反射部付きコンタクト部材30は、図3(b)に示した形状となる。
第1の実施の形態では、反射部付きコンタクト部材30は、入射側の反射部33と出射側の反射部34とを備えていた。これにより、光計測装置20の発光系21、受光系22を設ける空間が、眼球10の手前側(+y方向)に確保された。
しかし、顔の鼻側に比べ、耳側には空間があって、光計測装置20の発光系21と受光系22とのいずれか一方を配置してもよい。
第2の実施の形態の眼球の光計測システム1では、耳側の空間に光計測装置20の発光系21と受光系22とのいずれか一方を配置する。
反射部付きコンタクト部材30の構成と、光路の設定方法が異なる他は、第1の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
ここでは、眼球10は右目であるとして説明するが、左目の場合は、左右を逆にすればよい。
なお、第1の実施の形態と同様に、反射部33の切欠き部33aに封止部材33cが、又、反射部34の切欠き部34aに封止部材34cが設けられていてもよい。
第1の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30は、入射側は、一つのミラー33bを有する反射部33を、出射側は、一つのミラー34bを有する反射部34を備えていた。
このような反射部付きコンタクト部材30は、眼球10に装着した際、眼球10の中心を軸として回転するおそれがある。また、角膜14の形状に依存して、入射側の反射部33に光を入射しても、出射側の反射部34から光が出射しないことがありうる。すなわち、図1(a)に示したような光路25が設定しづらいことがありうる。
そこで、第3の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30では、反射部付きコンタクト部材30が眼球10の中心を軸として回転することを許容するとともに、光路25を設定しやすくしている。
反射部付きコンタクト部材30の構成が異なる他は、第1の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
そして、反射部331、332、反射部341〜343の構成は、図3(a)、(b)、(c)に示したいずれであってもよい。
また、入射側の反射部群33は、反射部付きコンタクト部材30の直径方向に分離された複数の反射部331、332で構成されている。すなわち、反射部付きコンタクト部材30の直径方向の曲面形状に沿って反射面の面積が拡大された構成となっている。よって、光の入射点INの位置が反射部付きコンタクト部材30の直径方向にずれた場合であっても、一つの反射部のみの構成と比較し、光を光路25の方向に反射しやすくなっている。
また、出射側の反射部群34も同様に、反射部付きコンタクト部材30の直径方向に分離された複数の反射部341〜343で構成されている。よって、被計測者の個人差や日内変動に伴い角膜14の形状が変化し、反射された光の角度(光路25)が所望の方向からずれた場合であっても、受光系22に向けて光を反射しやすくなっている。例えば、反射部付きコンタクト部材30の出射点OUTが、反射部342から反射部341又は反射部343に移動しても、受光系22に向けて光が反射される。
なお、入射側の反射部群33及び出射側の反射部群34に設ける反射部の数は、上記の数に限定されない。
反射部331、332、反射部341〜343がそれぞれ3分割されても、円弧状に並んでいるので、反射部付きコンタクト部材30の眼球10の中心を軸とする回転が許容される。
また、入射側の反射部群33及び出射側の反射部群34に、複数の反射部を設けたことで、例えば、角膜14の形状などの影響を受けて反射された光の角度(光路25)がずれて設定されても、発光系21から入射した光が受光系22に出射されうる。
第3の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30は、図7(a)に示したように、入射側の反射部群33における反射部331、332、出射側の反射部群34における反射部341〜343が、反射部間で互いに隙間を設けて配列されていた。
第4の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30では、入射側の反射部群33における複数の反射部、出射側の反射部群34における複数の反射部が、y方向からみて隙間なく配列されている。
反射部付きコンタクト部材30の構成が異なる他は、第3の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
図8(a)では、入射側の反射部群33における反射部332に入射点INが、出射側の反射部群34における反射部342と反射部343とにまたがって出射点OUTが設けられている。
なお、反射部331、332、反射部341〜345の構成は、図3(a)、(b)、(c)に示したいずれであってもよい。
