[実施形態の概要]
実施形態に係る通信制御方法は、直接的な端末間通信であるD2D通信を制御するための通信制御方法である。当該通信制御方法は、近傍端末を発見するD2D発見手順において送信されるD2D発見信号を受信したユーザ端末が、受信したD2D発見信号の送信元端末に関する問い合わせを送信するステップと、複数のPLMNのそれぞれで端末に割り当てられるローカルな発見識別子及び前記複数のPLMNのいずれにも関係なく端末に割り当てられるグローバルな発見識別子の少なくともどちらかの発見識別子を管理する管理サーバが、前記問い合わせを受信するステップと、前記問い合わせを受信した前記管理サーバが、前記D2D発見信号の送信元端末に関する所定情報を前記ユーザ端末に通知するステップと、を備える。前記問い合わせを送信するステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記受信したD2D発見信号に含まれる発見識別子を含む前記問い合わせを送信する。前記所定情報を通知するステップにおいて、前記管理サーバは、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子に基づいて、前記所定情報を前記ユーザ端末に通知する。
実施形態において、第1のPLMN内に設けられ、かつ前記管理サーバとは異なる管理ノードが、前記第1のPLMNで端末に割り当てられる発見識別子を管理している。前記通信制御方法は、前記管理ノードが、前記問い合わせを受信するステップと、前記D2D発見信号の送信元端末が前記第1のPLMNに属している場合に、前記問い合わせを受信した前記管理ノードが、前記管理サーバの代わりに、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子に基づいて、前記所定情報を前記ユーザ端末に通知するステップと、をさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記D2D発見信号の送信元端末が前記第1のPLMNに属していない場合に、前記管理ノードが、前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記管理サーバは、少なくとも前記グローバルな発見識別子を管理している。前記通信制御方法は、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子が前記グローバルな発見識別子である場合に、前記管理ノードが、前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記問い合わせに前記管理ノードに関係のある識別情報が含まれない場合に、前記管理ノードが、前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態において、前記管理ノードに関係のある識別情報は、前記管理ノードが属するPLMNを示す識別子である。
実施形態に係る通信制御方法は、前記第1のPLMN内に設けられる基地局が、前記第1のPLMNで端末に割り当てられる発見識別子のうち自セルに在圏する端末に割り当てられる発見識別子を管理している。前記通信制御方法は、前記基地局が、前記自セルに在圏する前記ユーザ端末から前記問い合わせを受信するステップと、前記問い合わせを受信した前記基地局が、前記D2D発見信号の送信元端末が前記自セルに在圏する場合に、前記管理サーバ及び前記管理ノードの代わりに、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子に基づいて、前記所定情報を前記ユーザ端末に通知するステップと、をさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記D2D発見信号の送信元端末が前記自セルに在圏していない場合に、前記基地局が、前記管理ノード又は前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記管理サーバは、少なくとも前記グローバルな発見識別子を管理している。前記通信制御方法は、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子が前記グローバルな発見識別子である場合に、前記基地局が、前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記問い合わせに前記基地局に関係のある識別情報が含まれない場合に、前記基地局が、前記管理ノード又は前記管理サーバに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態において、前記基地局に関係のある識別情報は、前記基地局を示す識別子又は前記自セルを示す識別子である。
実施形態において、第2のPLMN内に設けられ、かつ前記管理サーバとは異なる他の管理ノードが、前記第2のPLMNで端末に割り当てられる発見識別子を管理している。前記通信制御方法は、前記D2D発見信号の送信元端末が前記第2のPLMNに属している場合に、前記問い合わせを受信した管理サーバ又は前記問い合わせを受信した前記管理ノードが、前記他の管理ノードに前記問い合わせを転送するステップをさらに備える。
実施形態に係る通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記ユーザ端末が在圏するセルと異なる他のセルから前記他のセルに関する識別情報を受信するステップをさらに備える。前記ユーザ端末が前記問い合わせを送信するステップにおいて、前記ユーザ端末は、前記他のセルに関する識別情報を含む前記問い合わせを送信する。
実施形態において、前記所定情報は、前記D2D発見信号の送信元端末を示す端末識別子を含む。
実施形態において、前記所定情報は、前記D2D発見信号の送信元端末が行う前記D2D通信の内容及び前記D2D発見信号の送信元端末が行う前記D2D通信に用いられるアプリケーションの少なくとも何れかを示す情報を含む。
実施形態に係る管理サーバは、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。当該管理サーバは、近傍端末を発見するD2D発見手順において送信されるD2D発見信号を受信したユーザ端末から、受信したD2D発見信号の送信元端末に関する問い合わせを受信する受信部と、複数のPLMNのそれぞれで端末に割り当てられるローカルな発見識別子及び前記複数のPLMNのいずれにも関係なく端末に割り当てられるグローバルな発見識別子の少なくともどちらかの発見識別子を管理する制御部と、を備える。前記制御部は、前記D2D発見信号の送信元端末に関する所定情報を前記ユーザ端末に通知する制御を行う。前記受信部は、前記受信したD2D発見信号に含まれる発見識別子を含む前記問い合わせを受信する。前記制御部は、前記問い合わせに含まれる前記発見識別子に基づいて、前記所定情報を前記ユーザ端末に通知する制御を行う。
