JP6171282B2 - 衝撃検知装置、および梱包装置 - Google Patents
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Description
〔衝撃検知装置の概略構成〕
以下実施形態1に係る衝撃検知装置について説明する。図1は実施形態1に係る衝撃検知装置の分解斜視図である。衝撃検知装置100は、ケース110内に右左方向への転倒または傾きが生じたことを検知する左右方向検知部180と、前後方向への転倒を検知する前後方向検知部190とを備える。
次に衝撃検知装置100の組み立てについて説明する。図2は実施形態1に係る衝撃検知装置の組み立て動作を示すものであり、(a)は後ケースに前ケースをかぶせた状態を示す平面図、(b)は後ケースと前ケースとを第1の組み合わせ位置にした状態を示す平面図である。ケース110は、第1のケースである後ケース200と第2のケースである前ケース300とはめ合せて、前ケース300を後ケース200に対して左方向にスライドさせ、後ケース200と前ケース300とを相対的に横方向に移動して組み立てる。後ケース200と前ケース300には、戻り防止機構として、後ケース200と前ケース300との接触する箇所である上端に上側戻り防止機構400を、同じく接触する箇所である下端に下側戻り防止機構500を形成する。上側戻り防止機構400および下側戻り防止機構500は、後述するように、後ケース200と前ケース300とを第1の合わせ位置にした組み立て状態からの戻りを防ぎ、後ケース200と前ケース300との外れを防止する。また、上側戻り防止機構400および下側戻り防止機構500は、後ケース200および前ケース300を第1の組み合わせ位置から第2の組み合わせ位置にした衝撃検知状態から、第1の組み合わせ位置への戻りを防ぎ、衝撃検知ができなる事態を防止する。
まず上側戻り防止機構400について説明する。図4は実施形態1に係る衝撃検知装置の上側戻り防止機構を図3中C−C線に相当する部分を矢印方向から見た状態を示すものであり、(a)は後ケースの端面図、(b)は前ケースの端面図である。上側戻り防止機構400は、後ケース200に形成した後側戻防止段部410と、前ケース300に形成した前側戻防止段部420とから構成する。後側戻防止段部410には、2つの谷部すなわち第1の谷部411、第2の谷部413、2つの山部すなわち第1の山部412、第2の山部414を、同じピッチ寸法pで交互に形成する。第1の山部412、および第2の山部414は、図中下側に頂部と斜面を形成した直角三角形状をなしている。頂部は弧状であってもよく、弧状とすれば、角があるものに比べて山を越えやすくなる。この衝撃検知装置100では、第1の山部412の高さ寸法h1を第2の山部414の高さ寸法h2より大きくしている(h1>h2)。また、第1の山部412の傾斜角度θ1を第2の山部414の傾斜角度θ2より大きくしている(θ1>θ2)。この例では、θ1を24度、θ2を20度にした。
次に下側戻り防止機構500について説明する。図6は同衝撃検知装置の下側戻り防止機構を図3中D−D線に相当する部分を矢印方向から見た状態を示すものであり、(a)は後ケースの端面図、(b)は前ケースの端面図である。下側戻り防止機構500は、上側戻り防止機構400とほぼ同じ構造を備える。
さらに、実施形態1に係る衝撃検知装置100では、第1の組み合わせ位置では、第1の錘部材120および第2の錘部材130が初期位置120Sおよび初期位置130Sから移動しないようにする切換手段を備える。図8は実施形態に係る衝撃検知装置における切換手段による錘部材の移動範囲を示すものであり、(a)は第1の組み合わせ位置を示す平面図、(b)は第2の組み合わせ位置を示す平面図である。
次に後ケース200および前ケース300について説明する。図12は同衝撃検知装置の後ケースを示すものであり、(a)は平面図、(b)は底面図、図13は同衝撃検知装置の後ケースを示すものであり、(a)は斜視図、(b)は他の方向からの斜視図である。また、図14は同衝撃検知装置の前ケースを示すものであり、(a)は平面図、(b)は底面図、図15は同衝撃検知装置の前ケースを示すものであり、(a)は斜視図、(b)は他の方向からの斜視図である。
以下、左右方向検知部180を構成する後ケース200の構造、および前ケース300の構造について説明する。左右方向検知部180は、後ケース200と前ケース300との間に、右側への転倒によって第1の錘部材120が移動する右側錘経路140、および左側への転倒によって第1の錘部材120が移動する左側錘経路150を備える。第1の錘部材120は、衝撃検知装置100が立設状態から右側に転倒し、その後、立設状態に戻されたとき、初期位置120Sから右側錘経路140を経て表示位置である右側検知位置120Rに移動し前ケース300側から観察できる。
