JP2018089202A - 眼球の光計測装置及び眼球の光計測方法 - Google Patents

眼球の光計測装置及び眼球の光計測方法 Download PDF

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純一朗 早川
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Abstract

【課題】眼球観察部を備えない場合に比べて、観察した光路に基づいて眼球への光の照射位置が制御できる眼球の光計測装置などを提供する。
【解決手段】眼球の光計測装置1は、被計測者の眼球10の前眼房13に向けて光を照射する光照射部20Aと、前眼房13を透過した光を受光する受光部20Bと、光照射部20Aから光が照射されている状態で、眼球10に対する光路を観察する眼球観察部40と、眼球観察部40による眼球10の観察結果に基づいて、眼球10への光の照射位置を変更するように、光照射部20Aを制御する制御部60とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼球の光計測装置及び眼球の光計測方法に関する。
特許文献1には、レーザー光を投光する手段と、投光部と同軸上に配置された受光部と、この光軸と所定の距離離れて光軸に平行に配置された鏡とからなり、この鏡がそのほぼ中央に立てた垂線が投光部と受光部を結ぶ直線とそのほぼ中央で交わる向きに配置される事を特徴とする、眼球の所定の部分に光を通す為に使用される眼球測定位置決め用具が記載されている。
特開2002−570号公報
ところで、被計測者の眼球の前眼房に光を照射し、前眼房を透過した光を受光することで前眼房内の眼房水に関する光計測を行う場合、眼球の前眼房の近傍に光照射手段及び受光手段を位置決めする必要がある。
しかしながら、光照射手段と被計測者の眼球との相対的な位置関係が被計測者の呼吸や脈動など生体に起因する振動(生体振動)や角膜形状などの経時変動によってずれると、光計測が困難になる。
そこで、本発明では、眼球観察部を備えない場合に比べて、観察した光路に基づいて眼球への光の照射位置が制御できる眼球の光計測装置などを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、被計測者の眼球の前眼房に向けて光を照射する光照射部と、前記前眼房を透過した光を受光する受光部と、前記光照射部から光が照射されている状態で、前記眼球に対する光路を観察する眼球観察部と、前記眼球観察部による前記眼球の観察結果に基づいて、当該眼球への光の照射位置を変更するように、前記光照射部を制御する制御部とを備える眼球の光計測装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、前記眼球観察部による前記眼球の観察結果により、当該眼球に対する光路が当該眼球の前眼房を透過する光路でない場合に、当該眼球の前眼房を透過する光路となるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置である。
請求項3に記載の発明は、前記眼球観察部は、前記眼球と光路との位置関係を表す画像データを出力し、前記制御部は、前記画像データに基づき、前記眼球と前記光の光路とが予め定めた位置関係となるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置である。
請求項4に記載の発明は、前記眼球観察部が出力する前記画像データは、前記眼球の正面位置から左方向又は右方向にずれた位置から見た画像データであることを特徴とする請求項3に記載の眼球の光計測装置である。
請求項5に記載の発明は、前記前眼房を透過した光を前記眼球観察部へ向かう光路と前記受光部に向かう光路とに切り替える光路切替部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御部は、光路が前記眼球の前後方向と上下方向とのいずれか一方又は両方に移動するように、前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置である。
請求項7に記載の発明は、前記光照射部は、前記光を通過させるテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系に対して予め定められた角度で設定され、反射した光を前記眼球の前眼房に向けて照射するミラーとを備えることを特徴とする請求項6に記載の眼球の光計測装置である。
請求項8に記載の発明は、前記眼球の視線を誘導する視線誘導部を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置である。
請求項9に記載の発明は、被計測者の眼球に光が照射されている状態で、当該眼球に対する光路を観察し、当該眼球と光路との位置関係を表す第1の画像データを取得するステップと、前記眼球の前眼房に対して光計測を行うステップと、前記眼球に対する光路を観察し、当該眼球と光路との位置関係を表す第2の画像データを取得するステップと、前記第1の画像データと前記第2の画像データとの一致度が、予め定められた許容値以内である場合に、前記光計測で得られた信号を処理するステップとを含む眼球の光計測方法である。
請求項1の発明によれば、眼球観察部を備えない場合に比べて、観察した光路に基づいて眼球への光の照射位置が制御できる。
請求項2の発明によれば、眼球観察部の観察結果に基づいて光照射部を制御しない場合に比べて、光路が目的とする位置に設定されやすい。
請求項3の発明によれば、眼球観察部が出力する画像データに基づいて光照射部を制御しない場合に比べて、光路が目的とする位置に設定されやすい。
請求項4の発明によれば、眼球の正面位置から左方向又は右方向にずれた位置から見た画像データでない場合に比べ、眼球と光路との位置関係がより正確に認識できる。
請求項5の発明によれば、光路切替部を備えない場合に比べ、受光部に入射する光量が増加する。
請求項6の発明によれば、光路を眼球の前後方向と上下方向とのいずれか一方又は両方に移動させない場合に比べ、光路の設定が容易になる。
請求項7の発明によれば、テレセントリック光学系を備えない場合に比べ、偏光状態の変化が抑制される。
請求項8の発明によれば、視線誘導部を備えない場合に比べ、光路の設定がより容易になる。
請求項9の発明によれば、第1の画像データと第2の画像データとを比較しない場合に比べ、光計測時の光路の位置に対する信頼性が高まる。
第1の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 眼球観察部が出力した、前眼房を透過する光路の状態にある眼球の正面位置(前側)からの画像データを模式的に示した図である。 眼球の光計測方法の一例を説明するフローチャートである。 第2の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 眼球観察部が取得した画像データを示す図である。(a)は、眼球の前眼房より前側にずれた光路の場合、(b)は、前眼房を透過する光路の場合、(c)は、眼球の前眼房より後側にずれた光路の場合である。 第3の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 第4の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 第5の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 光計測装置によって、前眼房における眼房水に含まれる光学活性物質による偏光面の回転角(旋光度)を計測する方法を説明する図である。 第6の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 第7の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。 第8の実施の形態が適用される眼球の光計測装置の構成の一例を示す図である。(a)は、眼球を上側から見た図(上下方向における断面図)、(b)は、眼球を正面から見た図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、添付図面では、眼球と光路との関係を明らかにするため、眼球を他の部材(後述する光学系など)より大きく記載したり、眼球を他の部材(光学系など)より小さく記載したりしている。