同様に、+y軸方向から見た場合に、出射側の反射部群34の反射部341〜345を隙間なく配置することで、例え、前眼房13を通過した光が複数の反射部にまたがって反射する場合であっても、反射光は、径が広がることなく受光系22に向けて出射される。
また、入射側及び出射側に、複数の反射部(入射側に反射部331、332、出射側に反射部341〜345)を設けたことで、例えば、角膜14の形状などの影響を受けて反射された光の角度(光路25)がずれて設定されても、発光系21から入射した光が受光系22に出射されうる。
発光系21(図1(a)参照)からの入射光αを、反射部331に設けられるミラー331bで前眼房13に向けて反射させるとする。ここでは、反射光α′は、図8(b)の枠線に平行に左から右に進むとする。この時、ミラー331bの左端への入射光βが、反射部332に設けられるミラー332bで遮られないことが求められる。このため、ミラー332bの右端は、反射光β′を遮らない(切らない)ように設定される。
なお、ミラー332bの右端への入射光γに対する反射光γ′は、反射光β′と同じ方向に反射されるように設定される。
図9に示すように、−y方向に頂点を有する円錐を想定し、円錐の底面に平行な二つの面で切り取られる円錐面の一部により、入射側の反射部群33における反射部331のミラー331b(反射面)及び出射側の反射部群34における反射部342のミラー342b(反射面)が構成されている。この場合、ミラー331bとミラー342bとは、y軸からの距離が等しい円弧を辺とする扇型になる。なお、ミラー331bとミラー342bとは、y軸から等しい円弧を辺としなくともよい。
また、y軸に対して異なる角度のミラーを形成する設定方法として、円錐を想定した構成だけでなく、−y方向に頂点を有する楕円錐を想定して、楕円錐の底面に平行な二つの面で切り取られる楕円錐面の一部によって構成してもよい。楕円錐面では、楕円錐面上の円周方向の位置によってy軸に対する角度が異なるため、角度が徐々に変化するミラーを連続した面として形成できる。このようにすれば、複数のミラーを設けなくとも、一つのミラーで異なる角度に光を反射させることができる。
なお、本構成は図9に示す反射部群33、34における反射部331、332、341〜345の構成だけでなく、図7(a)や図7(b)に示す構成にも適用できる。
第4の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30は、入射側の反射部群33を構成する複数の反射部と、出射側の反射部群34を構成する複数の反射部とを備えていた。
第5の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30は、反射部群33を構成する反射部と、出射側の反射部群34を構成する反射部とが分離されていない。
反射部付きコンタクト部材30の構成が異なる他は、第3の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
図10(a)では、一例として、反射部352の左側に入射点INが、反射部352の右側に出射点OUTがある。
図10(a)に示す反射部付きコンタクト部材30では、入射側と出射側との区別がないため、反射部付きコンタクト部材30の装着において、向きを設定することを要しない。このため、反射部付きコンタクト部材30が眼球10の中心を軸として回転した場合であっても、光の入射点INが反射部351〜354のいずれかからずれるのが抑制される。
なお、図10(b)では、一例として、反射部351の左側に入射点INが、反射部351の右側に出射点OUTがある。
図10(b)に示す反射部付きコンタクト部材30は、装着する方向により、入射点INと出射点OUTとの間の距離を変更しうる。よって、反射部付きコンタクト部材30を変更することなく、大きさが異なる眼球10や発光系21と受光系22との間の距離が異なる光計測装置20に対応させられる。
なお、図10(c)では、一例として、反射部351に入射点INが、反射部351に出射点OUTがある。
図10(c)に示す反射部付きコンタクト部材30は、装着する方向により、入射点INと出射点OUTとの間の距離を変更しうる。よって、反射部付きコンタクト部材30を変更することなく、大きさが異なる眼球10や発光系21と受光系22との間の距離が異なる光計測装置20に対応させられる。
また、反射部351〜354間に隙間を設けていないので、入射光が眼球10の内部に侵入して網膜16に照射されることが抑制される。
第1の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30では、眼球10に対して予め定められた向きに装着することを要する。そこで、第6の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30では、装着により、反射部付きコンタクト部材30が予め定められた方向に向くようにしている。
反射部付きコンタクト部材30の構成が異なる他は、第1の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