まず、後ケース200のうち左右方向検知部180を構成する部分について説明する(図12、図13参照)。左右方向検知部180を構成する後ケース200の底板210には、右側錘経路140および左側錘経路150を形成する案内突起221R、221L、案内突起222R、222Lを備える。ここで、添え字R、Lは左右に対として配置した部分について用い、添え字Rは右側の部材を、添え字Lは左側の部材を示す(以下同じ)。
次に前ケース300のうち左右方向検知部180を構成する部分について説明する(図14、図15参照)。前ケース300の手前側板310には、右側錘経路140および左側錘経路150に沿って、第1の錘部材120を案内して移動抵抗を軽減するレール部材323R、324R、323L、324Lを形成する。また、このレール部材323R、324R、323L、324Lの下方には、下側に凸の弧状のレール部材329を形成する。なお、各レール部材323R、324R、323L、324L、329の断面形状を半円形として第1の錘部材120との接触抵抗を軽減している。
次に衝撃検知装置100の左右方向検知部180で左右方向の転倒を検出する動作について説明する。図16は実施形態に係る衝撃検知装置の右左方向衝撃検知の状態を示す模式図である。衝撃検知装置100が直立した状態(図16(a))から、衝撃検知装置100を右側に一定角度以上転倒させると、第1の錘部材120は、右側錘経路140を移動して、右側錘経路140の頂部140Tに至る。その後衝撃検知装置100を戻すと、第1の錘部材120は、検知位置120Rに移動する(図16(b))。そしてこの状態で、第1の錘部材120は、後ケース200の段部225R、226R、前ケース300の段部325R、326R、327R、328Rで逆行が阻止され、右側錘経路140を戻ることはない。
そして、この状態で、第1の錘部材120は、後ケース200の段部225L、226R、前ケース300の段部325L、326L、327L、328Lで逆行が阻止され、左側錘経路150を戻ることはない。
次に前後方向検知部190について説明する。前後方向検知部190は、後ケース200と前ケース300との間に、前側への転倒によって第2の錘部材130が移動する前側錘経路160、および後側への転倒によって第2の錘部材130が移動する後側錘経路170を備えている。第2の錘部材130は、衝撃検知装置100が立設状態から前側に転倒し、その後、立設状態に戻されたとき、初期位置130Sから前側錘経路160を経て表示位置である前側検知位置130Fに移動し前ケース300側から観察できるようになっている。
まず、後ケース200のうち前後方向検知部190を構成する部分について説明する(図12、図13参照)。前後方向検知部190を構成する後ケース200の底板210には、前側錘経路160および後側錘経路170を形成する案内突起231R、231Lを備える。この案内突起231R、231Lの下方には、第2の錘部材130を初期位置130Sに保持する上向きに開口を備えた弧状の保持壁215を形成する。
次に前ケース300のうち前後方向検知部190を構成する部分について説明する(図14、図15参照)。前ケース300の手前側板310には、第2の錘部材130を前側錘経路160および後側錘経路170に沿って案内する案内突起331R、331Lを形成している。この案内突起331R、331Lの間には、第2の錘部材130を案内して移動抵抗を軽減するレール部材333R、333Lを形成する。さらに、このレール部材333R、333Lの下側には、初期位置130Sで第2の錘部材130を保持する弧状の突起部334を形成する。このレール部材333R、333Lは、その断面形状を半円形として第2の錘部材130との接触抵抗を軽減している。
次に衝撃検知装置100の前後方向検知部190で前後方向の転倒を検出する動作について説明する。図17は同衝撃検知位置の図2(a)中のB−B線に相当するものであり、(a)は後転倒時を示す断面模式図、(b)は前転倒時を示す断面模式図、図18は同衝撃検知装置の前後方向衝撃検知の状態を示す模式図である。まず、衝撃検知装置100が後方(後ケース200側)に転倒すると、第2の錘部材130は、初期位置120Sから図17(a)に示すように、後ケース200の案内突起231R、231Lの間に形成したレール部材232R、232L上を滑り、後側錘経路170の頂部170Tまで移動する(図18(b)参照)。次いで、衝撃検知装置100を直立状態とすると、第2の錘部材130は、湾曲壁236を経て案内突起321Lと壁部211の間に形成したレール部材233L、234L上を滑り、後側検知位置130Bまで移動する。このとき第2の錘部材130は、段部237を乗り越える。
