JP5950007B1 - 光計測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
但し、A:測定された尿の旋光角[deg]
Ah:妨害旋光性物質によって発現する旋光角の最大値[deg]
Al:妨害旋光性物質によって発現する旋光角の最小値[deg]
α:旋光性物質の比旋光度[deg/cm・dl/kg]
L:測定光路長[cm]
の範囲であると判定する尿検査方法が記載されている。
この場合、前眼房を横切る光路を確保するために、眼球の角膜と空気との屈折率差によって決まる屈折方向を考慮して、角膜の頂部の位置よりも後ろ側の目頭側と目尻側とに出射手段および受光手段を配置する必要がある。
ここで、眼球周辺の形状は被計測者ごとに異なるため、被計測者によっては、眼球の目頭側に配置する出射手段または受光手段を、被計測者の顔の奥側に押し込んで配置しなければ、前眼房を横切る光路を確保できない場合がある。
請求項2に記載の発明は、前記位置決め手段は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方を、前記目頭周辺の皮膚のうち、前記眼球の上下方向における内眼角の位置と異なる位置に位置決めすることを特徴とする請求項1記載の光計測装置である。
請求項3に記載の発明は、前記位置決め手段は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方を、前記目頭周辺の皮膚のうち、前記眼球の上下方向における内眼角の位置と実質的に同じ位置に位置決めすることを特徴とする請求項1記載の光計測装置である。
請求項4に記載の発明は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方は、前記目頭周辺の皮膚を前記眼窩内に押し込む押込部を備えることを特徴とする請求項1記載の光計測装置である。
請求項5に記載の発明は、前記押込部は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方における当該押込部を保持する保持部よりも柔らかいことを特徴とする請求項4記載の光計測装置である。
請求項6に記載の発明は、前記押込部は、前記目頭周辺の皮膚と接触する部分が湾曲面により形成されることを特徴とする請求項4または5記載の光計測装置である。
請求項7に記載の発明は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方が、他方よりも前記眼窩の奥側に向けて突出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の光計測装置である。
請求項2の発明によれば、眼球の上下方向における内眼角の位置と同じ位置に位置決めする場合と比較し、目頭周辺の皮膚において位置決めできる領域が広くなる。
請求項3の発明によれば、眼球の上下方向における内眼角の位置と実質的に同じ位置に位置決めしない場合と比較し、目頭周辺の皮膚を押し込む量が低減できる。
請求項4の発明によれば、目頭周辺の皮膚の押し込みと、出射手段または受光手段の位置決めとを同時にできる。
請求項5の発明によれば、押込部と押込部を保持する保持部とが同じ硬さである場合と比較し、被計測者の装着感が向上する。
請求項6の発明によれば、目頭周辺の皮膚と接触する部分が矩形状の場合と比較し、被計測者の装着感が向上する。
請求項7の発明によれば、眼球が内転した状態で計測できるようになる。
(光計測装置1)
図1は、本実施の形態が適用される光計測装置1の構成の一例を示す図である。光計測装置1は、被計測者が自らの手で光計測装置1を手で保持して、自ら眼球10(眼球10周辺)に装着(適用)することで計測を行える形状をしている。なお、図1に示す眼球10は左目である。
この光計測装置1は、被計測者の眼球10の前眼房13における眼房水の特性の計測に用いる光学系20、被計測者の視線を誘導する表示を行う表示部30、光学系20と表示部30とを制御する制御部40、光学系20と表示部30と制御部40とを保持する保持部50、光学系20を用いて計測されたデータに基づいて眼房水の特性を算出する算出部60、被計測者の瞼に接触し瞼を抑える瞼抑え部70、および被計測者の瞼の目頭側を押し込む目頭押込部80を備える。