実施形態に係るユーザ端末は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。当該ユーザ端末は、近傍端末を発見するD2D発見手順において送信されるD2D発見信号を受信する受信部と、受信したD2D発見信号の送信元端末に関する問い合わせを、複数のPLMNのそれぞれで端末に割り当てられるローカルな発見識別子及び前記複数のPLMNのいずれにも関係なく端末に割り当てられるグローバルな発見識別子の少なくともどちらかの発見識別子を管理する管理サーバに送信する送信部と、を備える。前記送信部は、前記受信したD2D発見信号に含まれる発見識別子を含む前記問い合わせを送信する。
[実施形態]
以下において、本発明をLTEシステムに適用する場合の実施形態を説明する。
(システム構成)
図1は、実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、実施形態に係るLTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータのルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能などを有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
EPC20は、コアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20によりLTEシステムのネットワーク(LTEネットワーク)が構成される。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300及び管理サーバ(Server♯1〜♯3)を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御などを行う。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。管理サーバは、Discovery信号に関する情報を管理する。管理サーバの詳細については、後述する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101、無線送受信機110、ユーザインターフェイス120、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130、バッテリ140、メモリ150、及びプロセッサ160を備える。メモリ150は記憶部に相当し、プロセッサ160は制御部に相当する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160により実行されるプログラム、及びプロセッサ160による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201、無線送受信機210、ネットワークインターフェイス220、メモリ230、及びプロセッサ240を備える。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ240’としてもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240により実行されるプログラム、及びプロセッサ240による処理に使用される情報を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式)、UE100への割当リソースブロックを決定(スケジューリング)するスケジューラを含む。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してユーザデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンク(DL)にはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンク(UL)にはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルによりリソースエレメントが構成される。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより構成され、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により構成される。
(D2D近傍サービス)
以下において、D2D近傍サービスについて説明する。実施形態に係るLTEシステムは、D2D近傍サービスをサポートする。D2D近傍サービスについては非特許文献1に記載されているが、ここではその概要を説明する。
D2D近傍サービス(D2D ProSe)は、同期がとられた複数のUE100からなる同期クラスタ内で直接的なUE間通信を可能とするサービスである。D2D近傍サービスは、近傍UEを発見するD2D発見手順(Discovery)と、直接的なUE間通信であるD2D通信(Communication)と、を含む。D2D通信は、Direct communicationとも称される。
同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ内に位置するシナリオを「カバレッジ内(In coverage)」という。同期クラスタを形成する全UE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「カバレッジ外(Out of coverage)」という。同期クラスタのうち一部のUE100がセルカバレッジ内に位置し、残りのUE100がセルカバレッジ外に位置するシナリオを「部分的カバレッジ(Partial coverage)」という。
カバレッジ内では、例えばeNB200がD2D同期元となる。D2D非同期元は、D2D同期信号を送信せずにD2D同期元に同期する。D2D同期元であるeNB200は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、ブロードキャスト信号により送信する。D2Dリソース情報は、例えば、D2D発見手順に使用可能な無線リソースを示す情報(Discoveryリソース情報)及びD2D通信に使用可能な無線リソースを示す情報(Communicationリソース情報)を含む。D2D非同期元であるUE100は、eNB200から受信するD2Dリソース情報に基づいて、D2D発見手順及びD2D通信を行う。
カバレッジ外又は部分的カバレッジでは、例えばUE100がD2D同期元となる。カバレッジ外では、D2D同期元であるUE100は、D2D近傍サービスに使用可能な無線リソースを示すD2Dリソース情報を、例えばD2D同期信号により送信する。D2D同期信号は、端末間同期を確立するD2D同期手順において送信される信号である。D2D同期信号は、D2DSS及び物理D2D同期チャネル(PD2DSCH)を含む。D2DSSは、時間・周波数の同期基準を提供する信号である。PD2DSCHは、D2DSSよりも多くの情報を運搬する物理チャネルである。PD2DSCHは、上述したD2Dリソース情報(Discoveryリソース情報、Communicationリソース情報)を運搬する。或いは、D2DSSにD2Dリソース情報を関連付けることにより、PD2DSCHを不要としてもよい。