第6の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30は、第1の実施の形態と同様に、基体31、入射側の反射部33、出射側の反射部34を備える。
これにより、装着した際に、厚みが厚い領域IIが“おもり”となって、反射部付きコンタクト部材30は、中心を軸とした回転方向に沿って回転し、予め定められた向きとなる。よって、装着毎に同じ向きとなり装着しやすい。
第7の実施の形態では、第1の実施の形態が適用される反射部付きコンタクト部材30の表面に遮光膜を形成した遮光領域を設ける。
反射部付きコンタクト部材30の構成が異なる他は、第1の実施の形態と同様である。以下では、同様の部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
反射部付きコンタクト部材30の表面に遮光膜36を形成した遮光領域を設けることにより、測定の際に眼球10が動いた場合などにおいて、レーザ光が眼球10の想定外の領域に照射されることが抑制される。例えば、レーザ光の照射位置が所望の領域からずれてもレーザ光が眼球10の内部に侵入して網膜16に照射される可能性がより抑制される。
なお、瞳孔に対応する部分に遮光膜36を設けないようにして、被計測者の視野を確保している。
遮光膜36は、レーザ光を反射又は吸収等することで遮光するものであり、例えば、金属膜や黒色の膜で構成される。なお、遮光膜36は、瞳孔の少なくとも一部を覆うように設けられてもよく、被計測者の視野の確保が必要ない場合は、瞳孔を全部覆うように設けられてもよい。
また、眼房水に関する特性のみならず、光路25に存在する角膜等に関する特性を求めるために第1の実施の形態から第7の実施の形態で説明した構成を応用してもよい。
また、本開示は上記の第1の実施の形態から第7の実施の形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (11)
- 眼球の前方から入射した光を前眼房を横切るように反射する第1の反射部と、当該前眼房を横切った前記光を眼球の前方に反射する第2の反射部との少なくとも一方を有し、眼球面に装着される装着部材と、
前記前眼房に向けて光を出射する光出射手段と、当該前眼房を横切った光を受光する受光手段とを有し、前記装着部材と分離された状態で眼球の前方に配置される光計測装置と、
を備える眼球の光計測システム。 - 前記装着部材は眼球の角膜に沿った形状を有し、角膜上に装着される請求項1に記載の眼球の光計測システム。
- 前記装着部材が有する前記第1の反射部と前記第2の反射部との少なくとも一方は金属面で構成されている請求項1又は2に記載の眼球の光計測システム。
- 前記装着部材は前記第1の反射部を有し、
前記第1の反射部は、当該第1の反射部に入射する光のビーム径を包含する大きさである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。 - 前記装着部材が有する前記第1の反射部と前記第2の反射部との少なくとも一方は、複数の反射面で構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。
- 前記装着部材は前記第1の反射部及び前記第2の反射部を有し、
前記第2の反射部は前記第1の反射部よりも面積が大きい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。 - 前記装着部材が有する前記第1の反射部及び前記第2の反射部の少なくとも一方は、当該装着部材の中心を軸とした円弧状の形状を有する請求項6に記載の眼球の光計測システム。
- 前記装着部材は前記第1の反射部及び前記第2の反射部を有し、
前記装着部材に設けられた円形状の連続した反射面が、前記第1の反射部及び前記第2の反射部として機能する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。 - 前記装着部材は、眼球に装着した場合に、当該装着部材の中心を軸とした回転方向における予め定めた向きとなる形状である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。
- 前記装着部材は、前記光出射手段から出射された光が入射する当該装着部材上の予め定められた入射領域以外の領域に、当該光が眼球に達することを遮る遮光領域を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の眼球の光計測システム。
- 眼球の前方から入射した光を前眼房を横切るように反射する第1の反射部と、当該前眼房を横切った光を眼球の前方に反射する第2の反射部との少なくとも一方を備え、
前記前眼房に向けて光を出射する光出射手段及び当該前眼房を横切った光を受光する受光手段とともに用いられ、当該光出射手段及び当該受光手段とは分離された状態で眼球面に装着される眼球用の装着部材。
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