また、本実施の形態が適用される光計測装置1が測定する眼房水の特性とは、眼房水に含まれる光学活性物質による直線偏光の偏光面の回転角(旋光度αM)、円偏光に対する吸色度(円二色性)などをいう。なお、直線偏光の偏光面とは、直線偏光において電界が振動する面をいう。
発光部25は、発光ダイオード(LED)やランプのような波長幅が広い光源であってもよく、レーザのような波長幅が狭い光源であってもよい。なお、発光部25の波長幅は狭い方が好ましい。また、発光部25は、2以上の波長の光を出射するものであってもよい。
偏光子27は、例えば、ニコルプリズムなどであって、入射した光から、予め定められた偏光面の直線偏光を通過させる。
出射手段の一例である第1ミラー29は、光路28を折り曲げるものであって、反射の前後において直線偏光をそのまま維持するものが好ましい。なお、光路28を折り曲げる必要がない場合は、第1ミラー29を備えなくともよい。
受光手段の一例である第2ミラー31は、第1ミラー29と同様に構成され、光路28を折り曲げるものであって、反射の前後において直線偏光をそのまま維持するものが好ましい。なお、光路28を折り曲げる必要がない場合は、第2ミラー31を備えなくともよい。
補償子32は、例えばガーネット等を用いたファラデー素子などの磁気光学素子であって、磁場によって直線偏光の偏光面を回転させる。
検光子33は、偏光子27と同様の部材であって、予め定められた偏光面の直線偏光を通過させる。
受光部35は、シリコンダイオードなどの受光素子であって、光の強度に対応した出力信号を出力する。
保持部50は、光学系20および制御部40を保持する略円筒状の筺体であり、被計測者が保持部50を自分の手で保持して、自分の眼球10に装着できる形状をしている。なお、図1に示す保持部50は、円筒を軸方向と平行な面で切断した形状として示しているが、これは、光学系20を見やすくするためである。また、保持部50の形状は、他の形状であってもよく、例えば、断面が四辺形や楕円の筒状であってもよい。また、筒状の筐体において、装着する側と反対側の底面は開放されていてもよいし、他の部材でふさがれていてもよい。
算出部60は、制御部40から計測データを受信し、眼房水の特性を算出する。
押込部の一例である目頭押込部80は、保持部50に設けられるとともに、瞼を奥側に向けて押しこむ。この目頭押込部80の構成については、後述する。
次に、光計測装置1を用いて、前眼房13における眼房水を計測し、眼房水のグルコース濃度の算出する例を説明する。
糖尿病患者は、血液内のグルコース濃度により、投与するインスリンの量が制御される。よって、糖尿病患者には、血液内のグルコース濃度を常に把握することが求められる。そして、血液中のグルコース濃度の計測としては、指先などを注射針で穿刺し、微量な血液を採取する方法がある。しかし、この方法においては、微量の血液であっても採血時には痛みを感じ、精神的な負担を伴う。そこで、穿刺などの侵襲式検査法に代わる、非侵襲式検査法の要求が高まっている。
そこで、本実施の形態が適用される光計測装置1においては、この眼房水を利用しながら、旋光性を備えるグルコースなどの濃度を光学的に計測する。
さて、眼房水に含まれるグルコースなどの光学活性物質の濃度などを光学的に計測する手法において、設定することのできる光路としては、以下の2つがある。
1つは、図1に示す構成とは異なり、眼球10に対して垂直に近い角度、すなわち前後方向に沿って光を入射させ、角膜14(図6参照)と眼房水との界面又は眼房水と水晶体12との界面で光を反射させ、反射した光を受光(検出)する光路である。もう1つは、図1に示す構成のように、前後方向と交差する角度、具体的には眼球10に対して平行に近い角度で光を入射させ、前眼房13における眼房水を通過した光を受光(検出)する光路である。