D2D発見手順は、主にD2D通信をユニキャストで行う場合に利用される。一のUE100は、他のUE100とのD2D通信を開始しようとする場合に、D2D発見手順に使用可能な無線リソースのうち何れかの無線リソースを用いて、Discovery信号(D2D発見信号)を送信する。当該他のUE100は、当該一のUE100とのD2D通信を開始しようとする場合に、D2D発見手順に使用可能な無線リソース内でDiscovery信号をスキャンし、Discovery信号を受信する。Discovery信号は、当該一のUE100がD2D通信に使用する無線リソースを示す情報を含んでもよい。
(発見信号リスト)
以下において、発見信号リスト(Discovery Signal List)について説明する。発見信号リストは、D2D発見信号を送信するUE100に割り当てられるDiscovery識別子に関するリストである。発見信号リストでは、UE100に割り当てられたDiscovery識別子と当該UE100を示すUE識別子(UE ID)とが対応付けられている。
発見信号リストは、Discovery識別子が割り当てられたUE100が行うD2D通信の内容を示す情報を含んでもよい。D2D通信の内容とは、例えば、D2D通信の用途(例えば、広告配信用)、D2D通信の内容(例えば、広告の内容)などである。
発見信号リストは、Discovery識別子が割り当てられたUE100が行うD2D通信に用いられるアプリケーションを示す情報を含んでもよい。
発見信号リストは、Discovery識別子が割り当てられたUE100が属するPLMNにおいて、D2D通信(Communication)に用いられる時間・周波数リソースであるD2D通信リソースに関するリソース情報を含んでもよい。
リソース情報は、D2D通信リソースの周波数(周波数帯)に関する周波数リソース情報を含む。周波数リソース情報は、UE100が属するPLMNにおけるD2D通信リソースの周波数帯の中心周波数を示す情報と、UE100が属するPLMNにおけるD2D通信リソースの周波数帯の帯域幅を示す情報と、を含む。周波数リソース情報は、UE100が在圏するセル(eNB200)において使用可能なD2D通信リソースのオペレーションバンドを示す情報であってもよい。また、周波数リソース情報は、当該オペレーションバンド内のリソースブロック番号を含んでもよい。
また、リソース情報は、UE100が属するPLMNにおけるD2D通信リソースの時間に関する時間リソース情報を含む。時間リソース情報は、システムフレーム番号、サブフレーム番号、開始/終了サブフレーム、送信期間、のうち少なくとも1つである。
発見信号リストは、UE100に割り当てたDiscovery識別子の有効期限を示す情報を含んでもよい。
本実施形態において、eNB200、PLMN内に設けられるサーバであるPLMN内サーバ、及びPLMN外に設けられるサーバであるPLMN外サーバのそれぞれが、発見信号リストを保持する。本実施形態では、PLMN内サーバが管理ノードに相当し、PLMN外サーバが管理サーバに相当する。PLMN外サーバは、いずれのPLMNにも属さずに独立したサーバであり、第3者サーバ(third party server)である。
ここで、Discovery識別子は、複数のPLMNのそれぞれでUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子と、複数のPLMNのいずれにも関係なくUE100に割り当てられるグローバルなDiscovery識別子と、を含む。ローカルなDiscovery識別子は、PLMNに依存するDiscovery識別子であり、割り当てられたPLMN内でのみ固有のDiscovery識別子である。一方、グローバルなDiscovery識別子は、PLMNに依存しないDiscovery識別子であり、複数のPLMN(世界中のPLMN)において固有のDiscovery識別子である。
PLMN内サーバは、自PLMNで割り当てられるローカルなDiscovery識別子を管理し、自PLMNに属するUE100に対して、ローカルなDiscovery識別子を割り当てる。PLMN内サーバは、自PLMNで割り当てられるDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する。
eNB200は、eNB200が属するPLMNでUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子のうち自セルに在圏するUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子を管理する。eNB200は、自セルに在圏するUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する。
PLMN外サーバは、複数のPLMNのそれぞれでUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子及び複数のPLMNのいずれにも関係なくUE100に割り当てられるグローバルなDiscovery識別子の少なくともどちらかのDiscovery識別子を管理する。PLMN外サーバは、PLMNに関係なく、UE100にグローバルなDiscovery識別子を割り当てる。PLMN外サーバは、複数のPLMNのそれぞれでUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子及びグローバルなDiscovery識別子の少なくとも何れかのDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する。
UE100は、Discovery識別子を保持していない、或いは、Discovery識別子の有効期限が切れている場合、Discovery信号を送信する前に、Discovery識別子を要求する。UE100は、ローカルなDiscovery識別子(すなわち、UE100が属するPLMN内でのみ固有のDiscovery識別子)を要求する場合、PLMN内サーバ又はUE100が在圏するセルを管理するeNB200にDiscovery識別子を要求できる。UE100は、グローバルなDiscovery識別子を要求する場合、PLMN外サーバにDiscovery識別子を要求できる。
UE100は、UE100を示すUE識別子を当該要求に含める。なお、UE100は、グローバルなDiscovery識別子を要求する場合、PLMNに依存しないUE固有の識別子(例えば、電話番号)を当該要求に含めてもよい。また、UE100は、D2D通信の内容を示す情報を当該要求に含めてもよい。或いは、UE100は、D2D通信に用いられるアプリケーションを示す情報を当該要求に含めてもよい。
