JP6170442B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
このようなガスセンサとして、特定ガスの濃度検出を行うセンサ素子を主体金具に保持し、センサ素子の後端側の表面に配置された電極取出部(電極パッド)を筒状のセラミック製セパレータで囲んだ構造が一般的に用いられている。そして、セパレータに取付けられた端子金具がセンサ素子の各電極パッドにそれぞれ電気的に接続され、セパレータよりも後端側にはゴム製のグロメットが配置され、セパレータ及びグロメットが金属製の外筒に覆われている。又、端子金具にはリード線が接続され、リード線はグロメットの貫通孔を通して外部に引き出される。
ここで、セパレータと外筒との間には環状の留め金具が配置されている。留め金具は筒状の周壁部と、周壁部から径方向内部へ向けて折り返された複数の長片(バネ片)とを有しており、長片がセパレータの外側面に当接してセパレータを周壁部内で弾性的に保持している(特許文献1)。そして、セパレータの鍔部の先端向き面が留め金具の後端向き面に係止すると共に、セパレータの後端向き面がグロメットに係止することで、セパレータの先後が外筒内で固定されている。
そこで、本発明は、留め金具の変形を防止してセパレータの保持の確実性を高め、センサ素子との電気的接続の信頼性を維持すると共に、セパレータへの衝撃を低減することができるガスセンサの提供を目的とする。
留め金具を外筒に組み付ける際、セパレータを内包した留め金具を、治具を介して後端側へ強く押圧する。そこで、本発明のガスセンサによれば、セパレータの鍔部の先端向き面と折り返し部とが離間しているため、折り返し部が鍔部に押されて潰れることが抑制される。その結果、折り返し部の変形によって長片が径方向外側へ広がることが防止され、長片がセパレータの外側面に確実に接する。そのため、セパレータの保持の確実性を高め、センサ素子との電気的接続の信頼性を維持すると共に、セパレータへの衝撃を低減することができる
このガスセンサによれば、肩部が鍔部に押されて多少変形しても、鍔部の先端向き面と折り返し部とを確実に離間させることができ、折り返し部が鍔部に押されて潰れることがより確実に抑制される。
このガスセンサによれば、肩部の実際の長さは、肩部の軸線方向の長さLより長く、その分だけ肩部に弾性荷重が掛かったときの肩部の撓み量(ストローク)が大きくなる。従って、セパレータの軸線方向の振動や衝撃を、肩部の弾性力により吸収することができ、セパレータへの衝撃をより一層低減することができる。
このガスセンサによれば、テーパ面となる先端向き面が肩部に接する際、軸線の中心に保持され易くなり、セパレータを軸線の中心に確実に合わせて保持することができる。
このガスセンサによれば、長片の先端部が外側面に引っ掛ってセパレータをより確実に保持し、セパレータの位置ズレを抑制する。又、セパレータを保持する部位である肩部と長片との軸線方向の長さ(スパン)が長くなるので、セパレータの軸線方向のブレを一層抑制することができる。
まず、図1〜図3を参照し、本発明の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)100について説明する。図1はガスセンサ100の軸線O方向に沿う断面図、図2はセパレータ70、留め金具80の分解斜視図、図3はセパレータ70と留め金具80との係合状態を示す断面図である。なお、図1の下側(センサ素子10の検出部10aが位置する側)を「先端側」と称し、上側(センサ素子10の電極取出部(電極パッド)10eが位置する側)を「後端側」と称する。
なお、保持部材21及び滑石リング22は金属カップ20を介して主体金具2の内孔25内に収容されている。
なお、この例ではセンサ素子10は、固体電解質層表面に一対の電極を配置した構成の酸素センサ素子になっていて、又、セルを活性化させるためのヒータや、固体電解質層を保護するための絶縁層(アルミナ等)が積層されている。さらに、センサ素子10の検出部10aの表面を多孔質保護層12が覆っている。
セパレータ70は、先端側に筒状の外側面70cが設けられると共に、後端側には、外側面70cから拡径するように径方向外側に突出する鍔部70dが設けられている。そして、外側面70cと鍔部70dとは、先端に向かって縮径する先端向き面70b(テーパー面)により繋がっている。