(眼房水のグルコース濃度を測定する背景)
まず、眼房水のグルコース濃度を測定する背景について説明する。
インスリン治療を必要とする1型糖尿病患者、2型糖尿病患者(被計測者)には、自己血糖測定が推奨されている。自己血糖測定では、血糖コントロールを精緻に行うために、家庭などにおいて被計測者自身で自己の血糖値を測定する。
現在流通している自己血糖測定器は、指先などを注射針で穿刺し、微量の血液を採取して、血液中のグルコース濃度を測定する。自己血糖測定は、毎食後や就寝前等での測定が推奨されることが多く、一日に1回から数回行うことが求められる。特に、強化インスリン治療では、さらに多数回の測定が必要とされている。
このため、穿刺式の自己血糖測定器を用いた侵襲式の血糖値測定法は、血液を採取する時(採血時)の痛みによる苦痛から、被計測者の自己血糖測定に対するインセンティブ低下を招きやすい。このため、効率的な糖尿病治療が困難となる場合がある。
そこで、穿刺などの侵襲式の血糖値測定法に代わる、穿刺を必要としない非侵襲式の血糖値測定法の開発が進められている。
非侵襲式の血糖値測定法として、近赤外分光法、光音響分光法、旋光性を利用する方法などが検討されている。なお、これらの方法では、グルコース濃度から血糖値を推測する。
近赤外分光法や光音響分光法は、指の血管内の血液における光吸収スペクトルや音響振動を検出する。しかし、血液中には赤血球、白血球などの細胞物質が存在する。このため、光散乱の影響を大きく受ける。さらに、血管内の血液の他に周囲の組織の影響も受ける。よって、これらの方法は、タンパク質、アミノ酸等、莫大な数の物質が関与する信号からグルコース濃度に関する信号を検出することを必要とし、信号の分離が難しい。
一方、前眼房における眼房水は、血清とほぼ同じ成分であって、タンパク質、グルコース、アスコルビン酸等を含んでいる。しかし、眼房水は、血液と異なり、赤血球、白血球などの細胞物質を含まず、光散乱の影響が小さい。よって、眼房水は、グルコース濃度の光学的な測定に適している。
よって、この眼房水から、グルコースを含む光学活性物質の濃度を光学的に計測しうる。
なお、眼房水は、グルコースを輸送するための組織液であることから、眼房水のグルコース濃度は、血液中のグルコース濃度と相関すると考えられている。そして、ウサギを用いた測定において、血液から眼房水へのグルコースの輸送にかかる時間(輸送遅延時間)は、10分以内であると報告されている。
以上説明したように、眼房水のグルコース濃度を計測すると、血液中のグルコース濃度が求められる。
さて、眼房水に含まれるグルコースなどの光学活性物質の濃度を光学的に計測する手法において、設定されうる光路は以下の2つである。
1つは、眼球に対して垂直に近い角度、すなわち前後方向に沿って光を入射させ、角膜と眼房水との界面又は眼房水と水晶体との界面で光を反射させ、反射した光を受光する光路である。もう1つは、眼球に対して平行に近い角度で光を入射させ、前眼房を横切るように透過(通過)した光を受光する光路である。
前者のように、眼球に対して垂直に近い角度で光を入射させる光路は、網膜に光が達するおそれがある。特に、光源に、コヒーレント性が高いレーザを用いる場合、網膜に光が達するおそれがある。
これに対し、後者のように、眼球に対して平行に近い角度で光を入射させ、前眼房を横切るように透過させる光路では、光が網膜に達することが抑制される。
そして、光学活性物質の濃度や旋光性は、光路長に依存し、光路長が長いほど旋光度が大きい。よって、前眼房を横切るように光を透過させることで、光路長が長く設定されてよい。
以上のことから、ここでは、前眼房を横切るように光を透過させる光路を採用している。
グルコースを含む光学活性物質の濃度は、前眼房を透過した透過光の光強度から計測しうる。
また、眼房水に含まれるタンパク質、グルコース、アスコルビン酸等は光学活性物質であって、旋光性を有している。よって、旋光性を利用してグルコースを含む光学活性物質の濃度を光学的に計測しうる。
ここでは、眼球の前眼房における眼房水に含まれる光学活性物質の濃度を光学的に計測することを眼球の光計測又は光計測と表記する。
[第1の実施の形態]
<光計測装置1>
図1は、第1の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図1(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図1(b)は、眼球10を正面から見た図である。なお、図1に示す眼球10は左目であるとする。図1(a)、(b)には、顔の内側(鼻側)と外側(耳側)とを示す内外方向、顔の前側と後側と示す前後方向、顔の上側と下側とを示す上下方向を矢印などで示している。
この眼球の光計測装置1(以下では、光計測装置1と表記することがある。)は、光学系20、信号処理部30、眼球観察部40、視線誘導部50及び制御部60を備える。
光学系20は、被計測者(被験者)の眼球(被検眼)10における前眼房13(後述)に向けて光を照射するとともに、前眼房13を横切った光を受光する。信号処理部30は、光学系20から得られる信号を処理する。眼球観察部40は、眼球10に対する光路を観察し、眼球10と光路との位置関係を表す画像データを取得する。視線誘導部50は、被計測者(眼球10から)の視線を予め定められた方向に誘導する。制御部60は、光学系20、信号処理部30、眼球観察部40及び視線誘導部50を制御する。
なお、光計測装置1は、視線誘導部50を備えていなくてもよい。
第1の実施の形態が適用される光計測装置1は、眼房水を透過した透過光の光強度から、眼房水に含まれる光学活性物質の濃度を計測する。
まず、眼球10の構造について説明をする。
図1(a)に示すように、眼球10は、外形がほぼ球形であって、中央にガラス体11がある。なお、図1(a)では、眼球10の後側半分の記載を省略している。そして、レンズの役割をする水晶体12が、ガラス体11の一部に埋め込まれている。水晶体12の前側には、前眼房13があり、さらにその前側に角膜14がある。前眼房13及び角膜14は、球形から凸状に飛び出している。
水晶体12の周辺部は虹彩17に囲まれ、その中心が瞳孔15である。水晶体12に接する部分を除いて、ガラス体11は、網膜16で覆われている。そして、網膜16は、強膜18で覆われている。すなわち、眼球10は、外側が角膜14及び強膜18で覆われている。
前眼房13は、角膜14と水晶体12とで囲まれた領域である。この前眼房13は、正面から見た形状が円形である。そして、前眼房13は、眼房水で満たされている。
また、図1(b)に示すように、眼球10の上下方向は、上瞼19aと下瞼19bとで覆われるようになっている。
次に、光学系20について説明する。
図1(a)に示すように、光学系20は、眼球10の前眼房13に向けて光を照射する光照射部20Aと、前眼房13を透過した光を受光する受光部20Bとを備える。
光照射部20Aは、光源部21、コリメータレンズ22、偏向部23、ミラー27を備えている。
光源部21は、レーザのような波長幅が狭い光源であってもよく、発光ダイオード(LED)やランプのような波長幅が広い光源であってもよい。なお、光源部21は、レーザのような波長幅が狭い光源であることがよい。また、光源部21は、レーザやLED、ランプを複数備えていてもよい。そして、複数の波長を使用してもよい。
コリメータレンズ22は、光源部21が出射する広がりをもった光を径が細い平行光(平行光線)にする。角膜14と水晶体12とで囲まれた前眼房13は、小さな領域であるので、前眼房13を透過する光は、径が小さいことがよい。すなわち、前眼房13を透過する光はビーム状である。
なお、光源部21が出射した光の径が小さければ、コリメータレンズ22を用いることを要しない。
以下では、ビーム状の光を光ビームと表記することがある。
偏向部23は、光の進む方向を偏向させる部材であって、例えば、ミラー231及びミラー231の反射面の傾きを変更する駆動装置232を備える。このミラー231は、ガリバノミラーやポリゴンミラーであってもよい。ガリバノミラーは、反射面に設けられた軸の回りに反射面を回転させることで、反射面の傾きが変化するものである。ポリゴンミラーは、多面体のミラーを回転させることで、反射面の傾きが変化するものである。ガリバノミラーやポリゴンミラーは、反射面が一の方向(一次元方向)において傾くことから、光を一次元方向に偏向させる。