eNB200及び/又はPLMN内サーバは、ローカルなDiscovery識別子の要求を受信した場合、或いは、要求するDiscovery識別子がグローバルなDiscovery識別子であることを明示していないDiscovery識別子の要求を受信した場合、ローカルなDiscovery識別子をUE100に割り当てる。eNB200及び/又はPLMN内サーバは、Discovery識別子をUE100に割り当てた場合、UE100の識別子と割り当てたDiscovery識別子とを対応付けて記録し、発見信号リストを更新する。なお、eNB200及びPLMN内サーバは、グローバルなDiscovery識別子の要求を受信した場合、PLMN外サーバに当該要求を転送する。
一方、PLMN外サーバは、グローバルなDiscovery識別子の要求を受信した場合、グローバルなDiscovery識別子をUE100に割り当てる。PLMN外サーバは、Discovery識別子をUE100に割り当てた場合、UE100の識別子と割り当てたDiscovery識別子とを対応付けて記録し、発見信号リストを更新する。
PLMN内サーバは、Discovery識別子をUE100に割り当てた場合、割り当てたDiscovery識別子を含む当該UE100に関する情報を、PLMN外サーバに通知してもよい。PLMN外サーバは、当該情報に基づいて、保持する発見信号リストを更新できる。また、PLMN内サーバは、当該情報を、Discovery識別子を割り当てたUE100が在圏するセルを管理するeNB200に通知してもよい。eNB200は、当該情報に基づいて、保持する発見信号リストを更新できる。
eNB200は、Discovery識別子をUE100に割り当てた場合、割り当てたDiscovery識別子を含む当該UE100に関する情報を、PLMN内サーバに通知してもよい。PLMN内サーバは、当該情報に基づいて、保持する発見信号リストを更新できる。また、eNB200は、当該情報を、PLMN外サーバに通知してもよい。PLMN外サーバは、当該情報に基づいて、保持する発見信号リストを更新できる。
(実施形態に係る動作)
以下において、実施形態に係る動作パターンについて説明する。
(A)動作パターン1
動作パターン1について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、動作パターン1に係る動作環境を示す図である。図7は、動作パターン1に係るシーケンス図である。
図6に示すように、eNB200#1Aは、ネットワークオペレータ#1のLTEネットワークであるPLMN#1に含まれている。PLMN#1には、周波数帯#1(freq1)が割り当てられている。eNB200#1Aは、周波数帯#1のセル#1Aを管理する。eNB200♯1Aは、自セルであるセル♯1Aに在圏するUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リスト(eNB200♯1における発見信号リスト)を保持する。
UE100#1Aは、セル#1Aに在圏しており、PLMN#1に位置登録を行っている。すなわち、UE100#1Aは、PLMN#1に属する。例えば、UE100#1Aは、セル#1AにおいてRRCアイドル状態である。或いは、UE100#1Aは、セル#1AにおいてRRCコネクティッド状態であってもよい。
eNB200#1Bは、ネットワークオペレータ#1のLTEネットワークであるPLMN#1に含まれている。eNB200#1Bは、周波数帯#1のセル#1Bを管理する。セル#1Bは、セル#1Aと異なるセルである。本実施形態において、セル♯1Bは、セル♯1Aの近隣に位置する。セル♯1Bは、セル♯1Aの隣接セルであり、セル♯1Aと一部が重なっている。eNB200#1Bは、eNB200#1Aと同期がとられている。或いは、eNB200#1Bは、eNB200#1Aと非同期であってもよい。eNB200♯1Bは、セル♯1Bに在圏するUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リスト(eNB200♯1Bにおける発見信号リスト)を保持する。
UE100#1Bは、セル#1Bに在圏しており、PLMN#1に位置登録を行っている。すなわち、UE100#1Bは、PLMN#1に属する。例えば、UE100#1Bは、セル#1BにおいてRRCアイドル状態である。或いは、UE100#1Bは、セル#1BにおいてRRCコネクティッド状態であってもよい。
eNB200#2は、ネットワークオペレータ#2のLTEネットワークであるPLMN#2に含まれている。PLMN#2には、周波数帯#2(freq2)が割り当てられている。eNB200#2は、周波数帯#2のセル#2を管理する。セル#2は、セル#1A及びセル1Bと異なるセルである。本実施形態において、セル♯2は、セル♯1Bの近隣に位置する。セル♯2は、セル♯1Bの隣接セルであり、セル♯1Bと重なっている。eNB200#2は、eNB200#1Bと同期がとられている。或いは、eNB200#2は、eNB200#1Bと非同期であってもよい。eNB200♯2は、セル♯2に在圏するUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リスト(eNB200♯1Bにおける発見信号リスト)を保持する。
UE100#2は、セル#2に在圏しており、PLMN#2に位置登録を行っている。すなわち、UE100#2は、PLMN#2に属する。UE100#2は、セル#2においてRRCアイドル状態である。或いは、UE100#2は、セル#2においてRRCコネクティッド状態であってもよい。
Server♯1は、PLMN♯1に属するPLMN内サーバである。Server♯1は、eNB200♯1A及びeNB200♯1Bの上位サーバであり、eNB200♯1A及びeNB200♯1Bのそれぞれと接続している。Server♯1は、PLMN♯1で割り当てられるDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する。
Server♯2は、PLMN♯2に属するPLMN内サーバである。Server♯2は、eNB200♯2の上位サーバであり、eNB200♯2と接続している。Server♯2は、PLMN♯2で割り当てられるDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する。
Server♯3は、PLMN♯1及びPLMN♯2に属さないPLMN外サーバである。Server♯2は、Server♯1及びServer♯2の上位サーバであり、Server♯1及びServer2と接続している。本実施形態において、Server3は、PLMN♯1及びPLMN♯2のいずれにも関係なくUE100に割り当てられるグローバルなDiscovery識別子に関する発見信号リスト(Global Discovery Signal List)を保持する。