そして、留め金具80の折り返し部80b側がセパレータ70の先端向き面70bに嵌め込まれ、肩部80eが鍔部70dの先端向き面70bに当接すると共に、内側凸部90a(の先端向き面)がセパレータ70の後端向き面70aに係止する。これにより、セパレータ70が先端側と後端側の上下で軸線O方向に挟まれつつ、軸線O方向に主体金具2(の後端部2a)と離間して保持される。又、長片80sは外側面70cに当接し、長片80sの弾性力により、外筒90に加えられた衝撃がセパレータ70に直接伝わらないようになっている。
さらに、外筒90の後端側が加締められ、グロメット50が外筒90内に保持されている。このようにして内部にセパレータ70及びグロメット50を保持した外筒90は、主体金具2の後端側に嵌合され、嵌合部を全周溶接して両者が接続される。
図3に示すように、セパレータ70の鍔部70dの先端向き面70bは、留め金具80の後端から突出する肩部80eと当接する。
このとき、肩部80eは折り返し部80bと軸線O方向に面一であるが、肩部80eが折り返し部80bよりも径方向内側に突出しているため、テーパ状の先端向き面70bとの位置関係で折り返し部80bが先端向き面70bと離間することになる。これにより、留め金具80を外筒90に組み付ける際、セパレータ70を内包した留め金具80を、治具を介して後端側へ強く押圧しても、留め金具80の折り返し部80bがセパレータ70の鍔部70dの先端向き面70bに押されて潰れることが抑制される。その結果、折り返し部80bの変形によって長片80sが径方向外側へ広がることが防止され、長片80sがセパレータ70の外側面70cに確実に当接する。そのため、セパレータ70の保持の確実性を高め、セパレータ70に保持された端子金具60とセンサ素子10の電極パッド10eとの電気的接続の信頼性を維持し、セパレータ70への衝撃を低減することができる。
但し、後述する図7に示すセパレータ72の場合、先端向き面72bが径方向に平行であるため、本例の留め金具80を用いた場合には折り返し部80bが先端向き面72bと接してしまう。従って、図7に示すセパレータ72の場合には、肩部が留め金具の後端(折り返し部)から突出している留め金具81、82(図4〜図7参照)を用いる必要がある。
さらに、本例では、長片80sの先端部80s1がセパレータ70の外側面70cに当接している。これにより、先端部80s1が外側面70cに引っ掛ってセパレータ70をより確実に保持し、セパレータ70の位置ズレを抑制する。又、セパレータ70を保持する部位である肩部80eと長片80sとの軸線O方向の長さ(スパン)が長くなるので、セパレータ70の軸線O方向のブレを一層抑制することができる。
通気孔50hには、筒状のフィルタ留め金具55と、フィルタ留め金具55の外側を覆う撥水性の通気フィルタ52が挿入されている。これにより、グロメット50の外部から基準ガス(大気)をガスセンサ内に導入可能になっている。通気フィルタ52はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなり、水滴を通さず大気を通すことができる。
フィルタ留め金具55は、金属製で後端側が閉じた有底円筒状をなしている。フィルタ留め金具55の後端向き面には中心孔55hが形成され、中心孔55hから通気フィルタ52を介して基準大気がガスセンサ内に流入する。一方、フィルタ留め金具55の先端側には径方向外側に突出するフランジ部55fが形成されている。又、グロメット50の先端向き面50a側にて、通気孔50hの周縁が後端側へ凹んで凹部50a1を形成し、フランジ部55fの後端向き面55aが凹部50a1に当接し(凹部50a1に収容され)、フィルタ留め金具55の後端側への脱落を防止する。
なお、凹部50a1は、リード孔51hよりも径方向外側まで延びている。そして、凹部50a1内に収容された通気フィルタ52の外周縁は、リード孔51hよりも径方向外側にはみ出している。
図4に示すように、留め金具81は金属製で略円筒状をなす周壁部81aと、周壁部81aの後端縁から径方向内部へ向けて折り返された折り返し部81bを介して先端側へ延び、周方向に等間隔で並ぶ複数の長片81s(この例では6個)を有している。又、周方向に沿って隣接する長片81sの間には、後端側へ突出する複数の肩部81e(この例では6個)がそれぞれ設けられている。つまり、留め金具81は肩部81eが異なること以外は、図2の留め金具80と同一の構成を有している。なお、肩部81eは周壁部81aの後端縁から径方向内部へ向け、かつ径方向に対して斜め上方(後端側)に延びている。