これに対し、後者のように、眼球10に対して平行に近い角度で光を入射させる光路28では、角膜14を通して前眼房13を横切るように光を通過させ、眼房水を通過した光を受光(検出)する。このため、光が網膜16に達することが抑制される。
図2は、光計測装置1によって、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質による偏光面の回転角(旋光度)を計測する方法を説明する図である。ここでは、説明を容易にするため、光路28を折り曲げていない(直線である)構成として、第1ミラー29および第2ミラー31の記載を省略している。
また、図2に示す発光部25、偏光子27、前眼房13、補償子32、検光子33、および受光部35のそれぞれの間において、光の進行方向から見た偏光の様子を円内の矢印で示している。
偏光子27を通過した直線偏光は、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質により、偏光面が回転する。図2では、偏光面は角度αM(旋光度αM)回転する。
そして、検光子33を通過した直線偏光を受光部35により受光し、光の強度に対応した出力信号に変換する。
まず、発光部25を出射した光が前眼房13を通過させない状態において、発光部25、偏光子27、補償子32、検光子33、および受光部35を含む光学系20を用いながら、受光部35による出力信号が最小になるよう、補償子32および検光子33を設定する。図2に示す例において、光が前眼房13を通過させない状態では、偏光子27を通過した直線偏光の偏光面が、検光子33を通過する偏光面と直交している。
この補償子32によって回転させた偏光面の角度が、眼房水に含まれる光学活性物質によって発生した旋光度αMに対応する。ここで、補償子32に印加した磁場の大きさと回転した偏光面の角度との関係は、事前に知られている。したがって、補償子32に印加した磁場の大きさから、旋光度αMが分かる。
なお、算出部60により算出された光学活性物質の濃度は、光計測装置1が備える表示部30に表示してもよいし、光計測装置1が備える出力手段(不図示)を介してPC(Personal Computer)などの他の端末装置(不図示)に出力してもよい。
図3(a)および(b)は、瞼抑え部70および目頭押込部80の概略の構成を説明する図である。より具体的には、図3(a)は光計測装置1を後側からみた斜視図であり、図3(b)は瞼抑え部70および目頭押込部80と、被計測者の瞼との位置関係を説明する図である。
まず、光計測装置1によって眼房水を通過した光を検出して、グルコースなどの濃度を測定する際には、例えば、光が意図しない方向に屈折することや、被計測者の瞼などによって遮られることがない、適切な光路28を確保することが必要である。ここで、被計測者の瞼によって光路28が遮られないようにする構成として、正面から見た場合に眼球10の白目(強膜)部分と重なる領域PaおよびPbに発光系21および受光系23を配置する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、発光系21や受光系23が眼球10の奥側(後側)に位置ずれした場合に、発光系21や受光系23が白目部分に接触する可能性がある。
具体的には、眼球10を正面から見た場合に、発光系21または受光系23が、図3(b)に示す目頭周辺の皮膚24Aまたは目尻周辺の皮膚24Eと重なる位置に位置決めされるように保持部50が発光系21および受光系23を保持している。
また、図3(a)に示すように本実施の形態における光計測装置1は、被計測者の瞼を抑える瞼抑え部70と、被計測者の目頭周辺の皮膚24Aを押しこむ目頭押込部80とを備える。
これらの瞼抑え部70および目頭押込部80は、保持部50の後側の端部に設けられる。ここで、目頭押込部80は、瞼抑え部70よりも後側に突出する。さらに説明をすると、図示の例においては、光計測装置1において最も後側に突出する位置に、目頭押込部80が配置されている。
以下、瞼抑え部70および目頭押込部80各々の具体的な構成を順に説明する。
まず、瞼抑え部70について説明をする。