このような動作環境において、上述したD2D近傍サービスを各UE100に適用するケースを想定する。
動作パターン1では、UE100♯1Bが、Discovery信号を送信し、UE100♯1Aが、Discovery信号を受信するケースについて説明する。従って、動作パターン1では、UE100♯1Aが、同一のセルに在圏するUE100♯1BからDiscovery信号を受信するケースである。動作パターン1では、UE100♯1Bは、Server♯1或いはeNB200♯1BにローカルなDiscovery識別子を割り当てられていると仮定して説明を進める。
図6及び図7に示すように、ステップS101において、eNB200♯1Bは、周波数帯♯1で、報知信号をブロードキャストで送信する。報知信号は、eNB200♯1Bが属するPLMN♯1のPLMN識別子(PLMN♯1)及びeNB200♯1Bの識別子(eNB200♯1B)を含む。UE100♯1Aは、eNB200♯1B(セル♯1B)からの報知信号を受信する。
ステップS102において、UE100♯1Bは、周波数帯♯1で、Discovery信号を送信する。ここで、Discovery信号に含まれる情報をDiscovery1Bとする。Discovery1Bは、UE100♯1Bに割り当てられたローカルなDiscovery識別子を含む。UE100♯1Aは、Discovery信号を受信する。
ステップS103において、UE100♯1Aは、周波数帯♯1で、受信したDiscovery信号の送信元端末に関する問い合わせであるDiscovery問合せをeNB200♯1Aに送信する。UE100♯1Aは、Discovery信号の送信元端末とD2D通信を行うか否かを判断するために、Discovery問合せを送信できる。具体的には、UE100♯1Aは、Discovery信号の送信元端末を特定できない場合、或いは、Discovery信号の送信元端末が行うD2D通信の内容を知りたい場合に、Discovery問合せを送信できる。
UE100♯1Aは、受信したDiscovery信号に含まれるDiscovery識別子(Discovery1B)を含むDiscovery問合せを送信する。また、UE100♯1Aは、他セルに在圏するUEからのDiscovery信号を受信した可能性がある場合、他セルに関する識別情報を含むDiscovery問合せを送信できる。例えば、UE100♯1Aは、他セルからの無線信号を受信する場合、他セルに在圏するUEからのDiscovery信号を受信した可能性があると判定する。
他セルに関する識別情報は、他セルからの報知情報に含まれる識別情報である。本実施形態において、当該識別情報は、PLMN♯1を示すPLMN識別子及びeNB200♯1Bの識別子である。従って、Discovery問合せは、PLMN♯1を示す識別子及びeNB200♯1Bの識別子を含む。なお、Discovery問合せの送信元であるUE100♯1Aの識別子も含む。なお、他セルに関する識別情報は、セルを示す識別子(セルID、セルグローバルID(ECGI))であってもよい。
eNB200♯1Aは、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。動作パターン1において、eNB200♯1Aは、Discovery問合せに応答しないと判定したと仮定して説明を進める。
ステップS104において、eNB200♯1Aは、UE100♯1AからのDiscovery問合せを上位サーバであるServer♯1に転送する。Server♯1は、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。動作パターン1では、eNB200♯1Aは、Discovery問合せに応答すると判定したと仮定して説明を進める。
Server♯1は、Discovery問合せ及び保持する発見信号リストに基づいて、Discovery問い合わせに含まれるDiscovery識別子が割り当てられたUE100♯1Bを特定する。
ステップS105において、Server♯1は、Discovery問合せ応答をeNB200♯1Aに送信する。Discovery問合せ応答は、Discovery信号を送信したUE100♯1Bに関する情報(UE100♯1B情報)を含む。具体的には、UE100♯1B情報は、UE100♯1Bを示すUE識別子を含む。また、UE100♯1B情報は、UE100♯1Bが行うD2D通信の内容を示す情報、及び/又は、UE100♯1Bが行うD2D通信に用いられるアプリケーションを示す情報の少なくとも何れかを示す情報を含んでもよい。
ステップS106において、eNB200♯1Aは、周波数帯♯1で、Server♯1から受信したDiscovery問合せ応答をUE100♯1Aに送信する。UE100♯1Aは、Discovery問合せ応答(UE100♯1B情報)を受信する。これにより、UE100♯1Aは、受信したDiscovery信号の送信元端末であるUE100♯1Bに関する情報を知ることができる。これにより、UE100♯1Aは、UE100♯1Bに関する情報をユーザインターフェイス120に表示することができる。UE100♯1Aのユーザは、UE100♯1BとD2D通信を行うか否かを判定できる。或いは、UE100♯1Aは、UE100♯1Bの識別子が、D2D通信の相手端末としてメモリ150に登録されている場合、UE100♯1BとのD2D通信を行うと決定してもよい。また、UE100♯1Aは、UE100♯1B情報に含まれるD2D通信の内容を示す情報及び/又はD2D通信に用いられるアプリケーションを示す情報が、ユーザの好みの情報として、メモリ150に登録されている場合、UE100♯1BとのD2D通信を行うと決定してもよい。
なお、UE100♯1Aは、実際にD2D通信を行わなくても、UE100♯1Aのユーザが希望するD2D通信か否かを判断できるため、不要なD2D通信を行うことを避けることができる。
動作パターン1によれば、Server♯1がDiscovery問合せを受信する。UE100♯1BがPLMN♯1に属している場合に、Discovery問合せを受信したServer♯1が、Server♯3の代わりに、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子に基づいて、Discovery問合せ応答をUE100♯1Aに通知する。このため、Server♯3にDiscovery問合せが集中しないため、ネットワーク効率の低減を抑制できる。
(B)動作パターン2
次に、動作パターン2について、図8及び図9を用いて説明する。図8は、動作パターン2に係る動作環境を示す図である。図9は、動作パターン2に係るシーケンス図である。動作パターン1と同じ部分は、適宜説明を省略する。