そして、図5に示すように、セパレータ70の鍔部70dの先端向き面70bは、留め金具81の肩部81eと当接する一方で、折り返し部81bは先端向き面70bと離間する。これにより、留め金具81の折り返し部81bがセパレータ70の鍔部70dに押されて潰れることが抑制される。
なお、本例では、折り返し部81bは肩部81eより軸線O方向の先端側に位置するため、折り返し部81bが鍔部70dの先端向き面70bと確実に離間する。そして、本例では、肩部81eが周壁部81aの後端から径方向内部へ向け、かつ径方向に対して斜めに延びている。このため、肩部81eの実際の長さは、肩部81eの軸線O方向にの長さLより長く、その分だけ肩部81eに弾性荷重が掛かったときの肩部81eの撓み量(ストローク)が大きくなる。従って、セパレータ70の軸線O方向の振動や衝撃を、肩部81eの弾性力により吸収することができ、セパレータ70への衝撃をより一層低減することができる。
図6に示すように、留め金具82は金属製で略円筒状をなす周壁部82aと、周壁部82aの後端縁から径方向内部へ向けて折り返された折り返し部82bを介して先端側へ延び、周方向に等間隔で並ぶ複数の長片82s(この例では6個)を有している。又、周方向に沿って隣接する長片82sの間には、折り返し部82bから軸線O方向に沿って後端側へ突出する複数の肩部82e(この例では6個)がそれぞれ設けられている。つまり、留め金具82は肩部82eが異なること以外は、図2の留め金具80と同一の構成を有している。
一方、図7に示すように、セパレータ72は先端側に筒状の外側面72cが設けられると共に、後端側には、外側面72cから拡径するように突出する鍔部72dが設けられている。そして、外側面72cと鍔部72dとは、径方向に平行な先端向き面72b(平坦面)により繋がっている。
そして、セパレータ72の先端向き面72bは、留め金具82の後端(折り返し部)から突出する肩部82eと当接する一方で、折り返し部82bは先端向き面72bと離間する。これにより、留め金具82の折り返し部82bがセパレータ72の鍔部72dに押されて潰れることが抑制される。
又、センサとしては、酸素センサの他、NOxセンサ、HC、H2等のガス濃度を測定するためのガスセンサに適用することもできる。
10 センサ素子
10a 検出部
70、72 セパレータ
70b、72b 鍔部の先端向き面
70c、72c セパレータの外側面
70d、72d セパレータの鍔部
80〜82 留め金具
80a〜82a 周壁部
80b〜82b 折り返し部
80e〜82e 肩部
80s〜82s 長片
80s1 長片の先端部
90 外筒
100 ガスセンサ
O 軸線方向
Claims (5)
- 軸線方向に延び、先端側に検出部を有するセンサ素子と、
前記センサ素子の周囲を取り囲む筒状の主体金具と、
径方向外側に突出する鍔部を有し、前記主体金具の後端側に配置されて前記センサ素子の後端側を取り囲む絶縁性のセパレータと、
前記セパレータを覆いつつ前記主体金具の後端側に配置される筒状の外筒と、
前記鍔部の先端向き面に接しつつ前記外筒に固定される環状の留め金具と、
を備えるガスセンサであって、
前記留め金具は、前記セパレータの外側面を取り囲む筒状の周壁部と、前記周壁部から径方向内部へ向けて折り返された折り返し部を介して先端側へ延びて前記セパレータの前記外側面に接し、前記セパレータを弾性的に保持する複数の長片と、周方向に沿って前記長片の間に設けられて前記鍔部の先端向き面に接する複数の肩部と、を有し、
前記鍔部の先端向き面と前記折り返し部とが離間しているガスセンサ。 - 前記肩部のうち前記鍔部の先端向き面に接する部位が、前記折り返し部よりも後端側に位置する請求項1記載のガスセンサ。
- 前記肩部は、前記周壁部から径方向内部へ向け、かつ径方向に対して斜めに延びている請求項1記載のガスセンサ。
- 前記鍔部の先端向き面は、先端に向かって窄まるテーパ状に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のガスセンサ。
- 前記長片の先端部が前記セパレータの前記外側面に接する請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
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