図3(a)に示すように、瞼抑え部70は、上眼瞼抑え部71と、下眼瞼抑え部72とを備える。これらの上眼瞼抑え部71および下眼瞼抑え部72は、それぞれ発光系21および受光系23よりも上側と下側とにそれぞれ配置されている。言い替えると、光路28を挟んで、上側瞼抑え部71と下側瞼抑え部72とが対峙して設けられる。
この瞼抑え部70は、被計測者の装着感を向上させるべく、例えば、ケイ素樹脂(シリコーン)など、所謂弾性部材により形成される。
付言すると、上側瞼抑え部71および下側瞼抑え部72と、発光系21および受光系23とを別体として、鼻や睫毛などが存在する眼球10周辺の限られた空間にそれぞれ個別に配置しようとすると互いの部材間での干渉が発生しやすくなる。そこで、図示の例のように、保持部50によって一体として支持されることにより、限られた空間における各部材の配置が容易となる。
まず、図4(a)に示すように、上眼瞼抑え部71は断面が円形(図4(d)参照)の棒状部材(略円柱状の部材)である。また、上眼瞼抑え部71の瞼に接触する外周面は滑らかに連続した曲面により形成されており、この外周面には角部が形成されていない。
次に、目頭押込部80について説明をする。
まず、図3(a)に示すように、目頭押込部80は、保持部50によって支持される。より具体的には、目頭押込部80は、発光系保持部50D(後述)によって保持された発光系21(第1ミラー29)に固定されている。ここで、目頭押込部80および発光系保持部50Dは、瞼抑え部70とともに、発光系21および受光系23を眼球10に対して位置決めするための位置決め手段の一例である。付言すると、目頭押込部80、発光系保持部50Dおよび瞼抑え部70は、光計測装置1が眼球10に向けて押し当てられた場合に、発光系21(または受光系23)が眼球10に対して所望の配置となるような位置関係で保持部50によって支持されている。なお、この目頭押込部80は、被計測者の装着感を向上させるべく、例えば、ケイ素樹脂(シリコーン)など、所謂弾性部材により形成される。言い替えると、目頭押込部80は、第1ミラー29あるいは発光系保持部(保持部)50Dよりも柔らかい部材により形成される。
また、発光系保持部50Dは、上眼瞼抑え部71および下眼瞼抑え部72よりも後側に突出する後側の端部(突出部)50Eを有し、この後側の端部50Eに第1ミラー29が保持される。
ここで、目頭押込部80は、発光系21における最も後側に位置する光学部材である第1ミラー29と、一体となるように設けられている。
図3(b)に示すように、目頭押込部80は、上下方向において上眼瞼抑え部71および下眼瞼抑え部72の間であって、上眼瞼18および下眼瞼19の目頭側と対峙する位置に設けられている。ここで、上眼瞼18および下眼瞼19の目頭側とは、上眼瞼18および下眼瞼19のうち、瞳孔15よりも内側(鼻側)の部分をいう。また、他の観点からみると、目頭押込部80は、目頭周辺の皮膚24Aの領域に位置決めされる。ここで、「目頭周辺の皮膚」とは、瞳孔15よりも内側(鼻側)で、後述する眼窩17に向けて押し込める範囲にある皮膚であって、押し込んだ場合に眼球10の前側頂部の位置よりも奥側(後側)に押し込める範囲の皮膚をいう。また、「目尻周辺の皮膚」とは、瞳孔15よりも外側(耳側)に位置する皮膚であって、眼窩17に向けて押し込める範囲にある皮膚と押し込めない範囲にある皮膚の両方を含む。
また、詳細は後述するが、目頭押込部80が、目頭周辺の皮膚24Aに押し当てられることにより、目頭周辺の皮膚24Aが、眼窩17の奥側(後側)に押し込まれる。
図5(a)および(b)に示すように、目頭押込部80は略半球状の部材である。言い替えると、目頭押込部80は後側に突出する凸部80Aを備える。また、目頭押込部80は第1ミラー29(図3(a)参照)に接触する側(前側)に、第1ミラー29の外形に沿う凹部80Bを備える。
なお、凸部80Aは、瞼に接触する部分である。図示の例における凸部80Aは、滑らかに連続した曲面(湾曲面)により形成されており、角部を有しない。