動作パターン1では、UE100♯1Aが、同一のセルに在圏するUE100♯1BからDiscovery信号を受信するケースであった。動作パターン2では、UE100♯1Bが、Discovery信号を送信し、UE100♯2が、Discovery信号を受信するケースである。すなわち、動作パターン2では、UE100♯2が、異なるPLMNに属するUE100♯1BからDiscovery信号を受信するケースである。動作パターン2では、UE100♯1Bは、Server♯3からグローバルなDiscovery識別子を割り当てられていると仮定して説明を進める。
図8及び図9に示すように、ステップS201は、ステップS101に対応する。動作パターン2では、UE100♯2が、eNB200♯1Bからの報知信号を受信する。
ステップS202は、ステップS102に対応する。動作パターン2では、UE100♯2が、UE100♯1BからのDiscovery信号を受信する。Discovery信号は、グローバルフラグ(Global flag)情報を含む。グローバルフラグ情報は、Discovery信号に含まれるDiscovery識別子が、グローバルなDiscovery識別子であるか否かを示す情報である。具体的には、グローバルフラグがオン(ON)である場合、Discovery信号に含まれるDiscovery識別子が、グローバルなDiscovery識別子であることを示す。一方、グローバルフラグがオフ(OFF)である場合、Discovery信号に含まれるDiscovery識別子が、ローカルなDiscovery識別子であることを示す。
UE100♯1Bは、グローバルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信する場合、グローバルフラグがオンであることを示すグローバルフラグ情報をDiscovery信号に含めることができる。一方、UE100♯1Bは、ローカルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信する場合、グローバルフラグがオフであることを示すグローバルフラグ情報をDiscovery信号に含めることができる。或いは、UE100♯1Bは、グローバルフラグ情報を含まないDiscovery信号を送信できる。
UE100♯1Bは、グローバルフラグがオンであることを示すグローバルフラグ情報を含むDiscovery信号を送信したと仮定して説明を進める。
ステップS203において、UE100♯2は、周波数帯♯2で、Discovery問合せをeNB200♯2に送信する。Discovery問合せは、受信したDiscovery信号に含まれていたグローバルフラグ情報を含む。その他は、ステップS103と同様である。
eNB200♯2は、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。動作パターン2において、eNB200♯2は、UE100♯2からのDiscovery問合せに応答しないと判定したと仮定して説明を進める。
ステップS204において、eNB200♯2は、UE100♯2からのDiscovery問合せを上位サーバであるServer♯2に転送する。なお、eNB200♯2は、受信したDiscovery問合せに含まれるグローバルフラグ情報がグローバルフラグがオンであることを示すため、送信(転送)するDiscovery問合せにPLMN♯1及びeNB200♯1Bの識別子を含めない。Server2は、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。動作パターン2では、eNB200♯2は、Discovery問合せに応答しないと判定したと仮定して説明を進める。
ステップS205において、Server♯2は、受信したDiscovery問合せを上位サーバであるServer♯3に転送する。Server♯3は、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。具体的な判定方法については、後述する。動作パターン2では、Server♯3は、Discovery問合せに応答すると判定したと仮定して説明を進める。
Server♯3は、Discovery問合せ及び保持する発見信号リストに基づいて、Discovery問い合わせに含まれるグローバルなDiscovery識別子が割り当てられたUE100♯1Bを特定する。
ステップS206において、Server♯3は、Discovery問合せ応答を、Server2を介してeNB200♯2に送信する。
ステップS207において、eNB200♯2は、周波数帯♯2で、Server♯2を介してServer♯3から受信したDiscovery問合せ応答をUE100♯2に送信する。UE100♯2は、Discovery問合せ応答(UE100♯1B情報)を受信する。
動作パターン2によれば、Server♯3がDiscovery問合せを受信する。Server♯3は、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子に基づいて、異なるPLMNに属するUE100♯1Bに関する情報を含むDiscovery問合せ応答をUE100♯2に通知する。このため、UE100♯2は、異なるPLMNに属するUE100♯1Bに関する情報を知ることができる。
(C)動作パターン3
次に、動作パターン3について、図10及び図11を用いて説明する。図10は、動作パターン3に係る動作環境を示す図である。図11は、動作パターン3に係るシーケンス図である。動作パターン1及び2と同じ部分は、適宜説明を省略する。
動作パターン2では、Server♯3が、Discovery問合せに応答すると判定したケースであった。動作パターン3では、Server3が、Discovery問合せに応答しないと判定するケースである。動作パターン3では、UE100♯1Bは、Server♯1或いはeNB200♯1BにローカルなDiscovery識別子を割り当てられていると仮定して説明を進める。
図10及び図11に示すように、ステップS301は、ステップS201に対応する。
ステップS302において、UE100♯1Bは、ローカルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信する。UE100♯2は、UE100♯1BからのDiscovery信号を受信する。UE100♯1Bが、ローカルなDiscovery識別子をDiscovery信号に含めるため、Discovery信号は、グローバルフラグ(Global flag)情報を含まない。なお、UE100♯1B、Discovery信号は、グローバルフラグがオフであることを示すグローバルフラグ情報を含むDiscovery信号を送信してもよい。
ステップS303において、UE100♯2は、ステップS103と同様に、周波数帯♯2で、Discovery問合せをeNB200♯2に送信する。
ステップS304は、ステップS104に対応する。
ステップS305において、Server♯3は、Discovery問合せを受信した場合、当該Discovery問合せに応答するか否かを判定する。動作パターン3では、Server♯3は、Discovery問合せに応答しないと判定したと仮定して説明を進める。