さらに、ミラー231は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で構成されたミラーであってもよい。反射面が点に対して傾くように構成されていれば、反射面は、一の方向及び一の方向に直交する方向において傾く。反射面が二次元方向で傾くことで、光を二次元方向に偏向させる。
なお、これらのミラー231の傾きは、駆動装置232によって制御される。ミラー231がガリバノミラーやポリゴンミラーである場合には、駆動装置232は、例えば、モータ及びモータを制御する回路である。また、ミラー231がMEMSで構成されている場合には、駆動装置232は、例えば、ミラー27と一体で構成された電極に電位を供給し、静電気力でミラー27の傾きを制御する駆動回路である。
ミラー27は、偏向部23で偏向された光を、前眼房13を横切るように反射させる。第1の実施の形態においては、ミラー27は、偏向部23と同様に、駆動装置28に接続されている。ミラー27は、ガリバノミラー、ポリゴンミラー、MEMSで構成されたミラーなどである。そして、ミラー27は、駆動装置28によって、傾きが変更されて、入射した光に対する反射角を変更する。
受光部20Bは、検出部29を備える。ここでは、検出部29は、例えば、シリコンダイオードなどの受光素子である。検出部29は、前眼房13を透過した光の強度を電気信号に変換する。
信号処理部30は、CPU(中央演算処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(読み出し専用メモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/Oポート(入出力ポート)などを備えたコンピュータとして構成され、ソフトウェアにより動作するものであってもよく、アナログ電子回路などのハードウェアで構成されていてもよい。そして、信号処理部30は、検出部29から電気信号を受信して処理し、眼房水に含まれる光学活性物質の濃度を算出する。
眼球観察部40は、眼球10の前側、特に眼球10の正面位置に設けられ、眼球10の前眼房13に向けて光が照射されている状態において、眼球10に対する光路を観察し、眼球10と光路との位置関係を表す画像データを出力する。眼球観察部40は、例えばCCDやCMOSなどによる撮像素子を備える。このような撮像素子は、二次元に配列された複数の受光セル(画素)を備える。よって、眼球観察部40は、この撮像素子により眼球10と光路との位置関係を表す画像データを出力する。制御部60は、眼球観察部40による眼球10の観察結果である眼球10の画像データに対して、例えば、2値化処理及びエッジ検出処理などを行うなどにより、眼球10の形状及び前眼房13の位置を認識する。そして、制御部60は、光源部21が出射する光の波長(色)に対応する画素を抽出して、眼球10への光の照射位置を検出する。
視線誘導部50は、眼球10の前側、特に眼球10の正面位置に設けられ、被計測者の視線を誘導し、眼球10が光計測に適する向きになるようにする。視線誘導部50は、例えば、LCDなどのディスプレイを備える。そして、制御部60の制御に基づいて、ディスプレイ上に輝点又は暗点を表示し、被計測者の視線を誘導する。この際、制御部60は、眼球観察部40が出力する画像データに基づいて、眼球10が光計測に適する向きになるように、ディスプレイ上に表示した輝点又は暗点を移動させてもよい。
そして、視線誘導部50がディスプレイを備える場合には、ディスプレイに、算出された光学活性物質の濃度や眼球観察部40が出力した画像データなどを表示させてもよい。
また、視線誘導部50は、LCDなどの代わりに、被計測者に注視点を示す標識を備えてもよい。そして、制御部60は、眼球観察部40が出力する画像データに基づいて、眼球10が光計測に適する向きになるように、標識の位置を移動させてもよい。
制御部60は、信号処理部30と同様に、CPU、RAM、ROM、HDD、I/Oポート(入出力ポート)などを備えたコンピュータとして構成され、ソフトウェアにより動作するものであってもよく、アナログ電子回路などのハードウェアで構成されていてもよい。そして、制御部60は、後述するように、光学系20、信号処理部30、眼球観察部40及び視線誘導部50を制御する。
なお、図1(a)では、眼球観察部40と視線誘導部50とが、眼球10の正面位置で重なるように表記されている。図1(a)のように、眼球10から見て、眼球観察部40が正面位置に配置された視線誘導部50から、上下方向又は内外(左右)方向にややずらして配置されてもよい。つまり、眼球観察部40は、眼球10の正面位置より斜め上側又は斜め下側にずれた位置から眼球10を観察してもよく、眼球10の正面位置から左方向(ここでは斜め内側)又は右方向(ここでは斜め外側)にずれた位置から眼球10を観察してもよい。斜め上側又は斜め下側にずれた位置は、上瞼19a又は下瞼19bで眼球10が遮られるおそれがあるので、左方向又は右方向にずれた位置がよい。
また、眼球観察部40が小型であって、被計測者の視線が誘導の妨げにならなければ、眼球10と視線誘導部50との間に、眼球観察部40を視線誘導部50に重ねて設けてもよい。
(眼球10と光学系20との関係)
次に眼球10と光学系20との関係を説明する。
まず、図1(a)に示すように、光学系20は、光照射部20Aから出射した光が、光路αと表記した光路を通って、眼球10の前眼房13を透過し、受光部20Bに入射するように設定される。すなわち、光路αは、図1(a)に示すように、眼球10を上下方向の断面図でみた場合において、前眼房13の中央部を透過する。そして、図1(b)に示すように、光路αは、眼球10を正面から見た場合においても、前眼房13の中央部を透過する。
光路αは、前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路である。なお、光路αは、眼球10の正面像の上下方向、前後方向に対して許容範囲(後述する図2においてAと表記する領域、図5においてBと表記する領域)を有している。許容範囲を含めて、光学活性物質の濃度の測定に適する光路αとする。
一方、図1(a)における光路βは、光路αに比べ、眼球10に対して前側過ぎて、角膜14の外側を通過する光路であって、前眼房13の眼房水を透過しない。また、光路γは、光路αに比べ、眼球10に対して後側過ぎて、強膜18によって遮断される光路であって、前眼房13の眼房水を透過しない。
また、図1(b)における光路δは、光路αに比べ、眼球10に対して上側過ぎて、前眼房13の外側を通過する光路であって、前眼房13の眼房水を透過しない。さらに、光路が、眼球10に対して光路δよりさらに上側過ぎると、上瞼19aにより遮断される光路となる。
光路εは、光路αに比べ、眼球10に対して下側過ぎて、前眼房13の外側を通過する光路であって、前眼房13の眼房水を透過しない。さらに、光路が、眼球10に対して光路εよりさらに下側過ぎると、下瞼19bにより遮断される光路となる。
なお、光路α、β、γ、δ、εは、眼球10の前眼房13に対する光路の状態及び位置を説明する用語であるとする。
しかし、眼球10と光学系20との相対的な位置関係は、被計測者の生体振動や角膜14の形状の経時変動などによってずれることがある。これにより、光路αの状態が維持されないことがある。なお、眼球10が光学系20に対して移動する場合と光学系20が眼球10に対して移動する場合とがあるが、以下では、便宜的に、眼球10が光学系20に対して移動するとして説明する。
眼球10に対する光路が、光路αの状態から光路βや光路γの状態になったり、光路δや光路εの状態になったりした場合、つまり、光路がずれた場合には、光路をずらしたり(移動したり)又は切り替えたりすれば、光路αの状態に戻しうる。
例えば、図1(a)において、光路αの状態にあった光路が、眼球10が後側に移動したために、光路βの状態となったとする。この場合、光路γの位置に新たな光路を設定すればよい。そこで、制御部60は、光照射部20Aにおける偏向部23を制御して、ミラー27への入射位置を切り替えるとともに、駆動装置28を制御して、ミラー27の反射面の向きを変更して、光路γの位置に光路を設定する。すなわち、制御部60は、光照射部20Aを制御して、光路を光路αの位置から光路γの位置に設定するように、ミラー27への光の入射位置を切り替えるとともに、ミラー27の反射面の向きを変更する。これにより、眼球10への光の照射位置が変更され、光路γが前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路αに再設定される。