図6は、瞼抑え部70および目頭押込部80の作用を説明する図である。なお、図6においては、眼球10の上下方向の中心位置での断面を被計測者の頭側(上側)から見た状態を示している。
なお、ここでは説明の都合上、眼球10および眼球周辺の構造について説明し、眼球10と光路28との位置関係を説明した後で、瞼抑え部70および目頭押込部80の具体的な作用について説明をする。
まず、眼球10および眼球10周辺の構造について説明をする。
図6に示すように、眼球10は、外形がほぼ球形であって、中央にガラス体11がある。そして、レンズの役割をする水晶体12が、ガラス体11の一部に埋め込まれている。水晶体12の前側には、前眼房13があり、さらにその前側に角膜14がある。水晶体12の周辺部は虹彩に囲まれ、その中心が瞳孔15である。水晶体12に接する部分を除いて、ガラス体11は、網膜16で覆われている。
この眼球10は、頭蓋骨のくぼみ(凹部)である眼窩17内に収容されている。また、眼球10は、瞼(上眼瞼18および下眼瞼19)によって覆われる。
また、図6に示すとおり、一般的な被計測者においては、目頭周辺の皮膚24Aのほうが目尻周辺の皮膚24Eよりも前後方向の前側に位置している。よって、眼球10が正面を向いた状態(正視状態)で、第1ミラー29(発光系21)および第2ミラー31(受光系23)を位置決めする場合、被計測者によっては、目頭側の皮膚24Aのほうを押し込む必要がある場合がある。
次に、眼球10と光学系20の光路28との位置関係を説明する。
図6に示すように、発光系21から出射された光は、内外方向における外側に向かう向きで、かつ前後方向における前側に向かう向きで、前眼房13に入射する。また、前眼房13を通過した光は、内外方向における外側に向かう向きで、かつ前後方向における後側に向かう向きで、受光系23に入射する。
すなわち、発光系21が前眼房13に向けて出射する光が、前後方向における前側に向けて斜めに進むように、発光系21(第1ミラー29)は配置されている。さらに言い替えると、第1ミラー29は、眼球10の露出部(前眼房13)の前側頂部よりも、後側(奥側)に配置されている。
また、前眼房13から前後方向における後側に向けて斜めに進む光を受けるように、受光系23(第2ミラー31)は配置されている。さらに言い替えると、第2ミラー31は、眼球10の露出部(前眼房13)の前側頂部よりも、後側に配置されている。
次に、瞼抑え部70および目頭押込部80の作用について具体的に説明をする。
まず、目頭押込部80を被計測者の瞼(上眼瞼18および下眼瞼19)に押し当てることにより、目頭周辺の皮膚24Aが奥側(後側)へと押し込まれる。さらに説明をすると、目頭押込部80は、眼窩17の内周面17Aと、眼球10との間に向けて目頭周辺の皮膚24Aを押し込む。
眼球10を内転させた状態で計測する実施形態について、図7(a)および(b)を参照しながら説明する。ここで、図7(a)は正視状態で測定した場合の光計測装置1の配置を説明する図であり、図6の顔の形状よりも目尻周辺の皮膚24Eの位置が前後方向の前側に出ている点で図6とは異なる。図7(b)は眼球10を内転させた状態で計測する場合の光計測装置1の配置を説明する図である。なお、作図の都合上、図7で示す寸法は、図6で示す寸法とは異なっている。
なお、眼球10を正面から見た場合において、眼球10(瞳孔15)が内外方向を基準に上下方向±45°の範囲内で目頭側(鼻側)に回転することを「内転」といい、眼球10(瞳孔15)が内外方向を基準に上下方向±45°の範囲内で目尻側(耳側)に回転することを「外転」という。ここで、眼球10が、軸10Aを中心として、内側(鼻側)に回転することが「内転」の一例であり、軸10Aを中心として外側(耳側)に回転することが「外転」の一例である。
また、一般的な被計測者は、目頭側よりも目尻側の睫毛の量の方が多い。よって、図6に示した形状のように目尻周辺の皮膚24Eが目頭周辺の皮膚24Aよりも前後方向における後側に位置している場合であっても、目尻側の睫毛が障害となり、正視した状態では、前眼房13の眼房水を通過する光路28を確保しづらい場合がある。