ステップS306において、Server♯3は、Discovery問合せに含まれるPLMN♯1の識別子に基づいて、PLMN♯1のServer♯1に転送する。Server♯1は、Discovery問合せ及び保持する発見信号リストに基づいて、Discovery問い合わせに含まれるDiscovery識別子が割り当てられたUE100♯1Bを特定する。
ステップS307において、Server♯1は、Discovery問合せ応答を、Server♯3に送信する。
ステップS308及びS309は、ステップS206及びS207に対応する。
動作パターン3によれば、Discovery信号の送信元端末であるUE100♯1BがPLMN♯1に属している場合、Server♯3は、PLMN♯1内に設けられるServer♯1にDiscovery問合せを転送する。このため、Server♯1が、Server♯3の代わりに、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子に基づいて、Discovery問合せ応答をServer♯2及びServer♯3を介してE100♯2に通知する。このため、Server♯3がDiscovery信号の送信元端末を特定しないですむため、Server♯3に負荷が集中することを低減することができる。
(Discovery問合せ応答に関する判定)
次に、Discovery問合せ応答に関する判定について図12から図14を用いて説明する。図12は、実施形態に係るeNB200の判定動作を説明するためのフローチャートである。図13は、実施形態に係るPLMN内サーバの判定動作を説明するためのフローチャートである。図14は、実施形態に係るPLMN外サーバの判定動作を説明するためのフローチャートである。
(A)eNB200の判定動作
eNB200が、Discovery問合せ応答を行うか否かの判定動作について、図12を用いて説明する。
図12に示すように、ステップS401において、eNB200は、Discovery問合せを受信する。Discovery問合せは、受信したDiscovery信号に含まれる情報(Discovery signal)を含む。当該情報は、Discovery識別子を含む。また、Discovery問合せは、例えば、PLMNの識別子(PLMN ID)、eNBの識別子(eNB ID)、及び、グローバルフラグ情報(Global flag)を含むことができる。
ステップS402において、eNB200は、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子がグローバルなDiscovery識別子であるか否かを判定する。Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子がグローバルなDiscovery識別子である(すなわち、グローバルフラグがオンである)場合、ステップS403の処理を実行し、そうでない(すなわち、グローバルフラグがオフである)場合、ステップS404の処理を実行する。
ステップS403において、eNB200は、Discovery問合せを上位サーバ(Server♯1(Server♯2)、或いはServer♯3)に転送する。すなわち、eNB200は、Discovery問合せに応答しないと判定する。その後、eNB200は、処理を終了する。
ステップS404において、eNB200は、Discovery問合せに含まれるeNB200の識別子が、自身(eNB200)の識別子と一致するか否かを判定する。すなわち、eNB200は、Discovery信号の送信元端末が自セルに在圏しているか否かを判定する。eNB200は、これらの識別子が異なる場合、ステップS405の処理を実行し、そうでない(これらの識別子が一致する)場合、ステップS406の処理を実行する。
また、eNB200は、Discovery問合せにセル識別子が含まれる場合、Discovery問合せにセル識別子が自セルの識別子と一致するか否かを同様に判定する。
なお、eNB200は、これらの識別子がDiscovery問合せに含まれない場合、ステップ405の処理を実行する。
ステップS405において、eNB200は、Discovery問合せを上位サーバに転送する。すなわち、eNB200は、Discovery問合せに応答しないと判定する。その後、eNB200は、処理を終了する。eNB200は、Discovery信号の送信元端末が自セルに在圏していない場合、Discovery問合せを上位サーバに転送できるため、結果として、Discovery信号の送信元端末が効率よく特定できる。
ステップS406において、eNB200は、Discovery問合せに応答すると判定し、発見信号リストを参照する。eNB200は、発見信号リストを参照した結果、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子が発見信号リストに含まれる場合、当該Discovery識別子に対応するUE100を特定し、Discovery問合せ応答を生成する。
なお、eNB200は、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子が発見信号リストに含まれない場合、ステップ405の処理を実行する。
ステップS407において、eNB200は、Discovery問合せ応答をUE100に送信(通知)する。eNB200が、Server♯1(Server♯2)及びServer♯3の代わりに、Discovery問合せに応答するため、シグナリングが減少し、ネットワークの負荷を低減することができる。
(B)PLMN内サーバ(Server♯1、Server♯2)
次に、PLMN内サーバ(以下、Server♯1と適宜称する)が、Discovery問合せ応答を行うか否かの判定動作について、図13を用いて説明する。
図13に示すように、ステップS501において、Server♯1は、Discovery問合せを受信する。
ステップS502及びS503は、ステップS402及びS403に対応する。
ステップS504において、Server♯1は、Discovery問合せに含まれるPLMNの識別子が、自身(Server♯1)の属するPLMNと一致するか否かを判定する。すなわち、Server♯1は、Discovery信号の送信元端末が自PLMNに属しているか否かを判定する。Server♯1は、これらの識別子が異なる場合、ステップS505の処理を実行し、そうでない(これらの識別子が一致する)場合、ステップS506の処理を実行する。
なお、Server♯1は、PLMNの識別子がDiscovery問合せに含まれない場合、ステップ505の処理を実行する。Server♯1は、Discovery信号の送信元端末が自PLMNに属していない場合、Discovery問合せを上位サーバであるServer♯3に転送できるため、結果として、Discovery信号の送信元端末が効率よく特定できる。