次に実施形態2として、実施形態1に係る衝撃検知装置100を備えた梱包装置について説明する。図19は衝撃検知装置備えた梱包装置を示す斜視図である。この例では、被検知対象物である段ボール箱900の側面部910に実施形態1に係る衝撃検知装置100を両面テープで貼り付けて固定し、さらにその上からラベル930を貼り付ける。衝撃検知装置100は、段ボール箱900に貼り付ける他、段ボール箱900の側面部910に設けた凹部にはめ込んで物品垂直面に固定することができる。このように段ボール箱900に衝撃検知装置100を取り付けた場合、段ボール箱900を転倒させて衝撃または力を加えてしまったとき、衝撃検知装置を取り外すとともに、前ケースを外して錘を初期状態に戻してしまうこと(改ざん)が想定される。上記ラベル930は封緘部材としての作用をなすものとすることができるが、ラベル930の粘着面は、ラベルを剥がす際に貼り付け面の糊の一部が転移してケースに付着するような材質とすることが好ましく、こうすることで、改ざんのために開封したか否かを確認できるようになる。なお、梱包装置として段ボール箱900に実施形態1に係る衝撃検知装置100の他、必要に応じてさまざまな構成のものを配置することができる。
120:第1の錘部材
120L:左側検知位置
120R:右側検知位置
120S:初期位置
130:第2の錘部材
130B:後側検知位置
130F:前側検知位置
130S:初期位置
140:右側錘経路
150:左側錘経路
160:前側錘経路
170:後側錘経路
180:左右方向検知部
190:前後方向検知部
200:後ケース
300:前ケース
400:上側戻り防止機構
410:後側戻防止段部
500:下側戻り防止機構
510:後側戻防止段部
Claims (5)
- ケースと、
前記ケース内に配置した錘部材と、
前記ケース内に形成され、衝撃検知前に前記錘部材が配置される初期位置から、衝撃を受けたとき前記錘部材が移動し、前記錘部材が外部から認識可能となる検知位置まで延設した錘経路と、
前記初期位置に配置した前記錘部材の移動を許容する検知状態と、前記錘部材の移動を規制する規制状態に切換える切換手段と、
を備え、
前記ケースは、対向する第1のケースおよび第2のケースで構成され、
前記切換手段は、前記第1のケースと前記第2のケースとを相対的に前記錘経路の延設された方向へ移動させることにより検知状態と規制状態に切換える
ことを特徴とする衝撃検知装置。 - 対向する第1のケースおよび第2のケースで構成されるケース内に初期位置に配置した錘部材の移動を許容する検知状態と、前記錘部材の移動を規制する規制状態に切換える切換手段を備え、
前記切換手段は、前記第1のケースと前記第2のケースとを相対的に移動させることにより検知状態と規制状態に切換える、衝撃検知装置であって、
前記ケース内に第1の錘部材および第2の錘部材を配置するとともに、
前記ケース内に、前記第1の錘部材が移動する右側錘経路と左側錘経路とを備える左右方向検知部と、前記第2の錘部材が移動する前側錘経路と、後側錘経路を備える前後方向検知部とを同一平面上に形成し、
前記第1の錘部材は前記左右方向検知部に、
前記第2の錘部材は前記前後方向検知部に配置し、
前記第2のケースに前記第1のケースをかぶせ、該第1のケースを、第1の組み合わせ位置まで移動させて装置の組立を行い、前記同一平面上に沿って第2の組み合わせ位置に移動させて検知可能状態とするものであり、
前記第1のケースは、複数の停止部材を備え、
該複数の停止部材は、前記第1の組み合わせ位置で前記右側錘経路、前記前側錘経路、前記後側錘経路に配置されて前記第1の錘部材および前記第2の錘部材の移動を禁止し、
前記複数の停止部材は、前記第2の組み合わせ位置で前記右側錘経路と左側錘経路から外れて衝撃検知を可能とする、
ことを特徴とする衝撃検知装置。 - 前記切換手段は、第1のケースに形成し、前記錘経路に突出する突出部を備え、
前記突出部は、前記検知状態において前記錘経路から退避した位置に配置し、前記規制状態で前記錘経路内に配置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置。 - 前記切換手段は、前記初期位置に配置された前記錘部材が移動する方向における錘経路内の空間を狭めることにより前記規制状態を実現することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衝撃検知装置。
- 被梱包物を梱包する梱包材の少なくとも一の表面に、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の衝撃検知装置を備えたことを特徴とする梱包装置。
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