同様に、光路αの状態であった光路が、眼球10が前側に移動したために、光路γの状態となったとする。この場合、光路βの位置に新たな光路を設定すればよい。そこで、制御部60は、光照射部20Aにおける偏向部23を制御して、ミラー27への入射位置を切り替えるとともに、駆動装置28を制御して、ミラー27の反射面の向きを変更して、光路βの位置に光路を設定する。すなわち、制御部60は、光照射部20Aを制御して、光路を光路αの位置から光路βの位置に設定するように、ミラー27への光の入射位置を切り替えるとともに、ミラー27の反射面の向きを変更する。これにより、眼球10への光の照射位置が変更され、光路βが前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路αに再設定される。
さらに、図1(b)において、光路αの状態であった光路が、眼球10が上側に移動したために、光路εの状態となったとする。この場合、光路δの位置に新たな光路を設定すればよい。そこで、制御部60は、光照射部20Aにおける偏向部23を制御して、ミラー27への入射位置を切り替えるとともに、駆動装置28を制御して、ミラー27の反射面の向きを変更して、光路δの位置に光路を設定する。すなわち、制御部60は、光照射部20Aを制御して、光路を光路αの位置から光路δの位置に設定するように、ミラー27への光の入射位置を切り替えるとともに、ミラー27の反射面の向きを変更する。これにより、眼球10への光の照射位置が変更され、光路δが前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路αに再設定される。
同様に、光路αの状態であった光路が、眼球10が下側に移動したために、光路δの状態となったとする。この場合、光路εの位置に新たな光路を設定すればよい。そこで、制御部60は、光照射部20Aにおける偏向部23を制御して、ミラー27への入射位置を切り替えるとともに、駆動装置28を制御してミラー27の反射面の向きを変更して、光路εの位置に光路を設定する。すなわち、制御部60は、光照射部20Aを制御して、光路を光路αの位置から光路εの位置に設定するように、ミラー27への光の入射位置を切り替えるとともに、ミラー27の反射面の向きを変更する。これにより、眼球10への光の照射位置が変更され、光路εが前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路αに再設定される。
眼球観察部40は、眼球10の正面位置から、眼球10に対する光路を観察し、眼球10と光路との位置関係を表す画像データを出力する。よって、制御部60は、眼球観察部40が出力した画像データに基づいて、光路が光路αからずれている場合には、上述したように光照射部20Aを調整して、ずれた光路を光学活性物質の濃度の測定に適する光路αの状態に設定しなおす。
すなわち、眼球観察部40が出力した画像データに基づいて、光路が設定されるため、光路が目的とする位置(予め定められた位置)に設定されやすい。
なお、図1(a)、(b)では、眼球10の正面側において、光路を前後方向又は/及び上下方向に移動させている。ここでは、一例として、光路を平行移動させている。これは、光学系20における光照射部20Aと受光部20Bとの相対的な位置関係を保つためである。必ずしも光路は、平行移動でなくてもよい。
また、ミラー231又はミラー27は、平面ミラーとしたが、凹面ミラー、凸面ミラー、球面ミラー、放物面ミラーなどであってもよい。
さらに、ミラー231及びミラー27は、内外方向において入射角が変更されるとともに、上下方向においても入射角が変更されるとよい。内外方向において入射角が変更される場合には、前後方向(光路α、β、γの間)における一次元方向でのミラー27への光の入射位置の切り替えとなる。また、上下方向において入射角が変更される場合には、上下方向(光路α、δ、εの間)における一次元方向でのミラー27への光の入射位置の切り替えとなる。前後方向及び上下方向において入射角が変更される場合には、前後方向(光路α、β、γの間)及び上下方向(光路α、δ、εの間)における二次元方向でのミラー27への光の入射位置の切り替えとなる。
図2は、眼球観察部40が出力した、前眼房13を透過する光路の状態にある眼球10の正面位置(前側)からの画像データを模式的に示した図である。光源部21には、緑の光を出射するレーザを用いて観察した。
図2に示すように、光路が前眼房13を透過する光路αの状態において、前眼房13への入射側部分αと前眼房13からの出射側部分αIIとが観察された。なお、光路αの瞳孔15と重なる部分は、瞳孔15が暗いため観察されない。
よって、制御部60は、図2に示すような画像データから、眼球10の形状及び前眼房13の位置を認識するとともに、眼球10への光の照射位置を検出しうる。
なお、網点の部分は、光路αに許容される範囲(許容範囲A)である。
(眼球10の光計測方法)
ここで、眼球10の光計測方法(眼球の光計測方法)の一例を説明する。
図3は、眼球10の光計測方法の一例を説明するフローチャートである。
ここでは、被計測者は、既に眼球10に対して光計測装置1を装着した状態にあるとして説明する。
このフローチャートは、制御部60の動作として説明する。
まず、眼球観察部40により眼球10に対する光路が観察され、取得された画像データから、眼球10の形状及び前眼房13の位置が認識され、眼球10への光の照射位置が検出される。そして、光路が光路αの許容範囲A(図2参照)からずれているか否かが判断される。そして、光路が光路αの許容範囲Aからずれていると判断されると、光路が光路αの許容範囲A内になるように、眼球10への光の照射位置が変更されるように、光照射部20Aが制御される。ここでは、偏向部23を制御して、ミラー27への光の入射位置を変更するとともに、駆動装置28を制御して、ミラー27の反射面の向きを変更する。そして、光路を光路αに設定する(眼球観察と光路設定)(ステップ101、図1ではS101と表記する。以下同様である。)。
ここで、光路が光路αに設定された状態における画像データ(画像データ1)が取得され、メモリに保存される(画像データ1の取得)(ステップ102)。
画像データ1が、第1の画像データの一例であって、ステップ101及びステップ102が、眼球に対する光路を観察し、眼球と光路との位置関係を表す第1の画像データを取得するステップの一例である。
そして、眼球10の光計測が行われる(眼球の光計測)(ステップ103)。
ステップ103が、眼球の前眼房に対する光計測を行うステップの一例である。
眼球10の光計測の終了後に、再び眼球観察部40により眼球10に対する光路が観察され、取得された画像データから、眼球10の形状及び前眼房13の位置が認識され、眼球10への光の照射位置が検出される(眼球観察)(ステップ104)。
ここで観察された眼球10の画像データ(画像データ2)が取得され、メモリに保存される(画像データ2の取得)(ステップ105)。
画像データ2が、第2の画像データの一例であって、ステップ104及びステップ105が、眼球に対する光路を観察し、眼球と光路との位置関係を表す第2の画像データを取得するステップの一例である。
次に、画像データ1と画像データ2との一致度が予め定められた許容値以内か否かが判断される(ステップ106)。この許容値とは、例えば、画像データ2における光路の画像データ1における光路からのずれ量(距離)である。許容値以内とは、例えば、ずれ量(距離)が予め定められた範囲内にあることをいう。予め定められた範囲とは、光路がずれたことによる前眼房13内の光路長の変化などに起因して生じる光学活性物質の濃度に生じる誤差などに基づいて設定される。
そして、ステップ106において、肯定(Yes)の判断がされた場合、すなわち、画像データ1と画像データ2との一致度が予め定められた許容値以内である場合には、信号処理部30において、ステップ103の眼球10の光計測で得られた信号の処理が行われ、光学活性物質の濃度が算出される(ステップ107)。
ステップ106及びステップ107が、第1の画像データと第2の画像データとの一致度が、予め定められた許容値以内である場合に、光計測で得られた信号を処理するステップの一例である。
