JP6841146B2 - 眼球の光計測装置及び眼球の光計測方法 - Google Patents
眼球の光計測装置及び眼球の光計測方法 Download PDFInfo
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Description
本発明は、眼球の向きを検知しない場合に比べ、計測に用いる光が眼球内の意図しない部位に照射されることを抑制した眼球の光計測装置などを提供する。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記検知手段により検知された前記眼球の向きが前記予め定められた範囲内にない場合に、前記光出射手段からの光の出射を禁止する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げることを禁止するように制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置である。
請求項3に記載の発明は、被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、前記眼球の向きを検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前記眼球の向きが予め定められた範囲内から範囲外に変化した場合に、前記光出射手段からの光の出射を停止する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度より下げるように制御する制御手段と、を備える眼球の光計測装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記検知手段により検知された前記眼球の向きが前記予め定められた範囲外から範囲内に変化した場合に、前記光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げるように制御することを特徴とする請求項3に記載の眼球の光計測装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記眼球の向きが前記予め定められた範囲内から範囲外に変化した場合、当該眼球の向きが当該予め定められた範囲内にあった際に計測途中であったとき、当該眼球の向きが当該予め定められた範囲外から範囲内に変化した場合に、当該計測途中から引き続いて計測を行うことを特徴とする請求項4に記載の眼球の光計測装置である。
請求項6に記載の発明は、前記予め定められた範囲は、前記光出射手段から出射された前記光が前記眼球の網膜に直接到達せずに当該眼球を横切る範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置である。
請求項7に記載の発明は、被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、前記眼球の向きを検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前記眼球の向きが、前記光出射手段から出射された前記光が当該眼球の網膜に直接到達せずに当該眼球を横切る向きである場合に、当該光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げるように制御する制御手段と、を備える眼球の光計測装置である。
請求項8に記載の発明は、被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、前記眼球の向きを検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前記眼球の向きが、前記光出射手段から出射された前記光が当該眼球の網膜に直接到達する向きである場合に、当該光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を禁止、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げることを禁止するように制御する制御手段と、を備える眼球の光計測装置である。
請求項9に記載の発明は、被計測者の眼球の向きを検出するステップと、前記眼球の向きが予め定められた範囲内にある場合に、当該眼球を横切るように計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該眼球を横切る光を計測に用いる強度に上げるステップと、前記眼球を透過した前記光を受光するステップと、を含む眼球の光計測方法である。
請求項3の発明によれば、眼球の向きの変化を検知しない場合に比べ、計測に用いる光が眼球内の意図しない部位に照射されることが抑制される。
請求項4の発明によれば、眼球の向きの変化を検知しない場合に比べ、計測の開始が容易になる。
請求項5の発明によれば、計測を継続しない場合に比べて、計測に要する時間が短縮できる。
請求項6、7、8の発明によれば、網膜に直接到達しない範囲でない場合に比べて、網膜に照射されることが抑制される。
(光計測装置1)
図1は、本実施の形態が適用される光計測装置1の構成の一例を示す図である。
この光計測装置1は、被計測者の眼球10の特性の計測に用いる光学系20、眼球10の向き(視線)を誘導する目印(視線ターゲット)31を表示する表示部30、眼球10の向きを検知する検知部70、光学系20、表示部30及び検知部70を制御する制御部40、光学系20、表示部30、検知部70及び制御部40を保持する保持部50、光学系20により計測されたデータに基づいて眼球10の特性を算出する算出部60を備える。