また、ここでは計測の際に表示部30に目印39を表示するとしたが、常時目印39を表示していてもよい。この場合、表示部30は、電子的に画像を表示するディスプレイでなくともよく、目印39として機能し得る部材や形状が設けられてもよい。
図8(a)および(b)は、他の実施形態における光計測装置101,301の構成を説明する図である。より具体的には、図8(a)は他の実施形態1における光計測装置101の構成を説明する図であり、図8(b)は他の実施形態2における光計測装置301の構成を説明する図である。
上述の図1などに示す光計測装置1においては、瞼抑え部70の位置が固定されている構成を説明したが、これに限定されない。例えば、図8(a)に示す光計測装置101のように、瞼抑え部700(上眼瞼抑え部710および下眼瞼抑え部720)が移動するように構成してもよい。
まず、被計測者の瞼に光計測装置101が装着され、上眼瞼抑え部710および下眼瞼抑え部720が上眼瞼18および下眼瞼19(図3(b)参照)に接触する。この状態において、例えば被計測者が操作ボタン740を操作することにより、モータM1が駆動する。このモータM1の駆動に伴い、上眼瞼抑え部710および下眼瞼抑え部720が互いに離間する向きに移動する(矢印B1,B2参照)。このことにより、上眼瞼18および下眼瞼19が開かれる。このように、光計測装置101においては、モータM1を駆動させることで、より確実に瞼を開かせ得る。
また、図8(b)に示すように、瞼抑え部900(上眼瞼抑え部910および下眼瞼抑え部920)が、光計測装置301を被計測者に対して押しつける力により移動する構成であってもよい。
なお、図8(b)において図示は省略するが、光計測装置301は、上眼瞼抑え部910を移動させる機構と同様に、下眼瞼抑え部920を移動させる機構を備える。
まず、被計測者の瞼に光計測装置301が装着され、上眼瞼抑え部910および下眼瞼抑え部920が上眼瞼18および下眼瞼19(図3(b)参照)に接触する。
そして、例えば被計測者が、上眼瞼18および下眼瞼19に対して光計測装置301をさらに押しつける力を加えることにより、スプリング930による付勢力に対向しながら、被案内部911が案内溝510B内を移動する。このことにより、連結部材913に接続された上眼瞼抑え部910および下眼瞼抑え部920が、互いに離間する向きに移動する(矢印D1,D2参照)。その結果、上眼瞼18および下眼瞼19が開かれる。
このように、光計測装置301においては、駆動源からの駆動力を受けずに、被計測者が光計測装置301を上眼瞼18および下眼瞼19に押しつける力を利用して、確実に瞼を開かせ得る。
図9は、他の実施形態における光計測装置501の構成を説明する図である。
上述の図1などに示す光計測装置1においては、目頭押込部80の位置が固定されている構成を説明したが、これに限定されない。例えば、図9に示す光計測装置501のように、目頭押込部80が移動するように構成してもよい。
また、可動押込部180は、図1などに示す光計測装置1と同様に被計測者の目頭周辺の皮膚24Aを押し込む目頭押込部181と、目頭押込部181が設けられ前後方向に移動する移動部183と、移動部183をスライド可能に支持するスライド支持部185とを備える。なお、この例における移動部183は、モータ(不図示)からの駆動を受けて前後方向に移動する。また、スライド支持部185は、基部179に対して固定される。
また、この例における光学系200は、可動押込部180の移動部183に対して固定される。そして、この光学系200は、移動部183とともに前後方向に移動する。
まず、光計測装置501は、作業台190などに固定して設けられる。そして、光計測装置501の上眼瞼抑え部171および下眼瞼抑え部172に被計測者の瞼が接触する位置で、被計測者が光計測装置501に対して顔を押し当てる。この状態において、例えば操作ボタン(不図示)を操作することにより、モータ(不図示)が駆動する。
また、ここでは、移動部183がモータ(不図示)からの駆動力を受けて移動することを説明したがこれに限定されない。例えば、光計測装置501を操作する計測者などが、手動により移動部183を移動させる構成であってもよい。