一方、ステップ106において、否定(No)の判断がされた場合、すなわち、画像データ1と画像データ2との一致度が予め定められた許容値を超える場合には、ステップ101に戻る。画像データ2から、光路が光路αの許容範囲Aからずれていると判断されると、光路が光路αの許容範囲A内になるように、光照射部20Aが再調整される。なお、画像データ2から、光路が光路αの許容範囲A内にあると判断されれば、ステップ102に移行してもよい。
なお、画像データ1は、ステップ102で書き換えられ、画像データ2は、ステップ105において書き換えられる。
図3に示すフローチャートでは、眼球10の光計測の前後における眼球10の画像データ(画像データ1と画像データ2)を比較し、光路のずれが許容値以内である場合に、信号の処理が行われて光学活性物質の濃度が算出される。このようにすることで、前眼房13の光計測時の光路の位置に対する信頼性が高まり、算出された光学活性物質の濃度に対する精度が向上する。
なお、光学活性物質の濃度に対する精度に問題がない場合には、図3におけるステップ104からステップ106を省略してもよい。
以上説明したように、第1の実施の形態の光計測装置1では、眼球10と光学系20との相対的な位置関係が、被計測者の生体振動や角膜14の形状等の経時変動などによってずれても、眼球観察部40が取得する眼球10の画像データに基づいて、光路が光路αの状態、すなわち、光路が前眼房13を横切るように再設定される。
なお、光路が光路αからずれたことは、検出部29からの信号によって判断されうる。例えば、図1において、光路αが光路βのように眼球10の前側にずれると、検出部29からの信号が増加する。また、光路αが光路γのように眼球10の後側にずれると、検出部29からの信号が減少する。しかし、眼球観察部40で眼球10に対する光路を観察する方が、検出部29からの信号による場合に比べて、光路を検知する精度が高い。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態が適用される光計測装置1では、眼球観察部40は、眼球10の前側、特に正面位置から眼球10に対する光路を観察した。眼球10を前側(正面位置)から観察する場合、光路が上下方向にずれた場合の検知は容易であるが、光路が前後方向にずれた場合の検知がしづらい。また、眼球10の正面位置から左方向又は右方向にずれた位置から斜めに眼球10を観察した場合であっても、光路が前後方向にずれた場合の検知がしづらい。
そこで、第2の実施の形態が適用される光計測装置1では、眼球10の正面位置からさらに左方向又は右方向にずれた位置、すなわち、眼球10の横方向又は横方向に近い位置から眼球10を側面から観察し、眼球10に対する光路を観察することとしている。
なお、第2の実施の形態及び以降の実施の形態において説明する眼球10の横方向又は横方に近い位置も、眼球10の正面位置から左方向又は右方向にずれた位置と表記する。
図4は、第2の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図4(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図4(b)は、眼球10を正面から見た図である。
第2の実施の形態が適用される光計測装置1は、図1に示した第1の実施の形態が適用される光計測装置1において、眼球10と検出部29との間の光路に、ビームスプリッタ70を備えている。そして、眼球観察部40は、ビームスプリッタ70の反射面から眼球10の正面位置から右側(外側)にずれた位置から眼球10が観察されるように配置されている。他の構成は、第1の実施の形態が適用される光計測装置1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
なお、眼球10が右目である場合には、眼球観察部40は、ビームスプリッタ70の反射面から眼球10の正面位置から左側(外側)にずれた位置から眼球10が観察されるように配置されることになる。
ビームスプリッタ70は、一つの光を複数(ここでは、二つ)の光に分割するものである。ビームスプリッタ70は、例えば、光学薄膜を介して二つの直角プリズムの斜面同士を接合したキューブ型のビームスプリッタであってもよく、一方の面に、光学薄膜や薄い金属膜を設けたプレート型のハーフミラーであってもよい。
眼球観察部40は、ビームスプリッタ70の反射面を通して、眼球10に対する光路を観察する。
図5は、眼球観察部40が取得した画像データを示す図である。図5(a)は、眼球10の前眼房13より前側にずれた光路βの場合、図5(b)は、前眼房13を透過する光路αの場合、図5(c)は、眼球10の前眼房13より後側にずれた光路γの場合である。なお、光路αが、前眼房13を透過する場合であるが、眼球10の側面の画像において許容範囲(図5においてBと表記する領域)を有している。ここでは、許容範囲を含めて、光学活性物質の濃度の測定に適する光路αと表記する。
図5(a)に示すように、光路が眼球10の前眼房13より前側にずれて光路βとなった場合には、眼球10の前側に光路βが直接観察される。
図5(b)に示すように、光路が眼球10の前眼房13を透過する光路αとなった場合には、前眼房13を透過した光が観察される。
図5(c)に示すように、光路が眼球10の前眼房13より後側にずれて光路γとなった場合には、眼球10の強膜18に遮られて、光は観察されない。
説明を省略するが、上下方向においても、同様である。
よって、眼球10の正面位置から右側又は左側にずれた位置から観察された画像データから、光路の前後方向及び上下方向のずれが容易に観察される。
したがって、制御部60は、画像データに基づいて、光照射部20A(偏向部23、ミラー27)を制御して、光路が光路αの状態になるように、眼球10への光の照射位置を変更すればよい。
また、第2の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第3の実施の形態]
第2の実施の形態が適用される光計測装置1では、眼球10と検出部29との間の光路に、ビームスプリッタ70を設けた。ビームスプリッタ70を光路に挿入すると、ビームスプリッタ70により、検出部29に入射する光量が減少する。
そこで、第3の実施の形態が適用される光計測装置1では、第2の実施の形態が適用される光計測装置1におけるビームスプリッタ70の代わりに、可動式ミラー80を設けている。
可動式ミラー80は、光路切替部の一例である。
図6は、第3の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図6(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図6(b)は、眼球10を正面から見た図である。
第3の実施の形態が適用される光計測装置1では、図1に示した第1の実施の形態が適用される光計測装置1において、眼球10と検出部29との間の光路に、光路切り替えるための可動式ミラー80が設けられている。なお、可動式ミラー80は、反射面が可動なミラーであって、ある方向に進行する光を他の方向に進行させるように、光路を切り替える。
すなわち、眼球観察部40が眼球10に対する光路を観察する際には、可動式ミラー80の反射面を光路に挿入する。すると、眼球10における前眼房13を透過した光は、眼球観察部40側に進むように切り替えられる。
ここで、光路を光学活性物質の濃度の測定に適する光路αの状態に設定する。そして、光路の設定が終了した際に、可動式ミラー80の反射面を光路から退避させる(跳ね上げる)。すると、眼球10の前眼房13を透過した光が、検出部29に入射するように切り替えられる。これにより、検出部29には、前眼房13を透過した光が直接入射する。
眼球観察部40で眼球10に対する光路を観察する際には、可動式ミラー80の反射面により光路が眼球観察部40に向かうようにするため、反射面の光路に挿入された位置が固定されように構成されることがよい。このため、可動式ミラー80の反射面が光路に挿入された場合に、反射面がガイドに押し当てられて、反射面によって光が反射する方向が固定されるとよい。
一方、可動式ミラー80の反射面を光路から退避させた(跳ね上げた)状態においては、可動式ミラー80の反射面が光路を遮らなければよく、反射面の位置を固定することを要しない。