ここで、制御部40は、制御手段の一例、検知部70は、検知手段の一例である。
前眼房(後述する図2(a)に示す前眼房13)は、瞳孔15及び虹彩16の正面側に位置し、ほぼ球形の眼球10において前面に飛び出している。前眼房の内部は眼房水で満たされている。
発光部21は、発振波長が異なる複数のレーザを光源として備える。なお、発光部21は、発振波長が1つである1つのレーザを光源として備えてもよい。また、発光部21は、発光ダイオード(LED)やランプのような波長幅が広い光源を備えてもよい。発光部21からの光は、波長幅が狭い方がよい。
ここでは、発光部21は、ビーム状の光を出射するとする。
そこで、眼球10に対して平行に近い角度で光を入射させ、前眼房13を横切るように透過させるように光路28を設定するため、第1ミラー23、第2ミラー24を設け、光路28を折り曲げることで、スペースを有効に利用しようとしている。
なお、光学系20が小型であれば、光路28を折り曲げることは必要でない。光路28を折り曲げる必要がない場合は、第1ミラー23又は/及び第2ミラー24を備えなくともよい。
受光部27は、シリコンフォトダイオードなどの受光素子であって、受光した光の強度に対応した出力信号を出力する。
なお、発光系20Aと受光系20Bとを入れ替えた配置としてもよい。
ここで、発光部21を含む発光系20Aは、光出射手段の一例、受光部27を含む受光系20Bは、光受光手段の一例である。なお、発光部21を光出射手段の一例、受光部27を光受光手段の一例と捉えてもよい。
なお、表示部30は、電子ディスプレイでなくともよい。この場合、目印(視線ターゲット)31は、視認することにより眼球10の向き(視線)を誘導するものであればよい。例えば、LEDランプ、マーカー(マーク)、目盛等を有する部材であってもよい。
保持部50を眼球10の周辺に接触させる方法としては、被計測者又は他者が手で光計測装置1を把持して接触させてもよいし、光計測装置1を前後方向に駆動する駆動装置を使用して接触させてもよい。
また、保持部50を眼球10に対して位置決めできるのであれば、接触させる領域は眼球10の周辺である必要はなく、被計測者の顔の他の領域であってもよく、さらには、接触させずに位置決めできる場合は、接触させなくてもよい。
そして、保持部50の他方の端部に、表示部30が設けられている。
図1に示す保持部50は、円筒を軸方向に平行な面で切断した形状であるが、これは、光学系20を見やすくするためであって、円筒であってもよい。また、保持部50は、断面が楕円形、四辺形などの筒状であってもよい。さらに、図1と同様に、筒状の一部が切り取られていてもよい。
よって、検知部70は、眼球10の向きを観察し、眼球10の向きに関する信号を制御部40に送信する。
なお、目頭又は目尻、瞳孔15、虹彩16、プルキニエ像などの位置は、眼球10を撮像した画像を、二値化処理などの画像処理をすることにより抽出すればよい。
なお、眼球10の瞳孔15が予め定められた範囲(許可範囲71)にあれば、発光部21から出射された光が眼球10の網膜17に直接到達することなく、眼球10の前眼房13を横切るように透過する。
また、検知部70は、眼球10に対して下側に置かれているが、眼球10の正面、上側、内側、外側などに置かれてもよい。
図2は、眼球10及び眼球10の前眼房13を横切るように透過する光路28を説明する図である。図2(a)は、眼球10の目頭側から目尻側に結んだ線での上下方向における断面図、図2(b)は、眼球10の正面図である。
図2(a)に示すように、眼球10は、外形がほぼ球形であって、中央にガラス体11がある。そして、レンズの役割をする水晶体12が、ガラス体11の一部に埋め込まれている。水晶体12の外側に、前眼房13があり、その外側に角膜14がある。水晶体12の周辺部は虹彩16に囲まれ、その中心が瞳孔15である。水晶体12に接する部分を除いて、ガラス体11は、網膜17で覆われている。
すなわち、前眼房13は、角膜14と水晶体12とで囲まれた領域であって、眼球10の球形からは、凸状に飛び出している。そして、前眼房13は、眼房水で満たされている。
ここでは、光路28は、目尻側(耳側)から目頭側(鼻側)に向かうように設定されている。
なお、光路28に沿って進む光は、ビーム状である。
糖尿病患者は、血液内のグルコース濃度により、投与するインスリンの量が制御される。よって、糖尿病患者には、血液内のグルコース濃度を常に把握することが求められる。そして、血液中のグルコース濃度の計測は、指先などを注射針で穿刺し、微量な血液を採取する方法によるのが主流である。しかし、微量の血液でも採血時の痛みによる苦痛が伴う。そこで、穿刺などの侵襲式検査法に代わる非侵襲式検査法の要求が高まっている。
眼球10に対して垂直に近い角度で光を入射する光路では、前眼房13における眼房水と虹彩16との界面又は眼房水と水晶体12との界面で光を反射させ、反射した光を受光する。この光路を用いる場合、網膜17に光が直接照射されるおそれがある。特に、発光部21にコヒーレント性が高く、エネルギ密度が高いレーザを用いる場合、網膜17に光が直接照射されると、光が照射される時間の長さによっては網膜17に悪影響を与える可能性がある。
これに対し、眼球10の前眼房13を横切る光路28は、本来的に光が網膜17など、眼球10内の意図しない部位に光が直接照射されることが抑制される。
図3に示す光学系20には、発光部21、偏光子22、前眼房13、補償子25、検光子26、受光部27のそれぞれの間において、光の進行方向から見た偏光の様子を円内の矢印で示している。