ステップS505からS507は、ステップS405からS407に対応する。なお、S505において、Server♯1は、Server♯3に転送せずに、Discovery問合せに含まれるPLMN識別子に基づいて、他のPLMNに属する管理サーバ(例えば、Server♯2)に、Discovery問合せを転送してもよい。これにより、Server♯3に負荷が集中することを低減することができる。
なお、eNB200は、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子が発見信号リストに含まれない場合、ステップ505の処理を実行する。
(C)PLMN外サーバ(Server♯3)
次に、PLMN外サーバ(以下、Server♯3と適宜称する)が、Discovery問合せ応答を行うか否かの判定動作について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、ステップS601において、Server♯3は、Discovery問合せを受信する。
ステップS602において、Server♯3は、Discovery問合せに含まれるDiscovery識別子がグローバルなDiscovery識別子である(すなわち、グローバルフラグがオンである)場合、ステップS603の処理を実行し、そうでない(すなわち、グローバルフラグがオフである)場合、ステップS605の処理を実行する。
ステップS603において、Server♯3は、Discovery問合せに応答すると判定し、グローバルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを参照する。Server♯3は、発見信号リストを参照した結果、当該Discovery識別子に対応するUE100を特定し、Discovery問合せ応答を生成する。
ステップS604は、ステップS407に対応する。
一方、ステップS605において、Server♯3は、Discovery問合せに含まれるPLMNの識別子に基づいて、PLMNの識別子が示すPLMNに属するPLMN内サーバにDiscovery問合せを転送する。これにより、Server♯3に負荷が集中することを低減することができる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、Server♯3(PLMN外サーバ)は、グローバルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持していたが、これに限られない。Server♯3は、複数のPLMNでUE100に割り当てられるDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持していてもよい。例えば、Server♯3は、Server♯1でUE100に割り当てられるDiscovery識別子に関する第1の発見信号リストと、Server♯2でUE100に割り当てられるDiscovery識別子に関する第2の発見信号リストを保持していてもよい。Server♯3は、複数のPLMNのそれぞれでUE100に割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リストとグローバルなDiscovery識別子に関する発見信号リストとを保持していてもよい。
ローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持するServer♯3は、各PLMNに属するPLMN内サーバのそれぞれからなる複数のPLMN内サーバから発見信号リストの更新情報を受信し、Server♯3が保持するローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを更新する。Server♯3は、複数のPLMN内サーバに更新情報を要求してもよいし、複数のPLMN内サーバのそれぞれが定期的に、或いは、所定のトリガ(例えば、PLMN内サーバが保持する発見信号リストの更新)に応じて、更新情報をServer♯3に送信してもよい。
上述した実施形態において、eNB200は、PLMN内サーバにDiscovery問合せを転送したが、これに限られない。例えば、PLMN内サーバが設けられない場合に、eNB200は、PLMN外サーバにDiscovery問合せを転送してもよい。
また、PLMN外サーバが複数のPLMNのそれぞれで割り当てられるローカルなDiscovery識別子に関する発見信号リストを保持する場合、eNB200及びPLMN内サーバは、Discovery問合せへの応答を行わずに、PLMN外サーバのみが、Discovery問合せへの応答を行ってもよい。
また、上述した実施形態において、1つのUE100に対して、1つのDiscovery識別子が割り当てられてもよいし、UE100が行うD2D通信の内容(或いは、D2D通信に用いられるアプリケーション)毎に、Discovery識別子が割り当てられてもよい。すなわち、UE100は、複数のDiscovery識別子が割り当てられてもよく、これらの複数のDiscovery識別子をD2D通信の内容(或いは、当該アプリケーション)に応じて、Discovery信号に含めるDiscovery識別子を変えてもよい。
或いは、上述した実施形態において、1つのUE100に対して、ローカルなDiscovery識別子とグローバルなDiscovery識別子とが割り当てられてもよい。この場合、UE100は、ローカルなDiscovery識別子とグローバルなDiscovery識別子とを適宜使い分けることができる。例えば、UE100は、UE100の位置に応じて、これらのDiscovery識別子を使い分けることができる。具体的には、UE100は、国内では、ローカルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信し、国外では、グローバルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信できる。或いは、UE100は、D2D通信の対象が自PLMNに属するUE100である場合、ローカルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信し、D2D通信の対象を自PLMNに属するUE100に限定しない場合、グローバルなDiscovery識別子を含むDiscovery信号を送信してもよい。なお、UE100は、ローカルなDiscovery識別子とグローバルなDiscovery識別子とを含むDiscovery信号を送信してもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、日本国特許出願第2014−045608号(2014年3月7日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。