なお、可動式ミラー80は、跳ね上げることで光路から退避するとしたが、ずらすことで光路から退避させてもよい。
このようにすることで、第3の実施の形態が適用される光計測装置1では、第2の実施の形態が適用される光計測装置1と異なり、検出部29に入射する光量が低下することが抑制される。
また、第3の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態から第3の実施の形態が適用される光計測装置1では、光照射部20Aにおける偏向部23のミラー231と、ミラー27とで、眼球10への光路を変更した。
第4の実施の形態では、ミラー27への光の入射角を固定にして、偏向部23のミラー231で眼球10への光路を変更する。
図7は、第4の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図7(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図7(b)は、眼球10を正面から見た図である。
第4の実施の形態では、第3の実施の形態における可動式ミラー80を用いている。よって、第3の実施の形態が適用される光計測装置1と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
なお、第1の実施の形態で説明したように、眼球観察部40が眼球10に対する光路を正面位置から観察してもよい。また、第2の実施の形態で説明したように、眼球10に対する光路を眼球10の正面位置から左右方向にずれた位置から観察するために、可動式ミラー80の代わりに、ビームスプリッタ70を用いてもよい。
第4の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1では、偏向部23とミラー27との間に、テレセントリックfθレンズを含むテレセントリック光学系24が設けられている。そして、ミラー27は、第1の実施の形態で備えていた駆動装置28を備えない。
テレセントリックfθレンズは、入射した光を平らな平面に対して垂直に集光するレンズである。すなわち、図7に示すように、光は、偏向部23のミラー231で反射されて、テレセントリック光学系24に対して斜めに入射しても、テレセントリック光学系24からは、互いに平行な関係で出射する。
よって、ミラー27への光の入射角(傾き)を固定しても、ミラー27への光の入射位置を切り替えることで、眼球10に対する光の入射位置が、平行移動するように、互いに平行な関係で変更される。すなわち、光路が眼球10の前後方向又は/及び上下方向に移動する。
よって、ミラー27への入射位置を切り替えは、偏向部23におけるミラー231の反射角の制御でよい。すなわち、ミラー27への入射位置を切り替える制御が簡易になる。
また、ミラー27は眼球10に近接して設けられるため、第1の実施の形態から第3の実施の形態が適用される光計測装置1では、ミラー27の入射角を変更するためにミラー27を動かす(回転させる)と、力学的な力が被計測者に加わることになってしまう。しかし、第4の実施の形態が適用される光計測装置1では、ミラー27の入射角が固定されているので、力学的な力が被計測者に加わることが抑制される。
ミラー27の入射角(傾き)を固定することを除いて、ミラー27への入射位置の切り替えについては、第1の実施の形態において説明したことと同様であるので、説明を省略する。
また、第4の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態から第4の実施の形態では、前眼房13の眼房水の透過する光の強度の変化から、眼房水に含まれる光学活性物質の濃度を測定した。
第5の実施の形態では、旋光性(旋光度)を利用して、眼房水に含まれるグルコースなどの光学活性物質の濃度を計測する。
図8は、第5の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図8(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図8(b)は、眼球10を正面から見た図である。第4の実施の形態が適用される光計測装置1と同様の部分は、同じ符号を付して説明を省略する。
第5の実施の形態が適用される光計測装置1は、第4の実施の形態が適用される光計測装置1において、偏光制御部25を備えている。
偏光制御部25は、偏光子、波長板などを含んで構成されている。そして、光源部21が出射する光から、予め定められた偏光(直線偏光、楕円偏光、円偏光など)を取り出す。
ミラー27による反射において、入射面に平行な成分(P)及び垂直な成分(S)のそれぞれの反射率は、ミラー27の屈折率及び入射角に依存する。このため、ミラー27に偏光を入射させると、入射角により、反射光の偏光状態が変ることがある。例えば、直線偏光を入射させる場合、ある入射角では、反射光も直線偏光となることがあり、異なる入射角では、反射光が楕円偏光になることがある。
よって、ミラー27への入射角は、固定であることがよい。
そこで、第5の実施の形態が適用される光計測装置1では、第4の実施の形態と同様に、テレセントリックfθレンズを含むテレセントリック光学系24を用い、ミラー27への入射角の変化による偏光状態の変化を考慮しなくてもよいようにしている。
同様に、偏光がレンズを通過すると、偏光状態が変化する。よって、テレセントリック光学系24におけるテレセントリックfθレンズの後段、つまりテレセントリックfθレンズとミラー27との間に偏光制御部25を設けている。
そして、検出部29は、後述するように、旋光角を検出するための、検光子などを含んでいる。
さらに、第5の実施の形態が適用される光計測装置1では、第4の実施の形態が適用される光計測装置1と同様に、可動式ミラー80を用いて、眼球観察部40と検出部29との光路の切り替えを行っている。このため、検出部29に入射する光は、可動式ミラー80による偏光状態の変化を受けることがない。
なお、ミラー27の屈折率、入射光の偏光状態(偏光面の向き及び直線偏光、楕円偏光)及び入射角が既知であれば、反射光の偏光状態の変化は算出しうる。よって、第1の実施の形態及び第3の実施の形態が適用される光計測装置1であっても、偏光制御部25を設けて、旋光性を利用して光学活性物質の濃度を計測するようにしてもよい。
また、第2の実施の形態が適用される光計測装置1であっても、ミラー27と同様に、ビームスプリッタ70による偏光状態の変化が算出しうる。よって、第2の実施の形態が適用される光計測装置1であっても、偏光制御部25を設けて、旋光性を利用して光学活性物質の濃度を計測するようにしてもよい。
旋光性(旋光度)を用いて光学活性物質の濃度を計測することを除いて、ミラー27への光の入射位置の切り替えについては、第4の実施の形態において説明したことと同様であるので、説明を省略する。
(光学活性物質の濃度算出)
図9は、光計測装置1によって、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質による偏光面の回転角(旋光度)を計測する方法を説明する図である。ここでは、説明を容易にするため、光路を折り曲げない構成とし、テレセントリック光学系24、ミラー27の記載を省略している。
なお、光学系20における偏光制御部25は、偏光子251を備えているとし、検出部29は、補償子291、検光子292、受光素子293を備えているとする。
また、図9に示す光源部21、偏光制御部25における偏光子251、前眼房13、検出部29における補償子291、検光子292及び受光素子293のそれぞれの間において、光の進行方向から見た偏光の様子を円内の矢印で示している。なお、本明細書では、直線偏光の偏光面とは、直線偏光において電界が振動する面をいう。
なお、光学系20は、他の素子(光学部品など)を備えていてもよい。
偏光子251は、例えば、ニコルプリズム、全反射型のグラントムソンプリズム、グランテーラプリズム、グランレーザプリズムなどであって、入射した光から、予め定められた偏光面の直線偏光を通過させる。
補償子291は、例えばガーネット等を用いたファラデー素子などの磁気光学素子であって、磁場によって直線偏光の偏光面を回転させる。
検光子292は、偏光子251と同様の部材であって、予め定められた偏光面の直線偏光を通過させる。
受光素子293は、シリコンダイオードなどであって、光の強度に対応した出力信号を出力する。