偏光子22を通過した直線偏光は、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質により、偏光面が回転する。図3では、偏光面は角度αM(旋光度αM)回転するとする。
そして、検光子26を通過した直線偏光を受光部27により受光し、光の強度に対応した出力信号に変換する。
まず、発光部21が出射した光が前眼房13を透過しない状態において、発光部21、偏光子22、補償子25、検光子26、受光部27からなる光学系20において、受光部27の出力信号が最小になるように、補償子25及び検光子26を設定する。図3に示すように、光が前眼房13を透過しない状態においては、偏光子22を通過した直線偏光の偏光面が、検光子26を通過する偏光面と直交している。
なお、図3では、偏光子22の偏光面と検光子26を通過する前の偏光面が共に、紙面に平行であるとしている。しかし、補償子25によって予め偏光面が回転する場合には、検光子26を通過する前の偏光面が紙面に平行な面から傾いていてもよい。すなわち、光が前眼房13における眼房水を透過しない状態において、受光部27の出力信号が最小になるように、補償子25と検光子26とを設定すればよい。
すなわち、補償子25によって回転させた偏光面の角度が、眼房水に含まれる光学活性物質によって発生した旋光度αMに対応する。補償子25に印加した磁場の大きさと回転した偏光面の角度との関係は、事前に知られているので、補償子25に印加した磁場の大きさから、旋光度αMが分かる。
なお、旋光度αMを求める方法として補償子25を用いた例を述べたが、補償子25以外で旋光度αMを求めてもよい。また、図1、図3では、偏光面の回転角(旋光度αM)を測定する最も基本的な測定法である直交偏光子法(ただし補償子25を使用)について示したが、回転検光子法やファラデー変調法、光学遅延変調法といった他の測定方法を適用してもよい。
求めたい光学活性物質の濃度の算出は、公知の方法を用いればよいので、説明を省略する。
図4は、眼球10の向きが許可範囲71内にある状態及び許可範囲71外にある状態での制御部40による制御を説明する図である。図4(a)は、眼球10の向きが許可範囲71内にある状態、図4(b)は、眼球10の向きが許可範囲71外にある状態を示す。なお、許可範囲71外にある状態とは、許可範囲71内にない状態である。
図4(a)、(b)では、光学系20を簡略化して示している。つまり、発光系20Aでは、図1における発光部21と第1ミラー23とを示している。また、受光系20Bをまとめて示している。
ここでは、眼球10の向きがこの範囲内にあれば、発光部21が計測に用いる強度での光の出射を開始する、又は、発光部21が出射する光を計測に用いる強度に上げることが許可されるという意味で、許可範囲71と表記する。
なお、瞳孔15以外のプルキニエ像などにより、眼球10の向きを検知してもよい。
よって、制御部40は、検知部70が検知した眼球10の向きが許可範囲71内にあると判断すると、光学系20を制御して、発光部21から計測に用いる強度の光の出射を開始する、又は、発光部21が出射する光を計測に用いる強度に上げる。
よって、制御部40は、検知部70が検知した眼球10の向きが許可範囲71外にある(許可範囲71内にない)と判断すると、光学系20を制御して、発光部21からの計測に用いる強度の光の出射を禁止、又は、発光部21から出射する光の強度を計測に用いる強度に上げることを禁止する。
なお、図4(b)では、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に到達しても悪影響を与えない強度の光が発光部21から出射されている場合があるが、この光についての光路28を省略している。つまり、図4(a)に示す光路28は、計測に用いる強度の光が出射されている状態を示している。
制御部40は、検知部70が検知した眼球10の向きが、許可範囲71内にあると判断すると、光学系20を制御して、発光部21から計測に用いる強度での光の出射を開始する、又は、発光部21が出射する光を計測に用いる強度に上げる。
そして、制御部40は、検知部70が検知した眼球10の向きが、許可範囲71外にある(許可範囲71内にない)と判断すると、光学系20を制御して、発光部21から計測に用いる強度での光の出射を禁止、又は、発光部21が出射する光を計測に用いる強度に上げることを禁止する。
このように制御することで、眼球10の向きが許可範囲71外にある場合に、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に光が到達する(照射される)ことが抑制される。
このように制御することで、眼球10の向きが許可範囲71内にある状態から許可範囲71外にある状態に変化した(ずれた)場合に、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に光が到達する(照射される)ことが抑制される。
このように制御することで、眼球10の向きが許可範囲71外にある状態において、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に光が到達することを抑制し、眼球10の向きが許可範囲71内にある状態に変化した場合に、発光部21から計測に用いる強度の光の出射を開始すること、又は、発光部21が低下させていた光の強度を計測に用いる強度に上げることで、眼球10の光計測が開始される。