さて、上記の説明においては、目頭押込部80が目頭周辺の皮膚24Aを押し込む(押圧する)ことを説明したが、これに限定されない。例えば目尻側の皮膚24Eだけを押し込む態様、あるいは目頭周辺の皮膚24Aおよび目尻側の皮膚24Eの両方を押し込む態様でもよい。なお、目尻周辺の皮膚24Eを眼窩17に押し込む場合は、目頭押込部80同様の部材を受光系23の先端に設ければよい。
また、上側瞼抑え部71および下側瞼抑え部72のいずれか一方を、図9で説明したような移動する構成にし、他方を固定とする構成であってもよい。例えば、上側瞼抑え部71を可動とし、下側瞼抑え部72を固定とする構成であってもよい。
なお、眼球10の周辺の皮膚とは、目頭押込部80および瞼抑え部70が接触することにより、上眼瞼18および下眼瞼19の少なくともいずれか一方の移動(開閉)が制限される範囲の領域をいう。
なお、目頭押込部80および瞼抑え部70は、摩擦力が高く、かつ安全性の高い材料により形成されることが好ましい。
また、光路28は、図示の構成に限定されるものではなく、発光部25から出射された光が前眼房13を横切るように通過し、受光部35で受光されるように設定されていればよい。また、光が前眼房13を横切るように通過するとは、眼球10を正面から見た場合において、上下方向よりも内外方向に近い角度(つまり、内外方向の水平軸に対して±45°未満の範囲)で通過することをいい、前後方向に斜めに通過する場合も含む。
また、眼房水に関する特性のみならず、光路28に存在する角膜等に関する特性を求めるために本実施の形態で説明した構成を応用してもよい。すなわち、眼球10の外部から光を入射させ、角膜14および前眼房13内の眼房水に光を通過させ、通過させた光を受光する装置であれば、本実施の形態で説明した構成が適用できる。
また、本実施の説明では、左目の眼球10で説明したが、光計測装置1を右目の眼球(不図示)に適用してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (7)
- 被計測者の眼球の前眼房を横切るように光を出射する出射手段と、
前記出射手段から出射され前記前眼房を横切った光を受光する受光手段と、
前記眼球の目頭周辺の皮膚を当該眼球が収容された眼窩内に押し込んだ位置に、前記出射手段および前記受光手段のいずれか一方を位置決めする位置決め手段と
を備える、光計測装置。 - 前記位置決め手段は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方を、前記目頭周辺の皮膚のうち、前記眼球の上下方向における内眼角の位置と異なる位置に位置決めすることを特徴とする請求項1記載の光計測装置。
- 前記位置決め手段は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方を、前記目頭周辺の皮膚のうち、前記眼球の上下方向における内眼角の位置と実質的に同じ位置に位置決めすることを特徴とする請求項1記載の光計測装置。
- 前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方は、前記目頭周辺の皮膚を前記眼窩内に押し込む押込部を備えることを特徴とする請求項1記載の光計測装置。
- 前記押込部は、前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方における当該押込部を保持する保持部よりも柔らかいことを特徴とする請求項4記載の光計測装置。
- 前記押込部は、前記目頭周辺の皮膚と接触する部分が湾曲面により形成されることを特徴とする請求項4または5記載の光計測装置。
- 前記出射手段および前記受光手段のうちの前記一方が、他方よりも前記眼窩の奥側に向けて突出することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の光計測装置。
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