光源部21は、ランダムな偏光面を持つ光を出射する。そして、偏光子251は、予め定められた偏光面の直線偏光を通過させる。図9においては、偏光子251は、例として、紙面に平行な偏光面の直線偏光を通過させる。
偏光子251を通過した直線偏光は、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質により、偏光面が回転する。図9では、偏光面は角度α(旋光度α)回転する。
次に、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質により回転した偏光面を、補償子291により元に戻す。補償子291がファラデー素子などの磁気光学素子である場合には、補償子291に磁界を印加することで、補償子291を通過する光の偏光面を回転させる。
そして、検光子292を通過した直線偏光を受光素子293により受光し、光の強度に対応した出力信号に変換する。
ここで、光学系20による旋光度αの計測方法の一例を説明する。
まず、光源部21を出射した光が前眼房13を透過させない状態において、光源部21、偏光子251、補償子291、検光子292、及び受光素子293が含まれる光学系20を用いて、受光素子293からの出力信号が最小になるよう、補償子291及び検光子292を設定する。図9に示す例において、光が前眼房13を透過させない状態では、偏光子251を通過した直線偏光の偏光面は、検光子292を通過する偏光面と直交する。
次に、光が前眼房13を透過する状態とする。すると、前眼房13における眼房水に含まれる光学活性物質によって、偏光面が回転する。このため、受光素子293からの出力信号は、最小値から外れる。そこで、受光素子293からの出力信号が最小になるように、補償子291に磁界を印加して偏光面を回転させる。すなわち、補償子291から出射する光の偏光面を、検光子292を通過する偏光面と直交させる。
この補償子291によって回転させた偏光面の角度が、眼房水に含まれる光学活性物質によって発生した旋光度αに対応する。ここで、補償子291に印加した磁場の大きさと回転した偏光面の角度との関係は、事前に知られている。したがって、補償子291に印加した磁場の大きさから、旋光度αが分かる。
具体的には、光源部21から前眼房13における眼房水に複数の波長λ(波長λ、λ、λ、…)の光を入射し、それぞれに対して旋光度α(旋光度αM1、αM2、αM3、…)を求める。これらの波長λと旋光度αとの組が、信号処理部30に取り込まれ、求めたい光学活性物質の濃度が算出される。
付言すると、眼房水には、前述したように複数の光学活性物質が含まれている。よって、計測された旋光度αは、複数の光学活性物質それぞれによる旋光度αの和である。そこで、計測された旋光度αから、求めたい光学活性物質(ここでは、グルコース)の濃度を算出することが必要となる。求めたい光学活性物質の濃度の算出は、公知の方法を用いればよいので、ここでは説明を省略する。
また、図9では、偏光子251の偏光面が紙面に平行であって、検光子292を通過する前の偏光面が紙面に垂直であるとしている。しかし、光源部21を出射した光が前眼房13を透過させない状態において、補償子291によって偏光面が回転する場合には、検光子292を通過する前の偏光面が紙面に平行な面から傾いていてもよい。すなわち、光が前眼房13における眼房水を透過させない状態において、受光素子293からの出力信号が最小になるように、補償子291と検光子292とを設定すればよい。
また、ここでは旋光度αを求める方法として補償子291を用いた例を述べたが、補償子291以外で旋光度αを求めてもよい。さらに、ここでは偏光面の回転角(旋光度α)を測定する最も基本的な測定法である直交偏光子法(ただし補償子291を使用)について示したが、回転検光子法やファラデー変調法、光学遅延変調法といった他の測定方法を適用してもよい。
また、第5の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第6の実施の形態]
第5の実施の形態が適用される光計測装置1では、テレセントリック光学系24にテレセントリックfθレンズを用いることで、ミラー27に入射する角度を固定にした。
第6の実施の形態が適用される光計測装置1では、テレセントリック光学系24の代わりに、偏向部23のミラー231を移動させることで、光路を切り替える。
第6の実施の形態では、偏光制御部25を設けて、旋光性(旋光度)を利用してグルコースなどの光学活性物質の濃度を計測する。
図10は、第6の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図10(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図10(b)は、眼球10を正面から見た図である。以下では、図8に示した第5の実施の形態が適用される光計測装置1と同様の部分は同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
第6の実施の形態が適用される光計測装置1は、テレセントリック光学系24の代わりに、集光レンズ26を設けている。そして、偏向部23は、ミラー231と、ミラー231を搭載して一方向に移動させる直動ステージ233とを備えている。
すなわち、直動ステージ233により、ミラー231の反射面を光路の方向(光が進行する前後方向)に移動させる。これにより、光のミラー27への入射位置が切り替えられる。そして、光路が前眼房13の眼房水に含まれる光学活性物質の濃度の測定に適する光路αの状態に設定される。すなわち、光路が前眼房13を横切るように設定される。
第6の実施の形態では、光のミラー27への入射位置は、直動ステージ233の移動方向に限定される。すなわち、光のミラー27への入射位置の切り替えは、一次元方向において行われる。例えば、図10(a)では、光路は、顔の前後方向の移動に限定される。
よって、図10(b)に示すように、光路を、顔の上下方向に移動させる場合には、図10(a)において、光源部21、コリメータレンズ22を紙面に対して垂直方向に配置するとともに、直動ステージ233の移動方向も紙面に垂直方向とし、直動ステージ233上のミラー231の向きを、光源部21からコリメータレンズ22を通して出射される光がミラー27側に反射されるように設定することになる。
なお、直動ステージ233を用いる代わりに、ミラー231の裏面に、ピエゾ素子を貼り付けて、ミラー231の表面が移動するようにしてもよい。このとき、直動ステージ233を、ピエゾ素子を駆動する駆動装置とすればよい。
なお、第1の実施の形態で説明したように、眼球観察部40が眼球10に対する光路を正面位置から観察してもよい。また、第2の実施の形態で説明したように、眼球10に対する光路を眼球10の正面位置から左右方向にずれた位置から観察するために、可動式ミラー80の代わりに、ビームスプリッタ70を用いてもよい。
また、第6の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1は、眼球10の前眼房13の周囲が液体中に浸漬されている。この状態は、液浸と表現されることがある。
図11は、第7の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図11(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図11(b)は、眼球10を正面から見た図である。なお、後述する液浸部100を除いた、光計測装置1の構成は、図8に示した第5の実施の形態と同様である。よって、同様の部分は同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
液浸部100は、容器101と、容器101を満たす液体102とを備えている。液浸部100の容器101を眼球10の周りの顔の表面に押し当てることで、眼球10の前眼房13の周囲が液体102に浸漬される。液体102は、眼房水との屈折率差が小さいことがよい。例えば、水、生理食塩水などを用い得る。
そして、液浸部100は、前眼房13を横切るように光が透過するように、容器101の光路に対応する部分に、光が通過する入射窓103及び出射窓104を備えている。入射窓103は、ミラー27で反射した光が垂直に入射するように構成され、出射窓104は、液体102及び前眼房13を透過した光が垂直に出射するように構成されている。なお、眼球10の前眼房13の周囲(例えば、角膜14)における光の入射位置が液体102に浸る構成であれば、容器101の大きさや形状は問わない。