つまり、検知部70が検知する眼球10の向きに基づいて、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に光が到達する(照射される)ことを抑制しつつ、眼球10の光計測が行える。
検知部70が検知した眼球10の向きが許可範囲71内にある状態において、発光部21から計測に用いる強度の光の出射を開始する、又は、発光部21からの光の強度を計測に用いる強度に上げる。そして、眼球10の向きが許可範囲71外にある状態に変化した場合に、発光部21から計測に用いる強度の光の出射を停止する、又は、発光部21からの光の強度を計測に用いる強度より下げる。さらに、眼球10の向きが許可範囲71内にある状態に変化した場合に、発光部21から計測に用いる強度の光の出射を再開する、又は、発光部21からの光の強度を計測に用いる強度に再び上げる。
また、上記の光の出射の停止(強度を下げること)と光の出射の再開(強度を上げること)とをさらに繰り返してもよい。
以下において、制御部40による制御に基づいて行う眼球10の光計測の方法をフローチャートにしたがって説明する。
図6は、光計測装置1による光計測方法を説明するフローチャートの一例である。
以下では、計測に用いる光を計測光と表記し、発光部21が計測に用いる強度の光の出射を開始すること、又は、発光部21が出射する光の強度を計測に用いる強度に上げることを、計測光の照射を開始する(計測光照射開始)と表記する。また、発光部21が計測に用いる強度の光の出射を停止すること、又は、発光部21が出射する光の強度を計測に用いる強度から網膜17などの眼球10内の意図しない部位に到達しても悪影響を与えない強度に下げることを、計測光の照射を停止する(計測光照射停止)と表記する。
これにより、表示部30に目印(視線ターゲット)31が表示される。そして、被計測者の眼球10が目印(視線ターゲット)31を見つめる状態になる。この状態は、発光部21から出射された光が光路28にしたがって、眼球10の前眼房13を横切るように透過しうる状態である。そして、この状態において、眼球10の向きは、許可範囲71内にあると推定される。
ここでは、網膜17などの眼球10内の意図しない部位に照射されても悪影響を与えない程度の強度の弱い光を用いて、発光部21から照射された光が眼球10の前眼房13を横切るように透過するように、光学系20(発光系20A、受光系20B)を調整して光路28を設定する。なお、強度が弱い光とは、計測に用いる波長の光であって、計測に用いる強度のより強度が弱い光、又は、計測に用いる光とは波長の異なる強度の弱い光であって、視認しやすい光などである。
計測条件とは、計測に用いる光の種類(波長)、偏光状態、計測時間などである。前述したように、波長の異なる複数の光に対して出射する順序などを設定してもよい。
すると、制御部40により、検知部70の検知した眼球10の向きが許可範囲71内にあるか否か(眼球の向きは範囲内か?)を判断される(ステップ5)。ステップ5は、眼球10の向きを検出するステップである。
これは、検知部70が検知する眼球10の向きと光学系20との位置関係がずれた状態にある場合に相当する。すなわち、ステップ2における光学系20の調整において、発光部21が出射する光が眼球10の前眼房13を横切るように透過するように光路28を設定しても、検知部70によって検知される眼球10の向きが許可範囲71内にならない場合である。よって、光学系20を再調整する。
ステップ7において、制御部40により肯定(Yes)の判断がされた場合、つまり眼球10の向き(瞳孔15)が許可範囲71内にあると判断された場合には、制御部40により計測が終了したか否か(計測終了か?)が判断される(ステップ8)。
なお、ステップ7において、制御部40により否定(No)の判断がされた場合については、後述する。
そして、制御部40は、受光部27が受光した光の強度に対応した出力信号を計測データとして、制御部40が備えるメモリに記憶する(ステップ10)。
これにより、計測が終了する。この後、制御部40は、算出部60に計測データを送信する。そして、制御部40は、算出部60が計測データに基づいて演算によって求めた光学活性物質の濃度などを受信し、表示部30に表示する。
ステップ13において、制御部40により肯定(Yes)の判断がされた場合、つまり眼球10の向きが許可範囲71内にあると判断された場合には、計測条件を再設定する(ステップ14)。計測条件の再設定とは、計測中断時点から再開するために、メモリに記憶された計測条件及び計測途中データに基づいて、未実施の計測に対する計測条件を設定することである。
一方、ステップ15において、制御部40により肯定(Yes)の判断がされた場合、つまり予め定められた時間が経過した場合には、計測を終了してもよい。
これは、眼球10の角膜14が乾燥したりして、眼球10が計測に適さない状態になることがあるためである。
図7では、図6に示したフローチャートと同じ部分に同じ符号を付し、異なる部分に異なる符号を付している。つまり、図6のステップ2からステップ5が、図7では、ステップ21からステップ24に変更されている。
以下において、異なる部分を説明する。
次に、光学系20の調整が行なわれる(ステップ22)。ステップ22は、図6のステップ2と同じである。
ステップ23において、制御部40により肯定(Yes)の判断がされた場合、つまり眼球10の向きが許可範囲71内にあると判断された場合には、計測条件が設定される(ステップ24)。
そして、制御部40は、発光部21を制御して計測光の照射を開始し、計測を開始(計測光照射開始及び計測開始)する(ステップ6)。以下は、図6に示したフローチャートと同じである。よって、説明を省略する。
これは、前述したように、検知部70が検知する眼球10の向きと光学系20との位置関係がずれた状態にある場合に相当する。よって、光学系20を再調整する。
なお、前述したように、被計測者の眼球10の周辺に光計測装置1の保持部50が保持された状態は、発光部21から出射された光が光路28にしたがって、眼球10の前眼房13を横切るように透過しうる状態に設定されるので、ステップ22とステップ23との繰り返しは少ないと考えられる。
眼房水に関する特性のみならず、光路28に存在する角膜14等に関する特性を求めるために本実施の形態で説明した構成を応用してもよい。この場合、角膜14を横切るように光を透過させて計測してもよい。
すなわち、眼球10を横切るとは、前眼房13のみならず角膜14を横切るように透過させることなどを含む。
また、制御部40と算出部60とが一体に構成されてもよく、制御部40と算出部60とのデータの送受は有線で行っても、無線で行ってもよい。
Claims (9)
- 被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、
前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、
前記眼球の向きを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが予め定められた範囲内にある場合に、前記光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げるように制御する制御手段と、
を備える眼球の光計測装置。 - 前記制御手段は、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが前記予め定められた範囲内にない場合に、前記光出射手段からの光の出射を禁止する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げることを禁止するように制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置。 - 被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、
前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、
前記眼球の向きを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが予め定められた範囲内から範囲外に変化した場合に、前記光出射手段からの光の出射を停止する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度より下げるように制御する制御手段と、
を備える眼球の光計測装置。 - 前記制御手段は、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが前記予め定められた範囲外から範囲内に変化した場合に、前記光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げるように制御することを特徴とする請求項3に記載の眼球の光計測装置。 - 前記制御手段は、
前記眼球の向きが前記予め定められた範囲内から範囲外に変化した場合、当該眼球の向きが当該予め定められた範囲内にあった際に計測途中であったとき、当該眼球の向きが当該予め定められた範囲外から範囲内に変化した場合に、当該計測途中から引き続いて計測を行うことを特徴とする請求項4に記載の眼球の光計測装置。 - 前記予め定められた範囲は、前記光出射手段から出射された前記光が前記眼球の網膜に直接到達せずに当該眼球を横切る範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置。
- 被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、
前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、
前記眼球の向きを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが、前記光出射手段から出射された前記光が当該眼球の網膜に直接到達せずに当該眼球を横切る向きである場合に、当該光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げるように制御する制御手段と、
を備える眼球の光計測装置。 - 被計測者の眼球を横切るように光を出射する光出射手段と、
前記眼球を透過した前記光を受光する受光手段と、
前記眼球の向きを検知する検知手段と、
前記検知手段により検知された前記眼球の向きが、前記光出射手段から出射された前記光が当該眼球の網膜に直接到達する向きである場合に、当該光出射手段から計測に用いる強度で光の出射を禁止、又は、当該光出射手段が出射する光を計測に用いる強度に上げることを禁止するように制御する制御手段と、
を備える眼球の光計測装置。 - 被計測者の眼球の向きを検出するステップと、
前記眼球の向きが予め定められた範囲内にある場合に、当該眼球を横切るように計測に用いる強度で光の出射を開始する、又は、当該眼球を横切る光を計測に用いる強度に上げるステップと、
前記眼球を透過した前記光を受光するステップと、
を含む眼球の光計測方法。
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