このように、液浸部100は、ミラー27で反射した光が角膜14表面で屈折して、方向が変化することを抑制する。すなわち、角膜14などの形状の影響を受けにくくなり、前眼房13を横切る光路が設定しやすくなる。なお、光路βは、角膜14表面で反射せずに進むが、前眼房13を透過する距離が短い。
なお、液浸部100を、他の実施の形態が適用される光計測装置1に適用してもよい。
また、第1の実施の形態で説明したように、眼球観察部40が眼球10に対する光路を正面位置から観察してもよい。また、第2の実施の形態で説明したように、眼球10に対する光路を眼球10の正面位置から左右方向にずれた位置から観察するために、可動式ミラー80の代わりに、ビームスプリッタ70を用いてもよい。
また、第7の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
[第8の実施の形態]
第4の実施の形態から第7の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1は、ミラー27が予め定められた入射角に設定されていた。そして、ミラー27は、眼球10から離れて配置されていた。
第8の実施の形態では、ミラー27は、眼球10の表面に接触して用いられるミラー付きコンタクト部材110に設けられている。
図12は、第8の実施の形態が適用される眼球の光計測装置1の構成の一例を示す図である。図12(a)は、眼球10を上側から見た図(上下方向における断面図)、図11(b)は、眼球10を正面から見た図である。なお、後述するミラー付きコンタクト部材110を除いた光計測装置1の構成は、図8に示した第5の実施の形態と同様である。よって、同様の部分は同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分を説明する。
図12(a)に示すように、ミラー付きコンタクト部材110は、いわゆるコンタクトレンズと同様の眼球用の部材であって、眼球10における角膜14の表面(眼球面)に装着される。なお、眼球10における角膜14の表面(眼球面)に装着されることを、ここでは、眼球10に装着されると表現する。
そして、ミラー付きコンタクト部材110は、基体111の内部にミラー27が設けられている。
基体111は、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン共重合体、フッ素含有化合物などの樹脂である。基体111の屈折率が、眼球10における前眼房13の眼房水、角膜14などの屈折率に近いと、ミラー付きコンタクト部材110と眼球10との間の界面での屈折が抑制される。よって、眼球10の前眼房13を横切る光路の設定が容易になる。なお、光路βは、角膜14表面で反射せずに進むが、前眼房13を透過する距離が短い。
そして、基体111は、ミラー27に向かって光が入射する部分が、光に対して垂直な平面112で構成されている。また、基体111は、検出部29に向かって光が出射する部分が、光に対して垂直な平面113で構成されている。これにより、ミラー付きコンタクト部材110への光の入射、ミラー付きコンタクト部材110からの光の出射において、基体111の屈折により光路が折り曲がることが抑制される。
図12(b)に示すように、ミラー27の外形は、四角形である。なお、ミラー27の外形は、円弧状など他の形状であってもよい。
なお、基体111は、円形である必要はなく、角膜14に装着できる構成であれば、四角形など、他の形状であってもよい。
なお、第8の実施の形態で説明したミラー付きコンタクト部材110を第4の実施の形態から第6の実施の形態に適用してもよい。
また、第1の実施の形態で説明したように、眼球観察部40が眼球10に対する光路を正面位置から観察してもよい。また、第2の実施の形態で説明したように、眼球10に対する光路を眼球10の正面位置から左右方向にずれた位置から観察するために、可動式ミラー80の代わりに、ビームスプリッタ70を用いてもよい。
また、第8の実施の形態が適用される光計測装置1は、第1の実施の形態における図3で説明した眼球10の光計測方法を用いうる。
上記では種々の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態を組み合わせて構成してもよい。
また、本開示は上記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
1…光計測装置、10…眼球、11…ガラス体、12…水晶体、13…前眼房、14…角膜、15…瞳孔、16…網膜、17…虹彩、18…強膜、20…光学系、20A…光照射部、20B…受光部、21…光源部、23…偏向部、24…テレセントリック光学系、25…偏光制御部、27、231…ミラー、28、232…駆動装置、29…検出部、30…信号処理部、40…眼球観察部、50…視線誘導部、60…制御部、70…ビームスプリッタ、80…可動式ミラー、100…液浸部、110…ミラー付きコンタクト部材、233…直動ステージ、251…偏光子、291…補償子、292…検光子、293…受光素子、α、β、γ、δ、ε…光路

Claims (9)

  1. 被計測者の眼球の前眼房に向けて光を照射する光照射部と、
    前記前眼房を透過した光を受光する受光部と、
    前記光照射部から光が照射されている状態で、前記眼球に対する光路を観察する眼球観察部と、
    前記眼球観察部による前記眼球の観察結果に基づいて、当該眼球への光の照射位置を変更するように、前記光照射部を制御する制御部と
    を備える眼球の光計測装置。
  2. 前記制御部は、前記眼球観察部による前記眼球の観察結果により、当該眼球に対する光路が当該眼球の前眼房を透過する光路でない場合に、当該眼球の前眼房を透過する光路となるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置。
  3. 前記眼球観察部は、前記眼球と光路との位置関係を表す画像データを出力し、
    前記制御部は、前記画像データに基づき、前記眼球と前記光の光路とが予め定めた位置関係となるように前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1に記載の眼球の光計測装置。
  4. 前記眼球観察部が出力する前記画像データは、前記眼球の正面位置から左方向又は右方向にずれた位置から見た画像データであることを特徴とする請求項3に記載の眼球の光計測装置。
  5. 前記前眼房を透過した光を前記眼球観察部へ向かう光路と前記受光部に向かう光路とに切り替える光路切替部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置。
  6. 前記制御部は、光路が前記眼球の前後方向と上下方向とのいずれか一方又は両方に移動するように、前記光照射部を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置。
  7. 前記光照射部は、
    前記光を通過させるテレセントリック光学系と、
    前記テレセントリック光学系に対して予め定められた角度で設定され、反射した光を前記眼球の前眼房に向けて照射するミラーと
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の眼球の光計測装置。
  8. 前記眼球の視線を誘導する視線誘導部を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼球の光計測装置。
  9. 被計測者の眼球に光が照射されている状態で、当該眼球に対する光路を観察し、当該眼球と光路との位置関係を表す第1の画像データを取得するステップと、
    前記眼球の前眼房に対して光計測を行うステップと、
    前記眼球に対する光路を観察し、当該眼球と光路との位置関係を表す第2の画像データを取得するステップと、
    前記第1の画像データと前記第2の画像データとの一致度が、予め定められた許容値以内である場合に、前記光計測で得られた信号を処理するステップと
    を含む眼球の光計測方法。
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